野犬の殺害を指示していたマハトマ・ガンジー~国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る

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India
インド建国の父、マハトマ・ガンジーの格言、「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る(The greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way its animals are treated)」という格言を、得意になって引用している国会議員がいます。高井たかし衆議院議員です。高井たかし議員は、「犬猫殺処分ゼロ」を政策として掲げています。しかしこの格言は、ガンジーによるものではなく、後世別人がガンジーの著作の、「牛は保護しなければならない」という記述に加筆したものです。一方ガンジーは、野犬の殺害を指示していました。「犬猫殺処分ゼロ」を政策に掲げる国会議員がこのガンジーの、しかも「ニセモノ」とされている格言を引用するのは噴飯モノです。
高井たかし議員は、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟の主力メンバーです。この動物愛護議員連盟は、当初、ニセのガンジーの格言、「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」を掲げていたと記憶しています。高井たかし議員ほか、この議員連のメンバーは、「動物愛護」と言いつつ、実はその理念は「犬猫だけ愛誤」です。
サマリーで、マハトマ・ガンジーのニセ格言は、「ガンジーの牛の保護を強調する著作に後世別人が加筆したもの」と述べました。この点については、私はかつて記事にしています。
・東大出身の赤恥三愛誤~高井たかし衆議院議員
・ニセのガンジーの格言を引用して得意満面!~高井たかしセンセイ、大丈夫ですか?
さらにガンジーは、野犬に対しては、厳格に狂犬病対策として殺害を部下などに指示していました。ガンジーによる、「野犬を殺せ」と指示した内容の電報などが今でも残っています。
「犬猫殺処分ゼロ」を政策として掲げる議員が、このガンジーのニセ格言、「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」を引用するのは、まさにブラックジョークです。以下に、ガンジーが生前、「野犬の殺害」を強く指示していたことを示す文献のいくつかから引用します。
・Gandhi the philosopher 「哲学者ガンジー」 2017年11月22日(ガンジー研究者である、キングズ・カレッジ・ロンドンのRichard Sorabji 名誉教授による論説)。
なおガンジーはそのほかにも、地方自治体の長などに対して「野良犬を殺せ」という電報を度々送っていました。その電報も残っています。
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When is killing non-violent?
This question was triggered by his support of the head of a municipality, who had authorised the killing of 60 stray dogs for fear that they might spread rabies.
Outraged letters came to Gandhi from all over India, saying: ‘We thought you were a man of non-violence.’
Was that not an admission that he was in the wrong, since killing the stray dogs was not for their sake, although it might have been for the sake of other dogs, and people?
If he kills the dog, he commits a sin.
If he does not kill it, he commits a graver sin.
ガンジー師が非暴力を殺したのはいつですか?
この疑問は、狂犬病を広げるおそれがあるため、60頭の野良犬の殺害を許可した自治体長をガンジー師が支持したことで引き起こされました。
インド各地から「あなたが非暴力の人だと思っていました」という、ガンジー師に怒った手紙が届きました。
ガンジー師は間違っていたことを認めないのでしょうか?
野良犬を殺すことは他の犬や人々のためであったかもしれませんが、野良犬のためではありません。
ガンジー師が犬を殺すと、ガンジーは罪を犯ことになります。
もしガンジー師が野良犬を殺さなければ、ガンジー師はより重大な罪を犯すことになります。
・Mahatma Gandhi Hoax Quote Greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way that its animals are treated 「マハトマ・ガンジー:デマの引用 国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」。2013年9月13日
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Gandhi addressed the difficult problem of dealing with stray dogs in India, especially those being carriers of rabies.
In the 7 pieces Gandhi defended the position of killing stray dogs because of the problems associated with dogs being feral, harming humans etc.
Humanitarian instinct demands destruction of such animals in an instantaneous and painless measure.
ガンジーはインドの、特に狂犬病に感染している野良犬を扱うという、難しい問題に取り組みました。
ガンジーは犬の野生化に起因する、人に危害を与える問題により、野良犬を殺すことを「7つのこと」という著作で擁護していました。
人道主義は、そのような動物(野良犬)の殺害を速やかにかつ痛みのない方法で行うことを要求する、と。
・AS I THINK: MAHATMA GANDHI – CONCEPT OF AHIMSA IN HINDUISM – RAMA KILLING OF VALI「私の見解:マハトマ・ガンジー -ヒンズー教におけるアイヒマの概念 - バリのラマ殺害」 2014年8月
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Gandhi Approved Killing of Rabid Dogs.
