「イギリスでは野良犬野良猫の管理は自治体の役割である」という狂った大手シンクタンクの報告書

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(summary)
UK animal welfare
記事、
・大手シンクタンクのイギリスの動物政策に関する嘘デタラメ記述~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・「イギリスではペットのケージ展示販売を禁じている」という狂った大手シンクタンクの報告書、
・「イギリスではぺットショップを経営するためには地方議会の認可が必要」という狂った大手シンクタンクの報告書、
の続きです。
広島県が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して作成した、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)、のイギリスに関する誤りの記述に関しての続きです。今回記事では、本報告書の記述、「(イギリスでは)野良犬・猫の管理は自治体の役割となっているため、犬猫が迷子になった場合は、飼い主は自治体にまず連絡することになっている」が誤りであることを述べます。野良犬は自治体(警察)の管理ですが、野良猫は違います。
動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの、問題の記述は以下の通りです。
(イギリスでは)野良犬・猫の管理は自治体の役割となっているため、犬猫が迷子になった場合は、飼い主は自治体にまず連絡することになっている。
Battersea Dogs & Cats Home では2016年に保護した動物の60%が行政から送られてきたものであり、犬と猫をほぼ2,300頭ずつ保護している。
原則として野良犬・猫の管理は自治体が受け持つ。(22ページ)
野良猫・犬の保護は自治体の役割になっている。(30ページ)
結論から言えば、イギリスでは野良犬の管理は自治体(警察)の役割であることを法律で規定していますが、野良猫の管理を自治体の役割であると規定した法律はありません。自治体が保有する動物保護施設(animal shelter)では、野良犬迷い犬を収容し、保管料の徴収と飼い主探しと返還業務を行っています。実際の運営は警察が行っています(警察署長が一般行政職に権限を委譲している場合もあります)。しかし、野良猫迷い猫は収容しません。つまり、「野良猫・犬の保護は自治体の役割になっている」との記述は誤りです。
まず、野良犬迷い犬の管理を自治体(警察)の役割と定めた法律、Dogs Act 1906 「犬の法律 1906」(註 England Law 法域はイングランド及びウェールズ)、およびThe Environmental Protection (Stray Dogs) Regulations 1992 「環境保護(野良犬迷い犬)に関する規則」(註 England Law 法域はイングランド及びウェールズ)から、該当する条文を引用します。
・Dogs Act 1906 「犬の法律 1906」
F7
3 Seizure of stray dogs
(1)
Where a police officer F30. . . has reason to believe that any dog found in a [F31road] or place of public resort [F32or on any other land or premises] is a stray dog, he may seize the dog and may detain it until the owner has claimed it and paid all expenses incurred by reason of its detention.
(2)
Where any dog so seized wears a collar having inscribed thereon or attached thereto the address of any person, or the owner of the dog is known, the chief officer of police, or any person authorised by him in that behalf F36. . ., shall serve on the person whose address is given on the collar, or on the owner, a notice in writing stating that the dog has been so seized, and will be liable to be sold or destroyed if not claimed within seven clear days after the service of the notice.
F7
3 野良犬迷い犬の収容
(1)
F30で規定する警察官がいる場所、F31で規定する道路上、F30で規定する公共のリゾート地またはその他の土地または敷地内でで見つかった犬で、野良犬迷い犬と信じるに足る理由がある場合は、警察官は犬を捕獲し、飼い主が犬の返還を要求した場合は、その収容にために発生した費用を飼い主が支払うまで犬を拘束することができます。
(2)
そのように収用された犬に住所、またはその犬の飼い主名を首輪の上に示しているか、または付けられている場合、警察署長、またはその代理として警察署長によって承認された人物は、 その住所が首輪に示されている人物または飼い主に、その犬が捕獲されたことを示す書面による通知を送達しなければならず、通知の送達後7日以内に飼い主からの返還請求がなかった場合は、その犬は販売または殺処分される可能性があります。
・The Environmental Protection (Stray Dogs) Regulations 1992 「環境保護(野良犬迷い犬)に関する規則」
Register of seized dogs — prescribed particulars
3. For the purposes of section 149(8) of the Act, the following are the prescribed particulars to be contained in the register of seized dogs which is kept by the officer.
