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東京都とほぼ同じ人口のバイエルン州には野良猫が東京都の5倍いる~「ドイツでは野良猫が消滅した」という東大教授の無知







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(Zusammenfassung)
In Tokio gibt es 210.000 Streunerkatzen.
Im deutschen Bundesland Bayern, das ungefähr so viele Einwohner hat wie Tokio, gibt es eine Million Streunerkatzen, fünfmal mehr als Tokio.


 記事、
野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる
野良猫900万匹と異常に多いイギリスはドイツなどと異なり、猫の狩猟は事実上禁止されている
野良猫900万匹と異常に多いイギリスは行政が野良猫の捕獲収容を行わない特異な国
野良猫の数が900万匹と異常に多いイギリスでは行政がずさんなTNRを推奨し行われている
小野塚知二東大教授の研究の「イギリスでは野良猫が消滅した」の出典とは?~イギリスの野良猫数は900万匹とされている
小野塚知二東大教授の「イギリスには野良猫がいない」の根拠は便所の落書き以下の京田辺市のホームページなのか~イギリスには900万匹の野良猫がいる
小野塚知二東大教授の「イギリスには野良猫がいない」の典拠は全て噓の便所の落書き以下の京田辺市のホームページなのか
の続きです。
 ドイツでは野良猫が増加しており、問題になっています。ドイツ全土では、大学の論文では野良猫が~300万匹いるとされています。また人口がほぼ東京都と同じバイエルン州は野良猫が100万匹いるとされ、ほぼ同じ人口の東京都の約5倍です。またハンブルク州では野良猫の増加により行政の捕獲等で財政負担が増しています。しかし小野塚知二東京大学教授らが補助金を受けた研究では「ドイツでは20世紀中葉までに野良猫が消滅した」としています。しかしドイツを含めた欧米には「ドイツでは野良猫は消滅した」という資料は確認できません



 サマリーで述べた通り、東京都とほぼ人口が同じドイツ、バイエルン州(人口は1,299万人)では、野良猫が100万匹いるとされています。東京都(人口1,396万人)が行った調査では、東京都内には21万匹の野良猫がいると推定されています。つまり東京都とほぼ同じ人口のバイエルン州には、東京都の約5倍もの野良猫がいるということになります。まず、「バイエルン州には100万匹の野良猫がいる」とのソースから引用します。


Eine Million streunende Katzen in Bayern sorgen für Probleme 「バイエルン州では野良猫が増え続けており特に鳥類にとっては脅威になっています」 2018年9月2日

Mancherorts werden sie sogar abgeschossen: Streunende Katzen gelten zum Beispiel für Vögel als Gefahr.
In Bayern wird ganz unterschiedlich mit den Tieren umgegangen.
Streunende Katzen werden in Bayern aus Sicht des Landestierschutzbundes immer mehr zum Problem.
Geschäftsstellenleiter Andreas Brucker schätzt die Zahl der freilebenden Katzen im Freistaat inzwischen auf etwa eine Million.
Streunende Katzen gelten zum Beispiel als Problem für die heimische Vogelwelt, insbesondere mit Blick auf gefährdete Arten.
Ein großes Problem sei, dass in vielen Ortschaften nichts getan werde, um die Streuner zu fangen.
Das Tierschutzgesetz regelt, dass die Länder die Zahl freilebender Katzen vermindern dürfen.
In Bayern sind dafür die einzelnen Kreisverwaltungsbehörden zuständig.

バイエルン州では場所によっては野良猫は撃ち殺されることさえあります:野良猫は例えば鳥にとって危険であると考えられているからです。
バイエルン州では、野良猫の扱いは他の州とは大きく異なります。
州の動物保護協会は、バイエルン州では野良猫がますます問題になっていると見ています。
支部長のアンドレアス・ブルッカー氏は、バイエルン州で自由に暮らす猫(=野良猫)の数を約100万匹と推定しています。
野良猫は、例えば特に絶滅危惧種に関しては、在来種の鳥類の生息環境にとって問題とみなされています。
大きな問題はバイエルン州では、多くの町では野良猫を捕獲するために何も行われていないことです。
連邦動物保護法は、ドイツの各連邦州が自由に暮らす猫(=野良猫)の数を減らすことができると規定しています。
バイエルン州では、各地区の行政当局がこれに責任を負います(しかし野良猫の削減策を多くは行っていません)。



 上記の記事では「バイエルン州では行政が野良猫を捕獲することをしないので野良猫が増え、問題になっている」としています。ドイツでは法律上所有者不明猫の管理は行政の責務であり、一次収容は行政しかできません。ドイツでは行政が野良猫を捕獲し、公的施設での殺処分も行っています。
 バイエルン州とは対照的に、ハンブルク州では行政が野良猫の捕獲~殺処分も行っています。ハンブルク州では逆にその費用が州の財政負担になっており、いずれにしてもドイツの野良猫の増加は悩ましい問題となっています。

野良猫の捕獲と処分費の財政支出に悩むドイツ、ハンブルク市~殺処分率は17%

 次に「東京都(人口1,396万人)に生息する野良猫(註 自由に徘徊させている飼猫も含めての数字)の数が21万匹」という資料から引用します。これは東京都が行ったもので、野生動物の生息数調査に用いられるルートセンサス法により、調査はかなり正確に行われています。


東京都における猫の飼育実態調査の概要 (平成 18 年度)

(2)東京都内の猫の個体数
個体ごとの確認調査で屋外にいる猫の 15%が首輪を装着していたことと、アンケート調査のうち屋外飼育猫の首輪装着が 51.8%であったことから、屋外猫のうち飼育されている頭数は約 6 万頭と推計され、残りの約 15 万頭が飼い主のいない猫となる。
屋外猫のうち、屋外飼い猫の頭数= 屋外猫の生息頭数×現地調査による屋外生息猫の首輪装着率/屋外飼い猫の首輪装着率= 約 21 万頭×0.15/0.518= 約 6 万頭



 このようにドイツでは野良猫がかなりいて、また増加傾向であることから問題が生じています。ドイツの野良猫数は200万~300万程度とされていましたが、最近の報道によると増加傾向のようです。
 対して日本では野良猫の数は信頼できる資料としては先に挙げた東京都の調査があります。それによれば平成18年(2006年)には、都内に生息する野良猫(首輪をつけている、放飼いの飼猫も含めて)の数は21万匹でした。人口比で日本全土の野良猫数を推計すれば約191万匹になります(野良猫は採餌では人に依存するので人口比としました)。
 ドイツの人口は日本の0.66倍程度です。ですからドイツは日本より野良猫の数が~2.4倍も多いということになります。しかし全く典拠も示さずに、驚くような妄言をしている方がいます。小野塚知二東京大学狂授ですが「ドイツは野良猫が消滅した。日本は野良猫がいる」としています。以下に引用します。


淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。



(画像)

 淡青 から。

小野塚知二 淡青


 さらに小野塚知二狂授らは、小野塚知二狂授の妄想が根拠の、「イギリス、ドイツには野良猫がいない社会的背景」という、中学生以下の研究で科研に補助金を申請し、驚くことにそれが認められています。その共同研究者一覧を下に提示します。
 小野塚知二狂授「ドイツはほぼ野良猫がいない。動物愛護先進国」のドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した」。( ゚д゚)ポカーン 
 繰り返しますが、ドイツでは200万~300万匹程度の野良猫がいるとされ、その数値は大学等の論文にも引用され信頼性は高いとされています。対してドイツ国内のドイツ語文献をはじめ、日本以外では「ドイツでは野良猫がいない。消滅した」という資料は確認できません。次回記事では「ドイツには野良猫が~300万匹いる」との資料を取り上げます。


野良猫の有無と消滅過程に注目した人間・社会の総合的研究方法の開拓 バカ、キチガイ、税金泥棒リスト(笑) この方々はちゃんと義務養育を履修しているのだろうか?


研究機関 東京大学
研究代表者 小野塚知二 東京大学, エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室, 名誉教授 (40194609)
研究分担者 藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
新原 道信 中央大学, 文学部, 教授 (10228132)
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
高橋 一彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20197130)
芳賀 猛 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20315360)
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
梅垣 千尋 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (40413059)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
井上 直子 城西大学, 経済学部, 准教授 (80727602)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2027-03-31
研究の概要
世界は野良猫のいる社会と野良猫のいない社会とに二分できることに着想を得て、野良猫の有無とその消滅過程から、従来はそれぞれ個別に認識されてきた人間・社会の諸特質を総合的に理解する。その上で、他の家畜よりも相対的に人間による介入・改変が及んでいない猫と人との関係を認識し直すことによって、家畜人文学・家畜社会科学という新しい研究領域と方法を開拓する。

学術的意義、期待される成果
世界は野良猫がいる社会といない社会とに二分できるとする問題設定はユニークであり、かつその背景を人類史的視点に立ってさまざまな方面から分析しようとする点は、人文科学だけでなく、社会科学や自然科学の分野にもインパクトを持った研究になるといえる。よって、本研究により家畜人文学・家畜社会科学というこれまでに無い研究領域が開拓されることが期待できる。

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捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~ニュージーランドのイルカ







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(summary)
A dolphin (It is speculated to be the endangered Maui dolphin) that was found dead at on a south Auckland beach died from toxoplasmosis, the Department of Conservation (DOC) says.


 記事、
捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~ハワイモンクアザラシ
捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~カリフォルニア州のラッコ
捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~オーストラリアのアシカ
の続きです。
 猫(ネコFelis silvestris catus)は国際自然保護連合(IUCN)においても、日本生体学会においても「侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。猫の直接的な影響により絶滅した脊椎動物は63種とされています。猫は捕食により、特に鳥類や小型哺乳類に脅威を与えているのは周知されています。それ以外にも、猫はトキソプラズマ感染症により大型の希少な海洋性哺乳類を殺しています。希少種のアザラシ、ラッコ、アシカ、イルカ等が猫が終宿主のトキソプラズマ感染によって死亡していることが明らかになっています。今回は希少種のニュージーランドのイルカについて述べます。



 ニュージーランドには、極めて希少な、絶滅が危惧されているマウイイルカが生息しています。まずマウイイルカの保全状況が危機的であることを伝えるニュースから引用します。


マウイイルカの個体数、ついに 50 頭を切る 2015年6月18日

マウイイルカ (Cephalorhynchus hectori maui) は絶滅の瀬戸際にいる。
印象的な模様をもち、黒くて丸い胸びれがミッキーマウスの耳にたとえられるこのイルカは、最大でも1.4mにしかならない。
個体数は過去最低に落ち込み、生存個体は47頭に満たない。
マウイイルカはニュージーランド北島の西岸沖にのみ生息し、名前はマオリ語で北島をさす「テ・イカ・ア・マウイ」にちなむ。
マウイイルカの現在の個体数は42~47頭であり、2010/11年度の59頭から減少した。
いま生きている成熟メスはわずか10~12頭だ。
現状の水準では、マウイイルカは14年以内に絶滅するおそれがある。



 そのような極めて希少で、絶滅の危機に直面しているマウイイルカですが、ネコ科動物のみが終宿主である寄生虫のトキソプラズマ感染症により死んでいることが明らかになりました。以下にそれを伝えるニュースソースから引用します。


Dolphin found on Auckland beach died of disease often spread by cats 「ニュージーランド オークランドの砂浜で見つかったイルカは猫が媒介する病気で死んでいた」 2023年4月18日

A dolphin that was found dead at on a south Auckland beach died from toxoplasmosis, the Department of Conservation (DOC) says.
Toxoplasmosis can develop when mammals ingest the toxoplasma gondii parasite – which is often spread by cats and their faeces.
It has been identified as a threat to all Māui and Hector’s dolphins who inhabit the oceans around New Zealand.
Analysis of several of the dead dolphin’s internal organs – including its brain, heart and liver – revealed significant lesions consistent with toxoplasmosis.
If the animal is a Māui dolphin, this will be the first confirmed Māui dolphin death from toxoplasmosis since 2017.
Māui dolphins are one of the smallest and rarest dolphin species in the world, and can be found off the west coast of New Zealand’s North Island, from south Taranaki to Auckland.
Toxoplasmosis poses a significant threat to dolphins in New Zealand.
Cats are the only animals in which the toxoplasma gondii parasite can sexually reproduce.
The parasite eggs are then spread into the environment in the cat’s faeces and dispersed in rainwater and wastewater, which eventually reaches the sea and the dolphins.
People can help stop the spread of toxoplasmosis by keeping cats indoors, disposing of cat faeces in the bin rather than the toilet and spaying or neutering their cats, which can stop them wandering.

ニュージーランド自然保護局(DOC)によると、オークランド南部の砂浜でイルカが死んでいるのが発見され、その死因はトキソプラズマ症でした。
トキソプラズマ症は哺乳類がトキソプラズマ・ゴンディという原虫を摂取すると発症する可能性があり、この寄生虫は猫やその糞便によって拡散することがよくあります。
このことはニュージーランド周辺の海に生息するすべてのマウイイルカと、ヘクターイルカに対する脅威であると確認されています。
死んだイルカの脳、心臓、肝臓を含むいくつかの内臓を分析したところ、トキソプラズマ症と一致する重大な病変が明らかになりました。
もしその動物がマウイイルカであれば、2017年以来のトキソプラズマ症によるマウイイルカの死亡の確認例となります。
マウイイルカは世界最小で最も希少なイルカの一種で、ニュージーランド北島の西海岸沖、タラナキ南部からオークランドにかけて見られます。
トキソプラズマ症は、ニュージーランドのイルカにとって重大な脅威となっています。
猫はトキソプラズマ・ゴンディ寄生虫が有性生殖できる、唯一の動物です。
寄生虫の卵は猫の糞便や雨水下水に含まれていて、それが環境中に広がり、最終的には海やそこに棲むイルカに到達します。
猫を屋内で飼い、猫の糞便をトイレではなくゴミ箱に捨て、猫の避妊・去勢手術を行うことで、トキソプラズマ症の蔓延を防ぐことができ、また猫の徘徊を防ぐことができます。



(動画)

 Biosecurity Bonanza webinar: Toxoplasmosis in New Zealand - Trying to fill the knowledge gaps 「ニュージーランドのトキソプラズマ症 - 専門家と一般人との知識のギャップを埋める試み」 2021年6月23日

Toxoplasmosis is a parasitic disease that infects humans, domestic animals, livestock, and wildlife worldwide.
In New Zealand, particular concerns exist regarding infections leading to abortions in sheep and mortalities in native species such as kiwi and dolphins.
Chris Niebuhr, a Vertebrate Ecologist from Manaaki Whenua, he is particularly interested in informing on the management of toxoplasmosis in animal populations through more targeted and efficient predator control and surveillance.

トキソプラズマ症は、世界中の人間、家畜、家畜、野生動物に感染する寄生虫病です。
ニュージーランドでは羊の流産やキウイやイルカなどの在来種の死亡につながる感染症であり、それに関して特に懸念があります。
マナキ・フェヌア出身の脊椎動物生態学者であるクリス・ニーバー氏は、より的を絞った効率的な捕食者の制御と監視を通じて、動物集団におけるトキソプラズマ症の管理について情報を提供することに特に関心を持っています。





小野塚知二東大教授の「イギリスには野良猫がいない」の典拠は全て噓の便所の落書き以下の京田辺市のホームページなのか







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(summary)
Cats Protection estimates that there are nine million stray cats and one-and-a-half million feral cats in the UK.


 記事、
野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる
野良猫900万匹と異常に多いイギリスはドイツなどと異なり、猫の狩猟は事実上禁止されている
野良猫900万匹と異常に多いイギリスは行政が野良猫の捕獲収容を行わない特異な国
野良猫の数が900万匹と異常に多いイギリスでは行政がずさんなTNRを推奨し行われている
小野塚知二東大教授の研究の「イギリスでは野良猫が消滅した」の出典とは?~イギリスの野良猫数は900万匹とされている
小野塚知二東大教授の「イギリスには野良猫がいない」の根拠は便所の落書き以下の京田辺市のホームページなのか~イギリスには900万匹の野良猫がいる
の続きです。
 イギリスはヨーロッパでは異常に野良猫が多い国です。イギリス全土では野良猫900万匹、ノネコ150万匹がいるという信頼性に高い推計値があります。しかし小野塚知二東京大学教授らが補助金を受けた研究では「イギリスでは20世紀中葉までに野良猫が消滅した」としています。しかしイギリスを含めた欧米には「イギリスでは野良猫は消滅した」という資料は確認できません。小野塚教授らが根拠とした?京田辺市の資料には「イギリスには野良猫がない」との記述がありますが、他の記述も全て嘘デマです。



 小野塚知二東京大学教授らの、科研から補助金を受けている研究は、以下の通りです。


野良猫の有無と消滅過程に注目した人間・社会の総合的研究方法の開拓

研究機関 東京大学
研究代表者
小野塚 知二 東京大学, エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室, 名誉教授 (40194609)
研究分担者 藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
新原 道信 中央大学, 文学部, 教授 (10228132)
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
高橋 一彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20197130)
芳賀 猛 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20315360)
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
梅垣 千尋 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (40413059)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
井上 直子 城西大学, 経済学部, 准教授 (80727602)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2027-03-31
研究の概要
世界は野良猫のいる社会と野良猫のいない社会とに二分できることに着想を得て、野良猫の有無とその消滅過程から、従来はそれぞれ個別に認識されてきた人間・社会の諸特質を総合的に理解する。その上で、他の家畜よりも相対的に人間による介入・改変が及んでいない猫と人との関係を認識し直すことによって、家畜人文学・家畜社会科学という新しい研究領域と方法を開拓する。

学術的意義、期待される成果
世界は野良猫がいる社会といない社会とに二分できるとする問題設定はユニークであり、かつその背景を人類史的視点に立ってさまざまな方面から分析しようとする点は、人文科学だけでなく、社会科学や自然科学の分野にもインパクトを持った研究になるといえる。よって、本研究により家畜人文学・家畜社会科学というこれまでに無い研究領域が開拓されることが期待できる。



 小野塚知二教授は科研に補助金を申請する以前から、次の様にのべています。


淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。



(画像)

 淡青 から。

小野塚知二 淡青


 科研のページにある通り、小野塚知二狂授らの研究内容は、まず最初の「1、問題設定」ですが、「世界は野良猫のない国と野良猫のいる国に2分され、野良猫のない国の筆頭はイギリスとドイツである」です。しかし本連載で述べてきた通り、「イギリスには野良猫がほぼいない。20世紀中葉までに消滅した」という出典は、本国イギリスの英文資料はもとより、ドイツなどのドイツ語文献、アメリカの学術文献等でも一切ないのです。逆に「イギリスは大変野良猫が多い。野良猫は900万匹、ノネコは150万匹いる」という資料は多数あります。

