1年で2,000頭の犬を射殺したティアハイム・マンハイム~ドイツ動物保護の歴史

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(Zusammenfassung)
Vereinsgeschichte
Dass im Jahre 1927 etwa 2.000 Hunde im Tierheim erschossen wurden.
「ドイツなどは200年も前から殺処分をしていない」と、日本で誤情報を拡散している人達がいます。それらの誤情報を拡散している人たちがその根拠としてあげている一つには、ドイツのティアハイムの発祥が1800年代ということがあります。「ティアハイムが殺処分を行っていないから」、「不要動物は全てティアハイムが収容したから」などです。しかしドイツのティアハイムは、大量に犬猫などの収容動物を、銃などで殺処分してきた歴史があります。今日でも、相当数・率の殺処分を行っており、多くのティアハイムが自ら年次報告書で、「殺処分数」の公開を行っています。殺処分率が4割近くになるティアハイムは、今日でも珍しくありません。
「ドイツなどでは200年も前から殺処分ゼロである」と記述したり、著しく誤認させる無責任なブログなどが多数あります。例をいくつか挙げます。これらの記述は「嘘」といっても差し支えありません。
・ラフコリー・ミシェルのワンだふるらいふ 動物も人と同じ
~
ドイツでは、200年も前から動物愛護が大切にされてきたそうです。
ドイツでは、戦争で食糧難の時でも、人間と同じように、動物にも食料が配給されたというから驚きます。
日本では、食料不足の為、多くの動物が餓死した状況とは、大いに異なります(註 ドイツでは、戦時中は犬は食用として屠殺されました。また犬を年間2,000頭銃殺したティアハムもあります)。
・殺処分0のドイツにおける動物愛護の歴史は、どのような変貌をとげてきたのか?
~
動物の家・ティアハイムの歴史は180年ほどさかのぼる。
今のティアハイムの運営方法とほとんど同じことが行われていたようです。
ドイツでは殺処分は断じて行われません。
ドイツの最も歴史ある、大規模ティアハイムの一つに、ティアハイム・マンハイム(Tierheim Mannheim)があります。本ティアハイムは創業が1889年です。自らのHPで、本ティアハイムの歴史・沿革を述べています。
その中では、過去の本ティアハイムでの犬猫などの収容動物の大量殺処分のことも述べられています。例えば、収容した犬を1年間で2,000頭を銃で殺処分したなどです。その他にも、当時のドイツの野良犬迷い犬の収容と殺処分の制度や、ドイツがかつては犬肉の商業生産と販売が合法で、かなり食べられていたことも垣間見ることができます。ドイツのティアハイムや動物愛護政策の研究ための、良い資料となるかもしれません。ティアハイム・マンハイムのHP、Vereinsgeschichte 「マンハイム・ティアハイムの歴史」、から引用します。
Nach dem damaligen Jahresbericht werden im Tierheim Mannheim 1914 „gegen Bezahlung 712 Hunde und 246 Katzen und ohne Bezahlung 334 Hunde und 321 Katzen getötet“.
In einem der folgenden Jahresberichte ist zu lesen: „Die meisten Tötungen waren erforderlich, um die Tiere vor dem Verhungern zu bewahren oder um solche nicht in die Hände von Hundeschlächtern geraten zu lassen.“
Schon 1925 schreitet die Stadterweiterung so rapide voran.
Mannheim hat inzwischen einen hauptberuflichen Hundefänger, der streunende Hunde, sowie Hunde ohne Steuermarke einfängt und in das Tierheim bringt.
Tierbesitzer haben drei Tage Zeit, sich um ihr Tier zu bemühen, dann kann es vom Tierheim „verkauft oder getötet“ werden.
Dass im Jahre 1927 etwa 2.000 Hunde im Tierheim erschossen wurden.
Das Tierheim gibt keine Hunde an neue Besitzer unter 10 Mark ab, weil man verhindern will, dass die Tiere zum Schlachten erworben werden.
Nach einem Zeitungsbericht im September 1954 werden im Tierheim täglich fünf bis sechs Hunde eingeliefert.
In den beiden vergangenen Jahren seien es über 5.000 gewesen, von denen die meisten als nicht vermittelbar eingeschläfert werden.
1966 werden noch im alten Tierheim 453 Hunde und 196 Katzen beherbergt. 186 Hunde und fast alle Katzen werden wegen Krankheit, Verletzungen oder, weil sie einfach nicht zu vermitteln sind, eingeschläfert.
