「アマミノクロウサギの生息域が拡大し、生息数が増えた」という嘘のからくり~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する

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・「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する 、
・「ノネコ・野良猫は在来生物と共存関係にある」という妄言~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する、
・「アマミノクロウサギの死因は交通事故が多い」はトリック~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する、
の続きです。
TNRを行っている愛護(誤)団体などが主張している、「(徳之島のTNRの実施により)アマミノクロウサギの生息数は増加し、生息域は東京ドーム210個分も広がった」は根拠がありません。今回はその非科学性について検証します。
「(徳之島のTNRの実施により)アマミノクロウサギの生息数は増加し、生息域は東京ドーム210個分も広がった」とし、それにより「アマミノクロウサギの(ノネコなどの)捕食被害の増加を止めることができただけでなく、9羽もあった被害がゼロになったこと、生息域が10キロ平米(東京ドーム210個分)も拡大した」。「TNRにより、徳之島でアマミノクロウサギの増殖に成功した」と主張している団体などがあります。徳之島におけるTNR実施団体と、本団体の協力獣医師らなどです。具体的な記述はこちらです。
・徳之島ごとさくらねこTNRプロジェクト総括 2017年09月19日
~
2015年、新規に5つのエリアで、アマミノクロウサギが確認されましたが2016年にはさらに新規エリアが5つ広がりました。
猫によるアマミノクロウサギの捕食被害の増加を止めることができただけでなく、9羽もあった被害がゼロになったこと(註 これはあくまでも「発見された死体の検死結果によるもので、ノネコによるアマミノクロウサギの捕食被害が減ったことにはならないとの説明を前回記事でしています。「アマミノクロウサギの捕食被害がゼロになった」とされる以降も、続々とアマミノクロウサギが猫に捕食される映像が公表されています)、生息域が10キロ平米(東京ドーム210個分)も拡大したことは、大きな成果と言えます。
・ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない。沖縄、奄美大島。2017年10月23日 。
~
近隣の徳之島では殺処分ではなくTNR不妊手術でアマミノクロウサギを増やした実績があり、不妊手術を検討する前に大量殺処分を実施してしまうことは、世界遺産登録機関であるユネスコの理念に反する。
アマミノクロウサギの生息数は増加し、生息域は東京ドーム210個分も広がった(註 この根拠は、環境省の資料により、2013年以降にアマミノクロウサギが確認された地域が増えたことです。しかし環境書がセンサー・カメラを増設してアマミノクロウサギの生息を確認する事業を強化したのは2012年です。センサー・カメラを増設すれば、撮影されてアマミノクロウサギの生息が確認される例が増えるのは当たり前です。つまり、この記述は「欺瞞」)。
(画像)
上記のTNR団体、その関係者などによる、「アマミノクロウサギの生息数は増加し、生息域は東京ドーム210個分も広がった」、「徳之島では殺処分ではなくTNR不妊手術でアマミノクロウサギを増やした実績がある」との根拠は、環境省自然保護官事務所が公表した、次の資料です。

・アマミノクロウサギの生息が確認された地域
2000-2014年 62キロ平米
2015年 67キロ平米
2016年 72キロ平米
上記の、アマミノクロウサギの生息が新たに確認された地域が増加した背景には、平成23年から環境省がセンサーカメラの山岳部への新たな設置があります。その点については、こちらの資料にあります。アマミノクロウサギ 保護増殖事業 10 ヶ年実施計画 (2014 年-2024 年)。またこちらの環境省職員による記事にも、「平成23年より、山岳部に自動撮影(センサー)カメラを設置しモニタリング調査を行っています」とあります(アマミノクロウサギを激写!自動撮影カメラ調査【徳之島地域】)。
今までセンサーカメラが設置されていない場所に設置すれば、カメラによりアマミノクロウサギが撮影され、その地域でのアマミノクロウサギが生息していることが新たに確認できたケースが増えます。このように「アマミノクロウサギの生息が確認された地域が拡大した」のは、センサーカメラを今まで設置設置していない場所に新たに設置したことが原因です。2000年から2016年までのあいだに、アマミノクロウサギの生息確認の手法が変わらなければ、「アマミノクロウサギの生息域が増えた」と判断しても良いでしょう。しかし前提条件が異なります。
例えば、同じ高速道路に、自動速度取締カメラを新たに多数設置したとします。その結果、同じ路線でスピード違反の摘発が増えました。それをもって、「この高速道路の路線ではスピード違反をするクルマが増えた」と判断することはできません。もともとこの路線はスピード違反をするクルマが多く、自動速度取締カメラの設置により、スピード違反の認知件数が増えただけです。徳之島での、アマミノクロウサギの生息場所が新たに確認された地域が増えたのは、それと同じです。このような動物愛護(誤)団体の非科学的な「嘘」に騙されないでください。
逆に、徳之島に、センサーカメラを増設することにより、ノネコがアマミノクロウサギを殺して捕食する様子が克明に捉えられる成果も上がっています。また、アマミノクロウサギのみならず、同じく固有種で、奄美群島の希少生物である、ケナガネズミがノネコに捕食された映像も記録されました。センサーカメラにより、より克明にノネコによる希少生物の食害が明らかにされましたが、この事実に対しては、愛護(誤)団体は黙殺です。
初めてアマミノクロウサギがセンサーカメラにより、ノネコに殺されて捕食される様子が撮影されたのは、TNR団体がブログで「猫によるアマミノクロウサギの捕食被害の増加を止めることができただけでなく、9羽もあった被害がゼロになった」(2017年9月19日)と記述した以前の、2017年1月18日(報道機関への公開は2017年1月20日)です。その後も、アマミノクロウサギが猫に襲われている映像が公開されています。「猫によるアマミノクロウサギの被害がゼロになった」が、大嘘であることがご理解いただけると思います。「あるデータを正しく引用せずに、自分たちの都合の良いところだけ抜き出してさらに歪曲して用いる」。残念ながら、動物愛護(誤)団体では多く見られる傾向です。
(動画)
飼い猫が野生化し小動物を襲い生態系破壊 2017/03/18 公開。
こちらは朝日新聞報道の、2017年3月18日に報道された映像。環境省が2012年(平成24)年度以降、センサーカメラを増設してから後は、ノネコによる、アマミノクロウサギなどの捕食被害が続々と公開されています。「(徳之島におけるTNR事業により)猫によるアマミノクロウサギの被害がゼロになった」と公に記述できる強靭(「狂人」のミス変換ではありません。念のため。メンタリティが強靭ということです)ぶりには感心します。
(動画)
絶滅危惧のネズミを猫が襲う瞬間を撮影 鹿児島・徳之島 2018年2月28日公開(朝日新聞社)
環境省がセンサーカメラを設置したことにより、徳之島での、猫による希少生物の捕食被害が、克明に映し出された映像が次々と公表されています。
鹿児島県の徳之島・天城町の山中で、絶滅の恐れがある国の天然記念物ケナガネズミを猫が襲う瞬間の動画が撮影された。
同島と奄美大島では野生化した猫(ノネコ)に希少動物が捕食される被害が問題化しており、環境省や町は捕獲ワナの増設など対策を強化する。
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