猫を窒息死させる実験が記述されているインドの教科書~国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る

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India
記事、野犬の殺害を指示していたマハトマ・ガンジー~国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る、の続きです。
インド建国の父、マハトマ・ガンジーの格言、「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る(The greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way its animals are treated)」という格言を、得意になって引用している国会議員がいます。高井たかし衆議院議員です。高井たかし議員は、「犬猫殺処分ゼロ」を政策として掲げています。しかしこの格言は、ガンジーによるものではなく、後世別人がガンジーの著作の、「牛は保護しなければならない」という記述に加筆したものです。インドでは、犬猫の殺害は牛などに比べて寛容です。インドの教科書には、猫を窒息死させる実験の記述があります。「犬猫殺処分ゼロ」を政策とする国会議員がこのガンジーの、しかも「ニセモノ」とされている格言を引用するのは噴飯モノです。
高井たかし議員は、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟の主力メンバーです。この動物愛護議員連盟は、当初、ニセのガンジーの格言、「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」を掲げていたと記憶しています。高井たかし議員ほか、この議員連のメンバーは、「動物愛護」と言いつつ、実はその理念は「犬猫だけ愛誤」です。
サマリーで、マハトマ・ガンジーのニセ格言は、「ガンジーの牛の保護を強調する著作に後世別人が加筆したもの」と述べました。この点については、私はかつて記事にしています。
・東大出身の赤恥三愛誤~高井たかし衆議院議員
・ニセのガンジーの格言を引用して得意満面!~高井たかしセンセイ、大丈夫ですか?
前回記事でも述べましたが、インドでは現在刑法では牛などの草食動物の一部の動物種に対しては、経済的価値がないもの(野良や野生化したもの)であっても、殺害は最高懲役5年と罰金の併科という重罪です。しかしインド刑法においては、経済的価値がない犬猫(所有者がない野良、野生化したもの)の殺害に対する処罰規定はありません。明らかに牛などの一部の草食動物に対して、犬猫は法律上はるかに下位に置かれています。
インドの教科書に「猫を窒息死させる実験」の記述があります。その点について、欧米の動物愛護団体が非難しています。インドにおいては、まさに猫は、日本で言えば理科の実験で用いられるカエル並の扱いということになりそうです。
Row over Indian textbook that tells children how to kill kittens 「子どもたちに子猫を殺す方法を教えるインドの教科書」(イギリスBBCニュース) 2017年2月9日、から引用します。
Animal lovers are outraged about a Delhi textbook which they say endangers kittens.
An animal rights row has erupted in India over a school textbook which tells children how to suffocate kittens.
The book, which is used in hundreds of private schools, features a science experiment in which two cats are placed in separate boxes- only one of which has airholes.
Environment Studies is meant to demonstrate that air is essential for life.
"Put a small kitten in each box. Close the boxes. After some time open the boxes. What do you see? The kitten inside the box without holes has died."
動物を愛する人たちは、インドのデリーの教科書が、子猫を危険に晒していると怒っています。
動物の権利活動家の論争が、子供たちに猫の窒息死の方法を教える、インドの学校の教科書で火がつきました。
数百の私立学校で使われているこの教科書は、2匹の猫が別々の箱に入れられている科学実験が特徴的で、そのうちのひとつの箱に空気穴が開けられています。
環境問題の学習で、空気は生きていく上で不可欠であることを示すことを目的としています。
「それぞれの、小さな箱に猫を入れて箱を密閉して、しばらくして箱を開けると何が見えますか?空気穴のない箱の中の猫は死んでしまいました」。
インド国民の多数の信者を占めるヒンズー教においては、不殺生を戒律とします。そのために動物の価値においても、肉食動物は、草食動物より一段低く置かれるようです。それを裏付けるニュースソースがあります。
Indian families rarely have cats as pets is it true ? 「インドの家庭ではペットとして猫を飼うことはめったにありません。 それは本当ですか?」。2015年6月21日。
Most Hindu Indians are vegetarians and this is one of the main reasons that cats are less popular as pets compared to dogs.
