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続・地域猫活動家は損害賠償責任を負うのか~地域猫の管理責任を問う



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Domestic/Inländisch

 記事、
動物愛護管理法の犬猫引取り制限は改悪だったのか~猫被害の増大をもたらした
地域猫活動で野良猫は減少するのか~地域猫の管理責任を問う
続・地域猫活動で野良猫は減少するのか~地域猫の管理責任を問う
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地域猫活動家は損害賠償責任を負うのか~地域猫の管理責任を問う
の続きです。
 前回記事では、野良猫の餌やり行為により、被害が生じたとして餌やり行為者を相手取り、損害賠償を求めた民事訴訟について述べました。前回記事でとりあげた裁判では、被告(餌やり行為者)の一般不法行為(民法709条)を認め、損害賠償の支払いを命じました。では、地域猫活動では、猫による被害が生じた場合は、地域猫活動家は損害を賠償しなければならないのでしょうか。結論から言えば、私は「状況によってはある」と判断します。



 前回記事、地域猫活動家は損害賠償責任を負うのか~地域猫の管理責任を問う、では、野良猫への餌やりにより被害が生じた場合の、餌やり行為者が被害者に対して損害賠償責任を負う法的根拠について述べました。

・一般不法行為
~民法709条に基づく。
餌やり行為者(加害者=被告)の故意・過失と、餌やり行為と被害の因果関係を、猫被害者(原告)が証明しなければならない。

・特殊不法行為
~民法718条に基づく。
餌やり行為者(加害者=被告)が、猫被害の原因となった猫を「占有していた(相当の管理を行っていた)」と民される場合。
猫被害者(原告)は、猫による被害を証明するだけでよく、餌やり行為者(加害者=被告)の故意・過失まで証明する必用はない。
一般不法行為より、猫被害者(原告)に有利。

 では、行政から認められた地域猫活動や、地域猫的な活動(不妊去勢などを行っているが、行政からの認可を得ていない)で猫による被害が生じた場合は、地域猫(「的」も含む)活動家は、法的責任が生じるのでしょうか。「法的責任有り」として、地域猫的活動家に対して、損害賠償の支払いを命じた判決が東京地裁立川支部で確定しています。
 この裁判は、被告の将棋棋士が自己所有の居住しているタウンハウス(区分所有建物)内で、野良猫の餌やりをしていたものです。原告の区分所有建物の所有者らが、被告に対して餌やり行為の差止と、猫被害に対する損害賠償の支払いなどを求めた裁判です。

 判決では、猫被害者(原告)である、餌やり行為者(加害者=被告)に対する請求は、いずれも認められました。つまり、
1、餌やり差止請求(根拠 区分所有法、及び管理規約)
2、猫被害に対する損害賠償の支払い(根拠 民法709条、及び民法718条による一般不法行為、特殊不法行為)
3、弁護士費用の被告の負担(根拠 民事訴訟法)
4、その他遅延損害金など
です。
 なお、「この訴訟は区分所有の集合住宅の管理に特異な問題で、一般の餌やりに関して争われたものではない」という誤った解釈のブログ記事が多数書かれています。上記のとおり、「1、餌やり差止」は区分所有法と管理規約という、区分所有不動産固有の問題ですが、「2、猫被害に対する損害賠償の支払い」は、民法709条、718条を根拠とした不法行為責任の問題です。したがって、「2、猫被害に対する損害賠償の支払い」は、区分所有の集合住宅以外の餌やり被害にも、本判決は準用できると考えられます。
 以下に、本判決文を引用します。平成22年5月13日判決言渡 平成20年(ワ)第2785号 東京地裁立川支部 猫への餌やり禁止等請求事件


主 文
3 原告らの損害賠償請求 被告は,次の各原告に対し,次に記載の各金員及びこれに対する平成20年11 月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(1) 原告A 30万円
(2) 原告A 12万円
(3) 原告A 9万円
(4) 原告A 9万円
(5) 原告A 9万円
(6) 原告A 9万円
(7) 原告A 9万円
(8) 原告A 9万円
(9) 原告A 3万6000円
(10) 原告A 3万6000円
(11) 原告A 12万6000円
(12) 原告A 12万6000円
(13) 原告A 15万6000円
(14) 原告A 9万6000円
(15) 原告A 15万6000円
(16) 原告A 9万6000円
(17) 原告A 12万6000円
(18) 原告A 12万6000円

