海外の動物愛護を正確に伝えているマスメディアはあるのか?

Please send me your comments. dreieckeier@yahoo.de
Bitte senden Sie mir Ihre Kommentare. dreieckeier@yahoo.de
メールはこちらへお寄せください。 dreieckeier@yahoo.de
domestic/inländisch
私はこのブログサイトで2011年から多くの動物愛護に関する海外情報を伝えてきました。出典は外国政府文書(法令、広報、統計など)、当該国の大学等の研究論文、当該国のマスメディアの報道、動物愛護団体自身の広報など信頼性の高い資料をそのまま訳して紹介してきました。それらの情報は、日本のマスメディア等が報道してきた情報とあまりにもかけ離れています。狭義のマスメディア以外にも、環境省などの動物愛護を所管する省庁、大学の論文(目も当てられないほどの誤訳)、民間の研究機関なども目を覆いたくなるほどの嘘デタラメの情報提供をしています。あまりにもひどい状況です。その中で私が知る限り、唯一正確で、出典をきちんと挙げておりかつその出典の信頼性が高く、偏向がない資料があります。それは「GPCA 動物虐待防止会(Group to Prevent Cruelty to Animals)発刊の、動物ジャーナル 青島 啓子氏 編集」です。若干古い刊行ですが、現在でも情報の正確さにおいてこれを凌駕するものはありません。
サマリーで示した、「GPCA 動物虐待防止会(Group to Prevent Cruelty to Animals)発刊の、動物ジャーナル 青島 啓子氏 編集」の、「先進国って何?」の連載記事ですが、インターネットでも公開されています。その一覧を以下の挙げておきます。
・先進国って何? 英国の奴隷制度おさらい/RSPCA調査に見る飼育怠慢
・先進国って何? (二) 英国篇 その二 保護施設の実情(ブリストル大学調査)/RSPCAの安楽死処分終了宣言
・先進国って何? (三) 英国篇 その三 不況で捨てられるペット(CNN)/ブリーダーの現実(BBC)
・先進国って何? (四) 英国篇 その四 買わないで!ーー 生体販売と繁殖場
・先進国って何? (五) 英国篇 その五 ダークナイトときつね狩
・先進国って何? (六) 英国篇 その六 きつね狩 後編
・先進国って何? (七) ドイツ篇 その一 合法的に駆除される飼い犬・飼い猫 ードイツ連邦狩猟法
・先進国って何? (八) ドイツ篇 その二 巨大ペットショップと激安フリーマーケット、そこで売られる仔犬たち
・先進国って何? (九) ドイツ篇 その三 ふざけるな犬税=犬税の様相、及び苦悩する動物保護施設
・先進国って何? (十) ドイツ篇 その四 犬と人との関係 上
・先進国って何?(十一) ──ちょっとお休みを
・先進国って何?(十二) ── ひき続きお休みを
・先進国って何?(十三) ── 最終篇 上 BBCスコットランド支局制作ドキュメンタリー「The Dog Factory」紹介
・先進国って何?(十四) ── 最終篇 中 道義的には「?」但し法的には問題なし
・先進国って何?(十五) ── 最終篇 下の上 アイルランド共和国の動物政策について
・先進国って何?(十六・完) ── 最終篇 下の下 先進国事情の説明には人知を尽せ
なお私が知る限りであって、上記委のメディアの記事以外がすべて嘘、偏向、誤りであるとは申し上げていません。もし読者様が、「この資料は正確である」というご意見があれば、ぜひその資料名(インターネット上で公開されていればURLを)コメントしてください。
かつて、「GPCA 動物虐待防止会(Group to Prevent Cruelty to Animals)発刊の、動物ジャーナル 青島 啓子氏 編集」連載の記事のいくつかを、私はこちらで取りあげたことがあります。その時も、「日本の海外動物愛護に関する報道で、極めて珍しい、きちんと出典を挙げ、かつ訳文が正確で偏向がない」と、私は評しました。
しかし読者様から「インターネット検索でも上位でヒットしない弱小メディアでいったいどのような記事で信頼性に足るのか疑問だった」というご意見をいただきました。大変残念です。サマリーで示した通り、NHKをはじめとする大メディアはもとより、動物愛護を所管する環境省などの省庁、民間の研究機関も、卒倒するようなデタラメを満載したあまりにもひどい資料を公開しています。特に大メディアは視聴率稼ぎのために大衆におもねることを第一とし、情報の正確性は二の次という有様です。
そして大衆は長文で、きちんとした出典を挙げ、検証を行った資料は読むのが面倒、さらには理解する能力がないのです。それが理性で考えれば明らかにデマであることでも、感情に訴える映像や短文を好みます。そしてデマ情報が日本に定着するのですが。驚くことに省庁の資料や研究機関が作成した資料でさえ、すでに日本で定着したデマに基づいています。まさに「悪貨は良貨を駆逐する」です。良心的に、地道に取材をし、検証を重ねて正確性を担保した資料が注目されないことは、私は大変残念に思います。
(画像)
2012年11月1日放映の、NHK「地球イチバン 地球でイチバン ペットが幸せな街~ドイツ・ベルリン」という番組のHPから。この番組は全編にわたりデマ、デタラメ、ヤラセのてんこ盛りのまさにくるった番組。なお、真実は次の通りです。
1、ドイツは行政による殺処分(禁止犬種法による禁止犬種を無許可飼育してた飼い主から犬を押収し、強制殺処分する、行動などから危険と判断された犬、咬傷犬も行政が押収して強制的に殺処分する制度があります。また狂犬病法による強制的な検査殺処分、通関不備の犬猫などは税関が強制的に殺処分する権限があります)があり、相当数が殺処分されています。また警察官による市中での犬の射殺や、民間人ハンターによる犬猫の狩猟駆除が合法で、その数だけで日本の10倍以上です。
2、ドイツは、犬のリード義務に関しては最も厳しい部類の国であり、州によっては2万5000ユーロ(日本円で約300万円)までの罰金を科されます。また山野では民間人ハンターに通年射殺される恐れがあり、市中では警察官に射殺されることもたびたびあります。ドイツ連邦全土では、年間の警察官による犬などの射殺は1万3000件を超えます。
3、ドイツにはもちろん、生体を売るペットショップがあります。その数は人口比で日本の1.3倍も多いのです。また世界最大の生体販売ペットショップはドイツにあり、犬猫も売られています。

