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「ベルリンでは1歳未満の犬の販売を禁止した」という誤訳~環境省のデタラメ資料③







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(Zusammenfassung)
Gesetz über das Halten und Führen von Hunden in Berlin (Hundegesetz - HundeG) Vom 7. Juli 2016


 記事、
犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ①~環境省のデタラメ資料
続・犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ~環境省のデタラメ資料②
の続きです。
 環境省が2017年に公表した、ドイツに関する資料、平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年 5 月 30 日 特定非営利活動法人アナイス 、があります。本資料は次のような記述があります。「2016 年にベルリン州ではホビーブリーダーに対し、1歳以上の犬でなければ販売してはならないとの規制が導入~」。この記述は法律の原意を損ねる偏向、誤訳と言ってよいです。



 サマリーで述べた、環境省の資料、平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年 5 月 30 日 特定非営利活動法人アナイス (以下、「本資料」と記述する)の、問題記述を引用します。


2016 年にベルリン州ではホビーブリーダーに対し、1歳以上の犬でなければ販売してはならないとの規制が導入され、これは他州からベルリン州に売られる犬にも適用されることとなった。
しかし営利目的のブリーダーにはこの1歳以上というのは適用されず、結局、営利ブリーダーに有利に働いている。
このことについて当局者に質問をしたが回答はない。
近く、違憲として訴訟の準備をしている。(12ページ)



 上記の記述ですが、環境省の本資料においては根拠となる法令を示していません。おそらく、Gesetz über das Halten und Führen von Hunden in Berlin (Hundegesetz - HundeG) Vom 7. Juli 2016 「ベルリン州における犬の飼育と譲渡販売における引き渡しに関する法律(犬の法律-犬法)」 2016年7月7日」施行 と思われます。
 しかし環境省の本資料における記述は、原意を相当曲解歪曲解釈した内容です。許容できる偏向を通り越して「誤訳」と言って差し支えないと思います。以下に該当する条文の原文を引用します。


§ 16 Zucht, Vermehrung, Aufzucht, Ausbildung, Abrichten, Abgabe und Erwerb
(3) Die Haltung eines Hundes darf nur aufgenommen werden, wenn der Hund
1. von einer Person, die über eine Erlaubnis nach § 11 Absatz 1 Satz 1 Nummer 3, 5, 6 oder 8 Buchstabe b oder f des Tierschutzgesetzes verfügt, oder
2. von einer nach § 6 Absatz 2 Nummer 1, 2, 3 oder 6 als sachkundig geltenden Person erworben wird, es sei denn, der Hund ist zum Zeitpunkt des Erwerbs bereits älter als ein Jahr.
(4) Wer einen Hund abgibt, hat dem Erwerber eine Bescheinigung, die Angaben über seine Identität, einen Nachweis der Voraussetzungen nach Absatz 3 sowie Angaben, welcher Rasse oder Kreuzung der Hund angehört, zu erteilen. Der Erwerber eines Hundes ist verpflichtet, sich eine Bescheinigung gemäß Satz 1 ausstellen zu lassen und diese für die Dauer der Haltung des Hundes aufzubewahren.


16条 犬の繁殖、増殖、飼育、訓練、しつけ、引き渡しと取得
(3)犬の飼育繁殖に関する情報は、犬が購入時に1歳以上でない場合に限り、連邦動物保護法11条(1)1の条文3、5、6または8bまたはfに従って許可を得ている者によって所有されている場合、または、第6条(2)(1)、(2)、(3)または(6)に従って知識があると見なされる者によって得られた場合にのみ記録することができます。
(4)犬を譲渡する者は、犬の出生、第3項に規定する条件の証明、および犬の品種または交配に関する情報を記載した証明書を購入者に渡すものとします。犬の購入者は、1項に従って発行された証明書を取得し、犬の飼育期間中にそれを保管する義務があります。