原告ら及び被告は,建物の区分所有等に関する法律の適用のある本件タウンハウスに居住している。
本件は,本件タウンハウスの一部の区分所有者である被告が複数の猫に継続的に餌やりを行い,糞尿等による被害を生じさせた。
本件タウンハウスの敷地及び被告区分建物内での猫への餌やりの差止めを求めるとともに,原告らが不法行為に基づく慰謝料及び弁護士費用の損害金並びに遅延損害金の支払を求める事案である。
被告は,平成14年5月には,被告専有部分の北側玄関前や被告専用庭で,猫に対して餌やりをするようになり,以後,猫に対する餌やりを継続している。
平成14年5月,本件土地での被告の餌やりに集まってくる猫の数は,少なくとも18匹であった。
平成15年,近隣で猫に対する餌やりを行っていたCが主導して,本件土地に現れる猫に対して不妊去勢手術を施した。
同じく猫に対する餌やりを行っていた被告は,Cからの請求に応じ,その費用の50%程度を負担した
平成19年5月27日,臨時総会で,被告以外の組合員9名全員が出席し,猫の糞尿とそれに伴う悪臭等により多大な迷惑を被っており,被告に対し猫の飼育を中止するよう求めることを決議し,同総会議事録は被告にも回覧された。
平成19年9月19日,原告は,東京都動物愛護相談センター多摩支所に対し,理事長の立場で,被告の猫に対する餌やりについて,禁止等の指導を電話で要請した。
同支所の担当者は,その後数回,被告に対する指導を試みた。
平成19年10月14日,臨時総会で,被告以外の組合員9名全員が出席し,被告の餌やりが継続し,悪質化しているとして,三鷹市長及び三鷹警察署長に対して,事態改善に関する要望書を提出することを決議し,同総会議事録は被告にも回覧された。
同月22日,上記決議に基づき,原告及び被告以外の組合員9名は,三鷹市長及び三鷹警察署長に対し,被告に餌やりの中止を勧告することを求める要請書を郵送した。
これに対し,被告は,解決策として里親を探 し,里親が見つかるまでの間,猫の糞尿被害を軽減するための策を講じさせてもら いたいことを書面で回答した。
猫の飼育及び猫の数 
平成19年現在,被告の餌やり行為により本件土地に現れる猫は,白黒の猫1匹, 焦げ茶色の猫1匹,黄色と茶色の猫2匹の合計4匹である。
本件土地では,原告らが写真による記録化を開始した平成19年12月以後においても,通路や専用庭に,被告が餌やりをしている猫によって数多くの糞がされている状況にある。
自動車また,本件土地に現れる猫が,本件土地の駐車場に駐車してある原告の自動車の屋根やボンネット,他の居住者のバイクに上がることによって,自動車等に傷が付くなどの被害が生じている。
猫の抜け毛が玄関先等の吹きだまりに集まり,不衛生な状態となる被害が生じている。
猫のうなり声がしたり,夜間などは,猫の眼光の薄気味悪さから,恐怖感 を感じる。
不妊去勢手術を受けた猫においては, このようなことが少なくなるから,不妊手術がされた平成15年以降については,うなり声等による被害は,格段に減少していると推認 される。
専用庭に飛び降りて侵入してくる猫により,庭木や植木鉢等が壊されたりする被害が生じている。
本件土地に現れる猫が専用庭に侵入したり,糞をしないように,個人原告らは,各専用庭の周りにネットフェンスを設置したり,猫除けセンサーを設置したり,棘付きマットを敷いたりなどの対策を採り,そのための費用を支出して いる。
設置したネットフェンス等も,猫により破損されている。
本件土地に現れる猫の数が最も多かったのが平成14年であり,その後猫の数が減少している。
被告は,本件土地に現れる猫に対して,不妊去勢手術を受けさせ,その費用を負担した。
被告は,平成19年11月から,被告専用庭や被告専有部分の北側玄関付近に最大時で4個の猫用のトイレを設置し現在は2個を被告専用庭に設置し2日に1回程度砂を取り替えている。
被告は平成19年11月から,1日に数回,本件土地のパトロールを行 い,発見した動物の糞を清掃している。
被告は,猫が近寄らないようにするための装置を複数購入して,原告らの 一部に配布したことがある。
被告は,里親探しに努めてきたと主張する。
現時点での猫4匹の屋外飼育は,個人原告らの人格権を侵害し, 以前の屋外での猫への餌やり行為も,飼育の程度に達していないものを含め,個人原告らの人格権を侵害するものであったと認められる。
確かに,猫の数は,被告も費用を負担した不妊去勢手術の効果として,4匹にま で減少し,個人原告らが被っていた各種被害も減少,不妊去勢手術の効果,猫のトイレの設置及び被告による猫の糞のパトロールにより減少しているものでありしかもこれらの被告の行動は猫の一代限りの命を尊重し,餌やりの工夫や猫のトイレの設置により被害を減少さ せるよう努めながら,数年かけて野良猫の総数を減らしていこうという地域猫活動の趣旨に,一定程度沿ったものであることは認められる。
地域猫活動で重要といわれている糞のパトロール及び猫用のトイレの設置を 開始したものの被告が行っている4匹の猫への餌やりは,住みかまで提供する飼育の域に達しているのにトイレの配慮が十分でなく,糞のパトロールの回数も不十分であることに加え,餌やりの点でも,風で飛んでしまう可能性のある新聞紙等を使用する方法や餌やり終了後の始末が遅い点で更に改善を要する点があるなど,猫への餌やりによる個人原告らに対する被害は依然として続いているものであり,現時点での活動であっても,受忍限度を超え,個人原告らの人格権を侵害するものと認められる。
被告の餌やり行為は,現在に至るまで,受忍限度を超える違法なものであり,故意過失に欠けるところもないと認められる。
よって,被告は,個人原告らに対し,上記不法行為によって生じた損害を 賠償する義務がある。
他方被告の行動が,地域猫活動の理念に沿うものになってきたこと並びに被害の程度が減少してきたことも,併せ考慮すべきである。



