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「フランスではペットショップでは全ての動物の展示が禁止される」というコタツ記事より酷いNHKのデマ報道






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France/Frankreich

 海外の動物愛護に関する報道では、まさに狂ったとしか言えないデマ報道を繰り返してきたNHKですが、最近も卒倒しそうなデマ報道をやらかしてくれました。それは「フランスでは2024年からペットショップではすべての動物の展示が禁止されることとなった。したがってフランスではペットショップでの生体展示販売ができなくなる」という2月20日のTVでの報道です。しかしそれは真っ赤な嘘です。フランスのペットショップの動物の生体販売を規制する法改正では、公道に面したショーウインドウでの動物の展示は禁止されますが、店内での生体展示販売は許可されます。また犬猫は保護動物のみ店内での展示販売が許可されます。


(画像)

 「フランスではペットショップでの全ての動物の展示を禁止した。ペットショップでの生体展示販売はすべての動物でできなくなる」という、驚くべきNHKの大デマ報道は、2月20日の「地球まるわかり」です。その画像です。

バカNHK 地球まるわかり

 
 サマリーで記述したとおり、このNHKの「フランスではペットショップではすべての動物の展示が禁止されるとの法改正があった。したがって、フランスのペットショップではすべての動物の生体展示販売ができなくなる」は完全なデマです。またNHKは、「フランスではペットショップではすべての動物の展示販売ができなくなるので、ペットショップでのペット生体の販売はすべてインターネットになる」とも報じています。これも荒唐無稽な大嘘です。フランスのペットショップに関する、2024年から施行される法改正は正確には次のとおりです。

1、公道に面して、公道から見える状態で動物を展示することを禁じる(つまり公道に面していない、店の外部から見えない状態での店内のケ−ジ、ショーケースでの展示販売は引き続き許可される)。
2、原則犬と猫に限り、ペットショップでの販売を禁止する。
3、ただし保護団体に属する犬と猫は、ペットショップでの展示販売ができる。


 これらに関しては、フランス政府が改正後の法律の条文原文を示し、解説した資料があります。以下に原文を引用して説明します。


LOI n° 2021-1539 du 30 novembre 2021 visant à lutter contre la maltraitance animale et conforter le lien entre les animaux et les hommes 「反動物虐待および動物と人間のきずなを強化することを目的とした法律 2021年11月30日改正法 法律番号2021-1539」 日本で「動物の権利法(私は本法を「フランス反動物虐待法」と記述する)」と訳されているフランスの法律の改正条文の解説。フランス政府文書。

(フランス語原文)
Article 15
« II.-La cession à titre onéreux ou gratuit de chats et de chiens est interdite dans les établissements de vente mentionnés au premier alinéa du I.
« En partenariat avec des fondations ou associations de protection des animaux, les établissements de vente d'animaux de compagnie mentionnés au même premier alinéa peuvent présenter des chats et des chiens appartenant à ces fondations ou associations, issus d'abandons ou dont les anciens propriétaires n'ont pas été identifiés.

(英語)
Section 15
“II.-The transfer for consideration or free of charge of cats and dogs is prohibited in the sales establishments mentioned in the first paragraph of I.
“In partnership with foundations or associations for the protection of animals, the establishments selling pets mentioned in the same first paragraph may present cats and dogs belonging to these foundations or associations, resulting from abandonment or whose former owners have not been identified.

(日本語)
15条
II.-Iで、最初の文書に記載されている販売施設(ペットショップ)では、猫と犬の対価による、または無料での譲渡は禁止されています。
(しかし例外規定として)動物保護のための財団または協会と協力して上記で記述されているペットを販売する施設(ペットショップ)は、遺棄された結果、または以前の所有者が特定されていないこれらの財団または協会が所有する猫および犬を展示することができます。



(フランス語原文)
Article 16
« III.-La présentation en animaleries d'animaux visibles d'une voie ouverte à la circulation publique est interdite. »

(英語)
Section 16
“III.- The presentation in pet shops of animals visible from a road open to public traffic is prohibited. »

(日本語)
16条
III.-公道に見える状態で、動物のペットショップで展示することは禁止されています(註 つまり公道に面して見える状態での展示ではない、店内の動物の生体展示販売は許可される)。


(フランス語原文)
Article 18
« VI.-L'offre de cession en ligne d'animaux de compagnie est interdite.
« Par dérogation au premier alinéa du présent VI, une offre de cession en ligne d'animaux de compagnie est autorisée sous réserve :
« La cession en ligne à titre onéreux d'animaux de compagnie ne peut être réalisée que par les personnes exerçant les activités mentionnées aux articles L. 214-6-2 et L. 214-6-3.

(英語)
Section 18
“VI.-The online sale of pets is prohibited.
“By way of derogation from the first paragraph of this VI, an online sale of pets is authorized subject to:
“The online sale of pets for consideration can only be carried out by persons carrying out the activities mentioned in Articles L. 214-6-2 and L. 214-6-3.

(日本語)
18条
VI.-ペットのオンライン販売は禁止されています。
このVIの最初の記述の例外規定として、ペットのオンライン販売は以下の条件に従えば許可されます。
対価を求めることを目的としたペットのオンライン販売は、L.214-6-2およびL.214-6-3に記載されている活動を実行する者(登録ブリーダー及びペットショップ)のみが実行できます。



 フランス政府文書による、「フランスでのペットショップの動物の生体販売に関する法規定の改正の解説」資料を引用しましたが、他にも本改正法の解説は英語の資料などネット上に複数あります。NHKは報道をする際に、最も重要な原典の確認をしないのでしょうか。法律云々を報道するのならば、何が何でもその法律の条文の原文を確認するのが当然です。NHKはそれすらせずに単なる担当者の思い込み、聞きかじりで事実確認もせずにデマを報道しているということです。
 またフランスは犬猫の遺棄が大変多く、NHKの本番組でも「フランスで遺棄される犬猫の数は年間10万頭」と報じています。さらにフランスは犬猫の殺処分数がきわめて多く、年間50万頭とされています。この数は人口比で日本の公的殺処分の40倍以上です。フランスの殺処分数については、NHKの本番組では言及していませんが、このような事実も報道しなければならないと思います。
 いずれにしてもNHKの今回のデマ放送は、公共放送としてあるまじきことです。しかしながらNHKは少なくとも海外の動物愛護に関する情報では、私が確認した限り正確な報道はただの一つもありませんでした。


(動画)

 stop euthanasie 「安楽死の停止」。2012/04/04 に公開。フランス語による、フランスの犬猫殺処分に反対するビデオ。閲覧注意。犬猫の殺処分シーン有り。このビデオでも、「フランスにおける年間の犬猫殺処分数は50万頭」とされています(フランス語)。




(動画)

 80% des chiens récupérés par la fourrière de Sainte-Marie finissent euthanasiés 「フランス サントマリーの公的犬収容所では80%の犬が安楽死(殺処分)される」 2018年7月4日
 フランスは犬猫の殺処分数がきわめて多く年間50万頭で、日本の人口比で40倍以上だが、殺処分率も極めて高い。地方都市では殺処分率が犬で80%超(日本は17%)という施設がある。

Reportage à la fourrière de Sainte-Marie qui récupère une quinzaine de chiens errants par jour.
En 2017, ce sont pas moins de 1935 chiens qui sont entrés en fourrière. Parmi eux, 1667 ont fini par être euthanasiés

1日に約15匹の野良犬を収容するサントマリー動物収容所の報告。
2017年には1,935頭以上の犬が収容され、そのうちの1,667頭が安楽死(殺処分)させられました 。


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ドイツ「動物福祉法」には犬の飼養やブリーダーの数値基準の規定はありません〜わんちゃんホンポのデマ記事







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(Zusammenfassung)
Tierschutz Hundeverordnung nach Gesetzesrevision


 「わんちゃんホンポ」という、犬に関する情報をインターネットで配信するメディアがあります。私はこのメディアの海外の動物愛護情報に関する記事では、正確な記事は一つも確認していません。本記事では「ドイツ動物福祉法(日本ではこの様に訳されている法律は Tierschutzgesetz です)」改正における犬の飼養と犬ブリーダー数値基準の解説をした記事がありますが、記述内容はほぼ誤りです。「動物福祉法」では犬と犬ブリーダーの数値基準の規定は一切ありません。おそらく「動物福祉法」と、「犬保護規則(省令) Tierschutz-Hundeverordnung」をライターは混同していると思われます。「犬保護規則」では改正があったのは事実ですが、本記事の記述内容とは異なります。


 サマリーで指摘した、「わんちゃんホンポ」の問題の記事から引用します。


ドイツの新しい動物福祉法が警察犬訓練に与えた影響とは?

ドイツでは2022年1月から、犬の保護者のためのルールとして新しい法律が施行されました。
1.犬のつなぎ飼いの禁止
犬を屋外に鎖などでつないで飼うことは禁止となります。
使役犬の特定の条件下でのみ例外がありますが、その場合も必ず監督者が側にいること。
2.犬舎で飼育する場合の規定
犬を犬舎で飼育する場合、犬のサイズによって床面積が規定されています。
一番小さい体高50cmまでの犬で最低6平方メートルが必要です。
5.プロのブリーダーへの規制
犬の商業的繁殖を行う者が持つ犬の数は5頭まで、同時期の繁殖は雌犬3頭までと定められています。



 サマリーで述べたとおり、上記の記述はいずれの誤りです。順を追って説明します。


・まず記事タイトルの「ドイツの新しい動物福祉法」との記述ですか、記事本文の法改正の内容は「動物福祉法」の改正と言う意味になります。しかし「動物福祉法(Tierschutzgesetz ) 連邦法)では11条で「犬ブリーダーなどの動物取扱業者は登録を要する」という定めがあるだけで、具体的な犬ブリーダーや、犬の飼養の数値基準はありません
 それらを定めているのは、「犬保護規則(省令) Tierschutz-Hundeverordnung 連邦規則(省令)」、及び「動物福祉法の実施における一般的な行政規則 Allgemeine Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes 連邦規則(省令)」です。ライターは、「動物福祉法」と「犬保護規則」を混同していると思われます。以下の記述はいずれも「犬保護規則」の内容ですが、誤りがあります。「犬保護規則」の条文原文を引用して説明します。


1.犬のつなぎ飼いの禁止

 この記述は誤解を招きます。犬のつなぎ飼いを一切禁止するのではなく、すでにつなぎ飼いの訓練がされていれば人が常に同伴していなくても許可されます。

§ 7 Anbindehaltung
(1) Hunde dürfen nicht angebunden gehalten werden.
(2) Abweichend von Absatz 1 ist die Anbindehaltung eines Hundes bei Begleitung einer Betreuungsperson während der Tätigkeiten, für die der Hund ausgebildet wurde (*)oder wird, zulässig, wenn
1. die Anbindung mindestens drei Meter lang und gegen ein Aufdrehen gesichert ist,

7条 犬のつなぎ飼い
1項 犬を縛繋いでおくことはできません。
2項 1項にかかわらず、犬がすでに訓練済みである、またはつなぎ飼いの訓練の過程で犬の世話人が同伴する場合では犬をつなぎ留めておくことが許可されます。
1.1。
鎖は少なくとも3メートル以上の長さで、緩まないように固定されていること。


(*)ausgebildet wurde
ausgebildet はAusbilden(「訓練する」の他動詞の過去分詞形。wurde はwerden 「〜られた」の過去形。他の動詞の過去分詞とともに用いられる過去完了形を表します。この条文の記述では「すでに(つなぎ飼いの)訓練を終えた」の意味になり、order「または」以降の「訓練中の犬は世話人が同伴していることを要する」とは独立した条件の規定です。つまり「つなぎ飼いの訓練を終えた犬」は、世話人の同伴を必要としません。


2.犬舎で飼育する場合の規定 最低6平方メートルが必要です。

 この犬舎の広さの規定は、「ほぼ常に犬舎に閉じ込めて飼育する場合」です。定期的に散歩に連れ出すなどの運動などをする、庭で自由に運動できる犬の場合は、この犬舎の規定が適用されません

§ 6 Anforderungen an die Zwingerhaltung
(2) In einem Zwinger muss
1. dem Hund entsprechend seiner Widerristhöhe folgende uneingeschränkt benutzbare Bodenfläche zur Verfügung stehen, wobei die Länge jeder Seite mindestens der doppelten Körperlänge des Hundes entsprechen muss und keine Seite kürzer als zwei Meter sein darf:
4. Abweichend von Satz 1 Nr. 1 muss für einen Hund, der regelmäßig an mindestens fünf Tagen in der Woche den überwiegenden Teil des Tages außerhalb des Zwingers verbringt, die uneingeschränkt benutzbare Zwingerfläche mindestens sechs Quadratmeter betragen.

6条 犬舎の整備の要件
2 項 犬小屋に関する義務的要件
1号 犬は、キ甲(肩までの高さ)の高さに応じて、次の様に犬が自由に床利用できる面積を確保しなければなりません。それは各辺の長さは犬の体長の少なくとも2倍以上なければならず、2メートルより短くすることはできません。
4号 犬小屋の外で1日の大半を少なくとも週の内5日間を日常過ごす犬は、1号の規定の、犬が自由にできる最小面積が6㎡以上なければならないとする犬舎の規定は適用されません。


5.プロのブリーダーへの規制 犬の商業的繁殖を行う者が持つ犬の数は5頭まで、同時期の繁殖は雌犬3頭までと定められています。

 商業ブリーダーが犬を保有する数の制限は法令で定めてはいません。ただし商業犬ブリーダーは、繁殖用の成犬雄雌合わせて5頭を上限として1人の世話人を確保しなければなりません。また1人の世話人に付き雌犬の数は3頭までとし、その雌犬の子犬は雌犬1頭の数に含めます。つまり犬の世話をする従業員を確保すれば、ドイツは商業的犬ブリーダーの繁殖犬の保有数の上限は法令で定めていはいません

§ 3 Anforderungen an das Halten beim Züchten
(5) Wer gewerbsmäßig mit Hunden züchtet, muss sicherstellen, dass für jeweils bis zu fünf Zuchthunde und ihre Welpen eine Betreuungsperson zur Verfügung steht, die die dafür notwendigen Kenntnisse und Fähigkeiten gegenüber der zuständigen Behörde nachgewiesen hat. Eine Betreuungsperson darf bis zu drei Hündinnen mit Welpen gleichzeitig betreuen.

3条 犬の繁殖に関する要件
5項 商業として犬を繁殖させる人は何人も、繁殖に用いる成犬(Hunden=犬 男性名詞の複数形。雄犬雌犬を含む)最大5頭に付き、1人の所轄官庁に必要な知識と技能があることを証明した世話人を確保しなければならず、なおそのうち雌犬(Hündinnen=雌犬 Hündin の複数形)の上限は3頭までとし、雌犬の産んだ子犬は雌犬の数に含めます。

 なお追記すれば、「動物福祉法の実施における一般的な行政規則 Allgemeine Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes 連邦規則(省令)」では、「3頭以上の雌犬を保有するか、年3回以上繁殖をさせる場合はブリーダーとして登録を要する」と定めていますが、商業的犬ブリーダーの繁殖犬の保有の上限に関する規定は一切ありません。

12.2.1.5.1
Die Voraussetzungen für ein gewerbsmäßiges Züchten sind in der Regel erfüllt, wenn eine Haltungseinheit folgenden Umfang oder folgende Absatzmengen erreicht:
– Hunde: 3 oder mehr fortpflanzungsfähige Hündinnen oder 3 oder mehr Würfe pro Jahr,
12.2.5
Entscheidung über den Antrag auf Erteilung der Erlaubnis
12.2.5.1
Die Erlaubnis ist zu erteilen, wenn aufgrund der Prüfung nach den Nummern 12.2.2 bis 12.2.4 keine Bedenken bestehen.

