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有名な偽「毛皮の生き剥ぎ」ビデオで超上から目線の杉本彩氏(笑)






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(domestic/inländisch)
"Animals skinned alive in China" is a fraudulent video.


 マスコミに出るたびに毎回びっくり仰天なデマ情報をばら撒き、失笑を買っている杉本彩氏。打率が3割ぐらいならばご愛嬌かもしれませんが、海外情報に関してはほぼ100%デマです。最近もやらかしてくれました。20年近く前に制作され、業界の調査により意図的に作られた「ニセモノ」と暴かれた「毛皮の生き剥ぎ」ビデオを自慢気にマスコミで紹介しています。このビデオは、スイスの動物愛誤団体SAPが中国の毛皮業者にカネを支払い、ことさら通常は行われない方法で残酷な毛皮の生き剥ぎなどを「演技」させたことが明らかになっています。制作した動物愛誤団体SAP自身は捏造が暴かれて、この動画をすでにネット上から削除しています。すでにデマであることが周知され、手垢がつきまくった古い動画を超上から目線で取り上げるとは(笑)。


 まずサマリーで示した、杉本彩氏の「デマであることが証明され、それが周知されている毛皮の生き剥ぎ」のビデオに関する記事から引用します。


それでも毛皮着ますか、動物が毛皮に処理されるまでの真実【杉本彩のEva通信】 2021年10月23日

消費者がその生産過程を知れば、二度とリアルファーを「購入したくない」「着たくない」と思うでしょう。
おぞましい動物虐待の産物だと知ったならば、「買わない」という倫理的な選択をすべきだと思います。
スイスの動物保護協会「SAP」が、アジアの動物保護活動家たちの協力を得て、中国の残酷な毛皮生産の実態を隠しカメラで撮影し、2005年に映像を公開しました。
逆さ吊りになった動物は、頭を金属や木製の棒で何度も殴られます。
後ろ脚を掴んで地面に叩きつけられることもあります。
これらは、失神させるための方法ですが、多くの動物は痙攣したり、もがき苦しみながら横たわり、失神も絶命もできないという凄惨な虐待を受けます。
感電死があります。(*)
後ろ脚をフックにかけられて逆さ吊りにされた動物は、ナイフで毛皮を腹部から剥がされます。後ろ脚から徐々に前へと、そして最後は頭まですべての毛皮を引き剥がすのです。
この過程の中で、最期まで意識を保っていた動物が何匹も映像に記録されています。
動物はもがき苦しみ、それでも最期まで空しく抵抗し続けます。
皮膚が完全に剥ぎ取られた後でさえ、5分から10分の間、呼吸や心臓の鼓動、体の動き、瞬きが確認されています。
また、意識を失っていた動物が、毛皮を剥がされる途中で意識を取り戻し、苦痛にもがく様子もたくさん確認されています。
業者はナイフの柄で、動物が動かなくなるまで何度も頭を殴ったり、頭や首の上に乗り窒息死させようとします。

(*)
 感電殺は、ブタなどの屠殺で動物福祉に先進的なEUでも広く行われています。またドイツのティアハイムで犬を感電殺していた施設がありましたが、刑事訴追すらされませんでした。


 このスイスの動物愛護団体SAPが作成したビデオでは、「毛皮は生きたまま剥がされる」ことを強調しています。例えば「最期まで意識を保っていた動物」、「皮膚が完全に剥ぎ取られた後でさえ、5分から10分の間、呼吸や心臓の鼓動、体の動き、瞬きが確認」、「意識を失っていた動物が、毛皮を剥がされる途中で意識を取り戻し、苦痛にもがく様子」などです。しかし毛皮を剥ぐ際に、動物が絶命していない事はありえません。毛皮を剥ぐ前に、出血した血液で毛皮が汚れることを防ぐために放血するからです。血で汚れた毛皮は商品価値がなくなります。放血後は心臓が動きませんので生きてはいません。
 その他「後ろ脚を掴んで地面に叩きつけられる」もありえません。そのような扱いをすれば、毛皮が傷んで商品価値が下がるからです。

 杉本彩氏は自慢げに「スイスの動物愛護団体が作成したビデオ」にこれらのシーンが映っていると書いています。しかし2005年にスイスの動物愛誤団体SAPが制作したビデオは、SAPが中国の毛皮業者にカネを払って「ことさら通常では行われていない、ありえない残酷な方法での作業」を「演技」してもらったことが明らかにされています。つまり毛皮業界の誹謗中傷と妨害のために意図的に作成されたデマビデオということです。
 この事実は長期間にわたる、弁護士等を中国に派遣して行った業界団体の調査により明らかにされ周知されています。意図的なデマビデオを制作した関係者により「ビデオは意図的に人を欺くことを意図して作成された。残酷な生剥のシーンは毛皮労働者がカネをもらって『演技』したもので、そのようなことは実際の毛皮生産では行われていない。それは真実で間違いない」という、このデマビデオ制作に協力した労働者の証言ビデオが作成されました。毛皮労働者の宣誓署名を得た文書もあります。スイスの動物愛護団体SAPは、そのビデオをネット上から削除しました。その経緯に関しての資料から引用します。


Notorious “Skinning Fur Animals Alive” Video Exposed as Complete Fraud! – Truth About Fur Blog Highlight 「悪名高い「生きたまま動物の毛皮を剥ぐ」ビデオが完全な詐欺として公開されました! –毛皮ブログのハイライトについての真実」 2019年6月3日

“Finally! The infamous “skinning fur animals alive” video has been exposed as a complete fraud, orchestrated and paid for by animal activists to discredit the fur trade.
There is probably no single animal-rights lie that has done more harm to the reputation of the fur trade than this video, first released by a Swiss animal-rights group in 2005.
Entitled “The shocking reality of the China fur trade”, the video shows two men in a dusty Chinese fur market town, beating and then skinning an Asiatic raccoon that is clearly still alive.
But now, an investigation by the International Fur Federation (IFF) has revealed – and documented with filmed confessions and signed affidavits — that the horrible scenes shown in that disgusting video were, in fact, intentionally staged by professional activists who paid poor Chinese villagers to perform these cruel acts for the camera.

ついに! 悪名高い「生きたまま動物から毛皮を剥ぐ」ビデオは、完全な詐欺とということが暴露されました。
毛皮商取引の信用を傷つけるために、動物愛誤活動家によって組織的に(このビデオは制作されそのための「演技」に)報酬が支払われました。
2005年にスイスのアニマルライツ団体によって最初に公開されたこのビデオほど、たった1つで毛皮取引の評判に悪影響を与えたアニマルライツのの嘘は他にはおそらくないでしょう。
「中国の毛皮取引の衝撃的な現実」と題されたこのビデオは、ゴミゴミした中国の毛皮市場の町で、2人の男性が明らかにまだ生きているアジアアライグマを殴り、皮を剥いでいるところを示しています。
しかし現在では国際毛皮連盟(IFF)による調査により、その嫌悪すべきビデオに示されている恐ろしいシーンは、実際には貧しい中国の村人にお金を払い、衝撃的な映像のためにこのような残酷なやり方で、プロの動物愛誤活動家によって意図的に演技させられたことが明らかになりました。



 次回以降の記事では、「毛皮を生きたまま剥ぐことが不可能なこと」や、「生きたまま剥ぐことがありえない理由」などについても説明します。それにしても杉本彩氏の発言のほぼ100パーセントが「嘘デタラメ、もしくはガセネタ情報の拡散」はあまりにもひどい。まさに「歩く公(口)害」、超有害な動く産廃です。
 「毛皮の生剥」がありえないことは少し考える、ネットで調べればありえないということは正常な知能があれば理解できるはずです。この方はそれに満たないと思われます。


(動画)
 
 Animals skinned alive in China 「動物たちは中国では生きたまま皮を剥がされる」 2011年11月21日
 スイスの動物愛誤団体SAPが作成したオリジナルビデオはすでにSAPはネット上から削除しましたが、複数の動物愛誤団体がオリジナルビデオの一部を切り貼り編集して別のビデオを作成し、公開しています。これはその1つです。
 そもそもこのような毛皮のはぎ方は通常の商業生産では行われるわけがないでしょう。「生剥」では毛皮自体ズタズタになっていますし、これでは商品価値はありません。




(動画)

 Anti Fur Activists Use Faked Video - the IFF Investigates 「毛皮反対活動家が偽のビデオを用いている-IFF(国際毛皮協会が調査)」 2019年3月19日
 問題のスイスの動物愛誤団体SAPの作成した、偽ビデオの関係者の証言を収録したビデオ。この中で実際に生剥をした毛皮労働者は「観光客を装った二人連れが大金を払い、アライグマを生きたままで毛皮を剥いで見せてくれと頼んだ。我々は生剥は違法で残酷なので、このとき以外したことはない。毛皮の生産で生剥が行われることなどありえない」と証言しています。そして彼らは、その証言が真実であるとの宣誓書に署名をしています。次回記事では、このビデオの訳を行います。

 


(参考資料)

Notorious “Skinning Fur Animals Alive” Video Exposed as Complete Fraud! 「悪評高い「毛皮は動物が生きたまま剥がされる」というビデオが、完全に詐欺であることが暴露されました! 2019年6月3日
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ドイツ連邦裁判所は民法の規定により犬の死による慰謝料請求を棄却した〜「ドイツでは民法によりペットの死での高額の慰謝料が認められる」という渋谷寛弁誤士の真逆の解説







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(Zusammenfassung)
Wenn der Hund durch einen anderen Hund, Menschen oder sonstiges verletzt wurde, gilt dies nur als „beschädigtes Eigentum“ des Herrchens.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した
「物の毀損とペットの死」は近親者の死亡とは厳格に区別され慰謝料はありえない〜ドイツ高裁判決
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜ヨーロッパ
「警察官が捜査中に犬を射殺するのは合法で憲法の財産権の侵害には当たらない」とのアメリカ合衆国連邦裁判所判決
市の職員が庭から無断で飼犬を持ち去り殺処分することが合法なドイツ
続・市の職員が庭から無断で飼犬を持ち去り殺処分することが合法なドイツ
渋谷寛愛誤弁誤士の精神疾患が疑われるドイツ民法の解釈(笑)
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。慰謝料請求は終審で棄却されています。それは連載記事で述べてきたとおり真逆の大嘘です。渋谷寛弁誤士は根拠法としてドイツ民法90条aを挙げています。しかしドイツ連邦裁判所(日本の最高裁に相当)は、民法を根拠に犬の死での慰謝料請求を規約しています。



 愛誤弁誤士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア、ドイツ、アメリカの州の多くの終審判決でペットの死での慰謝料を棄却していることを書きました。ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていません。日本の最高裁に相当する連邦裁判所では、犬の交通事故死による慰謝料請求を棄却しました。
 渋谷寛弁誤士はドイツ民法(90条a)を根拠にして「ドイツでは動物と人との法的地位が同等のために、ペットの死では日本よりはるかに高額の慰謝料が認められる」と主張しています。しかし「犬の交通事故死での慰謝料請求を棄却した」ドイツ連邦裁判所の判決の解説では、連邦裁判所の本判決の根拠はドイツ民法の規定(90条a)としています。まさに渋谷寛弁誤士の解説は真逆も真逆、正反対の大嘘、180度逆の悪質なデマと言わざるを得ません。以下に、「ドイツ民法90条aが犬の死での慰謝料請求が棄却された根拠となった」との解説を引用します。


