「アメリカ合衆国では事実上8週齢未満の犬猫販売を禁じている」という、環境省のデタラメ資料

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Domestic/Inländisch
記事、
・串田誠一議員の動物愛護管理法改正に関する赤恥国会質問~海外情報はすべて誤り、
・欧米では犬猫の殺処分は注射による安楽死だけ。ガス室の殺処分は禁止されている~串田誠一議員の動物愛護管理法改正に関する赤恥国会質問、
・続・欧米では犬猫の殺処分は注射による安楽死だけ。ガス室の殺処分は禁止されている~串田誠一議員の動物愛護管理法改正に関する赤恥国会質問、
・諸外国では犬猫の繁殖最低年齢や生涯繁殖回数を法律で規定している~串田誠一議員の動物愛護管理法改正に関する赤恥国会質問、
・続・諸外国では犬猫の繁殖最低年齢や生涯繁殖回数を法律で規定している~串田誠一議員の動物愛護管理法改正に関する赤恥国会質問、
・犬猫の販売においては、諸外国では圧倒的に8週齢以上を義務付けている~串田誠一議員の動物愛護管理法改正に関する赤恥国会質問、
の続きです。
前回記事では、串田誠一衆議院議員(日本維新の会)が行った2019年2月27日の、衆議院予算委員会第六分科会、質問内容において、海外に関する事柄が、すべてにわたり何らかの誤りがあることを述べました。今回は前回記事、犬猫の販売においては、諸外国では圧倒的に8週齢以上を義務付けている~串田誠一議員の動物愛護管理法改正に関する赤恥国会質問、に関連して補足説明をします。
まず問題の、串田誠一衆議院議員の発言内容はこちらです(ビデオ録画)。衆議院インターネット中継 開会日 : 2019年2月27日 (水) 会議名 : 予算委員会第六分科会
(画像)
衆議院インターネット中継 開会日 : 2019年2月27日 (水) 会議名 : 予算委員会第六分科会 串田誠一(日本維新の会) より

上記国会質問における、串田誠一議員の誤った質問内容には次の一つに、次のようなものがあります。
(串田誠一議員の質問)
犬猫の販売においては、諸外国では圧倒的に8週齢以上を義務付けている。
特に先進国では。
先進国では8週齢にしている。
日本も法改正により8週齢に引き上げるべきである。
この発言に関して前回記事、犬猫の販売においては、諸外国では圧倒的に8週齢以上を義務付けている~串田誠一議員の動物愛護管理法改正に関する赤恥国会質問、では、私はアメリカに関して次のように反論しています。
アメリカの犬猫の最低販売週齡の規制は、
・犬~8週齡以上とする州は23州である。つまりアメリカ合衆国50州のうち、半数に満たないのです。
・猫~8週齡以上とする州は17週である。つまり、アメリカ合衆国50州のうち、約3分の1です。
・その他、犬の最低販売週齡を7週以上とする州はアメリカでは3州であり、猫の最低販売終齢を7週以上とする州は2州です。
・犬猫とも最低販売の週齡を全く定めていない州は、アメリカ合衆国50州のうち、約半数の24週です。
つまり、アメリカ合衆国においては、犬猫とも販売を8週齢以上に定めている州は約3分1にすぎず、約半数の州が、犬猫とも販売週齢規制すら定めていないのです。対して日本では犬猫とも7週齢を義務付けており、犬猫の週齢による販売規制がアメリカ合衆国と比べて遅れているとは言えません。
この点については、私は過去に何度か記事にしています。しかし詭弁屁理屈で、「アメリカ合衆国は事実上8週齢未満の犬猫の販売を禁止している」と主張している人がいます。根拠として次の環境省の資料があります。
この資料で連邦法と連邦規則の原文名の記述がないのはお笑いですが。私は海外の法令では、法令のリンクと、法令名と該当する条文の原文の提示がない資料は全く参考にしません。環境省の該当する資料、①②を以下に提示します。
① 海外における幼齢動物の販売規制の例
こちらは平成18年度以降と思われますが、環境省がまとめたものです。「アメリカ合衆国 連邦」として、以下の記述があります。なお、平成18年頃に「ブリーダーの年間生産量(推計):約100万頭」とあり、前後の記述から「犬猫と」と著しく誤認させますが、当時日本での犬猫の商業生産が年間100万頭という数字はあり得ません。さらに「オーストラリア、ビクトリア州では8週齢未満の犬猫の販売を禁じている」ともありますが、オーストラリア、ビクトリア州では該当する法令は確認できません。この点においても問題がある資料です。
~
最低生後8週齢以上および離乳済みの犬猫で無い限り商業目的のために輸送または仲介業者に渡されてはならず、または何者によっても商業目的のために輸送されてはならない。
連邦規則
② 犬猫幼齢動物の販売日齢について
こちらは公開日時が不明です。なおここで「動物福祉法」とあるのは、Animal Welfare Act と思われますが、本法は連邦法コードにより条文は4桁です。したがって13条(sec.13)は存在しません。また同法においては、以下の環境省資料にる記述を規定している条文はありません。環境省は、ぜひこの条文の原文を示していただきたい(大笑い)。
アメリカ合衆国 連邦法 動物福祉法13条
