猫に捕食されている希少生物を保護するためにTNRを行う狂った日本~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する

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summary
The removal of feral cats from San Nicolas Island, California to ProtectNative and Endemic Species: 2009 Annual Report
記事、
・「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する 、
・「ノネコ・野良猫は在来生物と共存関係にある」という妄言~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する、
・「アマミノクロウサギの死因は交通事故が多い」はトリック~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する、
・「アマミノクロウサギの生息域が拡大し、生息数が増えた」という嘘のからくり~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する、
の続きです。
アマミノクロウサギなどの希少生物が猫の捕食被害を受けている徳之島で、TNRを行っている愛護(誤)団体などは、「奄美群島全域で猫のTNRをすべきで捕獲殺処分をするべきではない」と主張しています。しかし海外では、猫の捕食被害を受けている希少な在来生物を保護するためにTNRを行うことはありません。駆除(殺処分)一択です。猫の捕食被害を受けている希少な在来生物生息地でTNRを行うことを行政が許可し、助成まで行う日本は特異、というより異常な国家でしょう。
徳之島でのノネコ・野良猫の捕獲殺処分に反対し、奄美群島全域でTNRをすべきと主張している愛護(誤)団体関係者などの主張を例示します。
・ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない。沖縄、奄美大島。2017年10月23日 。
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アマミノクロウサギ絶滅危惧の原因はノネコにあり殺処分・安楽死を、というキャンペーンの根拠に獣医師らが疑問を呈している。
2016年度末までに95%以上の猫が不妊手術済となり、2017年度も事業は継続中。
・2月22日は「猫の日」。今、奄美群島がネコを巡ってゆれています!。2018年2月22日。
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徳之島では既にTNR不妊手術が先行して行われ、現在では90%以上の野良猫が避妊済みとなっています。
奄美大島でもTNR不妊手術をほどこし、譲渡斡旋をするなどで野良猫の数を制限することを動物保護団体や獣医団体が提言しています。
奄美群島の徳之島でノネコ・野良猫の捕獲~殺処分に反対し、強引にTNRを勧めている、「財団法人どうぶつ基金」という団体があります。さらに、奄美大島でもTNRの採用を求め、「捕獲~殺処分・安楽死」に反対しています。
しかしTNR後も、希少生物のアマミノクロウサギが猫に捕食される様子が相次いで映像で記録され、さらには他の希少生物の、ケナガネズミ(国天然記念物)が猫に捕食される映像も記録されました。環境省は、徳之島と奄美大島のノネコ・野良猫の捕獲と島外排出(殺処分・安楽死もありうる)を進める方針です。環境省の方針は当然です。海外に目を向ければ、猫の捕食被害を受けている希少生物保護のために猫のTNRをすることはありえません。
徳之島でTNRを進めている前述の動物愛護団体、財団法人どうぶつ基金の会員のレポートに、大変驚くべき記述があります。そうだ、猫に聞いてみよう No.2 小池 英梨子(公表日時は不明ですが、2015年の資料を引用していますのでそれ以降と思われます)。
この方と同一人物と思われます。Eriko Koike。私はこちらのFBに、「海外での希少動物を猫が捕食してしまう問題に対する対策として行われているTNRの実例を、その国の言語の一次ソースを例示してください」とコメントしました。しかしわずか数秒でこのコメントは削除されました(笑い)。問題のレポートから引用します。
「TNR とCAT」などで検索すると多くの海外論文や web サイトがヒットする(註 この方の他の文書を読んでも、海外の言語のソースを読んでいるとは到底思えません)。
ただし、日本で主に実施されている TNR はノラ猫の迷惑行為が人の生活に及ぼす影響や殺処分数を抑える目的で実施されているケースがほとんどだが、海外では、希少動物を猫が捕食してしまう問題に対する対策として、実施されているケースが多い。
私は常に、TNRの学術論文や外国の施策、政府機関の発言などをチェックしています。しかし、「TNRが希少動物を猫が捕食してしまう問題に対する対策として実施されているケース」は、海外ではまだ一例も確認していません。むしろ猫のTNRは、都市部に限定した手法ととして位置づけられています。
例えばオーストラリアでは、自然下にあるノネコ・野良猫はl駆除(殺処分)一択で、連邦政府が「根絶が望ましい」としています。現に現在オーストラリアは、連邦政府の5ヵ年野良猫200万匹駆除計画を推進中で、厳格に猫の射殺、毒殺などを行っています。しかし都市部では、オーストラリアでも猫のTNRを極めて限定的に認めてもよいという考えもあります(生息域の拡大のおそれから反対意見が主流ですが)。
