TNRマネジメントにより発疹チフスが流行したアメリカの事例~野良猫は公衆衛生上の脅威である


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(Summary)
Typhus became epidemic in some counties in California between 2012 and 2015.
The county mobilized police officers and captured the stray cat,and those cats were euthanized.
The organization that was conducting TNR management was criminal prosecuted.
In addition, Disneyland in Los Angeles euthanized all the cats in the park in 2015.
記事、
・野良猫に咬まれて感染症で死亡した女性~野良猫は公衆衛生上の脅威である、
・アメリカ連邦政府機関(CDC)はTNRに反対した~野良猫は公衆衛生上の脅威である、
の続きです。これらの記事では、日本における主にダニが媒介する感染症の、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染した猫から人が感染し、死亡した例を取り上げました。またCDC(アメリカ連邦政府疾病予防管理センター)が、感染症のリスクが高まるなどという理由で、TNRマネジメントに反対していることを書きました。今回は、TNRマネジメントにより、発疹チフスという重大な感染症が流行した、アメリカ、カリフォルニア州の自治体の事例を取り上げます。
2012年~2015年頃に、アメリカのカリフォルニア州の複数の自治体では、発疹チフスが流行しました。発疹チフスはノミが媒介します。カリフォルニア州での発疹チフス流行の原因は、野良猫やTNR猫がノミを広く拡散したこととされています。
発疹チフスが発生した各自治体は、警察官まで動員して野良猫やTNR猫を捕獲し、殺処分することにより発疹チフスを収束させました。TNRマネジメントを行っていた団体は刑事訴追されました。各自治体は、野良猫への給餌を例外なく(私有地内であっても、TNRであっても)刑事罰で禁じる条例を制定しました。
以上についての、私の記事です。ソースは、各記事にリンクしてあります。
・アメリカでのTNRは、人への発疹チフス感染をもたらした
・「TNRは公的殺処分を減らす」と言う大嘘
・TNRのあまりにも悲惨な結末~オレンジカウンティーの発疹チフス流行
・TNRにより発疹チフスを拡大させた団体は刑事訴追に直面している~アメリカ、カリフォルニア州オレンジカウンティー
なお、発疹チフス流行地に位置するカリフォルニア州のディズニーランドは、2015年に園内に生息する猫をすべて捕獲し、安楽死処分しました。ディズニーランドは、2008年にカリフォルニア州行政裁判所から園内のTNR活動と給餌の停止を命じられましたが、判決後も閉園後の夜中にこっそりと続けられていました。
近辺の発疹チフス流行により来園者の安全を確保するためと、周辺自治体での野良猫への例外のない給餌禁止条例の制定と、TNR活動の禁止の影響があったと思われます。なお、日本のメディアの一部は、カリフォルニア州のディズニーランド園内のTNR活動と給餌を「素晴らしいアメリカのTNRの成功例」と報じているものがあります。しかしそれは、全く事実に反する大嘘です。また現在でも、「カリフォルニア州のディズニーランドでTNR活動が行われている」との報道や、動画公開がありますが、それも大嘘です。2015年にカリフォルニア州ディズニーランド内の猫をすべて安楽死した後は、カリフォルニア州ディズニーランド内ではTNRマネジメントも野良猫への給餌も行われていません。
以上についての、私の記事です。ソースは、各記事にリンクしてあります。
・「海外の素晴らしいTNRの成功例」の真実~アメリカ、ディズニーランド
・続・「海外の素晴らしいTNRの成功例」の真実~アメリカ、ディズニーランド
・続々・「海外の素晴らしいTNRの成功例」の真実~アメリカ、ディズニーランド
今回の連載で取り上げている、主にダニから感染する致死的な感染症、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)以下、SFTSと記述します」が猫から人に感染し、死亡した日本の症例ですが、感染者数が増えたならば、まさにカリフォルニア州の発疹チフス流行と類似のケースとなります。SFTAは主にダニが宿主で、多くはダニに噛まれることにより感染します。感染した哺乳類から人が感染するケースもあります。一方発疹チフスは、ノミが宿主で、発疹チフスに感染したノミに人が刺されることにより、感染します。ダニもノミも、屋外を徘徊する猫に好んで寄生するという共通点があります。