Diese für uns heute erschreckenden Zahlen waren in den damaligen Jahren keine Ausnahme.
1968 werden wieder 95 Hunde und 249 Katzen eingeschläfert.
1979, Im Tierheim sind in diesem Jahr 976 Hunde und 581 Katzen zu Gast. 145 Hunde und 273 Katzen werden eingeschläfert.
1990 werden vom Tierheim Mannheim mehr als 2000 Ratten aus der Wohnung einer geistig Verwirrten in der Lupinenstraße geholt.
Die Tiere müssen alle vom Tierarzt getötet werden.
1914年のティアハイム・マンハイムの年次報告書によると、有償譲渡されたのは犬712匹と猫246匹であり、殺処分されたのは犬334頭と猫321匹でした。
年次報告書の記述の一つには、次のようにあります。
「飢餓から動物を救うために、またはこれらの犬が肉屋の手に渡ること防止するには、ほとんどで殺害が必要でした(*1)」。
1925年にはすでに、ドイツでは都市部の拡大が急速に進んでいました。
マンハイム市には常に犬捕獲者がいて、迷い犬だけではなく、犬税登録のない犬を捕まえてティアハイムに連れて行きました。
ペットの飼い主には、ティアハイムによってそのペットが「売却されるか、殺されるかが可能となる」までに、ペットを探すための3日間の猶予があります。
1927年には、約2,000頭の犬がマンハイム・ティアハイムで射殺されました。
マンハイム・ティアハイムは、犬が食肉として屠殺されるために購入されることを防止したかったために、10マルク未満の金額では新しい飼い主に犬を譲渡しませんでした。
1954年9月の新聞報道によると、マンハイム・ティアハイムでは、毎日5〜6頭の犬が収容されました。
1954年の過去2年間に、5000頭以上が死にましたが、そのほとんどは伝染病以外で死んでいます。
1966年には、453頭の犬と196匹の猫が旧(註 その後移転した)ティアハイム・マンハイムにまだ収容されていました。
病気や怪我のためではなく、あるいは単に一般譲渡されることがなかったために、186頭の犬とほぼすべての猫が安楽死されました。
私たちにとっては、現在においてもこの恐ろしい数字は例外ではありません。
1968年には95頭の犬と249匹の猫が安楽死されました。
1979年には、マンハイム・ティアハイムには976頭の犬と581匹の猫がいました。
145頭の犬、および273匹の猫を安楽死させました。
1990年には、マンハイム・ティアハイムでは、ルピネン・シュトラーセの精神障害者の家から2,000匹以上のげっ歯類が収容されました。
これらの動物は、すべて獣医師により殺処分しなければなりませんでした。
なお、ティアハイム・マンハイムに関しては、ドイツ版ウィキペディアも取り上げられています(Tierheim Mannheim)。上記の、ティアハイム・マンハイム自身のHPの記載内容とほぼ同じです。
(画像)
殺処分などの内訳の、年次報告書を公表しているティアハイムの一例。tierheim-altentreptow「ティアハイム・アルテントレプトゥ」のHPに掲載されている年次報告書から。
2014年には、犬猫総収容数140に対して、殺処分(Euthanasien)が34頭、施設内死(verstorben)が15頭でした。総収容数に占める殺処分+施設内死の割合は35%です(日本の自治体の殺処分数の計算方法に基づく)。概ね年次報告書を出しているティアハイムとしては、平均的な数値だと思います。

(画像)
tierheim 「ティアハイム」。2009年7月28日公開。ティアハイム・マンハイムでの理事の解任に対する争議に関するビデオ。少し古い動画ですが、内部統制においては、いろいろと問題がある組織のようです。
Kundgebung anläßlich der Kündigung von Jutta Schweidler vom Vorstand des Tierschutzverein Mannheim.
ユッタ・シュワイダー氏がティアハイム・マンハイムの理事会により解任されたことを受けての(抗議)集会。
・びっくり!世界の犬事情~ドイツには1986年まで犬肉屋があった
~
ドイツでは、1986年まで犬の食用屠殺と犬肉の商業取引が合法でした。Hundefleisch 「犬肉」(ドイツ版ウィキペディア)にも記載があります。
・Hundefleisch 「犬肉 ドイツ版ウィキペディア」
~
個人による、犬の食用屠殺をドイツが禁じたのは2010年でした。それまでは、商業生産・販売は禁止されていたものの、私的に犬を食用として屠殺することはドイツでは合法でした。この件については、改めて記事にします。
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