野良猫抑制策はTNRだけという政策が招いた悲劇~なぜイギリスは猫の大量虐殺事件が多いのか



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(Summary)
You cannot or should not attempt shoot feral cats in the UK.
Looking at the law, the overarching law regarding animal welfare in the UK is the Animal Welfare Act 2006 (the Act).
The Act does protect animals under the control of man even when that control is temporary.
Animal Welfare Act 2006


 記事、
なぜイギリスは猫の大量虐殺事件が多いのか
TNRの普及(?)で野良猫が異常に多いイギリス~なぜイギリスは猫の大量虐殺事件が多いのか
の続きです。これらの記事では、イギリスでは、「1、イギリスでは他の欧米先進国に比べて猫の大量虐殺事件が多い」ことを述べました。そしてその理由として、「2、イギリスはTNRの普及(?)により猫が異常に多く野良猫被害が多い」、「3、しかしイギリスでは法律で野良猫の駆除ができす、猫被害者は自力救済で非合法に私的に殺害駆除せざるを得ない」との、私の推測を述べました。今回は、「3、」についての根拠とソースを挙げます。



 まずイギリスにおける、野良猫(と思われる人の占有下にない猫。放し飼い猫も含まれる)に関する狩猟法などでの扱いを述べます。結論から言えば、イギリスの狩猟法においては、野良猫(と思われる人の占有下にない猫。放し飼い猫も含まれる)の狩猟は、厳格に解釈すれば禁止されています。イギリスのQ&Aサイトから引用します。
 Can You Shoot Feral Cats in the UK? 「イギリスでは野良猫を射殺することができるでしょうか?」。2017年2月27日。


Can You Shoot Feral Cats in the UK?
This is a complicated area.
It is hard to arrive at a clear cut conclusion. The major reason for this is because it is difficult to describe with complete certainty a cat as a “feral cat”.
An outside cat may be someone’s domestic cat.
He may be a stray cat, betwixt-and- between domestic and feral.
This is a grey area.
The law concerning domestic cats (someone’s pet) is obviously different to the law concerning true feral cats, which are wild animals.
Once again the trouble here is that there are different degrees of wildness in feral cats.
This, alone, is almost enough to state with some certainty that you cannot or should not attempt shoot feral cats in the UK.
Looking at the law, the overarching law regarding animal welfare in the UK is the Animal Welfare Act 2006 (the Act).
The act does not protect an animal living in a wild state.
However, the Act does protect animals under the control of man even when that control is temporary.
People engaged in trap-neuter-return (TNR) programs of feral cats have to be regarded as being in temporary control.
Can you therefore treat feral cats as pests and nuisances and justify shooting them under this criteria?

イギリスでは野良猫を射殺することができるでしょうか?
これは複雑な領域です。
明確な結論に達することは困難です。
その主な理由は、ある猫を「野良猫」として完全に確信を持って説明することが困難であることです。
屋外にいる猫は、誰かの飼い猫かもしれません。
その猫は、飼い猫かもしれませんし、飼い猫と野良猫の中間の、どちらでもないかもしれません。
これは、グレーな領域です。
飼い猫(誰かのペット)に関する法律は、野生動物として扱われる、真の野良猫に関する法律とは明らかに異なっています。
野良猫の野生化の程度の差にでもまた、トラブルがありました。
ほとんど完全に確実で(その猫が野良猫であるという)状態でなければ、あなたはイギリスで野良猫をを射殺することができないか、それを試みるべきではありません。
法律を見るとすれば、イギリスの動物福祉についての包括的な法律は、the Animal Welfare Act 2006 (the Act)「動物福祉法2006(ACT)」です。
この法律は、野生の状態にある動物を保護するものではありません。
しかしながらこの法律では、その動物に対する管理が一時的であっても、人間の管理下にある動物を保護しています。
野良猫のトラップ・中性化・リターン(TNR)のプログラムに携わっている人々は、一時的にでも野良猫を管理しているとみなすことがあります。
結論として、野良猫を害獣や迷惑なものとして扱い、この基準のもとで射殺することを正当化することができるでしょうか?



 次にイギリスの、Animal Welfare Act 2006 (the Act) 「動物福祉法2006(ACT)」の、該当する条文を引用します。


Section 2. “Protected animal”
An animal is a “protected animal” for the purposes of this Act if—
(a)it is of a kind which is commonly domesticated in the British Islands,
(b)it is under the control of man whether on a permanent or temporary basis, or
(c)it is not living in a wild state.