 つまりベルリン州では当該新しい法律で、次の事項を定めています。
1、ドイツ連邦動物保護法(Tierschutzgesetz)11条により、繁殖販売が許可された者だけが犬の飼育繁殖に関する情報(ワクチン接種履歴や遺伝情報など)の記録簿を作成することができ、また義務です。ただし1歳以上の犬は必要ありません。
2、犬を販売する者は、必ず「1、」の犬の飼育繁殖に関する情報の記録簿を購入者に渡さなければなりません。
3、犬の購入者は、その犬の飼育期間は、その犬の記録簿を保管しなければなりません。


 この新しい法律が制定された背景には、近年急速に東欧諸国からドイツへの違法な犬の輸入が増えていることがあります。東欧諸国からの犬の輸入は、正規の手続きをすれば合法ですが、多くは正規の通関手続きを経ていない(5頭以上は商業取引として通関手続きが必要ですが多くは行われていません)のです。そして違法にドイツに持ち込こまれた犬は、非合法の業者により、実際には犬の繁殖を行っていない「趣味ブリーダー」の名義を借りてインターネットで販売されています。
 趣味ブリーダーとは、動物保護法施行規則(der Allgemeinen Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes vom 9.02.2000)で犬ブリーダーの認可要件を満たしていない規模の、「保有している繁殖メス犬が3頭未満、もしくは1年間で繁殖が3回未満」のブリーダーのことです。行政の監視外ですから、実際は犬の繁殖を行っていない素人でも、名義貸しで手数料をもらい、東欧から違法に輸入した犬を「ドイツ産」と偽って販売しても発覚しにくいのです。そのような不正を防止するために、犬の販売は1歳未満に限り、認可を受けた業者以外の販売を事実上禁じたのです。

 環境省の本資料では、「ホビーブリーダーに対し、1歳以上の犬でなければ販売してはならないとの規制が導入され~しかし営利目的のブリーダーにはこの1歳以上というのは適用されず、結局、営利ブリーダーに有利に働いている」との記述ですが、「保有するメス犬が3頭以上もしくは1年間の繁殖回数が3回以上」でなければ、犬ブリーダーの行政による認可を受けられないわけではありません。
 この規模に満たない犬ブリーダーであっても、「営利を目的とし継続的に犬の繁殖を行う者」は、犬ブリーダーの認可を得られますし、むしろ「保有メス犬が3頭以上、1年間の繁殖が3回以上」の規模に満たなくても、ブリーダーの認可を受けるのが望ましいとされています。ですから、環境省の本資料の記述は誤りです。
 それを裏付ける資料、Wann ist eine Hundezucht genehmigungspflichtig? 「犬の繁殖で認可を受けなければならないのはどのような時ですか?」


Wer gewerbsmäßig Hunde züchtet oder mit Hunden handelt, be­nötigt die Erlaubnis des zuständigen Veterinäramtes.
Man konkretisierte das TierSchG in der Form, dass (nach § 11 Abs. 1 Nr. 3a TierSchG i.V.m. Nr. 12.2.1.5.1 der Allgemeinen Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes vom 9.02.2000) bei der Haltung von 'drei oder mehr fortpflanzungsfähigen Hündinnen oder drei oder mehr Würfen pro Jahr' in der Regel von einer gewerbsmäßigen Zucht auszugehen ist.
Gewerbsmäßig handelt (nach Nr. 12.2.1.5 der Verwaltungsvorschrift), wer die Zucht selbst­ständig, planmäßig, fort­gesetzt und mit der Absicht der Gewinnerzielung ausübt.