一例をあげます。What is trap-neuter-return and is it an appropriate strategy for the management of unowned cats? 「トラップ・ニューター・リターンとは何ですか、それは適切でしょうか? 未所有の猫の管理のための戦略?」。2017年6月1日(オーストラリアRSPCA)には、このように記述されています。Most TNR programs are carried out in urban or peri-urban areas. 「(オーストラリアでは)ほぼ全てのTNRは、都市部または都市の隣接部で実施されています」。
原則としてオーストラリアでは、TNRは否定されています。Management of cats in Australia (オーストラリア獣医師会)ではこのような記述があります。Trap Neuter Return (TNR) strategies have not been shown to be effective under Australian conditions as the cats often do not have a good level of welfare once released, continue to hunt and predate, and can be a significant public nuisance. 「トラップ・ニューター・リターン(TNR)戦略は、オーストラリアの条件下では、猫は放された後は多くの場合動物福祉上良いレベルを保つことがなく、また在来生物を捉え捕食し、重大な公共の迷惑となる可能性があるので、有効とはされていません」。
TNRがもっとも普及した国にアメリカ合衆国があります。しかし、実はアメリカ合衆国連邦の、野生動物保護を所管する庁(the U.S. Fish and Wildlife Service 「アメリカ合衆国連邦漁類野生動物庁」)は、2009年にTNRを完全に否定しています。同庁の声明を示したHPのページが削除されましたので、この点について紹介している、アメリカの動物愛護団体の文書から引用します(*1)。MEET THE PLAYERS 2016年7月29日。
The federal government has not adopted or taken a specific position on TNR.
Federal wildlife agencies, such as the U.S. Fish and Wildlife Service, oppose the management of TNR colonies in or near wildlife.
アメリカ連邦政府はTNR採用を採用しませんし、またはTNRにおいて特定の立場を表明していません。
アメリカ連邦政府魚類野生生物庁(the U.S. Fish and Wildlife Service)などのアメリカ連邦政府の野生生物に関する機関は、野生生物の生息域内、その近くでのTNRによる猫の一群管理に反対しています。
上記の連邦政府の方針を受けて、テキサス州などの複数の州は、TNRそのものに州としては関与しない、むしろ反対する立場を明確にしています。そもそもアメリカ合衆国において、TNRを法制化している州は皆無ですし、傘下にTNRを制度化している自治体を持つ州はアメリカ合衆国では半数ほどにしかなりません(*2)。アメリカ合衆国において、連邦政府はもちろんのこと、州政府や自治体が猫の捕食被害を受けている野生動物生息地でのTNRを許可したり、ましてや助成したり公的機関がTNRを行ったことは近年では皆無と断言します。
アメリカ合衆国においては、猫が在来の希少生物を捕食して被害を与えていたケースでは、例外なく「駆除(殺処分)」により、根絶させています。毒餌、射殺、罠(安楽死)、ウイルス感染も用いられたことがあります。以下は、アメリカ合衆国内における、島嶼の猫根絶事業の例です。
U.S. Geological Survey Pacific Island Ecosystems Research Center「アメリカ合衆国連邦地質調査研究所 太平洋島嶼生態系研究センター」の研究員らによるものです。この学術報告書においては、アメリカ合衆国においてもオセアニアと同じく、島嶼部では極めて厳格に野良猫の駆除~根絶が行われていたことが分かります。
射殺やわなのみならず、毒餌や猫ウイルス性白血病の感染症の人為的感染も行われています。特に島嶼部の野良猫による在来生物に対する被害を防止するには、駆除~根絶が世界的な標準手法です。島嶼においては、鳥の繁殖地であることが多く、外来種の移入に対して極めて脆弱であることも理由です。また隔絶した地勢条件のために特異な進化を遂げた希少な固有種が多いこと、そして面積が狭いことにより、野良猫の根絶~駆除の成功率が高いからです。
以下に、The history of mammal eradications in Hawai`i and the United States associated islands of the Central Pacific Hess, S.C.; and J.D. Jacobi. 「中部太平洋のアメリカ合衆国に属する島々とハワイ諸島における(外来悪性)哺乳類の根絶の歴史」(2011年)を引用します。
abstract Many eradications of mammal taxa have been accomplished on United States associated islands of the Central Pacific, beginning in 1910. Commonly eradicated species are rabbits (Oryctolagus cuniculus), rats (Rattus spp.), feral cats (Felis catus), and several feral ungulates from smaller islands and fenced natural areas on larger Hawaiian Islands.