 日本語で検索したところ、「イギリスでは野良猫がほぼいない。消滅した」という情報は、ほぼ小野塚知二教授のこの主張をもとにした資料しか見つかりません。ただし私がこの連載を始めてから急に検索順位を上げた資料があります。それは京田辺市の資料です。京田辺市が在外国人に委嘱した国際交流員による、京田辺市のホームページに掲載されているコラムです。それに「イギリスでは野良猫がいない」との記述があります。またこのサイトは国立国会図書館のデータベースに収録されており、おそらく小野塚知二狂授らの研究の出典として用いたと、私は推測します(私の推測が誤りならば関係者の関係者に方々にお詫びします)。なおこの短いコラムですが、書かれていることは全て荒唐無稽なデマの羅列です。これを書かれた方はイギリス人の、ランド イヴォンヌ (2010~2011)氏と思われます。以下にスクリーンショットを示します。


(画像)

 イギリスのペットに対する意識 2011年5月18日

京田辺市 便所の落書き


イギリスのペットに対する意識 2011年5月18日

イギリスには英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)があります。
1、この協会の活動により、イギリスの公園には野良犬・猫は1匹もいないというくらいです。
2、イギリスでは、ペットストアで犬・猫を売るのは禁止されています。
3、犬や猫を飼いたいときはRSPCAで無料で譲り受ける。



 上記の「1」、「2」、「3」は全て大嘘、デタラメです。小野塚狂授らはこの資料の「1」の、「イギリスの公園には野良犬・猫は1匹もいない」との記述をもとに、「イギリス全土では野良猫が消滅した」との根拠としたとの、私の推測は連載で述べた通りです。
 今回は、問題の京田辺市のホームページに掲載されているコラムの「3、犬や猫を飼いたいときはRSPCAで無料で譲り受けるが大嘘であることを述べます。結論から言えばRSPCAから保護犬猫の譲渡を受けるには、「譲渡手数料+健康診断や感染症等の検査の実費」が必要です。さらにRSPCA以外でも、イギリスの大手の動物保護団体から保護犬猫の譲渡を受けるのは有料です。まずRSPCAの「保護犬猫養子縁組手数料」の一覧を、RSPCA自身のホームページのスクリーンショットを示します。


(画像)

 Adoption fees RSPCA 「保護動物養子縁組手数料 RSPCA」から。

 例えば犬ならば養親組手数料(譲渡手数料)は150ポンド(約26,000円)です。猫は80ポンド(約14,000円)です。感染症の血液検査を望む場合は、別途20ポンド(約3,500円)が別途上乗せされます。


RSPCA 養子縁組手数料


 なおイギリスでは大規模動物保護団体では私が調べた限り、無料で保護犬猫を譲渡しているところは1つもありませんでした。イギリスで最も多くの遺贈による寄付金を集めてた慈善事業団体は、野良猫のTNRと野良猫の飼猫化~譲渡を行う、野良猫の保護に特化した、Cats Protection という団体です。この団体は保護した野良猫の譲渡の手数料は成猫で85ポンド、子猫で105ポンドを徴収しています。(*)
 ところでこのCats Protection ですが、イギリス国内では動物保護団体以外も含めたすべての分野の慈善団体も含めて、2021年に最も遺贈寄付金を集めた団体です。「イギリスでは野良猫が消滅した」と、小野塚知二狂授は述べていますが、イギリスで「野良猫が消滅した」のであれば、そもそもTNRの対象となる猫も、飼主を見つなければならない野良猫もいないはずです。謎ですね(笑)。

(*)
Our adoption fee is £85 for an adult cat and £105 for a kitten 「私たちの猫の養子縁組手数料 成猫85ポンド 子猫105ポンド」 Cats Protection(イギリス最大の「野良猫のTNRと保護に特化した動物保護団体)

(*1)
Animal charities dominate as legacies league table is revealed 「慈善団体への遺産の遺贈額の順位が明らかになりましたが動物に関する慈善団体が優勢です」 2022年11月7日


 繰り返しますが、小野塚知二狂授が補助金を受けている研究「イギリスとドイツでは野良猫がいない。その社会歴史的背景」ですが、前提となる「イギリスとドイツでは野良猫がいない」に誤りがあります。「イギリスには野良猫はいない」ですが、本国のイギリスをはじめとする英文資料では、政府文書、学術文書も含めて一切ありません。「イギリスには野良猫が900万匹いる」とのアメリカの文書もあります。ヨーロッパの周辺国にも「イギリスには野良猫がいない」という文書は見つかっていません。この点については、2019年に私は東京大学の「淡青」編集部に何度も出典を求めていますが回答はありません。当サイトには40回以上、東京大学からアクセスがあったにもかかわらずです。
 日本語で「イギリスには野良猫はいない」で検索したところ、小野塚知二狂授に関したものしかほぼヒットしませんが、この連載を始めて急に検索上位を上げ、かつ小野塚知二教授の発言より古いものは、この記事で取り上げた京田辺市のホームページの短文コラムです。このコラムの記述内容は「イギリスには野良猫がいない」以外も、全てが真逆の大嘘です。また出典を示していません。国会図書館のデータベースに収録されていますが、おそらく小野塚知二狂授らの研究の典拠と思われます(間違っていたならば関係者の方々にお詫びします)。このような出典の1つも挙げない妄想噓だけの「便所の落書き」レベルの文書を典拠として認め、補助金支給を決定した科研は不正すら疑われます。また小野塚知二狂授らの痴脳は底辺レベルと思われます。「イギリスにはに野良猫が多い」との本国の英文での情報は、中学レベルに英語力で検索できます。彼らは義務教育を履修しているのでしょうか?

小野塚知二東大教授の「イギリスには野良猫がいない」の根拠は便所の落書き以下の京田辺市のホームページなのか~イギリスには900万匹の野良猫がいる







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野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる
野良猫900万匹と異常に多いイギリスはドイツなどと異なり、猫の狩猟は事実上禁止されている
野良猫900万匹と異常に多いイギリスは行政が野良猫の捕獲収容を行わない特異な国
野良猫の数が900万匹と異常に多いイギリスでは行政がずさんなTNRを推奨し行われている
小野塚知二東大教授の研究の「イギリスでは野良猫が消滅した」の出典とは?~イギリスの野良猫数は900万匹とされている
の続きです。
 イギリスはヨーロッパでは異常に野良猫が多い国です。イギリス全土では野良猫900万匹、ノネコ150万匹がいるという信頼性に高い推計値があります。しかし小野塚知二東京大学教授らが補助金を受けた研究では「イギリスでは20世紀中葉までに野良猫が消滅した」としています。しかしイギリスを含めた欧米には「イギリスでは野良猫は消滅した」という資料は確認できません。小野塚教授らが根拠とした?京田辺市の資料には「イギリスには野良猫がない」との記述がありますが、他の記述も全て嘘デマです。



 小野塚知二東京大学教授らの、科研から補助金を受けている研究は、以下の通りです。


野良猫の有無と消滅過程に注目した人間・社会の総合的研究方法の開拓

研究機関 東京大学
研究代表者
小野塚 知二 東京大学, エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室, 名誉教授 (40194609)
研究分担者 藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
新原 道信 中央大学, 文学部, 教授 (10228132)
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
高橋 一彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20197130)
芳賀 猛 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20315360)
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
梅垣 千尋 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (40413059)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
井上 直子 城西大学, 経済学部, 准教授 (80727602)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2027-03-31
研究の概要
世界は野良猫のいる社会と野良猫のいない社会とに二分できることに着想を得て、野良猫の有無とその消滅過程から、従来はそれぞれ個別に認識されてきた人間・社会の諸特質を総合的に理解する。その上で、他の家畜よりも相対的に人間による介入・改変が及んでいない猫と人との関係を認識し直すことによって、家畜人文学・家畜社会科学という新しい研究領域と方法を開拓する。

学術的意義、期待される成果
世界は野良猫がいる社会といない社会とに二分できるとする問題設定はユニークであり、かつその背景を人類史的視点に立ってさまざまな方面から分析しようとする点は、人文科学だけでなく、社会科学や自然科学の分野にもインパクトを持った研究になるといえる。よって、本研究により家畜人文学・家畜社会科学というこれまでに無い研究領域が開拓されることが期待できる。



 小野塚知二教授は科研に補助金を申請する以前から、次の様にのべています。


淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。



(画像)

 淡青 から。

小野塚知二 淡青


 科研のページにある通り、小野塚知二狂授らの研究内容は、まず最初の「1、問題設定」ですが、「世界は野良猫のない国と野良猫のいる国に2分され、野良猫のない国の筆頭はイギリスとドイツである」です。しかし本連載で述べてきた通り、「イギリスには野良猫がほぼいない。20世紀中葉までに消滅した」という出典は、本国イギリスの英文資料はもとより、ドイツなどのドイツ語文献、アメリカの学術文献等でも一切ないのです。逆に「イギリスは大変野良猫が多い。野良猫は900万匹、ノネコは150万匹いる」という資料は多数あります。

 日本語で検索したところ、「イギリスでは野良猫がほぼいない。消滅した」という情報は、ほぼ小野塚知二教授のこの主張をもとにした資料しか見つかりません。ただし私がこの連載を始めてから急に検索順位を上げた資料があります。それは京田辺市の資料です。京田辺市が在外国人に委嘱した国際交流員による、京田辺市のホームページに掲載されているコラムです。それに「イギリスでは野良猫がいない」との記述があります。またこのサイトは国立国会図書館のデータベースに収録されており、おそらく小野塚知二狂授らの研究の出典として用いたと、私は推測します(私の推測が誤りならば関係者の関係者に方々にお詫びします)。なおこの短いコラムですが、書かれていることは全て荒唐無稽なデマの羅列です。これを書かれた方はイギリス人の、ランド イヴォンヌ (2010~2011)氏と思われます。以下にスクリーンショットを示します。


(画像)

 イギリスのペットに対する意識 2011年5月18日

京田辺市 便所の落書き


イギリスのペットに対する意識 2011年5月18日

イギリスには英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)があります。
1、この協会の活動により、イギリスの公園には野良犬・猫は1匹もいないというくらいです。
2、イギリスでは、ペットストアで犬・猫を売るのは禁止されています。
3、犬や猫を飼いたいときはRSPCAで無料で譲り受ける。



 上記の「1」、「2」、「3」は全て大嘘、デタラメです。小野塚狂授らはこの資料の「1」の、「イギリスの公園には野良犬・猫は1匹もいない」との記述をもとに、「イギリス全土では野良猫が消滅した」との根拠としたとの、私の推測は前回記事で述べました。
 今回は、問題の京田辺市のホームページに掲載されているコラムの「2、イギリスでは、ペットストアで犬・猫を売るのは禁止が大嘘であることを述べます。

 イギリス(uk united kingdom は4ヶ国から構成される連合国家)ではイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドのうち、まずイングランドで2020年4月に「ペットショップ(ストア)では犬猫に限り6ヵ月齢以上のものに限り販売を許可する」との改正法が施行されました。後にスコットランドとウェールズも2021年9月にイングランドに倣い、法改正をして「ペットショップでは犬猫は生後6ヵ月齢以上のものに限り販売をを認める」と施行されました。なおイギリスのうち、北アイルランドでは現在も生後8ヵ月以上であれば犬猫はペットショップで販売できます。(*)
 したがって2011年に公開されたコラムの記述、「イギリスではペットストアで犬・猫を売るのは禁止(「イギリスを構成する4ヶ国の全てで、ペットストアでは全ての犬猫は販売できない」との意味になる)の記述は大嘘です。2011年当時はイギリス(uk)全土でペットショップも含めて犬は8週齢以上、猫は販売週齢の制限がなく販売できました。猫の販売が8週齢以上との法改正があったのは2018年10月です。現に2014年までロンドンの老舗デパートのハロッズでは、店内のペットショップ(ストア)で子犬子猫を売っていました。(*1)またペットショップの業界団体の調べでは、2016年にはイギリス全土のペットショップのうち、7%が犬もしくは猫を販売していました。(*2)


(*)
Your legal guide to buying a pet 「イギリス(uk)でペットを購入するための法律ガイド」 2022年2月17日

Since April 2020 in England (and September 2021 in Wales and Scotland), the third-party sale of puppies and kittens is banned.
Sellers are not allowed to sell puppies or kittens as pets if they’re less than 6 months old and they were not bred by the seller.

イギリス(=イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4ヶ国からなる連合国家)のうち、イングランドでは2020年4月(ウェールズとスコットランドでは2021年9月)以降は、第三者(自ら犬猫を生産しない業者。ペットショップなど)による子犬や子猫(法律で子犬子猫は生後6ヵ月未満と定義されている。ペットショップでも6ヶ月以上であれば犬猫の販売ができる)の販売が禁止されました(つまりイギリスのうち、北アイルランドでは子犬子猫の販売が自ら生産しないペットショップなどの業者でも6ヵ月未満の犬猫でも販売が許可されている)。
販売者は、生後6ヵ月未満で、販売者が生産したものではない子犬や子猫をペットとして販売することはできません(つまり6ヶ月齢以上であればイギリスではイングランド、ウェールズ、スコットランドでもペットショップ/ストアで犬猫が販売できる)。



(画像)

(*1)
Harrods Puppies & Kittens 「ハロッズデパートの子犬と子猫」 2011年9月22日公開

 ロンドンにある、日本人にも有名な高級老舗デパート、ハロッズ。その4階にあった生体販売ペットショップ、the pet kingdom で展示販売されていた子犬と子猫です。問題のコラムが公開された2011年時点では営業をしており、2014年に閉店しました。現在は婦人服売り場になっています。ペットショップの廃業は、純粋に経営上の理由からです。
 狂田辺市のホームページの2011年公開のコラムでは「イギリスでは、ペットストアで犬・猫を売るのは禁止されています」と記述されていますが???




(*2)
イギリスのペットショップ統計(犬猫販売比率)~環境省資料はデタラメ

 2016年のイギリスのペットショップの業界団体調査では、イギリス全土のペットショップでは猫を販売している店は7%、犬を販売している店は4%だった。なお同時期の環境省の調査では「イギリスで犬猫を販売しているペットショップは2%」という公文書を出しているが、その数値を示すイギリス国内の英語の資料では一切ない


(画像)

 Freedom of Information Request on Pet Shop Licensing 2016 から。2016年時点での、・Figure 3. Percent of total number of pet shops licensed to sell different animal types across the UK 「図3.イギリス全土における動物種別の動物を販売する免許を受けたペットショップの総数に対する割合

1、観賞魚       77.8%
2、小型哺乳類    56.1%
3、爬虫類       47.1%
4、鳥類         41.5%
5、猫           7.0%
6、犬           4.1%
7、霊長類        1.5%


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(summary)
Cats Protection estimates that there are nine million stray cats and one-and-a-half million feral cats in the UK.


 記事、
野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる
野良猫900万匹と異常に多いイギリスはドイツなどと異なり、猫の狩猟は事実上禁止されている
野良猫900万匹と異常に多いイギリスは行政が野良猫の捕獲収容を行わない特異な国
野良猫の数が900万匹と異常に多いイギリスでは行政がずさんなTNRを推奨し行われている
の続きです。
 イギリスは緯度が高く気候条件が厳しいにもかかわらず、ヨーロッパでは異常に野良猫が多い国です。イギリス全土では野良猫900万匹、ノネコ150万匹がいるという信頼性に高い推計値があります。しかし小野塚知二東京大学教授らが補助金を受給して進めている研究では「イギリスでは20世紀中葉までに野良猫が消滅した」としています。しかしイギリス本国はもとより、ヨーロッパやアメリカの資料等では「イギリスでは野良猫は消滅した。ほぼいない」という資料は1つも見つかりません。



 小野塚知二東京大学教授らの、科研から補助金を受けている研究は以下の通りです。


野良猫の有無と消滅過程に注目した人間・社会の総合的研究方法の開拓

研究機関 東京大学
研究代表者
小野塚 知二 東京大学, エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室, 名誉教授 (40194609)
研究分担者 藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
新原 道信 中央大学, 文学部, 教授 (10228132)
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
高橋 一彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20197130)
芳賀 猛 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20315360)
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
梅垣 千尋 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (40413059)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
井上 直子 城西大学, 経済学部, 准教授 (80727602)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2027-03-31
研究の概要
世界は野良猫のいる社会と野良猫のいない社会とに二分できることに着想を得て、野良猫の有無とその消滅過程から、従来はそれぞれ個別に認識されてきた人間・社会の諸特質を総合的に理解する。その上で、他の家畜よりも相対的に人間による介入・改変が及んでいない猫と人との関係を認識し直すことによって、家畜人文学・家畜社会科学という新しい研究領域と方法を開拓する。

学術的意義、期待される成果
世界は野良猫がいる社会といない社会とに二分できるとする問題設定はユニークであり、かつその背景を人類史的視点に立ってさまざまな方面から分析しようとする点は、人文科学だけでなく、社会科学や自然科学の分野にもインパクトを持った研究になるといえる。よって、本研究により家畜人文学・家畜社会科学というこれまでに無い研究領域が開拓されることが期待できる。



 小野塚知二教授は科研に補助金を申請する以前に、次の様にのべています。


淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。



(画像)

 淡青 から。

小野塚知二 淡青


 科研のページにある通り、小野塚知二狂授らの研究内容は、まず最初の「1、問題設定」ですが、「世界は野良猫のない国と野良猫のいる国に2分され、野良猫のない国の筆頭はイギリスとドイツである」です。しかし本連載で述べてきた通り、「イギリスには野良猫がほぼいない。20世紀中葉までに消滅した」という出典は、本国イギリスの英文資料はもとより、ドイツなどのドイツ語文献、アメリカの学術文献等でも一切ないのです。逆に「イギリスは大変野良猫が多い。野良猫は900万匹、ノネコは150万匹いる」という資料は多数あります。
 日本語で検索したところ、「イギリスでは野良猫がほぼいない。消滅した」という情報は、ほぼ小野塚知二教授のこの主張をもとにした資料しか見つかりません。ただし私がこの連載を始めてから急に検索順位を上げた資料があります。それは京田辺市の資料です。京田辺市が在外国人に委嘱した国際交流員による、京田辺市のホームページに掲載されているコラムです。それに「イギリスでは野良猫がない」とのがあります。またこのサイトは国立国会図書館のデータベースに収録されており、おそらく小野塚知二狂授らの研究の出典として用いられたと、私は推測します(私の推測が誤りならば関係者の関係者に方々にお詫びします)。なおこの短いコラムですが、書かれていることは全て荒唐無稽なデマの羅列です。これを書かれた方はイギリス人の、ランド イヴォンヌ (2010~2011)氏と思われます。以下にスクリーンショットを示します。


(画像)

 イギリスのペットに対する意識 2011年5月18日

京田辺市 便所の落書き


イギリスのペットに対する意識 2011年5月18日

イギリスには英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)があります。
1、この協会の活動により、イギリスの公園には野良犬・猫は1匹もいないというくらいです。
2、イギリスでは、ペットストアで犬・猫を売るのは禁止されています。
3、犬や猫を飼いたいときはRSPCAで無料で譲り受ける。



 上記の「1」、「2」、「3」は全て大嘘、デタラメです。私の推測ですが、小野塚狂授らはこの資料の「1」の、「イギリスの公園には野良犬・猫は1匹もいない」との記述をもとに、「イギリス全土では野良猫が消滅した」との根拠としているのではないでしょうか。
 本連載で述べてきた通り、イギリスでは「野良猫が900万匹、ノネコが150万匹いて大変多い」とされ、多くの資料があります。出典を一切示さない、1個人の感想、ヨタ話を「イギリス全土で野良猫がいない、消滅した」との根拠とし、それを課題として設定して研究を進めるとは、頭狂大学狂授らの痴性にはあきれるばかりです。そもそも問題のコラムで取り上げられているRSPCA自身が「イギリスでは野良猫が900万匹もいて猫の増加が危機的」と、述べています。


The Importance of Neutering Your Cat 「あなたの猫を不妊化することの重要性」  RSPCAホームページ 2020年6月8日

There are over 9 million stray/feral cats in the UK.
It is important for many reasons to neuter your cat including that by doing so, it will help charities like ours deal with the yearly cat crisis we face.

