続続々・日本の地域猫制度はアメリカのTNRマネジメントのデッドコピー~地域猫の管理責任を問う


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(summary)
The Japanese community cat system (地域猫制度) is a dead dead copy of TN(V)R management in the United States.
Feral Cats Defined - Maddies Shelter Medicine Program at Cornell
記事、
・動物愛護管理法の犬猫引取り制限は改悪だったのか~猫被害の増大をもたらした、
・地域猫活動で野良猫は減少するのか~地域猫の管理責任を問う、
・続・地域猫活動で野良猫は減少するのか~地域猫の管理責任を問う、
・「犬猫の殺処分を行う必要がある」が国民の大多数の意見~地域猫の管理責任を問う、
・地域猫活動家は損害賠償責任を負うのか~地域猫の管理責任を問う、
・続・地域猫活動家は損害賠償責任を負うのか~地域猫の管理責任を問う、
・日本の地域猫制度はアメリカのTNRマネジメントのデッドコピー~地域猫の管理責任を問う、
・続・日本の地域猫制度はアメリカのTNRマネジメントのデッドコピー~地域猫の管理責任を問う、
・続々・日本の地域猫制度はアメリカのTNRマネジメントのデッドコピー~地域猫の管理責任を問う、
の続きです。
日本の地域猫制度(行政が認可した地域猫活動)とアメリカのTNRマネジメント(行政が認可したTNRマネジメント活動)は、全く異なるものです。今回は、アメリカのTNRマネジメントにおいては、いわるゆる「間引き(対象とする地域の猫を殺処分して数を減らすこと)」が行われることをとりあげます。
前回記事では、アメリカのTNRマネジメントにおいては、公的TNRマネジメントの認可を受けた者以外の野良猫の餌やり行為は、極めて厳しく処罰します。また、公的TNRマネジメントを実施している地域においても、行政が徘徊猫を捕獲し、TNRマネジメントの管理対象猫として登録されている、もしくは飼い猫登録されている猫以外は安楽死(殺処分)を行っているところがほとんどです(ボルチモア市のような例外はあります)。
対して日本は、活動に公的な地域猫制度を持つ自治体でも、認可地域猫活動以外の野良猫の餌やりを禁じるところはほとんどありません。あったとしても罰則規定は甘く、抑止効果は期待できません。また行政が徘徊猫を捕獲~殺処分しているところは例外です。それがアメリカの公的TNRマネジメント制度と、日本の公的地域猫制度の大きな違いです。さらに、アメリカのTNRマネジメントと日本の地域猫制度の違いですが、いわゆる「間引き(対象とする地域の猫を殺処分して数を減らすこと)」をアメリカは行っているのに対して、日本では行われることはありません。
アメリカのTNRマネジメントにおける「間引き(対象とする地域の猫を殺処分して数を減らすこと)」が、標準的な手法であることを示す資料を提示します。フロリダ大学の獣医学部(Maddies Shelter Medicine Program College of Veterinary medicine)が、TNRの手法について解説しています。
Feral Cats Defined - Maddies Shelter Medicine Program at Cornell 「野良猫の定義-Maddies Shelter Medicine Program at Cornell」から引用します。
Policy on Identification of “TNR graduates”
To ensure that surgery is not performed on the same cat twice, the distal tip of the left ear ofevery cat will be removed.
Policy on Medical Care during Surgery ClinicsAt the time of surgery, all cats will receive the following:
physical examinationFVRCP vaccination Rabies vaccination Ivomec 0.15 ml per 10 lb. cat SQ (this dosage treats ear mites, round and hook worms)+/- Advantage Cats that are pregnant or dehydrated will also receive 150-250 ml SQ fluids.
Rabies vaccination will be recommended in 1 year and then every 3 years.
Small kittens will be tamed and adopted or humanely euthanized.
Policy regarding sick or injured cats.
Unless treatment can be entirely performed at the time of surgery , humane euthanasia will be performed to prevent suffering.
Feral cats that have bitten ahuman should be euthanized and tested for rabies.
Ifinfected cats are identified, they will be euthanized in order to prevent their suffering and toprevent possible transmission of the virus to other cats in accordance with the policy regardingFeLV or FIV positive cats.
Policy regarding FeLV or FIV positive catsFeral cats that test positive for FeLV will be humanely euthanized.
