近隣の庭にいる飼い猫を射殺したハンターの処罰は600スイスフランの罰金(日本円で約6万8,000円)~スイス


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(Zusammenfassung)
Katze «Wuschel» im Garten erschossen: 600 Franken Busse für Jäger
Die Staatsanwaltschaft hat den Beschuldigten zu einer bedingten Geldstrafe von 20 Tagessätzen und einer Busse von 600 Franken verurteilt.
Weil Katzen mit Wildtieren verwechselt werden, fordern Tierschützer härtere Gesetze für Wildhüter.
「欧米先進国に比べて日本では動物虐待の罪が軽すぎる」という情報が、野良猫殺害事件の度に拡散されてます。では実際はどうなのでしょうか。例えばドイツでは野良猫(無主物、ないし無主物とみなされる非占有犬猫も含む)の殺害に対する、刑事処罰の規定はありません。非占有の犬猫は狩猟法により通年狩猟対象です(ドイツ16州のうちノルトライン=ヴェストファーレン1州のみ野良猫の殺害を行政罰で処罰する規定があります)。狩猟法に則れば、無主物の野良犬猫の殺害は合法です。スイスも同様に、野良猫(無主物、ないし無主物とみなされる非占有猫)は、悪性外来種としてアライグマなどと同様に、通年狩猟駆除が推奨されています。さらに、飼い猫の殺害においても処罰はこれらの国では概して軽いです。スイスで、近隣の庭にいる飼い猫を射殺したハンターの処罰は、略式の600スイスフランの罰金刑でした。
スイスで、近隣の庭にいる飼い猫を射殺したハンターの処罰は600スイスフランの罰金が科された、という事件がありました。日本円に換算すると、約6万8,000円です。スイスの物価が日本の約倍ということを考えれば、日本では、3万円台という感覚です。
その事件を伝えるニュース、Katze «Wuschel» im Garten erschossen: 600 Franken Busse für Jäger 「庭で射殺された『ヴシェル』:ハンターの処罰は600スイスフランの罰金でした」(複数のビデオ有り)。2016年3月14日、から引用します。
Der Strafbefehl gegen den Jäger, der im Oktober eine Katze erschoss, liegt vor.
Die Nachricht hat im Oktober mehr als ein ganzes Dorf schockiert.
In Schupfart erschoss ein Jäger die Katze «Wuschel», als sie sich sonnte – im Garten des Einfamilienhauses der Besitzerfamilie.
Der Jäger hatte die rötliche Katze für einen im Quartier gesuchten Fuchs gehalten und abgedrückt.
Die Staatsanwaltschaft hat den Beschuldigten zu einer bedingten Geldstrafe von 20 Tagessätzen und einer Busse von 600 Franken verurteilt.
Dass er fahrlässig die Würde eines Tiers missachtet und ihm Schaden zugefügt hat (fahrlässige Tierquälerei).
Andererseits, dass er nicht berechtigt ein Haustier ausserhalb des Waldes abgeschossen hat (Widerhandlung gegen das Jagdgesetz).
Fiona Strebel, Mediensprecherin der Staatsanwaltschaft, betont allerdings: «Der Strafbefehl ist nicht rechtskräftig.
10月に猫を射殺したハンターに対する、略式命令が出されています。
そのニュースにより、10月に村全体は大きなショックを受けました。
シュプファルトでは、飼い主の家の庭で飼い猫、ヴシェルが日光浴していたのですが、ハンターが射殺したのです。
ハンターは赤っぽい茶トラの猫を、近くで探していたキツネと思い込んで、銃の引き金を引きました。
検察からは被告のハンターに対して、20日間の保護観察期間と、600スイスフランの略式命令の罰金を求めています。
ハンターは過失により、動物の価値を傷つけ、それを害しました(過失による動物の虐待行為)。
一方では、ハンターは、森林以外(住宅地)で、ペットを射殺することは許されませんでした(狩猟法違反)。
フィオナ・ストレーベル(Fiona Strebel)検察庁広報担当官は、「この略式命令は最終的に決定したものではありません」と強調しています(註 ハンターが控訴すればさらに軽くなる可能性がある)。
スイスのこの事件では先に書いたとおり、住宅地の、飼い主の所有地の庭にいる飼い猫をハンターが射殺し、そのハンターの処罰が略式命令での罰金600スイスフランでした。この罰金額は、日本円に換算すると約6万8,000円です。しかしスイスの物価が日本の約倍ということを考えれば、日本では、3万円台という感覚です。日本人の感覚としてはいかにも軽いという気がします。仮に猫を撃たなかったとしても、住宅地で庭に銃弾を撃ち込まれるのは危険です。日本ではおそらく同様の事件では、自由刑(懲役、禁錮刑)が科されると思います。
日本では、野良猫の殺害事件があるたびに、「日本は動物虐待の罪が欧米と比べて軽すぎる」という意見が噴出しますが、私が知る限り、ドイツ文化圏では動物虐待に対する処罰は日本と比べて概して軽いです。自己所有の飼い犬猫の殺害で、数百ユーロ(日本円で数万円)から1,000ユーロ台(数十万円)です。刑事訴追されないことも多いですし、無罪になることもかなりの頻度であります。他者が所有している動物の殺害ではそれよりはやや重く、例えば、リードにつないで散歩していた犬を射殺した事件では、ハンターは4,000ユーロ(約52万円)の罰金が科されました。
さらに、ドイツ、オーストリア、スイスでは、犬猫(スイスは猫のみ)は人の占有下になければ、動物保護法(Tierschutzgesetz)ではなく、狩猟法(Jagdgesetz)が適用され、通年狩猟対象となります。ドイツ連邦法では、人の占有下にない、野良猫などの殺害そのものを処罰する規定はありません。ドイツの全ての州の内、ノルトライン=ヴェストファーレン州のみが州狩猟法で猫の殺害を禁じていますが、最高で行政罰の過料5,000ユーロ(日本円で約65万円)が課されます。
したがって、野良猫の殺害事件のたびに繰り返される、「日本は動物虐待に対する処罰が軽すぎる」を根拠とする、犯人に対する厳罰署名はまさに正反対であり、署名発起人の無知をさらけ出したものと言えます。それに同調する賛同者やコメント投稿者しかり。広く世論に呼びかけを行うのであれば、根拠とする情報は正確であること、その責任があると私は思います。
(画像)
Katze «Wuschel» im Garten erschossen: 600 Franken Busse für Jäger 「庭で射殺された『ヴシェル』:ハンターの処罰は600スイスフランの罰金でした」のビデオのスクリーンショット。射殺された猫の死体。その他にも、猫の飼い主の家の窓に散弾が当たって割れている様子が写っています。
Jäger in Kritik: Weil Katzen mit Wildtieren verwechselt werden, fordern Tierschützer härtere Gesetze für Wildhüter.
批判にさらされているハンター:猫は野生動物と混同されているので、動物保護活動家は、野生動物を狩猟するハンターに対する厳しい法律を求めています。