第2節 「本法で保護される動物」
仮に以下の条件であれば、当該動物は、本法の目的とする「保護される動物」です。
(a)一般的に、イギリス諸島で飼育されている種類のすべてであり、
(b)永続的または一時的に人により管理下に有り、または、
(c)それが野生状態で生きていないもの。



 私がイギリスの、Animal Welfare Act 2006 (the Act) 「動物福祉法2006(ACT)」を読んで真っ先に思ったことは、日本の動物愛護管理法と鳥獣保護狩猟適正化法による、猫の扱いです。日本の鳥獣保護狩猟適正化法では、ノネコ(イエネコ種が完全に野生化したもの)は狩猟対象ですが、同種の野良猫(人の占有下にはないが、給餌を受けたりして人に依存している)は動物愛護管理法上では保護対象です。その区分が曖昧で、実際問題、ノネコ、野良猫は動物愛護管理法が拡大解釈されて狩猟駆除ができません。「猫」の法律上の扱いはイギリスと日本はよく似ています。
 対してドイツ、オーストリア、スイスでは、野生化したとみなされる猫は、狩猟法(Jagdgesetz)では通年狩猟対象です。積極的な狩猟駆除を求めています。「野生化したか否か」については、「現に人の占有下にあるか否か」であり、占有下になければ野生化したとみなされて狩猟駆除が合法です。さらにドイツでは、動物保護法(Bundesjagdgesetz)に、「本法(動物保護法)と狩猟法が対立する場合は狩猟法が優越する」と条文に明記してあります。したがって、ドイツ、オーストリア、スイスでは、野良猫(放し飼い猫も)は、合法的に狩猟対象となります。アメリカは州によりかなり法律が異なりますが、猫の狩猟が合法的な州もあります。猫の狩猟を禁じている州であっても、私有地内での被害防止のためであるならば、野良猫(放し飼い猫も)の殺害駆除は合法です。

 さらにイギリスでは、行政が野良猫の捕獲や引取りをしません(徘徊犬ではあります。*1)。対してアメリカなどでは、野良猫による被害を訴えれば、行政組織のアニマル・コントロールが野良猫を捕獲します。つまりイギリスでは、野良猫の個体数抑制策が、TNRマネジメント一択なのです。
 私は、それが異常なほどのイギリスにおける野良猫増殖の原因と推測しています。そしてあまりに増えた野良猫は人社会に深刻な被害を及ぼし、猫被害者はやむなく自力救済で、違法な殺害駆除を行うのでなないかと思います。ですから、イギリスでは他の先進国に比べて極めて、不凍液による猫殺害や、刃物での大量殺害が多いのではないかと。
 
 日本は、イギリス型の野良猫の数の抑制策になりつつあります。行政の、動物愛護管理法35条3項の「所有者不明犬猫の引取り義務」ですが、窓口で事実上の拒否が横行しています。そしてこれほど効果に疑問がある、地域猫政策を新規に採用している自治体が増えています。
 野良猫の数の抑制策は、「1、ドイツ型~人の占有下にない猫は狩猟駆除で殺処分する」、「2、イギリス型~TNRマネジメントのみで、猫の狩猟駆除は禁止。行政も引き取らない。そのために野良猫が激増し、違法に猫が大量虐殺される傾向がある」、「3、日本型~事実上猫の狩猟駆除は禁止だが、所有者不明猫は一般人が捕獲すれば行政が引き取る義務がある」、などがあります。
 日本は、「3、」から、イギリス型の「2、」に移行しつつあるように思います。しかし「2、」のイギリス型は、野良猫の増殖抑制に失敗し、異常なほど野良猫が増えました。また、野良猫(放し飼い猫を含む)の違法な虐殺事件が多発し、社会不安を招いています。私は「3、」の日本型は、悪い制度ではないと思います。「2、」のイギリス型の違法な殺害や「1、」のドイツ型の射殺より、二酸化炭素死は苦痛が少なく人道的です。また狩猟事故もなく、死体放置もないために衛生的です。日本の保健所引取りシステムは、世界的にも優れた制度だと思います。


(動画)

 Can social media help catch the UK cat killer? - BBC Trending 「ソーシャルメディアはイギリスのキャット・キラーを捕まえることができるでしょうか? - BBCトレンド」。2016年11月16日公開。
 現在イギリスでは、M25キャットキラーと言う、猫連続殺害犯が多数の猫を殺害し、首を切断したなどの猫の死体を人目に晒しています。現在250体以上の死体が発見されていますが、犯人逮捕に至っていません。イギリスは野良猫の狩猟駆除が法律で禁止されますが、実際問題野良猫は殺害されて犯人逮捕はまれです。ドイツ、オーストリア、スイスでは、野良猫(と思われる放し飼い猫も含む)の狩猟駆除は完全に合法なので、ニュースにすらなりません。




(資料)

