TOKYOZEROキャンペーンの「犬猫の8週齡未満販売禁止は殺処分を減らす」は欺瞞~犬猫8週齡未満販売禁止の考察

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(Domestic)
「犬猫の殺処分を減らす~ゼロ化のためには、ペットショップでの犬猫8週齡未満販売禁止が不可欠」と強硬に主張している動物愛護(誤)団体や動物愛護(誤)活動家らがいます。彼らは、「8週齡未満で犬猫を販売すれば、犬猫は問題行動を起こす。それが飼い主の飼育放棄につながり、その結果飼い主が犬猫を保健所に持ち込むので、8週齡未満の販売が殺処分の原因となっている」と述べています。しかし彼らの主張は、極めて疑わしいと言わざるを得ません。なぜならば、多くの統計資料を調べても、「8週齡未満販売の禁止と犬の問題行動である咬傷事故数との相関性はない」、「犬猫の8週齡未満の販売禁止と犬猫殺処分数の相関性がない」からです。
「『犬猫の8週齡未満販売禁止は殺処分を減らす』は欺瞞」との記事タイトルで連載を行う予定ですが、まず最初に結論を述べます。本連載においては、以下が欺瞞であることを検証します。
1、8週齡未満の犬猫販売は犬猫の問題行動の原因となり、8週齡未満の販売禁止の実現が極めて有効であり、不可欠である。
2、それが、犬猫の問題行動が飼育放棄につながり、それが殺処分の原因となるからである。
3、さらにはペットショップでの展示販売が殺処分の原因であるために、ペットショップを廃止すべきである。
まず、「1、8週齡未満の犬猫販売は犬猫の問題行動の原因となり、それが飼育放棄につながり殺処分を増やす」についてです。犬の、問題行動の最たるものは攻撃性です。しかし8週齡未満の犬の販売を禁じている国(ドイツ、イギリス、フランス、スイス法律で8週齡未満の犬販売を禁じています。アメリカでは、23州で犬の8週齡未満の販売を禁じてます)と、現在禁じていない国(日本)を比較した場合、圧倒的に犬の咬傷事故が多いのは、犬の8週齡未満の販売を禁じている国なのです。
次に、「2、それが、犬猫の問題行動が飼育放棄につながり、それが殺処分の原因となるからである」についてです。これも、8週齡未満の犬(さらに猫)の販売を禁じている国と、現在禁じていない国(日本)を比べると、むしろ犬猫の殺処分の実数は、禁じている国の方がはるかに多いのです。おそらく犬猫とも8週齡未満の販売を禁じている国は、フランス一国と思いますが、フランスは年間の犬猫殺処分数が50万頭と推計されており、その数は人口比で日本の20倍近くです。
最後に、「3、さらにはペットショップでの展示販売が殺処分の原因であるために、ペットショップを廃止すべきである」についてです。この件については、私は過去に何度か矛盾点を指摘しています。現在日本での犬猫殺処分の内訳は、圧倒的に猫の幼齢(離乳前)個体が多いのです。つまり「ペットショップ」で販売されていないものです。さらに、猫は犬に比べてペットショップもしくはブリーダーから購入した割合が犬より圧倒的に低いのにも関わらず、殺処分数では犬よりはるかに多いのです。つまり、殺処分の大きな原因は、ペットショップの販売、ましてや8週齡未満販売とは理論的にはありえないのです。
次回以降の記事では、「1、」、「2、」、「3、」について、具体的なソースを挙げて論じていきます。
・「殺処分ゼロ化のためには、8週齡未満販売を禁止すべき。さらにペットショップを廃止すべき」と主張している最右翼とも言える団体には、TOKYO ZEROキャンペーン、という任意団体があります。
この団体は任意団体であるにもかかわらず、長期にわたって「特定非営利法人」を詐称して、寄付金を集めていた問題団体です。HPでは、以下のように主張してます。
殺処分ゼロを実現するにはまず、東京において、ひいては日本中で、①ペット産業適正化のために「8週齢規制」を早期に実施する必要があります。
幼すぎる子犬たち
生後56日(8週齢)に満たない、幼すぎる子犬を生まれた環境から引き離すと、精神的外傷を負う可能性が高く、無駄ぼえや無駄がみなどの問題行動を起こしやすくなります。
問題行動が、飼い主による飼育放棄の可能性を高めてしまうことも、見過ごせません。
一方で、ペットショップなどでは「犬がぬいぐるみのようにかわいいのは生後45日くらいまで」という考え方に基づいて、幼すぎる子犬を販売しています。
「かわいさ」という商品力によって、消費者に衝動買いを促すことをビジネスモデルの根幹に据えているという実態が、背景にはあります。
そして衝動買いが、安易な飼育放棄につながりやすいことは、言うまでもありません(註 8週齡未満の犬の販売を事実上禁じているドイツでは、年間50万頭ものペットが遺棄されているという資料がありますが?)。
欧米先進国では、8週齢まで子犬を生まれた環境から引き離すことを禁じる「8週齢規制」は、常識です(註 ヨーロッパでは多くは7週齡未満の販売禁止です。EU28カ国中、9ヵ国では、犬猫の週齡による販売禁止規定はありません。アメリカでは、23州のみ犬が8週齡未満販売禁止です。猫は8週齡未満禁止は、3分の1のわずか17州で禁じています)。
