「アメリカではペットショップの犬の展示ケージは体長の2倍以上」という、高井たかし議員の大嘘

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(summary)
Numerical criteria of dog's enclosure by the laws and regulations of dog breeders only general regulation of animal welfare regulation is applied.
General regulations
Animal Welfare Act and Animal Welfare Regulations
記事、
・「アメリカでは繁殖業者に法令による数値規制がある」という、高井たかし議員の無知蒙昧、
・続・「アメリカでは繁殖業者に法令による数値規制がある」という、高井たかし議員の無知蒙昧、
の続きです。
犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟(以下、「殺処分ゼロ議員連」と記述する)は、ペットの繁殖業者やペットショップの具体的な数値基準を法制化するように求め、環境大臣に提出する要望書をまとめました。議員連次長(当時)の高井たかし議員は、かつて「アメリカでは犬ブリーダーにはケージの大きさに法令による数値基準がある」とデタラメを発言しています。アメリカでは犬ブリーダーは極めて緩い(体長+15センチ四方)全般規制しか受けません。さらに、要望書にもひどい誤りがあります。
まずサマリーで示した、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟が、「ペット繁殖業者とペットショップに対する具体的な数値基準の法制化を求める要望書を作成した」ことを伝えるニュースソースから引用します。
犬猫の販売・繁殖業者への数値規制 議連や団体が独自案まとめる 2020年3月25日
身動きがままならないケージで飼育するなど、悪質な繁殖業者やペットショップへの行政指導を効果的にできるようにするため、具体的な数値を盛り込んだ基準作りが、環境省を中心に進められています。
昨年6月の動物愛護法改正の「宿題」で、超党派の議員連盟は独自案をまとめました。
ケージの広さや上限飼育数などを規制する議連案
取りまとめにあたった議連事務局次長の高井崇志衆院議員は、「問題のある業者を取り締まり、改善するためには具体的な数値が必要だ。自治体の職員が使いやすい基準にするとともに、欧州の先進国で行われているような水準の数値規制の導入を目指したい。たとえば、犬のケージの広さは小型犬で最低2平方㍍を確保してほしい」などと話す。
だが動物愛護法にはあいまいな表現しかないため、自治体は悪質業者に対する指導が効果的に行えてこなかった。
こうした状況の改善を目指し、昨年6月に議員立法で成立した改正動愛法には、環境省令により「できる限り具体的な」基準を設けるよう定められた。
上記の記述から、殺処分ゼロ議員連は、「繁殖業者及びペットショップに対する具体的な数値基準」を環境省令(つまり強制力を伴う法令)で立法化することを求めています。その中で、議員連次長の高井たかし議員(当時)は、「欧州の先進国で行われているような水準の数値規制の導入を目指したい」と述べています。しかし高井たかし議員は、かつてこのような発言をしています。
「そもそもペットショップでの店頭販売自体なくなりつつあるのが世界の趨勢であり、欧米では飼育環境の基準も明確に定められており(犬舎の大きさは体長の2倍以上。日当たりや断熱の確保など)、日本でも飼養施設・飼養管理の基準の明確化が必要です」(高井たかし(民進党)過去ブログ | たたかい日記 キャッシュコピー)。この発言では、「米国のペットショップでの犬の展示販売では体長の2倍の犬舎が必要」という意味になります。
(画像)
(高井たかし(民進党)過去ブログ | たたかい日記 キャッシュコピー

しかしこれは大嘘です。アメリカ合衆国においては、ペットショップを規制する連邦法令はありません。アメリカ合衆国の約半数の州が州法令によりペットショップの許認可等の規制をしています。州法令による規制がない州では、多くの場合、傘下の自治体が条例でペットショップを規制しているとアメリカの複数の資料であります。「規制が全くない州自治体もある犬ブリーダー」に比較すれば、ペットショップへの行政の関与は比較的大きいようです。
Small Business Licensing Services Pet Shop Licensing 「スモールビジネスライセンスサービス ペットショップライセンス」から引用します。
Over half the US states have enacted legislation to regulate the sale of animals and pet supplies at pet shops.
Pet shops are often regulated on the local level as well.
Pet shops are establishments primarily engaged in retailing pets, pet foods, and pet supplies.
These businesses may require specific business licenses by states, counties, and cities.
アメリカ合衆国の半数以上の州が、ペットショップでの動物の生体やペット用品の販売を規制する法律を制定しています。
ペットショップは多くの場合、地方自治体レベルでも規制されています。
ペットショップは、主にペット生体、ペットフード、ペット用品の小売りを行う施設です。
これらの事業は、州、郡、および市によって特定の事業許可を必要とする場合があります。
私はペットショップを規制する州法令と一部の自治体条例を調べました。しかしアメリカ連邦動物福祉規則の全般規定(犬の全長+6インチ四方の床面積を要する)に対して、州法令もしくは条例でペットショップの展示ケージの大きさ関する数値基準で独自の上乗せ規制を設けている州はごく一部でした。一部高さに関して「犬の頭部より6インチ以上高いこと」と上乗せ基準を設けている州自治体はあります。
すなわちアメリカ合衆国のペットショップの展示ケージの床面積は、殆どのペットショップが連邦動物福祉規則の極めて緩い犬の飼養規則、「犬の体長+6インチ(約15㎝)四方」という基準が準拠されます。高井たかし議員の「犬舎(展示ケージ)の大きさは体長の2倍以上」を定めている州法令、自治体条例は一つも確認できませんでした。
アメリカ合衆国におけるペットショップの法的規制は、ブリーダーとは異なり、州による法令、それがない州ではほとんどの場合地方自治体条例で規制されているようです。アメリカン・ヒューメイン・ソサエティによる「アメリカ合衆国のペットショップに関する州法一覧」(The Humanesociety Of The United States Pet Store Laws by State)では、29州で、ペットショップを規制する州法令が確認できました。次回記事では、そのいくつかの、展示ケージの大きさを定めた州法令を例示します。
(動画)
PUPPY STORES IN MIAMI .DORAL FL. 「フロリダ州マイアミの子犬店」2013年5月26日
この展示状態はかなりひどいと思いますが、フロリダ州のペットショップの規制(連邦動物福祉規則を準用)、「展示ケースの床面積は犬の体長(頭の先から尾の付け根)+6インチ四方が準用されますので、これでも合法です。高井たかし先生にはぜひアメリカ合衆国の、「(欧米。もちろんアメリカ合衆国も含まれる)では、犬舎の大きさは犬の体長の2倍以上」と規定している州法令、条例を挙げていただきたい。私は一つも確認していません。
(動画)
おまけ動画 「『犬になりたい』で炎上した高井たかしのリプが面白すぎる」 4月15日公開
なるほど、この方が異常に犬猫愛誤に執着する理由がわかりました。
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- (再掲)「ロサンゼルスは犬ブリーダーに6歳を超えるメス犬の出産を禁止している」というアメリカ在住獣医師のデタラメ