イギリスには900万匹以上の野良猫がいます。
猫を去勢手術することは、さまざまな理由から重要で、それは私たちのような慈善団体が毎年直面している猫の危機(野良猫が増えて制御できなること)に対処するのに役立ちます。



 さらに、この京田辺市のホームページに掲載されているコラムの「2、イギリスでは、ペットストアで犬・猫を売るのは禁止」ですが、大嘘です。このコラムが掲載されたのは2011年ですが、当時はイギリス(uk)のペットストアでの犬の販売は8週齢以上であれば許可されていました。また猫は、販売の最低週齢規制すらありませんでした。当時はロンドンの老舗デパート、ハロッズ内にある、ペットストアで子犬子猫が売られていました。2018年のペットショップ業界団体の調査によれば、イギリス国内の約7パーセントのペットショップが犬もしくは猫の販売をしていました。
 2020年4月からイギリスのうちイングランドで、ペットストア(ショップ)では、犬猫は「生後6ヶ月以上でなければならない」という法律が施行されました。その後スコットランドとウェールズでも2021年に9月から同様の法律が施行されましたが、現在も北アイルランドではペットストアでは8週齢以上であれば犬猫は販売できます。(*)したがって2011年時点で「イギリス(は4か国からなる連合国家。そのイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの全てで犬猫は週齢月齢問わず全てでペットストアでの販売が禁止という意味になる)では犬猫はペットストアでの販売が禁止されている」は、荒唐無稽な大嘘です。

(*)
Your legal guide to buying a pet 「イギリスでペットを買うための法律ガイド」 2022年2月17日

 「3、犬や猫を飼いたいときはRSPCAで無料で譲り受ける」も大嘘(*1)です。RSPCSAは例えば犬の譲渡手数料は最低150ポンドで、さらに健康診断や感染症の検査の実費が徴収されます。
 このような出典を一切示さない、まさに便所の落書き以下のコラムをいまだにネット上に公開している京田辺市の痴性には呆れますが、それを根拠に研究課題にする(と私は強く疑っていますが)頭狂大学の痴脳の底辺ぶりと言ったら(笑)(笑)(笑)。次回以降の記事では、出典を示して「2」、「3」が悶絶死レベルの大嘘であることを示します。

(*1)
Adoption fees RSPCAホームページ

捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~オーストラリアのアシカ







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(summary)
Toxoplasma gondii is an emerging pathogen in marine mammals, with substantial worldwide seroprevalence in pinniped (seal and sea lion), cetacean (dolphin and whale) and mustelid (sea otter) species, and documented mortalities in critically endangered populations.


 記事、
捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~ハワイモンクアザラシ
捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~カリフォルニア州のラッコ
の続きです。
 猫(ネコFelis silvestris catus)は国際自然保護連合(IUCN)においても、日本生体学会においても「侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。猫の直接的な影響により絶滅した脊椎動物は63種とされています。猫は捕食により、特に鳥類や小型哺乳類に脅威を与えているのは周知されています。それ以外にも、猫はトキソプラズマ感染症により大型の希少な海洋性哺乳類を殺しています。希少種のアザラシ、ラッコ、アシカ、イルカ等が猫が終宿主のトキソプラズマ感染によって死亡していることが明らかになっています。今回は希少種のオーストラリアアシカについて述べます。



 オーストラリアアシカとは、オーストラリアに生息する固有種のアシカであり、絶滅危惧種に指定されています。オーストラリア政府は保護に力を入れていますが、残念なことにオーストラリアでもネコ科動物が終宿主の取りきプラズマ感染症により、このオーストラリアアシカが死んでいます。トキソプラズマ感染症は、オーストラリアアシカの保全にも、難問を突き付けています。
 オーストラリアアシカのトキソプラズマ感染率に関して、アデレード大学の研究者らが昨年論文を公表しています。以下に引用します。


Toxoplasma gondii seroprevalence in the endangered Australian sea lion (Neophoca cinerea) 「絶滅危惧種のオーストラリアアシカ (Neophoca cinerea) におけるトキソプラズマ・ゴンディの血清感染率」 2022年9月5日

Toxoplasma gondii is a ubiquitous parasite increasingly detected in marine mammals and suspected to contribute to limited recovery of endangered populations.
This study reports on the exposure of the Australian sea lion (Neophoca cinerea) to this protozoon using archived adult and pup sera from three island colonies in South Australia.
Modified agglutination testing (MAT) detected a seroprevalence of 30.4% and high antibody titers in adult females (median age 9.5 y, range 5.5-14.5 y) at Dangerous Reef, a felid-free island.
Findings have implications for parasitic disease risk in wildlife inhabiting Australia’s islands and for the feral cat control program on Kangaroo Island.
Toxoplasma gondii is an emerging pathogen in marine mammals, with substantial worldwide seroprevalence in pinniped (seal and sea lion), cetacean (dolphin and whale) and mustelid (sea otter) species, and documented mortalities in critically endangered populations.
Understanding of the parasite’s potential to modulate marine mammal population size and geographical range comes from surveys of European and North American cetaceans and marine mustelids.
In the threatened southern sea otter (Enhydra lutris nereis), for instance, T. gondii-associated encephalitis was considered a primary or contributing cause of more than a quarter of deaths, predominantly in adults.
For the endangered Australian sea lion (Neophoca cinerea), toxoplasmosis is listed as a potential threat to the species’ recovery, based on observations in other marine mammals and documented disease susceptibility.
Consequently, disease-induced mortality outbreaks pose the greatest risk to the species’ resilience based on modelling of future population decline.
Domestic (Felis catus) and wild (including feral) felids are the only definitive hosts of T. gondii.
Across these species, the mammals and birds, parasite transmission is related either to foraging or to transplacental transmission from recently infected mother to offspring.
Transplacental transmission, placental inflammation and disseminated congenital fetal infection, resulting in early or late-term abortion or stillbirth have also been documented in multiple species.
The infection of marine mammals indicates contamination of coastal and marine environments with oocysts shed in cat feces, by terrestrial water run-off or from ocean sewage discharge.
For species frequenting coastal habitats, such as pinnipeds, infection could also result from direct contamination of haul out sites by cat feces.

トキソプラズマ・ゴンディは、海洋哺乳類で検出されることが増加している広く蔓延している寄生虫であり、それは絶滅の危機に瀕した海洋哺乳類の個体群の個体数回復の妨げになっていると疑われています。
この研究は南オーストラリア州の3つ島の一群から採取された成体および幼体の保存血清を使用して、オーストラリアのアシカ (Neophoca cinerea) のこの原虫(トキソプラズマ・ゴンディ)への曝露について報告しています。
修正凝集検査(MAT)によって、ネコ科動物のいない島であるデンジャラスリーフの雌の成獣のオーストラリアアシカ(年齢中央値9.5歳、範囲5.5~14.5歳)における、トキソプラズマの血清有病率は30.4%であり、高い抗体価が検出されました。
この調査結果は、オーストラリアの島々に生息する野生動物の寄生虫症のリスクと、カンガルー島の野良猫駆除プログラムに影響を与えるとしています(=さらに野良猫の駆除が強化されるべきという意味)。
トキソプラズマ・ゴンディは海洋哺乳類では新たな病原体であり、鰭脚類(ひれ足類。アザラシとアシカ)、鯨類(イルカとクジラ)、イタチ科(ラッコ)の種では、世界的にかなりの血清における感染の蔓延があり、絶滅の危機に瀕している種の個体群の死亡例が記録されています。
このトキソプラズマ・ゴンディは、海洋哺乳類の個体数と地理的範囲を変化させる可能性(=個体数を減少させ、生息域を縮小させる)があることは、ヨーロッパおよび北米のクジラ目と海洋性イタチ科の調査から得られています。
たとえば絶滅の危機に瀕しているミナミラッコ(Enhydra lutris nereis)では、トキソプラズマ・ゴンディの感染に関連した脳症が、主に成獣の死亡の4分の1以上であり、主な死亡の原因または寄与原因であると考えられています。
絶滅危惧種のオーストラリアアシカ (Neophoca cinerea) に関しては、他の海洋哺乳類での観察と病気に対する感受性の記録に基づいて、トキソプラズマ症がこの種の回復に対する潜在的な脅威として挙げられています。
その結果、将来のオーストラリアアシカの個体数減少のモデルに基づくと、トキソプラズマ感染症による死亡率は、種の個体数回復力にとって最大のリスクとなります。
イエネコ (いわゆる「猫」 Felis catus) および野生の猫 (ノネコを含む) ネコ科動物は、トキソプラズマ・ゴンディの唯一の最終宿主です。
哺乳類と鳥類の種全てで寄生虫の感染は感染した餌を食べることと、または感染したばかりの母親から仔への胎盤を経た感染のいずれかです。
トキソプラズマの胎盤経由感染、胎盤炎症、播種性先天性胎児感染症により、初期または後期の流産や死産が引き起こされることも複数の種で報告されています。
海洋哺乳類のトキソプラズマ感染は、陸の水の流入または海洋への下水の排出によって、猫の糞便中に排出されるオーシスト(トキソプラズマの卵状のもの)による沿岸および海洋環境の汚染を示します。
鰭脚類(ひれ足類 アシカやアザラシ等)などの、海岸の陸の生息地に頻繁に出入りする種の場合は、猫が糞便をした汚染場所から直接感染が生じる可能性もあります。



(動画)

 Meet Taronga's New Australian Sea Lion Pup! 「タロンガ動物園で生まれた新しいオーストラリアンアシカの仔をご紹介します!」 2020年9月24日公開

 We are seal-iously thrilled to announce the recent birth of an endangered Australian sea-lion pup who has just made her first splash in her new home at Taronga's Seal Bay! と、絶滅危惧種のオーストラリアアシカが新たに動物園で誕生して、喜ぶ関係者。本来ならば感染症のリスクにおびえずに、自然環境での個体数回復が望ましいです。トキソプラズマが在来生物を脅かしている現状からすれば、さらにオーストラリアの野良猫ノネコ駆除を厳格に進めなければなりません。なおオーストラリアでは、猫のTNRは全土で禁止です。

捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~カリフォルニア州のラッコ







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(summary)
Toxoplasma gondii in sea otters is very common in California.
Last year, a new, more virulent strain of Toxoplasma gondii was discovered that infected and killed four sea otters.


 記事、捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~ハワイモンクアザラシ の続きです。
 猫(ネコFelis silvestris catus)は国際自然保護連合(IUCN)においても、日本生体学会においても「侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。猫の直接的な影響により絶滅した脊椎動物は63種とされています。猫は捕食により、特に鳥類や小型哺乳類に脅威を与えているのは周知されています。それ以外にも、猫はトキソプラズマ感染症により大型の希少な海洋性哺乳類を殺しています。希少種のアザラシ、ラッコ、アシカ、イルカ等が猫が終宿主のトキソプラズマ感染によって死亡していることが明らかになっています。今回はカリフォルニア州のラッコについて述べます。



 カリフォルニア州のラッコは、かつて毛皮が目的で乱獲されました。そのために激減し、現在は絶滅危惧種に指定されています。保護活動が行われていますが、近年相次いでトキソプラズマに感染したラッコが死んでいます。専門家は海獣のトキソプラズマ感染源は、ほぼイエネコ(いわゆる「猫」。同じネコ科動物のピューマやアメリカオオヤマネコの影響はほぼないとされる)で、在来のヤマネコ類は無関係と言います。海獣へのトキソプラズマ感染を防止するには外猫を根絶し、猫は室内で飼育し、糞便は焼却処分する以外ありません
 トキソプラズマの遺伝子型を調べたところ、従来のものよりも感染すればより重症化しやすく変化していることが判明しました。それにより、少なくとも4頭のラッコが死んだことが昨年判明しました。カリフォルニア州のラッコのトキソプラズマ感染は、ラッコの保護活動をより困難にしています。又そのより毒性が強いトキソプラズマの感染は、人を含むラッコ以外の動物への感染も懸念されています。以下に引用します。


Cat poop may be killing California sea otters: Toxic parasite presents 'scary new challenge' 「猫の糞がカリフォルニアのラッコを殺す可能性がある:有毒な寄生虫(トキソプラズマ)が「恐ろしい新たな挑戦」を突き付ける」 2023年3月22日

A toxic parasite "very different from anything" experts have seen before has killed four California sea otters and they're concerned it could spread to other marine life and even humans.
The parasites are carried in the feces of wild and domestic cats, said Devinn Marie Sinnott, a veterinary pathologist and doctoral student at the University of California, Davis.
Scientists have studied a common version of this parasite – Toxoplasma gondii – in sea otters for decades.
In fact, it’s amazing how many otters are infected.
Toxoplasma can occur in any warm-blooded species, including humans, and has been deadly among Hawaiian monk seals
The strain documented in the California otters causes a more severe form of toxoplasmosis that appears to kill ”very fast.”
It's concerning for two reasons: the potential impacts on the population of threatened sea otters and because it could affect the health of other animals susceptible to toxoplasma infection.
Toxoplasma is hosted in wild and domestic cats and found in their feces.
Abundant rainfall leads to increased surface water and to carriage of the egg stage of the parasite into the ocean, where sea otters can become infected.

専門家らがこれまでに見てきた「他のものとはまったく異なる」有毒な寄生虫(トキソプラズマ)によりカリフォルニア州のラッコ4頭が死亡し、その寄生虫は他の海洋生物や人間にまで感染する可能性があると専門家らは懸念しています。
カリフォルニア大学デービス校の獣医病理学者で博士課程の学生でもある、デビン・マリー・シノット氏によると、寄生虫は野生の猫やイエネコの糞便に含まれているといいます。
科学者たちはこの寄生虫の一般的な型のトキソプラズマ・ゴンディを、ラッコの感染で数十年にわたって研究してきました。
実際、感染しているラッコの数は驚くほど多いです。
トキソプラズマは人間を含むあらゆる温血動物種に寄生する可能性があり、ハワイのアンモンクアザラシの感染では致命的となっています。
カリフォルニアのラッコで記録されているこのトキソプラズマの株は従来のものより重度のトキソプラズマ症を発症させ、感染個体は「非常に早く」死に至るようです。
このことは2つの理由から懸念されています。
1つは絶滅危惧種のラッコの個体数に影響を与える可能性があることと、もう1つはトキソプラズマに感染しやすい他の動物の健康に影響を与える可能性があることです。
トキソプラズマは野生の猫やイエネコに寄生しており、その糞便中に存在します。
豊富な雨量により地表の水が増加し、卵の状態の寄生虫が海に運ばれ、そこでラッコが感染する可能性があるのです。



(動画)

 Toxoplasma Gondii in Sea Otters 「ラッコのトキソプラズマ感染」 2022年10月23日

概要:特にラッコを悩ませている病気ですが、それはトキソプラズマ・ゴンディと呼ばれています。
ラッコの病気であるトキソプラズマ症は致死性の寄生虫感染症であり、近年ラッコがの生息域であるカリフォルニア州の海岸域で浸透していると考えられています。
ラッコはウニを捕食し、石を使ってそれを割って食べます。
ラッコが個体数を減らせば生態系は崩壊するか、壊滅的な被害を被るでしょう。
もしラッコが食べるウニが蔓延したら、生態系は崩壊します。
ラッコの毛皮はとても柔らかく非常に人気があったために、絶滅寸前まで狩られました。
カリフォルニアのラッコの個体数は特に減少し、一時は50頭まで減りました。
残念なことに未だにラッコは絶滅危惧種に指定されています。
トキソプラズマ・ゴンディーは寄生虫で、感染症を発症させます。
それは人間を含む他の多くの温血動物に感染する可能性
があります。
主に感染した猫の糞便や加熱が不十分な食品の暴露により、本感染症は広がります。
トキソプラズマは主にイエネコ、特に野良猫が最大の問題であり、ラッコはそれから感染するからです。
野良猫が排便するとそれが雨水により海に流れ込み、それによりラッコが感染するからです。




(動画)

 Wildlife officials say 4 sea otters have been killed by a parasite 「野生動物を管轄する行政組織は4頭のラッコが感染症(トキソプラズマ)により死んだと言っています」 2023年3月25日

概要:野生動物を管轄する行政組織は、寄生虫(トキソプラズマ・ゴンディ)が4頭のラッコを殺したと述べています。
カリフォルニア州魚類野生生物寄生生物局の地元のベテランの専門家は、寄生虫(トキソプラズマ・ゴンディ)に、猫を介して人が感染する可能性があり、注意深く監視すると述べました。
寄生虫(トキソプラズマ・ゴンディ)が陸から海へと移動する唯一の知られている感染源は、猫が感染した後に排泄する糞便です。
海洋哺乳類の死因を研究している協力者には、特別な予防措置を講じてほしいと、ミラー氏(カリフォルニア州魚類野生生物寄生生物局の研究員)は述べました。




 蛇足です。カリフォルニア州最大のロサンゼルス市には、行政裁判所が2009年の市が猫のTNRを制度化することの停止を命じました。約10年後にロサンゼルス市は「環境に配慮する」ことを条件にTNR制度を復活させました。環境に配慮とは「活動場所が著しく制限される」、「給餌は禁止」、「ただし給餌は箱わなに仕掛ける囮餌のみ、しかも30分以内に限り許可される」です。しかし野良猫を温存させることに対しては、懸念されています。

ロサンゼルス上級裁判所は、ロサンゼルス市にTNR制度の停止を命じたー1
ロサンゼルス上級裁判所は、ロサンゼルス市にTNR制度の停止を命じたー2
ロサンゼルス上級裁判所は、ロサンゼルス市にTNR制度の停止を命じたー3

野良猫の数が900万匹と異常に多いイギリスでは行政がずさんなTNRを推奨し行われている







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(summary)
Cats Protection estimates that there are nine million stray cats and one-and-a-half million feral cats in the UK.


