イギリスの巨大パピーファームとインターネットによる犬販売問題~「ヨーロッパでは犬の繁殖を商売にしている人はいない」と言う、太田光明教授の大嘘

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(summary)
Dog's commercial breeder (puppy farm).
United Kingdom
前回記事、「ヨーロッパでは犬の繁殖を商売にしている人はいない」と言う、太田光明教授の大嘘、の続きです。「ヨーロッパでは、日本のように(犬の)繁殖を商売にしている人なんていません」という、事実と全く反する、まさに狂気というべき大嘘を公言している方がいます。東京農業大学教授の太田光明氏です。真実は、日本で「動物愛護先進国」とされているイギリス、ドイツにおいても、極めて大規模営利生産の犬ブリーダーが劣悪飼育をおこなって、大量の犬の営利販売を行っています。さらに、動物保護の法整備が遅れたポーランドなどの東欧諸国では、まさに犬が「工場生産」されている状態です。今回記事では、イギリスのパピーファーム(大規模劣悪犬ブリーダー)による子犬の大量生産と、それらの犬のインターネット販売について取り上げます。
問題の、太田光明氏の発言ですが、再度引用します。「ペットブームは嘘」減少たどる犬の飼育頭数、ペット産業が抱える“悪循環”のウラ側 2016年8月28日
ヨーロッパでは、日本のように繁殖を商売にしている人なんていません。
ボランティアのようなお年寄りが1~2頭飼っていて、繁殖しています。
子犬が生まれたら、えさ代くらいの経費をもらって人に譲渡するんです。
そこで稼ごうなどと考えてもいないでしょう。
生き物を扱うモラルが浸透しているんです。
それに比べて日本はモラルのカケラもないですね。
まず、犬ブリーダーの生産規模などの国際比較のために、日本の犬ブリーダーの規模などに関する資料から引用します(若干古いですが、これしかありませんでしたので。しかし日本の犬の飼育頭数~むしろ減っている、と純血種割合にはさほどの大きな変化がありませんので、当時より著しく犬ブリーダーの規模が拡大したとは考えにくいです)。ペット動物流通販売実態調査報告書 環境省 平成13年度
犬の生産を行っている取扱業者に対して、飼育数を尋ねたところ、50 頭以上が 21.5%と最も多く、次いで、10~20 頭未満(20.4%)、5~10 頭未満(14.9%)となった。
なお、平均飼育数は 36.3 頭である。
犬の生産を行っている取扱業者に対して、2001年の年間生産数を尋ねたところ、100 頭以上(21.2%)が最も多く、これに次いで多いのが 50~100 頭未満(17.6%)である。
以下、10~20 頭未満(15.4%)、20~30 頭未満(12.2%)等となっている。
なお、平均年間生産数は 70.6 頭である。
次に、イギリス国内における、犬ブリーダーの生産規模に関する資料から引用します。PUPPY FARMING 「パピーファーミング(劣悪飼育の大規模営利生産の犬ブリーダー。「パピーミル」と同義)」 2017年7月資料
Puppy Farming is the medium to large scalecommercial breeding of dogs, with the aim to makethe maximum profit for minimum cost.
These farms are legal in the UK and are licenced by Local Councils.
Puppies raised within puppy farming facilities are highly morelikely than other puppies to suffer from a wide range of inheritedor acquired health defects due to their ancestry.
The puppies are sold through pet shops, internet and newspaperads.
Puppy farms in the UK have been found to have as many as200 breeding dogs.
The demand for large numbers of puppies being sold forcommercial purposes with a minimal cost results in lowerstandards of care.
Studies alsoshow that over a third of puppies bought after viewing themonline or from a newspaper were a spur of the moment decision.