犬を商業的に繁殖させる、または犬の商業取引をする場合は、管轄する獣医局の認可が必要です。
動物保護法(TierSchG)では、(動物保護法11条1項3aと、動物保護法を施行するための一般管理規則9.02.2000 der Allgemeinen Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes vom 9.02.2000 を併せてそれに従って)、「1年間を通じて3頭以上の繁殖メス犬の保有、もしくは3回以上の同腹子の生産」は、通常商業的な繁殖とみなすことができると具体化されました。
(犬繁殖における)商業的な活動(行政規則 No. 12.2.1.5に準拠)とは、計画に従って独立して繁殖を行い、利益を上げることを意図して継続する者によって行われる行為をいいます。



 環境省の本資料の、「ホビーブリーダーに対し、1歳以上の犬でなければ販売してはならないとの規制が導入され、営利目的のブリーダーにはこの1歳以上というのは適用されず、結局、営利ブリーダーに有利に働いている」との記述は、法律の原文を読めば、偏向を通り越して明らかに「誤訳」と言える代物です。原意が正確に反映されていません。おそらく環境省の職員もしくは通訳が、聞きかじった断片的な情報で法令を確認せずに作文したものと思われます。それにしても、政府機関が海外出張までして作成した報告書で、「〇〇という規制が導入され」という記述をしながら、根拠法も示さないのはお笑いです。出来の悪い中学生のレポートじゃあるまいし(笑い)。
 同じく12ページの、「ドイツの動物保護法では、繁殖犬3頭以上を飼育する人が登録の対象(註 正しくは「繁殖メス犬(オス犬は除外)3頭以上もしくは1年間の繁殖回数が3回以上」)」も、根拠法(der Allgemeinen Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes vom 9.02.2000 具体的な数値基準の規定は動物保護法にありません)が挙げられていないのはお笑いです。
 また、「営利目的のブリーダーにはこの1歳以上というのは適用されず、結局、営利ブリーダーに有利に働いている。違憲として訴訟の準備をしている」も確認できていません。そのような訴訟ありえないと私は思います。なぜならば、動物保護法と施行規則による「メス犬3頭以上保有、もしくは1年の繁殖が3回以上」の規模基準に満たないブリーダーが認可を受けることを妨げる法律はなく、むしろ営利継続的であれば、その規模に満たなくても認可を受けることが望ましいと行政規則にあるからです。まさに環境省の本資料の記述は「漫才誤訳」と妄想作文なのですが、これが省がやっていることですので呆れるしかありません。


(動画)

 Illegale Tierhändler immer dreister: 42 Hundewelpen auf der A3 gerettet 「違法なペットディーラーはいつでも厚かましい。A3号高速道路で42頭の子犬を救出した」 2017/05/08公開

Tausende Hundewelpen werden jährlich in Osteuropa gezüchtet.
Die Welpenmafia schleust sie illegal nach Deutschland und Westeuropa.
Schon bei der Zucht leiden die Tiere, beim Transport erst recht.

東ヨーロッパでは、毎年何万何十万頭もの子犬が繁殖されています。
子犬マフィアは違法に子犬をドイツと西ヨーロッパに密輸します。
犬たちは繁殖で、特に輸送中に苦しみます。


 このようにドイツに密輸された子犬は、インターネットで、「偽装趣味ブリーダー(無認可のブリーダー)」としてドイツ人の名義を借りて販売されています。




(参考資料)

ドイツにおける犬の小売・ペットショップ

 この環境省の本資料の、噴飯語訳を引用したブログ記事です。法律の原意が全く伝わっていません。ブログ主の曲解もはなはだしい。さらに法律の原意が歪曲されています。環境省の本資料作成者も通訳も、法律の原文を読んでいないことは間違いないです。バ環狂省は嘘プロパガンダの旗振り役か、本当に有害。
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環境省 メールアドレス

環境省 メールアドレス
moe@env.go.jp

すでに本資料での記述「数年前にドイツでは犬を郵送することが禁じられた」の根拠となる法令について問い合わせを数回していますが、全く返事がありません。
正しければ(正しければ必ず根拠となる法令があります)その根拠となる法令を速やかに回答すればよい話です。
なぜ数回メールを受けても無視しているのでしょうね。
これは公費で作成された環境省の資料です。
国民の問いに真摯に回答するのが義務です。


平成 29 年度 ドイツにおける動物保護の 取組みに係る調査業務 報告書
http://www.env.go.jp/council/14animal/ref49_3.pdf?fbclid=IwAR0Z7ErNTl0QCuXYF0nsjJJQOTsRnnqofeBI5btK1yPHUupfywE430R1dwE
に関して。
以下の記述、

