「犬を殺すのは誰か ペット流通の闇」は歴史的有害図書

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domestic/inländisch
2010年に初版が発行され、10年近く経た今日でも版を重ね、日本の動物愛誤家の「バイブル」ともいえる著書があります。朝日新聞記者の太田匡彦氏による、「犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 2010/9/17 太田 匡彦 (著)」です。しかし本書の内容は、ほぼすべてが真実の正反対の羅列です。本書の記述においては出典を示しておらず、「伝聞」を根拠としています。つまり信ぴょう性が著しく低いのです。このような有害図書の内容を無定見に読者が相当数存在するという事実は、まさに太田匡彦氏が主張している「日本は動物愛護後進国」の証明です。
サマリーで挙げた、「犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 2010/9/17 太田 匡彦 (著)」(以下、「本書」と記述する)の要旨は、「ペットの大量生産大量消費、すなわち(大量生産ブリーダー→ペットオークション→ペットショップ)は日本独自のシステムである」です。つまり「日本以外では、大量生産ブリーダー、ペットオークション、ペットショップは存在しないかほぼない」としています。そして「動物愛護先進国」としてドイツを例に挙げ、「ドイツでは殺処分ゼロ。保護施設の譲渡率は98%であり、譲渡できなかった犬猫などは保護施設が終生飼育する」とまさに妄想が書き連ねられています。
本書の中でも、多くの動物愛誤家が引用し、日本のペットショップをはじめとするペット業界の攻撃の道具としているのは、「日本のペットショップは売れ残り犬を冷蔵庫で凍死させて処分している」という記述です。そして動物愛誤家らは、「このような残酷なことをしている日本はまさに動物愛護後進国だ」と鼻息を荒くしています。
しかし上記の本書の記述はすべて根拠のないデタラメです。まず、「ペットの大量生産、大量消費(大量生産ブリーダー→ペットオークション→ペットショップ)は日本独自のシステムである」についてです。それが大嘘であることは、私は今まで何度も記事にしてきました。真実は次の通りです。私の過去記事をリンクしています。それ等の記事には、すべて根拠(例えば統計資料や各国政府資料なども)となる出典を示しています。
1、犬のブリーダーの平均規模は、アメリカと比較すれば日本ははるかに小さい。また人口比での犬の商業生産数は、アメリカははるかに多く、人口比で日本の2.7倍。またイギリスは2.8倍~4.5倍、ドイツも1.2倍を生産しています。
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・「日本は犬猫の大量生産大量販売をしている動物愛護後進国」という嘘プロパガンダ
・続・「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~アメリカ編
・まとめ 「日本の犬などの大量生産・大量販売は特異であり、海外先進国ではない」という、TOKYOZEROキャンペーンの大嘘~日本は先進国の中では、犬の大規模商業生産・販売が極度に遅れた国である
2、生体販売ペットショップは、欧米先進国に比較すれば、人口比で日本ははるかに少ない。アメリカは日本の2.4倍、イギリスは1.6倍、ドイツは1.2倍~1.3倍もある。
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アメリカ合衆国の生体販売ペットショップ数は日本の約7倍~相変わらずの杉本彩氏の狂気発言
3、アメリカ合衆国では、ペットオークション(特に犬。ドッグオークション)は極めて多い。古くからあり、現在も子犬の主力の流通手段である。なお、ドイツでは犬の非対面インターネットオークションが合法であり、行われている。
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・ドッグオークションの最大の落札者は動物保護団体という醜悪~アメリカ合衆国
・続・ドッグオークションの最大の落札者は動物保護団体という醜悪~アメリカ合衆国
(動画)
CBS4 Investigation: Rescue Organization Bought Dogs From Puppy Mill Auction 「CBS4(アメリカ合衆国4大テレビ局CBSの番組)の調査:犬保護団体は、パピーミル・オークションから犬を買っていました」 2017/11/13 に公開
パピーミル・オークション(パピーミル、すなわち劣悪飼育大量生産の犬ブリーダーが主催する子犬のオークション)で保護団体が大量に子犬を買い付けて「保護犬」として高値で転売したり、ペットショップに卸していたりしているというニュース。
Animal rights activists have declared war on puppy mills and are trying to shut them down.
But, CBS4 has learned some Colorado animal rescue groups have actually purchased dogs at puppy mill auctions.
