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「オランダは全国一律で去勢にかかる費用は無料」と言う大嘘~民間団体の限定的な活動しかありません






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Netherlands/Niederlande

 記事、「オランダには野良犬がいない」という大嘘~オランダは日本より野良犬の捕獲数が多く(人口比)殺処分率も高い、の続きです。
 前回記事では、「オランダには野良犬がいない」としている、サイトを取り上げました。この記事では、その根拠となる出典、オランダの信頼できる一次ソースを一切示していません。オランダの資料では、むしろそれに反するものが多く見つかります。オランダでは捕獲されてアニマルシェルターに収容される野良犬の数は日本より多く、人口比では8倍近くもあります。それは、オランダには日本より多くの野良犬が存在するということではないでしょうか。また、「オランダでは政府がペットの去勢運動にたくさんの資金を投下し、全国一律で去勢にかかる費用は無料」との記述がありますが、それを裏付けるオランダの資料は見つかりませんでした。



 問題のサイトはこちらです。ついに野良犬ゼロを達成した国があります · 2018年5月30日 これにはもちろん、根拠となる、オランダの信頼できる文献、学術論文や公的な統計資料などの出典は示されていません。
 なお、「オランダには野良犬はいない」ですが、補足しておきます。オランダには「オランダには野良犬がほぼいない」としている資料はいくつかあります。しかし、ついに野良犬ゼロを達成した国があります · 2018年5月30日、で述べている、「ペットの飼い主に対する法規制と罰則強化とほぼすべてのペットの不妊去勢により野良犬の発生自体がない」とはありません。「法規制と罰則強化」(例えばオランダは例外なく禁止犬種は押収して殺処分するという、大変厳しい禁止犬種法がありました)とともに、「専業の動物管理官を配置することにより、市中を徘徊する犬は、速やかに捕獲し、アニマルシェルターに収容するため、常在する野良犬はいない」としています。つまり「飼い主が捨てるなどして野良犬は相当数発生するが、捕獲収容して殺処分などを速やかに行うので、結果として市中には常在する野良犬がほぼいない」ということです。オランダは、野良犬のアニマルシェルターへの収容数と殺処分率は大変高いのです(この点については前回記事で述べました)。以下の資料に、それを裏付ける記述があります。

 オランダのユトレヒト大学獣医学部による、オランダのアニマルシェルターと、野良犬の健康状態などに関する学術調査から、再び引用します。
 Medical differences between stray and owner surrendered dogs in Dutch animal shelters J.M. Janse, Veterinary Medicine student, Utrecht University, January 2014 「オランダの動物保護施設における野良犬と飼い主が飼育放棄した犬の獣医学的差異 J.M. Janse ユトレヒト大学獣医学部学生 2014年1月」(英語)


A stray dog is a dog unaccompanied by a responsible person in a public area.
This might include dogs who are lost or dogs who are abandoned by their owners.
In the Netherlands there is no permanent stray dog population like in other countries.
The majority of Dutch stray dogs does not live as stray for a long time.
Most of them are taken in by a shelter within a few days.

野良犬とは、公共の場所で責任者が同伴していない犬です。
これには行方不明の犬や、飼い主が捨てた犬などがあります。
オランダでは他の国々のように、野良犬が常在していません。
オランダの野良犬の大多数は、長い間野良犬としては生きていけません。
野良犬のほとんどは、数日以内にアニマルシェルターに収容されるからです。



 次に、ついに野良犬ゼロを達成した国があります · 2018年5月30日の、「政府がペットの去勢運動にたくさんの資金を投下したのも効果的でした。なんたって、全国一律で去勢にかかる費用は無料となった」です。この記述を裏付けるオランダの資料は確認できておりません。むしろそれに反する記述がある資料が、多数あります。
 まず、オランダで犬猫の不妊去勢手術を行っている、民間のボランティア団体による資料から引用します。Actie tegen zwerfdierenleed en overvolle asiels: gratis honden en katten castreren 「野外にいる動物(野良犬と野良猫)や過密なアニマルシェルターに対するアクション:犬と猫の無料去勢」 2011年11月10日


(原語 オランダ語)
Dierenrechtenorganisatie Vier Voeters en Dierendokters Hilversum slaan de handen ineen in de strijd tegen zwerfdierenleed en overvolle asiels.
Mensen kunnen op 24, 26 en 28 november gratis een zwerfdier langsbrengen om te laten castreren.
In een poging het probleem op te lossen en te verbergen voor toeristen worden zwerfdieren door lokale autoriteiten vaak bruut afgeschoten, doodgeslagen of vergiftigd.
Het probleem wordt hiermee niet opgelost.
De aanpak van het VIER VOETERS project Stray Animal Care is de enige effectieve lange-termijn methode gebleken om dit probleem op te lossen.
Met de bescherming van dieren in gedachte, wordt gewerkt aan een gebiedsbrede geboortebeperking.
In ruil daarvoor moeten de lokale autoriteiten beloven geen zwerfhonden meer te doden.
Wees er snel bij, want er is beperkte capaciteit!