「2016 年にベルリン州ではホビーブリーダーに対し、1歳以上の犬でなければ販売してはならないとの規制が導入され、これは他州からベルリン州に売られる犬にも適用されることとなった。
しかし営利目的のブリーダーにはこの1歳以上というのは適用されず、結局、営利ブリーダーに有利に働いている。
このことについて当局者に質問をしたが回答はない。
近く、違憲として訴訟の準備をしている。(12ページ)」
について必ず回答せよ。

1、「2016 年にベルリン州ではホビーブリーダーに対し、1歳以上の犬でなければ販売してはならないとの規制が導入」であるが、その法令と該当する条文を原文で示せ。
2、「このことについて当局者に質問をしたが回答はない。近く、違憲として訴訟の準備をしている」とあるが、主語も目的語もない、また何時の事なのかも記述がない欠陥文書である。①誰が、②誰に(当局者とは?すでに立法されれば行政当局に抗議しても無意味だが?この記述をした人は中学をちゃんと卒業していますか?)、③いつ、④どのような形で、行われたのか回答せよ。
3、「2、」を裏付けるソースを示せ。公の機関に公に質問したということであろうから、当然記録が残っていると思われる

真実は次の通り。
1、根拠法は、Gesetz über das Halten und Führen von Hunden in Berlin (Hundegesetz - HundeG) Vom 7. Juli 2016 と思われる。この法律においては、認可を受けた犬ブリーダーのみが「犬の飼育繁殖記録簿」の作成の義務と権利を有し、販売に際に購入者に義務付けることと、購入者がそれを保管することが義務付けられている。なお1歳以上の犬には適用されない。本報告書の作成者及び通訳は法律の原文を読んでいないことが明らかであるが、あまりにもひどい曲解漫才誤訳である。
2、趣味ブリーダー(法令により認可を得ることを免除されている小規模犬ブリーダー)であっても、認可を得ることを妨げていない。むしろ法令では営利継続で犬を販売するのであれば、基準未満の規模の犬ブリーダーでも認可を受けなければならないとしている。したがって犬を販売するのであれば認可を受ければよいのであって、新法は小規模ブリーダーの権利の侵害とはならない。したがって違憲とはなりえず、訴訟はあり得ないと思われる。
3、「2、」の記述を裏付ける資料は、一切見つかっていない。

本資料は、こちらで引用させていただいたので報告する。
http://eggmeg.blog.fc2.com/blog-entry-1445.html#cm

バ環狂症へのメール 2

バ環狂症メール 
moe@env.go.jp


平成 29 年度 ドイツにおける動物保護の 取組みに係る調査業務 報告書
http://www.env.go.jp/council/14animal/ref49_3.pdf?fbclid=IwAR0Z7ErNTl0QCuXYF0nsjJJQOTsRnnqofeBI5btK1yPHUupfywE430R1dwE
に関して。
以下の記述、
「ドイツの動物保護法では、繁殖犬3頭以上を飼育する人が登録の対象」について回答せよ。

1、ドイツの動物保護法とは、Tierschutzgesetzes 以外には考えられないが、本法においては「繁殖犬3頭以上を飼育する人が登録の対象」という記述がある条文はない。
御省の本資料が正しいのであれば、tierschutzgesetz の「繁殖犬3頭以上を飼育する人が登録の対象」に該当する記述があるのは何条の何項で、その記述を原文のまま回答せよ。
その記述が正しければ、必ず回答できるはずだが。

正しくは「繁殖メス犬(オス犬は除外)3頭以上もしくは1年間の繁殖回数が3回以上」)」であり、根拠法は、der Allgemeinen Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes vom 9.02.2000 dearu.

省が公的資金で作成する資料で法令云々としながら、その法律の原文すら確認していないのか、税金泥棒め。
なおこの点についても、こちらで引用した。
http://eggmeg.blog.fc2.com/?no=1445#comment
プロフィール

さんかくたまご

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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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