「ドイツではホームレスでも犬税を払う」という呆れたヤラセ番組~NHKBS「旅のチカラ 犬の幸せって何だろう」

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(Zusammenfassung)
Laut NHKs Lügenprogramm "Zahlen Sie die Hundesteuer sogar die Obdachlosen" in Deutschland (lol).
2012年1月に、NHKBSプレミアムで放映された、「旅のチカラ 犬の幸せって何だろう」という番組があります。今年の1月23日に再放送されました。この番組のねつ造(嘘)と誤り、偏向はあまりにもひどすぎます。例えば「ドイツでは生体販売ペットショップがないため犬はペットショップでは買えない」、「ドイツは殺処分ゼロである」などです。また、「ドイツでは犬はノーリード(これは和製英語で通じませんが)で良い」と著しく誤認させる、街中を犬をノーリードで連れている映像、「電車の中では口輪もいらない(取材を行ったベルリン州では口輪がなければ罰金が科される)」と著しく誤認させる映像などがあります。これらのことはすべて真逆の大嘘であることは、私は何度も証拠を挙げて指摘してきました。今回は本番組で放映された、「ドイツではホームレスでも犬税を払っている」が明らかにねつ造であることを述べます。
問題のNHKBSプレミアム、「旅のチカラ 犬の幸せって何だろう」の再放送番組HPはこちらです。プレミアムカフェ (1)犬の幸せってなんだろう…/(2)育て!音を伝える犬 2019年1月23日放送 本番組の概要は次の通りです。
1、ドイツでは犬の殺処分がゼロである。
2、ドイツでは生体販売ペットショップがないので犬はティアハイムという施設か、ブリーダーから直接入手するしかない。
3、「ドイツではノーリードで良い」と著しく誤認させる映像。
4、禁止犬種として警察から押収された犬を、ティアハイムが再訓練をして一般譲渡する。
5、ドイツでは、ホームレスでも犬税を支払っている。
1~4については、私は繰り返しそれが嘘ねつ造であることをこちらで証拠を挙げて述べてきました。ですから改めて詳述はしません。簡単に概要を示します。なお、「続き」で、私の過去記事と、重要な点については出典を挙げ、引用をしていますのでご参照ください。
1、ドイツには、狂犬病法(Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut)、通関法(Zollverwaltungsgesetz (ZollVG))により、狂犬病が疑われる犬や検疫不備の犬を行政が押収して、強制的に殺処分する権限があります。また全州に、犬法(Hundegesetz)があり、法律で飼育が禁止されている犬や傷咬犬などを州当局が押収して、強制的に殺処分する権限があります。
上記の公的殺処分のほか、ドイツでは通年犬猫は狩猟駆除が推奨されています。きわめて多くの犬猫がハンターにより狩猟駆除されています。また警察官の職務として危険な犬を市中で射殺することを定めており、相当数あります(2015年のドイツ連邦警察統計では、「物品および動物に対する射撃」が11,901件ありました。その多くが犬と思われます)。
2、ドイツには、生体販売ペットショップが4,100以上あり(*1)、この数は人口比で日本(総務省商業センサス統計調査。日本の生体販売ペットショップの数は、2018年公表資料によれば5,043店舗である)の1.2倍~です。もちろん犬を展示販売しているペットショップが存在します。
またドイツは犬などの非対面インターネット販売が合法で、インターネット販売により犬を入手する人が大変多いです。隣国のポーランドなどでは、露天商が安価な子犬を売っており、多くのドイツ人はそこから犬を購入します。
3、ドイツは、おそらく世界で最も犬のリード義務違反に対する罰則が厳しい部類の国(*2)です。州によっては、犬にリードをしなければ、2万5,000ユーロの罰金(日本円で300万円以上)が科せられますし、警察官に射殺されたり、郊外では通年ハンターは射殺してよいとされています。実際に公園で犬のリードを外した直後に警察官に飼い犬を目の前で射殺された飼い主がいますし、ハンターに犬が射殺されることは頻繁にあります。
4、ドイツでは、全州に危険犬種の飼育を禁止する法律(*3)があります。それらの犬種は、きわめて厳しい条件を満たした飼い主と犬のみが飼育できます。違法飼育の犬は押収され、原則州の命令により強制殺処分されます。
本番組のように、禁止犬種(アメリカンスタッフォードシャーテリア)をティアハイムが収容して訓練をし直して一般譲渡することは可能性はゼロではないですが、きわめてまれです。本番組は、それが一般的と誤認させる内容であり、問題があります。
今回は、「5、ドイツでは、ホームレスでも犬税を支払っている」が、法制度上ありえず、明らかに本番組のねつ造であることを取り上げます。
