ドイツでは9割、イギリスでは8割、アメリカでは7割の犬が殺されて生涯を終える

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(summary)
International comparison of life expectancy of dogs
記事、
・犬の平均寿命が突出して長い日本~犬を終生飼育する日本、すぐ殺す欧米、
・なぜ日本の犬の平均寿命が欧米より長いのか?~日本は世界にまれにみる犬猫の終生飼養義務国、
の続きです。
前回記事では、欧米先進国に比べて日本は突出して犬の平均寿命が長いことを書きました。アメリカ、イギリス、ドイツ、スイス等では概ね犬の平均寿命は10~11歳であるのに対し、日本は約15歳です。なぜ日本は国際比較で犬の平均寿命が突出して長いのでしょうか。今回記事ではその要因について考察します。その一つに日本が世界では例を見ない、犬猫の終生飼養を義務付けていることがあります。対して欧米の多くの国では犬の7〜9割が人為的に殺されて、寿命を全うできません。
前回記事では、その国の犬の平均寿命を決定する要因として次の3つを挙げました。
1、十分な獣医療を受けさせているか。その国の獣医療水準と普及率、飼主の犬に獣医療を受けさせるだけの経済力の有無。
2、寿命短い犬種と長い犬種の飼育割合。寿命が長い犬種の飼育率が高ければ、その国の犬の平均寿命は長くなります。
3、人為的な致死処分が行われる率が高いかどうか。自然死前に致死処分を行うことが多い国は犬の平均寿命が短くなります。
その上で、欧米が日本より極端に犬の平均寿命が短い最も大きな要因は「3、人為的な致死処分が行われる率が高い」ことだと述べました。ドイツでは90%、イギリスでは80%、アメリカは70%の犬の死因が人為的な安楽死とされています。これは犬の死因が、飼主が犬が高齢になって手がかかるようになった、病気で治療費がかかる、傷病で回復の見込みがないなどの理由で、私的に獣医師に安楽死を依頼する率がきわめて高いということです。今回記事では、それを裏付ける資料を示します。以下に引用します。
・イギリス
Canine Medicine and Genetics Longevity and mortality in Kennel Club registered dog breeds in the UK in 2014 「犬の医学と遺伝学(学術誌) 2014年の全英ケネルクラブに登録された犬種の寿命と死亡率」 2018年
Mortality data on 5663 deceased dogs registered with the UK Kennel Club were collected from an owner-based survey.
The overall median age at death across all breeds was 124 months [10.33 years] .
Of all deaths reported, 79.58% involved euthanasia.
The overwhelming majority of reported deaths in dogs (79.58%) in this study involved euthanasia.
These findings concur with results reported from primary-care veterinary practice in the UK which reported that 86.4% of deaths involved euthanasia.
UK Kennel Club(全英ケネルクラブ)に登録されている5663頭の死亡犬の死亡率データは、飼い主ベースの調査から収集されました。
すべての品種の全体的な死亡年齢の中央値は124か月[10.33歳]でした。
報告されたすべての死亡のうち、79.58%が安楽死に関与していました。
この研究で報告された犬の死亡の圧倒的多数(79.58%)は安楽死に関係していました。
これらの調査結果は、死亡の86.4%が安楽死に関係していると報告した英国のプライマリケア獣医診療から報告された結果と一致しています。
この論文では「イギリスでの犬の死因は約80%が安楽死(人為的な致死処分)であり、平均寿命は10.33歳」としています。
・アメリカ
Longevity and mortality of owned dogs in England 「イングランドで飼育されている犬の寿命と死亡率」 2013年 260行目から
The euthanasia value for the current study (86.4%) exceeds a US online surveillance study of veterinary surgeons reporting 71% euthanasia (Gobar, 1998).
現在の(イギリスにおける)研究による犬の安楽死率(86.4%)は、アメリカの獣医師によるオンラインでの調査研究の報告の71%を上回っています。
これはイギリスの論文ですが、2013年の調査ではイギリスでは犬は86.4%の犬が安楽死されているとし、アメリカでは71%としています。
・ドイツ
Was tun, wenn Ihr Haustier stirbt? 「あなたのペットが死んだとき、あなたは何をするべきか?」
Von den 9.000 bis 10.000 Hunden, die pro Jahr im Großraum Stuttgart sterben, müssen über 90 Prozent beim Tierarzt eingeschläfert werden.
シュトゥットガルト地方(註 ドイツ、バーデンヴュルテンベルク州の都市)では、毎年死亡する9,000〜10,000頭の犬のうち、90%以上が獣医が安楽死させているのは間違いないです。
・ドイツ
Irgendwann heißt es Abschied nehmen ... 「ある時点でペットにさよならを言う時が来ました」(ティアハイムによる有料動物葬祭の提案記事)
Leider ist es eine seltene Ausnahme, wenn Hund oder Katze eines Tages friedlich der Altersschwäche erliegen.
Von den 300 bis 400 Hunden, die pro Jahr in Würzburg sterben, müssen über 90 Prozent beim Tierarzt eingeschläfert werden.
(ドイツでは)残念ながらある日に、犬や猫が安らかに天寿を全うするのはまれで例外です。
ヴュルツブルク(註 ドイツ、バイエルン州の都市)で毎年死亡する300〜400頭の犬のうち、90%以上が獣医により安楽死させられているに違いありません。
なお日本における犬の安楽死率は、調べても資料がありませんでした。現役の獣医師に聞きましたがその方自身は「私は安楽死の依頼には応じる数少ない獣医師だが、1年に1例程度」との回答でした。
(動画)
Dr. Goldie Rosen - Veterinarian - Home Pet Euthanasia 「ゴールディ・ローゼン博士-獣医師-自宅でのペット安楽死をお勧めします」 2012年3月14日(アメリカ)
「自宅に出張してペットの安楽死を承ります」という、獣医師のプロモーションビデオ。「慣れ親しんだ環境の自宅内で行う安楽死は快適です。見知らぬ人がたくさんいる忙しい獣医師診療所にペットを連れて行くという、不要なストレスがない自宅でのペット安楽死をお勧めします」と、ゴールディ・ローゼン獣医師はビデオで述べています。
(動画)
Home Pet Euthanasia 「自宅でのペットの安楽死」 2022年5月27日
これはオーストラリアの獣医師の「自宅での出張ペット安楽死承ります」のプロモーションビデオ。「自宅まで出張ペット安楽死を承ります」という、獣医師の広告は欧米やオーストラリアなどでは多数公開されています。動画以外にも、獣医師診療所のHPで「ペットの出張安楽死承ります」という、それに特化したペット獣医師のグループのポータルサイトもあります。日本の家庭の小工事が窓口の業者がポータルサイトを運営し、そこで受注して傘下の工事業者に仕事を割り振るシステムと同じです。
日本ではありえません。獣医師が「ペットの安楽死を行います」という広告すら難しいでしょう。そのようなことをすれば「殺処分ゼロ至上主義者」の愛誤のテロに遭います。
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