パピーファームとは、最小のコストで最大の利益を得ることを目的とした、犬の中規模から大規模の商業的繁殖を目的としたものです。
これらの犬の繁殖場はイギリスでは合法であり、地方自治体によって免許が与えられます。
パピーファーム内で飼育された子犬はほかの子犬よりも、遺伝に起因する健康上の障害を広範囲に受けて苦しんでいる可能性があります。
子犬はペットショップ、インターネット、新聞広告を通じて販売されています。
イギリスのパピーファームには、およそ200頭もの繁殖犬がいることが判明しています。
消費者の要求(註 より安い犬を求める)は、パピーファームが最小のコストで、商業目的で販売する多くの子犬のケアの水準を押し下げる結果を導いています。
複数の研究では、イギリスの消費者の3分の1以上がパピーファームから、オンラインを見た後に、または新聞広告で衝動買いを誘発されて犬を購入していました。
イギリスは、太田光明氏の発言、「ヨーロッパでは、日本のように繁殖を商売にしている人なんていません。ボランティアのようなお年寄りが1~2頭飼っていて、そこで稼ごうなどと考えてもいないでしょう」、とは随分事情が異なるようです(笑い)。「最小のコストで最大の利益を得ることを目的」とし、「200頭もの繁殖犬」で繁殖を行う業者から犬を入手する割合が、イギリスでは3分の1なのですから。それと、環境省の調査における日本の「犬繁殖業者の規模の平均は36.3頭」です。それと比較しても、イギリスのパピーファームと言われる犬ブリーダーの規模はおよそ繁殖犬を200頭有しており、はるかに大量生産が進んでいると思われます。概ね事業者の規模拡大は、より営利を求めた結果と言えます。
「イギリスのパピーファームの規模は、概ね繁殖犬(台メス)だけでも200頭(それより多い300頭以上の規模の業者も複数あります)」という資料は複数あります、次回以降の記事では、イギリスにおけるパピーファームの利益追求による犬の飼育環境の劣悪さと、動物福祉上の問題点を取り上げます。いずれにしてお、太田光明氏の発言は、真実の真逆(まぎゃく)も真逆、正反対です。それを堂々とメディアで公言するとは無知蒙昧なのか、病的嘘つきなのか。なお、イギリス以外のヨーロッパ諸国でも、同様の問題が起きています。
(動画)
Puppy Farms UK 「イギリスのパピーファーム(劣悪飼育の営利大規模犬ブリーダー)」 2017/06/14 に公開
ビデオを見る限り、相当規模は大きいようですし、太田光明教授の、「ヨーロッパでは、日本のように繁殖を商売にしている人なんていません。ボランティアのようなお年寄りが1~2頭飼っていて、繁殖しています。子犬が生まれたら、えさ代くらいの経費をもらって人に譲渡するんです。そこで稼ごうなどと考えてもいないでしょう」とは、随分事情が異なるようで(笑い)。
(動画)
Sick dogs rescued from puppy farm in Aveley by RSPCA 「病気の犬がRSPCA(イギリスの動物保護団体)により、オーベリー(ロンドン近郊)のパピーファーム(劣悪飼育の営利大規模犬ブリーダー)から救出された」 2016/10/05 に公開
(動画)
RSPCA exposes puppy farms 「RSPCAは、パピーファームを暴く」 2016/02/19 に公開
***WARNING - YOU MAY FIND THIS VIDEO UPSETTING, IT INCLUDES FOOTAGE OF DEAD DOGS***
***閲覧注意 - あなたはこのビデオで死んだ犬が写っているのを見て動揺するかもしれません***
犬猫の殺処分問題に「OMUSUBI」で取り組むシロップ、ペットのトータルサポートプラットフォームを目指す…大久保社長が語る、資金調達の裏側と今後の展望 2018年1月6日
私がこちらで度々引用している、特に海外情報に関しては、私が確認した限り、全ての記事で嘘、誤り、偏向がある問題サイト、ペトことの運営会社の代表者、大久保氏の発言です。
学生時代にイギリスに留学していたのですが、イギリスをはじめ欧米諸国は、ヒトとペットが暮らしやすい環境にあると感じていました。
欧米では、ペットショップがほとんど存在しておらず、文化として、保健所から保護犬を迎える、もしくは、ブリーダーから譲ってもらうことが定着しており、供給と需要がマッチしています。
一方、日本の場合は「ペットはペットショップで売っている子犬子猫から買うもの」という考え方が一般的で、「パピーミル(子犬工場)」と呼ばれる悪質な繁殖業者も存在します」。
また、かつてはこのような発言も。【さとおやライフVol.1】イベントで出逢って一目惚れ。シェルターにいたコーギーと暮らし始めました 2016年6月22日