最低生後8週間以上および離乳済みの犬猫 でない限り商業目的のための輸送または仲介 業者に渡されてはならず、または何者によって も商業目的のために輸送されてはならない。
結論から言えば、アメリカ合衆国においては、8週齢未満の犬猫の輸送を母犬と同伴しない限り、Animal Welfare Regulations, USDA 「動物福祉規則 アメリカ合衆国農務省令」では禁じています。しかし準拠する、Animal Welfare Act 「アメリカ合衆国 連邦法 動物福祉法」では、輸送を行う者の定義を、第三者の営利運送業者としています。ですからペットショップの店主が自らブリーダーから犬猫を仕入れて自家用車で運搬する、犬猫の買主が自ら自家用車に乗せて自宅に持ち帰るなどは適用外です。
この、Animal Welfare Regulations, USDA 「動物福祉規則 アメリカ合衆国農務省」の規定をもって、「8週齢未満の犬猫の輸送が禁じられているから事実上アメリカ合衆国では8週齢未満の犬猫販売が禁止されている」とは、吹き出しそうな屁理屈、詭弁です。この資料は環境省自ら作成したのか、外部に委託したのか知りませんが、これほどまでに日本人の知能が低いのは悲しくなります。また、Animal Welfare Regulations(アメリカ農務省省令) と、Animal Welfare Act(連邦法)を混同しているのも噴飯モノです。以下に、それぞれ根拠となる条文の原文を示します。まず、Animal Welfare Regulations, USDA 「動物福祉規則 アメリカ合衆国農務省」 から引用します。
§ 2.130 - Minimum age requirements.
No dog or cat shall be delivered by any person to any carrier or intermediate handler for transportation, in commerce, or shall be transported in commerce by any person, except to a registered research facility, unless such dog or cat is at least eight (8) weeks of age and has been weaned.
§2.130 - 最低年齢要件
何人も、犬または猫は少なくとも8週齢で離乳されていない限り、登録された研究機関を除いて、いかなる場合でも商業的な運送業者または中間取扱い業者に持ち込んではならず、またいかなるものによっても商業的に輸送されてはなりません。
上記の、Animal Welfare Regulations, USDA 「動物福祉規則 アメリカ合衆国農務省」は、Animal Welfare Act 「アメリカ合衆国 連邦法 動物福祉法」に基づき、アメリカ合衆国農務省が制定した規則です。すなわち、Animal Welfare Regulations 「動物福祉規則 アメリカ合衆国農務省」の条文で用いられる用語の定義は、Animal Welfare Act 「アメリカ合衆国 連邦法 動物福祉法」に準拠します。
以下に、Animal Welfare Act 「アメリカ合衆国 連邦法 動物福祉法」 CHAPTER 54—TRANSPORTATION, SALE, AND HANDLING OF CERTAIN ANIMALS から引用します。
CHAPTER 54—TRANSPORTATION, SALE, AND HANDLING OF CERTAIN ANIMALS
§2132. Definitions
(i) The term "intermediate handler" means who is engaged in any business in which he receives custody of animals in connection with their transportation in commerce.
(j) The term "carrier" means the operator of any airline, railroad, motor carrier, shipping line, or other enterprise, which is engaged in the business of transporting any animals for hire.
§2143. Standards and certification process for humane handling, care, treatment, and transportation of animals
(g) The Secretary shall designate additional kinds and classes of animals and may prescribe different ages for particular kinds or classes of dogs, cats, or designated animals.