Schmerzensgeld, wenn eigener Hund verletzt / getötet wurde 「自分の犬が怪我をしたり殺されたりした場合の悲しみや精神的苦痛の補償(慰謝料)

Wenn der eigene Hund verletzt wird oder krank ist, ist das für viele so, als würde ein Familienmitglied leiden.
Im juristischen Bereich wird aber zwischen einem Hund und einem Familienmitglied ein großer Unterschied gemacht.
Nach § 90 a BGB sind Tiere zwar keine Sachen, werden aber teilweise von dem Zivilrecht wie Sachen behandelt.
Wenn der Hund durch einen anderen Hund, Menschen oder sonstiges verletzt wurde, gilt dies nur als „beschädigtes Eigentum“ des Herrchens.
Nur die verletzte Person bekommt nach dem Schadensfall Schmerzensgeld.
Schockschäden von Menschen, die die Verletzung mit ansehen mussten oder durch die Mitteilung des Unfalls traumatisiert werden, können jedoch in Extremfällen auch zu einem Schmerzensgeldanspruch führen.
Der Verletzte oder Getötete ist ein naher Angehöriger.
Dazu zählen beispielsweise Eltern oder Kinder. (Vgl. AG Oberhausen, Urteil v. 30.01.2014, Az.: 37 C 2749/12)
Lässt sich diese Rechtsprechung auch auf Hundeverletzungen übertragen?
Der BGH sieht dies leider anders:
2012 hatte er einen Fall zu entscheiden, bei dem ein Junghund von einem Traktor überfahren wurde und danach von der Besitzerin eingeschläfert werden musste.
Diese erlitt daraufhin eine schwere depressive Episode mit entsprechender Medikamentierung.
Daraufhin forderte die Besitzerin nicht nur den materiellen Schadensersatz, sondern auch ein Schmerzensgeld für die seelischen Qualen.
Der BGH urteilte hierzu: Derartige Beeinträchtigungen bei der Verletzung oder Tötung von Tieren, vermögen damit Schmerzensgeldansprüche nicht zu begründen.(BGH Urteil vom 20.03.2012, VI ZR 114/11)

自分の飼犬がが怪我をしたり病気になったりすると、多くの人にとっては家族が苦しんでいるように見えます。
しかし法律上は、犬と(人間の)家族の間で大きな違いがあります。
ドイツ民法90条aにおいては動物は財物ではありませんが(特別な規定がない限り民法の規定が適用されるとあり)、民法では(多くの)部分においては動物は財物として扱われます。
ドイツ民法では、犬が他の犬や人などによって負傷した場合は、犬は飼主の「毀損した財産」としてのみ見なされます。
負傷者(人)だけが、受傷による精神的な苦痛(慰謝料)の補償を受けます。

怪我を目撃した人や事故の通知を受けて心理的外傷を負った人のショックによる心理的な損傷は、著しい場合には心理的な苦痛の補償(慰謝料)の請求につながる可能性もあります。
その場合で慰謝料請求ができるのは、負傷者本人または死亡者の近親者だけです。
慰謝料が請求できるのは、(死亡した場合は)例として親または子供が含まれます。
(オーバーハウゼン地方裁判所 2014年1月30日の判決 事件番号:37 C 2749/12を参照)。
この判例は犬の負傷にも援用できるでしょうか?
残念ながら連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当する)は、それとは異なる判断を示しています。
連邦裁判所は2012年に、若い犬がトラクターにひかれた後に飼主によって安楽死させなければならなくなった事件で判決しなければなりませんでした。
犬の飼主原告は犬の死の後に重度のうつ病にり苦しみ、投薬により治療を受けなければなりませんでした。
犬の飼主原告は物的損害だけでなく、精神的苦痛の補償(慰謝料)も請求しました。
連邦裁判所は次のように判決しました。
動物が怪我をしたり殺されたりしたときにそのような障害、すなわち悲しみや精神的苦痛(慰謝料の請求)の主張を正当化することはできません(2012年3月20日の連邦裁判所判決 事件番号VI ZR 114/11)


 まとめると次のようになります
1 ドイツ民法は90条aで「動物は財物としての扱いを除外される」と規定されてはいるが、特別に規定がある場合のみで、その規定がない場合は動物は民法の規定が適用される。
2 民法の多くの規定では動物は単に財物として扱われる。
3 動物が傷つけられたり殺されたりした場合の慰謝料請求は民法では否定されている。また判例法でも確立している。傷害や死での慰謝料請求は負傷した場合は負傷者本人(人)、死亡した場合は親もしくは子であり、近親者(人)に限られる。


 上記の通りドイツ連邦裁判所は、「民法の規定により」、犬が交通事故で死んだ事による原告の慰謝料請求を棄却しました。まさに渋谷寛弁誤士の、「ドイツでは民法により動物と人との法的地位が同等のために、日本よりはるかに高額の慰謝料が認められる」は、真逆も真逆、正反対の荒唐無稽な大嘘なのです。渋谷寛弁誤士の論説は、根拠としているドイツ民法90条a(短い条文ですが)原文すら確認しておらず、自分勝手な思いつき、狂人レベルの妄想を垂れ流したに過ぎません。現にドイツでは、連邦裁判所(終審)が民法の規定等を根拠にして、犬の死での慰謝料請求を棄却しているのです。
 これほどのひどいデマを堂々と公にすることができるとは、何らかの精神疾患があるのではないかと私は疑います。真実とは真逆の嘘デマの垂れ流しは社会に有害です。精神科の閉鎖病棟にでも入院して世間にでてくるなと言いたい。


(画像)

 明治大学の吉井啓子教授による論説。猫のトリミング中に誤って尻尾の一部を切断した業者と従業員に対する損害賠償請求 2017年10月20日 から。
 吉井啓子教授はドイツ民法90条a、オーストリアの民法285条aでのTiere sind keine Sachen 「動物は物ではない」の曲解がひどいです。そもそも原文を読んでいません。明治大学の法学部関係者は例外なく知能が低下するのでしょうか。援用したドイツ、オーストリアの民法の該当する条文を全く読んでいません。原典を正しく引用せずに思い込みだけで許されるのは小学生の自由研究までです。この方も中学公民からお勉強し直されたほうが良いでしょう。

慰謝料の算定としては、死亡したペットについてはその購入価格や時価を考慮することも考えられるが、たとえ捨てられたり無償で譲り受けたりしたペットや高齢で寿命が近いペットでも飼主がペットの死により受ける精神的苦痛は同等である。
飼主の精神的苦痛の度合いに即して慰謝料額を決めるしか無いだろう。
現代社会においては財産低価値だけでは測ることのできない人格的価値や感情的価値を有する特別な「物」となっている。
このような動物をどのように民法の中で位置づけるべきかについては、ヨーロッパにおいては盛んに議論されているが、日本ではほとんど議論されてこなかった問題である。
ドイツ、スイス、オーストリアは「動物は物ではない」とする条文を民法典に置く。


 吉井啓子教授のこの記述では、「ドイツ、スイス、オーストリアではペットは『財産的価値だけでは測ることのできない人格的価値や感情的価値を有する』ので、ペットの死での慰謝料の算定についての議論が盛んである」と述べています。つまり「ペットの死での慰謝料が司法で認容されている」という前提での記述です。この方も妄想が酷すぎるようです。精神科を受診されたほうが良いでしょう。
 ドイツ、オーストリアではペットの死での慰謝料請求は終審で棄却されています。スイスでは下級審で棄却された判決しかありません。ドイツ、オーストリアでは判例法により、またドイツでは民法でも損害賠償の標準が示されており、死で慰謝料が認められるのは「親子関係(独)、親子夫婦(墺)」に限られる。動物の死では慰謝料は認められず、物損の時価評価でしか損害賠償が認められない」としています。

 吉井啓子

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渋谷寛愛誤弁誤士の精神疾患が疑われるドイツ民法の解釈(笑)







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(Zusammenfassung)
Bürgerliches Gesetzbuch (BGB)
§ 90a Tiere
Tiere sind keine Sachen. Sie werden durch besondere Gesetze geschützt. Auf sie sind die für Sachen geltenden Vorschriften entsprechend anzuwenden, soweit nicht etwas anderes bestimmt ist.
Seine Rechtsauslegung.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した
「物の毀損とペットの死」は近親者の死亡とは厳格に区別され慰謝料はありえない〜ドイツ高裁判決
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜ヨーロッパ
「警察官が捜査中に犬を射殺するのは合法で憲法の財産権の侵害には当たらない」とのアメリカ合衆国連邦裁判所判決
市の職員が庭から無断で飼犬を持ち去り殺処分することが合法なドイツ
続・市の職員が庭から無断で飼犬を持ち去り殺処分することが合法なドイツ
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。慰謝料請求は終審で棄却されています。それは連載記事で述べてきたとおり真逆の大嘘です。渋谷寛弁誤士は根拠法としてドイツ民法90条aを挙げていますが、その解釈は精神疾患が疑われる程支離滅裂です。



 愛誤弁誤士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア、ドイツ、アメリカの州の多くの終審判決でペットの死での慰謝料を棄却していることを書きました。ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていません。慰謝料どころかこれらの国では、ペットの死での物損の評価は日本と比べれば著しく低いのです。さらにアメリカ、ドイツ等では、警察を含む行政組織が飼主の意思に反して犬などのペットを殺害しても合法で金銭的補償すらありません。

 このように渋谷寛弁誤士の、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」=「欧米ではペットの死での飼主に対する慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」との記述は真逆も真逆、正反対の大嘘デタラメ、デマです。それは連載記事で述べてきた通りです。
 渋谷弁誤士は「欧米ではペットの死での飼主に対する慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」の大デマの根拠法として、ドイツ民法90条aを挙げています(ドイツの民法を勝手に欧米まで適用範囲を広げるとはこの方は法律のド素人か論理が飛躍する統合失調症なのですかね?)。結論を先に述べれば、渋谷弁護士の本法の解釈はとんでもない曲解です。今回記事では、ドイツ民法90条aについて述べます。まずドイツ民法90条aの条文原文は以下のとおりです。


Bürgerliches Gesetzbuch (BGB) 「ドイツ民法 90条a」

§ 90a TiereTiere sind keine Sachen.
Sie werden durch besondere Gesetze geschützt.
Auf sie sind die für Sachen geltenden Vorschriften entsprechend anzuwenden, soweit nicht etwas anderes bestimmt ist.