In India its not mainly superstition but simple vegetarian eating habits that makes the cat not as popular as a pet compared to dogs.
A dog can be fed a vegetarian diet but definitely not a cat.
ほとんどがヒンズー教徒のインド人は菜食主義者であり、これは猫が犬と比較してペットとして人気がない主な理由の1つです。
インドでは迷信からではなく、主として単に菜食主義の食生活があり、そのために犬と比較して猫はペットとして人気がありません。
犬は植物食を食べることができますが、まさに猫はそうではありません。
上記のように、ヒンズー教徒のインド人にとっては、牛は信仰の対象として最上位に尊重すべき動物です。次にヒンズー教の価値観により、牛以外の草食動物が尊重されます。その下位に肉食だけれど、植物食も食べる犬が続き、完全な肉食動物である猫は最下層という位置づけです。上記の記事では、翻訳はしませんでしたが、インドのヒンズー教徒にとっては、猫は悪魔の使い、不吉という迷信すらあります。
繰り返しますが、ガンジーのものとされるニセ格言、「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る(The greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way its animals are treated)」は、もともとガンジーのヒンズー教に関する著作に、後世別人が加筆したものです。加筆された箇所は、「牛は保護しなければならない」という記述でした。ですから、この(ニセ)格言は、「牛は尊重しなければならない」という、ガンジーの記述をさらに強調するためのものです。
ヒンズー教徒にとっては、肉食動物は牛などの草食動物と比べてはるかに卑しい存在で、保護に値しない存在です。それを、ニセのガンジーの格言をニセとも知らず、また本来の意味も分からずに、「犬猫だけ愛誤議員(犬猫殺処分ゼロ議員)」が得意になって引用するのは滑稽極まりないです。
現にインドにおいては、犬猫の扱いは牛などに比べて雑な扱いを受けています。ケララ州の犬の大量殺処分については何度か取り上げましたが、猫はニセ羊肉として用いられることもあります。インドの猫食については、次回以降の記事で書きます。
(動画)
Cat Meat Biryani Served in Chennai Roadside Canteens | Cat Biryani Sales in Chennai | Focus | NTV 猫肉のビリヤニ(インド風混ぜご飯)は、チェンナイのカンテンスの道路沿いで売られています| チェンナイの猫肉ビリヤニ販売| フォーカス| NTV(インドのTV局) 2015/09/25 に公開
インドでは、しばしば猫肉や犬肉が羊肉と偽られて販売される事件が起きます。ナーガランドなどの複数の州では、市場で犬肉が売られています。比較的外国人客が多い、大規模ホテルでも起きます。「絶対に犬猫肉を食べたくない」人は、インド旅行は気をつけたほうが良いかもしれません。
(参考資料)
・高井 崇志(たかい たかし、1969年9月26日 - )は、日本の政治家、郵政・総務官僚。立憲民主党所属の衆議院議員(3期)
この方が行った、第189回国会 総務委員会 第18号(平成27年8月27日(木曜日))、での質問の噴飯ぶりはあまりにもひどいです。以下に引用します。
○高井委員
動物のことかよと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は非常に重要だと。
小さな命一つ守れずに、大きな命、人の命は守れません。
マハトマ・ガンジーがこういう言葉を残しています。
国家の偉大さや道徳的水準は、その国で動物がどう扱われているかによって判断できる。
私も本当にそのとおりだと思うんです。
ところが、我が国では今、殺処分というのが行われています。
これが今、我が国では十三万匹、大分減ってきてはいるんですけれども、まだある。
ちなみに、ドイツは殺処分はゼロにしています(註 ドイツには全州で公的な犬の殺処分がありますし、狂犬病規則や通関法による公的な犬猫などの殺処分制度が有り、相当数あります。また非占有の犬猫は狩猟法により狩猟駆除が推奨されており、その数は年間50万頭近くになります)。
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