 記事、
野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる
野良猫900万匹と異常に多いイギリスはドイツなどと異なり、猫の狩猟は事実上禁止されている
野良猫900万匹と異常に多いイギリスは行政が野良猫の捕獲収容を行わない特異な国
の続きです。
 イギリスは緯度が高く気候条件が厳しいにもかかわらず、ヨーロッパでは異常に野良猫が多い国です。イギリス全土では野良猫900万匹、ノネコ150万匹がいるという信頼性に高い推計値があります。それなのになぜ、ドイツや温暖なイタリアなどと比較して野良猫が多いのでしょうか。私の分析ですが、「1、猫の狩猟が事実上禁止されている」、「2、行政が野良猫の捕獲殺処分を行わない」、「3、野良猫の給餌に寛容でずさんなTNRが推奨されている」が、イギリスで野良猫が異常に多い理由です。その他に「4、飼猫が遁走したり飼い主が捨てる、放飼い猫が繁殖することによる野良猫の供給圧力」も関係するでしょう。今回は「3、」について述べます。



 イギリスでは信頼性の高い推計値で野良猫900万匹、ノネコ150万匹が全土で生息しているとされ、ヨーロッパの他の国と比較してたいへん多いのです。私は連載でイギリスに野良猫ノネコが異常に多い要因として、「1、猫の狩猟が事実上禁止されている」、「2、行政が野良猫の捕獲殺処分を行わない」ことを挙げました。今回はイギリスでは「3、野良猫の給餌に寛容でずさんなTNRが推奨されている」点について述べます。
 実はイギリスは政府機関がTNRを推奨するのみならず、かなり手厚い助成を行っています。アメリカ合衆国では複数の連邦政府がTNRの効果を完全に否定し、州や自治体にTNRを「犯罪の疑いがある」として廃止を求め、野良猫の殺処分も含めて駆除を求めているのとは大きな違いです。
 またイギリスのTNRはアメリカの一部に自治体で制度化されているものと比べれば管理が格段にずさんです。例えばアメリカのTNRマネジメントでは必須とされるマイクロチップによる個体識別と登録、および狂犬病のワクチン接種を課している自治体はイギリスでは皆無と思われます。またアメリカでは公的なTNRマネジメントでは猫への給餌が制限されているのに対し、イギリスのTNRでは給餌はほぼ無制限です。野良猫への給餌が厳しく処罰されることもほぼありません。

 アメリカでは厳しい管理がTNRマネジメントに求められています。つまりマイクロチップによる個体識別と自治体への届け出、活動場所と給餌の制限、狂犬病ワクチン接種、間引きによる傷病等の猫の殺処分、TNR猫であっても行政が捕獲殺処分することもある、などです。しかしイギリスのTNRでは、これらの厳しい管理がありません。政府機関がTNRを否定するどころか推奨し、補助金等で支援も行っています。
 厳しい管理が条件のアメリカのTNRマネジメントでも猫が減らないのです。ですから、ずさんな管理のTNRが推奨されているイギリスにおいては、それが猫が増える要因だと私は分析します。特に給餌が制限されないことは大きいでしょう。ロンドン市のTNRのケースについて引用します。


Animal Welfare Officer month: Dealing with London's Feral Cats 「ロンドン動物福祉担当官の月次報告:ロンドンの野良猫に対する対処方法」 2015年9月3日

In London there are thousands of feral cat colonies who live in hidden spots.
It’s a growing problem as feral, unneutered female cats from five months of age are able to produce 2-3 times a year causing feral cat number to grow out of control.
Our Animal Welfare Officers run a Trap, Neuter and Return programme for feral cats in London to help control and contain the cat population.

ロンドンには何千もの野良猫が隠れて住む場所の、猫のコロニー(猫が群れている場所)があります。
生後5か月の不妊されていない野良猫の雌猫は年に2~3回出産するために野良猫の数が制御不能なほどロンドンでは増加しており、この問題は深刻化しています。
当団体(メイヒュー)の動物福祉の責任者はロンドンで野良猫の捕獲、中性化、リターン(TNR)プログラムを実施し、猫の数の制御と封じ込めを支援しています。



(動画)

Paul Grimes, a typical week would be a combination of trapping colonies of feral cats, bringing them to our vet clinic to be spayed and castrated, then returning them to their initial habitat.
It is a role which means also seeing the worst side of animal ownership.
The toughest part of my job is dealing with people who will not take responsibility for their actions.
I recently dealt with a case where an irresponsible owner did not get her cat spayed and watched as she became pregnant and gave birth to a litter of kittens.
The owner's response to my query why she hasn't sought to neuter her cats?
"It wasn't my fault; there was a stray cat in the area that got my cat pregnant."

(イギリスの動物保護団体、メイヒューの)ポール・グライムスさんの典型的な1週間は、野良猫の集団から野良猫を捕獲し、避妊・去勢手術を受けさせるために動物病院に連れて行き、その後元の居場所に戻すという一連の流れになります。
それは、動物の飼育の最悪の側面も見るこの役割を担うということも意味します。
私の仕事で最も大変なところは、自分の行動に責任をとろうとしない人々と接することです。
私は最近無責任な飼主が猫の不妊手術を受けずに猫が妊娠して子猫を出産する事件を担当し、それを見守りました。
私の、なぜあなたは猫の不妊手術をしなかったのですか?、という問いに対する飼主の答えは、「それは私の責任ではありません。近所に野良猫がいて、うちの猫を妊娠させてしまったのです」でした。





 このようにイギリス(上記では首都ロンドンに関してですが)では、「未去勢の野良猫が繁殖し、制御不能なほど増えている」ということがわかります。イギリスでは政府がずさんな内容でもTNRを支持し、補助金も出すところが多くあります。
 また自治体の許可がなくても、地域の同意を得なくても、個人が勝手にTNRを行うことを制限する法令もありません。現に「個人的な」TNRを推奨している猫保護団体もイギリスではあります。日本では「地域猫」という制度があり、TNRを行うには地域の同意を必要をしている自治体もあります。日本の地域猫制度はアメリカのTNRマネジメントよりかなりずさんですが、イギリスのTNRはさらに緩いと言えます。以下に、個人的なTNRを進めるペットサプライメーカーのホームページから引用します。


Home & Roost Stray Cat Visiting? What Does It Mean and What Should You Do? 「野良猫の訪問? それは何を意味し、あなたは何をすべきでしょうか?」 2020年8月31日

There are an estimated nine million stray cats in the UK and approximately one and a half million feral cats.
Trap-Neuter-Return
A lot of rescue organisations can assist with TNR, or, if you are comfortable with animals, you can try to do it yourself.
Looking after the cats post-TNR
Once you have returned the cats back into the community, your job will be to feed them and provide them with shelter during the colder months.

イギリスには推定900万匹の野良猫が生息し、約150万匹のノネコがいます
トラップ・中性化・リターン
多くの動物保護団体がTNRの支援が可能ですが、あなたが猫を扱うことに慣れている場合は自分で行うこともできます。
TNR後の猫の世話
猫を地域社会に返したらあなたの仕事は猫に給餌し、寒い季節に猫の避難場所を提供することです。



(動画)

 Cats Protection's Community Neutering Officers 「キャッツプロテクションの地域の中性化責任者」 2017年7月28日

 イギリスの大手野良猫保護団体で、TNRを最も多く手掛けています。保護し、TNR等を行う野良猫の数は年間20万匹にもなります。




 このようにイギリスではTNRがたいへん盛んにおこなわれています。TNRに求められる基準はアメリカと比べれば驚くほど緩く、到底猫の数を減らす効果はないと思われるにもかかわらず政府機関がTNRを支持し、補助金も支給しています。TNRにともなう野良猫への給餌を制限する条例等はほぼありません。管理がずさんなTNRが広く行われており、特に給餌に制限がないことがイギリスに野良猫が異常なほど多いことの大きな要因だと、私は分析しています。
 北アイルランド政府の公文書を例示します。なおイギリス(uk united kingdom)とはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4か国からなる連合体です。イギリスではアメリカと異なり、国レベルでTNRを支持しています。

Welfare of cats: protection from pain and disease 「猫の福祉:猫を苦痛や傷病から守る」 


(参考資料)

淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。



(画像)

 淡青 から。

小野塚知二 淡青


(参考資料)

 科研の補助対象である、小野塚知二狂授の妄想が根拠の、「イギリス、ドイツには野良猫がいない社会的背景」という、中学生以下の研究の共同研究者一覧を下に提示します。
 小野塚知二狂授「イギリスやドイツはほぼ野良猫がいない。動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した」。( ゚д゚)ポカーン イギリスでは野良猫の保護とTNRを行っている団体は多数あるのですが?1団体で年間のTNRを20万匹行っている国で「野良猫が消滅した」???
 「野良猫が消滅した」国ではTNRをしようにも、猫がいないでしょう。イギリスの野良猫保護団体は「野良猫が繁殖して制御不能に増えるのは大きな問題」と口をそろえています。「イギリスでは野良猫が異常に多く900万匹、ノネコが150万匹いる。野良猫が去勢されていないので増加を制御できず増えるので問題になっている」。このようなことは中学レベルの英語ですぐに検索できるのです。対して「イギリスにはほぼ野良猫がいない。消滅した」は、英語はもとより、ドイツ語等でもありません。日本語情報でのみ見つかります。

野良猫の有無と消滅過程に注目した人間・社会の総合的研究方法の開拓 バカ、キチガイ、税金泥棒リスト(笑) この方々はちゃんと義務養育を履修しているのだろうか?

小野塚知二 東京大学, エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室, 名誉教授 (40194609)
研究分担者 藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
新原 道信 中央大学, 文学部, 教授 (10228132)
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
高橋 一彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20197130)
芳賀 猛 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20315360)
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
梅垣 千尋 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (40413059)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
井上 直子 城西大学, 経済学部, 准教授 (80727602)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)



(追記)

『野良猫のいる社会といない社会 その⽐較と移⾏過程:⼩野塚知⼆先⽣』

6ページ要旨:ドイツは家族形態が核家族で、老人介護は施設介護型である。老人は老人ホームに入居するため野良猫に餌やりすることができず、そのために野良猫は消滅した。対して日本などのアジア諸国は在宅介護型で老人が居宅にとどまり、野良猫に給餌をするので野良猫が増え、野良猫が多い。


Finanzierung der ambulanten Langzeitpflege 「外来治療における資金援助(公的扶助)」 2021年 

Rund 80 Prozent wurden in der Häuslichkeit durch Angehörige bzw. ambulante Dienstleister versorgt, nur ca. 24 Prozent durch professionelle Anbieter (Statistisches Bundesamt 2020).

(ドイツでは)約80%が親族や訪問介護サービス提供者によって自宅で介護を受けており、専門提供者によるケア(施設入所)は約24%にすぎなかった(ドイツ連邦統計局、2020年)。
(註:在宅介護を受けながら、いわゆるショートステイで転居に至らなくても施設介護を受ける人の重複があるために合計は100%にならない。この資料は後にも取り上げます)。


医療保障総合政策調査・研究基金事業 公的介護制度に関する国際比較調査  令和2年(2020年) 

3、ドイツは介護サービスを受けた人の総数に占める施設介護サービスを受けた人の延べ人数の割合は24.9% 129ページ
4、日本の介護サービスを受けた人の総数に占める施設介護サービスを受けた人の延べ人数の割合は47.8% 23ページ

 上記の論文、調査資料は1年の時間差があるものの、ドイツにおける老人介護の施設割合が24%、24.9%とほぼ一致します。対して日本の施設介護率は48%。日本の方はドイツより著しく施設介護型です。したがって小野塚狂授の「ドイツは施設介護型で老人が施設に入所するために野良猫に給餌することができずそのために野良猫が消滅した。対して日本は在宅介護型で老人が野良猫の給餌するので野良猫が多い」は、全く根拠のない妄論です。
 一体科研の審査はどうなっているのでしょうか。認知症が進んだ爺のたわごとをそのまま鵜呑みにしたとでも?それにぶら下がって補助金泥棒をする研究者の痴脳は一体何なのでしょう。雁首揃えて1人もファクトチェックしなかったとは驚き。「中学生以下」は褒めすぎです。ドイツの施設介護の割合すら単なる妄想で日本語でも資料があるのに調べていなかったとは。中学生の自由研究でも出典を示さなければ評価は1です。小野塚狂授以下、共同研究者ら全員は施設に入所すべきではないかと(笑)。

野良猫900万匹と異常に多いイギリスは行政が野良猫の捕獲収容を行わない特異な国







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(summary)
Cats Protection estimates that there are nine million stray cats and one-and-a-half million feral cats in the UK.


 記事、
野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる
野良猫900万匹と異常に多いイギリスはドイツなどと異なり、猫の狩猟は事実上禁止されている
の続きです。
 イギリスは緯度が高く気候条件が厳しいにもかかわらず、ヨーロッパでは異常に野良猫が多い国と周知されています。イギリス全土では野良猫900万匹、ノネコ150万匹がいるという信頼性に高い推計値があります。なぜ、ドイツや温暖なイタリアなどと比較してイギリスは野良猫が多いのでしょうか。私の分析ですが、「1、猫の狩猟が事実上禁止されている」、「2、行政が野良猫の捕獲殺処分を行わない」、「3、野良猫の給餌に寛容でずさんなTNRが推奨されている」が、イギリスで野良猫が異常に多い理由です。その他に「4、飼猫が遁走したり飼い主が捨てる、放飼い猫が繁殖することによる野良猫の供給圧力」も関係するでしょう。今回は「2、」について述べます。



 イギリスは犬に関しては各自治体に犬の公的収容施設を持つことが義務付けられ、野良犬所有者不明犬の捕獲と収容は自治体の責務と法律で明記されています。もちろんイギリスでは行政による野良犬の殺処分が行われており、おおむね年間7,000頭程度です。(*)その数は人口比で日本の公的殺処分の約4.8倍です。イギリスは民間のアニマルシェルターでも殺処分を行っており、それを合わせれば年間8万頭とされ、人口比で日本の殺処分数の55倍です。(*1)
 しかし野良猫所有者不明猫は、イギリスでは自治体に捕獲収容を行わなければならないという法律の規定はありません。野良猫や所有者不明猫の捕獲収容や、飼主への返還は民間の動物保護団体が行っています。ただし狂犬病の感染疑いがある猫の収容と強制殺処分による生検は行政の責任です。
 行政が、野良猫所有者不明猫の捕獲と収容を行政が行わなくてもよいイギリスはヨーロッパでは例外です。例えばドイツ、イタリア、フランス、スペイン等の国では、野良所有者不明であれば犬猫とも、行政が捕獲して公的施設に収容しなければならないと法律の規定があります。そこでの殺処分も行われています

(*)
As number of stray or abandoned dogs in UK reaches 110,000 charity reveals that 21 are put down every day

(*1)
12 UK Animal Shelter Statistics & Facts to Know in 2022: Benefits, Facts & More

 この「イギリスでは野良猫所有者不明猫は行政には捕獲収容する義務がない」という特異性は、他のヨーロッパ諸国に比べて同国で野良猫の数が異常なほど多い要因の一つだと私は思います。行政は野良猫の捕獲収容と公的な殺処分を行わないイギリスですが、政府がTNRを支持し、TNR団体への補助金もかなり手厚く支給しています。イギリスでは野良猫は行政は捕獲収容、さらには殺処分や飼猫化して譲渡するのではなく、TNRによりリリースし、野良猫を温存しているのです。
 しかもそのTNRはかなりずさんで、アメリカの様にマイクロチップでの個体識別と届け出も行われず、アメリカのようなTNR猫の給餌も制限されていません。むしろ野良猫への給餌はすべきという方針のようです。その点については、次回記事で取り上げます。


(参考資料)

 イギリスには、犬に関しては野良犬所有者不明犬は行政が捕獲収容する義務を複数の法律で定めており、各自治体は犬の収容施設を設置しなければならないとしています。しかし猫にはそのような法律の規定はありません。その法的根拠の一例を挙げます。

Environmental Protection Act 1990 「環境保護に関する法律 1990」(UK法)