動物は物(財物。所有権が及ぶ有体物)ではありません。
それらは特別法の規定により保護されています。
物(財物 所有権が及ぶ有体物)に適用される規定で特別に法での明文規定規定がない限り、動物は民法(の物に対する規定)が適用されます。



 渋谷寛弁護士の「ドイツ民法90条aは動物はものではないと定められており=人と法律的地位が同等の存在であるためにその死での慰謝料請求は日本と異なり高額が認容されている」の解説ですが、完全な誤りとして次の3点が挙げられます。


1 渋谷寛弁誤士は「何らかの理由でペットを殺された場合」と述べており、「高額の慰謝料が認められる」のはペットと限定しています。しかしドイツ法では単に動物(Tier)とあった場合は、生物のうち動物界に属するもの全てが適用と解釈されます。例えばドイツ憲法(Gesetz zur Gleichstellung von Menschen mit Behinderungen (Behindertengleichstellungsgesetz - BGG))20条aですが、「国家は動物保護の責務を負う」と明文化されています。ここで言う動物とは、動物界に属する生物の全てです。つまり動物性プランクトンや昆虫までを含みます(*1)。
 その他動物保護法(Tierschutzgesetz)では、脊椎動物の全てと頭足類(タコなど)が適用対象です。ドイツ民法90条aですが、Tiere(動物 Tierの複数形)としかありません。ドイツ民法90条aの適用対象である動物は動物界の全ての生物、つまり動物プランクトンなども含むと解釈できます。
 法律は例外規定がない限り、適用対象は条文の記述通りになります。となればドイツ民法90条aの、動物(Tier)は全ての動物(動物性プランクトンまで含む)が渋谷寛弁誤士の言う、「ドイツでは、動物は生命をやどし痛みを感じることができる事により動物の法律上の地位が人間と同等としている」となり、明らかに飛躍です。ミジンコは生命を宿していますが、痛みを感じる存在であるために人と法律的な地位が同等なのでしょうが。渋谷弁誤士が本気でそう思っているのならば、ある面尊敬はしますがね(笑)。

(*)
Keine schlechten Witze! Grundgesetz gebietet Güterabwägung 2018年12月
 「風力発電はドイツ憲法20条aの動物を保護する国の義務に反し違憲。猛禽類、コウモリ、昆虫が死ぬ」とのドイツ人弁護士の主張。日本ではしばしばこの条項を「ドイツはペットの法的地位を人と同等としている」の根拠にされますが本条項の適用範囲は動物プランクトンまで含まれると解釈。

Schützt das Tierschutzgesetz auch Insekten? Read more at: https://www.tierimrecht.org/de/recht/rechtsauskunfte/wirbellose-tiere/schtzt-das-tierschutzgesetz-auch-insekten/ 「動物保護法では昆虫は保護対象ですか?」
 ドイツ動物保護法において適用対象となるのは「脊椎動物全般」。例外規定として甲殻類(エビなど)と頭足類(タコなど)、一部の条文では保護規定があります。

 
2 ドイツ民法90条aでは、「(民法でも特別法においても)特別な法律の規定がない限り、動物は物として民法の適用を受ける」と明記されています。民法を含め、他の法令においても「(ペットに限っても)動物は生命を宿し痛みを感じる存在であるために動物は人と法的地位が同等である」と記述した条文はありません。また最大限拡大しても、そのように解釈できる法令の条文はドイツには存在しません。
 ドイツにおいては、動物の死により慰謝料が認容される、さらに人と同等の慰謝料が認容されると解釈される法律の条項はありません。逆にドイツ民法90条aでは「(他に特別の法律の規定がないため)動物の殺害における損害賠償は物として民法の適用を受ける」との意味になります。ドイツ民法においては、損害賠償の請求においては具体的に条文で標準が示されています。ドイツ民法では動物の死による慰謝料請求は認められないと解釈されています(*2)。

(*2)
Grundsätze für die Bestimmung des Schadensersatz- und Schmerzensgeldanspruchs 「ドイツにおける損害賠償の請求および苦痛への補償(慰謝料)を決定するための原則」
 苦痛に対する補償(慰謝料)を決定するための原則と補償の評価について。損害賠償請求の種類と範囲は、ドイツ民法249条から255条において標準化されています。非金銭的損害に対する金銭的補償は、法的根拠がある場合にのみ要求することができ、これはドイツ民法(BGB)の253条1項を参考にしなけれならず、ペットの死での特別な規定はありません。すなわちドイツでは民法の規定により、動物の死で慰謝料請求はできないと解釈されます。


3 渋谷寛弁誤士は、「ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」の、物(Sache 原文ではSachen の複数形)の解釈を、「生命をやどし痛みを感じる『法的地位が人と同等の存在』」と解説しています。しかし渋谷寛弁護士は、Sache のドイツ語の意味を理解していません。Sache は特に法学で用いれば「物権または所有権の客体を示す概念であり、その主体である人(自然人又は法人)に対する概念」です(*3)。
 「所有権の客体」の否定=「所有権が及ばない」は、ドイツでは多くの特別法で犬などのペット動物を行政が没収して強制的に殺処分できる根拠にもなります。犬などのペットの所有権があくまでも及べば、行政の判断だけで没収し、飼主の意思に反して殺処分することができません。
 逆に所有権を制限する法律がなければ、行政に犬などのペットを没収され飼主の意思に反して殺処分されれば所有権に基づき、飼主は行政に対して損害賠償を請求できます。例えば日本では動物はあくまでも財物で飼主の所有権が及びますので、人を咬み殺した犬でも行政は強制的に殺処分することはできません。ドイツでは咬傷犬、禁止犬種で無許可飼育の犬、アニマルホーダーの動物、狂犬病が疑われる犬猫などを行政が没収して、飼主の意思に反してでも強制的に殺処分できます。それがドイツ民法90条aの一面「動物は物(財物。所有権が及ぶ有体物)」の意味です。

(*3)
物 (法律)
 物(独: Sache)とは、日本やドイツなど一部の大陸法系の法域において、法律上、物権または所有権の客体を示す概念。

https://dejure.org/gesetze/BGB/90.html 「ドイツ民法 90条」
 Sachen im Sinne des Gesetzes sind nur körperliche Gegenstände. 「本法(民法)で適用対象とする物の定義は有体物のみです」。


 渋谷寛便後死は「ドイツなどの欧米ではペットの死では日本より格段に高額の慰謝料が認められる(真実は全くの逆で終審で棄却された判決しか確認できていません)」の根拠として、ドイツ民法90条aの「動物は物(財物、所有権が及ぶ有体物)ではない(Tiere sind keine Sachen. )」を根拠として挙げています。上記のうち、「1」の「ペットだけを対象とする法律条文を全く無視した飛躍した解釈」は問題外です。また「3」の、ドイツ語のSache「物」の解釈の誤りに関しては、私は何度もこのブログで取り上げています。
 次回記事では「2」の、「ドイツ民法90条aでは、特別な明文規定がない限り動物は民法上の物(財物。所有権が及ぶ有体物)としての適用を受ける」点について解説します。ペットなどの動物の死に対しての慰謝料請求に関する規定はドイツでは民法を始め、他の特別法においても特段の条文規定はありません。したがってドイツではペットなどの動物を殺された場合はあくまでも物損としての扱いになります。ドイツ連邦裁判所(終審)判決では、犬の交通事故死で慰謝料を請求した飼主の裁判では請求を棄却しています。


(画像)

 明治大学の吉井啓子教授による論説。猫のトリミング中に誤って尻尾の一部を切断した業者と従業員に対する損害賠償請求 2017年10月20日 から。
 吉井啓子教授はドイツ民法90条a、オーストリアの民法285条aでのTiere sind keine Sachen 「動物は物ではない」の曲解がひどいです。そもそも原文を読んでいません。明治大学の法学部関係者は例外なく知能が低下するのでしょうか。この噴飯論説に関しては次回以降に取り上げます。

吉井啓子

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続・市の職員が庭から無断で飼犬を持ち去り殺処分することが合法なドイツ







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(Zusammenfassung)
Tierschutzgesetz
16a (1) 2 Die Behörde kann das Tier auf Kosten des Halters unter Vermeidung von Schmerzen töten lassen, wenn die Veräußerung des Tieres aus rechtlichen oder tatsächlichen Gründen nicht möglich ist oder das Tier nach dem Urteil des beamteten Tierarztes nur unter nicht behebbaren erheblichen Schmerzen, Leiden oder Schäden weiterleben kann.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した
「物の毀損とペットの死」は近親者の死亡とは厳格に区別され慰謝料はありえない〜ドイツ高裁判決
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜ヨーロッパ
「警察官が捜査中に犬を射殺するのは合法で憲法の財産権の侵害には当たらない」とのアメリカ合衆国連邦裁判所判決
市の職員が庭から無断で飼犬を持ち去り殺処分することが合法なドイツ
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。慰謝料請求は終審で棄却されています。さらに高額の慰謝料どころか物損の評価は日本より著しく低いのです。さらにドイツでは行政組織がペットを飼主の意思に反して殺害しても補償すらありません



 愛誤弁誤士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。ドイツでも連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当)で、犬の死による慰謝料請求が棄却されています。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。故意悪意によりペットを殺害されても、慰謝料が棄却された州最高裁判決もあります。
 さらにこれらの国では、ペットが殺害された場合の物損の評価も日本より著しく低いのです。日本と異なり、殺されたペットの評価は被害があった時点の市場価値で厳格に評価されるからです。高齢のペットは減価償却され、雑種や取得原価がやすい保護犬猫等はそれに見合った評価がされます。

 さらにアメリカ、ドイツ等では、警察を含む行政組織が飼主の意思に反して犬などのペットを殺害しても合法で、金銭的補償すらありません。アメリカ合衆国連邦裁判所の控訴審で、「警察官が職務の執行中に犬を射殺するのは合理的であり、連邦憲法修正4条の不当な財産の没収には当たらない=補償はない」との判決が確定しています。それはすでに連載記事で書きました。
 またドイツでは、不適正飼育者から行政組織が動物を没収して飼い主の意思に反して殺処分を行う、咬傷犬を行政が強制的に殺処分を行うこと、禁止犬種法に基づく禁止犬種の無許可飼育犬を強制的に行政が殺処分するなど、強い行政の権限が法律で定められています。それに対しては、飼主には金銭的な補償はありません。またドイツでは犬などを警察官が射殺する数は年間1万5,000頭を超えます。それに対しても飼主には補償はありません。ドイツでは民法で「特別法の規程があれば動物は物=財物。所有権が及ぶ有体物ではない」と明文化されているからです。つまり動物は特別法の規程があれば所有権を制限できるという意味です。

 前回記事では、飼主の留守中に飼犬が市の職員に持ち去られ、飼主に無断で殺処分されたドイツの事件を取り上げました。日本では考えられません。
 市の職員であったとしても私有地に無断で侵入し、そこにある財物(犬)を持ち去り、飼主(所有者)に無断で殺処分(財物のを損壊させる)などを行えば、日本では窃盗罪などの犯罪が成立します。また故意に他人の財物(犬)を毀損させれば日本では不法行為が成立し、市は飼い主に対して金銭的な補償を行わなければなりません。

 ドイツでそのようなことが可能な理由は、法律の規程にあります。まず動物保護法(Tierschutzgesetz)2条で動物の飼主は適性飼育義務があることと、それに違反する場合は16条aにより行政が動物を没収し、第三者に譲渡売却、最終的には殺処分できることが定められているからです。ドイツでは動物の管理においては行政に大変強い権限が付与されています。不適正飼育者から動物を取り上げて強制的に殺処分するには司法判断を必要としません。
 その他にも、行政は咬傷犬(各州の犬法 Hundegesetz)、法律で定める禁止犬種の無許可飼育犬(各州の犬法 Hundegesetz)、狂犬病の疑いがある犬猫の没収と強制殺処分を行う権限(連邦狂犬病規則 Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut (Tollwut-Verordnung))等で、飼主から飼育動物を没収して強制的に殺処分できると法律で定めています。その場合は飼い主に対して補償はありません。民法(Bürgerliches Gesetzbuch )90条aで動物の所有権の制限が規定されているからです。以下に、それぞれの条文を示します。


Tierschutzgesetz 「動物保護法(連邦法)」

§ 2 Tierhaltung
Wer ein Tier hält, betreut oder zu betreuen hat,
1. muss das Tier seiner Art und seinen Bedürfnissen entsprechend angemessen ernähren, pflegen und verhaltensgerecht unterbringen,
2. darf die Möglichkeit des Tieres zu artgemäßer Bewegung nicht so einschränken, dass ihm Schmerzen oder vermeidbare Leiden oder Schäden zugefügt werden,
3. muss über die für eine angemessene Ernährung, Pflege und verhaltensgerechte Unterbringung des Tieres erforderlichen Kenntnisse und Fähigkeiten verfügen.

