ヨーロッパの犬食~「犬食するのは動物愛護後進国だ」という東大教授の無知蒙昧

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(Zusammenfassung)
Hundefleisch in Europa
記事、
・「野良猫の多い国は子供が少ない」と言う東大教授のトンデモ理論(笑)、
・「18世紀にイギリスにクマがいた」と言う東大教授の痴性、
・イギリスに野良猫が突出して多い理由~「イギリスでは野良猫は消滅した」と言う東大教授の痴性、
・続・イギリスに野良猫が突出して多い理由~「イギリスでは野良猫は消滅した」と言う東大教授の痴性、
・スイスの犬食~「犬食するのは動物愛護後進国だ」という東大教授の無知蒙昧、
の続きです。
東京大学教授の小野塚知二氏は、「イギリスやドイツでは20世紀中葉に野良猫は消滅した(野良猫はゼロと言う意味になる)」と主張しています。しかしイギリスは自然条件や社会制度、人口密度などが近い西ヨーロッパの国の中では、突出して野良猫が多いという推計があります。さらに「韓国はヨーロッパと異なり動物愛護後進国であるために犬食がある」とも述べています。しかしヨーロッパでも根強く犬猫食習慣が残っている国地域があります。
東京大学の小野塚知二教授(経済学)氏は、繰り返し「イギリスやドイツでは20世紀中葉に野良猫は消滅した(「野良猫はいない。野良猫ゼロ」と言う意味になります)」と主張しています。これが全く根拠のないデタラメであることは、連載の記事で述べたことです。イギリスは自然条件や人口密度が近い西ヨーロッパの国に比べて突出して人口比で野良猫の数が多いのです。
さらに小野塚知二教授は、「韓国はヨーロッパと異なり動物愛護後進国であるために犬食が行われている」とも述べています。しかしヨーロッパでは、犬猫食習慣が根強く残る国や地域がいくつも存在します。前回記事で取り上げたスイスの犬猫食習慣は、ヨーロッパでは周知の事実です。北イタリアの猫食も良く知られています。また法律で明確に犬猫食を禁じているヨーロッパの国はごくわずかです。小野塚教授が「動物愛護先進国」の筆頭として挙げているイギリスでは、犬猫の食用と殺が合法です。小野塚教授の無知蒙昧ぶりには呆れます。
小野塚教授の「韓国は(ヨーロッパとは異なり)動物愛護後進国であるために、犬食が行われている」、と言う内容の資料はこちらです。日本ペットサミット(東京大学獣医学教授が代表の任意団体)が行った講演会ですが、その草稿(作成者は小野塚教授ご自身ではないようです)です。
野良猫のいる社会といない社会 その比較と移行過程(小野塚知二先生) から引用します。
野良猫のいない社会に対し、⽇本も含めて野良猫がいる社会はどのようになっているのでしょうか。
「簡単にいえば、動物愛護先進国ではありません。たとえば動物愛護の精神からすれば、韓国で⽝を⾷べていることは⼤問題になります。そのような国では、猫に飼い主がいないことが特別に不幸だとはあまり考えられてきていませんでした」。
「これらの国々(野良猫のいる社会)では帝国主義や⼈種主義、⺠族学が未成熟か未定着でした。イギリスやフランスのように完全な形で帝国主義を作れなかった国ともいえます」。
読めば読むほど支離滅裂な内容で、この人はアタマが大丈夫なのかと心配になりますが。要するに小野塚教授の論旨は、「帝国主義とは“⽂明”によって“野蛮”を教化・善導・保護しようという発想であり、その延長として動物愛護がある。したがってイギリスを筆頭とする帝国主義が進展したヨーロッパの国々は動物愛護先進国であり、野良猫が消滅し、犬食もない」です。
小野塚教授の論に従えば、「イギリス、北フランス、ドイツ、オーストリア、スイスには野良猫がいない=動物愛護先進国=動物愛護後進国である韓国と異なり、犬食はない」と言うことになります。しかし前回記事で取り上げた通り、ヨーロッパの国々の中ではスイスは特に犬猫食が合法で盛んです。
その他のヨーロッパの国について述べれば、ドイツは2010年までスイスと同じく、個人消費での犬の食用と殺が合法でした。2010年に犬の食用と殺が法律で禁じられたものの、処罰規定が行政罰の過料のみと軽いです。法学者らは「個人の犬肉目的の犬のと殺を厳罰化することは違憲の可能性がある」としています。ドイツでは比較的犬肉食がかつては盛んで、1986年まで犬肉の商業生産流通が合法でした。犬肉と殺場があり、ミュンヘンなどには犬肉屋が存在していました。
またフランスでも戦時中は犬肉屋が存在していました。現在もスイス、フランス、デンマーク、イギリスは犬の食用と殺が合法です。現在ヨーロッパで明確に犬肉禁じる法律の規定があるのは、ドイツ、オーストリア、ポーランドだけと思われます。ドイツ語版ウキペディア、Hundefleisch 「犬肉」から引用します。
Während der Belagerung von Paris 1870/71 boten Speisekarten eine Auswahl mehrerer Hundefleischgerichte an.