A mill owner in Ahmedabad, Ambalal Sarabai, a Gandhain was worried about the menace caused by rabid dogs.
Therefore Ambalal wanted to get the dogs killed.
So he sent a telegram “Dogs gone mad please advise what I must do”.
Mahatma Gandhi sent back a reply “Shoot them to kill”.
It was sensational news the apostle of peace and non-violence Mahatma Gandhi approved killing of stray dogs was quite a sensational story.
ガンジー師は狂犬病に感染した犬の殺害を認めました。
アマンダバードの工場所有者であるガンバイン氏は、狂犬病に感染した犬による脅威を心配していました。
そのため、アンバラールで犬を殺害したかったのです。
そこで、ガンバイン氏は、電報を送りました。
「犬は狂犬病で凶暴になっているので、私が殺さなければなりません。私にアドヴァイスしてください」。
マハトマ・ガンジー師は、「犬を射殺せよ」という返事を送りました。
平和と非暴力の使徒マハトマ・ガンジー師が、野良犬の殺害を承認したことは、驚くべきニュースでした。
ガンジーの(ニセ)格言「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る(The greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way its animals are treated)」の意味は、ガンジーはヒンズー教徒であることからヒンズー教に則って、「牛は保護しなければならない」ことを強調したものです。
インドでは現在刑法では牛などの草食動物の一部の動物種に対しては、経済的価値がないもの(野良や野生化したもの)であっても、殺害は最高懲役5年と罰金の併科という重罪です。しかしインド刑法においては、経済的価値がない犬猫(所有者がない野良、野生化したもの)の殺害に対する処罰規定はありません。明らかに牛などの一部の草食動物に対して、犬猫は法律上はるかに下位に置かれています。現にインドでは、ケララ州などでは人口比で日本の100倍以上の犬を州が殺処分していますし、犬を食用としているナーガランド州などもあります。
このガンジーのニセ格言、「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る(The greatness of a nation and its moral progress can be judged by the way its animals are treated)」を、日本の「犬猫だけ愛誤」が得意になって引用しているのはまさに滑稽です。次回は、インドにおける猫の扱いについて述べようと思います。インドにおける猫の扱いは、犬以下という気がします。
(動画)
5 Yr Old Boy Killed | in a Stray Dog Attack | Guntur 「5歳の男児が殺された| 野良犬の攻撃で| インド、ガンツール」。2017/09/21 に公開
インドは狂犬病による死者がたいへん多く、それ以外にも野犬、野良犬による重大な咬傷事故が多発している国です。野犬野良犬の殺害駆除は当然という気がします。
(動画)
Delhi: A dog was beaten to death in Munirka 「デリー:犬はムニルカで撲殺された」。2017/08/21 に公開
3人の若者が、犬を撲殺する様子が防犯カメラに写っていました。私は、「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」などとは申しません。その国にはその国の事情があります。狂犬病や咬傷事故に脅かされているインド国民が犬を敵視するのはやむを得ないと思います。この、ガンジーの偽格言を得意になって引用する政治家に、むしろ軽薄さを感じます。
(参考資料)
・高井 崇志(たかい たかし、1969年9月26日 - )は、日本の政治家、郵政・総務官僚。立憲民主党所属の衆議院議員(3期)
この方が行った、第189回国会 総務委員会 第18号(平成27年8月27日(木曜日))、での質問の噴飯ぶりはあまりにもひどいです。以下に引用します。
○高井委員
動物のことかよと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は非常に重要だと。
小さな命一つ守れずに、大きな命、人の命は守れません。
マハトマ・ガンジーがこういう言葉を残しています。
国家の偉大さや道徳的水準は、その国で動物がどう扱われているかによって判断できる。
私も本当にそのとおりだと思うんです。
ところが、我が国では今、殺処分というのが行われています。
これが今、我が国では十三万匹、大分減ってきてはいるんですけれども、まだある。
ちなみに、ドイツは殺処分はゼロにしています(註 ドイツには全州で公的な犬の殺処分がありますし、狂犬病規則や通関法による公的な犬猫などの殺処分制度が有り、相当数あります。また非占有の犬猫は狩猟法により狩猟駆除が推奨されており、その数は年間50万頭近くになります)。
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