「TNRを終了した」ことの特定に関する方針
手術が同じ猫で2回行われないようにするために、(不妊去勢済みの)すべての猫の左耳の先端部分を切除します。
外科的治療(不妊去勢手術)時における医療に関する方針ですが、すべての猫に以下の処置が行われます。
身体検査、FVRCPワクチン接種、狂犬病予防接種、Ivomec 0.15 ml / 10 lb.cat SQ(この投薬量においては、耳ダニと寄生虫の治療を行う)、状態の良い猫は、妊娠または脱水症状の猫にも150-250 mlのSQ液の点滴が行われます。
狂犬病ワクチン接種は最初は1年後に、その後は3年に1度が推奨されます。
幼齢子猫は飼いならされて飼い猫にされるか、そうでなければ人道的に安楽死されます。
病気やけがをした猫に関する方針としては。
不妊去勢手術時に治療が完全に行われない限り、猫の苦痛を防ぐために人道的安楽死が行われます。
人間を咬んだ野良猫は安楽死させ、狂犬病検査を受けなければなりません。
猫ウイルス性白血病(FeL)または猫エイズ(FIV)感染した猫が特定されれば、その猫は苦しみを防ぐために安楽死させられ、FeLVまたはFIV陽性猫に関する方針に従って、他の猫へのウイルスの感染を防ぎます。
方針としては、FeLVまたはFIV陽性猫FeLV陽性の猫は人道的に安楽死させます。
以上より、アメリカ合衆国における、公的TNRマネジメントにおいては、管理上難しい猫については、安楽死(殺処分)すべきとしています。つまり・幼齢猫、・傷病猫、・感染症キャリア猫、・人を咬み、狂犬病の検査が必要な猫、は安楽死(殺処分)が推奨されています。そのほか、・老齢猫、を安楽死(殺処分)対象として挙げている、TNRマネジメント手法のガイドもあります。TNRマネジメントの効果測定論文で、「地域の猫総数100個体のうち、管理可能な数までに10個体を一般譲渡し、20個体を安楽死し、70個体にまで減らした」などという記述をよく見ます。
日本の、アメリカのTNRマネジメントを紹介する文献で、いわゆる「間引き(対象とする地域の猫を殺処分して数を減らすこと)」に付いて触れられているものは皆無です。その他、「マイクロチップによる個体識別義務」、「TNR猫の登録義務」、「狂犬病などのワクチン接種義務」、「TNRマネジメントで認可された以外の給餌を極めて厳しく禁じている」、「TNRマネジメント活動を行っている地域においても行政が徘徊猫の捕獲を行い、無登録猫の殺処分を行っている」ことも紹介している文献も皆無です。
日本における、アメリカのTNRマネジメントを紹介する文献は、著しく「それにより野良猫の殺処分を廃止する」と誤認させる内容のものばかりです。全く都合の良い「事実の抜き書き」で笑止千万です。
アメリカにおけるTNRマネジメントは、日本で伝えられているより、はるかに管理は厳格です。それでも野良猫は減らないのです。日本のように、衝動的、場当たり的に、適当に野良猫を捕まえて不妊去勢手術するだけで、無許可餌やりも野放し状態で野良猫が減るのならば奇跡です。ワクチン接種義務や、感染症キャリア猫の安楽死を行わないので、感染症により激減することはありうるでしょうが(笑い)。それにしても、所管する環境省の資料ですら、これらのアメリカのTNRマネジメントの真実について触れられていないとは呆れます。それでいながら、国を挙げて「海外にならえ。野良猫の管理はTNRで」と喚いていているのですから、日本はまさに、動物愛護超後進国なのでしょう。
(資料)
・神野さんに聞く!アメリカメリーランド州での動物支援活動(前編)
~
「アメリカ、メリーランド州は、TNRにより殺処分ゼロを実現した」という、驚愕するような大嘘をたれながしているブログ。
メリーランド州は、公的シェルターだけで人口比で日本の約11倍の犬猫を殺処分しています。
私営シェルターの数を加えれば、さらに多くなります。
TNR=殺処分廃止、という、ステレオタイプの日本のアメリカのTNRに関する、都合の良い、「事実の抜き書き」の典型的嘘文献です。
・世界の猫助けNPO:アメリカ編
~
「全米で500の自治体がTNR支持の条例を施行している」ですが、いくら英文で検索しても、アメリカでTNR条例を施行している自治体数が500という数字を挙げている資料は見つかりませんでした。
こちらでは114自治体となっています(List of governments supporting trap-neuter-return)。
この「フェリシモ猫部 猫ブログ」ですが、海外情報に関する記述は、あまりにも誤りが多い問題ブログです。
しかし、アメリカのTNRに関して過不足なく正確に伝えている日本語文献は、私が知る限り皆無ですが。
(資料)
WARNING: Sensitive material - Animal Control video shows improper euthanasia practices 「警告:感情を害する内容があります - アニマルコントロール(犬猫などの管理を行うアメリカの自治体の行政機関)のビデオは、不適切な安楽死の慣行を示しています」。アメリカのアニマルコントロールは、犬猫とも捕獲して殺処分しています。TNRマネジメントが行われている自治体も、徘徊猫を捕獲~殺処分しています。
The video shows an Amarillo Animal Control employee euthanizing an animal in such a way that did not meet "humane euthanasia standards put out by the American Veterinary Association or the Texas Administrative Code," according to Dr. Viera.
このビデオは、アマリロのアニマルコントロールの従業員が、動物を基準(ビエラ博士による、「アメリカの獣医学協会またはテキサス行政コードによって提出された人道的安楽死基準」)に合わない方法で動物を安楽死させることを示しています。
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