「殺処分ゼロのためには、犬猫の8週齡未満販売禁止が必要である」という、TOKYOZEROキャンペーンの矛盾~犬猫8週齡未満販売禁止の考察

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(summary)
・Die Situation der Tiere in Frankreich
Die tragische Konsequenz: Die Tiere werden, unabhängig von Alter und Gesundheitszustand, nach Ablauf der Frist eingeschläfert.(The tragic consequence: The animals are, regardless of age and health, euthanized after the deadline.)
・ASPCA reveals historic data for shelter pets: Adoptions are up, euthanasia is down
In 2011, 2.7 million animals per year were losing their lives.
Today, that figure is 1.5 million — 670,000 dogs and 860,000 cats in USA.
記事、
・TOKYOZEROキャンペーンの「犬猫の8週齡未満販売禁止は殺処分を減らす」は欺瞞~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、
・太田匡彦氏の「欧米先進国では『(犬猫)8週齢販売規制』は常識」は嘘~犬猫8週齡販売禁止の考察、
・アメリカでは、犬の8週齡未満販売禁止の州が規制がない州よりはるかに犬咬傷死亡事故が多い~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、
・ヨーロッパの犬8週齡未満販売禁止の国の犬咬傷事故数は日本よりはるかに多い~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、
の続きです。
本連載記事の最初の記事、TOKYOZEROキャンペーンの「犬猫の8週齡未満販売禁止は殺処分を減らす」は欺瞞~犬猫8週齡未満販売禁止の考察、では、「犬猫の殺処分を減らす~ゼロ化のためには、ペットショップでの犬猫8週齡未満販売禁止が不可欠」と強硬に主張している動物愛護(誤)団体や動物愛護(誤)活動家らがいることを述べました。彼らは、「8週齡未満で犬猫を販売すれば犬猫は問題行動を起こす。それが飼い主の飼育放棄につながり、その結果飼い主が犬猫を保健所に持ち込むので、8週齡未満の販売が殺処分の原因となっている」と述べています。しかし彼らの主張は、極めて疑わしいと言わざるを得ません。なぜならば、犬猫の8週齡未満販売禁止をしている国は、そうではない日本より、はるかに犬猫の殺処分数が多いからです。
再び、「日本の殺処分の原因は、ペットショップの展示販売、特に幼齢犬猫を販売することである。幼齢犬猫は社会科が十分に出来ていない状態で母親や兄弟から分離されるので噛みぐせなどの問題行動を起こし、それが飼い主の飼育放棄~殺処分につながるからである。日本は、ペットショップでの犬猫8週齡未満販売禁止を実現することが殺処分ゼロのために不可欠である」と強行に主張している団体などの主張を取り上げます。
・TOKYO ZEROキャンペーン(この団体は任意団体であるにもかかわらず、長期にわたって「特定非営利法人」を詐称して、寄付金を集めていた問題団体です)。HPでは、以下のように主張しています。
殺処分ゼロを実現するにはまず、東京において、ひいては日本中で、①ペット産業適正化のために「8週齢規制」を早期に実施する必要があります。
生後56日(8週齢)に満たない、幼すぎる子犬を生まれた環境から引き離すと、精神的外傷を負う可能性が高く、無駄ぼえや無駄がみなどの問題行動を起こしやすくなります。
問題行動が、飼い主による飼育放棄の可能性を高めてしまうことも、見過ごせません。
一方で、ペットショップなどでは「犬がぬいぐるみのようにかわいいのは生後45日くらいまで」という考え方に基づいて、幼すぎる子犬を販売しています。
「かわいさ」という商品力によって、消費者に衝動買いを促すことをビジネスモデルの根幹に据えているという実態が、背景にはあります。
そして衝動買いが、安易な飼育放棄につながりやすいことは、言うまでもありません(註 8週齡未満の犬の販売を事実上禁じているドイツでは、年間50万頭ものペットが遺棄されているという資料がありますが?)。
欧米先進国では、8週齢まで子犬を生まれた環境から引き離すことを禁じる「8週齢規制」は、常識です(註 ヨーロッパでは多くは7週齡未満の販売禁止です。EU28カ国中、9ヵ国では、犬猫の週齡による販売禁止規定はありません。アメリカでは、23州のみ犬が8週齡未満販売禁止です。猫は8週齡未満禁止は、3分の1のわずか17州で禁じています)。
・朝日新聞記者、太田匡彦氏。TOKYOZEROキャンペーンの顧問(単なる任意団体ですが)を務めている、太田光明(東京農業大学農学部教授)氏が実父です。同団体のイベントに招かりたり、氏の著書が同団体で引用されていますので、同団体の理論的バックボーン的存在と思われます。宮本亜門さん・とよた真帆さんが語る「保護犬・保護猫と暮らす幸せ」。2017年10月27日、から引用します。
イベントは元衆議院議員で料理研究家の藤野真紀子さんが代表を務める「TOKYO ZERO キャンペーン」が主催したのもので、対談の司会は宮本さん、とよたさんを取材したこともある朝日新聞の太田匡彦記者が務めました。
太田:日本の犬のほうがアメリカで飼われている犬より4〜5倍くらい問題行動を起こしやすいっていうデータもあったりします。
今日の冒頭で「TOKYO ZEROキャンペーン」の取り組みとして「8週齢」っていう話がありましたけど、やっぱり初期の適切な社会化を経ていないがために無駄吠えとか噛み癖とか、他の犬や人への恐怖心が芽生えてしまうというのがあって。
さて、上記のTOKYOZEROキャンペーンと太田匡彦氏ですが、「日本の殺処分の原因はペットショップの展示販売、特に幼齢犬猫を販売することである。幼齢犬猫は噛みぐせなどの問題行動を起こし、それが飼い主の飼育放棄~殺処分につながるからである。日本は、ペットショップでの犬猫8週齡未満販売禁止を実現することが殺処分ゼロのために不可欠である」と共に、このようにも述べています。「欧米先進国では犬猫の8週齡未満販売規制は常識である」。しかしそれは「嘘」と言っても差し支えありません。