発疹チフスもSFTSも、TNRマネジメント(地域猫活動)により猫に給餌を行えば、猫の生息密度が高まり、ダニ、ノミの猫間の移動が容易となり、猫の感染が促進されます。TNRマネジメントにより給餌などを行えば、人と猫が密着することとなり、猫についたダニ、ノミ、もしくは猫から直接人が感染するリスクが高まります。また、TNRマネジメント(地域猫活動)により人馴れした猫は容易に人の生活圏に入り込み、ノミ、ダニを拡散させて、TNRマネジメント(地域猫活動)をしていない人にも感染症のリスクを高めます。
SFTSは、日本で2013年に初めて感染が確認されて以降、既に266名が感染し、57名がなくなっています。また致死率は30%と高い感染症です。重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSウイルス)は、日本全国の調査では、5-15%のマダニが保有しており、愛媛県ではウイルス保有率は6 - 31%です。けして珍しいウイルスではありません。かなりマダニの保有率が高いですし、むしろありきたりなウイルスといっても差し支えないのです。今後、さらにダニのウイルス保有率が上がることも考えられます。
つまり現在の日本は、SFTAの人感染は、いつ流行しても不思議ではない状態にあると言っても良いのです。そのような状況で、行政が所有者不明猫の引き取り(動物愛護管理法35条3項の行政の義務規定)を拒否し、野良猫の温存、むしろ野良猫の増殖に寄与する地域猫活動を推進するのは、公衆衛生の面では極めて危険です。
次回記事では、「行政が所有者不明猫の引き取り(動物愛護管理法35条3項の行政の義務規定)を拒否し」、「野良猫温存、むしろ野良猫の増殖に寄与する地域猫制度を推進する」ことにより、それが原因となって、SFTSなどの感染症が流行した場合の、行政の法的な責任について考察します。結論から言えば、私は仮にそのような状況でSFTAなどの感染症が野良猫、地域猫が原因で流行し、重症患者や死亡者がでたとしたら、私は行政の作為義務違反を問うことができると考えます。
アメリカ、カリフォルニア州のオレンジ郡では、TNR猫が発疹チフスの流行の原因となったとして、TNR活動団体が刑事訴追されました。そのTNR活動団体は、行政の、TNR活動の停止を求める勧告を無視してTNR活動を強行していたのです。また発疹チフスが発生したカリフォルニア州の自治体は、積極的に野良猫、TNR猫を捕獲していました。ですから私は、自治体の法的責任は問われなかったのだろうと分析しています。
(画像)
2012年に、オレンジカウンティーのサンタアナ街区の中学生らが発疹チフスに感染しました。原因となる野良猫のゼロ化~根絶する、との方針を受けて、野良猫捕獲作業をする警察官ら。捕獲された野良猫は全て安楽死させられ、猫に寄生していたノミはチフス検査が行われました。Santa Ana on alert for typhus「サンタアナは、チフスに対して警告をしている」。2012年5月30日。
City officials zeroed in on two schools in Smith's densely packed neighborhood and set a dozen traps to catch feral cats that might carry disease-bearing fleas.
市当局は、スミスの人口密集地内の2つの学校に、チフスに感染したノミをもたらす可能性がある野良猫をゼロにするために、野良猫を捕獲する1ダースの罠を設置します。

(動画)
ディズニーランドに住み着いたニャンコたち / 推定200匹が “勤務中”。2014年11月24日公開。いまだにカリフォルニア州のディズニーランド園内では猫のTNR活動が行われており、「TNRの素晴らしい成功例。カリフォルニア州のディズニーランドは猫の楽園」との嘘情報が拡散されています。
しかし、真実は次のとおりです。カリフォルニア州のディズニーランドの猫TNR活動は、2008年にカリフォルニア州行政裁判所により停止命令が出されていました。それにもかかわらず違法に続けられていたのです。さらに周辺自治体で、TNR猫が原因とされる発疹チフスが流行し、例外のない野良猫への給餌を刑事罰で禁じる条例が制定されました。ディズニーランドは、来場者の安全のためなどにより、2015年に園内の猫をすべて殺処分しました。
ネズミの国だけに?アメリカのディズニーランドに住みついた野良猫たちとそのサイドストーリー。2014年11月23日。
追記:2015年10月02日
現在、アナハイムは 猫が原因とみられる皮膚疾患が確認されたため、TNR(野良猫を捕獲して去勢・避妊ご元の場所に戻す)と餌やりが禁止されたそうだ。
違反すると罰金及び禁固刑となり、 ディズニーランドの猫は全頭根絶されることとなったようだ。
・If Animals Could Talk About the Orange County Animal Shelter 「オレンジ・カウンティー・アニマル・シェルター:施設、機能と今後についてもし動物が話すことができれば」
GRAND JURY 2014-2015
EXECUTIVE SUMMARY The 2014-2015
Orange County Grand Jury found that the Orange County Animal Shelter has serious problems that have needed attention for many years.
