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イギリスの動物虐待罪の法定刑は、357日以下の懲役または2万ポンド以下の罰金、もしくは併科~日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか






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(Summary)
Animal Welfare Act 2006


 記事、
日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか~杉本彩氏の動物虐待の厳罰化主張に対する疑問
アメリカ、カリフォルニア州では私有地内に侵入する犬猫の毒餌による駆除は合法~日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか
アメリカ、カリフォルニア州では動物虐待の法定刑は懲役1年以下または2万ドル以下の罰金もしくはその併科~日本は動物虐待に対する処罰が甘いのか
の続きです。
 これらの記事では、杉本彩氏らが「日本は動物虐待に対する処罰が甘い。動物愛護管理法における動物虐待罪の法定刑の上限引を、懲役5年以下、罰金500万円以下に引き上げるべきである」と主張していることを書きました。杉本彩氏の根拠としている、アメリカのカリフォルニア州での猫殺害事件の懲役16年の判決は、主なる起訴事実は窃盗罪です。したがって、カリフォルニア州の事件は、動物虐待罪の日本との比較にはなりません。カリフォルニア州の動物虐待罪は、法定刑は、「懲役1年以下、罰金2万ドル以下、もしくはその併科」です。むしろカリフォルニア州より動物虐待罪に対する処罰は、日本の方が厳しいのです。今回は、イギリスの動物虐待罪に対する法定刑について述べます。結論から言えば、イギリスの動物虐待罪の法定刑は「懲役51週以下、2万ポンド以下の罰金、もしくはその併科」です。むしろ日本の動物愛護管理法の方が厳しいのです。



 サマリーで述べた通り、 カリフォルニア州法 California Code, Penal Code - PEN § 597 における動物虐待に対する規定は、まとめると以下のようになります。
・犯罪の構成要件は、「悪意(故意)」があり、かつ「その動物に苦痛を与えること」です。
・法の適用範囲は、任意の哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類に及ぶ。
・虐待による殺傷は、基本的には法定刑は懲役1年以下または罰金2万ドル以下、もしくはその併科
(ただし「闘犬」などの虐待行為に関しては別の処罰規定がある)。
 したがって日本の動物愛護管理法の「懲役2年以下、または罰金200万円以下」の法定刑より、カリフォルニア州の方が処罰は軽いのです。アメリカの他の州においても、概ね動物虐待に対する法定刑は、カリフォルニア州と同程度です。むしろ罰金額が数百ドルという州もありますので、カリフォルニア州は重いほうかもしれません。杉本彩氏の、「日本は動物虐待に対する処罰が甘すぎる」は、アメリカは根拠になりません。今回述べるイギリスの動物虐待に対する処罰は、さらに軽いのです。

 今回は、イギリスにおける動物虐待に対する法律について述べます。Animal Welfare Act 2006 「動物福祉法 2006」から引用します。


4 Unnecessary suffering
(1) A person commits an offence if—
(a) an act of his, or a failure of his to act, causes an animal to suffer,
(b) he knew, or ought reasonably to have known, that the act, or failure to act, would have that effect or be likely to do so,
(c) the animal is a protected animal, and
(d) the suffering is unnecessary.
(2) A person commits an offence if—
(a) he is responsible for an animal,
(b) an act, or failure to act, of another person causes the animal to suffer,
(c) he permitted that to happen or failed to take such steps (whether by way of supervising the other person or otherwise) as were reasonable in all the circumstances to prevent that happening, and
(d) the suffering is unnecessary.
(3) The considerations to which it is relevant to have regard when determining for the purposes of this section whether suffering is unnecessary include—
(a) whether the suffering could reasonably have been avoided or reduced;
(b) whether the conduct which caused the suffering was in compliance with any relevant enactment or any relevant provisions of a licence or code of practice issued under an enactment;
(c) whether the conduct which caused the suffering was for a legitimate purpose, such as—
(i) the purpose of benefiting the animal, or
(ii) the purpose of protecting a person, property or another animal;
(d) whether the suffering was proportionate to the purpose of the conduct concerned;
(e) whether the conduct concerned was in all the circumstances that of a reasonably competent and humane person.
(4) Nothing in this section applies to the destruction of an animal in an appropriate and humane manner.