(ドイツ語に自動翻訳)
Die Tierschutzorganisation Vier Voeters und Dierendokters Hilversum kämpfen gemeinsam gegen streunende Tiere und überfülltes Asyl.
Am 24., 26. und 28. November können Menschen ein streunendes Tier zur Kastration kostenlos mitbringen.
In einem Versuch, das Problem zu lösen und vor Touristen zu verbergen, werden streunende Tiere von den örtlichen Behörden oft brutal erschossen, geschlagen oder vergiftet.
Dies löst das Problem nicht.
Der Ansatz des FOUR PAWS-Projekts Stray Animal Care hat sich als die einzig wirksame langfristige Methode zur Lösung dieses Problems erwiesen.
Im Hinblick auf den Tierschutz arbeiten wir an einer flächendeckenden Geburtenkontrolle.
Im Gegenzug müssen die lokalen Behörden versprechen, streunende Hunde nicht mehr zu töten.
Seien Sie schnell, denn die Kapazität ist begrenzt!

(ドイツ語に自動翻訳された文書を管理人が日本語訳)
動物保護団体である、Vier VoetersとDierendokters Hilversum は、野良の動物や過密なアニマルシェルターとの闘いに力を合わせています。
一般の方は、11月24日、26日、28日に動物を連れてくれば、無料で去勢することができます。
野良動物問題を解決し、それを観光客から隠そうとする試みにおいては、野外の動物(野良犬猫など)はしばしば地方自治体によって残酷に射殺されたり、殴打され、または毒殺されたりしています。
これでは、問題は解決しません。
FOUR PAWSプロジェクトのStray Animal Care(野良動物のケア)の取り組みは、この問題(野良犬猫問題)を解決する、長期的には唯一の効果的な方法であることが証明されています。
動物の保護を念頭に置いて、私たちは地域全体の避妊に取り組んでいます。
その見返りに、地方自治体はこれ以上野良犬を殺さないことを約束しなければなりません。
去勢件数には限りがあるので、早く申し込んでください!



 そしてこの文書には、一般の寄付を募る記述があります。この文書の記述を読む限り、動物保護団体にはオランダ政府や地方自治体から去勢に対する費用の潤沢な助成を受けているとはうかがえません。これらの団体が、政府から公的助成を受けているとの記述は一切ありません。地方自治体は、野良犬猫は、「射殺、撲殺、毒殺」、さらには市民の電話通報を受けて動物管理官が野良犬を捕獲、そしてアニマルシェルターに収容する(多くは殺処分される)ことにより、野良動物の数の抑制をするのが方針のようです。
 また、以下のオランダ、アムステルダム市による野良犬に関する資料によれば、「オランダ政府が犬猫の不妊去勢に公費を助成し、全国一律に犬猫の勢を無料で行う」との記述は一切ありません。公費助成の記述そのものがありません。去勢の重要性には触れてはいますが。
 THIS EPISODE How Holland became free of Stray dogs BY DOGRESEARCH Isabelle Sternheim MARCH 2012 AMSTERDAM • THE NETHERLANDS 「短信 オランダがどのように野良犬無くしたのか ドッグリサーチ Isabelle Sternheim (イザベル・スターンハイム) 2012年3月アムステルダム•オランダ」(英語)

 そのほかにも、「政府がペットの去勢運動にたくさんの資金を投下したのも効果的でした。なんたって、全国一律で去勢にかかる費用は無料となった」、ですが、これは英語、オランダ語でも確認できる資料はありませんでした(Netherlands dog castration free Nederland hond castratie gratis)。
 民間のボランティア団体が、限定的に野良犬猫の無料の去勢手術を行っているところは日本でもいくつもあります。それらの民間団体に地方自治体がその費用の一部を公費で支出し、野良猫などのTNRを行うなどということは日本でも行われています。また、飼犬猫の去勢費用を助成している日本の自治体がいくつかあります。しかしそれをもって、「日本では政府がペットの去勢運動にたくさんの資金を投下し、全国一律で去勢にかかる費用は無料となった」などと書けば、その記述は完全に「嘘」です。
 なお、「オランダでは、獣医師による猫の去勢費用は100~200ユーロかかる。術式によってはそれ以上の費用が掛かる」と、ペット保険会社のサイトにあります(Sterilisatie kat, wat kost dat?)。「オランダ政府がペットの去勢運動にたくさんの資金を投下し、全国一律で去勢にかかる費用は無料になった」のであれば、このようなサイトの記述はないはずです。また去勢費用の公的助成についても、一切記述はありません。
 サイト、「動物王国」の問題の記事は、ライターが自分の理想としている動物愛護国を妄想し、単なる思い付きで、資料の裏付けも取らずに書いたものと思われます。しかしいったんこのような嘘情報でも公に公開されれば拡散され、真実と信じる人も出てきます。さらにそれが立法に対する、ゆがんだ圧力として利用されることもあります。まさに社会に有害です。情報を発信するものは、もっと責任を自覚するべきです。


(画像)