第54章 - 特定の動物の輸送、販売、および取り扱い
§2132 用語の定義
(i)intermediate handler 「中間取扱業者」という用語は、商取引での輸送に関連して、動物の保管業務を行う事業に従事している者を意味します。
(j)carrier 「運送業者」という用語は、動物を有償で輸送する事業に従事している航空会社、鉄道会社、自動車運送会社、船舶輸送会社、またはその他の企業の事業者を意味します。
§2143。 人道的な取り扱い、世話、治療、および動物の輸送に関する規格および認証プロセス
(g)長官は、追加の種類および種類の動物を指定しなければならず、特定の種類または種類の犬、猫、または指定動物に対して異なる年齢を指示することができます(この条文が、Animal Welfare Regulations, USDA 「動物福祉規則 アメリカ合衆国農務省」による「犬猫8週齢未満の運送業者による原則輸送禁止」の根拠です)。
つまり、8週齢未満の販売が禁止されていない州では、ペットショップが自ら自家用車でブリーダーから仕入れて自分の店に犬猫を運ぶ場合は、8週齢未満でも良いということです。また、ペットショップやブリーダーから買主が8週齢未満の犬猫を購入して、自分の自家用車に乗せて持ち帰るのも合法です。ただし、アメリカ合衆国では犬猫の非対面通信販売を日本のように禁じていません。インターネットなどによる非対面通信販売の場合は、第三者の営利運送業者に配送を委託しますので、この場合は8週齢未満の販売は違法となります。
「(アメリカ合衆国では)最低生後8週齢以上および離乳済みの犬猫で無い限り商業目的のために輸送(carrier)または仲介業者(intermediate handler)に渡されてはならず、または何者によっても商業目的のために輸送されてはならない」との記述のある環境省の資料はどなたが作成したのでしょうか。「商業目的のために輸送されてはならない」の訳文も誤解があります。この「商業目的」は、犬猫を持ち込む側ではなく、運送を請け負う事業者のことです。また、輸送業者(carrier)、仲介業者(intermediate handler)は、報酬を得て輸送保管業務を行う、第三者の事業者です。環境省の資料に法令の原文とリンクをつけていないのは、騙すことを目的としているのでしょうか。それとも訳文に自信がなかったのでしょうか。いずれにしても日本の動物愛護は、省庁、マスメディア、政治家、大学教授まで、かかわるすべての人が無知蒙昧(か病的な嘘つき)です。これこそが日本の最大の「動物愛護の後進性」でしょう。
(動画)
Animal cruelty: wicked Florida woman drowns `too small to fly' puppy in airport toilet 「動物残虐行為:邪悪なフロリダの女性が『飛行機に搭乗させるには幼すぎる』子犬を空港のトイレで溺死させました」 2015/01/27 に公開
「3週齢の子犬の飛行機搭乗を断られた女がその子犬を飛行場のトイレに流して殺害した」事件を伝える、再現ビデオ。この再現ビデオでは、航空会社の社員が「犬は8週齢を超えていなければ搭乗できない」という、ポスターを示しています。要するに「アメリカ合衆国の8週齢未満の犬猫輸送禁止」は、このような航空会社、宅配業者、鉄道輸送などの、第三者による営利輸送です。環狂省って、こんなに〇カだったとは知らなかったわ。
Florida resident Cynthia Anderson is a bitch and we hope she gets a nice long prison term.
Why? Because she drowned a three-week-old puppy in an airport toilet!
When she got to the airport, however, she was told U.S. rules do not allow dogs on planes until they're over eight weeks old.
フロリダ在住のシンシア・アンダーソンはアバズレ女です、そして私たちは、彼女が素敵な長い刑務所での刑期を言い渡されることを願っています。
どうして?彼女は空港のトイレで3週齢の子犬を溺死させたから!