12.2.1.5.1
一般に、飼育単位が次の範囲または販売量に達したときには、商業的な繁殖(営利ブリーダー)の要件が満たされるとします。
-犬:年間3頭以上の繁殖用雌犬を保有すること、または3回以上の繁殖を行うこと。
12.2.5
許可申請の決定
12.2.5.1
12.2.2から12.2.4の条文に基づく審査に基づいて、問題がなければ許可が付与されます。



 私が思うには、このライターはドイツ語の知識がなく他の日本語のドイツ語の知識がない自動翻訳を用いた誤訳の記事を用いたか、ライター自身がドイツ語の知識がなくドイツ語の原典を誤訳したものと思われます。「生兵法は怪我の元」と言いますが、曖昧もしくは思い込みでの誤った法令の解釈を真実として情報を拡散させるのは社会に有害です。情報提供者は責任を持っていただきたい。
 なお問題の「わんちゃんホンポ」の記事ですが、今回指摘した以外でも誤り偏向があります。指摘した以外の記述が正確だとうことではありません。


(動画)

 ドイツの劣悪な犬ブリーダーのルポタージュ番組、Tier TV Reportage「ティアTV ルポタージュ」の、番組、Der Hundequäle 「犬の虐殺者」です。2014年公開。

 このTVルポタージュでは、ジャーマンシェパードの虐待的飼育を行なっている大規模ブリーダーを取り上げています。餌は産業廃棄物を与え、新聞広告で非対面での子犬の通信販売を行い夏に木箱で宅配便で購入者に送り(ドイツはインターネットなどの非対面での犬など雄痛い面通信販売に全く規制がない国です)、犬が脱水で死にかけた新聞報道などが取り上げられています。
 この様な犬ブリーダーでもドイツは合法です。ドイツでは今までに商業的犬ブリーダーの、保有繁殖犬の数を制限する法的規制はありません。

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スイスとドイツの犬飼育免許に関する「わんちゃんホンポ」のデマ記事







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(Zusammenfassung)
Bezüglich schweizerischer und deutscher Hundeführerscheine.


 「わんちゃんホンポ」という、犬に関する情報をインターネットで配信するメディアがあります。私はこのメディアの海外の動物愛護情報に関する記事では、正確な記事は一つも確認していません。本メディアは2017年と2020年にスイスとドイツの犬飼育に関する免許制度を取り上げた記事がありますが、いずれも記述はすべてが誤りです。


 サマリーで示した「わんちゃんホンポ」の問題の記事から引用します。


犬の飼い主資格制度~スイスやドイツの法律から学ぶ事~ 2017年10月30日

スイスの飼い主資格
スイスで定められている飼い主の義務とは下記の通り。
犬を飼う前に・・・理論の受講
飼い始めて1年以内に・・・しつけの訓練と実技テスト

ドイツの飼育免許制度
ドイツでの飼育免許は、全ての飼い主に義務づけているスイスとは異なり、危険犬種として指定されているピットブルやブルテリア、土佐犬などいわゆる闘犬種、および咬傷事故を起こした犬の飼い主が対象になります。



犬を飼うのに免許が必要?『海外の免許制度事情』と日本も見習うべきポイント 2022年2月17日

スイス「飼い主資格」
スイスでは、犬を迎える際に「飼い主資格」の取得が義務付けられています。

ドイツ「飼育免許制度」
ドイツでは、闘犬で知られるマスティフやピットブルといった危険犬種を飼育する場合のみ「飼育免許」の取得が求められます。



 これらの2本の記事の内容は、要約すれば次のとおりです。
1、スイスでは国全土ですべての犬の飼育に対して免許が必要。
2、ドイツでは国全土で特定の犬に限り、飼育免許が必要。
3、ただし犬飼育免許が必要な犬は、闘犬や咬傷事故を起こした犬に限る。

 しかし上記は全て誤りです。真実は以下の通り。
1、スイスでは犬の飼育免許制度は2016年に廃止された。つまり2017年、2022年ともスイスでは犬の飼育免許制度はない。
2、ドイツで犬の飼育免許制度があるのは3州のみである(シュレースヴィッヒホルシュタイン州、ニーダーザクセン州、ハンブルク州)。16州のうち13州は犬の飼育免許制度がない。
3、ドイツで犬の飼育免許制度がある州では、それぞれ対象とする犬が異なる。「闘犬種に限る」州はシュレースヴィッヒホルシュタイン州のみ。なお重大咬傷犬は強制殺処分の対象。「全犬種に飼育免許が必要」なのはニーダーザクセン州。「特定の使役犬(猟犬など)のみ飼育免許が必要」なのはハンブルク州。

 これらの点について、出典を挙げます。


Hundeführerschein 「犬の飼育免許」

1、
In der Schweiz war ein Hundeführerschein Pflicht für alle ab dem 1. September 2008 neu angeschafften Hunde, ab 2010 war er schon vor dem Kauf eines Hundes zu absolvieren.
Im Jahr 2016 schaffte das Parlament die Verordnung wieder ab; es konnte nicht nachgewiesen werden, ob die Pflichtkurse zu einem Rückgang von Hundeangriffen geführt hatten.

スイスでは2008年9月1日以降に購入したすべての犬に犬の飼主の免許が義務付けられ、2010年からは犬を購入する前に免許を取得する必要がありました。
2016年に、連邦議会は(犬の飼育免許の取得義務制度の)規制を廃止しました。
犬飼育免許のための講習義務が犬の攻撃の減少につながったことが証明できなかったためです。

2、3、
Bundeseinheitliche Regelungen existieren nicht.
Das Land Hamburg erkennt für die Befreiung von der gesetzlichen Leinenpflicht – neben Gehorsamkeitsprüfungen von anerkannten Sachverständigen ​–die Hundeführerscheine des VDH, des BHV, des Dehra-Zentrums, der Hundeschulen Arbeitsgemeinschaft (HSAG), der IG Hundeschulen sowie die Jagdeignungsprüfung des Jagdgebrauchshundverbandes an.
In Schleswig-Holstein ist ein Sachkundenachweis zum Führen eines als gefährlich eingestuften Hundes notwendig.
Als erstes deutsches Bundesland hat Niedersachsen zum 1. Juli 2013 die Pflicht zu einem Hundeführerschein (Sachkundenachweis) für alle Hundehalter eingeführt.

(ドイツでは)統一された(犬の飼主に対する犬飼育免許の)連邦規制は存在しません。
ハンブルク州は、認められた専門家による服従テストに加えてVDH、BHV、Dehra Center、犬学校ワーキンググループ(HSAG)、IG犬学校の犬取扱者免許、および法定のリード義務の免除のための猟犬協会の狩猟適合性試験を認めています(註 ドイツでは犬のリード義務が各州で厳しく定められていますが、猟犬でのリード義務免除のためには免許が必要ということです)。
シュレスヴィヒホルシュタイン州では、危険と分類された犬を(公共の場では)連れて歩くには能力の証明(免許)が必要です。
2013年7月1日にニーダーザクセン州では、すべての犬の飼い主に犬の飼主の免許(能力の証明)が付与されなければならないとする義務を導入した最初のドイツ連邦州となりました。



 おそらくこのライターは、ドイツの犬飼育免許と、特定の犬の気質テストを混同していると思われます。ドイツでは、法律で原則飼育が禁止されている闘犬種と行動等から危険と判断された犬、咬傷犬は飼主ではなく、犬の気質テストが行われます。それに合格しなければ犬は強制的に殺処分されます。ただし重大咬傷犬は気質テストを行わずに強制殺処分されます。
 今回取り上げた「わんちゃんホンポ」の2本の記事では、指摘した以外でも誤りや著しい偏向があります。しかし長くなりますので、スイスとドイツの犬の飼育免許の記述に限ってのみ指摘しました。取り上げなかったからと言って、その他の記述が正確というわけではありません。


(動画)

 Haustierboom in der Coronakrise: Braucht es einen Hundeführerschein? | heute-show 「コロナ危機下でのペットブーム:犬飼育免許は必要ですか? | 今日の番組」 2021年5月5日

 ドイツブレーメン州では、コロナ危機以降のペットブームで犬の飼育数が激増し、それに伴い犬の不適正飼育者やマナー違反も増えている。そのために犬飼育免許制度の導入が議論されています。ブレーメン州を含む13州では、ドイツでは犬の飼育免許の制度はありません。TVレポーターの犬の行動療法士に対する質問では、「犬の飼育免許なんてナンセンス」という回答でした。なおドイツでは犬のリードが全州で州法により義務付けられています。また公園の芝生に犬を侵入させることは禁止されています。

年間の犬猫殺処分数が50万頭(人口比で日本の40倍以上)のフランスが犬猫を守っているという太田匡彦氏の無知






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France/Frankreich

 記事、
ペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスは日本が見習うべき動物愛護先進国なのか?
子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
続・子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
インターネットで密輸子犬が流通しているフランスではペットショップでの犬猫販売禁止は無意味
インターネットでのペット販売が合法なフランスではペットショップでの犬猫販売の制限は無意味
「保護犬猫は売って良い」フランスのペットショップの犬猫販売禁止の法改正は抜け穴だらけ
のまとめです。
 フランスでは「ペットショップでの犬猫の販売を禁止する(実際は「制限」)」等の法案が2021年に可決成立しました。連載記事では、フランスではインターネットによる安価な密輸犬の販売が横行しており、ペットショップという実店舗での犬猫販売を制限しても動物福祉向上には繋がらないと思われること。そしてペットショップの犬猫販売禁止は、保護犬猫なら販売してもよいうという抜け穴(偽装保護犬猫の販売も可能)があることも述べました。しかしフランスのこの立法を絶賛している無知なジャーナリストがいます。



 まずサマリーで述べた、「フランスでの2024年以降にペットショップでの犬猫の展示販売を禁止する」立法と、その概要(ペットショップでの犬猫販売禁止に関する事柄のみ)を、以下にニュースソースから示します(英語)。


What you need to know about France’s new animal rights law 「フランスの新しい動物権利法について知っておくべきこと」 2021年11月18日

Pet shops will not be able to sell dogs and cats from 2024 – and won’t be able to display them in shop windows.
Only abandoned dogs and cats will be available for sale in pet stores, working with rescue shelters.
Online pet sales will be banned, with the exception of websites of licensed breeders and pet stores.

フランスではペットショップは2024年以降に犬と猫を販売できなくなり、ショーウィンドウで展示できなくなります。
ペットショップでは、動物保護のアニマルシェルターと協力して、遺棄された犬と猫のみを販売することができます。
認可されたブリーダーとペットショップのウェブサイトを以外での、オンラインでのペット販売は禁止されます。



 私は連載記事で、次の点を挙げて「フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は犬猫の遺棄と殺処分減少にはあまり効果はないだろう」と述べました。


1、ヨーロッパではヒトモノカネの移動が自由で、国境検問所もありません。西ヨーロッパ先進国では東欧等から安価な子犬が違法に輸入されている。
2、フランスではペットショップの犬猫販売禁止の法律が施行後も、ブリーダーやペットショップのペットのオンライン販売が合法です。ペットショップの店頭販売がなくなったとしても、むしろオンラインでの通信販売のほうが安易にペット購入ができ、ペットショップ購入がオンラインに流れるだけです。
3、フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は、「保護団体と協力し遺棄された犬猫の販売は認める」との内容です。つまり商業生産された犬猫であってもいったん保護団体を経由することにより保護動物にロンダリングされてペットショップが販売できるということです。これは同様の法律があるアメリカ合衆国の一部の州自治体で実際に起きています。



 効果とは、具体的には「犬猫の飼養環境の改善」、「犬猫の遺棄の減少」、「殺処分の減少」による動物福祉の向上です。繰り返しますが、フランスを始め西ヨーロッパ諸国ではすでに犬の取得の大きな割合が「実店舗ではないインターネットによる安価な密輸犬」です。インターネットでの違法な犬猫販売を効果的に抑制できない立法の内容では、実店舗のみを規制しても犬猫の動物福祉には繋がりません。行政に高度に監視されたペットショップの規制だけをより強化しても、顧客はインターネットの犬販売に流れるだけです。むしろインターネットで犬を購入するほうが実店舗に足を運ぶよりも安易かも知れません。
 またペットショップでは犬猫の販売を完全に禁じたのではなく、「保護犬猫ならば販売しても良い」という例外を設けました。これはなにを意味するかといえば、ペットショップが保護団体と協力して「劣悪繁殖された密輸犬を保護犬と偽装して販売する」ことに繋がります。つまりフランスのこの律法は、正規の業者をいじめて違法な犬取引を助長させることであり、それはすなわち東欧諸国などの劣悪な犬繁殖を支援することに繋がります。つまりフランスのこの律法は、動物福祉の向上にはむしろ逆効果になる可能性すらあるのです。

 しかしこのフランスの立法を手放しで絶賛している、無知なジャーナリストがいます。これまで多くの海外のデマ情報を拡散させてきた、朝日新聞の太田匡彦氏です。たとえなこのような記事です。日本はなぜ、フランスのように動物愛護法で犬猫を守れないのか 繰り返される政争
 太田匡彦氏は、おそらくフランスの本改正法の原文を読んでおらず、例えば「ペットショップでも犬猫販売は保護動物は店頭展示販売して良い」という例外規定や、「登録ブリーダーとペットショップは引き続きインターネットでのペット販売を許可する」ということをご存じではないようです。また氏は、ヨーロッパにおけるシェンゲン協定締結後の国境間移動の自由化(国境検問所なしでヒト・モノ・カネ移動できる)すら理解していないと思われます。したがってそれに伴う、西ヨーロッパ諸国の、東欧等からの極めて安価な犬が密輸されている問題もご存知ではないと思われます。なぜならば、繰り返しドイツや今回のフランスの動物保護法制を絶賛しているからです。ヨーロッパの国境間移動の自由下では、一国で法律を強化してもあまり意味がないからです。

 現在フランスの年間の犬猫の殺処分数は50万頭とされており、この数は人口比で日本の40倍以上です。またフランスは犬猫の遺棄の数が多く、バカンスシーズンでは特に増えます。そのためにリゾート地での犬猫の公営シェルターの殺処分率が極めて高く、犬の殺処分率が80%を超える公営シェルターも珍しくありません(日本の直近の犬の殺処分率は17%)
 太田匡彦氏はフランスは問題の立法を絶賛していますが、私は先の述べた理由からフランスの犬猫の遺棄の数、殺処分数は減るとは思えません。また殺処分率も低下しないと思います。


(動画)

 stop euthanasie 「安楽死の停止」。2012/04/04 に公開。フランス語による、フランスの犬猫殺処分に反対するビデオ。閲覧注意。犬猫の殺処分シーン有り。このビデオでも、「フランスにおける年間の犬猫殺処分数は50万頭」とされています(フランス語)。




(動画)

 80% des chiens récupérés par la fourrière de Sainte-Marie finissent euthanasiés 「フランス サントマリーの公的犬収容所では80%の犬が安楽死(殺処分)される」 2018年7月4日

Reportage à la fourrière de Sainte-Marie qui récupère une quinzaine de chiens errants par jour.
En 2017, ce sont pas moins de 1935 chiens qui sont entrés en fourrière. Parmi eux, 1667 ont fini par être euthanasiés

1日に約15匹の野良犬を収容するサントマリー動物収容所の報告。
2017年には1,935頭以上の犬が収容され、そのうちの1,667頭が安楽死(殺処分)させられました 。





(参考記事)

