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イギリスと日本の動物虐待に対する処罰の比較~日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか






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(Summary)
Animal Welfare Act 2006


記事、
日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか~杉本彩氏の動物虐待の厳罰化主張に対する疑問
アメリカ、カリフォルニア州では私有地内に侵入する犬猫の毒餌による駆除は合法~日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか
アメリカ、カリフォルニア州では動物虐待の法定刑は懲役1年以下または2万ドル以下の罰金もしくはその併科~日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか
イギリスの動物虐待罪の法定刑は、357日以下の懲役または2万ポンド以下の罰金、もしくは併科~日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか
の続きです。
 これらの記事では、杉本彩氏らが「日本は外国と比べて動物虐待に対する処罰が甘い。動物愛護管理法における動物虐待罪の法定刑の上限引を、懲役5年以下、罰金500万円以下に引き上げるべきである」と主張していることを書きました。しかしアメリカの多くの州は、動物虐待罪の法定刑は、多くは懲役1年以下(または罰金、もしくは併科)、イギリスは懲役51週以下または罰金2万ポンド、もしくは併科です。法定刑が、懲役2年以下または罰金の、日本の動物愛護管理法より処罰は軽いのです。さらにイギリスでは、動物虐待罪の適用範囲が日本より限られます。



 記事、イギリスの動物虐待罪の法定刑は、357日以下の懲役または2万ポンド以下の罰金、もしくは併科~日本は動物虐待に対する処罰が甘いのかでは、イギリスの動物虐待に対する処別を定めている、Animal Welfare Act 2006 「動物福祉法 2006」の条文を引用し、その概要を示しました。再度、引用します。


4 Unnecessary suffering
(1) A person commits an offence if—
(a) an act of his, or a failure of his to act, causes an animal to suffer,
(b) he knew, or ought reasonably to have known, that the act, or failure to act, would have that effect or be likely to do so,
(c) the animal is a protected animal, and
(d) the suffering is unnecessary.
(2) A person commits an offence if—
(a) he is responsible for an animal,
(b) an act, or failure to act, of another person causes the animal to suffer,
(c) he permitted that to happen or failed to take such steps (whether by way of supervising the other person or otherwise) as were reasonable in all the circumstances to prevent that happening, and
(d) the suffering is unnecessary.
(3) The considerations to which it is relevant to have regard when determining for the purposes of this section whether suffering is unnecessary include—
(a) whether the suffering could reasonably have been avoided or reduced;
(b) whether the conduct which caused the suffering was in compliance with any relevant enactment or any relevant provisions of a licence or code of practice issued under an enactment;
(c) whether the conduct which caused the suffering was for a legitimate purpose, such as—
(i) the purpose of benefiting the animal, or
(ii) the purpose of protecting a person, property or another animal;
(d) whether the suffering was proportionate to the purpose of the conduct concerned;
(e) whether the conduct concerned was in all the circumstances that of a reasonably competent and humane person.
(4) Nothing in this section applies to the destruction of an animal in an appropriate and humane manner.

7 Administration of poisons etc.
(1) A person commits an offence if, without lawful authority or reasonable excuse, he—

8 Fighting etc.

32 Imprisonment or fine
(1) A person guilty of an offence under any of sections 4, 5, 6(1) and (2), 7 and 8 shall be liable on summary conviction to—
(a) imprisonment for a term not exceeding 51 weeks, or
(b [F1a fine], or to both.

動物に不必要な苦しみを与えること
(1) ある者が以下の行為を行った場合は犯罪となるー
(a) その者の行為、または不作為により、動物に苦痛をもたらし、
(b) その行為により、または無作為によりその効果(動物に苦痛をもたらすこと)があり、またその可能性が高いことを、その者が知っていた、もしくは知るべきことが合理的であり、
(c) その動物が(同法で)保護された動物であるならば、
(d) 動物に苦痛を与えてはならない。
(2) ある者が以下の行為を行った場合は犯罪となるー
(a) その者が動物に対して責任があり、
(b) その者の行為、もしくは不作為により、動物に苦痛をもたらし、
(c) すべての状況下において、それ(動物に苦痛を与えること)が起きるのを防ぐためのに、その者がそのような措置を講じることが出来なかった(他者を監督するがどうかを問わず)ことを看過し、
(d) 動物に苦痛を与えてはならない。
(3) この節が規定する、その動物の苦痛が不要であるかどうかを決定する際の、関連する考慮事項について
(a) 動物の苦痛が合理的に回避されたか、または減少したかどうか。
(b) 動物に苦痛を与える行為が、関連する法規に従っているかどうか、または任意の関連する規定による免許に基づいていたか、もしくは公布された法令に基づく実施基準に従っているか、
(c) 動物に苦痛を与える行為が、正当な目的のものであったかどうかー
(i)  動物から便益を受ける目的、または、
(ii) 人、財産または他の動物を保護する目的。
(d) その動物の苦痛が、関係する行為の目的に見合ったものでり、一致すること。
(e) それらの関係する行為がすべての状況において、人道的であり、有資格者によって合理的におこなわれていたかどうか。
(4) 本節のいかなる内容において、適切かつ人道的な方法で動物を殺害する場合には適用されない。