Vegetation and avifauna have demonstrated dramatic recovery as a direct result of eradications.
table 1
Mammal eradications from U.S. administered islands of the Central Pacific.
Cats
Baker 164(Area ha) 1937 1960s( Year )Direct pursuit-hunting(Introduced Eradicated Method)
Howland 184 1937 1986 Shooting, trapping
Jarvis 450 1885? 1937 Died out 1990 Shooting, trapping, poisoning, virus
Wake 737 1960s 2004 Shooting, trapping
Feral cats continue to present challenges to managers of natural areas on islands where they are known to prey on birds,
but there is little prospect for island-wide eradication.
Cats were eradicated from Baker Island in 1964, Howland Island in 1987, and Jarvis Island in 1990.
Hunting on Baker and Howland sufficed, but Jarvis also required trapping, poisoning, and feline panleucopaenia virus to a limited extent .
Feral cat eradication was completed on Wake Atoll in 2004 by Marine Endeavors.
哺乳動物に分類される動物種群においては多くの根絶が、 中部太平洋のアメリカ合衆国に属する島嶼で達成されてきました。
1910年から一般的に根絶種とされたウサギ(Oryctolagus cuniculus=イエウサギ)から始まり、ラット(ドブネズミ属)、野良猫(Felis catus=イエネコ)、そして小さな島々と、大きなハワイ諸島でフェンスで囲まれた自然地域での野生化した数種の有蹄類です。
植生と鳥類相は、(有害外来哺乳類の)根絶の直接の効果があり、劇的な回復を示しました。
表1
中部太平洋のアメリカ合衆国に属する島々において根絶された哺乳類。
猫
ベイカー島 164(根絶区域の広さ ヘクタール) 1937年~1960年代 直接狩猟により駆除(用いられた根絶方法方法)
ハウランド島 184(根絶区域の広さ ヘクタール) 1937年 射殺、わな(用いられた根絶方法)
ジャービス島 450(根絶区域の広さ ヘクタール) 1985年?1937年 1990年根絶成功 わな、毒餌、ウイルス感染駆除(用いられた根絶方法)
ウェイク島 737(根絶区域の広さ ヘクタール) 1960年 2004年 トラップ、射殺(用いられた根絶方法)
野良猫は、鳥を餌食にすることが知られていて、島の自然地域の管理者に難題を提示し続けています。
しかし、島全体の野良猫の根絶のための見通しは、ほんのわずかしかありません。
オアフ島の営巣地での、オオミズナギドリの猫の捕食は、オオミズナギドリの繁殖において全滅を引き起こしました。
猫は1964年にベーカー島、1987年にハウランド島、1990年にはジャービス島で根絶されました。
ベイカー島とハウランド島においては、猫の根絶は狩猟で十分でしたが、ジャービス島はさらに限られた範囲ではありますが、わな、毒餌、およびネコ白血病病ウイルスの感染を必要としました。
ウェイク環礁における野良猫の根絶は、海兵隊の取り組みによって、2004年に完了しました。
アメリカ合衆国州政府においても、島嶼部における在来生物に捕食被害を与えているノネコ・野良猫への対策は、「駆除(殺処分)」が一択です。TNRは計画段階から却下されます。州内のいくつかの自治体で公的TNR制度があるカリフォルニア州の、島嶼のノネコ・野良猫の根絶事業の例をあげます。このケースでは、TNRは禁止されました。これはカリフォルニア州の、サン・ニコラス島のノネコ・野良猫根絶事業に関するカリフォルニア州政府の公的文書です。主に射殺により、島内のノネコ・野良猫の根絶に成功しました。
The removal of feral cats from San Nicolas Island, California to ProtectNative and Endemic Species: 2009 Annual Report 「サン・ニコラス島における野良猫の除去 カリフォルニア州の在来動物と固有種の保護: 2009年報告書」。
The preferred alternative for removing feral cats from SNI was identified in the FinalEnvironmental Assessment and included an adaptive management approachusing live trapping and hunting.
