「ティアハイムから犬を買うには飼育講義を受けなければならい」という嘘~三菱UFJリサーチ&コンサルティング

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(Zusammenfassung)
・Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes Richtlinien für die Führung von Tierheimen der Tierschutzvereine im Deutschen Tierschutzbund e.V.
Über die Kastration von Tiaheim-Hunden und -Katzen
私が1年以上にわたり、誤り、嘘、偏向を指摘してきた、広島県が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して作成された、「動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング」(以下、「本報告書」と記述する)に関してです。これから広島県及び広島県市民オンブズマンと、広島県による予算執行の疑義を申し入れます。そのために本報告書の問題記述をまとめているのですが、その後も見落とした問題記述が多く見つかりました。「(ドイツの)ティアハイムで動物を購入するためには飼育講義を受けるなどしなければならない」、「ドイツのティアハイムでは動物は不妊去勢してから譲渡している」という記述は偏向、さらにはそれを通り越して「嘘」と言っても差し支えありません。
サマリーで示した、問題の記述は次の通りです。動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)から引用します。
1、飼犬・猫の不妊・去勢手術の実施状況
ドイツのティアハイムでは、基本的に不妊去勢手術を施してから譲渡している(手術代は譲渡料金と別に徴収している)。
月齢が低い子犬について、ついては譲渡時には実施せず、新しい飼い主に手術のための費用を前払いさせ、提携の獣医で使える利用券を渡して実施させることとなっている(5ページ)。
2、ティアハイムから譲渡の際に必要な飼育講義(19ページ)。
上記の記述は、いずれも正確な記述とは言えません。何かを調べるに際しては、必ず押さえなけれなならない資料があります。ドイツのティアハイムに関しては、その筆頭が、「ドイツ動物保護連盟によるティアハイム運営指針 Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes Richtlinien für die Führung von Tierheimen der Tierschutzvereine im Deutschen Tierschutzbund e.V.」(以下、「ティアハイム運営指針」と記述する)です。なぜならば、ティアハイムの運営に関する基本的な運営方法、理念がまとめられているからです。しかし本報告書では出典にすら挙げていません。
まず「1、」ですが、犬猫の不妊去勢手術に対しては、上記の「ティアハイム運営指針」では、「猫に関してはすべて不妊去勢するのが望ましい」としています。しかし犬に関しては、各ティアハイムの方針にゆだねています。不妊去勢手術のバウチャー方式は、すべてのティアハイムが採用しているわけではありません。しかし本資料においては、それが一般的と誤認させます。本報告書の記述では、「ドイツのティアハイムでは、犬猫はほぼすべてで不妊去勢してから譲渡する」、「譲渡後も必ず不妊去勢させる」と読者が誤解する記述であり、誤りと言えます。
犬猫を引き受けるときに、引き受け条件として「不妊去勢」を条件としているティアハイムもあります。また不妊去勢済みであれば、引き受け料金を安くしているティアハイムもあります。成犬であっても、不妊去勢をせずに譲渡しているティアハイムも数多いです(概ね不妊去勢済みであれば譲渡料金は高くなります)。不妊去勢手術に関しては、譲渡先の飼い主の判断に任せる方針ということです。例えばドイツ最大のティアハイム、ティアハイム・ベルリンがそうです。ティアハイムベルリンでは、危険犬種(飼育許可受けるためには不妊去勢が義務付けられているために、ティアハイムに収容させる前から不妊去勢済みです)以外は不妊去勢なしでも譲渡しています。
例として、ティアハイム・ベルリンの、犬の譲渡リストを挙げます(Hunde)(註 ほとんどがいわゆる「危険犬種」。本報告書では「ティアハイムでは危険犬種の殺処分は必須」という卒倒するような大嘘が述べられていますが、これがデタラメと言うことがお分かりいただけると思います)。このページの右側にある記号は、「ハサミ」が「不妊去勢済み」を意味します。「Ⅼ」のアルファベットは、「listenhunden リスト犬」。つまり法律で危険犬種としてリストに載っている犬と言う意味です。
具体例を挙げれば、譲渡犬の一覧から「Buddy」と言う犬をクリックします。これが個別の犬の詳細を示したページです。Buddy 右側に犬のプロフィールが示されていますが、「ハサミ」のマークが入っていません。この犬の生年月日は2014年6月ですので、成犬です。このように、Buddyのように危険犬種以外の成犬では、不妊去勢されずに譲渡される犬が、ティアハイムベルリンでは多いです。
蛇足すれば、ドイツのティアハイムの不妊去勢に対する姿勢については、日本ではドイツの資料を調べずに、それぞれ動物愛護(誤)活動家が勝手な妄想や思惑で好き勝手に事実と異なることを流布しています。日本で「ドイツ動物保護連盟 ティアハイム運営指針」を原文で引用し、原文のリンクを示したのは私が知る限り、私が初めてです。
例えば広島県の動物保護施設、ピース・ワンコ・ジャパンのアドバイザーであったニセドイツ獣医師の京子アルシャー氏は、「ドイツのティアハイムでは犬の不妊去勢はしない」と、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの本報告書とは真逆のことを述べています。正確には、「ドイツ動物保護連盟 ティアハイム運営指針」によれば、「猫の不妊去勢は推奨する。犬は各ティアハイムの方針にゆだねる」です。
(画像)
Buddyから。

次に、「2、」の、「ティアハイムから譲渡の際に必要な飼育講義」ですが、これも各ティアハイムの方針によります。先に引用した、「ドイツ動物保護連盟によるティアハイム運営指針 Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes Richtlinien für die Führung von Tierheimen der Tierschutzvereine im Deutschen Tierschutzbund e.V.」においては、犬猫の譲渡先飼い主の調査や、試用期間を設けること、本報告書にあるような「ティアハイムから譲渡の際に必要な飼育講義」などは一切触れられていません。
日本では「ドイツのティアハイムでは飼い主の属性を厳しくすることで安易な譲渡を防いでいる」と言う情報があります。一部では、そのような方針のティアハイムがあることは否定しません。しかしそれが必須、すべてのティアハイムで行われているとの記述は誤りです。ドイツは、犬猫などのペット生体を非対面のインターネットなどの通信販売を行うことに対して全く法規制がありません。ティアハイムにおいても、多くで非対面の犬などのインターネット販売が広く行われています。ドイツには、ティアハイム専用の非対面通信販売のインターネットサイトがいくつもあります。そして常時多数の犬猫が出品されています。その代表的なサイトがこちらです。Hunde aus dem Tierheim 「ティアハイムの犬(出品リスト)」
日本では「ティアハイムでの犬猫などの譲渡条件は大変厳しく、譲渡の前に飼育講義を受けたり、トライアル期間があったり、家族構成を調査されたりする」と喧伝されています。そのような方針のティアハイムもあるのかもしれません。私はむしろあったとしても少数だと思います。本報告書の記述は、ドイツのティアハイムに十分な調査をしたというよりは、日本で喧伝されている情報を基にして作成者が妄想で作文したものに感じられます。
ドイツでは、インターネットなどによる非対面の通信販売での犬などの販売は、全く法律の規制がありません。そのために、ティアハイムにおいてもインターネットによる犬などの非対面販売が盛んに行われています。ティアハイムの専用の、インターネットのペット販売サイトもいくつもあります。それらのサイトの出品数と、ドイツ全土のティアハイムにおける犬譲渡数(概ね5万頭程度)を考慮すれば、条件なしで、さらには非対面の譲渡がむしろ主流であるとさえ思えます。
(画像)
Hunde aus dem Tierheim 「ティアハイムの犬(出品リスト)」 から

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