149
Seizure of stray dogs.
(1)Every local authority shall appoint an officer (under whatever title the authority may determine) for the purpose of discharging the functions imposed or conferred by this section for dealing with stray dogs found in the area of the authority.
(2)The officer may delegate the discharge of his functions to another person but he shall remain responsible for securing that the functions are properly discharged.
(3)Where the officer has reason to believe that any dog found in a public place or on any other land or premises is a stray dog, he shall (if practicable) seize the dog and detain it, but, where he finds it on land or premises which is not a public place, only with the consent of the owner or occupier of the land or premises.
(4)Where any dog seized under this section wears a collar having inscribed thereon or attached thereto the address of any person, or the owner of the dog is known, the officer shall serve on the person whose address is given on the collar, or on the owner, a notice in writing stating that the dog has been seized and where it is being kept and stating that the dog will be liable to be disposed of if it is not claimed within seven clear days after the service of the notice and the amounts for which he would be liable under subsection (5) below are not paid.
(5)A person claiming to be the owner of a dog seized under this section shall not be entitled to have the dog returned to him unless he pays all the expenses incurred by reason of its detention and such further amount as is for the time being prescribed.
(6)Where any dog seized under this section has been detained for seven clear days after the seizure or, where a notice has been served under subsection (4) above, the service of the notice and the owner has not claimed the dog and paid the amounts due under subsection (5) above the officer may dispose of the dog—
(a)by selling it or giving it to a person who will, in his opinion, care properly for the dog;
(b)by selling it or giving it to an establishment for the reception of stray dogs; or
(c)by destroying it in a manner to cause as little pain as possible;
but no dog seized under this section shall be sold or given for the purposes of vivisection.
(7)Where a dog is disposed of under subsection (6)(a) or (b) above to a person acting in good faith, the ownership of the dog shall be vested in the recipient.
(8The officer shall keep a register containing the prescribed particulars of or relating to dogs seized under this section and the register shall be available, at all reasonable times, for inspection by the public free of charge.
(9)The officer shall cause any dog detained under this section to be properly fed and maintained.
(10)Notwithstanding anything in this section, the officer may cause a dog detained under this section to be destroyed before the expiration of the period mentioned in subsection (6) above where he is of the opinion that this should be done to avoid suffering.
(11)In this section—
“local authority”, in relation to England F1. . ., means a district council, a London borough council, the Common Council of the City of London or the Council of the Isles of Scilly [F2in relation to Wales, means a county council or a county borough council] and, in relation to Scotland, means [F3a council constituted under section 2 of the Local Government etc. (Scotland) Act 1994];
“officer” means an officer appointed under subsection (1) above;

149条
野良犬の収容
(1)すべての地方自治体は、当局の地域で発見された野良犬に対処するために、本条によって課された、または付与された権限を果たす目的で公務員を任命するものとします。
(2)公務員は、自分の職務の遂行を他者に委任することができますが、職務が適切に遂行されることを確実にする責任を引き続き負うものとします。
(3)公務員が公共の場や他の土地や施設で見つかった犬が野良犬であると信じると足る理由がある場合は、その犬を(実行可能な場合)押収して拘留することとしますが、公有地公共施設ではない土地または施設で見つけた場合は、土地や施設の所有者または占有者の同意がある場合のみ行えます。
(4)本条の下で収容された犬が、飼い主の住所が記された首輪をつけている場合、または犬の飼い主が分かっている場合は、公務員は住所が記載されている飼い主の利益のために、犬が捕獲された場所と収容されている場所を示し、通知の7日以内に5条に基づく犬の保管費用を支払わなければ行政が処分しなければならないことを書面で通知しなければなりません。
(5)本条により収容された犬の飼い主と主張する者は、犬の収容により生じたすべての費用、および既定の全ての期間に生した費用を支払わなければ犬の返還を受ける権利はありません。
(6)本条においては、収容された犬が明らかに7日の期間を経過した後に、4条に基づく通知を行った場合にもかかわらず、飼い主が犬の返還を請求しなかった場合は、公務員は犬を以下の通り処分できます。
(a)犬を販売するか、世話を適切に行える人に譲渡することにより。
(b)犬を販売するか、野良犬を受け入れる施設(民間の動物保護団体)に引き渡すことにより、または、
(c)できるだけ苦痛を与えないで、殺処分することによって。
ただし、本条で収容された犬は、生体解剖の目的で販売または提供されません。
(7)犬が上記(6)(a)または(b)に基づいて誠実に行動する者に対して処分される場合は、犬の所有権は受取人に付与されます。
(8)公務員は本項の下で収容された犬の、規定された詳細を含む登録簿を保持するものとし、登録簿は妥当な時期であればいつでも無料で公衆が閲覧できるようにしなければなりません。
(9)公務員は、本項に基づいて拘束された犬に適切な給餌と維持を行わせるものとします。
(10)本条の内容にかかわらず公務員は、本条で拘束された犬を、上記6条に記載されている期間が満了する前に殺処分することがあります。
(11)本条では、「地方自治体」は、イングランドにおいては、地方自治体、ロンドン特別区自治体、ロンドン市共通自治体、シリー諸島自治体、ウェールズにおいては、郡自治体、または郡特別区自治体を、およびスコットランドにおいては、[1994年地方自治体等(スコットランド)法の2条により構成される地方自治体]を意味します。
「公務員」とは、上記本条(1)項に基づき任命された、公務員を意味します。



(参考資料)

 日本ではバ官狂症(環境省)が率先して「動物の保護・譲渡活動は、海外(イギリス、ドイツ)では、民間団体が寄付金等の自己資金を用いて実施している(=自治体が行わない)」という、真逆のデマを拡散しています。ドイツでは犬猫とも野良所有者不明のものは一次収容は行政しか行えません。法律上遺失物だからです。行政に先んじて野良犬猫の保護を行い、しかるべき手続きを行わずに第三者に譲渡すれば犯罪になります。イギリスでは野良犬所有者不明犬に関しては、一時収容は行政組織しかできません
 さらに「これらの国では、日本と比べて屋外の生活環境が厳しい(高緯度なので寒い)ことや、野良犬や野良猫が有害鳥獣として駆除されること等もあり、野良犬や野良猫がほとんど存在せず、シェルターに収容される動物の多くは飼い主が所有放棄したものが多い」と続きますが、これも大嘘です。連載で述べた通り、イギリスは異常なほど野良猫の数が多い(野良猫ノネコ併せて1,050万匹)のです。またイギリスでは犬の狩猟は全土で完全に禁止、猫の狩猟は日本のノネコのような扱いで事実上禁止です。イギリス本土では猫の狩猟は完全に禁止されています。完全に野生化した猫に限り、マン島とガーンジー島のみで許可されています。また公的な動物収容所に収容される野良犬の数は、イギリスは日本より多いのです。まさに狂ったデマ拡散の、税金泥棒バ官狂症。

イギリスでは犬の保護は行政の責務であると法律で明記されている~環境省の悶絶嘘資料
続・イギリスでは犬の保護は行政の責務であると法律で明記されている~環境省の悶絶嘘資料


(参考資料)

淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。



(画像)

 淡青 から。

小野塚知二 淡青


(参考資料)

「イギリスでは野犬を完全に殺しちゃったからいない」という環境省外部委員のあまりのバカっぷりな仰天嘘発言

 科研の補助対象である、小野塚知二狂授の妄想が根拠の、「イギリス、ドイツには野良猫がいない社会的背景」という、中学生以下の研究の共同研究者一覧を下に提示します。そのお一人の西村亮平頭狂大学狂授は官狂症の審議会委員ですが、驚くべきデマを同審議会で発言しています。
 「イギリスとかドイツとか野犬が全くいない国というのは、完全に殺しちゃったからいなくなった」ですが、「イギリスもドイツと同じく犬猫の狩猟が合法」と調べもせずに勝手に妄想しているらしいです。法律や制度は国により異なります。イギリスとドイツが同じ法制度勝手に思い込むとは、どんだけ知能が足りないのやら。イギリスはドイツとはまったく異り犬の狩猟は完全に禁止、猫も事実上禁止です。
 小野塚知二狂授は、先の述べたバ官狂症の嘘資料を鵜呑みにしたのかもしれません。バ官狂症の「イギリスとドイツでは犬猫を狩猟するので野良猫がない」との狂ったデマ資料の元は、頭狂大学狂授の西村亮平氏のデマ発言が元と思われます。同氏はこのデマを得意になって多方面で喋り捲っています。繰り返しますがイギリスでは犬の狩猟は完全に禁止猫も事実上禁止です。こんなこと、中学英語で検索すれば即わかることなのですが、西村亮平氏はちゃんと義務教育を履修しているのでしょうか。まさにバカ、キチガイの破滅的なコラボでこのような人物は有害でしかないです。


(参考資料)

野良猫の有無と消滅過程に注目した人間・社会の総合的研究方法の開拓 バカ、キチガイ、税金泥棒リスト(笑)

小野塚知二 東京大学, エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室, 名誉教授 (40194609)
研究分担者 藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
新原 道信 中央大学, 文学部, 教授 (10228132)
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
高橋 一彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20197130)
芳賀 猛 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20315360)
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
梅垣 千尋 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (40413059)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
井上 直子 城西大学, 経済学部, 准教授 (80727602)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)



(参考資料)

Hunting and shooting wildlife 「イギリス(UK)政府文書 狩猟と狩猟できる野生動物」
Quarry Species & Shooting Seasons 「狩猟鳥獣の種類と射撃ができる猟期」 

 グレートブリテン島(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの領地である、いわゆる「イギリスの本島」。日本で言えば本州、北海道、九州、四国のようなもの)では、犬猫とも野生化したものであっても完全に狩猟が禁止されている。
 完全に野生化した猫に限り、イギリスではマン島とガーンジー島の離島のみで狩猟が許可されている。犬はイギリス全土で狩猟が禁止。しかも猫は「完全に野生化したもの」であるために、「人が給餌したことがる野良猫」や、「放飼い猫」、「TNR猫」は狩猟対象から除外される。対してドイツは「住居から一定距離にある等の非占有猫」であれば、ほぼ全州で明らかに飼猫であっても通年狩猟が許可される。ドイツとイギリスの犬猫の狩猟の法令の規定は全く異なる。


(動画)

 segment on feral cat issues UK as aired on The One show 「イギリスBBCの番組で放送された、イギリスの野良猫問題に関して」 2016年10月8日 野良猫が急増して狂乱状態のイギリスのルポタージュ。

概要:ノッティンガム森林公園の周辺では、野良猫というギャングに占領されています。
このように糞にまみれて不潔と(虐待などの)蛮行に苦しめられている野良猫がイギリス全土で急増していますが、野良猫をどうするかについてだれも同意ができていないようです。
野良猫は人の健康を害しますが、野良猫のせいではありません。
野良猫が及ぼす悪臭で、その場にとどまることすらできません。
この街区の住民は70匹の野良猫がいると思っていますが、猫がいなくなればいいと願う人もいますし、住民は息ができないほどの悪臭を望んでいません。
転居を考えているぐらい酷いことです。
犬ですら泣いています。
ノッティンガム議会は野良猫に餌を与える住民に罰金を科すと警告しています。
27匹の野良猫を世話するジョン・ステファノヴィッチ氏は、猫たちは全て猫インフルエンザと眼疾にかかっていると言います。
幸いこれらの病気は人間に感染しませんが。
このような野良猫問題が起きるのは、イギリス全土で猫の去勢が進んでいないからです。
ヨークシャー キャット レスキュー(猫保護団体)によれば、イギリスでは毎年、望まれない子猫が400万匹以上産まれます(Yorkshire cat rescue puts the number of unwanted kittens born across the uk at more than four million)。
イギリス全土では、全国各地でこのように暮らしている猫がいます。

 小野塚知二狂授の「イギリスでは野良猫は消滅した」との発言とはずいぶん事情が異なるようですが?イギリスでは野良猫は900万匹、ノネコは150万匹いるとされています。年間400万匹も望まれない子猫が生まれても、多くは成猫になる前に死ぬのでしょう。まさに猫の洪水、狂乱状態です。
 日本では、小野塚知二狂授のオツムの中が狂乱状態のようですがね(笑)。この動画は他でも興味がある発言がありますので、機会があればまた取り上げます。

捕食だけではなくトキソプラズマ感染でも野生動物を殺す猫~ハワイモンクアザラシ







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(summary)
Toxoplasmosis is one of the biggest threats to Hawaiian monk seals in the main Hawaiian Islands.
The majority of these deaths were among adult females, which are especially important to the recovery of the species.


 猫(ネコFelis silvestris catus)は国際自然保護連合(IUCN)においても、日本生体学会においても「侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。猫の直接的な影響により絶滅した脊椎動物は63種とされています。猫は捕食により、特に鳥類や小型哺乳類に脅威を与えているのは周知されています。それ以外にも、猫はトキソプラズマ感染症により大型の希少な海洋性哺乳類を殺しています。希少種のアザラシ、ラッコ、アシカ、イルカ等が猫が終宿主のトキソプラズマ感染によって死亡していることが明らかになっています。今回はハワイの希少種のモンクアザラシについて述べます。


 サマリーで示した、「ハワイでは希少種のハワイモンクアザラシがトキソプラズマ感染により死んでいる」ことを報じる、アメリカ連邦政府機関である、国家海洋大気管理局 | アメリカ合衆国連邦商務省(NATIONAL OCEANIC AND ATMOSPHERIC ADMINISTRATION | U.S. DEPARTMENT OF COMMERCE)の資料から引用します。このモンクアザラシはハワイの固有種で、絶滅が危惧されています。猫が終宿主のトキソプラズマ感染による、本種の死亡は、大変深刻な問題とされています。


A Cat-Borne Threat to Monk Seals 「ハワイモンクアザラシに対する猫が感染症を媒介する脅威」 2023年3月16日

Toxoplasmosis is one of the biggest threats to Hawaiian monk seals in the main Hawaiian Islands.
\The disease has killed at least a dozen monk seals in the last two decades—it is almost always lethal for them.
The majority of these deaths were among adult females, which are especially important to the recovery of the species.
Keeping cats exclusively indoors improves their longevity, protects native birds from cat predation, and is the best way to prevent the spread of toxoplasmosis.
Please do not feed feral cats, as this may perpetuate colony growth and further abandonment, ultimately increasing the amount of T. gondii eggs spread into the environment.

トキソプラズマ感染症は、ハワイ本島のハワイモンクアザラシにとって最大の脅威の1つです。
過去20年間で、この病気により少なくとも12頭のハワイモンクアザラシが命を落としました。
ハワイモンクアザラシにとって、この病気はほぼすべての症例で死にます。
これらの死亡の大部分は成獣の雌で、このことは種の個体数回復にとって特に重大です。
猫を屋内だけで飼育してください。
それは猫の寿命を延ばし、在来の鳥を猫の捕食から守り、トキソプラズマ症の感染拡大を防ぐ最良の方法です。
野良猫に餌を与えないでください。
それにより、猫の個体群で猫の数が増えることを永続させ、さらに猫が遺棄され、最終的に環境中に広がるトキソプラズマ・ゴンディの卵の量が増加する可能性があるからです。



 野良猫の温存は、陸地にトキソプラズマのシストが猫の糞と共に排泄され、それが海洋に流出し、アザラシ等の海洋哺乳類が摂取することにより感染します。猫を完全に室内で飼育し、糞便は焼却処分することにより海洋哺乳類への感染を防止できます。
 なおハワイ州議会には「州内の猫のTNRを完全に禁止する。野良猫は毒殺銃殺等によつ致死処分による駆除を合法とする」という、法案が提出されています。(*)現在継続審議されています。次回以降の記事では、ハワイ以外でも海洋哺乳類がトキソプラズマ感染により死ぬ症例が多数あり、深刻な問題とされていることを取り上げます。

(*)
野良猫根絶の法制化に動くハワイ州~ハワイ州議会で審議中の「野良猫毒殺と重点地域の野良猫根絶」法案


(参考資料)

ハワイモンクアザラシ

ハワイモンクアザラシ(Monachus schauinslandi)は、ネコ目(食肉目)アザラシ科モンクアザラシ属に分類される鰭脚類。
乱獲、人間による撹乱(繁殖地への侵入による育児放棄)などにより生息数は激減した。
また生息数は減少していることに加えてサメによる襲撃、漁業による混獲、サンゴ礁破壊によるシガテラ中毒も生息数増加の妨げになっていると推定されている。
ワシントン条約附属書I では、絶滅危惧種ENに分類されている。



(動画)

 Hawaiian monk seals - Toxoplasmosis 「ハワイモンクアザラシートキソプラズマ」 2022年3月21日

概要:どのようにしてハワイモンクアザラシはトキソプラズマに感染するのですか?
トキソプラズマ感染症のトキソプラズマーゴンディは、終宿主は猫で、猫により再生産されます。
野良猫の餌やり、猫を捨てること、猫を放し飼いすることは、それを容認するすることです。
トキソプラズマの卵は猫の糞便とともに環境中に数百万個が排出され、卵は数か月間生存します。
土壌に含まれたトキソプラズマの卵は水に流されて太平洋に流入し、動物が摂取します。
トキソプラズマの卵が太平洋に流れ込み、それを含んだ獲物や水をハワイモンクアザラシが摂取することにより、ハワイモンクアザラシがトキソプラズマに感染します。




(動画)
 
 Hawaiian monk seals - Toxoplasmosis 「ハワイモンクアザラシとトキソプラズマ症 - VOS9-5」 2022年3月2日

Monk seals have lived in Hawaiʻi for over three million years, but their population has been severely depleted by human influences and habitat loss.
Death from toxoplasmosis—a disease caused by a parasite spread through cat feces—has added another challenge to the recovery of the Hawaiian monk seal population.
We talk to Michelle Barbieri and Stacie Robinson from the NOAA Hawaiian Monk Seal Research Program, Angela Amlin, Hawaiian Monk Seal Recovery Coordinator for the National Marine Fisheries Service, and Steph Kendrick, Director of Community Engagement for the Hawaiian Humane Society—all working together to help solve the problem of free-roaming cats in Hawaiʻi.

ハワイモンクアザラシはハワイに300万年以上前から生息していますが、人による影響や生息地の喪失により、その個体数は大幅に減少しています。
トキソプラズマ症(猫の糞便を介して広がる寄生虫によって引き起こされる病気)による死亡は、ハワイアンモンクアザラシの個体数回復にさらなる課題をもたらします。
ハワイで自由に徘徊する猫の問題の解決に貢献するために、NOAA(アメリカ合衆国連邦海洋大気庁)ハワイアンモンクアザラシ研究プログラムのミシェル・バルビエリ氏とステイシー・ロビンソン氏、国立海洋漁業局のハワイアンモンクアザラシ回復コーディネーターのアンジェラ・アムリン氏、ハワイ ヒューメインソサエティに地域活動ディレクターのステフ・ケンドリック氏に話を聞きます。


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野良猫900万匹と異常に多いイギリスはドイツなどと異なり、猫の狩猟は事実上禁止されている







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(summary)
Cats Protection estimates that there are nine million stray cats and one-and-a-half million feral cats in the UK.


