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イギリスのペットショップ統計(犬猫販売比率)~環境省資料はデタラメ






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(summary)
Freedom of Information Request on Pet Shop Licensing 2016


 イギリスの生体販売ペットショップの業界団体が2016年に行った、免許を受けた生体販売ペットショップの、イギリス全土の詳細な統計調査があります。イギリス全土の生体販売ペットショップの取り扱い動物の(生体の店頭展示販売)の内訳や、さらにその自治体別内訳まで調べてあります。それによれば、イギリス全土のペットショップ全体では、猫の生体展示販売を行っているペットショップは7%、犬は4.1%あります。


 サマリーで述べた、イギリスの生体販売ペットショップの業界団体による、イギリス全土における生体販売ペットショップの詳細な統計調査報告書はこちらです。調査の対象になったのは、正規の地方自治体から免許を受けたペットショップのみです。なお、イギリス全土では、本統計調査報告書によれば、免許を受けた正規の生体販売ペットショップは約3,000件あります(There are in excess of 3,000 licensed pet shops in the UK )。この数は、人口比で日本の生体販売ペットショップの約1.6倍です。
 Freedom of Information Request on Pet Shop Licensing 2016  から引用します。なお、この統計を行ったイギリスの生体販売ペットショップの業界団体についての情報はこちらです。OATA


(画像)

・Figure 3. Percent of total number of pet shops licensed to sell different animal types across the UK 「図3.イギリス全土における動物種別の動物を販売する免許を受けたペットショップの総数に対する割合

 この統計によりますと、それぞれの動物種を扱う、イギリス全土の免許を受けた生体販売ペットショップの割合は次の通りです。比較のために、同様の日本の統計は探しても見つかりませんでした。しかし私が推測するには、例えば一部門として扱っているホームセンターのペットコーナーや、街中の小規模ペットショップでは、犬猫の販売がなく、ハムスターなどの小型哺乳類やカメ、小型の鑑賞鳥(セキセイインコやジュウシマツなど)、魚類しか取り扱っていないペットショップも多数あります。ですから、私はイギリスが極端に「ペットショップでの犬猫の販売が少ない」とは思えません。

1、観賞魚       77.8%
2、小型哺乳類    56.1%
3、爬虫類       47.1%
4、鳥類         41.5%
5、猫           7.0%
6、犬           4.1%
7、霊長類        1.5%


OATA.png


(画像)

・Table 2. Number and percent of shops selling different types of animals by region and estimate for all of the UK 「表2.地域別の動物種別の動物を販売している店舗の数と割合、およびイギリス全体の推定

 地域別にかなりのばらつきがあります。たとえば、ノース・ウエスト地域では、猫10.4%、犬9.7%をペットショップが販売をしています。ウェールズでは、犬を10.3%のペットショップが販売しています。ロンドン地域では、猫を売っているペットショップは20.1%です。この数字ですが、日本のペットショップの犬猫販売比率とあまり変わらないかもしれません。
 特にロンドンは、猫を販売しているペットショップは5件に1件の割合です。日本は私が観察したところ、猫を売っているペットショップはあまり見かけません。ロンドン地域に限れば、猫を販売しているペットショップはむしろ日本の平均より多いとすら感じます。

OATA 1


 この、イギリスの生体販売ペットショップの業界団体による詳細なイギリスの生体販売ペットショップの調査統計資料は、簡単な英語検索(中学レベルでも)で見つけることができます。しかし具体的な、イギリスの生体販売ペットショップ全体に占める、犬猫の販売比率の数値を日本で紹介したのは、私のこの記事が初めてではないかと思います。
 イギリスの生体販売ペットショップにおける犬猫の販売比率は、単なる憶測や、完全に誤った情報がまん延しています。例えば「イギリスには生体販売ペットショップそのものがない」、「生体販売ペットショップはあるが犬猫は販売禁止である」と言った、荒唐無稽な嘘情報が流布されています。これらの情報発信者は、もちろん出典を挙げていません。
 「イギリスでは犬猫を販売しているペットショップはほぼない」という情報もあります。さらには、昨年環境省が公表した資料(平成 29 年度 訪英調査結果 平成 29 度動物愛護管理法に関する調査検討業務 報告書(抜粋))では、「イギリスでは犬猫を販売している生体販売ぺットショップは2パーセント程度である」としています。私が捜したところ、「イギリスでは犬猫を販売しているペットショップは2パーセントである」という資料は、イギリスではありませんでした。環境省の本資料においても、出典は示されていません。


(動画)

