「猫は人を襲わない」は大嘘~高齢女性を襲った「殺人未遂犯」は野良猫だった

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Domestic/Inländisch
日本では、犬は狂犬病予防法などにより野犬、野良犬は行政機関に捕獲されます。その多くは殺処分されます。また、狂犬病予防法などでは、狂犬病予防接種と畜犬登録、係留は犬のみに義務付けられています。犬とともに、日本で最も人気が有り、飼育数も犬より多くなった猫では、飼育管理に関する法律の規定がなく、野放し状態です。その理由は「猫は人を襲わない。犬のように危険ではないから」です。しかしそれは大嘘です。
私は今まで、日本が狂犬病予防接種を犬だけに義務付けている矛盾をしばしば取り上げてきました。国内のペットの狂犬病予防接種を義務付けている国は日本以外では、アメリカのいくつかの州だけと思われます(国外からの持ち込みは、ほぼすべての国で犬猫とも義務とされています)。さらに、アメリカで狂犬病ワクチンを義務付けている州は、ほとんどが犬猫(フェレットも含む)ともです。日本のように、「犬のみ義務としている」国は、国際的には例外かつ特異です(*1)。
その理由は「猫は犬と違って人を襲わないから」とされています。甚だしきは「猫は狂犬病に感染しない」と誤解している人もいるぐらいです。しかし、アメリカでは狂犬病感染個体の発見数は、2015年では猫が犬の4倍です(*2)。日本での狂犬病の最後の感染例は猫でした(*3)。またこれから取り上げますが、猫が人を襲う事件はかなり発生しています。ですから、「猫は犬のように人を襲わないから狂犬病予防接種は必要ない」、「野良猫は温存しても良い」、「放し飼いは許容されるべきだ」は誤りです。
狂犬病などの感染リスクを除外しても、猫による攻撃により、かなりの重傷を負った事件が国内外であります。最近も日本で、寝たきりの高齢女性が野良猫に襲われて重傷を負うという事件が発生しています。
「殺人未遂犯は野良猫」 高齢女性重傷で熊本県警 2017年12月27日のニュースソースから引用します。
熊本県警は27日、同県御船町の住宅で11月に寝たきり状態の高齢女性が顔に負った多数の重い切り傷が、野良猫によるものだったと断定したと明らかにした。
県警は当初、殺人未遂容疑事件として捜査したが、家族が世話をしていた1匹の爪から、女性のものとみられる血液を検出した。
保健所は猫を一時預かっており、譲渡先を探している。
この事件の報道を受けて、「猫を殺処分するな」という意見がSNSなどのインターネット上で拡散されました。人を現に襲った猫を「殺処分するな」という意見が、即拡散されるのには違和感を感じます。それよりも、適正な飼育管理のあり方などの議論にならないことは、日本の動物愛護の幼稚さを感じます。
それはさて置き、猫が人を襲う事件は、国内外ではしばしば発生します。私はかつて、フランスで女性と女性が連れていたプードルが複数の野良猫に襲撃され、女性も犬も重傷を負った事件を取り上げています。そのニュースソースを再び引用します。Warning to tourists in France after attack by feral cats 「野良猫による攻撃がありました。フランスへ行かれる観光客に警告します」。2013年7月25日。
About six cats pounced on the unnamed dog owner as she walked her poodle in the city of Belfort,dragging her to the ground and mauling her.
She was bitten repeatedly and left with a torn artery which could have proved fatal, while the dog was also badly hurt.
It is thought that particularly high summer temperatures may have made the cats far more aggressive than usual.
"The feral cats bit her on the leg and on her arms. They even pierced an artery," Mrs Galliot told.
Tourists from countries like Britain should certainly be wary – they should certainly not approach these cats, or try to feed them.
There are an estimated 8,000 feral cats born in France every day .
約6匹の猫は、(フランスの)ベルフォールの街で、プードルを連れて散歩している女性をいきなり襲いました。
そして彼女を地面に引き倒し、裂傷を負わせました。
彼女は何度も噛みつかれて、犬もひどく傷つきました。
そして致命傷となる可能性が証明できる、動脈裂傷が残されました。
特に夏の高い気温が、猫をいつもよりはるかに攻撃的にした可能性があると思われます。
「野良猫は私の足と腕に噛み付きました。それは動脈まで達しました」と被害者のギャリオットさんは話しました。
イギリスなどからの観光客は、確かに警戒する必要があります - 観光客らは、これらの猫に近づいたり、餌やりしたりしようとしてはならないのは間違いありません。
フランスでは毎日、野良猫が8,000匹も生まれていると推定されています。
さらに深刻な事件もあります。アメリカ、ニュージャージー州では、狂犬病に感染した猫が、多くの子供を突然襲いました。この事件は、偶然ビデオ撮影されています。ビデオを見ればわかりますが、子供たちは、何ら猫を刺激したり、挑発するような行為はしていませんでした。
(動画)
Point Pleasant Beach Cat attack 「ポイント・プリーザントビーチでの猫の攻撃」。2009年8月25日公開。
Rabied cat attack Jersey shore August 2009, Hard to beleive(believeが正しいと思われる), town needs to act quickly.
狂犬病に感染した猫が、2009年8月にジャージー州の海岸で子供を襲いました。
信じがたいです。
町は早急に、対策を講じる必要があります。
上記の事件を受けての、自治体の対応と、その後の経過を伝えるニュースがあります。Point Pleasant Beach plans cat roundup after rabies outbreak 「ポイント・プリーザント・ビーチ自治体は、狂犬病発生後、猫対策の計画をまとめました」。2009年8月29日。さらにニュージャージー州の自治体では現在、TNRも含めて、野良への給餌を厳しい罰則により、一切禁じる条例が多数制定されています。
Point Pleasant Beach plans to round up feral cats after an outbreak of rabies in a town home to an estimated 300 stray cats.
Attacks by cats, including two children in separate incidents, alarmed residents, who expressed concerns in a Wednesday town hall meeting, according to the report.
A cat that tested positive for rabies attacked 17-year-old Kenny Pringle in his backyard, the report said.
Council members said the stray cat problem stems from people abandoning pets, and others providing foodand water to colonies.
ポイント・プリーザント・ビーチは住宅地での狂犬病発生後、推定300匹の野良猫を捕獲する予定です。
別々の事件で2人の子供が猫に攻撃され、警戒した住民の報告書により水曜日の自治体議会で懸念が表明されました。
狂犬病検査で陽性の猫が、17歳のケニー·プリングル君を彼の家の裏庭で攻撃したと、報告書は述べています。
自治体議会議員らは、野良猫の問題は、ペットを捨てる人々がいて、そして他の人がそれらの猫の群れに水や食料を与えることが原因だと述べています。
以上の事件により、「猫は人を襲わない。だから犬と異なり危険ではないから、狂犬病対策もしなくて良い。また放し飼いでよく、野良猫を温存させても問題はない」が、誤りであることがお分かりいただけると思います。次回記事では、他国の猫が人間を襲った事件をいくつか取り上げます(続く)。
(参考資料)
・State Rabies Laws 「アメリカ合衆国 州の狂犬病法」。AVMA(全米獣医師学会)資料
・The Burden of Rabies 「狂犬病の負担」。
CDC(アメリカ連邦疾病予防管理センター)の統計によれば、2015年の狂犬病感染個体数は、猫が犬の4倍である。
・狂犬病に関するQ&Aについて
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