フランスの犬猫殺処分数は年間50万頭~牧原秀樹衆議院議員の無知蒙昧
 

 日本の美点は、世界に先駆けてペット生体のインターネットによる非対面通信販売を禁じたことです。さらに第一種動物取扱業の規制は、世界でも最も厳しい部類です。例えば第一種の動物取扱業者の保有犬猫の台帳の作成と保存、行政機関への開示が義務付けられています。そのために犬猫を取り扱う第一種動物取扱業者は、違法な無資格繁殖等の犬猫の取り扱いが難しくなります。
 さらに日本は国境がすべて海で隔てられ、外国とのヒト・モノ・カネの移動が全て通関手続きが必要です。そのためにヨーロッパのように、違法に周辺国から安価な子犬を持ち込むようなことができません。ですから日本の動物愛護管理法の実効性がヨーロッパと比べて高いのです。日本の動物愛護管理法による第一種動物取扱業者への規制は、たとえば行政が業者の取り扱い犬猫の数などを常に把握することにより、先の述べたとおり違法繁殖の犬猫の仕入れが難しくなる、遺棄や業者自ら行う殺処分(違法合法問わず。獣医師に安楽死を依頼することも含めて)も行政に把握されやすいのです。それにより業者が取り扱い犬の遺棄や殺処分を行うことは難しいのです。また業者が行政に取り扱い犬猫を引き取らせることは現在は行われていません。フランスはアニマルシェルターに夜間の無人引取窓口があり、犬猫を匿名で遺棄できます。

 現に日本は欧米先進国に比べて、極めて犬猫の殺処分の実数が少ない国です。フランスの「ペットショップでの犬猫販売禁止」を絶賛する太田匡彦氏などの、無知なジャーナリストが表面的な、ごく一部だけを取り上げた、「日本の動物愛護法制はヨーロッパに遅れている。だから日本はヨーロッパのように犬猫を守ることができない」という偏向意見は有害です。日本の世論を歪める恐れがあるからです。
 では太田匡彦氏がいう、「犬猫を守れる法制度」とはいかなるもので、「犬猫を守る」と言うことは具体的にはどの様なことなのでしょうか。太田匡彦氏は常に殺処分の多さを「動物愛護後進国」の基準としています。フランスの年間犬猫殺処分数は50万頭で人口比で日本の40倍以上です。また殺処分率も日本より極めて高いのです。太田匡彦氏にはその矛盾をお答えいただきたいものです。

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「保護犬猫は売って良い」フランスのペットショップの犬猫販売禁止の法改正は抜け穴だらけ






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France/Frankreich

 記事、
ペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスは日本が見習うべき動物愛護先進国なのか?
子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
続・子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
インターネットで密輸子犬が流通しているフランスではペットショップでの犬猫販売禁止は無意味
インターネットでのペット販売が合法なフランスではペットショップでの犬猫販売の制限は無意味
の続きです。
 フランスでは「ペットショップでの犬猫の販売を禁止する」等の法案が2021年に可決成立し、2024年以降はペットショップでの犬猫販売ができなくなります。しかしこの立法はあまり意味がないでしょう。今法改正は「ペットショップであっても保護団体に属する犬猫の店頭展示販売は許可する」という例外規定があるからです。「遺棄されたなどで元の飼い主がわからない犬猫」はペットショップは販売して良いのです。となればトレーサビリティの追跡ができなくてもよく、密輸した犬猫の販売もできるのです。この律法はむしろ、不正行為をしやすくします。



 まずサマリーで述べた、「フランスでの2024年以降にペットショップでの犬猫の展示販売を禁止する」立法と、その概要(ペットショップでの犬猫販売禁止に関する事柄のみ)を、以下にニュースソースから示します(英語)。


What you need to know about France’s new animal rights law 「フランスの新しい動物権利法について知っておくべきこと」 2021年11月18日

Pet shops will not be able to sell dogs and cats from 2024 – and won’t be able to display them in shop windows.
Only abandoned dogs and cats will be available for sale in pet stores, working with rescue shelters.
Online pet sales will be banned, with the exception of websites of licensed breeders and pet stores.

フランスではペットショップは2024年以降に犬と猫を販売できなくなり、ショーウィンドウで展示できなくなります。
ペットショップでは、動物保護のアニマルシェルターと協力して、遺棄された犬と猫のみを販売することができます。
認可されたブリーダーとペットショップのウェブサイトを以外での、オンラインでのペット販売は禁止されます。



 私は連載記事で、「1」、「2」を挙げて「フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は犬猫の遺棄と殺処分減少にはあまり効果はないだろう」と述べました。今回は「3」について述べます。
 フランスの「ペットショップでの犬猫の販売を禁じる」という法改正は、「保護団体に属する、捨てられたりして元の所有者が不明な保護犬猫に限り販売が許可される」との例外規定があります。これはサマリーでも述べたとおり、密輸犬を保護犬に偽装して合法的にペットショップで販売できることを意味します。むしろ劣悪繁殖された東欧産の安価な子犬のみ販売を助長させる効果があり、間接的に動物福祉の後退すら招く恐れがあります。


1、ヨーロッパではヒトモノカネの移動が自由で、国境検問所もありません。西ヨーロッパ先進国では東欧等から安価な子犬が違法に輸入されている。
2、フランスではペットショップの犬猫販売禁止の法律が施行後も、ブリーダーやペットショップのペットのオンライン販売が合法です。ペットショップの店頭販売がなくなったとしても、むしろオンラインでの通信販売のほうが安易にペット購入ができ、ペットショップ購入がオンラインに流れるだけです。
3、フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は、「保護団体と協力し遺棄された犬猫の販売は認める」との内容です。つまり商業生産された犬猫であってもいったん保護団体を経由することにより保護動物にロンダリングされてペットショップが販売できるということです。これは同様の法律があるアメリカ合衆国の一部の州自治体で実際に起きています。



 日本では報道されていませんが、フランスの「ペットショップでの犬猫の販売を禁止する」法改正には例外があります。それは「保護団体と協力して保護団体が持つ、捨てられたなどして元の所有者が不明な犬猫に限り、店頭での販売を認める」です。

 「ペットショップで犬猫の販売を禁じる。ただし保護団体に由来するものはペットショップは販売して良い」との法令は、アメリカ合衆国のごく一部の州(カリフォルニア州など)と少数の自治体があります。これらの法令ですが、私が知る限りすべてで「保護団体に由来するものであれば犬猫等であっても販売して良い」と言う規定です。
 それらの法令が施行された州自治体ではどのようなことが起きているかといえば、「形式的にでも保護団体を経由してパピーミルで劣悪に商業繁殖された犬が従前どおりペットショップで販売されている」のです。保護団体が一旦パピーミルが主催するペットオークションなどで子犬を落札し所有権を得れば、「保護犬」にロンダリングされます。事実ペットオークションで子犬を保護団体が半数近くを落札している例もあります。保護団体が事実上、子犬の卸売業者になってペットショップに卸しているのです。


(動画)

 1st time at Fancy Puppy Pet Store in Corona cute cocker spaniel puppies in Eastvale ca Philomena's 「カリフォルニア州フィロメナのイーストベールの素敵な子犬販売のペットショップで、初めてのコッカースパニエルの子犬」 2019年5月20日

 カリフォルニア州では「犬猫ウサギに限り、保護団体由来のもの以外はペットショップでの販売を禁じる」という州法が2017年に成立し、2019年1月1日から施行されました。しかしその後も、カリフォルニア州ではペットショップで犬などが従前どおり販売され続けています。形式的にでも保護団体を経由させれば、合法的にペットショップは犬などを販売することができるからです。





 同様にフランスでの「ペットショップでの犬猫販売は禁じる。しかし保護団体に属する捨てられたりなどして元の飼主が不明な犬猫は、保護団体と協力して店舗で展示販売することができる」という法改正も、ペットショップでの犬猫販売を事実上存続させることになると思われます。しかもさらに、動物福祉の上では悪化する可能性が高いのです。
 連載記事で繰り返し述べてきたことですが、フランスを始めとするにしヨーロッパ諸国では主に東欧から極めて安価な犬が密輸されています。現在は、マフィアがそれらの密輸犬の販売を取り仕切り、ほぼすべてがインターネットで販売されています。密輸犬がインターネットで販売される理由は、出所不明な密輸犬はトレーサビリティを追跡されればペットショップだと行政の監視が厳しくてできないからです(フランスでは全ての犬猫のマイクロチップを義務付けて、流通過程を把握できるようにしました)。

 しかしフランスは「ペットショップでは犬猫の販売を禁止するものの、保護団体と協力して捨てられたりなどして元の飼い主が不明な犬猫に限り販売を求める」と法改正をしました。この法改正では、「保護団体自ら東欧のパピーミルから子犬を買い付けて違法にフランスに持ち込み、ペットショップを利用して販売する」ことが起きる可能性が高いのです。「元の所有者がわからない犬猫」のみペットショップでの販売が許可されますので、販売する犬などの出所の偽造はやりたい放題です。東欧から密輸した犬でも「フランス国内で見つかった捨て犬」と言い訳ができるからです。
 保護団体が中間業者になることにより、違法に輸入された犬でもロンダリングされて「保護犬」となり、堂々とペットショップで合法的に販売できるようになるのです。むしろフランスの法改正は、犬の密輸という犯罪を助長し、それにより動物愛護法制に遅れた国の劣悪な犬の繁殖を支援することにより、無視と動物福祉の後退を招くおそれすらあります。現に同様の立法を行なったアメリカでは、保護団体が事実上「子犬の卸売業者」になり、パピーミル生産の子犬をペットオークションで大量落札してペットショップに卸しています。アメリカの立法はパピーミルを支援し、犬の劣悪飼育をむしろ助長しているのです。それと同様のことがフランスで起きる可能性が高いと私は思います。


(参考資料)

 LOI n° 2021-1539 du 30 novembre 2021 visant à lutter contre la maltraitance animale et conforter le lien entre les animaux et les hommes 「反動物虐待および動物と人間のきずなを強化することを目的とした法律 2021年11月30日改正法 法律番号2021-1539」 日本で「動物の権利法(私は本法を「フランス反動物虐待法」と記述する)」と訳されているフランスの法律の改正条文の解説。フランス政府文書。

(フランス語原文)
Article 15
« II.-La cession à titre onéreux ou gratuit de chats et de chiens est interdite dans les établissements de vente mentionnés au premier alinéa du I.
« En partenariat avec des fondations ou associations de protection des animaux, les établissements de vente d'animaux de compagnie mentionnés au même premier alinéa peuvent présenter des chats et des chiens appartenant à ces fondations ou associations, issus d'abandons ou dont les anciens propriétaires n'ont pas été identifiés.

(英語)
Section 15
“II.-The transfer for consideration or free of charge of cats and dogs is prohibited in the sales establishments mentioned in the first paragraph of I.
“In partnership with foundations or associations for the protection of animals, the establishments selling pets mentioned in the same first paragraph may present cats and dogs belonging to these foundations or associations, resulting from abandonment or whose former owners have not been identified.

(日本語)
15条
II.-Iで、最初の文書に記載されている販売施設(ペットショップ)では、猫と犬の対価による、または無料での譲渡は禁止されています。
(しかし例外規定として)動物保護のための財団または協会と協力して上記で記述されているペットを販売する施設(ペットショップ)は、遺棄された結果、または以前の所有者が特定されていないこれらの財団または協会が所有する猫および犬を展示することができます。



(動画)

 36 chiens vivaient dans leurs excréments 「26頭の犬が糞便の中に住んでいた」 2017年6月17日

 フランス、コートダムールのアニマルホーダー。フランスでも一定数このようなアニマルホーダー崩壊によるレスキューがあります。純血種の不適切繁殖の多頭崩壊ということを理由にして、東欧産の密輸犬を「フランスでのレスキュー犬」と偽装することは朝飯前です。東欧のパピーミル産の犬も保護団体でロンダリングすれば、堂々とペットショップで販売できます。


インターネットでのペット販売が合法なフランスではペットショップでの犬猫販売の制限は無意味






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France/Frankreich

 記事、
ペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスは日本が見習うべき動物愛護先進国なのか?
子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
続・子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
インターネットで密輸子犬が流通しているフランスではペットショップでの犬猫販売禁止は無意味
の続きです。
 フランスでは「ペットショップでの犬猫の販売を禁止する」等の法案が2021年に可決成立し、2024年以降はペットショップでの犬猫販売ができなくなります。しかしこの立法はあまり意味がないでしょう。フランスをはじめとする西ヨーロッパ先進国では安価な子犬が大量に輸入されているからです。それらは主にインターネットで販売されています。フランスは「登録を受けたブリーダーもしくはペットショップ」に限り、インターネットでのペット販売を認めるとの法改正を行いました(それまでは制限はありませんでした)。行政の監視が行き届く実店舗の販売を制限し、抜道があり取締が難しいインターネットでのペット販売を存続させるのは逆効果です。



 まずサマリーで述べた、「フランスでの2024年以降にペットショップでの犬猫の展示販売を禁止する」立法と、その概要(ペットショップでの犬猫販売禁止に関する事柄のみ)を、以下にニュースソースから示します(英語)。


What you need to know about France’s new animal rights law 「フランスの新しい動物権利法について知っておくべきこと」 2021年11月18日

Pet shops will not be able to sell dogs and cats from 2024 – and won’t be able to display them in shop windows.
Only abandoned dogs and cats will be available for sale in pet stores, working with rescue shelters.
Online pet sales will be banned, with the exception of websites of licensed breeders and pet stores.

フランスではペットショップは2024年以降に犬と猫を販売できなくなり、ショーウィンドウで展示できなくなります。
ペットショップでは、動物保護のアニマルシェルターと協力して、遺棄された犬と猫のみを販売することができます。
認可されたブリーダーとペットショップのウェブサイトを以外での、オンラインでのペット販売は禁止されます。



 私は連載記事で、次の点を挙げて「フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は犬猫の遺棄と殺処分減少にはあまり効果はないだろう」と述べました。今回は引き続き「1」について述べます。今回はドイツ、ヨーロッパ全体の「違法な東欧等からの西ヨーロッパへの子犬輸出」に続いて、フランスの事情について具体的に取り上げます。

1、ヨーロッパではヒトモノカネの移動が自由で、国境検問所もありません。西ヨーロッパ先進国では東欧等から安価な子犬が違法に輸入されている。
2、フランスではペットショップの犬猫販売禁止の法律が施行後も、ブリーダーやペットショップのペットのオンライン販売が合法です。ペットショップの店頭販売がなくなったとしても、むしろオンラインでの通信販売のほうが安易にペット購入ができ、ペットショップ購入がオンラインに流れるだけです。
3、フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は、「保護団体と協力し遺棄された犬猫の販売は認める」との内容です。つまり商業生産された犬猫であってもいったん保護団体を経由することにより保護動物にロンダリングされてペットショップが販売できるということです。これは同様の法律があるアメリカ合衆国の一部の州自治体で実際に起きています。



 今回記事では、「2」の、フランスではペットショップでの犬猫販売を制限する律法の後も、インターネットでのペット販売が合法として存続する件について述べます。2021年のフランスの「動物の権利法(反動物虐待法)」の成立以降も、フランスでは登録を受けたブリーダーとペットショップのペットのインターネット販売が引き続き許可されます。それ以前は全く制限がありませんでした。
 ヨーロッパでは、犬などのペット生体のインターネットによる非対面販売では非常に寛容です。全面的に禁止しているのはベルギー1国だけです。2019年時点ではドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、スペインなどでは、インターネットによる犬猫などの販売の法的規制が全くありません。また「インターネットで犬猫等のペットを販売するものは事前に登録を要する」等の制限を設けている国はいくつかありますが、実際には守られていません。そのような国の中でもイギリスのように「登録義務がある規模未満の個人が繁殖した犬猫は規制外」という国があり、素人ブリーダーや、パピーミル生産、密輸の子犬が個人の名義を借りて堂々とインターネットで販売されているのが実情です。フランスは2021年の法改正で「登録済みのブリーダーとペットショップだけがインターネットでのペット販売が許可される」との規制強化がされましたが、おそらくのちに述べる理由により実効性は低いと思われます。


(画像)

 Online pet sales in the EU What’s the cost? 「EUにおけるオンラインでのペット販売 その費用は?」 から

 イギリスの動物保護団体、ブルークロスによる2019年の資料によれば、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、スペインなどの、ヨーロッパの多くの国では、インターネットによる、犬猫などの販売の法的規制が全くありません。黒メッシュで示された国がそうです。
 イギリス、フランスなどの青メッシュで示された国は、何らかの法律による規制は在るものの、禁止はされていない国です。完全に禁止している国はベルギー1国だけで赤色で示されています。