7 毒物の投与など
(1) ある者が合法的な権限もしくは合理的に許容される場合を除いて、次の行為を行えば犯罪となるー

8 動物に闘争行為をさせることなど

32 懲役または罰金
(1) 4、5節、6節(1)項および(2)項、7節および8節のいずれかに基づく犯罪を犯した者は、
(a) 51週を超えない期間の懲役、または
(b) 2万ポンドまでの罰金、もしくはまたはその併科が科される。



 イギリスの、Animal Welfare Act 2006 に規定されている、処罰される動物虐待の内容は、まとめると次のようになります。
1、対象動物の殺害において、不必要な苦痛を与えることが要件となる。
2、便益を受ける(食用屠殺など)、人、財産、他の動物を保護する目的であれば、動物に苦痛を与える殺傷は、合理的な範囲であれば違法ではない。
3、殺害の手段が人道的で適切な方法であれば、殺害の目的は問わない。
その他

4、動物への毒物投与の禁止(ただし法律で認められている場合と、合理的に許容される場合は除外)

 その上で、処罰を次のように定めています。
1、51週までの懲役(357日)
2、2万ポンド(約280万円。1ポンド=140円)までの罰金
3、「1、」と「2」の併科



 日本の動物愛護管理法における、動物虐待を規定している条文を引用します。動物の愛護及び管理に関する法律


第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。


 両者を比べると、法定の自由刑はイギリスは「懲役51週以下」であり、日本は「懲役2年以下」です。自由刑では、日本の方が厳しいと言えます。罰金はイギリスは2万ポンド(約280万円。1ポンド=140円)であり、日本は「200万円以下」です。一見、イギリスの罰金は日本より高額と思われますが、両国の物価を考えれば、私はそれほどの差はないと考えます。イギリスは日本より、体感的に1.5倍程度物価が高いのです。
 法定刑の比較以外に、「その犯罪の適用範囲」(構成要件がより厳格かそうでないか)も比較する必要があります。まずイギリスですが、「動物虐待罪が成立する構成要件」としては、「その動物に対して不要な苦痛を与えること」です。しかし、「屠殺などの便益を得るため」や、「人、財産、他の動物を保護する目的」であれば、殺害する動物に苦痛を与えることは、一定の条件下では合法としています。例えば、イギリスでは、農家が放し飼いや野良犬から自己所有の家畜を守るためであれば、その犬を散弾銃で射殺することが全く合法で、「農家に認められた権利」とされています。例えば、このような記事があります。Hundreds of dogs shot for worrying sheep 「羊が心配なために数百もの犬が射殺されました」 2016年4月4日(イギリスBBCニュース) から引用します。


Farmers shot at least 305 dogs in the past six years for frightening their livestock, an investigation by BBC Radio 4's Farming Today has found.
The figures, provided by 27 police forces in England and Wales, suggested an average of one dog a week was being shot.
Landowners are legally allowed to fire at dogs as a last resort, to protect their animals from attack, but any shootings must be reported to police within two days.

BBC ラジオ4の、「ファーミング・トゥディ(ラジオ番組)」の調査によると、農家は家畜が犬に襲われる恐れから、過去6年間に少なくとも305頭の犬を射殺しました。
イングランドとウェールズの27の警察署によって提供された数字は、平均で週に1頭の犬が撃たれたことを示唆しています。
土地所有者は、彼らの家畜を犬の攻撃から守るために、最後の手段として合法的に、犬に発砲することが許可されていますが、2日以内に警察に通報する必要があります。



 対して日本では、「農家が犬猫などから家畜や家禽を守るために銃で放し飼い犬や野良犬を射殺すること」が合法になりうるのでしょうか。法律の条文では明記されていません。司法判断はまだ示されていません。仮にそのような行為があったとしたら、犬や猫を射殺した農家は、緊急避難を抗弁することによって違法性が問われないかもしれません。しかし動物愛護管理法に、明確に示されていないので、動物愛護管理法44条違反となる可能性があります。
 現に、散弾銃で撃たれた猟犬を発見した動物愛護団体は、氏名不詳で猟犬を撃った者を刑事告発しています。猟犬が人の占有を離れて徘徊していれば、「人に噛み付く」、「家畜や家禽をおそう」のは蓋然性があります。しかし動物愛護団体が刑事告発したということは、人の占有下にない犬が危険を及ぼす蓋然性があったとしても、散弾銃で殺傷することは違法であると、一般的には日本では解釈されているということです(無残!散弾銃で撃たれた猟犬 2014年7月31日)。

