ティアハイムが激減しているドイツ~ティアハイムの公的シェルター化は進むのか

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(Zusammenfassung)
In Deutschland ist Tierheim stark rückläufig.
Die Ursache ist Insolvenz und Schließung wegen Tierheim schlechtem Management.
記事、
・ティアハイムが激減しているドイツ~ティアハイムの経営難と破産、廃業が相次いでいる、
・ティアハイムが激減しているドイツ~ドイツのティアハイムの半数が破産に直面している、
の続きです。
ティアハイムは、経営危機が言われてから久しいです。昨年初め(2019年2月)に、ティアハイムの統括団体であるドイツ動物保護連盟は、「ドイツ国内のティアハイムの約半数が破産に直面している」と公表し、危機感をあらわにしています。現にティアハイムの倒産廃業は高水準です。ティアハイムの数は2016年は550ありましたが、わずか3年で57施設もへり、直近の数は493施設(2020年1月2日確認)です。ティアハイムの破産廃業によりドイツではティアハイムの数が激減しているのですが、ドイツの州や自治体はどのように対処しているのでしょうか。
サマリーで記述した通り、また前回、前々回の記事で示した通り、ドイツのティアハイムの数は、2016年には550施設ありました。しかしわずか3年後の現在(2020年1月2日)は、57施設も減り、493施設にまで激減しました。率にすれば、3年で約10%の減少です。まさにまさに「激減」と言えます。異常な事態と言えます。
このティアハイムの激減は、経営不振による破産廃業によります。ティアハイムの経営不振の原因は連載の記事ですでに述べた通り、「1、東欧などから安価な子犬などの輸入が激増して、ティアハイムの保護犬などの商品競争力が低下したために売上(譲渡)が減った」、「2、(「1、」とも関係がありますが)不適正飼育者の犬などの押収や、捨てられた犬などの保護数が増えて在庫費用が増大した」、「3、寄付金が減少した」が、ティアハイムの経営不振の主な原因です。そのうちの、「1、」、と「2、」は外部要因なので、ティアハイムの自助努力の余地はありません。
「3、」の寄付金の減少ですが、これは過去に私は何度も取り上げています。ティアハイムの景気が良かったころは経営幹部のティアハイムの内部資金の巨額横領事件は過去には多数起きています。ティアハイムの経営難が言われるようになってからは、「海外犬レススキューを名目にした詐欺」、「東欧などからの犬の不正輸入」、「ワクチン接種証明などの偽造」、「違法な動物の殺害虐待」、「警察から収容を委託された犬の不正転売」、「経営者の脱税」などなど、まさに「犯罪のデパート」状態です。実刑判決を受けた経営幹部も珍しくありません。例えば以下の記事です。昨年は報道されただけで4件のティアハイムの犯罪があります。元代表者の実刑判決もあります。これほどの不祥事が多発すれば、寄付者の信頼を回復させるためには、短期的には無理でしょう。
・ティアハイムの動物虐待と違法殺害~あまりにも多いティアハムの犯罪、
・続・ティアハイムの動物虐待と違法殺害~あまりにも多いティアハムの犯罪、
・続々・ティアハイムの動物虐待と違法殺害~あまりにも多いティアハイムの犯罪、
・続続々・ティアハイムの動物虐待と違法殺害~あまりにも多いティアハイムの犯罪
・まとめ・ティアハイムの動物虐待と違法殺害~あまりにも多いティアハムの犯罪
・醜聞にまみれたティアハイム・ベルリン~あまりにも多いティアハイムの犯罪、
・保護犬を殺害し、実験用に払い下げていたティアハイム・ベルリン~あまりにも多いティアハイムの犯罪、
・ティアハイム・ベルリン代表の横領スキャンダル~あまりにも多いティアハイムの犯罪、
・続・ティアハイム・ベルリン代表の横領スキャンダル~あまりにも多いティアハイムの犯罪、
・続々・ティアハイム・ベルリン代表の横領スキャンダル~あまりにも多いティアハイムの犯罪、
・まとめ・ティアハイム・ベルリン代表の横領スキャンダル~あまりにも多いティアハイムの犯罪
・ドイツ第2位のハンブルク・ティアハイムは犯罪のデパート、
・警察が押収した密輸犬を横領して転売したティアハイム~ティアハイムの犯罪はあまりにも多い、
・横領事件を繰り返して実刑判決を受けたティアハイムの経営トップ~ティアハイムの犯罪はあまりにも多い、
・経営者の脱税、犬の違法殺害、横領~ティアハイムの犯罪はあまりにも多い
しかし犬などの動物の収容施設はドイツにおいても必須です。拾得動物(野良犬や迷い犬などの動物)の管理は州、自治体の義務です。また各州の法律に基づく殺処分が前提の、押収された禁止犬種や咬傷犬、警察や税関が違法行為により押収した、または狂犬病規則により押収した犬などの一時収容施設が必要だからです。ティアハイムの経営難による破産廃業に州や自治体はどのように対処しているのでしょうか。
1つは公的支援です。ティアハイムの経営危機が言われるようになりつつあった2008年頃からしばらくは、ドイツの州自治体は、経営難に陥っているティアハイムに対しては補助金の増額や財政支援を行ってきました。そして公的資金でティアハイムを存続させるというのが多くの州自治体の方針であったと思います。そのために、ティアハイムの数は、10年近くは550施設程度と安定していました。
2018年に、ティアハイムの設備投資とその維持費に対して公的補助率を75%にまで引き上げた、シュレースヴィッヒーホルシュタイン州があります。私見ですが、公的補助率が過半数を大きく上回る75%というのは、私企業として存続させる意味があるのかと疑問に感じます。シュレースヴィッヒーホルシュタイン州HPから引用します。 Tierheimförderung 「ティアハイムの促進」 2020年1月9日アクセス
Das Land gewährt seit Juli 2018 Zuwendungen zur Unterstützung der Leistungen des ehrenamtlichen Tierschutzes für Tierheime und tierheimähnliche Einrichtungen.
