「18世紀にイギリスにクマがいた」と言う東大教授の痴性

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(summary)
・Badger-baiting (uk)
記事、「野良猫の多い国は子供が少ない」と言う東大教授のトンデモ理論(笑)、の続きです。
「イギリスでは20世紀中葉に野良猫が消滅した。それは帝国主義の進展と核家族化が原因である」という、妄論を公表している方がいます。東京大学教授の小野塚知二氏です。真実はイギリスは西ヨーロッパ諸国の中でも野良猫の数が多い国です。例えばドイツ、スイス、オランダと比較すれば、野良猫の数は人口比で数倍~十数倍も多いのです。この妄論の中で小野塚教授は、他にもデタラメを羅列しています。「18世紀にイギリスにクマがいた」もそうです。イギリスではクマは有史以降は、ヨーロッパヒグマ1種が生息していましたが、10世紀ごろに絶滅しました。したがって18世紀にはイギリスにはクマは存在しませんでした。
サマリーで示した、小野塚知二東京大学教授の妄論の公開はいくつかありますが、その1つを例示します。日本ペットサミット テーマ「野良猫のいる社会といない社会」、で小野塚教授が行った講演会の資料があります。野良猫のいる社会といない社会 その比較と移行過程(小野塚知二先生) から引用します。
18世紀、19世紀のイギリスでは、下層階級の⼈々が動物いじめをするのは 格好の暇つぶしであり、遊びとされていました。
⼀番⼈気があったのは、森からクマをつかまえてきて、そのク マに多数の⽝をけしかけるというもので、⽝たちに咬まれてクマが死んでいくところを⾒るのがもっとも残忍で あり、盛り上がるショーだったようです。
この記述ですと、18世紀、19世紀のイギリスには野生のクマがいたことになります。しかしイギリス(uk)ではクマは、有史以降では1種のみ生息していたヨーロッパヒグマが、スコットランドで10世紀ごろにまでに絶滅したとする日本の文献があります(*1)。BBCの報道では、イギリス(uk)の大きな面積を占める大ブリテン島では、425年から594年の間にすでにヨーロッパヒグマは絶滅したとされています(*2)。
したがって18世紀ごろのイギリスでは、野生のクマは存在しませんでした。つまり、「森からクマをつかまえてきて、そのク マに多数の⽝をけしかける」と言うことはあり得ません。
(*1)ヒグマ
(*2)Lost history of brown bears in Britain revealed 2018年7月4日
おそらく小野塚教授は、イギリスで18世紀ごろに盛んに行われてきたアナグマショー(Badger-baiting)と勘違いしていると思われます。これはアナグマに犬をけしかけて殺害させる見世物で、現在も非合法で行われています。しばしば摘発されたニュースが報道されます。
アナグマはイタチ科アナグマ属に属する動物の総称で、クマ科動物の総称のクマとは異なります。また「下層階級の暇つぶし」との記述ですが、伝統的にアナグマショーは、貴族の娯楽です。以下にウィキペディアを引用しますが、掲載されている絵画のアナグマショーの全ての観客の着衣は、フロックコートまたはモーニングコートでシルクハットを着用しています。これらの衣類は上流階級か中流階級でなければ着用できません。Badger-baiting から引用します。
Badger-baiting is a form of animal cruelty in which badgers are baited with dogs.
Drawing the badger came to England in the 18th century and soon became a very popular sideshow in the pit.
It provided a new opportunity to win or lose money by betting. Drawing the badger thus became a permanent part of the fight in the pit.
Baits were staged outside the pit in cellars or taverns, as an interesting attraction for the guests.
Badger baiting was outlawed in the United Kingdom as early as 1835, with the Cruelty to Animals Act.
Despite having been illegal for over 170 years, badger baiting has continued in a clandestine manner throughout Britain and Ireland until the present day.
アナグマショー(bagder-Baiting)は、アナグマを犬の餌食にする動物虐待の一形態です。
アナグマの見世物は、18世紀にイギリスに始まり、そしてすぐに大変人気のある劇場での余興となりました。
それはお金を賭けることにより、勝ったり負けたるすることの新しい機会となりました。
アナグマを見世物で戦わせることは、劇場での恒久的な演目になりました。
アナグマショーは、観客のための魅力的な出し物として、地下室や居酒屋で劇場の外でも開催されました。
イギリスでは、動物虐待法により、アナグマショーが1835年には禁止されました。
170年以上違法であったにもかかわらず、アナグマショーは現在までイギリスとアイルランドに存在します。
(画像)
Badger-baiting から。観客の着衣は、すべてフロックコートかモーニングコートにシルクハットの着用です。つまり上流階級の貴族か、中流でも医師や弁護士などの専門職に属する人々です。当時のイギリスは階級による着衣が厳然と区別されていました。

その他でも、野良猫のいる社会といない社会 その比較と移行過程(小野塚知二先生)では、小野塚教授は、「20世紀中葉に野良猫が消滅した国」の筆頭としてイギリスを挙げています。しかし西ヨーロッパで野良猫の生息数の推計値を出している国の中では、イギリスは突出して野良猫(人口比)で多いのです。
小野塚教授は、「イギリスでは20世紀中葉に野良猫が消滅した」の、出典を一切示していません。小野塚教授の単なる憶測と思われます。根拠のない憶測、思い込みで「帝国主義の進展と核家族化の進展が野良猫消滅の原因」と結論付けてしまう乱暴な論旨は、大学生どころか高校生のレポートでも赤点でしょう。それを東大教授がやってしまうのだから呆れます。私はバカと言う文言を使うことをいさめられますが、それはバカじゃやなければ何なのですかね?日本の知性の劣化は東大にまで及んでいるとは。
(参考資料)
・猫をとりまく諸問題を多面的に考える 環境省動物愛護管理室 長田 啓
~
私は記事「野良猫の多い国は子供が少ない」と言う東大教授のトンデモ理論(笑) で、「日本の野良猫の数」を、かつて日本ペットフード工業会(現 一般社団法人ペットフード協会)が2008年まで推計値を出していて、2008年の280万匹を「日本野良猫数」としました。しかし平成30年に、一般社団法人ペットフード協会が「世帯数あたりの給餌をしている外猫(飼い猫ではない)の数と外猫に給餌している世帯の割合」を公表しています。
それに基づいて環境省が「日本の野良猫の数は820万匹」と言う推計値を出しています。今後は私も、「日本野良猫数は820万匹」との推計値を用います。ただしこの数値は、「外猫に餌をやっている世帯数×給餌されている猫」に基づいています。つまり複数の給餌者から給餌されている猫が重複されている数値です。さらに給餌を受けていない「ノネコ」は除外されます。かなり乱暴な推計値です。あくまでも参考値です。
それにしても2008年の日本の野良猫の推計値が280万匹で、10年で3倍ちかくにまで増えるのは異常です。この期間は、環境省が地域猫を推進し、殺処分ゼロ運動が活発化した時期と重なります。
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