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びっくり!世界の猫事情~ドイツでの猫毛皮によるリウマチ治療





 スイスやドイツ、オーストリアなどのドイツ語文化圏では、リウマチの民間療法で猫の毛皮が用いられます。現代医学では猫の毛皮のリウマチ治療効果は否定されていますが、根強い信奉者も多く、禁止されているにもかかわらずそれらの国では猫の毛皮が流通しています。


 リウマチの原因が解明されたのは、比較的近年のことです。1998年に、米国と日本で「破骨細胞分化因子」が発見されました。これを通じて、免疫系の異常が余分な破骨細胞を生んでいることが分かり、今ではリウマチが自己免疫疾患とされることが通説です。
 症状は関節の炎症により関節が固まったり変形したりし、骨や軟骨が破壊されます。その他にも発熱や眼、肺、血管の炎症というように関節だけでなくいろいろな症状が起きます。患者さんにとっては大変つらい疾患です。

 このリウマチですが、古くからスイスやドイツ、オーストリアなどのドイツ語文化圏では、民間療法として猫の毛皮でできた毛布に治療効果があると信じられています。リウマチ専門医は、猫の毛皮によるリウマチ治療効果を否定していますが、今でも熱烈な信奉者がいます。
 EU域内では2008年以降は、犬猫の毛皮の貿易が禁止されています。しかしそれ以降も猫の毛皮の流通は絶えません。以下はドイツウィキペディアから引用しました。Katzendecke 猫の毛皮の毛布
 こちらに収録されている画像の猫の毛皮には、ドイツ語でちゃんと「猫の毛皮」と刻印が押してあります(笑っちゃだめ?)。


Bis in die 70er Jahre wurden Katzenfelle noch als Mittel, vor allem gegen Rheuma, u. a. über Drogerien und Apotheken verkauft.
Die Ansicht, insbesondere Katzenfell helfe bei Rheuma, Muskelschmerzen, Ischias usw. wurde bisher nichtwissenschaftlich belegt.
Am 26. November 2007 haben die Agrarminister der Europäischen Union beschlossen, ein Importverbot für Hunde- und Katzenfelle in die EU zu erlassen. Es trat am 31. Dezember 2008 in Kraft.

70年代までは猫の毛皮は、他の商品と共に普通に、ドラッグストアや薬局でリウマチ治療のために、売られていました。
リウマチ、筋肉痛、坐骨神経痛、など猫の毛皮に限り、科学的に考察すれば治療効果は証明されていません。
2007年11月26日に、欧州連合(EU)の農業大臣は、EU域内の猫や犬の毛皮の輸入禁止措置を課すことを決定しました。
それは2008年12月31日に発効しました。



 EU域内での猫の毛皮の貿易が禁止されているのにも関わらず、猫の毛皮の流通はなくなりません。以下は、オーストリアの大手動物愛護団体、der Landestierschutzverein(オーストリア全国動物保護協会)のHP記事から引用しました。


Katzenfelle: Das Geschäft mit dem Tierleid 猫の毛皮 動物にとっての苦痛なビジネス2009年。

EU hat seit Beginn dieses Jahres den Import und den Handel mit Hunde-und Katzenfellen im Gemeinschaftsraum untersagt.
die Decken aus Katzenfellen.
Die Katzendecken werden nämlich unter Vorspiegelung falscher Tatsachen als „Gesundheitsdecken“, „Naturmittel“ oder als „Kaninchenfelldecken“ zu horrenden Preisen vor allem bei alten und von Krankheiten, wie Rheuma und Arthrose, geplagten Menschen als Wunderheilmittel angepriesen.
Allerdings gilt es als wissenschaftlich erwiesen, dass Katzenfelle keinerlei heilende Wirkung haben.

EUは域内共通のルールで、犬や猫の毛皮の輸入や貿易を禁止し、今年初めに発効しました。
猫の毛皮の毛布。
猫の毛皮の毛布は、特に高齢者には、リウマチや関節炎に奇跡的な治療効果があるとされ、症状に悩む患者さんたちに「野生動物の毛皮」や「ウサギの毛皮の毛布」、と偽って法外な値段で売られ、「健康になる毛布」ともてはやされています。
しかし、猫の毛皮に治療効果がないことは、科学的には証明されたと見なされています。



 私個人の見解ですが、飼育動物の中でも、犬猫だけを特別扱いする必要はないのではと疑問に思います。EUの人たちも、普通に牛革などの皮革を利用し、毛皮用獣の養殖も盛んですから。
 米国では、日本では普通に食べている、鯨類の肉を提供したり食べたりしただけで刑事罰の対象になる州もあります。文化の異なる他国への干渉は止めておいたほうが良いかもしれませんね。


・画像は、ドイツで販売されていたイエネコ毛皮の毛布。

feuerkatze_fellplatte.jpg



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猫の手ならぬ毛皮も借りたい

いやー、新説というかこんな都市伝説は初耳です。

野良猫でも、未だ使い道が有ったとは?
只、野良猫だと皮質の方は期待出来ないかも知れませんが・・・。

でも、闇取引なら、日本の野良猫の毛皮の輸出で稼げるチャンス?

んで残った肉は、中国4千年の秘伝の味付け?を施して
南米のぬこバーガーみたいに名前「タコスの例も有るし」を変えれば、
それなりに日本でも売れるかも「猫をみだりに屠殺してはならないが
牛豚鶏の様に家畜としてならおK」?

Re: 猫の手ならぬ毛皮も借りたい

只野乙三様、コメントありがとうございます。

> こんな都市伝説は初耳です。

2009年初めから、EU域内では猫の毛皮の輸入は禁止されましたが、実際は普通に売られている見たいです。
EUの通関は簡略化されていますし、個人の手荷物での持ち込みで摘発するのはほぼ不可能。
また国内生産すればいいだけですから。
EUが猫の毛皮輸入を禁止する以前は、中国から大量に輸入されていたようです。
猫毛皮が販売されていたというニュースは、ドイツ、ベルギー、オーストリア、スイスのサイトで見つかりました。
私はドイツ語でしか検索していないので、フランス語などで検索すればもしかしたらフランス語圏でもそのようなニュースが見つかるかもしれません。


>残った肉は、中国4千年の秘伝の味付け?を施して
> 南米のぬこバーガーみたいに名前「タコスの例も有るし」を変えれば、
> それなりに日本でも売れるかも「猫をみだりに屠殺してはならないが
> 牛豚鶏の様に家畜としてならおK」?

ベトナムや中国では猫を食し、漢方薬の原料にします。
ペルーでは、猫は普通に食べられています。
中国系や中南米系の居住者が日本でも増えましたから、猫を養殖して肉や漢方原料にするビジネスが生まれるかもしれません。
三味線原皮の供給難にも対応できます。
今のところ、日本ではそのような事業は全く合法です。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
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よろしくお願いします。

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