アニマルライツ活動家は、パピーミルに宣戦布告し、それらを閉鎖に追い込もうとしています。
しかしCBS4は、コロラド州の犬保護団体が実際に、パピーミル・オークションで犬を購入していたことを知りました。
(動画)
Thorp Dog Auction Part 2 2007/10/04 に公開
ウィスコンシン州のドッグ・オークションの隠し撮り。古くからアメリカ合衆国ではペット(ドッグ)・オークションが行われています。本書の刊行が2010年ですから、それ以前にこの動画は公開されていたことになります(ほかにも複数公開されています)。太田匡彦氏は、「ペット・オークションという恥ずべきことを行っているのは日本だけ」と公言しています。それは業界重鎮の、上原勝三氏(ペットパーク流通協会)が証言しています。
「本書では綿密な取材を行い」と紹介されています。別にプロのジャーナリストが綿密な取材を行わなくても、中学生レベルの英語力で、アメリカ合衆国ではペットオークションが盛んに行われていることがネット検索でわかります。太田さんの学力は大丈夫なのでしょうか(笑い)。
4、ドイツの動物保護施設(Tierheim ティアハイム)においては、一定の条件では「殺処分は必須」と定めています。具体的には、「傷病」、「問題行動がある動物」」「緊急性があり必要と認められる場合」です。ドイツのティアハイムの犬の殺処分率は26.2%という大学の学術調査もあり、その数値は日本の公的殺処分率より高いのです。
なお、ティアハイムでの終生飼育とは、営利の「老犬老猫ホーム事業」の歪曲報道です。飼い主からの高額の飼育費の支払いがあれば、終生飼育が可能です。事実、収容が長期になれば、収容動物はティアハイムにより殺処分されます。
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・ドイツのティアハイムの犬の殺処分率は日本より高い~「先進国の中でも日本は殺処分が多い」という大嘘サイト「ぺトこと」
・ティアハイムというビジネスモデル~日本で喧伝されている「ティアハイムは収容した動物を終生飼育する」の真実
次回記事では、「日本のペットショップは売れ残り犬を冷蔵庫で凍死させて処分している」という記述について取り上げます。この記述をもとに、日本の動物愛誤家らは、「このような残酷なことをしている日本はまさに動物愛護後進国だ」と、ペット業界を長年攻撃しているのですが。
先に結論を述べれば、私がネット検索等で確認したところ日本では、「ペットショップが売れ残りの犬を冷蔵庫で凍死させ処分した」という事件は1件もありません。またペット業界業界の重鎮にもお尋ねしましたが、「そのような事件は今までにない」とのことです。本書では、「ペットショップで売れ残りの犬を冷蔵庫で凍死させて処分することが、一般に行われている」といった記述です。とすれば、1件も報道されていない、刑事訴追は1件もないのは不思議です。太田匡彦氏には、ぜひ具体的に実例を示していただきたいものです。伝聞であれば、いくらでも創作ができますので。
なおアメリカ合衆国では、「冷蔵庫で売れ残りペットを凍死させて処分した」という事件はいくつも報道されています。ペットショップのみならず中間業者、ブリーダーでも行われています。これらの業者は刑事訴追されて有罪判決も受けています。
(画像)
日本の歴史的有害図書と言える、朝日新聞記者の太田匡彦氏の著作、「犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 (朝日文庫) 文庫 – 2013/7/5 」。この本の要旨は、「ブリーダー、ペットオークション、ペットショップによる、大量生産販売のペット流通は日本独自」と断じています。また「ペットオークションがあるのは日本だけ」とも書かれています。さらに太田匡彦氏は行政関係者、政治家、ペット業界関係者に「ペットオークションがあるのは日本だけ。日本は恥ずべき」と吹聴しています(ペットパーク 上原勝三氏談)。このような見え透いた大嘘を垂れ流す太田さんのほうがよほど恥です。
犬の商業生産数、販売数、生体販売ペットショップ数とも、人口比では日本はアメリカ、イギリス、ドイツよりはるかに少ないのです。また、ペットオークションは、アメリカ合衆国で盛んに行われています。そして愛誤界で鬼の首を取ったようにペットショップ非難の根拠としている、本書の「日本のペットショップは売れ残り犬を冷凍庫で凍死させて殺処分している。こんな残酷なことをしている国は日本だけだ」という記述があります。しかし私が調べた限り、日本でそのような事件は一つも見つかりません。前述上原勝三氏も、「そのような事件は日本では一例も確認していない」と述べています。アメリカでは頻繁に報道されているのですが。太田さん、ぜひ一例でも挙げていただきたいものです。

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