 さらに、イギリスの動物虐待に対する規定ですが、「いかなる内容においても、適切かつ人道的な方法で動物を殺害する場合には適用(動物虐待罪は)されない」とあります。これは日本の動物愛護管理法とは、決定的に異なります。動物愛護管理法では、「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者」は処罰されるとあります。この「みだり」という、曖昧な語句ですが、概ね法律文書では、「正当な理由がない」といった意味で用いられます。
 動物愛護管理法では、動物取扱業者には犬猫に限り、終生飼育を義務付けています(22条4項)。ですから、動物取扱業者が単に、「飼育費を削減したい」などという理由で、獣医師に犬猫を安楽死させた場合は、動物愛護管理法44条1項違反に問われる可能性があります。完全に苦痛を除去した安楽死であってもです。動物愛護管理法の「みだりな殺傷」は、「目的」、「手段」のいずれも問われるのに対し、イギリスの動物虐待罪は「手段」しか問われません。

 先に述べた通り、イギリスでは「目的は問わず」、「人道的で苦痛を除去した殺害方法」であれば動物虐待罪は成立しないのです。しかも「人道的で苦痛を除去した方法」が、幅広く解釈されています。例えば、イギリスではドッグレースが盛んに行われています。引退したレースドッグや、事故で障害を負ったレースドッグ、レースドッグの素質がなく登録されなかった若犬などは、レースドッグのファームのオーナーやトレーナーが、主に拳銃で殺処分しています。イギリスでは、拳銃による犬猫などの殺処分は「人道的な殺処分方法」と解釈され、法的に犬の所有者・管理者であれば全く合法です。
 
 イギリスの、ドッグレースに反対する民間団体による、レースドッグの殺処分に関する記事から引用します。What is Wrong With Greyhound Racing ? 「グレイハウンドレースの何が悪いのですか?」 


Problems in Greyhound Racing
Approximately 20,000+ greyhounds are bred each year in Ireland and England, two thirds are registered to race and around 8,000 to 10,000 greyhounds go missing per year (Presumed dead).
1. Intentional over-breeding of greyhounds leading to hoarding of dogs, euthanasia, and rescue centres struggling to cope both financially and to re-home the dogs.
3. There is no legislation to prevent a greyhound being killed solely on economic grounds.
4. The Captive bolt gun - It is fully legal for any untrained and unlicensed person to attempt to destroy a greyhound by use of the captive bolt gun, when the dog is no longer commercially viable.
The Captive bolt gun has a massive capacity for misuse, it can cause extreme and prolonged agony for a dog, as it may NOT always render them dead.
5. There is no known legislation to prevent a greyhound trainer/owner killing their own dog, rather than euthanasia by a qualified vet.

グレイハウンドレース(ドッグレース)の問題点
アイルランドとイングランドでは、毎年およそ20,000頭以上のグレイハウンドが繁殖されますが、レースに登録されるのは3分の2であり、1年に8000〜10,000頭のグレイハウンドが行方不明になります(死んでいると推定されます)。
1、レースドッグの過剰繁殖は、無駄な犬の大量保有につながり、犬の安楽死(殺処分)や、動物保護団体(レスキューセンター)の財政状況の困難と、犬を飼い主に一般譲渡することの苦労をもたらします。
3、グレイハウンドが、経済的理由だけで殺されることを防ぐ法律はありません。
4、家畜用と殺銃 - 犬がもはや商業的に利用することが不可能になったときに、訓練されていない無免許の人が銃を使ってグレイハウンドを殺害しようとするのは完全に合法です。
家畜用と殺銃の誤用は常に犬を速やかに死に至らせないために、犬が極端に長く苦しむ可能性があり、悪影響は大きいのです。
5、グレイハウンドの訓練士/所有者が、資格のある獣医師による安楽死ではなく、自己所有の犬を殺すのを防ぐための既存の法律はありません。



(画像)

 イギリスで、拳銃で殺処分された、レースドッグの死体。​Written evidence from Caged North West (GHW 66)(レースドッグの、拳銃によるグレイハウンドの殺処分の非合法化を求める団体のHP)から。

グレイハウンド死体


 イギリスの動物虐待に対する処罰と日本と比較は、以下の通りになります。
1、イギリスは動物虐待の法定刑が、はるかに日本より軽い。
2、イギリスは殺害方法で苦痛軽減に配慮すれば、殺害目的はとわれない(日本の場合は「正当な理由」かつ「苦痛軽減」が合法の条件)。
3、イギリスでは、「2」の、「苦痛に軽減した殺害方法」の解釈の範囲は広く、犬猫の殺処分で拳銃を使用する事が合法である(日本ではおそらく違法になる可能性が高い)。

 従って、イギリスでは、「日本は外国と比べて、動物虐待の罪が軽すぎる」という主張はかなり怪しいと言わざるを得ません。
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

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