16a
(1) Die zuständige Behörde trifft die zur Beseitigung festgestellter Verstöße und die zur Verhütung künftiger Verstöße ntwendigen Anordnungen.
2 Die Behörde kann das Tier auf Kosten des Halters unter Vermeidung von Schmerzen töten lassen, wenn die Veräußerung des Tieres aus rechtlichen oder tatsächlichen Gründen nicht möglich ist oder das Tier nach dem Urteil des beamteten Tierarztes nur unter nicht behebbaren erheblichen Schmerzen, Leiden oder Schäden weiterleben kann.                    

動物の飼育
動物を飼育する、世話をしている、または世話をしなければならない人は何人であっても、
1. 動物の種や要求に応じて動物に適切に餌を与え、世話をし、行動に適した方法で飼育する必要があります。
2. 動物に痛みを与え、避けられない苦しみや怪我をさせる方法で、その動物の種に適した方法で動き回る動物の行動能力を制限してはなりません。
3. 動物を飼育するには−適切な栄養、世話、動物の行動に関する必要な知識と技能を持っていなければなりません。

16条a
1項 所管官庁は以下の違反を是正し、将来の違反を防止するために必要な措置を講じなければなりません。
2号 行政当局は動物の売却が法的に、または事実上の理由で不可能である場合、または行政獣医師が動物の痛み、苦しむこと、または傷病の回復が見込めない状態でしかその動物が生存できないと判断した場合は、飼い主の費用で動物を殺害して動物の苦痛を回避させることができます。 



Bürgerliches Gesetzbuch (BGB) 「ドイツ民法 90条a」

§ 90a TiereTiere sind keine Sachen.
Sie werden durch besondere Gesetze geschützt.
Auf sie sind die für Sachen geltenden Vorschriften entsprechend anzuwenden, soweit nicht etwas anderes bestimmt ist.

動物は物(財物。所有権が及ぶ有体物)ではありません。
それらは特別法の規定により保護されています。
物(財物 所有権が及ぶ有体物)に適用される規定で特別に法での明文規定がない限り、動物は民法(の物に対する規定)が適用されます。



 前回記事、市の職員が庭から無断で飼犬を持ち去り殺処分することが合法なドイツ で取り上げた「ドイツの市職員が個人宅の庭にいた飼犬を無断で持ち去り飼主の意思に反して殺処分した」事件は、上記の法律に基づきます。つまりドイツでは行政職員がある飼主の飼育動物を適切に飼育していないと判断した場合(行政職員の単独の判断でできる)は、飼主の私有地からその動物を没収して、第三者に譲渡売却、それができない場合は殺処分できるのです。その場合の行政職員の職務権限が法律に明記されているので、窃盗罪や犬を飼主の意思に反して殺処分したことによる器物損壊罪は成立しません。また民法90条aでは特別法の規程があれば動物は物(財物 所有権が及ぶ有体物)ではありませんので、民法の規程(不法行為等による物的損害の補償義務)の適用を受けません。したがって行政にペットを強制的に殺処分された場合でも、飼主には補償がありません。
 なお日本でドイツ民法90条aが曲解されていますが、geschützt 「保護される」の意味は日本人の理解と異なります。ドイツでは不適正飼育者からその動物を取り上げて殺処分(安楽死)させることは動物福祉に適い、保護であるとの理解です。それは警察官が市中で犬などを射殺する場合でもです。単に「特別法での規程の扱いになる」と言った程度に理解で正しいと思います。


(画像)

 ドイツの新聞、Thüringen und Deutschland 「チューリンゲンとドイツ」の2013年11月26日記事。この記事からは、次の事柄がわかります。「アニマルホーダー(劣悪飼育者)への厳罰と、司法による動物の飼育禁止命令」「アニマルホーダーから行政が押収した動物は、強制的に殺処分(安楽死)を行う」。
 後者は根拠法が今回取り上げた、ドイツ動物保護法16条aです。野良犬などを取り壊し予定の公共施設で飼育した件では、飼育者に野良犬などの所有権があるかどうかは微妙ですが、100頭以上の犬が行政により強制的に殺処分されました。

Berlin, 26.11.2013.
Am vergangenen Freitag, den 22.11.2013, wurde Marietta P. vor dem Amtsgericht Eisenach wegen Tierquälerei in der ehemaligen Kaserne von Vitzeroda zu einer Freiheitsstrafe von 1 Jahr verurteilt.
Die Strafe wurde zur Bewährung ausgesetzt, die Bewährungsdauer beträgt 3 Jahre.
Außerdem muss die 50-jährige Animal Hoarderin 200 Stunden gemeinnützige Tätigkeit ableisten.
Zusätzlich wurde ihr ein generelles Tierhalteverbot für 5 Jahre auferlegt.
Gegenstand des Strafverfahrens war die Tatsache, dass Marietta P. in dem maroden Kasernengebäude bei der behördlichen Räumung am 10.11.2011 etwa 125 Hunde, 6 Katzen und 1 Stachelschwein unter katastrophalen Bedingungen gehalten hat.
Viele Hunde mussten eingeschläfert werden, 4 Hunde sind bis heute nicht vermittelbar.
Schon etliche Male hat die erwerbslose Marietta P. in den vergangenen 20 Jahren an unterschiedlichen Standorten immer wieder unverhältnismäßig viele Tiere unter teilweise katastrophalen Bedingungen gehalten.

ベルリン、2013年11月26日。
先週の金曜日、2013年11月22日に、マリエッタ・Pはヴィッツローダの旧兵舎の廃屋で動物虐待を行ったとして、アイゼナハ地方裁判所で1年間の懲役の判決が言い渡されました。
判決文では執行猶予を明らかにし、保護観察期間を3年としています。
また50歳(マリエッタ・P)のアニマルホーダーには、200時間の社会奉仕活動が科されました。
その上彼女には、5年間の動物の飼育が禁じられました。
刑事訴追の原因は、マリエッタ・Pが、2011年10月11日に公的機関から退去を命じられているにもかかわらず、元兵舎の廃虚と言う劣悪で致命的な条件下で、125頭の犬、6匹の猫、及び1匹のヤマアラシを飼育していたことです。
ほとんどの犬は殺処分(安楽死)させなければなりませんでした、そのうちの4頭の犬の情報は得られていませんが。
過去20年間の間に、無職のマリエッタ・Pはすでに何度も何度も別の場所で、時には致命的な条件下で異常に多くの動物を飼育していました。


マリエッタ

市の職員が庭から無断で飼犬を持ち去り殺処分することが合法なドイツ







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(Zusammenfassung)
Frau fassungslos: Ihr Hund Paul wurde ohne ihr Wissen im Tierheim eingeschläfert">Frau fassungslos: Ihr Hund Paul wurde ohne ihr Wissen im Tierheim eingeschläfert.
In Kiel holt das Veterinäramt einen Hund aus dem Garten seiner Besitzerin, als diese nicht da ist.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した
「物の毀損とペットの死」は近親者の死亡とは厳格に区別され慰謝料はありえない〜ドイツ高裁判決
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜ヨーロッパ
「警察官が捜査中に犬を射殺するのは合法で憲法の財産権の侵害には当たらない」とのアメリカ合衆国連邦裁判所判決
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。高額の慰謝料どころか物損の評価は日本より著しく低いのです。さらにドイツでは行政組織がペットを飼主の意思に反して殺害しても補償すらありません



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。ドイツでも連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当)で、犬の死による慰謝料請求が棄却されています。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。故意悪意によりペットを殺害されても、慰謝料が棄却された州最高裁判決もあります。

 さらにアメリカ、ドイツ等では、警察を含む行政組織が飼主の意思に反して犬などのペットを殺害しても合法で金銭的補償すらありません。アメリカ合衆国連邦裁判所の控訴審で、「警察官が職務の執行中に犬を射殺するのは合理的であり、連邦憲法修正4条の不当な財産の没収には当たらない=補償はない」との判決が確定しています。
 またドイツでは、不適正飼育者から行政組織が動物を没収して飼い主の意思に反して殺処分を行う、咬傷犬を行政が強制的に殺処分を行うこと、禁止犬種法に基づく禁止犬種の無許可飼育犬を強制的に行政が殺処分するなど、強い行政の権限が法律で定められています。それに対しては、飼主には金銭的な補償はありません。またドイツでは犬などを警察官が射殺する数は年間1万5,000頭を超えます。それに対しても飼主には補償はありません。ドイツでは民法で「特別法の規程があれば動物は物=財物。所有権が及ぶ有体物ではない」と明文化されているからです。最近も飼主の留守中に飼犬が市の職員に持ち去られ、飼主に無断で殺処分された事件がドイツでありました。それを報じるニュースから引用します。


Frau fassungslos: Ihr Hund Paul wurde ohne ihr Wissen im Tierheim eingeschläfert 「女性の犬の飼主は取り乱しました:飼犬のポールが飼主の知らない間にティアハイムで安楽死させられました」 2021年6月19日

In Kiel holt das Veterinäramt einen Hund aus dem Garten seiner Besitzerin, als diese nicht da ist.
Er soll vor Tierwohlgefährdung gerettet werden.
Anschließend wird er in ein Tierheim gebracht und Tage später eingeschläfert - ohne, dass die Besitzerin davon wusste.
Golden Retriever Paul wurde laut Bürger- und Ordnungsamt aus dem Garten seiner Besitzerin Carina Schlupp gerettet.
Dort wurde er dehydriert und unterernährt vorgefunden.
Schlupp durfte ihren Hund im Tierheim eine Woche lang nicht besuchen.
Dann bekam sie die Nachricht über den Tod ihres Tieres.
Er musste vom Tierarzt eingeschläfert werden.
Grund für Einschläferung: Überfüllung des Tierheims?
Schlupp selbst ging davon aus, eine Überfüllung sei der Grund für den Tod des Tieres.
Die Rechtslage wird aktuell noch geklärt.
Laut Ordnungsamt ist es dem Veterinäramt erlaubt, Menschen ihren Hund zu entziehen, wenn diese ihrer Verantwortung nicht nachkommen (siehe § 2 Tierschutzgesetz).
Wie der Fall für Besitzerin Carina Schlupp ausgeht, ist also noch unklar.