私が調べた限り、犬猫とも8週齡未満の販売禁止をしている国はフランス一国です。アメリカは、50州のうち半数に満たない23州が犬の8週齡未満販売禁止です。猫では、わずか約3分の1の17州が、8週齡未満の販売を禁じています。イギリス(ごく一部の自治体で条例により猫の8週齡未満販売禁止をしている)、ドイツでは、犬のみを8週齡未満販売禁止(法律では「8週齡未満の母犬との分離」を禁じている)としています(2017年時点)。
では、日本とフランスとアメリカ犬猫殺処分の状況はどうなのでしょうか。まず日本ですが、平成28年度の犬猫殺処分数は、55,998頭です(犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況(環境省)。
フランスですが、年間の犬猫殺処分数は約50万頭と推計されています。フランスは、公営のシェルターと完全民間シェルターなどの複数の経営形態が異なるシェルターがあり、国全体の統一した犬猫殺処分の統計値はありません。しかし複数の資料が、「フランスの年間犬猫殺処分数は年間50万頭である」との推計値を出しています。日本の人口は1億2,558千万人で、殺処分数は55,998頭。フランスは人口6,699万人に対して殺処分数は50万頭です。つまり人口比で約20倍も、フランスが日本より犬猫殺処分数が多いということになります。以下に、それらの資料を例示します。
・Die Situation der Tiere in Frankreich 「フランスにおける動物の状況」(ドイツ語)。
~
Die tragische Konsequenz: Die Tiere werden, unabhängig von Alter und Gesundheitszustand, nach Ablauf der Frist eingeschläfert.
Informierte Kreise berichten von 500.000 getöteten Tieren im Jahr!
悲劇的な結末:動物(犬猫)は、年齢や健康状態にかかわらず、収容期限後には安楽死させられます。
消息筋によると、年間50万頭の動物が殺処分されていると報告されています。
・Tierhilfe & Verbraucherschutz International e.v 「国際動物保護と消費者保護団体」(ドイツ語)。2017年11月17日。
~
Aber auch in Frankreich werden jährlich 500.000 Hunde euthanasiert!
しかしフランスにおいても、毎年50万頭の犬が安楽死されています(註 おそらく猫の数も含めた数値だと思います)。
・LA STERILISATION La stérilisation : un acte de protection animale (フランス語)
~
フランスにおける犬猫殺処分数は、年間50万と推計しています。
(動画)
stop euthanasie 「安楽死の停止」。2012/04/04 に公開。フランス語による、フランスの犬猫殺処分に反対するビデオ。閲覧注意。犬猫の殺処分シーン有り。このビデオでも、「フランスにおける年間の犬猫殺処分数は50万頭」とされています(フランス語)。
次はアメリカ合衆国の犬猫殺処分です。最も新しい推計値は、ASPCA(全米動物虐待防止協会)が2017年に発表した2016年のアメリカ全土における犬猫殺処分数の推計値があります(複数の推計値が有り、これは低位推計です)。2016年のアメリカのアニマルシェルターにおける犬猫殺処分数は歴史的に減少したとありますが、年間150万頭が殺処分されました。その数は人口比で日本の約11倍です。
ASPCA reveals historic data for shelter pets: Adoptions are up, euthanasia is down 「ASPCA(全米動物虐待防止協会)はアニマルシェルターにおけるペットの歴史的なデータを明らかにしています:一般譲渡数は増加しており、殺処分数は減っています」。2017年3月10日。
Shelter euthanasia has correspondingly gone down.
In 2011, 2.7 million animals per year were losing their lives.
Today, that figure is 1.5 million — 670,000 dogs and 860,000 cats.
アニマルシェルターの安楽死(殺処分)数も、それに応じて減少しました。
2011年には、年間270万頭の犬猫が命を失いました。
今日、その数字は150万頭-つまり67万頭の犬と86万匹の猫です。
(動画)
Dog Gas Chamber 「犬のガス室」。2015/10/26 に公開
アメリカ合衆国においても、二酸化炭素のガス室による犬猫の殺処分は、現在も州によっては行われています。カリフォルニア州など複数の州では廃止されました。
犬猫とも8週齡未満の販売を禁止しているフランスの犬猫殺処分数は、人口比で日本の約20倍です。犬猫とも、かなりの割合の州で8週齡未満の販売禁止をしているアメリカの犬猫殺処分数が、人口比で日本の約11倍です。この数字を見れば、TOKYOZEROキャンペーンや、朝日新聞記者の太田匡彦氏の主張である、「日本の殺処分の原因は、ペットショップの展示販売、特に幼齢犬猫を販売することである。幼齢犬猫は社会科が十分に出来ていない状態で母親や兄弟から分離されるので噛みぐせなどの問題行動を起こし、それが飼い主の飼育放棄~殺処分につながるからである。日本は、ペットショップでの犬猫8週齡未満販売禁止を実現することが殺処分ゼロのために不可欠である」は、かなり怪しいと言わざるを得ません。
次回以降の記事では、「8週齡未満販売禁止」の、実効性に疑念があることなどの問題点について述べます。犬猫の週齡を完全に証明することをどうやって担保するのでしょうか。現に、犬の8週週齡販売禁止が法律で定められているイギリスでは、巨大犬の安売りペットショップチェーンでわずか5週齡の仔犬が売られているとされています。
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