ペットショップの規制強化は繁殖犬の銃殺を招く~イギリス

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(summary)
Lucy Law
・Puppy farmers may kill unwanted dogs to evade ban, warn campaigners
現在イギリスでは、「イングランド、ウェールズでのペットショップでの犬猫販売は6ヵ月未満のものに限る」という法改正が国会で審議中です(「すでに法律は成立施行」もしくは「施行予定である」という日本のメディアの報道がありますが誤りです。現在審議中で成立は流動的です)。この法案を問題視し、また悪影響を心配しているイギリスの動物愛護団体もあります。いわゆる「パピー・ファーム(パピー・ミルと同義)」が、不要になった繁殖用のメス犬を銃殺するケースが増えるのではないかと危惧しています。なおイギリスでは一部の自治体を除いて、犬を扱う事業者は、自己所有の犬を銃殺することが合法です。
イギリス国会で現在審議されている、「イングランドとウェールズに限り、ペットショップでの犬猫販売は6カ月未満のものに限る」という法改正(いわゆる「ルーシー法」。以下「本法改正案」と記述する)ですが、本法の実効性に懐疑的な見方をし、かつ悪影響を懸念しているイギリスの動物愛護団体もあります。
なおこの法律の改正案は日本では「すでに成立施行されている」、もしくは「法律は成立して施行が予定されている」と報道されていますが、いずれも誤りです。本法改正案は2019年5月13日に下院に議案提出され、現在審議中です。可決は流動的です。
まず「実効性に懐疑的」ですが、ペットショップでの6カ月未満の犬猫販売禁止を監視し、摘発するには、自治体にとっては調査員の人件費などのコストがかかります。また自治体職員の検査スキルも不足しています。多くの地方自治体ではその予算を捻出できず、禁止は有名無実化するだろうということです。イギリスのペットショップなどの認可を行うのは地方自治体で、検査等に関しては自由裁量が認められています。一度認可を受ければ、その後検査すらしない自治体もイギリスにはあります。
それとブリーダーが本法改正案の成立に備えて、不要な繁殖メス犬を大量に銃殺するだろうという懸念を持っている、イギリスの動物愛護団体があります。イギリスでは一部の自治体を除いて、犬を扱う事業者は、自己所有の犬を銃殺することが合法だからです。以下に、それを報じるニュースから引用します。Puppy farmers may kill unwanted dogs to evade ban, warn campaigners 「パピー・ファーム(パピー・ミルと同義)はペットショップでの6か月齢未満の犬猫販売禁止を回避するために不要な犬を殺すかもしれませんと、ルーシー法推進派に警告しています」(BBCニュース) 2018年11月18日
Illegal puppy farmers could take to shooting unwanted breeding dogs ahead of a potential new ban, animal rights campaigners have warned.
The Welsh Government has announced a consultation on so-called Lucy's Law.
It would ban dealers and pet shops from selling dogs and cats under six months old meaning they could only be obtained from licensed breeders or shelters.
Linda Goodman, of dog welfare campaign Cariad, said she feared for the future for some breeding dogs.
"They're in such poor shape they won't want to hand them over - they'll just shoot them," she said.
She hopes at least some of the illegal breeders will clean up and turn legitimate but fears councils will not have the budget to implement Lucy's Law.
"The councils know they cannot afford to police these new rules," she claimed.
Current legislation, which came into force in Wales in April 2015, requires anyone with three or more breeding bitches to be licensed by their local authority.
Figures provided to BBC Wales by 14 local councils show a total of 97 licensed breeders.
But Eileen Jones, founder of Friends of Animals Wales, puts the number of unlicensed puppy farms at ten times that number.