収容された犬の記録簿 - 規定の詳細
3 以下は、149条第8項の目的のために、警察官によって収容され保管されている犬の記録簿に記載されるべく規定された詳細な項目です。
対して野良猫迷い猫に関しては、イギリスでは自治体に管理を義務付ける法令はありません。ですから野良猫迷い猫を自治体が収容したり、飼い主を探しをしたり返還手続きをしたりすることを義務づけていません。自治体が、猫を収容するアニマルシェルターを持つことも義務付けていません。地方自治体が独自に条例で野良猫迷い猫の管理をし、収容し、飼い主返還や殺処分を行うことは否定できませんが、私が探した限りありませんでした。
例えばハックニーというイギリスの自治体のHPにはこのような記述があります。Lost and stray dogs and cats 「行方不明と野良迷い犬猫」。こちらでは、行方不明の犬に関しては、直接自治体組織の動物福祉サービス(Animal Welfare Services)に電話をするなどして問い合わせるように促していますが、猫に関しては民間ボランティアに問い合わせるようにとの記述があります。
(動画)
Special Report | How dangerous dogs are dealt with in the UK 「スペシャルレポート| イギリスではどのように危険な犬が取り扱われていますか」 2016/04/12 に公開
イギリスでは禁止犬種法があります。野良犬迷い犬のほかに、警察は法律で禁じられた犬種の犬や、咬傷事故を起こした犬を押収し、強制的に殺処分する権限があります。違法飼育の飼い主は、懲役6か月以下で処罰されます。禁止犬種法による殺処分は、野良犬迷い犬の殺処分数統計には含まれません。イギリスにおける犬の管理は原則、警察が担っています。
The Metropolitan Police will destroy around 300 illegal dogs seized by its Status Dog Unit this year.
The SDU is a team of officers that deal exclusively with dangerous dogs.
Most of the animals are pit bull terriers that cannot be returned to their owners or rehomed.
イギリス警視庁は今年、ステータス・ドッグ・ユニットによって押収された、約300頭の違法犬を殺処分するでしょう。
SDU(ステータス・ドッグ・ユニット)とは、危険な犬を専門に扱う警察官のチームです。
ほとんどの犬はピット・ブルテリアであり、飼い主に返還されることも、新しい飼い主に譲渡されることもありません。
(動画)
DOCS: Dangerous Dogs - Episode 2 of 2 「DOCS:危険な犬ーエピソード2」 2015/10/29 に公開
イギリスにおける、危険な犬の警察官などによる押収と殺処分のドキュメンタリー。イギリスでは、犬による重傷死亡事故が、しばしば発生します。
The rise of dog attacks in the UK has been increasing dramatically over the past 30 years.
In London we see how the police and dog wardens vigorously enforce The Dangerous Dogs Act.
イギリスにおける犬の攻撃の増加は、過去30年間で劇的に上昇しています。
ロンドンでは、警察と犬の監視員がどのようにして「危険な犬法」を、積極的に運用しているのかを見ています。
動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング における、ドイツに関する誤る意を指摘した本ブログ記事。こちらで指摘した以外にも、細かい点を言えば嘘、あやまり、偏向はほかにも多数あります。
・呆れた動物愛護(誤?)専門家たち~ペトことと武井泉氏、
・「ドイツでは飼い犬の登録制度がある自治体はただ一つ」は大間違い~呆れた動物愛護(誤)専門家、武井泉氏、
・続・「ドイツでは飼い犬の登録制度がある自治体はただ一つ」は大間違い~呆れた動物愛護(誤)専門家、武井泉氏、
・「ドイツでは飼い猫については自治体においても登録制度はない」は大間違い~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・「ドイツでは、最寄りの複数の居住用建物から300メートル上離れた狩猟区域内で発見された場合、野良猫とみなされる」はデタラメ~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・続・「ドイツでは、最寄りの複数の居住用建物から300メートル上離れた狩猟区域内で発見された場合、野良猫とみなされる」はデタラメ~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・わなで殺傷されるドイツの猫と犬~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・違法なわなで殺害されるドイツの猫~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・違法ではないわなでも殺傷されるドイツの猫~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・ドイツのティアハイムは危険犬種の殺処分は必須という嘘~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・続・ドイツのティアハイムは危険犬種の殺処分は必須という嘘~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・ドイツではティアハイムから犬を入手する割合は2パーセント台?~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・続・ドイツではティアハイムから犬を入手する割合は2パーセント台?~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・ティアハイムの犬の平均譲渡率66%は正しかった(記事の訂正・お詫び)~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・「ドイツ憲法は動物の権利を保障した」と言う悶絶解釈~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・続・「ドイツ憲法は動物の権利を保障した」と言う悶絶解釈~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・続々・「ドイツ憲法は動物の権利を保障した」と言う悶絶解釈~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏、
・呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏~ドイツ編(まとめ)
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