キール市(ドイツ、シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州)では、獣医局(行政の動物関係の部署)が飼主が不在の時に庭から犬を持ち去ります。
動物福祉上、犬を危険にさらすことから救わなければならないとされているからです。
その後犬はティアハイムに連れて行かれて数日後に安楽死させられました−飼い主はそれについて知りませんでした。
ゴールデンレトリバーのポールは市民局によると、飼主のカリーナ・シュルップさんの庭から保護されました。
犬のポールは、脱水状態で栄養失調であることがわかりました。
シュルップさんはティアハイムに自分の犬(ポール)を1週間の間訪問することが許可されませんでした。
その後シュルップさんは、自分の犬が死んだという報告を受け取りました。
犬ポールは獣医によって安楽死させられなければなりませんでした。
安楽死の理由:ティアハイムの過密?
シュルップさん自身は、ティアハイムの過密が犬ポールの安楽死の理由だと考えています。
法的な状況は今のところ、まだ明らかにされていません。
キール市市民局によると獣医局は、飼主が責任を果たさない場合は、犬を飼主から持ち去ることが許可されています(動物保護法2条を参照)。
所有者のカリーナ・シュルップさんの訴訟がどのように終わるのかはまだ不明です。



 ドイツでは行政職員の判断だけで、「不適正飼育者から動物を没収し殺処分することができる」ことが明確に法律で規定されています。それは動物保護法(Tierschutzgesetz)2条、及び16条aです。他には「咬傷犬を行政が没収して強制的に殺処分できる(各州法 Hundegesetz)」、「法律で規定された禁止犬種の無許可飼育犬を行政が没収して強制的に殺処分できる(各州法 Hundegesetz)」、「狂犬病が疑われる犬猫を行政が没収して強制的に殺処分し病理検査が行える(連邦規則 Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut (Tollwut-Verordnung))」等があります。
 その場合には飼い主に対しては金銭的補償はありません。その根拠はドイツ民法(Bürgerliches Gesetzbuch )90条aです。次回記事では、これらの法律を紹介します。いずれにしても渋谷寛便後死の「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」=「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」との発言は真実とは真逆も真逆、荒唐無稽な嘘デタラメです。よくこれほどひどいデマを公にすることができたものだと感心します。欧米ではペットの死での慰謝料は認められません。また物損の評価も日本と比べれば著しく低いのです、さらに行政が法律に基づいて殺害した場合は補償すらありません。それらの国は日本のようなお犬様お猫様ではありません。


(動画)

 Animal Hoarding – Die Sucht, Tiere zu sammeln | Die Ratgeber 「アニマルホーダー−動物を集める依存症| カウンセリング」 2021年10月5日

 昨年ドイツでは公的な介入があったアニマルホーダーの事例は59件ありました。アニマルホーダーの再発率はほぼ100%です。行政組織である獣医局が強制的に介入し、動物を没収し、アニマルホーダーにはその後の動物の取得を禁じる命令を出せます。行政が没収した動物は所有権が行政に移り、第三者への譲渡販売、最終的には殺処分を行う権限が行政にあります。

「警察官が捜査中に犬を射殺するのは合法で憲法の財産権の侵害には当たらない」とのアメリカ合衆国連邦裁判所判決







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(Zusammenfassung)
OLG Köln, Urteil vom 16.03.2011 - 16 U 93/10
Ein Anspruch auf Ersatz der durch die psychischen Folgen der Tötung des Hundes entstandenen Beeinträchtigungen besteht nicht.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した
「物の毀損とペットの死」は近親者の死亡とは厳格に区別され慰謝料はありえない〜ドイツ高裁判決
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜ヨーロッパ
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。高額の慰謝料どころか物損の評価は日本より著しく低いのです。またアメリカでは「警察官が職務で犬を射殺するのは財産権の侵害にはならない」=補償の必要なし、という連邦裁判所の判決があります。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。ドイツでも連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当)で、犬の死による慰謝料請求が棄却されています。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。故意悪意によりペットを殺害されても、慰謝料が棄却された州最高裁判決もあります。

 さらにアメリカ合衆国連邦裁判所では、「警察官が職務で犬を射殺する行為は合理的であり、合衆国憲法の違法な没収には当たらない)財産権の侵害にはならない)」との判決が2016年に確定しています。ドイツでは民法で特別法の規程があれば動物の所有権を制限できますので、警察法に基づく職務権限での警察官の犬の射殺では補償はありません。日本では警察官の家宅捜索でその家人の犬を射殺した事件はおそらく一度もないでしょう。またそのような事があれば賠償問題も生じます。
 欧米はペットの殺害では慰謝料は終審で棄却されており、さらに物的損害の評価も日本と比べて著しく低いのです。さらに警察官による犬などのペットの射殺は極めて多く、しかも補償はありません。渋谷寛弁誤士の、「欧米では動物の法的地位は人と同等で、殺された場合の慰謝料の認容額は日本よりはるかに高い」は真っ赤な嘘、荒唐無稽なデマ、まさに真逆も真逆のデタラメです。以下に、アメリカ合衆国連邦裁判所判決のニュースを引用します。
 

Federal court rules police can shoot a dog if it moves or barks when officers enter a home 「アメリカ合衆国連邦裁判所は、警察官の家宅捜索で犬が動いたり吠えたりした場合は警察官が犬を射殺できると判決しました」 2016年2月27日

A police officer can shoot a dog if it barks or moves when the officer enters a home, under a new federal court ruling issued this month.
The ruling comes after police in Battle Creek, Michigan, shot two pit bulls while searching a home for evidence of drugs in 2013.
The dogs’ owners, Mark and Cheryl Brown, filed a lawsuit against the Battle Creek Police Department and the city, claiming that killing the dogs amounted to the unlawful seizure of property in violation of the Fourth Amendment.
The district court sided with the police officers and the Browns filed an appeal with United States Court of Appeals.
On Dec. 19, the appeals court issued a ruling stating that the officers acted reasonably in the case and the Browns’ constitutional rights were not violated.
“The seizures of the dogs in this case were reasonable given the specific circumstances surrounding the raid,” the court ruled.
Judge Eric Clay stated “a police officer’s use of deadly force against a dog while executing a search warrant to search a home for illegal drug activity is reasonable under the Fourth Amendment when… the dog poses an imminent threat to the officer’s safety.”

警察官は今月言渡しがされた連邦裁判所の新たな判決の下では、職務で家に入るときに犬が吠えたり動いたりした場合に犬を撃つことが可能となります。
この判決は、ミシガン州バトルクリーク市の警察が2013年に被疑社宅で麻薬の証拠を探しているときに2頭のピットブルを射殺した後に提起されたものです。
犬の飼い主であるマークさんとシェリル・ブラウンさんは、バトルクリーク警察署と市に対して訴訟を起こし、警察が憲法修正第4条に違反して犬を違法に没収したと主張しました。
1審の地方裁判所は警察を支持し、ブラウンズさんは合衆国連邦控訴裁判所に控訴しました。
12月19日に控訴裁判所は警察官はこの事件では合理的に行動したとし、ブラウンズさんの憲法上の権利は侵害されなかったと述べ、判決を言渡しました。
「この事件での犬の没収(殺害することで私有財産を国庫に帰属させたとの意味)は、捜索を取り巻く特定の周囲の状況を考えると合理的だった」と裁判所は判決を言渡しました。
エリック・クレイ裁判官は、「警察官が捜索令状により職務を行い違法薬物に関する家宅捜索する際に、警察官が犬に対して致死的な実力行使をすることは、犬が警察官の安全に差し迫った脅威を与える場合は、合衆国憲法第4修正条項の下でも合理的である」と述べました。


Pursuant to Sixth Circuit I.O.P. 32.1(b) File Name: 16a0293p.06 「控訴審判決 原文全文


Fourth Amendment 「アメリカ合衆国憲法 修正第4条」 原文全文

Amendment IV
The right of the people to be secure in their persons, houses, papers, and effects, against unreasonable searches and seizures, shall not be violated, and no warrants shall issue, but upon probable cause, supported by oath or affirmation, and particularly describing the place to be searched, and the persons or things to be seized.

アメリカ合衆国憲法 修正第4条
不当な捜索や没収に対しては人、家、書類、およびその結果において何人も安全である権利があり、それは侵害されてはならず令状は発行されないものとします。しかし疑われる原因がありそれに基づいて裁判所への宣誓または許可によって裏付けられ、特に捜索される場所および人並びに没収対象の物について説明があった場合はその限りではありません。



 家宅捜索中の犬の射殺=私有財産の毀損=財産権の侵害を没収(犯罪に関係のある物の所有権を国に移し国庫に帰属させること)、とするのはやや飛躍したという感じがしないではありませんが。いずれにしても連邦裁判所控訴審では、家宅捜索中に警察官が犬を射殺することは職務上合理的な行為であり、アメリカ連邦憲法修正第4条(国民の警察の違法な捜査で私有財産を没収されない権利)には違反しないと判決しました。つまり警察の捜査で飼犬が射殺されても、その物損に対する補償はない、と連邦裁判所が判断したということです。
 ドイツでも頻繁に警察官が捜査中に飼犬を射殺する事件は発生しますが、私が調べた限り犬の飼主が金銭的補償を求めて訴訟を提起した例はありません(牛ではある)。元々ドイツなどヨーロッパでは犬猫等のペットの殺害(物の毀損)では賠償額はきわめて低く、また慰謝料は請求できないために裁判が割に合わないことがあると思います。また民法90条aで「動物は物(=財物。所有権が及ぶもの)ではない」と規定され、警察官が警察法に基づく正当な職務で犬等のペットを射殺しても、保証を求めるのは難しいと思われます。


(動画)

 Outrage Grows after Bodycam Shows NJ Officer Shoot, Kill Dog That Charged at Him | NBC New York 「警察官に取り付けられたボディカメラのニュージャージー州の警察官が飛びかかってきた犬を射殺した行動を写した映像で怒りが高まっています| NBCニューヨークの報道」 2019年7月30日

 アメリカ連邦裁判所控訴審では、「警察官が正当な職務で家宅捜索を行った際に犬を射殺するのは合理的で、アメリカ連邦憲法修正4条の警察による不当な財産の没収(財産権の侵害)には当たらない」と2016年に判決しました。このようなケースでも、物損で犬の飼主が警察に対して保証を求めるのは難しいでしょう。
 渋谷寛愛誤弁誤士の「日本は欧米より格段に動物に対する法的な感性が遅れている。ペットの死では日本よりはるかに高額の慰謝料が認容される、人と動物の法的地位が同等だからだ」って何(笑)。




(動画)

 Body camera video shows fatal shooting of puppy by Loveland police 「警察官のボディカメラの録画は、ラブランド警察(オハイオ州)による犬への致死的な銃撃を示しています」 2021年8月26日

ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜ヨーロッパ







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(summary)
In Europe, the amount of damages in court decisions due to the murder of pets is much less than in Japan.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した
「物の毀損とペットの死」は近親者の死亡とは厳格に区別され慰謝料はありえない〜ドイツ高裁判決
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。ドイツ、オーストリアではペットの死による慰謝料の請求は終審判決で棄却されています。また物損での賠償額は極めて低いのです。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。ドイツでも連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当)で、犬の死による慰謝料請求が棄却されています。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。故意悪意によりペットを殺害されても、慰謝料が棄却された州最高裁判決もあります。
 さらにペットの死での経済的損失でも、欧米は日本と比べれば認容額は驚くほど低いのです。今回はドイツ、オーストリア、スイスにおける、ペットの死での損害賠償請求の司法判断を取り上げます。もちろんこれらの判決では慰謝料は認められていません。以下に、具体的な判決を挙げます。


(ドイツ)

BGH, Urteil vom 20.03.2012 - VI ZR 114/11 「ドイツ連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当する)判決 事件番号VI ZR 114/11 2012年3月20日言渡し)」 判決文原文全文

 原告は飼犬をリード無しで無舗装路を歩かせていた。農業用トラクターがその犬を轢いて重症を負わせ、その後犬は安楽死させなければならなくなりました。犬の飼主原告は、犬が死んだことによる物損と慰謝料併せて1万ユーロを求めて被告トラクターの運転手を訴えました。原審では原告の請求は慰謝料は全て棄却され、物損の損害額775.99ユーロは認容されました。しかし控訴審では原告と被告の過失割合がそれぞれ50%とし、被告に犬の物的損害として388ユーロ(約5万円)を原告に支払うように命じました。原告の慰謝料請求は再び棄却されました。連邦裁判所はその控訴審判決を支持するとしました。


Jäger erschießt versehentlich Hund bei Jagd: Urteil zu Schadensersatz 「ハンターは狩猟中に誤って犬を射殺した:損害賠償の判決」 2021年5月11日

 ハンターが他のハンターの猟犬を誤って射殺した損害賠償を求める裁判での判決では、犬の物損の賠償額は1,290ユーロ(16万円台 1ユーロ=128円)でした。20ヶ月齢の犬の価値は500ユーロ、訓練費が790ユーロと裁判所は認定しました。猟犬という使役犬としての訓練を受けていなければ物損額は更に低くなると思われます。


15 Jahre alter Rassekater gestorben Amtsgericht Köln weist Klage gegen Tierarzt ab 「15歳のオスの猫が死亡しましたが、ケルン地方裁判所は獣医に対する損害賠償訴訟で原告の請求を棄却しました」 2017年3月31日

 15歳の血統書付きのオス猫の飼主は猫の異変により獣医師にその猫を受診させました。しかし治療を行っても猫は死にました。猫の飼主は自分の費用で猫の病理解剖を行ったところ、猫には心臓疾患がありました。原告猫の飼主は、猫の治療を行った獣医師に対して「心臓の疾患に気がついていれば命は助かった」とし、500ユーロ(約6万4,000円)の損害賠償をを求める訴訟を提起しました。1審判決は、原告の請求を棄却しました。


(スイス)

Kein Schmerzensgeld für die tote Katze 「死んだ猫に対する痛みや苦しみへの慰謝料の補償はありません」 2020年10月4日

 スイスで原告の猫の飼主らは、飼猫の治療をベルン州大学獣医学部付属診療所で受けたところ、猫は死にました。飼主らはベルン州に対して猫は医療過誤により死んだと主張し、無駄な治療費847.8スイスフラン(約10万円 1スイスフラン=120円)と、猫が死んだことによる精神的苦痛(慰謝料)9,000スイスフラン(約108万円)を求める行政訴訟を提起しました。1審裁判所は、いずれも原告らの請求を棄却しました。


 ドイツ、オーストリア、スイスの犬猫等のペットの殺害での損害賠償の裁判例を探しても、ほとんどありません。まずドイツですが、ドイツ連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当する)での慰謝料が棄却される判決が確定しており、物損でも著しく認定された損害額が低いためと思われます。
 例えばドイツですが、犬の死亡での損害額の認定は日本円に換算すれば10万円前後です。それは「損害が生じた時点での市場価格」で厳格に評価されるためと思われます。例えば血統書付きの犬であっても減価償却がありますし、雑種や保護動物で入手価格が低ければその価格が基準になるということです。ですから訴訟を提起しても費用倒れになり、メリットがないということでしょう。それはスイス、オーストリアでも言えることです。またこれらの3国では、いずれもペットの死での慰謝料請求は棄却されています(ドイツ、オーストリアでは終審で)。
 対して日本では欧米とは異なり、司法判断でペットの死での慰謝料がかなり高額で認められています。またペットの物損の認定ですが減価償却費などを考慮せず、公正とは思えません。ですから損害賠償の総額は欧米(アメリカ、ドイツ、スイス)に比較すれば著しく高額です。以下に例を上げます。


宇都宮地裁 猫の不妊手術の過誤による死亡

 5歳の雌猫の不妊手術での獣医師の医療過誤による損害賠償を求める裁判。総額で93万円の損害賠償が認容されたました。慰謝料が認められた他にも、5歳の猫の減価償却が適正に評価されていません、国際的にはありえない極めて偏った判決です。


ペットの医療過誤認める 獣医師側に59万円支払い命令 2018年6月29日

 8歳の犬が獣医師の医療過誤で死に、飼主が獣医師を相手取って損害賠償を求めて裁判を提起しました。慰謝料40万円等などが認められ、総額で約59万円の損害賠償が認容されました。私が知る限り、欧米では獣医師の医療過誤によるペットの死で、慰謝料が認容された判決はありません。まさに日本は世界に例を見ない、お犬様お猫様国家です。


(動画)

 Polizei erschießt Hund 「警察官は犬を射殺した」 2018年5月30日公開

 ミュンヘン駅前で、制御不能になった大型犬を飼主の目前で射殺するドイツの警察官。ドイツの警察官が年間に犬などを射殺する数は1万5,000頭を超えます(犬以外の動物、たまに猫や、高速道路上でシカが迷い込んだために射殺したというニュースもありますが、警察官の活動範囲は市中や高速道路ですので多くが犬と思われます)。しかし警察官に犬を射殺されたことにより損害賠償を求めた裁判は見つかっていません(農場内の牛ではあります)。
 ドイツでは民法で特別法の規定があれば動物の所有権を制限しているため補償を求めるのは極めて難しいためと思われます。また犬等のペットの物損の評価が著しく低いことも理由であると思います。

アメリカで警察官が射殺した飼犬の数は約3,000頭。実数はその数倍〜2014年の民間調査






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(summary)
Puppy Paw PuppycideDB has recorded 2944
Although we suspect the actual number is much higher.


 アメリカ合衆国では警察官が犬猫を職務で射殺する数は大変多く、頻繁に報道されます。また動画も複数公開されています。アメリカではドイツにように、警察官の銃撃に関する公的な統計はありません。2014年に民間団体が警察官が飼犬を射殺した数を証拠に基づいて集計したところ、2,944件ありました。実数はこの数倍と推測されています。しかもこれは飼主の申告等によるものですので、野良犬の数はほぼ含まれていません。なおドイツでは連邦警察が警察官による銃撃の統計を公表しており、2019年には犬猫などの動物の射殺数は1万5,000件を超えています。


 サマリーで示したとおり、アメリカ合衆国では飼犬が警察官に射殺されたという報道が頻繁にあります。しかしアメリカでは、警察官の銃撃に関する公表された統計はありません(ドイツでは毎年連邦警察が統計を公表しています)。
 2014年に民間団体が飼主の申告と報道などの証拠に基づき、警察官が飼犬を射殺した数の集計を行いました。その数は2,944件でした。実数はその数倍と推測されています。また野良犬や迷い犬の射殺数はほぼ把握できません。以下に、それを報じる当該民間団体のサイトから引用します。


The Puppycide Database Project The first nationwide database tracking police shootings of animals. 「 犬殺しに関するデータベースプロジェクト 動物に対する警察の銃撃を追跡する初のアメリカ全土のデータベース」 2014年(キャッシュコピー)

Puppy Paw PuppycideDB has recorded 2944
acts of violence against animals.
The numbers have been kept secret: experts tell us that every year somewhere between several hundred to several thousand pets are killed by police (although we suspect the actual number is much higher).
The Puppycide Database Project aims to correct this deficit of information by providing a high quality database of every police shooting of an animal in the US.

Puppy PawPuppycideDB(民間の警察官の犬の射殺について調査集計している団体)は警察官による2,944頭の犬の射殺を記録しました
動物に対する暴力行為。
(アメリカでは警察官によるペットへの銃撃の)数は非公開です:専門家は、毎年数百から数千のペットが警察によって殺害されていると私たちに言っています(実数ははるかに多いと思われますが)。

Puppycide Database Projectは、アメリカで警察が動物を射殺した全てに関する高精度のデータベースを提供することにより情報不足を是正することを目的としています。


 この2,944頭という警察官が飼犬を射殺したという数字ですが、民間団体が報道や飼主の申告等の証拠に基づいて集計した数字です。実数はその数倍はあると推測されています。また野良犬や迷い犬は飼主からの申告がなく、また報道されることもほぼありませんのでほぼ含まれません。野良犬迷い犬の数も含まれば、さらに多くなります。「2,944頭が警察官に射殺された」犬の数は、氷山の一角と言えます。
 事実、アメリカ合衆国では頻繁に飼犬が警察官に射殺されたという報道があります(Police officer Dog shooting 「警察官 犬 射殺(1ヶ月以内)」)。また複数の動画も公開されています。そのいくつかを以下に示します。


Off-duty Bucks Co. officer shoots pet of neighbor Philly officer after dog fight 「飼犬同士の喧嘩で、非番のバックスカウンティー署の警察官が近所のフィラデルフィア署の警察官の犬を撃ちました」 2012年10月4日

 偶然向かい同士で異なる署の警察官が住んでいて、彼らの飼犬はしばしばケンカをしていました。火曜日に犬の喧嘩が始まり、バックスカウンティー署の警察官はその日は非番で、フィラデルフィア署の警察官の犬を撃ちました。撃たれた犬は現在治療を受けています。


Monroe Police: Officer shoots, kills dog after mother, child attacked near bus stop 「ノースカロライナ州モンロー署の警察官が、バス停で母親と子供らを襲った犬を射殺した」 2021年10月5日

 スクールバスのバス停付近で、ジャーマンシェパードとピットブルの雑種が徘徊していました。5歳の子どとも母親が犬に襲われたために、警察官は犬を射殺しました。


Cuyahoga Falls police officer shoots 'aggressive' dog while searching for suspect 「カイヤホガフォールズの警察官が容疑者を捜している間に「攻撃的な」犬を射殺しました」 2021年10月7日

 アメリカ、オハイオ州の事件。捜査令状により女性容疑者を探している職務中に、繋留していない犬が警察官を吠えて追いかけてきたので警察官はその犬を撃ちました。


 以上のように、アメリカ合衆国では頻繁に「警察官が犬などを射殺した」事件が報道されます。なお2016年には、アメリカ連邦裁判所では「警察官が令状に基づく捜査中に、被疑者の犬が動いたり吠えたりした場合射殺するのは合法。アメリカ合衆国連邦憲法の財産健の侵害には当たらない」という判決が確定しています(*)。つまりアメリカでは職務中に飼犬を射殺された場合は、物的損賠の補償はほぼないということです。州最高裁でも、警察官が飼犬を射殺した件では、慰謝料請求は棄却されています。