The most common techniques used for removing cats fromislands are trapping, hunting, and toxic bait .
Cage traps are ineffective atcapturing all feral cats in a population, and were demonstrated to be inefficient at capturing feral cats on SNI.
Dismissed Trap-Neuter-Return (TNR).
TNR campaigns are ineffective at reducing cat populations to zero and have never beensuccessful in removing an insular feral cat population .
Further, the U.S. Navy has a policy prohibiting TNR programs on Navy lands.
野良猫をセント・ニコラス島から除去するための好ましい選択肢は、最終環境評価で決定されましたが、ライブトラップと狩猟駆除を利用した現実に則した管理アプローチを含んでいました。
猫を島から除去するために使用される最も一般的な手法は、捕獲、狩猟、および毒餌です。
箱わなは、島の猫集団の全ての野良猫を捕獲するのに効果的ではなく、サン・ニコラス島の野良猫を捕獲するには非効率であることが実証されました。
トラップ・ニューター・リターン(TNR)の却下。
TNRを行うことは、猫の個体数をゼロにまで減らすのには効果的ではなく、野良猫の個体群を除去することは決して成功していないのです。
さらに、アメリカ合衆国連邦海軍は、海軍管轄の土地でのTNRプログラムを禁止する方針を持っています。
このように、TNRプログラムが普及しているアメリカ合衆国においても、猫による捕食被害を受けている在来の希少生物の保護のためには、TNRを採用することはありません。アメリカに限らず、他の国々においてもそうです。TNRによる猫の減少効果は否定されているからです。
奄美群島の徳之島のアマミノクロウサギは、個体数が200匹にまで減少しており、極めて保護の緊急性が高いのです。このような状況下でなお、「TNRで対処しろ」と強硬に主張する愛護(誤)団体が存在し、行政も同調し、助成までする日本は国際的に見れば特異、というより異常です。さらにTNR団体の関係者が「日本で主に実施されている TNR はノラ猫の迷惑行為が人の生活に及ぼす影響や殺処分数を抑える目的で実施されているケースがほとんどだが、海外では、希少動物を猫が捕食してしまう問題に対する対策として、実施されているケースが多い」という、大嘘プロパガンダを拡散するという狂った猫愛誤国家です。この方はそれとも絶望的に無知蒙昧なのでしょうか。ぜひ、海外での希少動物を猫が捕食してしまう問題に対する対策として行われているTNRの実例を、その国の言語のソースを例示していただきたく思います。
(動画)
Man, 76, Goes To Jail For Feeding Stray Cats. 「76歳の男性は、野良猫に餌やりをしたために刑務所に行く」。2015/02/17 に公開。
野良猫に餌やりをして、逮捕起訴され、実際に刑務所で服役した男性、デビッド・パートン氏。アメリカ合衆国は野良猫餌やり天国ではありませんので。TNRを制度化して餌やりを合法化している自治体はほんのひとにぎりです。勘違いしないように。
(*1)
・アメリカ連邦政府は、明確かつ完全にTNRを否定しました
~
2009年に、アメリカ連邦政府、魚類野生動物庁(The U.S. Fish and Wildlife Service )は、2009年に野良猫のTNRを明確に否定しました。同庁のHPの記述を、私はかつてブログ記事で取り上げています。このブログ記事の引用は、同庁のHPの記述のそのままです。
(*2)
・List of governments supporting trap-neuter-return
~
アメリカの自治体数が数万レベルということ思えば、TNRを制度化し、野良猫への餌やりを合法化している自治体は例外中の例外という少なさと言えます。TNRを制度化していない自治体は、多くは野良猫への給餌は禁止されており、極めて厳しい刑事罰(最高で懲役1年以下と罰金の併科)があります。
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