 引用が長くなりましたが、上記判決文からは、以下のことが伺えます。
1、被告は、野良猫の餌やりを行うことと同時に、地域猫的な活動を行っていた(不妊去勢、猫の譲渡、糞掃除など)。
2、地域猫的活動により、餌やりを始めた当初の18匹から、猫は4匹まで減少した。
3、しかし裁判所は、被告の不法行為責任を認め、原告らに総額200万円あまりの損害賠償の支払いを命じた。


 本件では、「地域猫的な活動」、つまり「不妊去勢」、「譲渡先探し」、「糞掃除」、「糞尿被害者のための猫被害予防対策」をし、実際に猫の数と被害も餌やりを始めた当初よりも減少しました。しかし猫による被害があれば、不法行為責任(猫被害者に損害を賠償する義務)は、餌やり行為者は逃れられないということです。また裁判所は、一部の猫に対して被告が、「猫ハウス」などを設置していることなどから、「飼育の域に達していた」と認定し、不法行為の成立の根拠として、民法718条(動物の占有者による不法行為)を援用したとも理解できます。
 「地域猫的活動」、つまり「不妊去勢」、「譲渡先探し」、「糞掃除」、「糞尿被害者のための猫被害予防対策」さえしていれば、餌やりは許容される(つまり損害賠償責任は負わない)と主張する、単なる思い込みに基づいたブログ記事や、そのような情報の流布があります。しかし本判決を鑑みれば、全く逆ということ言えます。むしろ、不妊去勢などの高度な管理を猫に対して行うことにより、民法718条に基づく、特殊不法行為が成立し、訴訟においては猫被害者である原告に有利になると言えるのです。次回以降の記事では、「行政が認めた認可地域猫」において猫被害者生じた場合は不法行為が成立するのか(地域猫活動家は猫被害者に対して損害を賠償する義務を負うのか)について考察します。


(参考資料)

加藤一二三

2008年12月、自宅マンションそばで野良猫を餌付けしたため、糞尿をまき散らされるなどの被害を受けたとして、マンションの他の住人や管理組合から、餌やり中止と慰謝料など約645万円の賠償を求める訴訟を起こされた。
2010年5月13日、東京地裁は原告の訴えを認め、加藤に餌付け中止と慰謝料204万円の支払いを命じた。
加藤自身は以前から、周辺住人の協力によらず、ほぼ一人で避妊や去勢手術を漸次施しているため、現在では4匹前後にまで野良猫は減っていたと報道されている。



(動画)

 【加藤一二三伝説③】猫が好きすぎて・・・。2015/05/27 に公開。

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さんかくたまご

Author:さんかくたまご
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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