 Aran Mathai of Boycott Dogs4Us on BCB Radio Bradford 「BCBラジオ・ブラッドフォードにおける、アラン・マタイ氏の、Dogs4us(註 イギリスの犬の安売りに特化した巨大店舗のペットショップチェーン)ボイコット」 2018/12/17 に公開
 イギリスのペットショップの犬を販売しているペットショップの店舗数での比率は低いですが、日本と異なり、犬の安売りに特化した巨大ペットショップチェーンが存在します。ですから店舗数だけで比較することは不適切でしょう。イギリスにある、犬の安売りに特化した巨大ペットショップチェーン、Dogs4 に対するインタビュー。現在イギリスの内閣は、「イギリスのペットショップでの犬猫販売を、6ヵ月齢以上にする法案を作成し、議会提出する」ことを考えていますが、そのことに対するインタビューです。ペットショップ(dogs4us)は現在も8週齢程度の犬販売を強気で続けており、事業の縮小などは考えていないようです。おそらくペットショップは、「この法案が可決することはない、議会提出されることすらない」と踏んでいるのだと思います。
 なお、「イギリスのペットショップでの犬猫販売は6か月齢以上に限るとの法案提出がされるかもしれない」ですが、日本で正確に訳しているメディアはNHKをはじめ、一つもありません。はなはだしきは、2018年にすでにこの法律が成立施行したと報道しているマスメディアも多数あります。反論がある方は、「イギリスのペットショップは犬猫の販売は6ヵ月齢以上に限る」ことを規定した法律名と該当する条文を原文でコメントしてください。
 私はこの件に関しては、腹が立つというよりは、日本人の学力がこれほどまでに低いことが悲しくなります。日本では、義務教育すら機能していないのでしょうか。

Speaking out against puppy farming!
An interview about the campaign against the UK's biggest retailer of puppy farmed dogs!

パピー・ファーミングに反対してお話します!
イギリス最大の、パピーファーム由来の子犬小売業者(ペットショップ)に対するキャンペーンについてのインタビュー!





(動画)

 Dogs 4 Us Demo Jan 2012.wmv 2012/02/01 に公開
 
 上記の動画で取り上げられている、イギリスの子犬安売りに特化した、巨大ペットショップチェーンの店内の販売の様子。かつては5週齢程度の子犬を展示販売したり、血統書を偽造したりしていたのでバッシングを受けるのもやむを得ないところはあります。子犬の価格は500ポンド(日本円で6万円台)~程度です。

Dogs 4 Us sells puppies as young as five weeks old, these puppies are from puppy breeding farms.

Dogs4us は、5週齢程度の子犬を売っています、これらの子犬はパピーファーム(パピーミル)によって繁殖されたものに由来します。


(追記)

平成 29 年度 訪英調査結果 平成 29 度動物愛護管理法に関する調査検討業務 報告書(抜粋)

 本資料においおいては、今回の記事で指摘した通り、「(イギリスでは)犬猫をペット ショップで販売しているライセンス業者は非常に少なく、イギリス全体でも2%程度だと思 われる(12ページ)」 との誤った記述があります。もちろん、この記述の根拠となる出典が示されていません。
 本資料はその他に、イギリスの法令に関してもいくつかの誤りがあります。しかし過去に私が本ブログで取り上げた事柄と重複しますので、今回記事では取り上げていません。指摘していないからと言って、当該環境省資料のほかの記述が正確なわけではありません。


(画像)

 ペトことの、【さとおやライフVol.1】イベントで出逢って一目惚れ。シェルターにいたコーギーと暮らし始めました 2016年6月22日記事の訂正前のスクリーンショット。
 このような荒唐無稽のデタラメ情報が、一応プロのメディアでも報道されることが、日本の動物愛護の最大の後進性です。この記述の誤りを指摘したところ、その後「イギリスでは日本と違ってペットショップでの生体販売が少なく、国が認めているブリーダーからかシェルターと呼ばれる犬や猫を保護する施設から迎えて飼い始めることがあります」と訂正されています。私は常々うそつきは「少ない」、「ほとんど」などの形容詞形容動詞を用いて具体的な数字を挙げないと言っています。まさにこのサイトはその典型です。このサイトの海外情報は目も当てられないほどの誤り、嘘の羅列です。書き手は、「イギリスのペットショップは日本と違って少ない」のならば、イギリスでは何件のペットショップがあり、人口比を提示するべきでしょう。「人口比で1.6倍のペットショップがあるイギリス」が、「日本と違ってイギリスではペットショップでの生体販売が少なく」は完全な誤りです。

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・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
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よろしくお願いします。

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