Environmental Protection Act 1990 「イギリス環境保護法 1990」。

 149条~150条。イギリスの徘徊犬の扱いに関して規定があります。自治体は、徘徊犬を捕獲し、7日間保管しなくてはなりません。飼い主の求めがあれば返還します。また、傷病、攻撃性などの理由があれば、安楽死処置が行われます。
 イギリスにおいては、猫に関しては同様の規定はありません。イギリスでは、徘徊猫(野良猫、放し飼い猫)は、行政は引き取る制度はありません。
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非公開コメント

イギリスの野良猫に対する政策がこのような状況とは知りませんでした。
愛誤な方々の「先進国のイギリスは~」が始まりそうですね(笑)

このイギリス型の対応で野良猫が増えているとありますが、それは間違い無いのでしょうか。
本当に増えているのであれば、「TNRは効果なし。殺処分へ」となりそうですが…。
また野良猫増加に合わせて被害も苛烈になるので、法改正の議論が沸き起こると思います。
何にしても日本の行く末でしょうから、非常に興味深いです。

Re: タイトルなし

へなころ 様、コメントありがとうございます。

> イギリスの野良猫に対する政策がこのような状況とは知りませんでした。
> 愛誤な方々の「先進国のイギリスは~」が始まりそうですね(笑)

法律を厳格に解釈すれば、イギリスはドイツやスイス、オーストリアと異なり、野良猫でも狩猟が禁じられると解釈できます。
日本ではノネコは狩猟法では狩猟対象ですが、動物愛護管理法を拡大解釈して実際にはノネコを狩猟駆除することはほぼ行われていません。
日本はイギリス型に近いと言えますが、イギリスのBBSなどを読めば、「農場では野良猫駆除が行われている。『(有害獣の)ウサギ狩り』と称して、農場主はハンターを敷地内に招き入れて野良猫駆除を行っている」とあります。
どうやら、故意ではなく過失で、野良猫をウサギと間違えて撃った場合は犯罪にはならない?ようです。
いずれにしてもグレーゾーンのようですが。


> このイギリス型の対応で野良猫が増えているとありますが、それは間違い無いのでしょうか。

アメリカのメディアの記事、
https://www.adn.com/voices/commentary/2016/05/25/alaska-is-no-place-for-feral-cat-colonies/
には、次のような記述があります。

TNR was invented in England.
It doesn't reduce feral cat populations.
Despite half a century of TNR, England's feral population has almost doubled — from 4.1 million in 1965 to 7.9 million in 2014.
TNRはイギリスで発明されました。
野良猫の個体数は減少しませんでした。
半世紀の期間、TNR(マネジメント)活動を行ったにもかかわらず、イギリスの野良猫の数は、1965年の410万匹から2014年の790万匹にほぼ倍増しています。

出典が不明なので、折々ライターの方に、出典をメールでお尋ねしようと思います。


> 本当に増えているのであれば、「TNRは効果なし。殺処分へ」となりそうですが…。

マクロではなくミクロレベルでは、日本の地域猫活動では野良猫が激増しているところが大半です。
しかし「地域猫はやめて殺処分せよ」にはなりませんね。
それと同じことだと思います。
野良猫偏愛者は理屈ではなく、感情ですから。


> また野良猫増加に合わせて被害も苛烈になるので、法改正の議論が沸き起こると思います。
> 何にしても日本の行く末でしょうから、非常に興味深いです。

イギリスでは、例外のない野良猫給餌禁止(つまりTNRの禁止)の条例を制定した自治体が、ごく最近で出現し始めています。
TNRへの批判、効果がない、給餌は禁止すべきという論評はイギリスでも多いです。

さんかくたまご様

ソース付きのご丁寧なお返事ありがとうございます。
結構、日本に近くて驚きました。(こんなアホ臭い日本に近くて、イギリス、大丈夫か?(笑))

興味深いので続きの記事も楽しみにしております。

Re: タイトルなし

へなころ 様

> 結構、日本に近くて驚きました。(こんなアホ臭い日本に近くて、イギリス、大丈夫か?(笑))

ええ、イギリスの野良猫対策は日本に似ています。
世界で日本以外で、希少生物生息地でTNRをしている、多分唯一の国です(愛誤が喜びますのでこちらでは記事にしていません)。
日本がイギリスより少しだけマシなのは、所有者不明猫を行政が引き取ることです。


> 興味深いので続きの記事も楽しみにしております。

イギリスのTNR製作の行き詰まり~野良猫虐待や被害、事実上TNRの停止を目的とする餌やり禁止条例の制定などは、折々取り上げます。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

・座右の銘は「人の行く裏に道あり花の山」
・好きな生き物 メジロ
・尊敬する人 ガブリエルシャネル(シャネル社創業者)
・好きな言葉 Das Beste oder nichts「最善か無か」。ダイムラー・ベンツ社の企業理念。私自身は何事も中途半端でいい加減です。ですからこの言葉に憧れます。

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