 記事、野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる の続きです。
 イギリスは緯度が高く気候条件が厳しいにもかかわらず、ヨーロッパでは異常に野良猫が多い国と周知されています。イギリス全土では野良猫900万匹、ノネコ150万匹がいるという信頼性に高い推計値があります。イギリスはなぜ、ドイツや温暖なイタリアなどと比較して野良猫が多いのでしょうか。私は「1、猫の狩猟が事実上禁止されている」、「2、行政が野良猫の捕獲殺処分を行わない」、「1、野良猫の給餌に寛容でずさんなTNRが推奨されている」が、イギリスで野良猫が異常に多い理由と分析しています。その他に「4、飼猫が遁走したり飼い主が捨てる、放飼い猫が繁殖することによる野良猫の供給圧力」も関係するでしょう。今回は「1、」について述べます。



 2016年にアメリカの高名な鳥類学者らがあらわした著作は、猫愛好家に衝撃を与えました。その内容が「野良猫から生態系を守るためには、野良猫を全て排除しなければならない。飼い主が見つからなければ殺害すべきだ」だからです。イギリスでその本が販売され、賛否が対立しました。
 イギリスにおいても野良猫の生息数は900万匹と推計され、大変多いのです。それらの野良猫による生態系の被害も深刻です。マスコミ(デイリー メール紙)の記者は、「イギリスでも野良猫は殺害駆除すべき」という意見を支持しています。そのニュースソースから引用します。


Why we should KILL every stray cat in Britain: That's the deeply controversial conclusion of a new book. Here, in a piece that will appal millions, a naturalist backs a cull 「イギリスの野良猫の全てを殺さなければならない理由:それは新しい本に示された非常に物議を醸す結論です。それは何百万人もの人々を驚かせる内容の著作ですが、自然保護支持者が猫の殺害淘汰を支持しています」 2016年9月22日

Cats, our popular pet is also a lethal killer — responsible for the deaths of millions of wild birds and mammals every year.
And now one leading scientist has called for a wholesale cull of millions of moggies.
In his book Cat Wars: The Devastating Consequences Of A Cuddly Killer, U.S. bird expert Dr Peter Marra gives his stark verdict on the cat problem.
They kill 55 million birds in the UK.
His solution?
House arrest — or death.
He proposed a far more radical solution — one that would deal with the more than nine million stray cats currently living in Britain.
They will need to be euthanised.
That's science-speak for killed.

私たちに人気があるペットの猫は致命的な殺し屋でもあり、毎年何百万もの野鳥や哺乳類を死に至らしめています。
そして今一人の進歩的な科学者が、何百万匹もの野良猫を大規模に殺害して淘汰するよう呼びかけました。
アメリカの鳥の専門家であるピーター・マーラ博士は、その著書『キャット・ウォーズ:かわいい殺し屋による壊滅的な結果』の中で、猫の問題について厳しい判断を下しています。
イギリスでは5,500万羽の鳥が猫に殺されています。
マーラ博士の解決策は?
猫を自宅軟禁すること — または死。
マーラ博士は現在、イギリスに生息する900万匹以上の野良猫に対処する、はるかに根本的な解決策を提案しました。
野良猫たちは安楽死させなければなりません。
それは科学的に言えば、猫が殺されるということです。



 この記事ではイギリスに900万匹の野良猫が生息しており、年間5,500万羽の野鳥やそのほかの小動物が殺されているとしています。イギリスでは、野良猫による在来生物への被害は深刻です。
 アメリカでも物議をかもした、Cat Wars: The Devastating Consequences Of A Cuddly Killer 「キャット ウォーズ:かわいい殺し屋による壊滅的な結果」という著作ですが、結論から言えば「在来野生生物を捕食する野良猫は全て殺害して根絶させることが望ましい」です。本記事を書いた記者は「イギリスでも野良猫を殺害淘汰することを支持する」としています。
 
 しかしイギリスでは、野良猫を致死手段で根絶させるのは不可能です。なぜならば、イギリスではドイツ等で許可され、盛んにおこなわれている「猫の狩猟」が事実上禁止されているからです。さらにイギリスでは、他のドイツ等のヨーロッパ諸国で一般に行われている行政による野良猫の捕獲と公的施設への収容~殺処分を行う制度がない特異な国だからです。
 今回記事では、「イギリスでは猫の狩猟が事実上禁止されている」点について述べます。以下に、猫の狩猟に関する法律の条文原文を引用します。


Animal Welfare Act 2006 「動物福祉法 2006」

Section 2. “Protected animal”
An animal is a “protected animal” for the purposes of this Act if—
(a)it is of a kind which is commonly domesticated in the British Islands,
(b)it is under the control of man whether on a permanent or temporary basis, or
(c)it is not living in a wild state.

第2節 「本法で保護される動物」
仮に以下の条件であれば、当該動物は、本法の目的とする「保護される動物」です。
(a)一般的に、イギリス諸島で飼育されている種類のすべてが対象であり、
(b)永続的または一時的に人により管理下に有り、または、
(c)それが野生状態で生きていないもの。



 つまりイギリスでは「一般に飼育されている動物」は、一時的であっても人の管理下にあるものは狩猟が禁止されます。特に猫は放飼いがイギリスでは多く、一見して野良猫とは区別できません。またイギリスでは連載記事で書きますが、猫のTNRが大変盛んにおこなわれています。アメリカとは異なり国の政府機関もTNRを支持し、公的な支援も厚いのです。ロンドン市など、自治体が直接行っているケースもあります。またアメリカとは異なり、イギリスではTNR猫はもとより野良猫への給餌も寛容です。
 そのような状況下では、外見上TNRされている猫なのか、野良猫で誰かの給餌を受けているものと完全に人に依存していない猫なのか判別できません。もし放飼いの猫、TNR猫、誰かから給餌されている猫であれば、狩猟すれば処罰されるのです。ですから山中を徘徊している猫であっても怖くて撃てません。事実上イギリスでは猫の狩猟を禁止しているのです。イギリスでは猫の狩猟は非合法ですので、当然ながら猫の狩猟数の統計もしくは推計もありません。一方、日本ではノネコの狩猟統計が公表されています。

 その国で、外を自由に徘徊する猫の狩猟が合法か否かは、その国における野良猫の増加や生息数に大きな影響を与えると私は思います。イギリスは事実上猫の狩猟を禁止していることが、野良猫の数が多い要因と思われます。
 現に、猫の狩猟が通年許可されているドイツやスイスに比べれば、イギリスは格段に野良猫の数が多いのです。例えば通年猫の狩猟が推奨されているドイツは~300万匹(*)、スイスは30万匹(*1)であるに対して、猫の狩猟が禁止されているイギリスは野良猫ノネコを合わせて1,050万の猫が生息しているとされています。

(*)
AM 8. AUGUST IST WELTKATZENTAG VIER PFOTEN fordert Kennzeichnungs- und Registrierungspflicht für beliebtestes Heimtier 2021年8月5日

(*1)
EINE KATZE IN DER SCHWEIZ BESITZEN: WAS SIE WISSEN MÜSSEN 2023年3月19日


(参考資料)

淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。



(画像)

 淡青 から。

小野塚知二 淡青


(参考資料)

「イギリスでは野犬を完全に殺しちゃったからいない」という環境省外部委員のあまりのバカっぷりな仰天嘘発言

 科研の補助対象である、小野塚知二狂授の妄想が根拠の、「イギリス、ドイツには野良猫がいない社会的背景」という、中学生以下の研究の共同研究者一覧を下に提示します。そのお1人の西村亮平頭狂大学狂授は官狂症の審議会委員ですが、驚くべきデマを同審議会で発言しています。
 「イギリスとかドイツとか野犬が全くいない国というのは、完全に殺しちゃったからいなくなった」ですが、「イギリスもドイツと同じく犬猫の狩猟が合法」と調べもせずに勝手に妄想しているらしいです。法律や制度は国により異なります。イギリスとドイツが同じ法制度勝手に思い込むとは、どんだけ知能が足りないのやら。イギリスはドイツとはまったく異り犬の狩猟は完全に禁止、猫も事実上禁止です。

野良猫の有無と消滅過程に注目した人間・社会の総合的研究方法の開拓 バカ、キチガイ、税金泥棒リスト(笑)

小野塚知二 東京大学, エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室, 名誉教授 (40194609)
研究分担者 藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
新原 道信 中央大学, 文学部, 教授 (10228132)
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
高橋 一彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20197130)
芳賀 猛 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20315360)
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
梅垣 千尋 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (40413059)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
井上 直子 城西大学, 経済学部, 准教授 (80727602)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)



(参考資料)

Hunting and shooting wildlife 「イギリス(UK)政府文書 狩猟と狩猟できる野生動物」
Quarry Species & Shooting Seasons 「狩猟鳥獣の種類と射撃ができる猟期」 

 グレートブリテン島(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの領地である、いわゆる「イギリスの本島」。日本で言えば本州、北海道、九州、四国のようなもの)では、犬猫とも野生化したものであっても完全に狩猟が禁止されている。
 完全に野生化した猫に限り、イギリスではマン島とガーンジー島の離島のみで狩猟が許可されている。犬はイギリス全土で狩猟が禁止。しかも猫は「完全に野生化したもの」であるために、「人が給餌したことがる野良猫」や、「放飼い猫」、「TNR猫」は狩猟対象から除外される。対してドイツは「住居から一定距離にある等の非占有猫」であれば、ほぼ全州で明らかに飼猫であっても通年狩猟が許可される。ドイツとイギリスの犬猫の狩猟の法令の規定は全く異なる。

野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる







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(summary)
Cats Protection estimates that there are nine million stray cats and one-and-a-half million feral cats in the UK.


 イギリスは緯度が高く気候条件が厳しいにもかかわらず、ヨーロッパでは異常に野良猫が多い国と周知されています。イギリス全土では野良猫900万匹、ノネコ150万匹がいるという信頼性に高い推計値があります。人口114万人のイギリスの大都市バーミンガム市では野良猫ノネコが100万匹生息しているとされ、ほぼ人口に匹敵します。ごく狭い範囲で人口も少ない「人と同じ数の野良猫がいる」離島はいくつかありますが、人口100万人超の先進国の大都市で、人と同じ数だけの野良猫が生息しているとはまさに異常と言えます。


 人口114万人のイギリスの大都市、バーミンガム市は首都ロンドンに次ぐイギリス第二、もしくは第三の都市とされる、工業が盛んな大都市です。そのバーミンガム市ですがサマリーで述べた通り、「人口と同じ数の100万匹の野良猫が生息している」とされています。
 人口が少ない、ごく面積が狭い孤立した離島などではまれに「人と同じくらい、さらには人より多い数の野良猫がいる」ケースはまれにあります。しかし先進国の人口100万人超の大都市で、人の数と同じ数の野良猫が生息しているのはおそらくイギリスのバーミンガム市だけでしょう。まさに異常と言えます。それを報じるニュースソースから引用します。


Birmingham is home to one MILLION stray and feral cats, claims charity 「イギリスの大都市バーミンガム市には100万匹の野良猫がいると慈善団体は断言します」 2015年6月15日

Tracey Carty, a volunteer with the charity, said many people would be incredulous that there were so many feral and stray cats in Birmingham, but he “guaranteed” it was true.
“I can almost guarantee there are one million feral cats - we are over-run by them.”
Team Cat Rescue had been operating for 30 years and he had been working for them for six years.
Volunteers travel round the city looking for stray cats with a “trap, neuter and release” policy.
If the cat does not have a microchip and is not neutered, the vet carries out the procedure and the animal is then taken to one of the charity’s foster homes, but if there is not room, they have no choice but to release them.
“Sadly we end up releasing most of the cats we find because we simply don’t have room for them in our facilities,” he said.

慈善団体のボランティアであるトレーシー・カーティ氏は、バーミンガム市に野良猫やノネコが非常に多いことに多くの人が驚くだろうと述べ、彼はそれが真実であることを「保証した」と言いました。
「100万匹の野良猫がいることはほぼ間違いありません。私たちの都市は野良猫であふれかえっています」。
猫保護団体のチームキャットレスキューは30年間運営されており、トレーシー・カーティ氏は6年間働いています。
猫保護団体のボランティアは、「猫を罠でとらえ、中性化し、リリースする」という方針で、街中を移動して猫を探します。
猫がマイクロチップを装着されておらず、不妊去勢手術を受けていない場合は獣医師が手術を行い、その猫を慈善団体による里親の1人に連れて行きますが、飼う場所がない場合は猫をリリースする以外にありません。
「悲しいことに見つけた猫のほとんどをリリースしてしまうのは、単に私たちの施設に猫を飼育するためのスペースがないからです」と彼は言いました。



 「野良猫の数が異常なほど多い」とされているイギリスですが、その中でもバーミンガム市は特別多い部類でしょう。イギリスは緯度が高く気候条件が厳しいにもかかわらず、ヨーロッパの中では異常とも言えるほど野良猫ノネコが多い国です。イギリス全土では野良猫が900万匹、ノネコが150万匹生息しているとされています。
 なおドイツでは高位推計で300万匹(ニーダーザクセン州 市立行政大学の論文 2015年等)、気候が温暖で猫が多いというイメージがあるイタリアでは、政府機関の公表では260万匹の野良猫がいるとされています。それらに比較すれば、イギリスの野良猫の数の多さがわかると思います。以下に、「イギリスでは野良猫が900万匹、ノネコが150万匹いる」とのソースから引用します。


The UK’s first ‘cat census’ has been launched to help keep the nation’s nine million strays ‘safe and warm’ 「イギリスで最初の、イギリス国内の900万匹の野良猫を『安全で暖かく』保つことに役立てる、『猫の個体数調査』が開始されました」 2018年4月11日

The UK’s first “cat census” has been launched in an attempt to track the number of strays across the country, an animal charity has announced.
Cats Protection estimates that there are nine million stray cats and one-and-a-half million feral cats in the UK.
We know that across the UK, there are scores of homeless cats – both in rural and urban locations – but information about them is limited.
By tracking numbers and population densities, we can better target our neutering work in future to prevent numbers getting out of control.

イギリスで最初の「猫の個体数調査」が、全国の野良猫の数を追跡する試みとして開始されたと、動物保護の慈善団体が発表しました。
動物保護の慈善団体、キャッツ プロテクション(Cats Protection )は、イギリスには900万匹の野良猫と150万匹のノネコがいると推計しています。
イギリス全土では地方にも都市部にも多数の野良猫がいることを私たちは知っていますが、それらに関する情報は限られています。
野良猫ノネコの個体数と個体群の密度を追跡することで、今後の猫の不妊去勢手術の対象を絞り込み、猫の個体数が制御不能になるのを防ぐことができます。



 このように、イギリスでは極めて野良猫ノネコの数が多いことはイギリス国内で周知されているにはもちろんのこと、ヨーロッパの他の国でも「イギリスは野良猫の数が多い」と認識されています。イギリスは比較的緯度が高く、野良猫ノネコが生息するには厳しい気候条件です。温暖な気候のイタリアよりも、はるかに野良猫ノネコの数が多いのです。
 なぜ気候条件が厳しい、イギリスでは異常とも言えるほど野良猫ノネコの数が多いのでしょうか。次回以降の記事で、その分析を行いたいと思います。

 しかし驚くべき真逆のデマを出典を一切示さずに、繰り返し拡散している人がいます。元東京大学教授の小野塚知二氏です。小野塚知二氏は東京大学の広報誌、淡青 への寄稿をはじめ、講演会等でも「イギリスとドイツは20世紀なかばまでに野良猫は消滅(=ゼロ、という意味になります)した」と喋り捲っています。まさに狂気としか言いようがありません。
 「イギリスでは野良猫がほぼいない」、「イギリスでは野良猫が消滅した(=野良猫はゼロ)」という情報は日本語では小野塚知二氏の文献と、それをもとにした情報が多数見つかります。しかし外国ではイギリス国内の英語文献はもとより、ドイツ語等のヨーロッパ言語でも「イギリスでは野良猫は消滅した」という文献は1つも見つかっていません。私は東京大学に小野塚知二教授の「イギリスでは野良猫がほぼいない。消滅した」を裏付ける出典を求めましたが、一切回答はありません。


淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。



(画像)

 淡青 から。

小野塚知二 淡青


(動画)

 Stray - A Lockdown Story | Supporting Cats Protection 「野良猫ーロックダウン下での物語 猫の保護を支援」 

 イギリス最大の野良猫を専門とする動物保護団体、Cats Protection による啓発ビデオ。野良猫を捕獲して去勢し、飼猫として譲渡し、飼主が見つからなかった猫は捕獲された場所に戻す、いわゆるTNR活動を行っている団体です。
 「私たちは年間20万匹の野良猫を助けている」。えっ?「イギリスでは野良猫が消滅した」と言っている小野塚狂授、頭は大丈夫ですか?

We are the UK’s largest cat welfare charity, helping around 200,000 cats and kittens like Potter every year.
Un-neutered stray cats like Potter can often get lost in urban environments, get caught up in fights or become injured.
This is why Cats Protection provides neutering support and advice.