 「オランダには野良犬がいない」としているサイト。ついに野良犬ゼロを達成した国があります · 2018年5月30日 もちろん、「オランダに野良犬がいない」との根拠となる、オランダの原語の信頼できる文献、学術論文や公的な統計資料などの出典は示されていません。
 その他にも「抑留所とアニマルシェルターは異なる」との記述ですが、私が今回引用した、オランダ、ユトレヒト大学獣医学部の文献では、animal shelter としかありません。徘徊している野良犬が行政官が捕獲して収容するのも、animal shelter です。それと「純血種犬の購入に高額の税金を課す」というオランダ語での資料は見つかりませんでした。

オランダ 野良犬


(追記)

 本ブログへのアクセス数は、むしろ増加傾向です。しかしFC2ブログランキング(トップページにリンクしている「FC2人気ブログランキング」のことではありません)は、順位は伸び悩んでいます。私が分析したところ、グーグルクローラー(google crawler Googleクローラーとは)は、FC2ブログランキングでは除外され、さらにグーグルクローラーのアクセス数を差し引いた以上に減点されるようです。おそらく、ブログ管理人によるアクセス数増加のための、組織票、ロボットと認識されるからだと思います。
 私は最も重要視しているのは、グーグルやヤフーの大手検索サイトで上位表示されることです。ブログランキングはそれほど重要視していません。ご心配されている読者様もいらっしゃるようなので、ご報告申し上げました。


(画像)

 私のブログのアクセス解析(一例)。右端の数字がアクセス数。

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No title

ええ?!あり得ません。

だってオランダの犬友が愚痴ってたことがありますよ。
「猫の避妊手術費用もバカにならない」って。

無料ならそんなこと言わないと思います。仮に野良猫野良犬だけが無料だとしても国一国でしょう?比較的小国とはいえ。その費用を賄う費用が税金から出てるわけですからかならず年次報告なんかで閲覧できると思います。それはないと言うことはあり得ないと言うことでしょう。

Re: No title

一尺八寸 様、コメントありがとうございます。

> だってオランダの犬友が愚痴ってたことがありますよ。
> 「猫の避妊手術費用もバカにならない」って。
> 無料ならそんなこと言わないと思います。

ですよねー。
アムステルダム市による公的文書にも、犬猫の不妊去勢が無料どころか、公的助成に関しても一切記述がありませんから。
公的文書ならば、それについて触れるでしょう。
かなり長い文書ですし。


>比較的小国とはいえ。その費用を賄う費用が税金から出てるわけですからかならず年次報告なんかで閲覧できると思います。

それと公費を支出するのであれば、根拠よなる法令が必ずあるはずです。
私はオランダの動物法や、危険犬種法、犬の税金に関する法令は一応目を通しました。
去勢費用が無料になるとの、根拠となる法令は見つかりませんでした。
その他、純血種犬の取得に高額な税金がかかることも確認できませんでした。
次の記事では、オランダの動物に関する法令原文を取り上げます。

追記 補足

例えば、「オランダ 野良犬 いない」でグーグル検索すれば、私のこの記事がトップ表示されます(公開2日後)。

https://www.google.com/search?hl=ja&source=hp&ei=OviEXP7sMr2Qr7wPrtKRyAg&q=%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80+%E9%87%8E%E8%89%AF%E7%8A%AC+%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84&oq=&gs_l=psy-ab.1.0.35i39l6.0.0..11256...0.0..0.573.937.3-1j0j1......0......gws-wiz.....6.gKXBXVFcTrU

さらに追記すれば、上記で上位にヒットする情報に、引用した「動物王国」の嘘情報を基にしたものがあります。
本当に根拠を示さずに、憶測記事を公開するのは有害です。

No title

高額な税金って。それはないと思いますよ。

秋田犬や柴犬など日本からオランダに結構輸出されてます。
狆なんか
日本よりレベル高いんじゃ?

東欧から訓練系シェパードの良いのを輸入した人も知ってますよ。
犬友の親戚にはずっとラブラドール飼い継いでいる人がいますよ。その人はほく普通の人です。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

一尺八寸 様、コメントありがとうございます。

> 高額な税金って。それはないと思いますよ。

オランダの犬に関する税金もキーワード検索しました。
オランダは、犬税(年間の保有税)は一律のようです。
120ユーロでした。
取得時に純血種犬に付加される税金は確認できませんでした。
税金と関係ないですが、禁止犬種に外見が似ている犬は、血統書がなければ不利な扱いを受けるとの法律はあります。
強制殺処分のハードルが低いとか、公共の場での口輪装着、立ち入り禁止場所がある、係留飼育義務が命じられるなど、禁止犬種の扱いを受けるということです。

なお、禁止犬種の法律も確認しました。
かつてのピットブル法ほど厳格ではなく、飼い主と犬の資格検査などがあり、それに合格すれば飼育は認めるとのドイツ方式のようです。
ただし人を咬んだ利した場合、強制殺処分のハードルはそうでない犬と比べて低くなっています。

Re: No title

鍵コメ様

承知しました。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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