(動画)
BIGGEST PET SHOP IN THE WORLD - ZOO ZAJAC - DUISBURG - GERMANY 「世界最大のペッショップ ZOO ZAJAC デュイスブルク ドイツ」 2018年5月15日公開 https://youtu.be/cNfnW1GasNg
世界最大の生体販売ペットショップは、ドイツのデュイスブルクにあります。犬猫も含む生体販売のフルラインの品ぞろえをしています。ドイツには、超大型の生体販売ペットショップが多数あります。
(画像)
2019年1月23日放映(再放送)の、「旅のチカラ 犬の幸せって何だろう」で、「ドイツは殺処分ゼロ」と報道していたことに対する私のメールのNHKの回答です。「『ドイツでは犬の殺処分を行っていない』とコメントしていますが、人を傷つけた犬や狂犬病の犬は勿論対象外です」とは、完全に嘘報道を認めているではありませんか。なお日本ではたとえ人をかみ殺した犬でも、ドイツと異なり行政が強制的に殺処分することはできません。
さらに「ティアハイムのような施設では殺処分ゼロ」ですが、ティアハイムは「一定の条件下の動物(犬)は、殺処分は必須である」としています。ティアハイムの統括団体のドイツ動物保護連盟がガイドラインで明記していますし、日本で煩いほど「殺処分ゼロの施設」というデマが流布されている、ティアハイム・ベルリンはHPで「当施設は殺処分を行っています」と明記しています。まさにNHKは嘘と恥の上塗り。

(画像)
ティアハイム・ベルリンのHPからスクリーンショットと訳文。NHKの「ティアハイムのような施設では殺処分ゼロ」というメールの回答は、まさに恥の上塗り、それを通り越して狂気の世界。番組制作者らは精神科を受診すべきレベルでしょう。
・Tierschutz in Berlin seit 1841 「ベルリン動物保護協会 ティアハイムベルリン ホームページ」 の、service をクリック、さらに、Häufig gestellte Fragen 「よくある質問」をクリックすると、次の画面が現れます。
・Häufig gestellte Fragen 「よくある質問」
さらに、Werden Tiere eingeschläfert? 「ティアハイム・ベルリンは安楽死(殺処分)していますか?」をクリックすれば、以下の画面が現れます。

Werden Tiere eingeschläfert?
・Ein Tier ist so sterbenskrank, dass es nicht mehr zu retten ist und von seinen Leiden erlöst werden muss.
Sämtliche Einschläferungen von Tieren bedürfen de Einwilligung mehrerer Veterinäre sowie der Zustimmung des TVB.
Jeder Fall wird in einem Euthanasiebuch dokumentiert.
Einschläferungen erfolgen grundsätzlich nach Ausschöpfung aller Behandlungsmöglichkeiten; medizinisch-technische Voraussetzungen stehen in bester Ausstattung zur Verfügung, die finanziellen Aufwendungen für den Komplex medizinische Versorgung steigen stetig.
・Ein Tier zeigt gemäß der Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes so starke, nicht behebbare und konstante Verhaltensstörungen, dass ein Weiterleben entweder nur mit schweren Leiden verbunden wäre oder eine akute Gefährdung der Umwelt vorhanden ist.
Über solche Ausnahmefälle entscheidet dann eine sachkundige Kommission.
ティアハイムベルリンは動物を安楽死(殺処分)しますか
その動物が死に直面し治療不可能で、その苦しみから解放しなければならない場合は行っています。
すべての動物の安楽死は、数人の獣医師の同意とベルリン動物保護協会(註 ティアハイム・ベルリンの上部団体)の同意を必要とします。
安楽死の各症例は、記録簿に記載されています。
基本的には、すべての治療法の選択肢が尽きた後に行っています。
医療上および技術上の要求は可能な限り最も高度な設備で行うことが可能でありますが、複雑な医療のための財政的負担は年々増加しています。
ドイツ動物保護連盟のティアハイム運営指針によれば、動物が強度の回復不可能なかつ恒常的な行動障害を示していて、それが継続的な生きるうえで動物に深刻な苦痛の原因となる場合、もしくは周辺環境に深刻な危険を及ぼす場合は安楽死(殺処分)を行っています。
そのような例外的なケースの安楽死は、知見のある委員会によって決定されます。
- 関連記事