私たちはイギリス最大の猫福祉慈善団体であり、毎年約 200,000匹の猫とポッターのような野良の子猫を助けています。
ポッターのような去勢されていない野良猫は、都市環境で迷子になったり喧嘩に巻き込まれたり、怪我をしたりすることが頻繁にあります。
それがキャッツ プロテクション(Cats Protection)が、猫の不妊手術の支援とアドバイスを提供している理由です。


鳥インフルエンザ禍でTNRの支援を却下した福岡県は正しい






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(Domestic/inländisch)

 今シーズンの鳥インフルエンザは過去最大の流行で、ニワトリの殺処分数も最多となりました。そのような理由から卵の生産が激減して価格が高騰しています。この状態は1年以上は続くとの観測がされています。そのような状況下で過去最悪の鳥インフルエンザ流行下にある福岡県に対して、TNRに対する支援を求めていた団体がありました。鳥インフルエンザは猫にも感染し、猫が感染拡大の要因になるとされています。私は記事、過去最悪の鳥インフルエンザ流行の福岡県でTNRを推進する亡国者たち~猫は鳥インフルエンザを拡散する で取り上げています。福岡県は、その要求を却下しました。県の決断は正しいと私は思います。


 2022年12月から複数回にわたり、福岡県知事と県議会に対して「TNRへの支援」を、TNRに特化した団体「どうぶつ基金」が求めていました。結果、福岡県は同団体に対してその要望を23年4月13日に完全に却下しました。私は福岡県の判断は正しいと思います。
 その理由は、昨年末から現在まで福岡県は過去最大の鳥インフルエンザ流行に見舞われているからです。学術研究では「猫は鳥インフルエンザに感染し、鳥類はもとより哺乳類にまで感染させる。また猫は感染しなくても体にウイルスを付着させることにより、鶏舎に侵入することにより鳥インフルエンザの感染を拡大させる」とされているからです。それは記事、過去最悪の鳥インフルエンザ流行の福岡県でTNRを推進する亡国者たち~猫は鳥インフルエンザを拡散する に記述しました。
 畜産業の保護と共に、公衆衛生の維持を猫愛誤活動に優先した福岡県の判断は妥当です。以下に、福岡県がTNRの支援を却下したニュースソースから引用します。


福岡県からのゼロ回答に対し「野良猫の避妊・去勢手術の実施に関する要望」を再提出 2023年4月25日

犬や猫の殺処分ゼロを目指す公益財団法人どうぶつ基金は、本年2月1日に提出した「野良猫の避妊・去勢手術の実施に関する要望」に対する福岡県の回答が現状を正しく認識しておらず、連名した福岡県内20市町、1万筆を超えた福岡県民の要望をまったく汲み取っていないゼロ回答であったことから、2月1日の提出後、さらに署名が集まり総数が4万筆に増えたChange.org(オンライン署名)による署名を添えて4月13日に要望書を再提出するとともに、4月19日に福岡県知事へ見解を問う公開質問状を提出しました。


 猫による鳥インフルエンザの感染拡大リスクに関して、新たな情報を今回は取り上げます。それはフランスで猫がアヒルの養殖場に侵入してそこから鳥インフルエンザH5N1型に感染し、重症になったために安楽死させたというニュースです。
 その猫から分離されたウイルスは、哺乳類に感染しやすい特徴を持っていました。ヒトはH5N1型鳥インフルエンザに感染することがあります。感染すれば、致死率が56%と非常に危険です。


Mutated avian influenza virus detected in cat 「猫から変異型鳥インフルエンザウイルスが検出されました」 2023年1月27日

Cats have a tendency to roam, and one poor feline has paid the price for, I assume, visiting a duck farm.
The French Agency for Food, Environmental and Occupational Health and Safety (ANSES) reports that, late last year, a sick cat suffering severe neurological symptoms had to be euthanized.
Infection with a mutated strain of the H5N1 avian influenza (AI) virus.
This is not the first time that AI has been detected in a cat, infected cats have been recorded in Germany and Thailand, but it is, nevertheless, a cause for concern.
The virus isolated from the cat had genetic characteristics of adaptation to mammals.
The agency has strongly advised pet owners to keep their animals away from infected farms or operations that cull infected birds.
Contamination of pets, it warns, could make it easier for the virus to cross into humans.
Most attention where AI is concerned is paid to losses in the poultry industry.
A total of 240 cases of human infection with AI A(H5N1) were recorded resulting in a case fatality rate of 56%.

猫は徘徊する傾向があり、アヒルの養殖場を訪れた1匹のかわいそうな猫がその代償を払ったのだと私は思います。
フランス食品・環境・労働安全衛生庁 (ANSES) は昨年末に、重度の神経的症状に苦しむ病気の猫を安楽死させなければならなかったと報告しています。
その猫は、鳥インフルエンザH5N1鳥型(AI)ウイルスの変異株に感染していました。
AI(鳥インフルエンザH5N1型)が猫で検出されたのはこれが初めてではなく、感染した猫はドイツとタイで記録されており、それも懸念の原因となっています。
猫から分離されたウイルスは、哺乳類に感染に適応する遺伝的特徴を持っていました。
政府当局はペットの所有者に、鳥インフルエンザに感染した家禽の農場や、感染した鳥を処分する事業が行われている場所からペットを遠ざけるように強く勧告しています。
ペットの感染は、ウイルスが人間に感染しやすくなる可能性をもたらすと警告されています。
鳥インフルエンザH5N1型(AI )に関する最も注目すべき点は、家禽産業における損害です。
AI (鳥インフルエンザH5N1型)による人への感染は、合計240例記録されており、致死率は 56%
でした。



 このように猫が徘徊して鶏などの養殖場に侵入し鳥インフルエンザに感染することは、その猫に接する人に対しても鳥インフルエンザの感染のリスクをもたらします。もちろん、猫が鳥インフルエンザに感染して、他の家禽の養殖場に侵入し、そこで鳥インフルエンザの家禽への感染拡大をもたらすリスクもあります。
 鳥インフルエンザ流行地では、家禽生産農家を守るのみならず、人への致死性が高い感染症の感染を防ぐためには、飼犬猫は室内にとどめ、やむなく外出させる場合はクレートに密閉するか、リードで拘束するのが望ましいです。自由に徘徊する野良猫は捕獲して公的施設に収容するか、殺処分が望ましいのです。現にドイツではそのようにしています。飼犬猫を鳥インフルエンザ流行地で放せば3万ユーロ(450万円近く。1ユーロ=148円)の罰金が科され、犬猫は捕獲の上、殺処分されることもあります。ましてや野良猫の温存策であるTNRに対して公的な支援などありえません。


(動画)

 Vogelgrippe H5N8 - 2017 Sperrgebiete Hunde und Katzen mit Leinenzwang Sperrgebiet mit Leine 「2017年の鳥インフルエンザH5N8による、リードで拘束された犬と猫以外を制限する区域」 2017年2月1日
 ドイツでは、鳥インフルエンザが流行している規制区域では、犬と猫を外に出す場合は必ずリードで拘束しなければなりません。自治体によっては違反者は3万ユーロ(450万円)以下の罰金が科され、犬猫は行政により殺処分される可能性があります。宮崎県の口蹄疫流行では徘徊猫による感染拡大の可能性が指摘され、鳥インフルエンザや豚熱でも徘徊猫による感染の可能性があったと疑われています。しかし日本は、猫の室内飼育への移行や、野良猫放し飼い猫の対処についての議論すら起きません。狂った猫愛誤国家です。 

Vogelgrippe H5N8 Sperrgebiete Hunde und Katzen mit Leinenzwang.
Allerdings ist die Vogelgrippe für Hausgeflügel und Vögel tödlich.
Außerdem können Tiere und Menschen den Virus verbreiten.
Das bedeutet, dass Hunde und Katzen an die Leine müssen.
Ansonsten drohen Geldstrafen bis zu 30000 Euro.
Sogar mit Einschläferungen der Fellnasen gerechnet werden, wenn Tiere nicht durch ein Halsband zugewiesen werden können.

鳥インフルエンザH5N8における規制区域では、犬と猫にリードが必要です。
鳥インフルエンザは、家禽や鳥にとって致命的です。
動物や人間もウイルスを広める可能性があります。
つまり、犬と猫はリードにつながなければなりません。
それを行わない場合は、最高で3万ユーロ(日本円で450万円 1ユーロ=148円)が科される可能性があります。
もし指示に従わずに犬と猫に首輪をつけていなければ、安楽死処分(殺処分)されることが予想されます。





(動画)

 Bird flu: The next pandemic? • FRANCE 24 English 「鳥インフルエンザ:次のパンデミックは?」 2023年3月25日

 5:40~あたりから、フランスのアヒル養殖農場から猫が鳥インフルエンザに感染したことが述べられています(ビデオはフランス語。英語字幕)。「鳥以外での動物種への感染、特に哺乳類では最近フランスで発見されました。鳥インフルエンザは急速に感染拡大が可能です」とあり、乗数的な感染拡大により突然変異が起こり、哺乳類(ヒト)へのパンデミックの可能性に含みを持たせた内容です。

It has ravaged farms, decimated wild birds and spilled onto mammals.
Could the #avianflu spark the next human #pandemic?

鳥インフルエンザは農場を荒廃させ、野鳥を殺し、哺乳類にまでばらまかれました。
#鳥インフルエンザ は、次には人類 #のパンデミック を引き起こす可能性があるのでしょうか?


アメリカのTNRマネジメントでは傷病猫等を殺処分する間引きも行われる







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(summary)
TNR management supported by municipalities in the United States and TNR activities in Japan are completely different.


 記事、
アメリカ合衆国での相次ぐTNRの否定~連邦魚類野生生物庁、CDCに続き連邦農務省もTNRより殺処分を推奨
アメリカ連邦農務省のTNRを完全否定する文書から~外猫は生態系、環境被害、感染症のリスクを高める被害は深刻である
アメリカ連邦農務省~外猫による被害を防止するためには飼猫のマイクロチップと室内飼い義務化、外猫への給餌禁止を自治体は立法すべき。TNRは効果はない。
アメリカ連邦農務省は「TNRは効果がなく外猫は銃やわなで殺害駆除することを推奨する」とした
アメリカと日本ではTNRは全く異なり、日本のTNRは野放図無法な餌やりの免罪符にすぎない
場所が厳しく制限され、MCで届け出た猫も行政による捕獲殺処分があるアメリカのTNRマネジメント
の続きです。
 アメリカ連邦農務省は2021年に魚類野生動物サービス庁、CDCに続き、TNRを完全に否定しました。「TNRは費用対コストで劣り、その上確実に外猫の数を減らすことはできない。外猫の対策としては忌避剤、銃殺、罠と、合法的な安楽死を推奨する」という内容の公文書を公表したことを連載記事で述べました(US. Department of Agriculture Animal & Plant Health Inspection Service Wildlife Services Wildlife Damage Management Technical Series Free-ranging and Feral Cats)。対して、TNRを支持する、アメリカ連邦政府機関は1つもありません。アメリカでは、ごく例外的にTNRマネジメントを条令で認め、制度化している自治体はあります。しかしその内容は、日本で思われているTNRとは全く異なります。


 
 前回記事、アメリカと日本ではTNRは全く異なり、日本のTNRは野放図無法な餌やりの免罪符にすぎない では、アメリカの自治体が認めるTNRマネジメントと、日本で行われているTNR活動やTNRを前提とする地域猫活動とは全く異なることを示しました。例としてロサンゼルス市のTNRマネジメントを取り上げました。
 以下に、アメリカでの自治体が条例で規定しているTNRマネジメントの一般的な内容を示します。日本で行われているTNRや、TNRを前提とした地域猫活動では、以下の1~7が行われている例は1つも知りません。ただしアメリカのTNRマネジメントでは、日本の地域猫活動の様に地域の同意は必要とはしていません。

1、去勢の他、狂犬病ワクチンが義務付けられる。
2、MCが義務付けられ、自治体にTNRマネジメントの対象猫の届け出が必要。
3、TNR活動が行えるエリアが厳しく制限される(例としてはロサンゼルスなど)。
4、活動計画に基づき、まず最初に管理可能な猫の上限数を定め、その数まで老齢、傷病猫は捕獲安楽死させ「間引き」をする。
5、積極的にTNRマネジメント猫は飼猫として譲渡して減らす努力をする。
6、TNRでの給餌を禁止している自治体もある(ロサンゼルスなど)。
7、アメリカの自治体は概ね外猫の捕獲と殺処分を行っており、TNRマネジメントで正規に登録している猫も状況(近隣から苦情があった、同じ猫で複数回捕獲されるなど)によっては対象となる。



 今回は「アメリカのTNRマネジメントでは傷病猫や老齢猫を殺処分して間引く」、フロリダ州とテキサス州の実例を挙げます。この2つのTNRマネジメントのケースは論文で効果が検証されています。いずれも「TNRマネジメントを行った猫のコロニーでは猫の個体数が減ったが、主な要因は猫を飼猫として譲渡したことと、傷病老齢猫の間引き(安楽死、殺処分)であって去勢の効果とは言えない」と結論付けています。
 しかしこの2つのTNRマネジメントのケースは、日本で「TNRは猫を減らす効果がある」と引用され、いずれも「一般譲渡と間引き(安楽死、殺処分)」のことには触れていません。まさにチェリー・ピッキングです。アメリカのTNRマネジメントの情報が正しく伝わっていない日本においては誤った認識をもたらすため、悪質と言えます。以下に引用します。


Trap–neuter–return

An eleven-year study of a TNR program at the University of Central Florida achieved a population decrease of 66%, from 68 cats in 1996 to 23 cats in 2002.
However, TNR was not the sole reason for success.
The population reduction was primarily from adoption (47%) and euthanasia (11%), or due to the cats no longer living on site with their whereabouts unknown (15%).

セントラル フロリダ大学での11年間にわたるTNRプログラムの研究では、1996年の68匹の猫の数から、2002年の猫の数23匹へと66% 個体数の減少が達成されたとあります。
しかしながら、TNR(去勢) だけが成功の理由ではありませんでした。
個体数の減少は主に飼猫として譲渡)としたこと(47%) と安楽死 (11%) によるもの、または行方不明でTNRマネジメントの現場で生息しなくなった猫(流出猫)(15%) によるものでした。



 この論文を「TNRは猫を減らす効果がある」として、引用している博士論文があります。この論文では、上記のセントラル フロリダ大学におけるTNRマネジメントでの、飼猫化と安楽死(殺処分=間引き)について一切触れていません。読者は「猫が減ったのは去勢の効果のみである」と著しく誤認させ、問題があります。以下に引用します。


博士論文 地域猫活動が野良猫の個体数制御及び福祉に及ぼす影響 2020 年 3 月 帝京科学大学大学院 理工学研究科 先端科学技術専攻 学籍番号 17NA001 三井 香奈

TNR 活動により、実際に野良猫の個体数が減っていることが米国のフロリダ州などで報告されている(Levy et al., 2014; Levy et al., 2003; Mahlow, 1999)。


 次はテキサス農工大学構内で行われたTNRマネジメントです。このケースは、繰り返し日本のTNR,動物愛誤団体に好んで引用され「TNRは猫を減らす効果が大変高い」という根拠とされています。しかしこのケースでも、猫が減ったのは飼猫としての譲渡と、感染症の個体を安楽死(殺処分=間引き)したことが大きな要因とされています。


Implementation of a feral cat management program on a university campus 「テキサス農工大学構内での野良猫管理プログラムの実施」 2002年

In August 1998, Texas AM University implemented on campus a trap-test-vaccinate-alter-return-monitor (TTVARM) program to manage the feral cat population.
In this article we summarize results of the program for the period August 1998 to July 2000.
In surgery laboratories, senior veterinary students examined cats that were humanely trapped once a month and tested them for feline leukemia and feline immunodeficiency virus infections, vaccinated, and surgically neutered them.
They euthanized cats testing positive for either infectious disease.
The program placed kittens and tame cats for adoption; cats totaled 158.
The prevalence found for feline leukemia and feline immunodeficiency virus ELISA test positives was 5.8% and 6.5%, respectively.
Following surgery, 101 cats returned to campus.
The program placed 32 kittens, juveniles, and tame adults for adoption.

1998年8月にテキサス農工大学は、野良猫の個体数を管理するために、トラップ テスト ワクチン接種 中性化 リターン モニター (TTVARM) プログラムをキャンパス内に実装しました(いわゆるTNR。捕獲、去勢、リリースの他にワクチン接種とモニタリングを行うテストプログラムという意味)。
この論分では、1998年8月から2000年7月までの期間における同プログラムの結果を要約します。
獣医外科研究室では獣医学部上級生が人道的に捕獲された猫を月に1回検査し、猫白血病と猫免疫不全ウイルス感染の検査、ワクチン接種、および外科的な去勢手術を行いました。
外科研究室では、いずれの場合も感染症の検査で陽性となった猫を安楽死させました。
このプログラムでは、子猫と人に慣れた猫を養子縁組のために飼猫として譲渡
しました。
対象となった猫の合計は合計158匹です。
猫白血病と猫免疫不全ウイルスの ELISA 検査陽性者の有病率は、それぞれ 5.8% と 6.5% でした。
去勢手術後に、101匹の猫が大学構内に戻されました。
このプログラムでは32 匹の子猫、若い猫、人に慣れた成猫が養子縁組のために飼猫として譲渡されました。



 しかしこのケースでも「TNR活動での猫の積極的な飼猫化と譲渡と安楽死(殺処分による間引き)」が猫の大きな要因にかかわらず、その点に一切触れずに、都合よく引用している資料があります。以下に引用する資料ですが、猫が減ったのは去勢の効果だけと著しく読者を誤認させます。
 また「どうぶつ基金では、殺処分ゼロを目指しています。TNRを急ぐ必要があります」とあります。この記述は、絶賛しているアメリカのTNRが「殺処分ゼロ化の手段」と著しく誤解させます。以下に引用します。


やっぱりTNR 2012年4月10日

米国の研究者によると、テキサス州の大学で、九年前からキャンパス内ののら猫を対象に繁殖制限の比較調査が行われている。
75%の猫を安楽死させるよりも、75%の猫にTNRを行った方が、より猫の数が減ってきているという。 



 なおアメリカ合衆国では、上記のどうぶつ基金の記事の記述にあるように、TNRが一般化して広く普及しているわけではありません。連邦、州では制度化はされておらず、複数の連邦政府機関はTNRを完全に否定しています。TNRを支持する連邦政府機関は皆無です。アメリカ合衆国の全80,440自治体のうち、200余りの自治体が制度として認めているだけです。それ以外の多くの自治体ではTNRを行ったとしても野良猫への給餌は、懲役刑も含む処罰対象です。
 しかもアメリカの自治体が制度として認めているTNRマネジメントは非常に制限が多く、日本で行われているTNR活動や、TNRを前提とする地域猫活動とは全く異なります。今回記事で述べた通り、対象地域の傷病等の野良猫の安楽死(殺処分=間引き)もあります。日本で行われているTNR、地域猫活動は野放図、無法な餌やりの口実として行われているにすぎません。


(動画)

 A Gilbert man facing possible jail time for feeding feral cats 「野良猫に給餌したギルバート町の男は、懲役刑の可能性に直面しています」 2020年1月28日

概要:アリゾナ州ギルバート町の男は猫に給餌したことにより、今週に裁判が予定され、懲役刑に直面しています。この男性は、ポール・ロドリゲス氏です。
 ギルバート町は、町の公有地で猫に餌やりをすることを禁じる条例を可決していました。ポール・ロドリゲス氏は夜間に隠れて、ギルバートの町内で猫の給餌をしていました。ポール・ロドリゲス氏は14年間それを続けました。彼はそれに10万ドルを費やしたと言っています。ポール・ロドリゲス氏は大の動物好きで、野良猫の給餌するとともに去勢をする(いわゆるTNR)ことにより、猫の数を減らすのが最良の方法と信じていました。




(動画)

 71-year-old woman may go to jail for feeding stray cats 「71歳の高齢女性は野良猫に餌をやったために刑務所に行くかもしれません」 2012年8月28日

概要:71歳のジェリー・デンプシーさんは、施しの精神と猫への愛情で給餌をしていると説明しました。彼女は餌代で月に800ドルを費やして、地域の野良猫に給餌をしていると言っています。また彼女は、近隣の野良猫を捕獲して去勢手術をしてリリースする(TNR)ことに多くの時間を費やしています。
 彼女は裁判所から猫に餌をやるのをやめるように命じられており、刑務所に行く可能性に直面しています。彼女は今まで3回裁判所に出廷しています。野良猫の給餌したことによる273ドルの罰金や、不法侵入罪での455ドルの罰金など様々な理由です。この状況で猫に餌をやることをやめなさいという人に「私は猫を餓死させたくないのです。餌を与えなければ猫たちは餓死してしまう。猫たちを餓死させればいいというのですか」とデンプシーさんは言います。




(動画)

 WATCH | Garfield Heights woman sentenced to jail for feeding stray cats learns final fate 「オハイオ州ガーフィールドハイツに住む、野良猫の給餌した女性の実刑判決」 2019年8月7日

概要:野良猫の給餌を行った、オハイオ州ガーフィールドハイツに住む79歳の女性の裁判のライブ配信。女性は引っ越しをした近隣の住民が猫を置き去りにしたために、見かねてその猫に餌を与えたといいます。しかし執行猶予はつかず10日間の懲役刑が言い渡されました。

場所が厳しく制限され、MCで届け出た猫も行政による捕獲殺処分があるアメリカのTNRマネジメント







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(summary)
TNR management supported by municipalities in the United States and TNR activities in Japan are completely different.