違法なパピー・ファームは、新たな禁止(註 ペットショップでの6カ月未満の犬猫販売禁止。いわゆる「ルーシー法案」が成立する可能性に先立って、不要な繁殖犬を射殺することができるのです、とアニマルライツ活動家は警告しています。
ウェールズ(註 イギリスを構成する4か国のうちの1カ国)政府は、いわゆるルーシー法に関する諮問委員会の招集を発表しました。
その法律改正案は中間業者とペットショップが生後6ヶ月未満の犬と猫を販売することを禁止することを意味し、認可されたブリーダーか、動物保護施設からしか犬猫を入手できないということです。
犬の福祉キャンペーン・キャリアドの、リンダ・グッドマン氏は、何頭かの繁殖犬の将来を恐れていると言いました。
「それらの犬の状態があまりにも悪いので、パピー・ファーマー(註 パピー・ミルと同義)は動物保護団体に引き渡したくはありません。パピー・ファーマーは、それらの犬を射殺するだけです」と彼女は言いました。
リンダ・グッドマン氏は、少なくとも一部の違法ブリーダーが違法行為を止めて合法的になることを望んでいますが、地方自治体がルーシー法を順守させる予算を持っていないことを恐れています。
「地方自治体は、これらの新しい規則を取り締まる余裕がないことを知っている」と彼女は主張しました。
2015年4月にウェールズ(註 イギリスを構成する4カ国のうちの1カ国)で施行された現在の法律では、3頭以上の繁殖雌犬がいる場合は、地元当局からブリーダーのライセンスを受ける必要があります。
14の地方自治体からBBC(註 イギリス国営放送)ウェールズに提供された数字は、ウェールズには合計97のライセンスを受けたブリーダーがあることを示しています。
しかし、フレンド・オブ・アニマルズ・ウェールズの創立者である、エイリーン・ジョーンズ氏は、無認可のパピー・ファームがその数の10倍あるとしています。
先の述べた通り、イギリスにおいては、ペットショップの認可は地方自治体が行っています。検査権限などは、地方自治体に自由な裁量権が与えられています。地方自治体によっては、一度ペットショップの認可を付与すれば、その後検査すらしない自治体すらあります。また民間に丸投げで、検査自体に実効性がない、事前予告するために、検査前に商品の犬などをほかの場所に移して隠すなどの検査逃れが横行しています(*1)。
イギリス(註 本改正案はイングランド、ウェールズのみ適用。スコットランドでは現在、ペットショップでの犬猫の販売の週齢規制がない)では、現行法では8週齢以上であればペットショップでの犬猫販売は合法ですが、しばしば「5週齢程度の子犬がペットショップで売られていた」という動物愛護団体の指摘があります。現状でもその有様ですから、「犬猫の販売を6カ月以上」に引き上げたとしても、実効性は怪しいものです。
(画像)
Revealed: RSPCA destroys HALF of the animals that it rescues - yet thousands are completely healthy
「RSPCAは、救済という名目で、半数の健康上問題のない数千もの動物を殺す」 2016年2月1日
イギリスの大変権威ある動物保護団体、RSPCAは、約半数の、健康上全く問題がない犬猫を、主に拳銃で殺処分していました。イギリス国内では、保護施設、犬などのトレーナー、ペット業者が拳銃で犬猫を殺処分すること自体は合法です(一部自治体では禁止されている)。画像は、RSPCAで犬猫の殺処分に用いられた同型の家畜と殺用拳銃です。興味のある方はこちらをお読みください。Captive bolt pistol

・Freedom of Information Request on Pet Shop Licensing 2016 2016年
イギリスのペットショップ業界団体による、イギリス国内の詳細なペットショップに関する調査統計資料
~
Licensing visits are undertaken by a wide variety of council officers, not all of whom have received relevant training.
At least one council did not seem to be aware that they are the responsible licensing authority even if they subcontract the actual inspection of pet shops, nor were they aware of the standards used by the subcontracted inspectors.
Approximately one third of councils carry out no checks at all.
(イギリス国内のペットショップの)ライセンスの訪問調査は、すべてに関連する訓練を受けたわけではない、さまざまな地方自治体の公務員によって行われます。
少なくとも1つの地方自治体は、実際はペットショップの検査を民間に下請けにしたとしても、それらの業者が責任ある認可機関であるかどうかを認識していないようであり、下請け検査員によって使用される基準も知りませんでした。
地方自治体の約3分の1は、まったく検査を行っていません。
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