TNRは違法と支援を拒否、野良猫の捕獲殺処分を行うアイスランドの自治体

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(summary)
Iceland municipality, refused to support to TNR.
首都の緯度が最も高い国、アイスランドですが、このような亜寒帯の国でも野良猫が問題になっています。アイスランドは特異な生態系を守るために、過去に何度も野良猫の駆除を国家事業として行ってきましたが、それでも野良猫は存在します。さらにTNRを推し進めようとしている団体さえあります。しかし自治体はTNR団体の支援要請を拒否し、野良猫を捕獲し、飼い猫として譲渡できなかった場合は安楽死させることを決定しました。
首都の緯度が最も高い国、最北のアイスランドですが、このような亜寒帯の国ですら、野良猫が問題になっています。アイスランドは希少種の野鳥の営巣地であり、隔絶した島嶼であることから独自の生態系があります。そのために貴重な生態系を脅かす野良猫の駆除を、国家事業として何度か行ってきました。しかし根絶に至らず、現在も野良猫はアイスランドに生息しています。まさに恐るべき種です。
例えば、アイスランドが今までに何度か野良猫の駆除事業を行ってきたことは、このような記事があります。10 interesting things you (probably) didn’t know about Reykjavík 「アイスランドの首都レイキャビクについて、おそらくあなたが知らなかった10の興味深い事柄」。2015年10月8日 から引用します。
The feral cat population was brought under control in the 1980s and ‘90s.
A massive operation in 2000 to eradicate the remaining feral population found only a handful of cats.
野良猫の数は、アイスランドでは1980年代と90年代にコントロール下に置かれました。
2000年には野良猫の根絶事業(eradicate 一匹も残さず)が行われましたが、生き残った野良猫の数は、ほんの一握りしか見つけられませんでした。
(註)その後の2015年にもアイスランドは国家事業として野良猫の根絶事業を行っています。これを報道する記事はすでにリンク切れですが。
しかしその後も野良猫はアイスランドで生存し続け、個体数を維持~増加させてきました。そのため、アイスランドにも野良猫保護団体があります。アイスランドの野良猫保護団体は、捕獲保護した野良猫を飼い猫として譲渡していますが、飼い主が見つからない猫のTNRを行うことの同意と支援を自治体にもとめました。しかし自治体は「TNRは違法である」としそれを拒否しました。野良猫は捕獲し、飼い主が見つからない場合は安楽死させるとしています。
Population Control of Wild Cats in East Iceland Hotly Contested 「イースト・アイスランド(註 野良猫保護団体の名称)での野良猫の個体数管理」 2019年2月15日
‘Wild Cats in East Iceland,’ is a nonprofit that operates under the auspices of the Villikettir animal welfare organization.
The organization aims to “care for wild and homeless cats in the region, providing them with shelter and food.
The organization operates according to the ethos of TNR: Trap – Neuter – Release.”
The aim of this approach is to control the population of wild cats without killing them.
The cats taken in by Villikettir are dewormed and vaccinated before the staff attempts to get them used to being around people and find them homes.
If the cats can’t be tamed, they are released again.
But Fljótsdalshérað rejected their assistance.
Instead, the municipality intends to set traps for wild cats.
Fljótsdalshérað mayor Björn Ingimarsson says the municipality is acting in accordance to the law.
After consultation with the Public Health Authority and the Icelandic Food and Veterinary Authority (MAST), he says, it’s clear that it isn’t permissible to collaborate with Villikettir under the terms that organization has set out.
Wild cats are categorized as semi-wild animals and must either be provided with a permanent home or euthanized.
Likewise, it is not permissible to release animals that have grown up with people into the wild.
The ear tagging system that the organization suggested is also said to be illegal.
Wild Cats in East Iceland 「イースト・アイスランドの野良猫」は、the Villikettir animal welfare organization 「野良猫(Villikettir)動物福祉団体」の後援の下で運営されている非営利団体です。
この組織は、「この地域の野生化した猫および飼い主のない猫の世話をし、保護施設と餌を提供すること」を目指しています。
この組織は、いわゆるトラップー中性化ーリリースである、TNRの理念に従って運営されています。
この手法の目的は、野生化したの猫を殺さずに、その数を抑制することです。
「野良猫福祉団体」保護された猫は、スタッフが猫を人に慣れさせ、飼主を探す前に駆虫され、ワクチン接種されます。
猫を飼いならすことができない場合は、猫は再びリリースされるとしています。
しかし、Fljótsdalshérað(註 自治体名)市は支援を拒否しました。
その代わりに自治体は、野生化したの猫のわなを設置する予定です。
Fljótsdalshérað市のBjörnIngimarsson市長は、自治体が法律に従って行動していると言います。
市長は、アイスランド公衆衛生局とアイスランド食品獣医局(MAST)と協議した後、動物保護団体が定めた条件の下では、動物保護団体に協力することは許されないことは明らかだと言っています。
野生化した猫は半野生動物に分類され、恒久的な飼い主を見つけるか、安楽死させる必要があります。
同様に、人間と共に育った動物を野生に放つことは許されません。
動物保護団体が提案した、耳に目印をつけるシステムも違法であると言われています。
しかし首都のレイキャビクが世界最北の北緯64度8分であり、ほぼ寒帯に近い亜寒帯ですら、もともと亜熱帯の砂漠地帯が原産のイエネコが野生化していることに驚きです。しかもわずか人口30万人の小さな島国で、たびたび国家事業として野良猫根絶事業を行っているにもかかわらず、個体数を回復し、生態系に悪影響を及ぼしているとは、猫は恐ろしい種です。
日本では、例えば奄美大島のノネコが問題になっています。奄美大島のように気候条件が猫の生息に適し、さらに餌となる小動物が豊富な条件下では、まずTNRを行ったとしても根絶はおろか、個体数の抑制すら効果はないでしょう。
(動画)
TRIP TO ICELAND IN WINTER - NORTHERN LIGHTS, VOLCANOES, AND GLACIERS - VLOG 2016/04/27公開
このようなアイスランドの自然条件で野生化し定着し、繁殖~個体数増をしているのです。恐ろしい種です。これほどの自然適応力があり、繁殖力が強い種を気候条件が良いところで給餌まで行えば、TNRを実施したとしても根絶どころか、個体数の抑制すら困難です。まさに日本で行われている、島嶼部でのTNR事業は愚の骨頂。
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