(画像)
「ドイツでは野良猫の殺害が懲役10年以上になる」という、抱腹絶倒な情報を拡散しているツイッター。ドイツでは、野良猫(無主物)の殺害が「懲役10年以上になる」どころか、野良猫(無主物)の殺害そのものを刑事処罰する法的根拠がありません。唯一、ノルトライン=ヴェストファーレン州のみが非占有猫(野良猫)の殺害を州狩猟法で禁じていますが、罰則は最高で5,000ユーロ(日本円で約65万円)の行政罰(過料)です。
・Bundesjagdgesetz 「ドイツ連邦狩猟法」
~
ドイツでは、仮にその猫が飼い猫だと認定されたとしても、保護動物の殺害の最高刑は懲役3年までです。
したがって「懲役10年以上」はありえませんし、判例も皆無です。
刑事罰は法定刑が上限だということはどこの国でも普遍的な法理であり、一般常識だと思っていましたが、このツイッターには大変驚きました。
・Strafe
~
Straffestsetzung und Strafmaß
Das Strafmaß(Deutschland: Strafzumessung, Österreich: Strafbemessung) .
Die im Einzelfall schuldangemessene Strafe stellt die absolute Höchstgrenze dar.
Eine Nichtbeachtung der gesetzlichen Vorschriften bei der Strafzumessung kann Revisionsgrund sein.
判決と刑
犯罪と処罰(ドイツおよびオーストリア)。
判決においての処罰可能な刑の上限は、法定刑(=法律で定められた刑)が絶対的な限度です。
刑の判決において、法定が法の要件に違反した場合(=法定刑を超える場合)は、控訴することが可能です。
・Bundesjagdgesetz 「ドイツ連邦狩猟法」
~
23条で、犬猫(非占有)の通年の狩猟駆除を推奨しています。
犬猫の殺害そのものに対する刑事罰は規定されていません。
狩猟免許無資格での犬猫の狩猟(殺害)は、最高で行政罰(過料)5,000ユーロ(日本円で約65万円)。
猫吐爵さん、分かりましたか。お友達のドイツ人弁護士に、このリンクを教えてあげてくださいね。それにしても根拠のないガセネタ情報を鬼の首を取ったように拡散する愛誤な人たちもどうかと思います。それこそが、日本の動物愛護が世界で最も遅れている証拠でしょう。

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