5 Mutilation

6.Docking of dogs' tails

7 Administration of poisons etc.
(1) A person commits an offence if, without lawful authority or reasonable excuse, he—

8 Fighting etc.

32 Imprisonment or fine
(1) A person guilty of an offence under any of sections 4, 5, 6(1) and (2), 7 and 8 shall be liable on summary conviction to—
(a) imprisonment for a term not exceeding 51 weeks, or
(b [F1a fine], or to both.

4 動物に不必要な苦しみを与えること
(1) ある者が以下の行為を行った場合は犯罪となるー
(a) その者の行為、または不作為により、動物に苦痛をもたらし、
(b) その行為により、または無作為によりその効果(動物に苦痛をもたらすこと)があり、またその可能性が高いことを、その者が知っていた、もしくは知るべきことが合理的であり、
(c) その動物が(同法で)保護された動物であるならば、
(d) 動物に苦痛を与えてはならない。
(2) ある者が以下の行為を行った場合は犯罪となるー
(a) その者が動物に対して責任があり、
(b) その者の行為、もしくは不作為により、動物に苦痛をもたらし、
(c) すべての状況下において、それ(動物に苦痛を与えること)が起きるのを防ぐためのに、その者がそのような措置を講じることが出来なかった(他者を監督するがどうかを問わず)ことを看過し、
(d) 動物に苦痛を与えてはならない。
(3) この節が規定する、その動物の苦痛が不要であるかどうかを決定する際の、関連する考慮事項についてあ、次のものが含まれる。
(a) 動物の苦痛が合理的に回避されたか、または減少したかどうか。
(b) 動物に苦痛を与える行為が、関連する法規に従っているかどうか、または任意の関連する規定による免許に基づいていたか、もしくは公布された法令に基づく実施基準に従っているか、
(c) 動物に苦痛を与える行為が、正当な目的のものであったかどうかー
(i)  動物から便益を受ける目的、または、
(ii) 人、財産または他の動物を保護する目的。
(d) その動物の苦痛が、関係する行為の目的に見合ったものでり、一致すること。
(e) それらの関係する行為がすべての状況において、人道的であり、有資格者によって合理的におこなわれていたかどうか。
(4) 本節のいかなる内容においても、適切かつ人道的な方法で動物を殺害する場合には適用されない。

5 動物の器官の切除

6 犬の尾の切断

7 毒物の投与など
(1) ある者が合法的な権限もしくは合理的に許容される場合を除いて、次の行為を行えば犯罪となるー

8 動物に闘争行為をさせることなど

32 懲役または罰金
(1) 4、5節、6節(1)項および(2)項、7節および8節のいずれかに基づく犯罪を犯した者は、
(a) 51週を超えない期間の懲役、または
(b) 2万ポンドまでの罰金、もしくはまたはその併科が科される。



 イギリスの、Animal Welfare Act 2006 に規定されている、処罰される動物虐待の内容は、まとめると次のようになります。
1、対象動物の殺害において、不必要な苦痛を与えることが要件となる。
2、便益を受ける(食用屠殺など)、人、財産、他の動物を保護する目的であれば、動物に苦痛を与える殺傷は、合理的な範囲であれば違法ではない。
3、殺害の手段が人道的で適切な方法であれば、殺害の目的は問わない。
その他
4、動物の器官の切除の原則禁止
5、犬の断尾の原則禁止
6、動物への毒物投与の禁止(ただし法律で認められている場合と、合理的に許容される場合は除外)

 その上で、処罰を次のように定めています。
1、51週までの懲役(357日)
2、2万ポンド(約280万円。1ポンド=140円)までの罰金
3、「1、」と「2」の併科



 次回記事では、イギリスの本法、Animal Welfare Act 2006 「動物福祉法 2006」と、日本の、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)を比較してみたいと思います。


(画像)

 Police and RSPCA defend farmer who killed a dog after it attacked his sheep 「警察とRSPCAは、羊を襲った犬をその後に殺した農場主を擁護しています」 2018年3月28日 から。
 イギリスでは、上記のAnimal Welfare Act 2006 「動物福祉法 2006」の規定により、人や財産、他の動物への被害を防止するために、徘徊する犬などを射殺することが合法です。羊が放し飼いのハスキー犬に襲われた農場主は、その犬を射殺しました。警察はいちはやく、農場主の行為が合法であると発表し、農場主を擁護しました。
 
ハスキー






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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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