Es gab beispielsweise geschnetzelte Hundeleber, Schulterfilet vom Hund in Tomatensauce und Hundekeule garniert mit jungen Ratten.
Jahrhundert wurden beispielsweise in den Jahren 1904 bis 1924 in den Städten Chemnitz, Breslau und München zusammen etwa 42.400 Hunde zum Verzehr geschlachtet.
In dieser Zeit unterlag die Schlachtung von Hunden in Deutschland der gesetzlichen Fleischbeschau.
Eine Änderung, die mit dem Verbot von Hundeschlachtung zur Fleischgewinnung einherging, erfuhr das Gesetz erst 1986.
Das Verbot, Hundefleisch zu gewinnen und anzubieten, ergibt sich.
für Deutschland seit Mai 2010 aus § 22 Abs. 1a der Tierische Lebensmittel-Hygieneverordnung (Tier-LMHV).
Experten halten zumindest die Strafbewehrung dieses Verbots aber aus verfassungsrechtlichen Gründen für bedenklich.
1870年から71年にかけてのフランスのパリ封鎖の期間においては、レストランのメニューは、いくつかの犬肉料理を選ぶことができました。
犬のレバーの薄切り、犬のロースのトマトソース煮、ラットの肉をトッピングした犬の脚肉料理がありました。
たとえば1904年から1924年の間に(ドイツでは)、約42,400頭の犬がケムニッツ、ヴロツワフ、ミュンヘンの都市で肉消費のために屠殺されました。
この間においては、ドイツでの犬のと殺は正規の肉検査の対象となりました。
肉生産のための犬のと殺が禁止とへと変わるのは、1986年の法律の制定までありませんでした(註 この時の立法は、犬肉の商業生産流通を禁じるのみでした。個人が犬を食用と殺することは引き続き合法でした)。
犬肉の生産と提供の禁止が成立へ
2010年5月以降の、ドイツの動物性食品衛生規則(Tier-LMHV)の22条1aから。
専門家は少なくともこの禁止事項の懲罰的強化を検討していますが、違憲となることが懸念されています。
(画像)
Dog meat から Worldwide laws on killing dogs for consumption 「食用のために犬をと殺することに関する各国の法律」 この表を見る限り、特にヨーロッパの国が多く犬肉を禁じているとはいえないと思います。アジアでは台湾やフィリピンが犬の食用と殺を禁じています。
・Dog killing is not illegal 「犬の食用と殺が合法な国」は、ヨーロッパではイギリス、フランス、スイス、デンマークがあります。
・Dog killing is illegal 「犬の食用と殺が違法な国」は、明確に禁じているのは、ヨーロッパではドイツ、オーストリア、ポーランドです。しかしポーランドは犬食習慣が根強く残り、特に犬脂はドイツ語で隠語で「ポーランドのラード」と言われています。
・Unknown 「犬の食用と殺の法規制は不明」な国ですが、上記の他の国は本資料では不明としています。
・Dog killing is partially illegal 「犬の食用と殺は一部で違法」な国ですが、アメリカ合衆国などがあります。アメリカ合衆国では、先住民族であるハワイ原住民やインディアンなどは伝統文化を守るために犬の食用と殺が合法です。

(動画)
Dogs, puppies and dog meat for sale in north-east India: animal cruelty or way of life? 2015/01/02
インドでは明文化した犬の食用と殺を禁じていますが、実際には犬肉はかなり食べられているようです。食品衛生上の問題と思われます。法律に基づいた食肉検査がありませんので。
小野塚教授の「韓国はヨーロッパとは異なり動物愛護後進国であるために、犬食が行われている」、と言う発言はあまりにも無知と言わざるを得ません。いずれにしても小野塚教授の「イギリスは野良猫が消滅した国の筆頭で、20世紀中葉には野良猫は存在しなかった。その原因はイギリスで帝国主義が発展したからである」との論旨は荒唐無稽、支離滅裂、奇妙奇天烈で、読めば読むほど「この人のアタマは大丈夫なのだろうか」と心配になります。イギリスはヨーロッパの中では格段に野良猫が多いのです。いくつか信頼性の低い日本の推計値と比べても、人口比で数倍はあります。またすでに指摘した通り「18、9世紀ごろにイギリスにクマがいた」も同様です。イギリスでは1種のみ生息していたヨーロッパヒグマが少なくとも10世紀には絶滅しており、18、9世紀にはクマが存在しませんでした。
東京大学の教授がなんら原典を調べずに妄想を大学の広報誌に書き、いくつもの講演会を行う日本の知性の劣化は心配すべきでしょう。またこのような内容の講演を依頼する主催者側の知性も底辺レベルです。1つは東京大農学部教授(獣医学)の主催の講演会で、もう一つは山口大学の猫サークルです。
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