(*)
Federal court rules police can shoot a dog if it moves or barks when officers enter a home 「連邦裁判所は警察官が家宅捜索の際に犬が動いたり吠えたりすれば、警察が犬を撃つことができると判決しました」 2016年2月27日

 しかし驚くほどのデマを流している愛誤活動家がいます。愛誤弁護士の渋谷寛氏です。氏は、明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛 で、次のように記述しています。
 「ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています」。日本が警察官が捜査中に。犬を射殺することが今まであったでしょうか。なお渋谷寛弁誤士は欧米出羽守、ドイツ出羽守で、特にドイツが狂信的にお好きなようですが、ドイツの法制度等に関しての記述発言は、私が知る限りすべて真逆の大嘘大デマしかありません。渋谷寛弁誤士は、ドイツに関する原典を読んだことは一切ないと思われます。発言等は私が知る限り、妄想に等しいです。ちなみにドイツは連邦警察が警察官の銃撃の統計を公表していますが、2019年の犬などの銃撃数は1万5,000件を超えています。


(動画)

 SAPD officer shoots, kills chihuahua, residents claim 「テキサス州サンアントニオ署の警察官がチワワを射殺したと住民は主張しています」 2019年3月1日



「物の毀損とペットの死」は近親者の死亡とは厳格に区別され慰謝料はありえない〜ドイツ高裁判決







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(Zusammenfassung)
OLG Köln, Urteil vom 16.03.2011 - 16 U 93/10
Ein Anspruch auf Ersatz der durch die psychischen Folgen der Tötung des Hundes entstandenen Beeinträchtigungen besteht nicht.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。アメリカ、オーストリアではペットの死による慰謝料の請求は終審判決で棄却されています。さらにドイツでも連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当)でも「犬の交通事故死での慰謝料請求は論外」として請求を棄却しています。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。ドイツでも連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当)で、犬の死による慰謝料請求が棄却されています。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。故意悪意によりペットを殺害されても、慰謝料が棄却された州最高裁判決もあります。
 今回は、ドイツの高等裁判所(2審)の、犬の交通事故死での慰謝料請求を棄却した判決を取り上げます。この裁判ではリードをしていない犬がトラクターにはねられて重症を負い、安楽死となりました。犬の飼主は1審で犬が死んだことによる物的な損害と、犬が死んだことによる精神的な苦痛(慰謝料)を請求しました。1審では物的損害を認容しましたが、慰謝料請求は棄却しました。2審では物的損害では原告の犬の飼主にも過失があるとし、請求額の50%(388ユーロ 約5万円)と減額して修正し、慰謝料に関しては1審判決通り棄却しました。さらに原告は慰謝料を求めて上訴しましたが、連邦裁判所は原告の請求を棄却をしました。今回は、連邦裁判所で「2審の判断には誤りがない」とされた2審(高等裁判所 控訴審)判決を取り上げます。


OLG Köln, Urteil vom 16.03.2011 - 16 U 93/10 「ケルン高等裁判所(2審)判決 事件番号16 U 93/10 判決言渡し 2011年3月16日」 判決文原文全文

Tenor
Auf die Berufung des Beklagten wird das am 19.8.2010 verkündete Urteil der 8. Zivilkammer des Landgerichts Aachen - 8 O 4833/09 - abgeändert und wie folgt neu gefasst:
Der Beklagte wird verurteilt, an die Klägerin 388,00 €. Im Übrigen wird die Klage abgewiesen.

Gründe
Die Klägerin verlangt Schadens­ersatz und Schmerzensgeld aus einem Verkehrsunfall vom 24.10.2008 gegen 10.45 Uhr in X.
Die Klägerin spazierte mit einer 14 Monate alten Labradorhündin auf einem Feldweg.
Die Hündin war nicht angeleint.
Der Beklagte fuhr von der Q.straße mit einem Traktor mit Gülleanhänge auf den Feldweg.
Die Hündin wurde von dem Gespann überrollt, wobei sie so schwere Verletzungen erlitt, dass sie von einem Tierarzt eingeschläfert wurde.
Die Klägerin verlangt mit ihrer Klage Schadens­ersatz in Höhe von 775,99 €, ein Schmerzensgeld, welches 10.000,00 €.
Hinsichtlich des Schmerzgeldanspruchs hat die Klägerin behauptet, sie habe einen sog, Schockschaden mit schweren Anpassungsstörungen und einer schwere depressiven Episode erlitten.
Die Klägerin verfolgt ihre Anträge auf Schmerzensgeld und Feststellung weiter.
Sie stützt den Schmerzensgeldanspruch auf die Rechtsprechung zum sog. Schockschaden bei der Tötung oder Verletzung naher Angehöriger, die ihrer Ansicht nach auch auf Haustiere ausgeweitet werden müsse, da zu diesen in der heutigen Zeit oftmals eine engere Bindung als zu nahen Angehörigen bestehe.
Der Beklagte macht geltend, dass die alleinige oder überwiegende Verantwortung für den Unfall bei der Klägerin liege, was das Landgericht nicht berücksichtigt habe.
Der Schaden bemesse sich nach dem Zeitwert des 14 Monate alten Hundes und nicht nach den Kosten für die Anschaffung eines Welpen.
Dem Grund nach haften beide Parteien zu 50 % für den Unfall.
Der materielle Schaden ist in der geltend gemachten Höhe von 775,99 € grundsätzlich ersatzfähig.
Von dem sich hiernach ergebenden Schaden von 775,99 € hat der Beklagte 50 %, mithin 388,00 € zu tragen.
Dagegen steht der Klägerin wegen der aufgrund des Todes des Hundes erlittenen psychischen Beeinträchtigungen keinAnspruch auf Schmerzensgeld und Schadens­ersatz zu.
So ist der Tod eines Angehörigen ein nachvollziehbarer Anlass einer Gesundheitsbeeinträchtigung, nicht aber die Beschädigung einer Sache oder der Tod eines Haustieres (Palandt/Grüneberg, BGB, 70. Aufl., vor § 249 Rn 40).
Ein Anspruch auf Ersatz der durch die psychischen Folgen der Tötung des Hundes entstandenen Beeinträchtigungen besteht nicht.


判決
ケルン高等裁判所(控訴審 2審)は被告の控訴に応じて2010年8月19日に言い渡しがされたアーヘン地方裁判所の第8民事部の判決(8 O 4833/09)を修正し、判決内容を次のように変更しました。
被告には原告に対して388.00ユーロ(約5万円)の支払いを命じる。
またその他の請求は棄却されます。

判決の理由
原告(女性のラブラドール犬の飼主)は2008年10月24日の午前10時45分頃にX市で起きた交通事故による損害と、精神的な苦痛に対する損害賠償と補償(慰謝料)を請求しています。
原告は、生後14か月のラブラドール犬を連れて未舗装の道路を歩いていました。
その犬はリードをしていませんでした。
被告は、肥料の散布機がついた農業用トラクターを、Q通りから未舗装の道路に侵入させました。
その犬は被告が運転する連結した車両にひかれて、獣医師に安楽死させなければならいほどの重傷を負いました。
原告は、775.99ユーロ(約10万円)の物損としての損害賠償及び、それと併せて10,000.00ユーロ(約130万円)の精神的な悲しみと苦痛の補償を請求しています。
精神的な悲しみと苦痛(慰謝料)の請求に関して原告は、原告が重度の適応障害と重いうつ病が発症した事実により、それに伴ういわゆるショック症状に苦しんでいたと主張しました。
原告は、精神的な悲しみと苦痛(慰謝料)に対する補償を請求をしています。
原告は近親者が殺されたり傷つけられたりした場合の、いわゆるショックによる精神傷害に関する判例法に基づいて、犬が殺されたことによる精神的な悲しみと苦痛の補償(慰謝料)の請求を、犬と原告との関係が近親者より緊密であることを根拠に請求を行っています。
被告は事故は原告の単独の責任で主導的な責任は原告にあり、1審の地方裁判所はこれを考慮していなかったと主張しています。
また被害は、物損の評価は子犬の取得費用ではなく、生後14か月の犬の現在の価値に基づいて算定すべきとしています。
基本的には、両当事者は事故に対してそれぞれ50%の責任を負います。
物的損害は主張された金額は775.99ユーロで、基本的に適正です。
結果として生じた損害は775.99ユーロで被告の責任割合は50%であり、被告は388.00ユーロの損害賠償責任を負います。
一方原告は犬の死亡の結果として受けた心理的障害による、補償または損害賠償(慰謝料)を受け取る権利がありません。
近親者(人間)の死が原因の健康への障害は理解できますが、物の毀損やペットの死ではありえません(学説 Palandt /Grüneberg、民法第70版 249条より)。
(学説等によれば)犬を殺されたことによる、心理的影響によって引き起こされた障害を補償する権利は被害者にはありえません。



 前回記事で取り上げたドイツ連邦裁判所の判決では、「物と動物の毀損(殺害)と、近親者の負傷死亡は厳格に区別される。物と動物の毀損(殺害)では慰謝料を求める根拠がない」とする控訴審判決を支持するとしています。その控訴審判決(高等裁判所 2審)判決で繰返し強調されていることは、「物と動物は人とは厳格に区別される。したがって近親者が死亡負傷したことによる慰謝料は認められても、それをペットにまで拡大するのは論外である」です。つまり物=動物で、人はそれらと異なる存在で法的な扱いが区別される、ということです。まさに渋谷寛弁誤士の記述、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」=「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」とは真逆です。
 「物=動物、であり、それらは人と厳格に区別され、慰謝料請求においては前者は請求できない」との司法判断はすでに取り上げたオーストリア連邦最高裁判所判決や、アメリカの判決においても共通しています。アメリカマサチューセッツ州控訴審判決では、「死傷で慰謝料請求が認められるのは、その人と密接な関係にある『人』だけである。近親者の不法行為による死よりもコンパニオンアニマルで大きな権利を有するのは不合理」と述べています(Robert KRASNECKY & another. FN1 (FN1. Anne Krasnecky) v. David MEFFEN & another. FN2 (FN2. Patricia Meffen))。
 オーストリア連邦最高裁では「人の死で慰謝料が請求できるのは夫婦、親子の関係までであり、兄弟の場合は同居などの緊密な関係であることを要する」としています。おそらく日本の司法判断でもそうだと思います。それにもかかわらず日本では犬猫の死で慰謝料が認容されています。