まず第1にドイツの犬税ですが、これは自治体税(日本でいうところの市町村税に相当します)です。つまり「住民登録地」で犬税登録をします。ホームレス=定住の住所を持たない人(住民登録がない)、という意味ですから、犬税登録ができるわけがありません。
第2に、本番組で放映された「ホームレスが犬税を払っている」というシーンですが、この犬には犬税登録票が着けてあります。犬税登録をすれば、地方税務署からそれを証明する、金属製のメダル様の「犬税登録票」が交付されます。この「犬税登録票」は、法律で犬に常に首輪をして装着し、警察官などから求められたときは必ず提示しなければならないとしています。したがって「犬税登録票」を装着しているということは、間違いなく犬税登録はされている、つまり飼い主は住民登録がありホームレスではありません。
先に述べた通り、ドイツの犬税は地方税、日本の市町村税に相当します。定住している住所がなければ、課税のしようがないのです。市町村により税額が異なりますし、ホームレスが狭い範囲の自治体を超えて移動することがありますので。
一部で「ドイツでの犬登録は犬税登録がそれを兼ねている」という情報が日本で流布されていますが誤りです(*4)。ドイツでは、2018年時点で16州のうち14州がマイクロチップによる犬登録を義務付けています。州により犬登録を義務付けていないバイエルン州などは、傘下の自治体が犬登録を義務づけています。現在ドイツでは、犬税とは別途に、犬登録をマイクロチップによりほぼ全土で義務付けています。犬登録は、咬傷事故を起こした遁走した犬の飼い主の特定を容易にし、飼い主の刑事責任の追及を容易にするなどが主な目的です。犬税登録票は、警察官が目視で犬税無登録犬を発見し、犬税の脱税を容易に摘発できるようにすることが目的です。それぞれが目的が異なります。
次回記事では、ドイツの犬税について、関連する法規などを挙げて説明します。日本では、ドイツの犬税についても誤った情報が多く流布されています。
(画像)
犬税納税証明票。犬税登録をすれば、地方税務署から交付されます。これは公共の場に犬を出す場合は必ず装着することが義務付けられており、違反した場合は罰金が科せられます。警察官などの犬税無登録の犬を摘発を容易にするために、かなり大きく視認性が良いものとなっています。
日本の自動車のフロントガラスに貼る、車検済み票と同じです。同じ自治体でも、年度により色やデザインが異なります。もちろん、犬税無登録の摘発を容易にするためです。この犬税納税証明票をつけているということは、住民登録があり、ホームレスではありません。「ホームレスではない人」を「ホームレス」と報じるとは、NHKも下手したら外交問題に発展しかねないことをしたことになります。

・記事カテゴリー 海外 (ドイツ) 殺処分
・記事カテゴリー 海外 (ドイツ) ティアハイム
・記事カテゴリー 海外 (ドイツ) 生体販売
(*1)
・Zoofachgeschäft ドイツ版 ウィキペディア
~
Ein Zoofachgeschäft , ist ein Unternehmen im Einzelhandel , das seinen Kunden Heimtiere ,Tiernahrung und entsprechendes Zubehör zum Kauf anbietet.
Nach § 11 des deutschen Tierschutzgesetzes ist für den Handel mit Heimtieren eine spezielle Genehmigung erforderlich.
In Deutschland gibt es über 4100 Fachhändler, deren Betriebsstrukturen sich mitunter stark unterscheiden.
Einzelkaufleute sind im Markt ebenso zu finden wie Filialisten oder Fachabteilungen in Baumärkten und Gartencentern.
ペットショップとは、顧客のためにペット(の生体)を販売し、ペットフードおよびペットの関連アクセサリーを販売提供している企業です。
ドイツ連邦法、動物保護法11条により、ペットの生体販売においては、特別な許可が必要とされています。
ドイツ連邦共和国内には、4,100以上の、小売を行っている(生体展示販売の)ペットショップがありますが、それらの経営形態においては大きく異なるケースがあります。
個人事業主が商業集積地で営業するもの、並びにDIYの店やガーデンセンター内の店舗やそれらの一部門で見つけることができます。
(*2)
・Leinenpflicht in Deutschland 「ドイツ連邦共和国における犬のリード義務」。2016年2月11日
~
・Nordrhein-Westfalen
In Nordrhein-Westfalen sind Hunde in bestimmten Bereichen an einer „zur Vermeidung von Gefahren geeigneten Leine“ zu führen.