EU ペット通信販売 規制


(画像)

 フランスのインターネット通販ポータル、Chien chiot : annonces paruvendu から。2022年2月13日にスクリーンショットを取得。フランスのペットショップでは3,000ユーロ程度になる純血種の子犬が350ユーロ、250ユーロで出品販売されています。まさに価格は10分の1以下です。
 フランスは法改正により、登録ブリーダーとペットショップだけインターネットでのペット販売を許可することとなりました。しかしソーシャルメディアに無登録の業者が個人の匿名を騙ってその後も違法に輸入された子犬等の販売はインターネットで続けられると思われます。外国から出品された場合は摘発が非常に困難です。

フランス 犬 ネット販売 20220213


 このようにフランスでは連載で述べてきたように、違法に輸入され他子犬がきわめて安価に売られています。それらの犬はほぼインターネットを介してです。インターネットはその匿名性や、固定店舗と異なり当局の監視の目が行き届かないのです。違法であっても摘発が困難で、外国から出品が行われればほぼ摘発はほぼないでしょう。例えば大手の個人間売買のインターネットポータルを利用せずに非公開のソーシャルメディアを用いるなどすれば、摘発は困難です。また違法輸入した子犬のインターネット販売で、登録ブリーダーの名義を借りるなども考えられます。
 インターネットでの密輸子犬の違法販売への効果的な抑止策がないまま、行政の監視を厳しく受ける実店舗での犬猫販売に制限を設けても、ペットショップでの購入が違法なインターネットにとって代わるだけです。むしろ実店舗より、インターネットでの犬猫の購入のほうがお手軽かも知れません。フランスのペットショップでの犬猫販売の制限は、まさに正規の業者を圧迫し、違法行為を助長する愚策です。日本の愛誤はフランスのペットショップでの犬猫販売の制限を絶賛して「日本は見倣え」と言っていますが、このような事情に無知です。フランスの犬の違法輸入やインターネットでの犬猫販売が許可されている(註 日本は全面禁止)ことなども総合的に判断して評価すべきです。

 さらに次回以降の記事で詳述しますが、フランスのペットショップでの犬猫の販売の制限の法改正は、「抜け穴」があります。それは「保護団体の犬猫ならばペットショップでの店頭販売が許可される」ということです。また「保護団体」の犬猫販売においては、その犬猫の出所は不明でもよいとされています。
 それは何を意味するかといえば、保護団体が東欧のパピーミルから違法に子犬を輸入し、「捨て犬を保護した」と偽装できるということです。そしてそれらの犬をペットショップに委託販売することができるのです。


(参考資料)

 LOI n° 2021-1539 du 30 novembre 2021 visant à lutter contre la maltraitance animale et conforter le lien entre les animaux et les hommes 「反動物虐待および動物と人間のきずなを強化することを目的とした法律 2021年11月30日改正法 法律番号2021-1539」 日本で「動物の権利法(私は本法を「フランス反動物虐待法」と記述する)」と訳されているフランスの法律の改正条文の解説。フランス政府文書。

(フランス語原文)
Article 18
« VI.-L'offre de cession en ligne d'animaux de compagnie est interdite.
« Par dérogation au premier alinéa du présent VI, une offre de cession en ligne d'animaux de compagnie est autorisée sous réserve :
« La cession en ligne à titre onéreux d'animaux de compagnie ne peut être réalisée que par les personnes exerçant les activités mentionnées aux articles L. 214-6-2 et L. 214-6-3.

(英語)
Section 18
“VI.-The online sale of pets is prohibited.
“By way of derogation from the first paragraph of this VI, an online sale of pets is authorized subject to:
“The online sale of pets for consideration can only be carried out by persons carrying out the activities mentioned in Articles L. 214-6-2 and L. 214-6-3.

(日本語)
18条
VI.-ペットのオンライン販売は禁止されています。
このVIの最初の記述の例外規定として、ペットのオンライン販売は以下の条件に従えば許可されます。
対価を求めることを目的としたペットのオンライン販売は、L.214-6-2およびL.214-6-3に記載されている活動を実行する者(登録ブリーダー及びペットショップ)のみが実行できます。



(動画)
 
 Fin de la vente des chiens et chats dans les animaleries : "Pour nous, ça ne change pas grand chose" 「フランスのペットショップでの犬猫の販売の終了:我々にとってはあまり意味がない」 2022年1月4日

 ニュースでの対談。私はフランス語が分かりませんので、内容をフランスが分かる人に聞きました。「フランスでは犬猫の販売はすでに多くがインターネットに移行しており、ペットショップでの販売終了は我々にとってはあまり意味がないことだ。インターネットでの犬販売を抑止するのは難しい」とのことです。


インターネットで密輸子犬が流通しているフランスではペットショップでの犬猫販売禁止は無意味






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France/Frankreich

 記事、
ペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスは日本が見習うべき動物愛護先進国なのか?
子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
続・子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
の続きです。
 フランスでは「ペットショップでの犬猫の販売を禁止する」等の法案が2021年に可決成立し、2024年以降はペットショップでの犬猫販売ができなくなります。しかしこの立法はあまり意味がないでしょう。フランスをはじめとする西ヨーロッパ先進国では、動物愛護法制が遅れた東欧から安価な子犬が大量に輸入されているからです。その数はドイツは国内生産の子犬の7倍にもなります。正規のペットショップの販売を制限しても、水面下で違法な密輸犬の増大を招く不利益のほうが大きいのではないでしょうか。今回記事ではフランスを含めた西ヨーロッパでの、東欧等からの犬の密輸事情について述べます。



 まずサマリーで述べた、「フランスでの2024年以降にペットショップでの犬猫の展示販売を禁止する」立法と、その概要(ペットショップでの犬猫販売禁止に関する事柄のみ)を、以下にニュースソースから示します(英語)。


What you need to know about France’s new animal rights law 「フランスの新しい動物権利法について知っておくべきこと」 2021年11月18日

Pet shops will not be able to sell dogs and cats from 2024 – and won’t be able to display them in shop windows.
Only abandoned dogs and cats will be available for sale in pet stores, working with rescue shelters.
Online pet sales will be banned, with the exception of websites of licensed breeders and pet stores.

フランスではペットショップは2024年以降に犬と猫を販売できなくなり、ショーウィンドウで展示できなくなります。
ペットショップでは、動物保護のアニマルシェルターと協力して、遺棄された犬と猫のみを販売することができます。
認可されたブリーダーとペットショップのウェブサイトを以外での、オンラインでのペット販売は禁止されます。



 私は連載記事で、次の点を挙げて「フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は犬猫の遺棄と殺処分減少にはあまり効果はないだろう」と述べました。今回は引き続き「1」について述べます。今回はドイツ、ヨーロッパ全体の「違法な東欧等からの西ヨーロッパへの子犬輸出」に続いて、フランスの事情について具体的に取り上げます。

1、ヨーロッパではヒトモノカネの移動が自由で、国境検問所もありません。西ヨーロッパ先進国では東欧等から安価な子犬が違法に輸入されている。
2、フランスではペットショップの犬猫販売禁止の法律が施行後も、ブリーダーやペットショップのペットのオンライン販売が合法です。ペットショップの店頭販売がなくなったとしても、むしろオンラインでの通信販売のほうが安易にペット購入ができ、ペットショップ購入がオンラインに流れるだけです。
3、フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は、「保護団体と協力し遺棄された犬猫の販売は認める」との内容です。つまり商業生産された犬猫であってもいったん保護団体を経由することにより保護動物にロンダリングされてペットショップが販売できるということです。これは同様の法律があるアメリカ合衆国の一部の州自治体で実際に起きています。


 フランスでももちろん、主に東欧から違法な子犬の輸入が多く、問題になっています。これらのほとんどが、インターネットで販売されています。正規のフランス国内のブリーダーやペットショップの販売を侵食しつつあり、一定のシェアを占めています。その事情を具体的に伝えるニュースソースから引用します。


French public TV: is Hungary the centre of illegal dog trade? 「フランス公共テレビ:ハンガリーは違法な犬の取引の中心地なのですか?」  2019年7月12日

Based on the information France TV got, dogs sold in France illegally come from Hungary, Bulgaria, Romania, Slovakia and the Czech Republic.
France TV says that the number of illegal dog dealers is growing in France who buy the animals for a lower price in Eastern-Europe and the centre of their network is in Hungary.
There are 50 thousand dogs sold in France illegally every year.
This is an even more significant business than selling drugs or arms because Eastern-European dogs can be bought for only a couple of hundreds of EUR, but they can be sold for six times more in Western-Europe.
In France, rules are strict how a dog can be imported into the country. They cannot be younger than three months and 21 days and the inoculation procedure has to be done by veterinarians.
However, since some of them help dog smuggler gangs, they can bring in younger animals, too.
In Hungary, animals live in a horrific environment.
Most dogs illegally imported into France are in a terrible health condition.
A six-week-old beagle for only 25 thousand HUF (EUR 75).
Others breed dogs illegally on former pig farms and smuggle them into France and Italy.
Buy dogs for 100 EUR and then sell them for 800-1,000 EUR abroad.
Thus, the business is very profitable.
Interestingly, mostly Italian gangs are part of the illegal dog trade network.
and this kind of business is safer than drugs or arms since even if they are caught sentences are soft so they can later continue.

フランス公共放送TVが入手した情報によると、フランスで違法に販売された犬はハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、スロバキア、チェコ共和国から来ています。
フランス公共放送TVによると、フランスでは東欧で犬を低価格で仕入れる違法な犬の小売業者の数が増えており、そのネットワークの中心はハンガリーにあります。
フランスでは、毎年5万匹の犬が違法に販売されています。
東ヨーロッパの犬はわずか数百ユーロで買うことができ、それを西ヨーロッパでは6倍以上の価格で売ることができるため、麻薬や武器を売るよりも(ギャングにとっては)それ以上に重要なビジネスです。
フランスでは犬を国内に輸入する方法が厳格に定められており、犬は3ヶ月+21日より幼い場合は輸入できません。
そして予防接種は獣医によって行われなければなりません。
しかし獣医師など関係者の何人かは犬の密輸ギャングに協力するので、犬の密輸ギャングは幼い犬をフランスに連れてくることもできるのです。
ハンガリーでは、犬たちはひどい環境に住んでいます。
フランスに違法に輸入された犬のほとんどは、ひどい健康状態にあります。
価格がわずか25,000ハンガリーフォリント(=75ユーロ 9,750円 1ユーロ=130円)の6週齢のビーグル犬。
もと養豚場で違法に犬を飼育し、フランスやイタリアに密輸する人もいます。
犬の密輸ギャングは、犬を100ユーロ(1万3,000円 1ユーロ=130円)で購入し、外国で800〜1,000ユーロ(10万4,000円~13万円)で販売します。
したがって、ビジネスは非常に儲かります。
興味深いことに、ほとんどのイタリアのギャングは違法な犬の取引ネットワークの一角を占めています。
そしてこの種のビジネス(犬の密輸)は麻薬や武器の密輸よりも安全です。
なぜなら犬の密輸ギャングが捕まえられたとしても、処罰の判決は甘く、その後も違法な犬の密輸ビジネスを続けることができるからです。



 連載記事で述べてきた通り、西ヨーロッパ先進諸国では、主に東欧から違法合法を問わず、大量に子犬が輸入されています。フランスも例外ではありません。
 その理由はいくつかあります。まず東欧諸国は動物愛護法制が遅れ、また物価が安いので犬を極めて安価に生産できます。ですから動物愛護法制が整い、人件費等が高い西ヨーロッパ先進国の6分の1、さらにはそれ以下の価格で販売しても利益が出るのです。
 次に、ヨーロッパ諸国ではシェンゲン協定があり、これに加盟した国々では国境間移動が自由で通関手続きもありません。したがって東欧諸国できわめて安価に生産された子犬を仕入れて、正規の手続きを経ずに国境を越えて西ヨーロッパ諸国に持ち込むことが簡単にできるのです。
 さらに犬の違法な国境を越えた取引に対する当局の姿勢の甘さです。犬の違法取引の摘発は、西ヨーロッパ諸国では警察等の機関は熱心に行いません。人手が足りないということもありますし、当局は重大な犯罪ではないという認識だからです。

 日本では「2024年からペットショップでの犬猫の販売を禁止する」とのフランスの立法を絶賛している愛護(誤)活動家が多いですが、彼らはヨーロッパ、ひいてはフランスの犬猫の販売の事情に対して無知です。「ペットショップでの犬猫販売を禁止」したとしても、フランスは違法な東欧等からの犬の輸入を防ぐ効果的な施策を打ち出せていません。したがって「ペットショップでの犬猫販売を禁止」したのちは、ペットショップでの購入者は代わりに違法な輸入犬の購入をするものと思われます。
 フランスにおいてもペットショップは登録を要する規制業種であり、行政の監視下に置かれています。そのような正規のルートによる犬猫の販売を禁じることは、むしろ違法な犬の輸入を助長する行為です。フランスの「ペットショップでの犬猫販売禁止」の立法はおろかとしか言えません。


(動画)

 Le trafic d'animaux de compagnie 「フランスのペットの違法売買」 2018年9月28日

 こちらは輸出元がブルガリアのケ-スです。犬の違法輸入の捜査の様子。犬の違法輸入はヨーロッパでは最も利益がある違法取引のうち、麻薬、武器に次ぐ3番目の規模です。ブルガリアでの犬の飼育状況は悲惨です。生まれた子犬は専門の輸出の違法取引業者によって転売されます。




(動画)

 D'où viennent les animaux vendus en animalerie ? - La Quotidienne 「ペットショップで売られている動物たちはどこから来るのですか?」 2019年4月10日

 フランスのペットショップでの犬猫販売の様子。しかしながらこのように続けています。「ペットショップを介して、もしくはブリーダーから直接犬を購入することができ、これらは高度に法的規制を受けています。しかしフランスでは10万頭もの犬の密輸があります」。密輸犬はほとんどがインターネットで無店舗販売されます。

続・子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?






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France/Frankreich

 記事、
ペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスは日本が見習うべき動物愛護先進国なのか?
子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?
の続きです。
 フランスでは「ペットショップでの犬猫の販売を禁止する」等の法案が2021年に可決成立し、2024年以降はペットショップでの犬猫販売ができなくなります。前回記事ではフランスをはじめとする西ヨーロッパ先進国では、動物愛護法制が遅れた東欧から安価な子犬が大量に輸入されていることを述べました。ドイツの事例を挙げましたが、今回はフランスについて書きます。フランスにおいても東欧から子犬の輸入が違法合法問わず相当数あります。ペッとショップでの犬猫販売を禁止しても、安価なこのような子犬の購入にとって代わるだけと思われます。



 まずサマリーで述べた、「フランスでの2024年以降にペットショップでの犬猫の展示販売を禁止する」立法と、その概要(ペットショップでの犬猫販売禁止に関する事柄のみ)を、以下にニュースソースから示します(英語)。


What you need to know about France’s new animal rights law 「フランスの新しい動物権利法について知っておくべきこと」 2021年11月18日

Pet shops will not be able to sell dogs and cats from 2024 – and won’t be able to display them in shop windows.
Only abandoned dogs and cats will be available for sale in pet stores, working with rescue shelters.
Online pet sales will be banned, with the exception of websites of licensed breeders and pet stores.