Als Zuwendungsempfänger im Sinne dieser Richtlinien kommen nur juristische Personen des privaten Rechts in Betracht, die vorwiegend Belange des Tierschutzes verfolgen und im Besitz einer Erlaubnis nach § 11 Abs. 1 Ziffer 3 Tierschutzgesetz sind.
Die Zuwendung wird im Wege der Projektförderung als Anteilfinanzierung bereitgestellt und als nicht rückzahlbarer Zuschuss bewilligt.
Sie darf 75 Prozent der zuwendungsfähigen Gesamtausgaben und die Summe von 25.000 Euro pro Maßnahme nicht übersteigen, wobei im laufenden Haushaltsjahr maximal eine Maßnahme pro Zuwendungsempfänger gefördert wird.
シュレースヴィッヒーホルシュタイン州は2018年7月から、ティアハイムのようなボランティアの動物保護を行うティアハイム及びそれに類する施設に対して援助するための補助金を付与しています。
これらの行政命令が意味する範囲内の受益者は、主として動物保護の問題にかかわる、動物保護法(Tierschutzgesetz)11条1項及び3項に基づき認可を受けた私法上の法人のみです。
補助金は、上記の各計画の資金調達の一環として提供され、返済不要の補助金として提供されます。
対象となる補助金は総支出の75%を超えることはできず、1案件につき合計25,000ユーロを上限とし、1会計年度につき1受益者ごとに最大1案件です。
一方では、最近3年ほどは、実際にティアハイムの数が減っています。州自治体も既存のティアハイムに財政支援して無理に存続させずに破産させ、公的資金で新たな施設を建設する方針に転換する州があります。いわゆる第三セクターです。例えばバイエルン州です。
州や自治体の出資割合が50%であれば経営者を送り込むことができ、州自治体による経営となります。「ティアハイムの公営化」に近づくということです。つまりそれは例えばドイツのティアハイムが日本の動物愛護センターと言った、公的な動物保護施設に近づくということです。
それを裏付ける記事から引用します。Tierheim endlich auf einem guten Weg 「ティアハイムにとってやっと良い方法がありました」 2018年12月28日
Der Freistaat hat wohl vor, sich künftig beim Bau von Tierheimen mit einer staatlichen Förderung zu beteiligen.
Scheinbar sind bis zu 50 Prozent möglich.
バイエルン自由州は、将来的に州の支援によりティアハイムの建設に参加することを計画しています。
おそらく(補助金は)、最大50%までありえます。
これは私の個人的な意見ですが、ドイツのティアハイムが将来より公的資本による経営になり、公的管理が進む可能性は否定できません。ティアハイムの民間の自主経営においては、あまりにもモラルが低すぎ、犯罪の温床となりました。州自治体が公的資金をつぎ込み、その資金を経営幹部が横領していては公費の無駄遣いです。事実そのような事件は過去に多数発生しています。
また利益が出ない、公共性が高い事業は行政が担うのがふさわしいと思います。日本では「ドイツのティアハイムに倣った」という民間団体が雨後のタケノコのように乱立もしくは設立のために資金集めをしている状態です。しかし「ドイツのティアハイムに倣った」という、それらの団体経営者やアドバイザーで、ドイツのティアハイムについて正確に語っている人は皆無です。
(動画)
殺処分ゼロ実現の常識とは?【海外のペット事情】ドイツ編その1 2016/09/10公開
ドイツでは、犬猫殺処分ゼロ。その秘密は「ティアハイム」?
TierHeim Berlin
なぜ、このような施設が建設・運営できているのかというと、大勢の国民や企業の寄付によって、100%民間の力で運営されているから。
どうしても、引き取り手がいない場合は終生面倒を見て、埋葬する。
ドイツには500以上のティアハイムがあり、すべて民間の資金で経営が賄われている。
このような嘘プロパガンダ番組はどれほど有害かわかりません。「ドイツでは犬猫殺処分ゼロ」ですが、ドイツでは禁止犬種法があり、飼育が禁止されている犬を無許可で飼育していたというだけで犬が押収されて強制的に殺処分されます。また咬傷犬は強制的に殺処分されます。狂犬予防規則の殺処分の規定は日本より厳格です。またティアハイムの犬の殺殺処分率は日本の公的殺処分率より高いです。このTV番組で取り上げられたティアハイム・ベルリンでも、HPに「一定の条件の動物は必ず殺処分しなければならない」と明記されています。「墓」は高額なペット葬祭の営利事業です。
ティアハイム・ベルリンは、行政から収容を委託された動物の飼育費として概ね毎年60万ユーロ~80万ユーロ(日本円で1億円近く)の公的資金を受けており、その他にも約4000万円程度の設備投資に対する補助金をベルリン州から受けています。
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