Additional information has led the Orange County Grand Jury to investigate concerns regarding feral cat policies, and allegations of criminal behavior.
This investigation determined that there are potential problems with preventing zoonotic diseases that can be passed between animals and humans.
Typhus is an infectious disease caused by bacteria of Rickettsia transmitted by fleas.
No vaccine is available for preventing the infection .
The Feral Free Program is also known as a trap-neuter-return (TNR) program.
The feral cats are trapped or apprehended and brought to the Animal Shelter where they are micro-chipped, vaccinated, neutered, and then returned to the areas from which they were taken.
OC Animal Care implemented the Feral Free Program in 2013.
In 2014, OC Animal Care released 1,705 neutered and micro-chipped feral cats back into the communities .
Opponents of the program, including the Orange County Vector Control District , question its effectiveness.
Vector Control is the agency that protects the public from vector-borne diseases spread by public health pests.
Vector Control’s major concern is that released feral cats could easily become hosts to flea-borne typhus, a bacterial disease found in fleas and transmitted to humans by a bite .
Due to the presence of feral cats at the Animal Shelter and at nearby Theo Lacy Jail and Juvenile Hall facilities, at least one illness has been reported that was attributed to fleas from feral cats.
As a consequence of the illness, Vector Control conducted an investigation, citing the fact that there was a noticeable presence of feral cats at the Animal Shelter property.
Vector Control had issued multiple previous warnings to OC Animal Care regarding flea-borne typhus exposure risks at the Animal Shelter and adjoining properties, including Theo Lacy Jail and the Orangewood Children’s home.
The OC Health Care Agency has asked that OC Animal Care comply with Vector Control’s recommendation .
That it conduct a California Environmental Quality Act review of the Feral Free Program in order to address the public health risk of flea-borne typhus and the legal liabilities posed by the release of these cats in areas where the disease is endemic.
OC Animal Care chose not to comply with Vector Control’s recommendations .
Independent investigations have confirmed that current conditions at the Animal Shelter could pose a risk to public health.
The Vector Control personnel requested that the Animal Shelter notify them of the areas in which they were releasing the feral cats so those neighborhoods could be monitored for the flea borne typhus, but the Animal Shelter personnel refused to do so .
Vector Control representatives stated that the Feral Free Program could possibly contribute to the spread of typhus in Orange County , as currently administered, violates the CEQA and the Clean Water Act.
Vector Control believes that a program returning feral cats into other areas should have a CEQA review to determine if it would adversely impact the environment.
Potential Criminal Behavior and Other Serious Concerns During the investigation, serious allegations of criminal behavior and other serious matters were brought to the attention.
Since the OCGJ is not authorized to investigate criminal activity in a civil report, those complaints of a criminal nature were referred to the District Attorney’s Office for investigation.
In accordance with California Penal Code sections 933 and 933.05, the 2014- 2015 Grand Jury requires responses from each agency affected by the findings presented in this section.
The responses are to be submitted to the Presiding Judge of the Superior Court.
Feral cats have been allowed to roam freely in and around the Animal Shelter and have been fed by Animal Shelter staff, possibly contributing to human and animal exposure to zoonotic diseases.
There is little evidence that the Feral Free Program has been successful in reducing the feral cat population, which could be a contributing factor to the spread of zoonotic diseases.
Orange County Grand Jury makes the following recommendations.
Discontinue feeding feral cats and allowing feral cats to roam freely in and around the Animal Shelter.
Conduct an evaluation of the Feral Free Program to determine its effectiveness in the reduction of zoonotic diseases.