フランスではペットショップは2024年以降に犬と猫を販売できなくなり、ショーウィンドウで展示できなくなります。
ペットショップでは、動物保護のアニマルシェルターと協力して、遺棄された犬と猫のみを販売することができます。
認可されたブリーダーとペットショップのウェブサイトを以外での、オンラインでのペット販売は禁止されます。



 私は前回記事、ペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスは日本が見習うべき動物愛護先進国なのか?では、次の点を挙げて「フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は犬猫の遺棄と殺処分減少にはあまり効果はないだろう」と述べました。今回は「1」について述べます。

1、ヨーロッパではヒトモノカネの移動が自由で、国境検問所もありません。西ヨーロッパ先進国では東欧等から安価な子犬が違法に輸入されている。
2、フランスではペットショップの犬猫販売禁止の法律が施行後も、ブリーダーやペットショップのペットのオンライン販売が合法です。ペットショップの店頭販売がなくなったとしても、むしろオンラインでの通信販売のほうが安易にペット購入ができ、ペットショップ購入がオンラインに流れるだけです。
3、フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は、「保護団体と協力し遺棄された犬猫の販売は認める」との内容です。つまり商業生産された犬猫であってもいったん保護団体を経由することにより保護動物にロンダリングされてペットショップが販売できるということです。これは同様の法律があるアメリカ合衆国の一部の州自治体で実際に起きています。



 ヨーロッパにおける、おもに東欧が生産しているの子犬の密輸に関しての論文から以下に引用します。これはイギリスの研究機関によるものですが、イギリス固有の問題のみならず、ヨーロッパ全土における問題に関しても言及しています。それらはフランスにも当てはまることです。


European illegal puppy trade and organised crime 「ヨーロッパの違法な子犬の取引と組織犯罪」 サウス・ウェールズ大学教授 ジェニファー・マーハー 2021年8月24日

The pet trade is a lucrative commercial enterprise.
The reported value of industry turnover for those supplying pets and related goods is estimated to be several €10s of billions annually.
There is growing evidence that this trade has opened the door to criminality and is increasingly of interest to organised crime groups.
Puppy trafficking, as part of the European illegal pet trade was linked to serious and organised crime and argued to have become the third largest illegal trade in Europe.
It is impossible to accurately quantify the scale of the European puppy trade.
Distinguishing between the legal, irresponsible and illegal trade is challenging for authorities and consumers.
Online activities are highly adaptive and lucrative and make up a substantial portion of black markets .
Criminals are increasingly adapting the supply chain models of global online retailers.
With in-demand ‘handbag’ dogs “bought in Eastern Europe for as little as $29 and sold for as much as $1700, allowing even small-scale operators to make thousands of pounds every week”.
The trade of animals across the Austrian-Italian border found 53% of pets traded across the border had no documentation.
Those who purposefully smuggle and organise the illegal trade can use the legitimate trade to do so (e.g. laundering dogs).
Criminal actors exploit legislative loopholes, enforcement capabilities and consumer detachment to manipulate and hide behind the legal trade.
Evidence suggests paperwork can be easily forged, or fraudulent versions used to make the trade appear legal and that the puppy has the proper documentation, treatments and age to be sold.
The puppy trade is an organised industry.
The illegal aspect of the trade is structured around numerous offenders across-borders and intertwined inextricably with the legal trade.
Added to this is an increasingly lucrative market, with few potential risks for offenders.
So puppies are basically coming in from Central and Eastern Europe, but that’s your starting point, but these puppies will be distributed right across the country.
The individuals involved are becoming very clever.
They’re effectively using a distribution network to get them across the country.
Need for instant gratification, impulse buying with little research, trust in the internet as a buying tool, and willingness to buy without evidence of the conditions of the breeding or rearing.
The puppy trade provides an ideal opportunity to use deception online, while relying on consumers to make emotion-driven purchases and the absence of adequate regulation.
There is extensive suffering and death of the puppies and breeding mothers in the trade.
This will increase the potential for zoonotic diseases, negative behaviour and health, and the abandonment, and euthanasia of healthy dogs.
Despite growing concerns among NGOs, enforcement agencies, politicians and the public, the illegal puppy trade is a buoyant and lucrative enterprise, multifarious in its nature, harm and the complexities it poses.
Yet, criminal actors manipulate and hide behind the legal trade, with little risk of detection or punishment.

ペットの商業取引は儲かる営利事業です。
ペットおよび関連商品を供給する業界売上高の報道の数値は、ヨーロッパ全体では年間数百億ユーロと推定されています。
このペットの商業取引が犯罪への扉を開き、組織犯罪グループの関心が高まっているという証拠が増えています。
ヨーロッパの違法なペット取引の一部としての子犬の売買は重要で組織的な犯罪に関連しており、ヨーロッパで(麻薬、武器に続く)3番目に大きな違法取引になっているといわれています。
ヨーロッパの子犬の取引の規模を、正確に数値化することは不可能です。
当局と消費者にとっては、子犬取引を合法、無責任、違法な取引を区別することは困難です。
オンラインでの子犬販売は市場への適応性が高く、収益性が高く、闇市場のかなりの部分を占めています。
犯罪者は国際的なオンライン小売業者の供給網のモデルをさらに適応させています。
需要の高い「ハンドバッグ(小型犬でアクセサリーのように連れて歩ける犬種)」ドッグは「東ヨーロッパではわずか29ドルで仕入れて1700ドルで販売できるために、小規模の取引業者でも毎週数千ポンド(数十万円)を稼ぐことができます」。
オーストリアとイタリアの国境を移動した動物の取引では、取引されたペットの53%に必要な書類がありませんでした。
違法取引で意図的に組織化して犬を密輸している者たちは、合法的な取引を利用して違法な取引を合法な取引に偽装することができます(例としては犬のロンダリングがあります)。
犯罪者は法律の抜け穴、警察等の機関の能力不足、そして消費者の孤立を悪用して合法的な取引を利用して、違法な取引を隠します。
証拠は書類が簡単に偽造される可能性があり、または取引を合法的に見せるための違法な偽物が使用され、それにより子犬が販売されるための適切な文書、治療がなされていること、週齢であることを示しています。
子犬の取引は組織化された産業です。
子犬貿易の違法な側面は国境を越えた多数の犯罪者を中心に構成されており、合法的な貿易と密接に関連しています
これに加えて犯罪者の潜在的なリスクがほとんどない(摘発されることがほとんどない)、ますます儲かる市場があります。
子犬は基本的に中央ヨーロッパと東ヨーロッパから来ていますが、そこが出発点でこれらの子犬はヨーロッパ全土に販売されます。
関係者たちは非常に賢くなっています。
子犬の違法取引業者らは、ヨーロッパ全土の流通ネットワークを効果的に利用しています。
すぐに得られる満足感、ほとんど調べない子犬の衝動買い、購入の道具としてのインターネットの信頼、繁殖や飼育の状態の証拠がなくても購入したいという子犬購入者のニーズ。
子犬の取引は消費者が衝動に基づいた購入を行い、適切な規制がないことに依存しつつ、オンラインで嘘を用いる(犬の違法取引業者にとっての)理想的な機会を提供します。
子犬と繁殖中の母親は、これらの違法な子犬取引により大きな苦しみと死をもたらします。
違法な子犬取引により人獣共通感染症や、好ましくない行為と健康、そして健康な犬の放棄と殺処分の可能性が高まります。
非政府機関、警察等の取締り機関、政治家、一般市民の間で懸念が高まっているにもかかわらず違法な子犬の商業取引は、その性質、有害性、およびそれがもたらす複雑さは多様で、活況を呈した儲かる事業です。
しかし違法な子犬取引の犯罪者は、合法的な取引を偽装して隠れており、摘発や処罰されるリスクはほとんどありません



 上記に論文に示された通り、西ヨーロッパ諸国では、東欧産のきわめて安価な子犬が違法に大量に輸入されているのです。フランスでも例外ではないです。そのような事情がありながら、合法的なペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスの立法は動物福祉にとって逆効果としか言いようがありません。ペットショップでの犬猫販売を制限すれば(実はこの法律はザル法で、法施行後もペットショップでの犬猫販売は続けられると推測しています)、違法な輸入子犬の購入にとって代わるだけだと思われます。
 次回記事では、具体的にフランスでの違法な子犬輸入に関するニュースソースを取り上げます。フランスでも違法な子犬輸入が問題になっています。


(動画)

 Trafic de chiots venus de l'est 「東欧からきた子犬の販売」 2014年6月30日公開

 これはドイツとの国境にあるフランスの都市、ストラスブールでの映像です。臨時の国境検問で車両を検査したところ、東欧からの子犬の密輸が見つかりました。ドイツの都市ケールと、フランスのストラスブール間はライン川が国境で幹線道路が通っています。普段は国境検問所などはなくまったく自由に往来でき、歩いて渡ることができます。橋の中央に、国境を示すプレートが路上に埋め込まれています。国境での検問がなければ(普段はない)、自由に国境を越えて違法に子犬を持ち込めることがお分かりいただけると思います。

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子犬の密輸が横行するフランスでペットショップの犬猫販売禁止は意味があるのか?






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France/Frankreich

 記事、ペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスは日本が見習うべき動物愛護先進国なのか?、の続きです。
 フランスでは「ペットショップでの犬猫の販売を禁止する」等の法案が2021年に可決成立し、2024年以降はペットショップでの犬猫販売ができなくなります。しかしこの立法はあまり意味がないでしょう。フランスをはじめとする西ヨーロッパ先進国では、動物愛護法制が遅れた東欧から安価な子犬が大量に輸入されているからです。その数はドイツは国内生産の子犬の7倍にもなります。正規のペットショップの販売を制限しても、水面下で違法な密輸犬の増大招く不利益のほうが大きいのではないでしょうか。今回記事ではフランスを含めた西ヨーロッパでの、東欧等からの犬の密輸事情について述べます。



 まずサマリーで述べた、「フランスでの2024年以降にペットショップでの犬猫の展示販売を禁止する」立法と、その概要(ペットショップでの犬猫販売禁止に関する事柄のみ)を、以下にニュースソースから示します(英語)。


What you need to know about France’s new animal rights law 「フランスの新しい動物権利法について知っておくべきこと」 2021年11月18日

Pet shops will not be able to sell dogs and cats from 2024 – and won’t be able to display them in shop windows.
Only abandoned dogs and cats will be available for sale in pet stores, working with rescue shelters.
Online pet sales will be banned, with the exception of websites of licensed breeders and pet stores.

フランスではペットショップは2024年以降に犬と猫を販売できなくなり、ショーウィンドウで展示できなくなります。
ペットショップでは、動物保護のアニマルシェルターと協力して、遺棄された犬と猫のみを販売することができます。
認可されたブリーダーとペットショップのウェブサイトを以外での、オンラインでのペット販売は禁止されます。



 私は前回記事、ペットショップでの犬猫販売を禁止するフランスは日本が見習うべき動物愛護先進国なのか?では、次の点を挙げて「フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は犬猫の遺棄と殺処分減少にはあまり効果はないだろう」と述べました。今回は「1」について述べます。

1、ヨーロッパではヒトモノカネの移動が自由で、国境検問所もありません。西ヨーロッパ先進国では東欧等から安価な子犬が違法に輸入されている。
2、フランスではペットショップの犬猫販売禁止の法律が施行後も、ブリーダーやペットショップのペットのオンライン販売が合法です。ペットショップの店頭販売がなくなったとしても、むしろオンラインでの通信販売のほうが安易にペット購入ができ、ペットショップ購入がオンラインに流れるだけです。
3、フランスのペットショップでの犬猫販売禁止は、「保護団体と協力し遺棄された犬猫の販売は認める」との内容です。つまり商業生産された犬猫であってもいったん保護団体を経由することにより保護動物にロンダリングされてペットショップが販売できるということです。これは同様の法律があるアメリカ合衆国の一部の州自治体で実際に起きています。



 ヨーロッパではEU加盟国と非加盟の一部の国は国境間移動が自由化され、国境検問所が廃止されています。そのためにヒトモノカネが国境を越えて自由に行き来できます。これをシェンゲン協定といいます。シェンゲン協定加盟国は発足当時はベルギー、フランス、ルクセンブルク、オランダ、西ドイツの西ヨーロッパの一部の国にとどまっていましたが、年々加盟国が拡大しました。2007年にはポーランドやハンガリー等の東欧諸国9ヶ国が加盟しました。
 東欧諸国がシェンゲン協定に加盟した後は、西ヨーロッパの犬の商業生産販売に大きな影響を与えました。それは東欧諸国からきわめて安価な子犬が違法合法問わず大量に西ヨーロッパ諸国に輸出されるようになったことです。物価が安く動物愛護法制に遅れた東欧諸国は、西ヨーロッパに比べてはるかに安価に子犬が生産できるからです。ドイツなどの西ヨーロッパ諸国で生産された子犬の価格よりも、東欧産の子犬は極端な場合には10分の1の価格で販売されます。西ヨーロッパ諸国の多くの国では日本と異なり、非対面での犬などのペットの通信販売にほぼ規制がありません。そのために多くは東欧産の安価な子犬はインターネットで販売されます。
 また西ヨーロッパ諸国の国民が国境を越えて東欧に行き、そこで子犬を持ち帰ることも多くあります。高速道路のサービスエリア等で、東欧の国の人が露店で子犬を売っています。

 そのような理由から、西ヨーロッパの国で動物以後に関する法規制を強化しても、西ヨーロッパの国民はより安価な東欧産の子犬を購入できます。それが非合法であっても、国境間移動の自由により簡単にできます。しかも実際にはほぼ摘発ができないのです。したがって西ヨーロッパの国で動物愛護に関する法規制を強化しても、国内の犬の生産販売という産業が空洞化する効果しかないのです。
 現にドイツでは、違法合法問わず子犬の輸入が年間50万頭と推定されていますが、ドイツ国内生産の子犬は年々減少し、直近のドイツ国内生産の数は7万頭台です。ドイツでは国内生産の子犬の約7倍の50万頭子犬が輸入されています。ドイツは世界でも類を見ない犬の生産に関しては厳しい法律の基準がありますが、それによりドイツ国内の子犬生産はほぼ消滅しつつあるといっても極論ではないです。ドイツの犬の生産に関する法規制を日本の動物愛誤家は絶賛していますが、あまりにも無知と言わざるを得ません。


(画像)

 Anzahl der neugeborenen Hundewelpen in Deutschland in den Jahren 2000 bis 2018 「2000年から2018年まで生産されたドイツ国内の子犬の数」 2019年9月11日

 この統計サイトは有料ですので、一部マスキングされています。なおこの統計は、今回記事で取り上げたVDH(全ドイツケネルクラブ)における純血種犬の登録数です。VDH登録ブリーダーが全て純血種犬の登録を行うわけでもありませんし、いわゆるミックス犬やVDHで品種登録できない犬は登録できません。この数字は、VDH加入ブリーダーの生産子犬数のすべてを表しているわけではありません。しかしドイツ国内での子犬生産が大幅に減少していることがうかがえます。

Hundewelpen in Deutschland bis 2018
Die Statistik bildet die Entwicklung der Anzahl neugeborener Hundewelpen in Deutschland in den Jahren 2000 bis einschließlich 2018 ab.
Im Jahr 2018 wurden in Deutschland insgesamt 75.013 Hundewelpen geboren.

ドイツ国内における2018年までの子犬の生産数
統計は2000年から2018年までの、ドイツ国内における新たに生まれた子犬の数の推移を示しています。
2018年には、合計75,013頭の子犬がドイツで生まれました。


ドイツ 純血種 子犬生産数


(参考資料)

Tiermedizin Zoonosen – Gefährliche Tierliebe 「獣医学 人畜共通感染症 動物への危険な愛」 2020年3月3日

Jährlich werden allein rund 500.000 Hunde aus Osteuropa und dem Mittelmeerraum importiert, da wir den Bedarf an Haustieren durch eigene Zucht allein nicht decken können.

(ドイツでは)自国生産での繁殖だけではペット(犬)の需要に応えられないため、毎年約50万頭の犬が東欧や地中海地域(註 ギリシャなど)から輸入されています。



(参考資料)

 日本では「ドイツでの犬の入手はティアハイム等の保護施設からがほとんど」という情報がありますが、根拠のない大嘘です。これらの日本のデマ情報では、出典を示している資料は一つもありません。また具体的な数字も示されていません。「ほとんど」ですが、感覚的には「8割から9割」と思われます。
 2014年の資料では、ドイツでの保護犬猫の入手シェアに占める保護動物の割合は約10%とされています。その後ドイツでは子犬の輸入が激増していますので、その割合はさらに低下していると思われます。

DEUTSCHER TIERSCHUTZ 「ドイツの動物福祉」 2018年

Von den ca. 500.000 Welpen, die in Deutschland jährlich ein Zuhause finden, kommen laut VDH (Statistik hier) 1/5 (100.000) aus dem Ausland– Nur ein kleiner Teil der Hunde und Katzen, die neu in Familien aufgenommen werden, kommen aus dem Tierschutz (ca. 10%).