Diese Bereiche umfassen Fußgängerzonen, Haupteinkaufsbereiche und andere innerörtliche Bereiche sowie Straßen und Plätze mit vergleichbarem Publikumsverkehr.
Vom Leinenzwang umfasst sind außerdem der Allgemeinheit zugängliche, umfriedete Park-, Garten- und Grünanlagen einschließlich der Kinderspielplätze.
Auch müssen die Vierbeiner bei öffentlichen Versammlungen, Aufzügen, Volksfesten und sonstigen Veranstaltungen mit Menschenansammlungen sowie in öffentlichen Gebäuden, Schulen und Kindergärten an der Leine geführt werden.
Um von Verstößen gegen diese Anleinpflichten von vornherein wirksam abzuschrecken, droht der nordrhein-westfälische Gesetzgeber mit einer Geldbuße bis zu 100.000 € und einer Einziehung des Hundes.
In den Wäldern gilt in Nordrhein-Westfalen außerhalb der Wege eine generelle Leinenpflicht; bei Verstößen kann ein Bußgeld bis zu 25.000 € verhängt werden.
Hält sich ein Hund in einem Jagdgebiet außerhalb der Einwirkung seines Halter auf, so darf der Jäger ihn abschießen.
・ノルトライン-ヴェストファーレン州
ノルトライン・ヴェストファーレン州では、犬は特定の地域では「危険防止のために適切なリード」により導かなければなりません。
これらの地域には、歩道、主要な商業地域、その他の都心部、同様に公共交通機関を備えた道路や広場などがあります。
リードの使用は、公園、緑地、子供の遊び場などの緑豊かな地域でも義務です。
4足の友人(犬)は、公共の人が集まるところ、エレベーター、フェスティバルなどの人々の集まりや公共の建物、学校、幼稚園などでもつながれていなければなりません。
これらの義務違反を効果的に防止するために、ノルトライン-ヴェストファーレン州議会は、最大1万ユーロ(日本円で約130万円)の罰金と犬の押収で警告しています。
ノルライン・ヴェストファーレン州の森林においては一般的な犬のリード義務以外が適用されます。
違反の場合は2万5,000ユーロ(日本円で325万円)までの罰金を科すことができます。
犬が飼い主の管理下に無い状態で狩猟区域にいる場合は、ハンターはその犬を撃つことが許可されています。
(*3)
・Gesetz zur Neuregelung des Haltens und Führens von Hunden in Berlin 「ベルリンにおける犬の飼育および指導の新しい規則に関する法律」
~
§ 5
Gefährliche Hunde
(1) Gefährliche Hunde im Sinne dieses Gesetzes sind Hunde der Rassen
1. Pitbull-Terrier,
2. American Staffordshire Terrier,
3. Bullterrier,
4. Tosa Inu sowie
5. Hunde aus Kreuzungen mit einer der in den Nummern 1 bis 4 genannten Rassen.
§ 30
Anordnungsbefugnisse
(9) Die zuständige Behörde kann die Tötung eines Hundes anordnen, wenn Tatsachen die Annahme rechtfertigen, dass
1. auch in Zukunft von dem Hund eine konkrete Gefahr für Leben oder Gesundheit von Menschen oder Tieren ausgeht und
2. dieser Gefahr nicht auf eine andere zumutbare und tierschutzgerechte Weise begegnet werden kann.
Die Kosten der Tötung und der Tierkörperbeseitigung hat die Halterin oder der Halter des Hundes zu tragen, bei herrenlosen Hunden die letzte Halterin oder der letzte Halter.
5条
危険な犬
(1)この法律が定義する適用範囲の危険な犬は次の品種の犬です
1.ピットブルテリア、
2.アメリカンスタッフォードシャーテリア、
3.ブルテリア、
4.土佐犬
5.番号1から4で言及されている、いずれかの品種との雑種の犬
30条 行政の強制力
(9)権限のある当局は、その事実が正しいと仮定される場合は、犬の殺害を命ずることができる。
将来的にその犬が人または動物の生命や健康へまさに危険をもたらす可能性がある場合。
犬の殺処分と死体処理のコストは、飼い主か管理者、徘徊犬(野良犬、捨てられた犬)は、最後の飼い主または管理者が負担しなければならない。
(*4)
・ 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
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