オレンジカウンティー大陪審2014ー2015年
執行役員による要約書
オレンジカウンティー大陪審は、オレンジカウンティーのアニマルシェルターが、長年にわたって注意を必要としている深刻な問題を抱えていることを理解しました。
その他の(オレンジカウンティーのアニマルシェルターに関する)情報は、野良猫政策に関しては犯罪行為であるとの懸念、そしてそれが犯罪行為であるとの疑念を調査するために、オレンジカウンティー大陪審を導いてきました。
この調査によりオレンジカウンティー大陪審は、動物と人間の間で感染することが可能な人獣共通感染症を予防することに関して、(オレンジカウンティーのアニマルシェルターに)潜在的な問題があると判断しました。
発疹チフスは、ノミによって感染させられた、リケッチア属の細菌によって発症する感染症です。
ワクチンは、発疹チフス感染を予防するためには、用いることが可能ではありません。
自由に野良猫を徘徊させるプログラムは、トラップ中性化リターン(TNR)プログラムとして知られています。
野良猫はわななどで捕獲され、マイクロチップをオレンジカウンティー・アニマルシェルターにより施術され、さらにワクチン接種、去勢された後に、野良猫が捕獲された元の地域にリリースされていました。
オレンジカウンティー・アニマルケア(オレンジカウンティー・アニマルシェルターの内部組織)は、2013年に野良猫を自由に徘徊させるプログラム(TNR)を1705匹に対して実施しました。
2014年には、オレンジカウンティー・アニマルケアは、近隣の地域に、去勢し、マイクロチップを施術した野良猫をリリースしました。
TNRに反対する、オレンジカウンティ・ヴェクターコントロール支部は、その有効性を疑問視していました。
ヴェクターコントロールとは、公衆衛生上、病原菌を媒介する動物、つまり有害生物による疾患から国民を守るための機関です。
ヴェクターコントロールの主な関心は、リリースされた野良猫がたやすくノミを媒介する、ノミで見つかった細菌性疾患の原因であるチフス菌の中間宿主になること、そしてそのノミに噛まれることによって人がチフスに伝染する可能性があることです。
アニマルシェルターの近くのテオ・レイシー刑務所や青少年施設のうち少なくともひとつの症例は、野良猫の存在~その野良猫に寄生したノミが原因であったと報告されています。
発疹チフスの発生を受けて、ヴェクターコントロールは、アニマルシェルターの施設で、野良猫の存在が目立っていたという事実を理由に調査を行いました。
ヴェクターコントロールは、アニマルシェルターの敷地に隣接する施設、テオ・レイシー刑務所とオレンジウッド・チルドレンホームを含めてですが、アニマルシェルターがノミをもたらし、チフス菌に接触するリスクがあることの警告を以前から行っていました。
オレンジカウンティー・ヘルスケア・エージェンシーは、ヴェクターコントロールの勧告に従うことを求めています。
それは、ノミが媒介するチフスの公衆衛生上のリスクに対処するために、野良猫を自由に徘徊させるプログラムを、カリフォルニア州環境基準法に基づき見直しを行うこと、および病気が流行している地域での、チフスに感染したノミが寄生した猫のリリースを行うことは法的責任が生じるということです。
オレンジカウンティー・アニマルケアは、ヴェクターコントロールの勧告に従わないことを選びました。
独立した調査においては、アニマルシェルターでの現在の状況は、公衆衛生に危険をもたらす可能性があることが確認されています。
ヴェクターコントロールの担当者は、これらの地域でアニマルシェルターが、ノミが媒介するチフスに対して監視することが可能であるために、野良猫をリリースしたエリアを報告することを要求しました。
しかし、アニマルのシェルターの担当者はそれを拒否しました。
ヴェクターコントロールの担当者は、現在行われている野良猫を自由に徘徊させるプログラム(TNR)は、おそらくオレンジカウンティーのチフスの拡大に寄与する可能性があり、カリフォルニア州環境基準法と水質汚染防止法に違反すると述べました。
ヴェクターコントロールは、アニマルシェルターの施設外のエリアに野良猫をリリースするプログラムは、環境に悪影響を及ぼすかどうかを決定するために、カリフォルニア環境基準法の事前調査を行うべきだと考えています。
(TNRを行っているアニマルシェルターの)潜在的な犯罪行為、調査中の他の深刻な懸念や犯罪行為、その他の重大かつ深刻な問題があると注目されました。
オレンジカウンティー大陪審は一般市民による報告ですので、犯罪行為を調査するための権限はありません、犯罪性のある訴追として調査するように、地方検察庁に申し立てがなされました。
カリフォルニア州刑法の933節及び933.05節により、2014ー2015年の大陪審は、これらの条文に基づいた調査によって、各機関に対して回答を要求します。
回答は、上級裁判所の裁判長に提出しなければなりません。
野良猫は、アニマルシェルター内部や周辺を自由に移動することが許されており、場合によっては人への人獣共通感染症の暴露に寄与します、さらにはアニマルシェルターのスタッフによって給餌されています。
野良猫を自由に徘徊させるプログラム(TNR)は、人獣共通感染症の拡大に貢献する要因となる野良猫集団を減らすのに成功したとする証拠はほとんどありません。
オレンジカウンティー大陪審は、以下の勧告を行います。
野良猫に給餌することと、野良猫がアニマルシェルターの周辺を自由に移動できるようにしていること(TNR)を中止すること。
人獣共通感染症が減少するかどうかで、(TNRの)有効性を判定し、野良猫を自由に徘徊させるプログラム(TNR)の評価を行うこと。
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