 記事、
アメリカ合衆国での相次ぐTNRの否定~連邦魚類野生生物庁、CDCに続き連邦農務省もTNRより殺処分を推奨
アメリカ連邦農務省のTNRを完全否定する文書から~外猫は生態系、環境被害、感染症のリスクを高める被害は深刻である
アメリカ連邦農務省~外猫による被害を防止するためには飼猫のマイクロチップと室内飼い義務化、外猫への給餌禁止を自治体は立法すべき。TNRは効果はない。
アメリカ連邦農務省は「TNRは効果がなく外猫は銃やわなで殺害駆除することを推奨する」とした
アメリカと日本ではTNRは全く異なり、日本のTNRは野放図無法な餌やりの免罪符にすぎない
の続きです。
 アメリカ連邦農務省は2021年に魚類野生動物サービス庁、CDCに続き、TNRを完全に否定しました。「TNRは費用対コストで劣り、その上確実に外猫の数を減らすことはできない。外猫の対策としては忌避剤、銃殺、罠と、合法的な安楽死を推奨する」という内容の公文書を公表したことを連載記事で述べました(US. Department of Agriculture Animal & Plant Health Inspection Service Wildlife Services Wildlife Damage Management Technical Series Free-ranging and Feral Cats)。対して、TNRを支持する、アメリカ連邦政府機関は1つもありません。アメリカでは、ごく例外的にTNRマネジメントを条令で認め、制度化している自治体はあります。しかしその内容は、日本で思われているTNRとは全く異なります。


 
 前回記事、アメリカと日本ではTNRは全く異なり、日本のTNRは野放図無法な餌やりの免罪符にすぎない では、アメリカの自治体が認めるTNRマネジメントと、日本で行われているTNR活動やTNRを前提とする地域猫活動とは全く異なることを示しました。例としてロサンゼルス市のTNRマネジメントを取り上げました。
 以下に、アメリカでの自治体が条例で規定しているTNRマネジメントの一般的な内容を示します。日本で行われているTNRや、TNRを前提とした地域猫活動では、以下の1~7が行われている例は1つも知りません。ただしアメリカのTNRマネジメントでは、日本の地域猫活動の様に地域の同意は必要とはしていません。

1、去勢の他、狂犬病ワクチンが義務付けられる。
2、MCが義務付けられ、自治体にTNRマネジメントの対象猫の届け出が必要。
3、TNR活動が行えるエリアが厳しく制限される(例としてはロサンゼルスなど)。
4、活動計画に基づき、まず最初に管理可能な猫の上限数を定め、その数まで老齢、傷病猫は捕獲安楽死させ「間引き」をする。
5、積極的にTNRマネジメント猫は飼猫として譲渡して減らす努力をする。
6、TNRでの給餌を禁止している自治体もある(ロサンゼルスなど)。
7、アメリカの自治体は概ね外猫の捕獲と殺処分を行っており、TNRマネジメントで正規に登録している猫も状況(近隣から苦情があった、同じ猫で複数回捕獲されるなど)によっては対象となる。



 今回は最近条例が改正され、TNRを市が認めた、アメリカ、ニューメキシコ州ラスクルーセス市のTNR条例を取り上げます。以下に、それを報じるニュースソースから引用します。


City council codifies trap-neuter-return program for roaming cats in new ordinance 「市議会は新しい条例で自由に徘徊する猫の捕獲・中性化・リターンプログラムを成文化します」 2021年8月18日

The Las Cruces City Council approved changes to its animal control ordinance Monday, including the codification of a trap-neuter-return program aimed at reducing the city's feral and unowned cat population.
The cats will be sterilized, vaccinated and microchipped.
Their left ears will be clipped as a marker, after which the cats will be dropped off in the area where they were picked up or delivered to a caretaker.
It will be prohibited to return cats within 150 feet from a day care center, school, nursing home or congregate care facility, park or any public city facility.
Euthanasia will still remain an option in some cases.
Sick cats also won't qualify for the program, and if the sick cat is feral it could be euthanized.
If the same cat is impounded four times within 12 months, including its initial animal control intake, the cat will either be "adopted, sent to a rescue organization, kept within an enclosed cat colony, placed with barn/shop cat programs for adoption, or euthanized" by the ASCMV, the ordinance states.
The previous system criminalized those who tried to humanely control the population.

ラスクルーセス市議会は月曜日に、市の野良猫と飼主が不明な猫の数を減らすことを目的としたトラップ・中性化・リターン(TNR)プログラムの成文化を含む、動物管理条例の改正を可決しました。
TNRプログラムの猫は不妊手術、ワクチン接種、マイクロチップを装着します。
左耳は目印として切り取られ、その後に猫は捕獲された場所に放されるか、TNR猫を世話する人に届けられます。
保育園、学校、老人ホーム、介護施設、公園、または都市の公共施設から 150フィート(45.72㎝。1フィート36.48㎝)以内で猫を放すことは禁止されます。
猫の安楽死は、いくつかのケースでは選択肢として残されます。
病気の猫もTNRプログラムの対象外であり、病気の猫が野良猫の場合は安楽死させることができます。
同じ猫が最初にアニマルコントロール(市の動物管理を担う期間)に捕獲収容されてから1年以内に4回捕獲収容された場合は、その猫は「飼猫として譲渡されるか、動物保護団体に送られて閉じ込められた施設内で飼育されるか、閉鎖された猫のコロニーに保管され、養子縁組のための施設/猫の養子縁組のためのペットショップに入れられか、 または安楽死させる」
と条例は記述しています。
かつて市では、猫の個体数を人道的に制御しようとした人々(TNR活動家)を犯罪者として処罰していました。



 「保育園、学校、老人ホーム、介護施設、公園、またはいかなる市の公共施設から 150フィート(45.72m。1フィート30.48㎝)以内で猫を放すことは禁止」は、都市近郊の住宅地ではほぼ活動場所が限られるのではないでしょうか。挙げられた施設は非常に多くありますし、公園で活動できなければ広い私有地を持っている人でしかできないでしょう。なおアメリカのTNRはグループ申請ではなく個人ででき、共同作業が必須ではないので個人の住宅の庭でできます。しかし都市近郊の住宅で「保育園、学校、老人施設、公園、公民館などすべての市の公共施設」が約50m以内の住宅では、TNR活動はできないということです。日本のTNR、地域猫活動で、活動場所が制限されることはありません。
 「病気の猫は対象外で安楽死」、「一定条件でマイクロチップされて登録済みのTNR猫であっても行政が捕獲し、再リリースできず殺処分もある」のは、日本の地域猫活動ではありえないです。日本のTNR、地域猫活動は「殺処分ゼロのための活動」ですので。

 このようにアメリカの自治体のTNR制度は、日本の地域猫とは似て非なるものです。まさに日本のTNR活動や、TNRを前提とした地域猫活動はアメリカのTNRのデッドデッドコピーです。しかし日本では、日本で行われている野放図無法な、単に餌やりをする口実だけのTNR、地域猫活動は、ほぼアメリカのTNRマネジメントを踏襲したものと誤解されています。
 次回はアメリカのTNRマネジメントでは多くの場合、「管理可能な猫の数をあらかじめ設定し、TNR実施前にその数になるまで老齢猫や傷病猫の殺処分を行う(いわゆる「間引き」)」について述べます。
 アメリカのTNR効果を検証した論文では「猫の減少は人為的な殺処分で減らしたことが主な要因で、去勢による効果はほぼない」としているものがあります。しかし日本で紹介されている「アメリカのTNRの成功例」では、猫の「間引き」について一切触れずにそのような論文を引用して「TNRで猫が減った」としています


(動画)

 Man, 76, Goes To Jail For Feeding Stray Cats 「76歳の男性は野良猫に餌をやったことで刑務所に行くことになる」 2015年2月18日

 テキサス州で、実際に野良猫の給餌で刑務所で服役した76歳の男性。私がソーシャルメディアで「アメリカでは日本で言われているようにTNRが一般的に行われ、普及しているわけではない。わずか200余りの自治体(アメリカの自治体数は84,400)が例外的に認めているだけ」と投稿したことがあります。それに対して非常に攻撃的な、「自治体が認めていなくても勝手にやればいいだけだ」というレスがありました。
 しかしTNRマネジメントを制度として認めていないアメリカの自治体の多くは野良猫への餌やりを禁止しており、懲役刑も含めて厳しい処罰規定があります。私が確認した限り、野良猫の餌やり、もしくは飼い猫の放飼いで屋外給餌をした場合で最も重い処罰規定がある自治体は、最高で懲役1年以下と罰金の併科です。日本では地域猫を制度化していない自治体でも、野良猫の給餌を禁止している自治体はほぼなく、例外的にある自治体でも過料が5万円以下で処罰例がないといった具合です。そのような点でも、日本ではアメリカのTNRマネジメントや野良猫の給餌に関して誤解があります。

アメリカと日本ではTNRは全く異なり、日本のTNRは野放図無法な餌やりの免罪符にすぎない







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(summary)
TNR management supported by municipalities in the United States and TNR activities in Japan are completely different.


 記事、
アメリカ合衆国での相次ぐTNRの否定~連邦魚類野生生物庁、CDCに続き連邦農務省もTNRより殺処分を推奨
アメリカ連邦農務省のTNRを完全否定する文書から~外猫は生態系、環境被害、感染症のリスクを高める被害は深刻である
アメリカ連邦農務省~外猫による被害を防止するためには飼猫のマイクロチップと室内飼い義務化、外猫への給餌禁止を自治体は立法すべき。TNRは効果はない。
アメリカ連邦農務省は「TNRは効果がなく外猫は銃やわなで殺害駆除することを推奨する」とした
の続きです。
 アメリカ連邦農務省は2021年に魚類野生動物サービス庁、CDCに続き、TNRを完全に否定しました。「TNRは費用対コストで劣り、その上確実に外猫の数を減らすことはできない。外猫の対策としては忌避剤、銃殺、罠と、合法的な安楽死を推奨する」という内容の公文書を公表したことを連載記事で述べました(US. Department of Agriculture Animal & Plant Health Inspection Service Wildlife Services Wildlife Damage Management Technical Series Free-ranging and Feral Cats)。対して、TNRを支持する、アメリカ連邦政府機関は1つもありません。アメリカでは、ごく例外的にTNRマネジメントを条令で認め、制度化している自治体はあります。しかしその内容は、日本で思われているTNRとは全く異なります。



 アメリカ合衆国ではTNRを肯定し、推進すべきとしている連邦政府機関は1つもありません。日本の環境省に相当する、魚類野生動物サービス庁(U.S. Fish and Wildlife Service )は2009年に「TNRに猫を減らす効果はない。成功例は皆無である」(There was no “success” story.)と、明確にかつ完全に否定しました。さらに「TNRは」在来野生動物に有害で犯罪の可能性がある」としています。同庁は、ニュージャージー州環境保護局の魚類野生生物局(NJDFW)がTNRを支持する方針に対して撤回を求め、TNRを禁止する勧告を2010年に出しています。
 2016年には、アメリカ連邦疾病予防管理センター(CDC)が「TNRは猫を減らす効果はなく、給餌により野生動物を誘引し、それらの野生動物が狂犬病等の深刻な感染症を人社会にもたらすリスクを高める」との、完全にTNVR(Vとはワクチンのこと)を否定する論文を公表しています。その後もCDCは、何度も「TNVRは重大な感染症のリスクを高め、かつ猫を減らす効果はない」と警告し、TNVRの停止を求めています。
 この2つの連邦政府機関に続いて2021年には連邦農務省もTNRを完全に否定しました。「TNRは費用対効果で劣り、さらに猫を確実に減らす効果はない。外猫の被害を除去するためには殺処分を行うことを推奨する」文書を2021年に公表しています。

 しかしアメリカ連邦政府機関がTNRを完全に否定していても、アメリカ合衆国内では、例外的に自治体レベルでTNRマネジメントを条令により制度化しているところがあります。若干古い資料ですが、2013年にはアメリカ合衆国では245の自治体(municipalities)にTNRを認める条令があります。(*)なおアメリカの自治体(Municipality)数は約84,400とされています。(*1)
 アメリカにおいてはTNR公的制度として認めている自治体は極めて少数です。ですから日本で喧伝されているように、アメリカは「TNR大国で一般的に行われている」というのは誇張です。

(*)
Trap-Neuter-Return Ordinances and Policies in the United States: The Future of Animal Control Elizabeth Holtz, JD

(*1)
アメリカ合衆国の地方行政区画

 さらにアメリカでは自治体が認めるTNRマネジメントは日本で行われているTNRやTNRが前提の地域猫活動とは似て非なるものです。またアメリカではTNRを制度化していない自治体では野良猫への給餌やTNRは多くでは禁じられており、違反者には厳しい罰則が科せられます。実際に違法にTNRや給餌を行い、逮捕起訴されて懲役刑の判決が確定した例も複数あります。実際に実刑になった人も複数います。
 以下に、アメリカでの自治体が条例で規定しているTNRマネジメントの一般的な内容を示します。日本で行われているTNRや、TNRを前提とした地域猫活動では、以下の1~7が行われている例は1つも知りません。ただしアメリカのTNRマネジメントでは、日本の地域猫活動の様に地域の同意は必要とはしていません。

1、去勢の他、狂犬病ワクチンが義務付けられる。
2、MCが義務付けられ、自治体にTNRマネジメントの対象猫の届け出が必要。
3、TNR活動が行えるエリアが厳しく制限される(例としてはロサンゼルスなど)。
4、活動計画に基づき、まず最初に管理可能な猫の上限数を定め、その数まで老齢、傷病猫は捕獲安楽死させ「間引き」をする。
5、積極的にTNRマネジメント猫は飼猫として譲渡して減らす努力をする。
6、TNRでの給餌を禁止している自治体もある(ロサンゼルスなど)。
7、アメリカの自治体は概ね外猫の捕獲と殺処分を行っており、TNRマネジメントで正規に登録している猫も状況(近隣から苦情があった、同じ猫で複数回捕獲されるなど)によっては対象となる。



 私はロサンゼルス市の、自治体が認めたTNRマネジメントについて記事にしたことがあります。ロサンゼルス市では10年以上の期間にわたり、「環境悪化の恐れがあるために市がTNRを制度とすることを禁じる」という、裁判所の命令がありました。近年環境に配慮することを条件に再開しました。
 概ねロサンゼルス市は、先に述べた1~7の条件を課しています。特に猫への給餌は、箱わなに仕掛ける囮餌のみが許可され、しかも設置は30分以内で、人が監視していなければならないとしています。

「ロサンゼルスではTNRが行われている」という、どうぶつ基金協力獣医師の嘘
「地域の同意を必要としないロサンゼルス市のTNRプログラム」をぜひ日本も取り入れるべき

 繰り返しますが、日本で行われているTNRやTNRを前提とした地域猫活動は全くアメリカ等のTNRマネジメントとは異なります。まさに酷いデッドコピーで、日本のTNRやTNRを前提とした地域猫活動は事実上、「野放図無法な野良猫への給餌の免罪符」となっています。
 ですから「アメリカでも一部の自治体ではTNRが行われている」とは言え、日本のTNR、地域猫活動家が思い描いているものとは内容が全く異なります。日本式のTNR、地域猫活動に相当するものは、少なくともアメリカでは自治体が制度として認めているものはありません。次回記事では、アメリカのTNRマネジメントの具体例をロサンゼルス市以外にも挙げようと思います。


(動画)

 Cops Arrest Grandma For Feeding Cats 「警察官らは猫に餌やりをしているおばあちゃんを逮捕した」 2023年1月30日

概要:アラバマ州ウェタンプカの市長は、かねてより市の公有地の公園で野良猫に餌やりをしていた女2人組の1人の、アルストン氏の自動車を目撃しました。市の公園で餌やりをしていた女2人組、アルストン氏とロバーツ氏は、かねてより公園で野良猫の餌やりを市から禁止され、3度行えば不法侵入になると市から警告されていました。
 市長が目撃したのは3回目だったので、3台のパトカーで駆けつけた警察官らは2人の女性に手錠をかけて逮捕しました。警察官は女性らに「市はここで猫に餌をやることは望んでいない。留置所に送る」と言いました。アラバマ州法では公有地であっても、土地管理者がある者に侵入を禁止することができ、3度禁止を破った場合は刑法上の不法侵入罪になります。女性は「野良猫に餌をやったが猫を捕獲して不妊去勢をし、元の場所にリリースする、いわゆるTNRを行っていた」と弁明しました。しかし女性らは罰金と、執行猶予付きの懲役刑が言い渡されました。

 この動画は法律の説明と解釈が丁寧にされています。文字を起こすのは大変ですが、興味深い内容ですので機会があれば内容を詳しく取り上げたいと思います。
 いずれにしても日本は野良猫の餌やりに甘すぎます。柵で囲われた私有地に不法侵入を繰り返して野良猫の餌やりをした者に対しても、警察は何もしません。それどころか、土地所有者に猫の餌代や去勢費用まで要求するケースすらあります。それなのに野良猫愛誤活動家は「日本は動物愛護後進国だ。欧米を見倣え」と真逆の屁理屈を言います。まさに狂っています。

プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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