彼女が空港に着いたのですが、彼女は子犬たちが8週齢以上でなければ、アメリカ合衆国の規則で飛行機の犬の搭乗を許可しないと言われました。
ペトことというサイトがあります。このサイトは、特に海外に関する情報では、すべての記事で誤りがある非常に有害なサイトです。今までも記事や編集者の他のメディアでの発言など、何度も指摘してきましたが、今も訂正されていない箇所が多くあります。例えば、次のような事柄です。
・イギリスでは法律で禁止されているので生体販売ペットショップがない(イギリスの生体販売ペットショップの数は、人口比で日本の1.6倍の3,000店舗あります。もちろん犬猫も販売しています)。
・イギリスでは約2,500の免許を受けた生体販売ペットショップがあります(この推計値は、イギリスのうち、イングランド地方だけの数値です。イギリスとは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの4カ国からなる連合国家です)。
・ドイツでは生体販売ペットショップがない(ドイツには生体販売ペットショップが人口比で日本の~1.3倍の数があります。犬猫も売っています)。
・欧米では保護犬猫を迎えるのが当たり前(統計的に保護犬猫入手比率は、日本は欧米諸国と比べて少ないわけではありません。例えばスイスより日本のほうがはるかに多いです。ドイツでは、ティアハイムから犬を入手する割合は、東京都とほぼ同じです)。
・ドイツのティアハイムは殺処分ゼロである(学術調査によれば、ティアハイムの犬の殺処分率は26.2%で、日本の公的殺処分率より高いです。また統括団体のドイツ動物保護連盟は、「一定の条件下では殺処分を行わなければならない」とガイドラインを示しており、4割近くの殺処分率を公表しているティアハイムもあります)。
・ロサンゼルスは殺処分ゼロ、ペットショップがない(ロサンゼルス市の殺処分数は、人口比で日本の十数倍です。生体販売ペットショップも多数あります。犬猫ウサギの店頭販売は規制がありますが、事実上販売されています)。
・イギリス、ドイツは犬はノーリードで良い(そもそもノーリードは和製英語で通じません。イギリスもドイツも犬のリード義務を法律で定めており、特にドイツは大変厳しい罰則規定があります)。
ざっと私が記憶しているだけでもこれだけあります。ほかにも多数の嘘があると思います。上記以外で、ペトことにはこのような記事があります。犬猫の8週齢規制とは? ペット心理行動カウンセラーが解説。この記事においては当初、「欧米の大多数の国では犬猫の8週齢販売禁止がされている」とありましたので、私はその旨を訂正するようメールしました。つまり、「アメリカでは8週齢規制をしている州は犬では約半数、猫では3分の1、週齢規制そのものがない州が約半数。EUでは犬猫とも8週齢規制をしているのはフランスで、9カ国は週齢規制そのものがない」です。
それに対する回答がありましたが、私が今回記事で取り上げた、環境省資料(アメリカ合衆国連邦規則 Animal Welfare Regulations, USDA と思われる)の記述を根拠に、「事実上、アメリカ合衆国では8週齢未満の犬猫の運送が禁じられているので販売禁止である」と編集長、山本恵太氏が回答してきました。私は、海外の根拠法を求める場合は、回答は当該法令名と該当する条文は原文で、またリンクを求めています。山本氏が当該規則の名称と該当する条文を原文で示さなかった、そしてリンクをつけなかったことは驚きです。このようなことは、中学で英語を学んでいればできるはずです。
今回記事で述べた通り、アメリカ合衆国連邦規則 Animal Welfare Regulations, USDA による、8週齢未満の犬猫の運送禁止規定は、第三者の営利運動業者が対象です。ですからペットショップが自ら自家用車でブリーダーから犬猫を仕入れて運ぶことや、買主が自分の車に乗せて持ち帰ることは適用外です。無知ほど上から目線で偉そうにモノを言う。本当に呆れます。動物愛護に関する事柄は、環境省をはじめ、末端メディアまで動物愛護にかかわる人たちの無知蒙昧はあまりにもひどい。
(画像)
ペトことの、【さとおやライフVol.1】イベントで出逢って一目惚れ。シェルターにいたコーギーと暮らし始めました 2016年6月22日記事の訂正前のスクリーンショット。

なお、私は欧米の犬猫8週齢販売規制については、このような記事を過去に書いています。
・TOKYOZEROキャンペーンの「犬猫の8週齡未満販売禁止は殺処分を減らす」は欺瞞~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、
・太田匡彦氏の「欧米先進国では『(犬猫)8週齢販売規制』は常識」は嘘~犬猫8週齡販売禁止の考察、
・アメリカでは、犬の8週齡未満販売禁止の州が規制がない州よりはるかに犬咬傷死亡事故が多い~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、
・ヨーロッパの犬8週齡未満販売禁止の国の犬咬傷事故数は日本よりはるかに多い~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、
・「殺処分ゼロのためには、犬猫の8週齡未満販売禁止が必要である」という、TOKYOZEROキャンペーンの矛盾~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、
・環境省調査・親などから分離する犬猫の週齡は7週と8週では有意な差はない~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、
・まとめ~犬猫8週齡未満販売禁止の考察
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