毎年ドイツで家を見つける(註 飼い主に販売される、もしくは譲渡される)約50万匹の子犬のうち、VDH(全ドイツケネルクラブの統計)によると、外国から来たものが5分の1(10万)であり - 新たに家族に迎えられる犬や猫のごく一部は、動物保護団体からのものです(約10%)。



(動画)

 Illegaler Welpenhandel - Wer verdient am Hundeboom? | WDR Doku 「違法な子犬の取引-犬ブームでお金を稼ぐのは誰なのでしょうか? | WDR(ドイツ公共TV)ドキュメンタリー」 2021年5月12日

概要:新型コロナの感染流行で、ドイツではペット用の犬の需要が激増しています。その需要を満たすために、病気の子犬、幼すぎる子犬の密輸が増えています。主に東欧から密輸されたきわめて安価な子犬が露店販売や、インターネットサイトで注文を受けて配達されます。このような子犬を買った飼主の中には、3日後に子犬が死んだ例もあります。
 子犬の違法取引は。ヨーロッパでは麻薬、武器に続くマフィアの資金源になっています。警察のおとり捜査では、ルーマニアから子犬を違法にドイツに輸入したルーマニア人のケースが取材されています。子犬は法定の週齢を満たしておらず、ワクチンも接種されていませんでした。主に違法販売の子犬は、東欧から来ます。ルーマニア、ポーランド、チェコ、ブルガリア、ハンガリーなどからですが、これらの国からのドイツへの子犬の輸入は、マフィアにより組織的に行われています。これらの犬は遺伝病や週齢を満たしていないことがほとんどです。これらの子犬は、主にオンライン広告で販売されています(註 ドイツは非対面のオンラインでのペット販売に全く規制がない国です)。
 違法取引で押収された犬は、1週間後に死にました。わずか2週齢で販売されている子犬もあります。多くの犬は偽のワクチン証明書や血統書がつけられています。ドイツの獣医師が、そのような偽の書類の作成にかかわっているケースがあり、禁固刑に処せられた獣医師もいます。警察も獣医局も人手不足で、摘発されるのは氷山の一角です。
 最善はドイツ国内のブリーダーを直接訪れて、子犬の繁殖状況を直接確認してから子犬を購入することです。しかしドイツの法規制によりドイツでは犬のブリーディングをするにはコストがかかりすぎ、利益が出ません(註 そのような理由からドイツでの子犬生産は激減しています)。




 前置きとしてドイツの状況を長く挙げましたが、状況はフランスも同様です。ただフランスはドイツと異なり、違法な犬の供給源である東欧諸国とは直接国境を接していません。フランスまで密輸子犬を運搬するには手間がかかり、摘発されるリスクがドイツよりは高くなります。
 しかしフランスでも、違法な東欧などからの子犬の輸入が相当あり、子犬の販売のシェアのかなりの部分を占めています。次回以降の記事では、フランスの主に東欧からの違法な子犬の輸入の事情を取り上げます。フランスでペットショップでの犬猫販売(これは抜け道がある「ザル法」ではありますが)を禁じたとしても違法な犬の輸入がそれに代わるだけです。フランスは正規の業者=ペットショップ、を圧迫し、マフィアによる子犬の違法取引を支援する愚策を進めているのです。

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France/Frankreich

 フランスでは「ペットショップでの犬猫の販売を禁止する」等の法案が2021年に可決成立し、2024年以降はペットショップでの犬猫販売ができなくなります。このフランスの立法を極めて高く評価している動物愛護(誤)家が多くいます。しかし彼らはごく表面的なことしか知りません。フランス、ひいては西ヨーロッパの犬の販売に関する問題点や、フランスで成立した本法の詳しい内容や、フランスでの犬猫のきわめて多い犬猫の遺棄の問題と、日本の人口比で40倍以上にもなる年間の犬猫の50万頭の殺処分数の多さも知らないようです。それらの事情を考えれば、手放しに「フランスは素晴らしい動物死後先進国。日本も見習うべき」とは言えないのです。


 まずサマリーで述べた、「フランスでの2024年以降にペットショップでの犬猫の展示販売を禁止する」立法と、その概要(ペットショップでの犬猫販売禁止に関する事柄のみ)を、以下にニュースソースから示します(英語)。


What you need to know about France’s new animal rights law 「フランスの新しい動物権利法について知っておくべきこと」 2021年11月18日

Pet shops will not be able to sell dogs and cats from 2024 – and won’t be able to display them in shop windows.
Only abandoned dogs and cats will be available for sale in pet stores, working with rescue shelters.
Online pet sales will be banned, with the exception of websites of licensed breeders and pet stores.

フランスではペットショップは2024年以降に犬と猫を販売できなくなり、ショーウィンドウで展示できなくなります。
ペットショップでは、動物保護のアニマルシェルターと協力して、遺棄された犬と猫のみを販売することができます。
認可されたブリーダーとペットショップのウェブサイト以外での、オンラインでのペット販売は禁止されます。



 結論から言えば私見ではありますが、私はこのフランスの「ペットショップでの犬猫販売を禁止する」立法は、フランスでの犬猫の遺棄と殺処分を減らす効果があるとは思えません。理由は以下の通りです。


1、ヨーロッパではEUといくつかの国では域内のヒトモノカネの移動が自由です。国境検問所がなく、フランスでは犬猫が欲しい多くの人は自由に物価の安い東欧諸国等に行き、そこで購入してフランスに持ち帰ります。また国境検問所がないために、動物愛護法制が遅れれかつ物価が安い東欧諸国などの犬が違法に、組織的に大量にフランスに持ち込まれています。それらの犬の違法販売の価格は安く、すでにフランスでは犬販売のシェアを獲得しています。したがってペットショップの販売を禁止したとしても、犬の購入はそのような違法輸入犬に代わるだけで、犬等の安易な購入とそれが要因の犬猫の大量域と殺処分の減少にはつながらないと思われます。
 このようにヨーロッパでは国境が地続きであり、国境がすべて海で隔てられている日本とは大きく異なります。日本では外国に出入国手続きなしに自由に外国と行き来し、外国で購入したものを自由に持ち帰ることができません。

2、フランスでは、現在は犬猫等のペットのオンライン等の通信販売に全く規制がありません。法改正では「認可を受けたブリーダーとペットショップ(禁じるのは店頭展示販売だけ)以外でのペット生体のオンライン販売を禁止する」としています。しかしオンラインでの犬猫等のペットの購入を温存すれば、安易にペットを購入することの抑制にはならないと思います。むしろオンラインのほうが、ペットショップでの店頭展示販売より安易にペットが購入できるのではないかとも思えます。
 なお日本では、オンライン等での「ペット生体の非対面販売」は完全に禁止されています。フランスのペット販売と日本を比較するのであれば、この点も考慮すべきでしょう。

3、フランスでのペットショップでの犬猫販売禁止の内容ですが、「動物保護団体由来のものであれば販売ができる」のです。これはアメリカ合衆国の一部の州自治体のペットショップでの生体販売の制限の法令と同じです。アメリカでは「形式的にでも保護団体を経由させれば、ペットショップでの販売が禁じられている犬猫ウサギでも販売できる」のです。ですから実際にはパピーミル生産の子犬が従来通り、ペットショップの店頭で展示販売されています。
 このことは、フランスでも起きる可能性が高いということです。つまり「ザル法」で、フランスでも「ペットショップでの犬猫の展示販売を禁止する」法律が施行後も、商業生産された犬猫が「形式的に保護団体由来のもの」にロンダリングされれ、ペットショップで販売される可能性が高いのです。


 なおフランスは年間の犬猫の殺処分数が約50万頭で、その数は人口比で日本の40倍以上です。またフランスは、犬猫等のペットの遺棄が大変多い国です。バカンスシーズンになると、旅行先で犬猫を捨てる、旅行に行く前に捨てることが大変多いのです。そのためにフランスのリゾート地の公営アニマルシェルターでは、大変犬猫の殺処分率が高く、地方都市での猫の殺処分率は平均で80%、犬の殺処分率で80%以上という自治体もあります。
 このような事柄を鑑みれば、無条件にフランスのこの立法を絶賛するのは誤りです。また「フランスに倣い、ペットショップでの犬猫の生体販売を禁止しろ」というのも理にかなっていません。ヨーロッパでの国境移動の自由と外国からの安価な犬輸入や、フランスでのペットのオンライン販売が禁止されていないことなども考慮しなけれなりません。次回以降の記事では、先に挙げた、「1」、「2」、「3」の各論について、具体的に資料を挙げて論じていきます。


(動画)

 Besançon : un projet de loi prévoit l'interdiction de la vente des chiens et chats en animalerie 「フランス、ブザンソン(地名):法案はペットショップでの犬と猫の販売の禁止を規定しています」 2021年2月5日

 フランスのペットショップで展示販売される子犬。




(動画)

 Jo animalerie chat et chiens 「ジョー・ペットショップ 犬と猫の販売」 2014年3月10日

 かつてはフランスのペットショップでの犬猫等の展示販売環境は良くなかったといわざるを得ません。パリ市内に犬猫等も販売するペットショップの集積地が今でもあります。

雌犬の繁殖年齢の下限上限の規制は動物福祉が目的ではなく愛誤とペット業界の打算







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domestic/inländisch

 記事、
なぜ日本の雌犬の繁殖年齢の上限が極端に低いのか
なぜ日本の雌犬の繁殖年齢の下限が極端に低いのか
 日本では第一種動物取扱業者の犬ブリーダーが雌犬を交配する場合、下限年齢を1歳以上と法令で定めています。この規定は国際比較では、極端に雌犬の年齢が若いのです。例えば法律で雌犬の交配年齢の下限を定めている国はスウェーデンが「18ヶ月齢以上」、インドも「雌犬の交配は18ヶ月齢以上」としています。そもそも雌犬の交配もしくは出産の下限年齢を定めている国は少数です。この2国の他では、アメリカ、ヴァージニア州の18ヶ月齢以上、イギリスは1歳以上と定めています(もし他の国、州で雌犬の交配もしくは出産の下限上限を定める法令がご存知の読者様はコメントください。ただし法令原文のリンクを提示してください)。なぜ日本は雌犬の交配年齢が極端に若い法令の規定があるのでしょうか。「愛誤団体の保護犬仕入れのために、ブリーダーが売りやすい若い犬を手放すように愛誤団体が企てて愛誤議員に働きかけた」という意見もあります。諸般の事情からあながち妄論とは言えないような気がします。



 サマリーで示した、「日本の雌犬の法令で定める交配年齢の上限が他国に比べて極端に低いのは、愛誤団体が保護犬販売ビジネスをする上で、販売がしやすいより若い犬をブリーダーが手放すように仕向けるために立法を愛誤議員に働きかけた」という複数の意見がソーシャルメディアに投稿されています。諸般の事情を鑑みると、私はそれはあながち妄言とは言えないような気がします。具体例として、次のようなFacebookの投稿があります。


Koji Kawamura 27. Januar um 10:16 ·

今回のブリーダーへの各種制約を課す法令改正では、繁殖回数や年齢制限がある。
ある人が解説していました。
これは、動物愛護団体に引き受けてもらいやすくしているのであるって。
まだ商品価値があるうちは、譲渡しやすいからと。



 上記の意見の根拠ですが、すでに述べたとおり「そもそも犬ブリーダーの交配年齢の上限を法令で定める国はほぼなく、スウェーデンとインドの2カ国しか確認できない。他にはアメリカ合衆国でヴァージニア州1州のみがある。また日本の雌犬の交配年齢の上限は、これらの国にかけ離れて低い」ことです。日本は「雌犬の交配は6歳まで」としています。(*)
 対して「雌犬の交配の下限年齢」を法令で定めている国は比較的多くあります。しかし雌犬の交配年齢の下限も、日本は「1歳以上」とし、海外に比較して低いのです。海外の多くは「18ヶ月齢以上」です。

(*)
適正な飼養管理の基準の具体化について 飼養管理基準として定める事項 (環境省)

 雌犬の交配年齢の上限をまとめると次のようになります。なお日本は「6歳まで」。

(法令)
・スウェーデン               10歳以降禁止
・インド                    8歳以降禁止
・アメリカ ヴァージニア州(州法)     8歳以降禁止
(民間の自主規制)
・イギリス                   8歳以降は禁止(ただし獣医師が許可すればよい)
・ドイツ                    8歳が上限

 雌犬の交配の下限年齢をまとめると次のようになります。なお日本は「1歳(12ヶ月)齢以上」。
(法令)
・スウェーデン               18ヶ月齢以上
・インド                   18ヶ月齢以上
・アメリカ ヴァージニア州        18ヶ月齢以上
(民間の自主規制)
・オランダ                  16ヶ月齢以上
・デンマーク         15ヶ月齢から22ヶ月齢以上(犬種により異なる)
・ドイツ            15ヶ月齢から18ヶ月齢以上


 これらの数字を鑑みれば、特に雌犬の繁殖年齢の上限は国際比較では極端に低いのです。「犬ブリーダーがまだ商品として転売できる犬が若いうちに手放すように促すための、愛誤団体に与した立法」との意見がネット上に見られます。そう勘繰られても仕方がないでしょう。たとえばスウェーデンのように10歳間際で交配し、出産を終えて雌犬が子犬から手が離れるのは10歳半ばになります。となれば犬の平均年齢が14歳ですので、ブリーダーが雌犬が繁殖から引退しても終生飼育してもそれほど負担になるとは思えません。また10歳超の犬は、愛誤団体が保護犬として再販するには難しくなります。愛誤団体は、ブリーダーが経営上持ちこたえられなくなり、まだ若い犬を愛誤団体に譲渡せざるを得ない状況に追い込みたいのです。
 一方雌犬の交配年齢も、日本は国際比較では低いのです。愛誤議員が「雌犬の交配の上限を6歳までとする」ことをごり押ししたために、犬ブリーダーとしては早めに雌犬を繁殖させなければ子犬の数を確保できません。そのために、雌犬の繁殖年齢が低く抑えられたものと思われます。
 
 しかしながら雌犬の繁殖年齢においては、上限年齢よりも下限年齢の低さ、というより最初の発情で交配させることを犬の健康上のリスクがあると問題視している意見が多くあります。日本でも良識あるブリーダーは「最初の発情での繁殖は見送るべき」という意見に従っています。
 今回の犬の繁殖年齢の上限下限の法令化は科学的知見に反します。要するにこの立法は犬の福祉向上が目的なのではなく、愛誤団体の利権の確保と、それに反発するペット業界の妥協の産物です。それを裏付ける資料をいくつか示します。


​When Do Dogs Go Into Heat? 「いつ犬は発情を迎えますか?」 AKC 2015年7月30日

By AKC Staff
larger breeds may be as old as two years before their first heat.
Responsible breeders never breed a dog on her first or even her second heat.
It is considered best practice to wait until her third heat, at about 18-24 months.
It can take some dogs 18-24 months to develop regular cycles.

AKCスタッフによる記事
より大型の犬の品種は、最初の(雌の)発情は2歳ぐらいの年齢に始まるかもしれません。
責任感があるブリーダーは、最初の発情または2番目の発情で犬を繁殖させることはありません。
雌犬の3回目の発情で、かつ約18〜24ヶ齢まで待つのが最善と考えられています。
定期的な発情周期になるまで18ヶ月から24ヶ月かかる犬もいます。


WHEN TO BREED A DOG — WHEN IS THE BEST BREEDING AGE FOR DOGS? 「犬を繁殖すべき時期ーもっともよい犬の繁殖時期」

Factually, male and female dogs can breed as soon as they sexually mature which is a little before a year of age generally.
However, is this the best breeding age for dogs?
Well, no, it is not.
Bitches should be at least two years old before being bred.
Bitches that are not fully mature are more likely to have smaller litters and are more likely to have stillbirths.
Bitches should have at least two normal heat cycles (some experts say four) prior to a first mating.
Bitches that have not yet reached adult size will, also, be more at risk for delivery issues like dystocia which may end up requiring an emergency C-section.