シロップ大久保代表「私がイギリスに留学していたことが大きいのですが、イギリスでは日本と違い、ペットショップでの販売は禁止(唖然)されていて、国が認めているブリーダーからか、シェルターと呼ばれる犬や猫を保護する施設から引き取って飼い始めることが一般的です(註 公的統計や学術調査からは、イギリスの保護犬の入手シェアは日本より低い可能性すらある)。
ドイツでは原則として殺処分は行われず(註 飼い主の意思に反してでも強制的に犬を殺処分する制度が各州法、通関法、狂犬病規則などであり、相当数の殺処分があります)、「ティアハイム」という全国に約500施設ある民間のシェルターが動物を保護しています(註 ティアハイムでの犬の殺処分率は学術調査で約3割。それより低い日本の行政施設は山ほどあります。またティアハイム連盟の指針では『重度の傷病動物は殺処分しなければならない(=命令)』と定めています。その他にも殺処分して良いケースがいくつも挙げられています」。
この大久保さんという方は、しつこく「イギリス経験」と言いますが、イギリスのペット事情に関して全く無知です。そもそも「パピーミルは日本だけ」というような言い方ですが、これはアメリカ生粋の合成語です。 パピーミルとは、「営利大規模の犬劣悪飼育繁殖業者」という意味で、イギリスではpuppyfarmと呼ばれています。 つまりこのような合成語ができるということは、アメリカやイギリスに「劣悪飼育の営利大規模犬ブリーダー」が多く、社会問題になっているということです。
「イギリスでは日本と違い、ペットショップでの販売は禁止」。 もう、唖然呆然とします。 イギリスでは、法律で免許を受ければ誰でも生体販売ペットショップを開業できますし、犬猫ももちろん法律で売っていよい動物種とされており、相当数が売られています。
彼がイギリスのロンドンにいた頃は、超有名なハロッズデパートの4階に有名なペットショップが有り、生体販売は犬猫が主でした。ハロッズデパートから犬を飼った飼い主の「友の会」のようなものもありました。 ロンドンを訪れた日本人で、ハロッズデパートに行ったことがない人は少ないでしょう。 それを知らないとは驚き。 また、イギリスでは生体販売ペットショップは人口比で日本の1.6倍有り、はるかに多いのです。
嘘を嘘と知りつつ嘘をついているのか、全く無知蒙昧なのに知ったかぶりの妄想をたれながしているのか。やたらと「イギリス経験」と言いますが。
イギリスでは、パピーファーム(パピーミル)での、超大量犬生産と劣悪飼育、このようなブリーダー由来の犬がインターネットでの非対面販売やペットショップで販売さることが、頻繁にTVニュースやドキュメンタリー、新聞などのメディアで連日のように報じられています。 それを目にしないというのは驚きですし、またやたらとイギリスのことを書いていますが、すべての発言が嘘か誤りで、この方は簡単な英語検索すらしていないと思われます。発言は、すべて既に手垢がついて、嘘と周知されつつある、いわゆる日本語ソースの「愛誤嘘プロパガンダ情報」のカーボンコピーです。
「(イギリスでは)文化として、保健所から保護犬を迎えることが定着」。イギリスでは、公営シェルター(日本で言えば農業畜産関係の部署。保健所ではありません)は、一般譲渡は行っていません。 真っ赤な嘘です。 大久保氏は、自社メディアや他社のメディアでも、犬の保護と殺処分に関して述べていますが、イギリスの犬の収容と殺処分制度について誤った発言を繰り返しています。
イギリスでは、公営シェルターで収容するのは、浮遊犬野良犬のみ(飼い主からの引取りはしていない)で1週間収容します。その数を持って、「イギリスの殺処分数」としイている方が多いですが、無知か、意図的な嘘情報の拡散です。その間に殺処分するのは、例外的に重度の傷病か、凶暴な個体だけです。その数だけしか「殺処分」の公的統計には現れません。その間、飼い主が申し出なかったならば、残りの犬は、全て民間保護団体に移譲します。移譲先の民間保護団体で多くが殺処分されますが、その数は公的統計には現れません。民間保護団体では、イギリスでは合法な、銃による殺処分がかなり多く行われています
このように、全く事実に反する「ガセネタ」情報が日本で拡散されていることに、私は日本の動物愛護の異常性(それがまさに「後進性」なのですが)と感じますし、また危機感を抱いています。嘘と世論の誤誘導で、その国の制度が改善したことが歴史上ありますか。
ソース
・Dogs Act, 1906.
・Environmental Protection Act 1990
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