・ジャーナリストで、「殺処分ゼロを実現するためには、犬猫の8週齡未満販売禁止が有効であり、不可欠である。さらにペットショップの展示販売を廃止すべき」と主張している方は、朝日新聞記者の、太田匡彦氏です。TOKYOZEROキャンペーンの顧問(単なる任意団体ですが)を務めている、太田光明(東京農業大学農学部教授)氏が実父です。同団体のイベントに招かりたり、氏の著書が同団体で引用されていますので、同団体の理論的バックボーン的存在と思われます。
最近も、太田匡彦氏は次の次のように述べています。宮本亜門さん・とよた真帆さんが語る「保護犬・保護猫と暮らす幸せ」。2017年10月27日。
イベントは元衆議院議員で料理研究家の藤野真紀子さんが代表を務める「TOKYO ZERO キャンペーン」が主催したのもので、対談の司会は宮本さん、とよたさんを取材したこともある朝日新聞の太田匡彦記者が務めました。
太田:日本の犬のほうがアメリカで飼われている犬より4〜5倍くらい問題行動を起こしやすいっていうデータもあったりします。
今日の冒頭で「TOKYO ZEROキャンペーン」の取り組みとして「8週齢」っていう話がありましたけど、やっぱり初期の適切な社会化を経ていないがために無駄吠えとか噛み癖とか、他の犬や人への恐怖心が芽生えてしまうというのがあって。
上記の上記の太田匡彦氏の発言について、私は2017年12月27日に、この記事を報じたメディアにメールで問い合せています。しかし未だにお返事はありません。太田匡彦氏は上記のイベントで、犬の問題行動とは「噛み癖とか」と述べています。つまり「咬む」=攻撃性ということを述べています。
しかしアメリカの犬の咬傷事故発生数は、人口比で日本より400倍以上も多いのです(*1)。つまり太田匡彦氏の、「日本の犬の方がアメリカで飼われている犬より4~5倍くらい問題行動を起こしやすいっていうデータもあったりします」は全く矛盾します。私が英文検索したところ、「日本の犬の方がアメリカで飼われている犬より4~5倍くらい問題行動を起こしやすいっていうデータもあったりします」という事実は確認できませんでした。さらに最新の推計・統計値では、アメリカの犬猫殺処分数は、人口比では日本の約11(*2)倍という多さです。これらの矛盾点について、次回以降の記事で取り上げていきます(続く)。
(参考資料)
記事、宮本亜門さん・とよた真帆さんが語る「保護犬・保護猫と暮らす幸せ」、の内容に対する、メールでの問い合わせ。一切お返事はありません。
御社の記事についてお問い合わせします。
1、「太田:日本の犬のほうがアメリカで飼われている犬より4〜5倍くらい問題行動を起こしやすいっていうデータもあったりします」。
の記述について。
①「犬の問題行動」とはどのようなことを指しているのでしょうか。
②「データがあったりします」~の出典をお示しください。
学術調査、論文があるのですか。
原文の一次ソースをご提示ください。
(動画)
Dog attacks: Pit bull attacks homeless man; Mom bites off dog's ear to save daughter - Compilation 「犬の攻撃:ピットブルはホームレスを攻撃する。母親は娘を救うために犬の耳に噛み付きました - 編集」。2017年2月7日公開。
アメリカでは23州で犬の8週齡未満の販売を禁じていますが、日本の400倍も犬による咬傷事故が多いです。こちらのビデオでも、死亡事故が収録されています。太田匡彦さん、「日本の犬のほうがアメリカで飼われている犬より4〜5倍くらい問題行動を起こしやすいっていうデータもあったりします。『8週齢』っていう話がありましたけど、やっぱり初期の適切な社会化を経ていないがために噛み癖とか」は矛盾していませんか。「日本の犬のほうがアメリカで飼われている犬より4〜5倍くらい問題行動を起こしやすいっていうデータ」を速やかにご提示いただきたい。あなたは口から出まかせの嘘つきですか、それともこの理論的矛盾が理解できないのですか、速やかに出典をご提示してください。
(*1)
・極めて深刻なアメリカの犬咬傷事故~人口当たり発生数は日本の400倍以上
こちらで全て出典を示しています。
(*2)
ASPCA Releases New Data Showing Remarkable Progress for Homeless Dogs & Cats 「ASPCA(アメリカ動物保護団体) 野良犬と猫のための著しい進歩を示す新しいデータを発表します」。2017年3月10日
・犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況(動物愛護管理行政事務提要より作成)(環境省 平成28年度)
・Table of State Laws Concerning Minimum Age for Sale of Puppies 「アメリカ合衆国における子犬販売の最低年齢に関する州法の一覧」。2017年現在
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