実際には雄雌とも犬は性的に成熟すればすぐに繁殖することができ、これは一般的には1歳より少し前です。
しかし、これは犬にとって最もよい繁殖年齢といえるでしょうか?
いいえ、それは違います。
雌犬は、繁殖(交配)する前に少なくとも2歳でなければなりません。
完全に成熟していない雌犬は一腹の仔が少なく、死産する可能性が高くなります。
雌犬は、最初の交配の前に少なくとも2回の正常な発情周期がある(一部の専門家は4回と言います)ことが必要です。
まだ成犬のサイズに達していない雌犬も、緊急の帝王切開が必要になる難産などの可能性があり、出産の問題でのリスクが高くなります。


(画像)

 「動物福祉」最優先の米独英、犬との暮らしをより良いものに 2015年6月12日 朝日新聞sippo編集部 から。

 西山ゆう子氏は、「ロサンゼルスでは生体小売業は営めない」と明言しています。公にこのような荒唐無稽なデマを堂々と発言できるとは何らかの精神疾患が疑われるか、極度の無知です。ロサンゼルス市は、2012年に「犬猫ウサギに限り、ペットショップで販売するには保護団体由来のものに限る」という条例が成立しました。
 しかしその後も「形式的にでも保護団体を経由させれば犬猫ウサギでも販売できる」というザル法でしたので、ペットショップでこれらの動物が売られ続けています。もちろん犬猫ウサギ以外の一般的なペット(野生動物や危険な動物を除外して)は、ロサンゼルス市ではペットショップでの販売が制限された事はありません。西山ゆう子氏は、「ロサンゼルスでは雌犬の出産は1歳(つまり交配は10歳からできる)から6歳まで」、「ロサンゼルスでは生体小売業は営めない」という卒倒するようなデマ以外でも、多くの嘘を垂れ流しています。

 さらに西山ゆう子氏は、浅田美代子さんが救いたい“いのち”~殺処分問題の解決に向けて私たちにできること~ で次の発言しています。以下の引用した箇所は、法令行政文書等の根拠が全くありません。

「ロサンゼルスでは、犬が出産できる年齢は1歳以上~6歳までで(交配は10ヶ月以上~5歳10か月まで)、原則1年間に1回のみ。犬の繁殖にも販売にも許可証が必要です」と、西山獣医師は語ります。
ヨーロッパの動物愛護の先進国でも、同様に繁殖や販売に関する法規制があります。


 「ロサンゼルス市では、雌犬の『出産』年齢の下限を定めた法令による規定も行政指導も一切ありません。ロサンゼルス市の犬ブリーダーは血統書を発行する場合には「雌犬の『交配(出産ではない)』は18ヶ月齢から」とのAKCの、もしくはUKCの「雌犬の出産は10歳まで」という自主規制に従っています」。
 またヨーロッパでは「雌犬の『出産』は1歳以上」と法律で定めている国は皆無です。複数の国で「交配(「出産」ではない)」は18ヶ月齢以上」としています。犬の妊娠期間は約2ヶ月です。つまり西山ゆう子氏は「ロサンゼルスは10ヶ月齢以上での交配を義務付けている」と述べています。10ヶ月齢では、わざわざ法令にする必要はありません。多くの犬種では最初の発情が10ヶ月齢前後だからです。つまり最初の発情で交配させることになります。繰り返しますが、「犬の最初の発情は交配は避けるべき」が動物福祉上の常識です。それすらご存いないとは(笑)。それとも西山ゆう子氏は犬虐待者で、愛誤ビジネス利権の支援者なのでしょうか。
 嘘デタラメをよくおまあ、ベラベラと喋りまくれるものだと感心します。その他でも西山ゆう子氏は荒唐無稽な卒倒するデマを公にしています。この方は吸った息で嘘を吐かなければ窒息で死ぬらしい。

西山ゆう子 大嘘付き キチガイ


(註)

 「フランスの雌犬の交配年齢の下限」についてですが、フランスの法令(ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, 13ページ)では「犬猫の交配の下限は2回目の発情」としています。しかし東京大学の資料(諸外国における犬のブリーダー規制状況 礒村れん,杉浦勝明†(東京大学大学院農学生命科学研究科))では「10ヶ月齢以上」としています。

なぜ日本の雌犬の繁殖年齢の下限が極端に低いのか







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domestic/inländisch

 記事、なぜ日本の雌犬の繁殖年齢の上限が極端に低いのか、の続きです。
 日本では第一種動物取扱業者の犬ブリーダーが雌犬を交配する場合、下限年齢を1歳以上と法令で定めています。この規定は国際比較では、極端に雌犬の年齢が若いのです。例えば法律で雌犬の交配年齢の下限を定めている国はスウェーデンが「18ヶ月齢以上1」、インドも「雌犬の交配は18ヶ月齢以上」としています。そもそも雌犬の交配もしくは出産の下限年齢を定めている国は少数です。この2国の他では、アメリカ、ヴァージニア州の18ヶ月齢以上、イギリスは1歳以上、(もし他の国、州で雌犬の交配もしくは出産の下限上限を定める法令がご存知の読者様はコメントください。ただし法令原文のリンクを提示してください)。なぜ日本は雌犬の交配年齢が若い法令の規定があるのでしょうか。「愛誤団体の保護犬仕入れのために、ブリーダーが売りやすい若い犬を手放すように愛誤団体が企てて愛誤議員に働きかけた」という意見もあります。諸般の事情からあながち妄論とは言えないような気がします。



 サマリーで示した、「日本の雌犬の法令で定める交配年齢の上限が他国に比べて極端に低いのは、愛誤団体が保護犬販売ビジネスをする上で、販売がしやすいより若い犬をブリーダーが手放すように仕向けるために立法を愛誤議員に働きかけた」という複数の意見がソーシャルメディアに投稿されています。諸般の事情を鑑みると、私はそれはあながち妄言とは言えないような気がします。具体例として、次のようなFacebookの投稿があります。


Koji Kawamura 27. Januar um 10:16 ·

今回のブリーダーへの各種制約を課す法令改正では、繁殖回数や年齢制限がある。
ある人が解説していました。
これは、動物愛護団体に引き受けてもらいやすくしているのであるって。
まだ商品価値があるうちは、譲渡しやすいからと。



 上記の意見の根拠ですが、すでに述べたとおり「そもそも犬ブリーダーの交配年齢の上限を法令で定める国はほぼなく、スウェーデンとインドの2カ国しか確認できない。他にはアメリカ合衆国でヴァージニア州1州のみがある。また日本の雌犬の交配年齢の上限は、これらの国にかけ離れて低い」ことです。日本は「雌犬の交配は6歳まで」としています。(*)
 対して「雌犬の交配の下限年齢」を法令で定めている国は比較的多くあります。概ね「18ヶ月齢以上」もしくは「2回目の発情以降」です。以下に具体的に、「雌犬の交配年齢の下限」について定める法令の具体例を例示します。

(*)
適正な飼養管理の基準の具体化について 飼養管理基準として定める事項 (環境省)


・スウェーデン Regel 2:5 SENAST UPPDATERAD DEN 29 JANUARI 2021 「規則2:5 2021年1月29日に更新」

En tik får inte paras innan fyllda 18 månader.
Att 18 månader är en absolut yngsta ålder innebär inte att det är en rekommenderad ålder.

A bitch may not be mated before the age of 18 months.
The fact that 18 months is an absolute youngest age does not mean that it is a recommended age.

雌犬は18ヶ月齢に達する前に交配することはできません。
18ヶ月が絶対的に最低月齢であるという事実は、それが推奨年齢であることを意味するものではありません(つまりそれが強制であということ)。


・インド
DOG BREEDING, MARKETING AND SALE RULES 「犬の繁殖と流通販売に関する規則」

b. Only normal, healthy, mature female dogs that have reached their 18th month shall be bred. They shall be certified as healthy by a licensed veterinarian at least ten (10) days prior to their being bred.

b。 18ヶ月目に達した正常で健康な成熟した雌犬のみが繁殖することができます。 それらの犬は交配の少なくとも10日前に認可された獣医によって健康であると認められければなりません。



・アメリカ合衆国 ヴァージニア州(州法)
§ 3.2-6507.2. Commercial dog breeding; requirements 「商業的犬の繁殖に関する要件」

2. Breed female dogs only: (i) after annual certification by a licensed veterinarian that the dog is in suitable health for
breeding. (ii) after the dog has reached the age of 18 months;

2.雌犬のみ適用される繁殖の規定:(i)犬が繁殖に適した健康状態にあることを資格のある獣医師が毎年証明した後に行うこと。 (ii) 犬が18ヶ月齢に達していること。 



 犬の交配の最低年齢は、民間のケネルクラブによる自主規制は多くの先進国であります。以下に例示します。

・オランダ
諸外国における犬のブリーダー規制状況 礒村れん,杉浦勝明†(東京大学大学院農学生命科学研究科)2017年
雌犬の「交配」は16ヵ月以上とする。

・デンマーク
諸外国における犬のブリーダー規制状況 礒村れん,杉浦勝明†(東京大学大学院農学生命科学研究科)2017年
犬種によりことなり、15ヵ月齢から22ヵ月齢を「交配」の最低年齢としている。

・ドイツ
諸外国における犬のブリーダー規制状況 礒村れん,杉浦勝明†(東京大学大学院農学生命科学研究科)2017年
犬種により異なり、15ヵ月から18ヵ月を雌犬の「交配」の最低年齢をしている。




 以上を鑑みれば、日本の「1歳以上」とする雌犬の最低交配年齢の低さは、国際比較において異常に低いと言わざるを得ません。外国の法令、もしくは民間のケネルクラブでの雌犬の最低交配年齢は、獣医学で「雌犬の最初の発情での交配は身体が十分に発達していないので母体への負担が大きく、避けるべきである。2回目もしくは3回目以降に最初の交配を行うのが望ましい」との定説によるものです(*1)。
 犬の最初の発情は犬種や個体差がありますが、概ね9〜10ヶ月ごろに訪れます。大型犬になると、生後2年まで最初の発情が見られないこともあります。そして最初の発情以降は、6ヶ月程度のサイクルで発情があります。つまり日本の法令の基準では、「最初の発情で交配しても良い」ということです。まさに国際標準とはかけ離れた動物虐待的な規定です。ですから日本の雌犬の交配の最低年齢の規定は動物福祉を目的としたものではなく、「愛誤団体の保護犬ビジネスを支援するために、ブリーダーがまだ売り物になる若い犬を早く手放させるのが目的」と疑われても仕方がありません

(*1)
Estrus and Mating in Dogs 「犬の発情と交配」

Estrus and Mating in Dogs
Puberty or sexual maturity in the female dog usually occurs around 9 to 10 months of age.
The smaller breeds tend to go into estrus or 'heat' earlier and some females can have their first heat cycle as early as four months of age.
On the other hand, the large and giant breeds can be up to two years old before they come into heat for the first time.
For many dogs, the first heat is 'silent' or does not have clinical signs associated with estrus. Additionally, many dogs' first estrus cycle is unlikely to allow successful breeding, therefore the standard practice is to wait until the second or third heat cycle before breeding.

犬の発情と交配
雌犬が成犬となりつつありまたは性的に成熟するのは通常、生後9〜10ヶ月頃になります。
小型の品種はより早く発情は早く開始する傾向があり、一部の品種の雌は生後4ヶ月という早い時期に、最初の発情のサイクルが開始する可能性があります。
一方大型の犬種は、2歳以降に初めて発情する可能性があります。
多くの犬にとって、最初の発情は「不顕性」であるか、発情に関する臨床的な兆候がなく、さらに多くの犬では最初の発情では繁殖が成功する可能性が低いため、一般には雌犬の繁殖は2回目もしくは3回目の発情周期まで待つのは慣習となっています。


(画像)

 「動物福祉」最優先の米独英、犬との暮らしをより良いものに 2015年6月12日 朝日新聞sippo編集部 から。

 西山ゆう子氏は、「ロサンゼルスでは生体小売業は営めない」と明言しています。公にこのような荒唐無稽なデマを堂々と発言できるとは何らかの精神疾患が疑われるか、極度の無知です。ロサンゼルス市は、2012年に「犬猫ウサギに限り、ペットショップで販売するには保護団体由来のものに限る」という条例が成立しました。
 しかしその後も「形式的にでも保護団体を経由させれば犬猫ウサギでも販売できる」というザル法でしたので、ペットショップでこれらの動物が売られ続けています。もちろん犬猫ウサギ以外の一般的なペット(野生動物や危険な動物を除外して)は、ロサンゼルス市ではペットショップでの販売が制限された事はありません。西山ゆう子氏は、「ロサンゼルスでは雌犬の出産は1歳から6歳まで」、「ロサンゼルスでは生体小売業は営めない」という卒倒するようなデマ以外でも、多くの嘘を垂れ流しています。

 さらに西山ゆう子氏は、浅田美代子さんが救いたい“いのち”~殺処分問題の解決に向けて私たちにできること~ で次の発言しています。以下の引用した箇所は、法令行政文書等の根拠が全くありません。

「ロサンゼルスでは、犬が出産できる年齢は1歳以上~6歳までで、原則1年間に1回のみ。犬の繁殖にも販売にも許可証が必要です」と、西山獣医師は語ります。
ヨーロッパの動物愛護の先進国でも、同様に繁殖や販売に関する法規制があります。


 「ロサンゼルス市では、雌犬の『出産』年齢の下限を定めた法令による規定も行政指導も一切ありません。ロサンゼルス市の犬ブリーダーは血統書を発行する場合には「雌犬の『交配(出産ではない)』は18ヶ月齢から」とのAKCの、もしくはUKCの「雌犬の出産は10歳まで」という自主規制に従っています」。
 またヨーロッパでは「雌犬の『出産』は1歳以上」と法律で定めている国は皆無です。複数の国で「交配(「出産」ではない)」は18ヶ月齢以上」としています。犬の妊娠期間は約2ヶ月です。つまり西山ゆう子氏は「ロサンゼルスは10ヶ月齢以上での交配を義務付けている」と述べています。10ヶ月齢では、わざわざ法令にする必要はありません。多くの犬種では最初の発情が10ヶ月齢前後だからです。つまり最初の発情で交配させることになります。繰り返しますが、「犬の最初の発情は交配は避けるべき」が動物福祉上の常識です。それすらご存いないとは(笑)。それとも西山ゆう子氏は犬虐待者で、愛誤ビジネス利権の支援者なのでしょうか。
 嘘デタラメをよくおまあ、ベラベラと喋りまくれるものだと感心します。その他でも西山ゆう子氏は荒唐無稽な卒倒するデマを公にしています。この方は吸った息で嘘を吐かなければ窒息で死ぬらしい。

西山ゆう子 大嘘付き キチガイ

(註)

 「フランスの雌犬の交配年齢の下限」についてですが、フランスの法令(ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, 13ページ)では「犬猫の交配の下限は2回目の発情」としています。しかし東京大学の資料(諸外国における犬のブリーダー規制状況 礒村れん,杉浦勝明†(東京大学大学院農学生命科学研究科))では「10ヶ月齢以上」としています。

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 日本では第一種動物取扱業者の犬ブリーダーが雌犬を交配する場合、上限年齢を6歳までと法令で定めています。この規定は国際比較では、極端に雌犬の年齢が若いのです。例えば法律で雌犬の交配年齢の上限を定めている国はスウェーデンが「10歳まで認める」、インドでは「雌犬の交配は8歳まで」としています。そもそも雌犬の出産の上限年齢を定めている国はほぼありません。この2国の他では、アメリカではヴァージニア州で「雌犬の交配は8歳まで」と州法で定めているのみです(もし他の国、州で雌犬の交配もしくは出産の下限上限を定める法令がご存知の読者様はコメントください。ただし法令原文のリンクを提示してください)。なぜ日本は雌犬の交配年齢が極端に若い法令の規定があるのでしょうか。「愛誤団体の保護犬仕入れのために、ブリーダーが売りやすい若い犬を手放すように愛誤団体が企てて愛誤議員に働きかけた」という意見もあります。諸般の事情からあながち妄論とは言えないような気がします。


 サマリーで示した、「日本の雌犬の法令で定める交配年齢の上限が他国に比べて極端に低いのは、愛誤団体が保護犬販売ビジネスをする上で、販売がしやすいより若い犬をブリーダーが手放すように仕向けるために立法を愛誤議員に働きかけた」という複数の意見がソーシャルメディアに投稿されています。諸般の事情を鑑みると、私はそれはあながち妄言とは言えないような気がします。具体例として、次のようなFacebookの投稿があります。


Koji Kawamura 27. Januar um 10:16 ·

今回のブリーダーへの各種制約を課す法令改正では、繁殖回数や年齢制限がある。
ある人が解説していました。
これは、動物愛護団体に引き受けてもらいやすくしているのであるって。
まだ商品価値があるうちは、譲渡しやすいからと。



 上記の意見の根拠ですが、すでに述べたとおり「そもそも犬ブリーダーの交配年齢の上限を法令で定める国はほぼなく、スウェーデンとインドの2カ国しか確認できない。他にはアメリカ合衆国でヴァージニア州1州のみがある。また日本の雌犬の交配年齢の上限は、これらの国にかけ離れて低い」ことです。日本は「雌犬の交配は6歳まで」としています。(*)具体的に、それらの国の法令を挙げます。

(*)
適正な飼養管理の基準の具体化について 飼養管理基準として定める事項 (環境省)


・スウェーデン
2: Regler för uppfödare och hanhundsägare 「2:ブリーダーと犬の飼い主のための規則」

(スェーデン語 原文)
Regel 2:5
Tik, oavsett ras, får inte paras efter det att hon har fyllt tio (10) år.

(英語 自動翻訳)
Rule 2: 5
The Swedish Board of Agriculture's regulations and general guidelines on keeping dogs and cats (SJVFS 2008: 5).
2: 5
Bitch, regardless of breed, may not be mated after she has turned ten (10) years old.

(日本語 拙訳)
規則 2:5
スウェーデン農業委員会の規則と犬と猫の飼育に関する一般的なガイドライン(SJVFS 2008:5)
2:5
雌犬は品種にかかわらず、10歳になった後には「交配」するべきではありません。



・インド
DOG BREEDING, MARKETING AND SALE RULES

(3) Female dogs shall not be mated after the age of 8 years.

雌犬の8歳以上の「交配」を禁じる。



・アメリカ合衆国 ヴァージニア州(州法)West's Annotated Code of Virginia. Title 3.2. Agriculture, Animal Care, and Food. Subtitle V. Domestic Animals. Chapter 59. General Provisions

2. Breed female dogs only: (ii) after the dog has reached the age of 18 months; and (iii) if the dog has not yet reached the age of 8 years;

2.雌犬のみの繁殖させる場合の規定:(ii)犬が18ヶ月齢に達した後でなければならない。 (iii)犬が8歳に達していない場合のみ行える(なおここでのBreed ですが、「交配」と解釈できます。Breedは Mating、もしくはmate(交配)から birth(出産)に至る全プロセスを含む概念で、その最初の行為が「交配」だからです)。

  

 また多くの先進国は犬ブリーダーの最低交配年齢もしくは出産年齢を、民間団体のケネルクラブが定めています。多くの国では概ね「雌犬の交配もしくは出産」の上限年齢を8歳までとしていますが多くは獣医師の許可があればそれ以上の年齢でも良いとしています。
 例えばドイツでは、民間のケネルクラブが「雌犬の交配の上限は8歳」と定めています(Zuchttauglichkeitsprüfung 「ドイツにおける犬の繁殖適合性検査」)。イギリスも同様に民間のケネルクラブが、「雌犬の交配年齢の上限は8歳で、獣医師の許可があればそれ以上でも良い、と自主規制を定めています(The Kennel Club's rules in regards to registration 「全英ケネルクラブにおけるブリーダー登録におけるルール」)。更にアメリカでは、雌犬の交配年齢の上限を定める法令があるのはヴァージニア州1州が例外的にあるのみ(連邦法ではない)で、民間のケネルクラブの自主規制が主となります。アメリカ合衆国の2大ケネルクラブはAKCとUKCです。まずUKCですが、民間自主規制として、母犬が出産時に10歳を超えている場合はその子犬の血統登録を認めません(UKC Forums : Powered by vBulletin version 2.3.0 UKC Forums > Departments > UKC Coonhounds > Off Topic > age limit on breeding.)。次にAKCですが、「雌犬の交配は8歳まで」との自主規制があります(Home Breeder Programs & Services Breeder Education AKC’s Guide to Responsible Dog Breeding


 上記の通り、繰り返しますが日本の「雌犬の交配は6歳まで」という法令の規定は、雌犬の交配を法令で規定している国の中(とはいえ確認できたのはスウェーデン、インド、ヴァージニア州のみ)では突出して若いのです。それ以前に雌犬の交配の上限年齢を法令で定めている国はほぼなく、他の国では民間の自主規制があります。民間の自主規制でも、概ね雌犬の交配ももしくは出産は8歳(獣医師の許可がればそれ以上も可)から10歳の間です。それらを鑑みれば、「日本の雌犬の法令の規定による交配年齢の異常な低さは、愛誤団体を利するのが目的」と勘ぐられても仕方がないです。
 また本記事では割愛しましたが、「雌犬の交配年齢の下限」を定めている国の法令を比べても、日本は異常に低いのです。日本は「1歳以上の雌犬の交配」を認めていますが、国際基準で言えば雌犬の健康上望ましくないとされています。雌犬の交配の下限年齢は、「18月齢以上」もしくは「2回目の発情以降」としている国が多いのです。また民間の自主規制でも同様です。それらについては次回の記事で述べます。


(画像)

 「動物福祉」最優先の米独英、犬との暮らしをより良いものに 2015年6月12日 朝日新聞sippo編集部 から。

 西山ゆう子氏は、「ロサンゼルスでは生体小売業は営めない」と明言しています。公にこのような荒唐無稽なデマを堂々と発言できるとは何らかの精神疾患が疑われるか、極度の無知です。ロサンゼルス市は、2012年に「犬猫ウサギに限り、ペぅとショップで販売するには保護団体由来のものに限る」という条例が成立しました。しかしその後も「形式的にでも保護団体を経由させれば犬猫ウサギでも販売できる」というザル法でしたので、ペットショップでこれらの動物が売られ続けています。もちろん犬猫ウサギ以外の一般的なペット(野生動物や危険な動物を除外して)は、ロサンゼルス市ではペットショップでの販売が制限された事はありません。西山ゆう子氏は、「ロサンゼルスでは雌犬の出産は6歳まで」、「ロサンゼルスでは生体小売業は営めない」という卒倒するようなデマ以外でも、多くの嘘を垂れ流しています。

 さらに西山ゆう子氏は、浅田美代子さんが救いたい“いのち”~殺処分問題の解決に向けて私たちにできること~ で次の発言しています。以下の引用した箇所は、法令行政文書等の根拠が全くありません。

「ロサンゼルスでは、犬が出産できる年齢は1歳以上~6歳までで、原則1年間に1回のみ。犬の繁殖にも販売にも許可証が必要です」と、西山獣医師は語ります。
ヨーロッパの動物愛護の先進国でも、同様に繁殖や販売に関する法規制があります。


 「ロサンゼルス市では、雌犬の出産年齢の上限を定めた法令による規定も行政指導も一切ありません。ロサンゼルス市の犬ブリーダーは血統書を発行する場合には「雌犬の交配(出産ではない)は8歳まで」とのAKCの、もしくはUKCの「雌犬の出産は10歳まで」という自主規制に従っています。
 またヨーロッパでは「雌犬の出産は6歳まで」と法律で定めている国は皆無です。スウェーデン1国が「雌犬の交配(出産ではない)は10歳まで」としています。嘘デタラメをよくおまあ、ベラベラと喋りまくれるものだと感心します。その他でも西山ゆう子氏は荒唐無稽な卒倒するデマを公にしています。この方は吸った息で嘘を吐かなければ窒息で死ぬらしい。

西山ゆう子 大嘘付き キチガイ

犬猫の繁殖制限を義務付け、未去勢猫の放飼いを禁じるロサンゼルス〜21年の法改正から







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(summary)
LOS ANGELES CITY
No unaltered cats over the age of four months are allowed to be in a public place unsupervised.
All dogs and cats must be spayed or neutered after the age of four months.


 ロサンゼルス市(ロサンゼルス郡を構成する市。一般的にはLos Angelesと単にいえば、ロサンゼルス市を指す)及びロサンゼルス郡(郡都ロサンゼルス市を含む複数の自治体から構成される郡)では、4ヶ月齢以上の飼犬猫の繁殖制限義務と繁殖制限がされていない猫を公共の場に放すことが禁じられています。いずれも飼犬猫の管理はマイクロチップにより行われ、繁殖制限義務の違反者には罰金等の罰則が科せられます。この条例の「繁殖制限をしていない猫を公の場に放すことの禁止」などは日本でも大変参考になると思いますが、日本で報道されたことはありません。


 サマリーで示した、ロサンゼルス市とロサンゼルス郡の「飼犬猫の繁殖制限義務と繁殖制限がされていない猫を公共の場で放すことの禁止」を定めた条例について、以下に引用します。


List of Current Spay-and-Neuter Ordinances 「現在の飼犬猫の避妊去勢手術義務の自治体条例のリスト」 

LOS ANGELES CITY
No unaltered cats over the age of four months are allowed to be in a public place unsupervised.
All dogs and cats must be spayed or neutered after the age of four months.
Exemptions are provided for animals used in show and performance competitions, service animals, animals whose health would be endangered by the procedure, and animals with breeding permits.
Unaltered dogs and cats must be microchipped.
There is a penalty of $100 or 8 hours of community service for non-compliance, with increasing penalties for continued non-compliance.

ロサンゼルス市
4か月齢以上で繁殖制限がされていない猫は、公共の場所で人の管理外で放すことはできません。
すべての犬と猫は4か月齢後に去勢手術または避妊手術を受ける必要があります。
ショーや競技会で用いられる犬猫、種付け用の犬猫、不妊去勢手術により健康が危険にさらされる犬猫、繁殖許可を受けた犬猫は免除が適用されます。
不妊去勢されていない犬や猫はマイクロチップを使用する必要があります。
違反した場合は100ドルまたは8時間の社会奉仕活動を行う罰則規定があり、違反が続く場合は罰則が強化されます。

*なおロサンゼルス市条例の原文はこちら(SEC. 53.15.2. BREEDING AND TRANSFER OF DOGS AND CATS. (Amended by Ord. No. 173,168, Eff. 5/18/00, Oper. 11/15/00.)


 なおこのロサンゼルス市の条例改正は2021年です。
・ブリーダーが繁殖等に用いるなどの例外を抜いて、飼犬猫の繁殖制限を義務付ける。
・去勢不妊手術がされていない猫は公の場に放してはならない。
・不妊去勢されていない犬猫はマイクロチップで個体識別と登録が義務付けられる。

 これらの罰則付きの規定は、日本でも参考にすベきだと私は思います。日本でも取り入れることも検討すべき内容だと思います。
 ただ実効性を高めるには日本でも、猫でもアメリカ合衆国の多くの自治体で行われているように行政機関が外猫を捕獲し、公的な動物収容所に収容する必要があります。アメリカ合衆国の多くの自治体ではすでに飼い猫の個体識別が義務付けられており、捕獲収容された猫の返還を求めるには、飼主が手数料と罰金を支払い返還を受けなければなりません。飼主に返還されなかったり一般譲渡がされなかった犬猫は、行政が殺処分等を行います。

 上記のロサンゼルス市の条例改正は、野良猫の数の制御のためには日本は是非参考にすベき内容と私は思いますが、それを報道するマスコミはありません。それどころか、ロサンゼルス市のペット動物に関する条例では、全く事実無根のデマをマスコミが報道しています。
 例えば「ロサンゼルス市ではブリーダーは雌犬の出産を6歳までとしなければならない」、「ロサンゼルス市では生体小売業は営めない」という、全く事実無根のデマを拡散しているアメリカ在住の獣医師、西山ゆう子氏がいます。この発言を産経系メディアが報道しています。しかしこのような法的規制はロサンゼルス市条例を始め(SEC. 53.15.2. BREEDING AND TRANSFER OF DOGS AND CATS. (Amended by Ord. No. 173,168, Eff. 5/18/00, Oper. 11/15/00.))、ロサンゼルス郡条例、カリフォルニア州法、もちろんアメリカ合衆国連邦法令でもありません。完全に西山ゆう子氏の意図的な大嘘か、無知によるでまかせ発言です。この点について、私は記事にしています。
 
(再掲)「ロサンゼルスは犬ブリーダーに6歳を超えるメス犬の出産を禁止している」というアメリカ在住獣医師のデタラメ
「犬の出産の下限上限年齢を制限する法令はない」~西山ゆう子氏のデマ
「犬の出産の下限上限年齢を制限する法令はない」理由~西山ゆう子氏のデマ
商品の犬を従業員が床に投げつけていることが発覚し休業に追い込まれたペットショップ~ロサンゼルス


(画像)

 「動物福祉」最優先の米独英、犬との暮らしをより良いものに 2015年6月12日 朝日新聞sippo編集部 から。

 西山ゆう子氏は、「ロサンゼルスでは生体小売業は営めない」と明言しています。公にこのような荒唐無稽なデマを堂々と発言できるとは何らかの精神疾患が疑われるか、極度の無知です。ロサンゼルス市は、2012年に「犬猫ウサギに限り、ペぅとショップで販売するには保護団体由来のものに限る」という条例が成立しました。しかしその後も「形式的にでも保護団体を経由させれば犬猫ウサギでも販売できる」というザル法でしたので、ペットショップでこれらの動物が売られ続けています。もちろん犬猫ウサギ以外の一般的なペット(野生動物や危険な動物を除外して)は、ロサンゼルス市ではペットショップでの販売が制限された事はありません。西山ゆう子氏は、「ロサンゼルスでは雌犬の出産は6歳まで」、「ロサンゼルスでは生体小売業は営めない」という卒倒するようなデマ以外でも、多くの嘘を垂れ流しています。

西山ゆう子 大嘘付き キチガイ


 要するに、動物愛護(誤)に関する情報提供は、動物愛護(誤)活動家にとってもマスコミにとっても、真実などは二の次、どうでもいいのです。「いかに愛誤と言う人種を喜ばすことができるか」なのです。そのためには全く根拠のない嘘でも厭わず拡散します。対して真実で大変重要な、参考になる事柄であっても、愛誤にとって都合の悪い情報は決して報道しません。
 今回取り上げたロサンゼルス市の2021年の条例改正ですが、条例の実効性を高めるためには外猫の捕獲と殺処分が前提となります。ですからこの情報は、外猫を温存させたい愛護誤にとって不都合なのです。ですから報道されません。実際にロサンゼルス市はアニマルコントロールが外猫の捕獲と収容、殺処分を行なっています。
 なおロサンゼルス市はTNR制度はありません。裁判所の判決で、ロサンゼルス市のTNRを制度化を差し止める訴訟での判決で、TNRの制度化を差し止める命令が出されてるからです(RE: PROJECT DESCRIPTION FOR PROPOSED CITYWIDE CAT PROGRAM ENVIRONMENTAL IMPACT REPORT (EIR))。

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さんかくたまご

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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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よろしくお願いします。

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