 ペットの死で慰謝料が認容された司法判断がある日本は国際的にも特異と言えます。しかもかなり高額です。これまでに述べたとおりドイツ、オーストリア、アメリカでは、いずれも終審でペットの死での慰謝料請求が棄却されています。これらの国以外でも、イギリス、カナダでもペットの死で慰謝料が認められた終審判決は確認できていません。スイスでは下級審で棄却された例があります。
 さらにペットの死での物損の評価ですが、上記の国に比べて日本は格段に高額です。上記の国々ではペットの死での物損は市場価値が根拠となります。例えば老齢ペットであれば減価償却され、取得価格が安い雑種で保護犬猫だったものはそれに見合った評価がされます。しかし日本のペットの死では、恣意的に裁判所が物損の評価も高くしています。
 まさに日本は人よりペット、犬猫のほうが大事、司法判断でも物損の適正な評価をしない犬猫愛誤で狂った国です。さらにペットの飼主の不当な権利のために、反社会正義の弁誤士が欧米の荒唐無稽なデマを拡散さえしています。
 

(動画)

 Hund vs Auto 「犬対自動車」 2014年10月27日
 ドイツでは犬にリードをしない飼主が多いですが、法律で許可されているわけではありません。禁止されているのにリードをしない飼主が多いのです。おそらくドイツは世界で最も犬のリード義務が厳しい国です。例えばベルリン州では州全域で(野山や農地でも)許可を受けた使役犬以外はリードをしなければ1万ユーロまで(130万円)の罰金が科されます。
 ドイツの飼い主さん、犬が轢かれて死んでも物損は少ないし、日本のように慰謝料は認められませんよ(笑)。リードをしなければ過失割合が高くなりますし、自動車が壊れればドライバーから損害賠償を求められもします。

ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した







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(Zusammenfassung)
BGH, Urteil vom 20.03.2012 - VI ZR 114/11
Die Verletzung oder Tötung von Tieren sollte bei der Verletzung oder Tötung von Angehörigen oder sonst dem Betroffenen nahestehenden Menschen nicht gleichgestellt werden.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。アメリカ、オーストリアではペットの死による慰謝料の請求は終審判決で棄却されています。さらにドイツでも連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当)でも「犬の交通事故死での慰謝料請求は論外」として請求を棄却しています。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。ドイツでも連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当)で、犬の死による慰謝料請求が棄却されています。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。故意悪意によりペットを殺害されても、慰謝料が棄却された州最高裁判決もあります。

 今回は、ドイツの連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当する)の、犬の交通事故死での慰謝料請求を棄却した判決を取り上げます。この裁判ではリードをしていない犬がトラクターにはねられて重症を負い、安楽死となったことでの争いです。
 犬の飼主は1審で犬が死んだことによる物的な損害と、犬が死んだことによる精神的な苦痛(慰謝料)を請求しました。1審では物的損害を認容しましたが、慰謝料請求は棄却しました。2審では物的損害では原告の犬の飼主にも過失があるとし、請求額の50%(388ユーロ 約5万円)と減額して修正し、慰謝料に関しては1審判決通り棄却しました。さらに原告は慰謝料を求めて上訴しましたが、連邦裁判所は原告の請求を棄却をしました。下級審から終審まで一貫して、本裁判では犬の死による慰謝料請求を認めていません。以下に、連邦裁判所判決文から引用します。


BGH, Urteil vom 20.03.2012 - VI ZR 114/11 「ドイツ連邦裁判所判決 事件番号 VI ZR 114/11 判決言渡し 2012年3月20日」 判決文原文全文

Tenor
Die Revision der Klägerin gegen das Urteil des 16. Zivilsenats des Oberlandesgerichts Köln vom 16. März 2011 ​wird auf ihre Kosten zurückgewiesen.

Tatbestand
Die Klägerin verlangt materiellen Schadensersatz und Schmerzensgeld im Zusammenhang mit der tödlichen Verletzung eines Hundes bei einem Verkehrsunfall.
Am 24. Oktober 2008 spazierte die Klägerin mit einer 14 Monate alten Labradorhündin auf einem Feldweg.
Die Hündin war nicht angeleint.
Der Beklagte, der mit einem Traktor von einer angrenzenden Straße in den Feldweg einfuhr, ​überrollte die Hündin, die dadurch so schwere Verletzungen erlitt, dass sie von einem Tierarzt eingeschläfert werden musste.
Die Klägerin macht materiellen Schadensersatz wegen entstandener Tierarztkosten, Kosten für die Anschaffung eines Labrador-Welpens und außergerichtlicher Rechtsanwaltskosten sowie einen Schmerzensgeldanspruch geltend mit der Begründung, sie habe durch das Erlebnis einen Schockschaden mit schweren Anpassungsstörungen und einer schweren depressiven Episode erlitten.
Das Landgericht hat der Klage hinsichtlich der materiellen Schäden stattgegeben und sie im Übrigen abgewiesen.
Auf die Berufung des Beklagten hat das Oberlandesgericht der Klage hinsichtlich der materiellen Schäden nur in Höhe von 50 % stattgegeben und den Beklagten in entsprechender Abänderung des erstinstanzlichen Urteils verurteilt, an die Klägerin 388 &euro.
Die Berufung der Klägerin und die weitergehende Berufung des Beklagten hat es zurückgewiesen.

Gründe
Das Berufungsgericht ist mit dem Landgericht der Auffassung, dass ein Schmerzensgeld wegen eines Schockschadens nicht in Betracht kommt.
Für die ersatzfähigen materiellen Schäden hafte der Beklagte als Fahrer des unfallbeteiligten Traktors nach § 18 StVG für den Unfall.
Die Abwägung zwischen der Betriebsgefahr des Traktors mit Anhänger und der Tiergefahr des auf einem Feldweg frei laufenden Hundes rechtfertige unter den besonderen Umständen des Falles eine hälftige Schadensteilung.
Aus den vorgenannten, die Schadensersatzpflicht bei Schockschäden eng umgrenzenden Grundsätzen ergibt sich bereits, dass eine von der Revision geforderte Ausdehnung dieser Rechtsprechung auf psychisch vermittelte Gesundheitsbeeinträchtigungen bei der Verletzung oder Tötung von Tieren nicht in Betracht kommt.
Die Verletzung oder Tötung von Tieren sollte bei der Verletzung oder Tötung von Angehörigen oder sonst dem Betroffenen nahestehenden Menschen nicht gleichgestellt werden.
Einer Überprüfung nach diesen Grundsätzen hält das Berufungsurteil stand.

判決
2011年3月16日のケルン高等裁判所の第16民事訴訟の判決に対する原告の上訴は棄却し、裁判費用は原告の負担とします。

原告の請求
原告は交通事故による飼犬の致命傷に関して、物的な損害賠償および精神的な痛みと苦痛の補償(慰謝料)を請求しています。
2008年10月24日に原告の犬の飼主は、生後14ヶ月のラブラドール犬を未舗装の道を歩かせていました。
その犬にはリードを付けていませんでした。
接する道路からトラクターを未舗装路に侵入させたトラクターの運転手被告はその犬をトラクターで跳ね飛ばし、獣医に安楽死させなければならないほどの重傷を負わせました。
原告は生じた獣医の費用、ラブラドール犬の子犬の取得費用および弁護士費用、ならびに原告が犬が死んだことが原因で重症のうつ病となり、重度の適応傷害を伴うショック症状を発症したという理由で、精神的な苦痛に対する損害賠償(慰謝料)を求めると主張しています。
1審の地方裁判所は物的損害に対する原告の請求を認容し、それ以外の請求(慰謝料)を棄却しました。
被告の控訴に応じて2審の高等裁判所は原告の請求金額のうち物損の過失割合は50%のみとして物損の請求を支持し、被告に対して原告への支払いを388ユーロとして1審判決の修正を判決しました。
連邦裁判所(終審)は、原告および被告のさらなる上訴を棄却します。

判決理由
控訴裁判所は、原告が犬の死で受けたショックによる精神的な傷害と、苦痛の補償(慰謝料)は論外であるとの地方裁判所の判断に同意しました。
被告は事故を起こしたトラクターの運転手として、道路交通法の事故に関する規定の18条に従って、補償の対象となる物的な損害に対しては責任を負います。
トレーラーがついたトラクターの運転の危険性と、野原を自由に駆け回る犬の危険性との過失割合は、本件の特別な状況下ではそれぞれ50%を負うとするのが正しいです。
事故の衝撃による物の毀損が発生した場合の損害に対する責任を狭義に定義する前述の判例法の原則においては、動物が負傷または殺害された場合に心因性の健康障害を含めるとした判例法を拡大解釈した本上訴での請求は、今日においては論外です。
動物の負傷または殺害は、関係者の近親者または他の人の負傷または殺害と同等に扱われるべきではありません。
控訴判決はこれらの原則に従ったものであり、再検討においても正しいと言えます。



 判決文にある、der Verletzung oder Tötung von Tieren nicht in Betracht kommt 「動物に障害を与えることまたは殺害することでの(慰謝料請求)は論外」nicht in Betracht kommt のニュアンスですが。「考慮に値しない、筋違い、問題外」と言った相当きつい表現です。まさに「門前払い」と言った感じです。「踏んだり蹴ったり判決」という名がついた日本の最高裁判決がありますが、私はこのドイツ連邦裁判所の判決を「けんもほろろ判決」と名付けたいです。
 まさに渋谷寛弁誤士の、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い。特にドイツでは民法90条aで動物と人との法的地位が同等だ」=「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている(特にドイツでは)」との記述は、精神疾患が疑われます。精神状態が正常であれば、ドイツ等の判例、法令、学説の原典の1つも調べずに、妄想だけでこのような真逆も真逆、荒唐無稽な大デマを公にするなどありえません。渋谷寛弁誤士は、宇宙人に電波で情報提供してもらっているのか、神のお告げが自然に聞こえてくるのでしょうか。精神科を受診することを切におすすめします。

 それと渋谷寛弁誤士の、ドイツ民法90条aの解釈「ドイツでは人と動物の法的地位が同等」も、精神疾患が疑われるレベルでしょう。ドイツ動物保護法16条aは、行政が不適正飼育者から動物を取り上げて最終的には殺処分する権限があるとしていますが、同条項での動物の強制殺処分では飼主に補償はありません。その根拠は、ドイツ民法90条aの「動物は物=財物、所有権が及ぶ有体物、ではない」という規定です。
 特別法の規定があれば動物は物=財物、に満たない存在ということです。これは警察官が警察法に基づいて犬などを市中で射殺する場合にも補償がない根拠です。


*連載記事で「ドイツではペットの死により慰謝料を請求した裁判がない」と記述しましたが、本記事で取り上げたとおり連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当)での慰謝料を棄却する判決がありました。お詫びします。記事は訂正しましたが、私が気がつかない未訂正の記述があればご一報くださればありがたく存じます。


(動画)

 Dashcam // Katze überfahren / RIP Katze😢😢🤔 「ドライブレコーダーに写る猫/ご愁傷様です」 2019年10月22日

このような飛び出し事故ではドライバーは不可抗力です。自動車が破損していば、この猫にもし飼主がいれば、ドライバーから損害賠償を請求されます。

 


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「ペットショップ」で犬猫の販売が禁止されてもペットショップで犬猫が合法的に売られているベルギーの理由







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Belgium

 記事、「海外ではペットショップでの犬猫販売を禁じている」の勘違い〜アメリカ、の続きです。
 日本での海外のペットショップ事情に関してですが、「海外にはペットショップがない」、「日本以外の先進国にはペットショップがない(杉本彩氏など)」のデマは問題外です。しかし海外のペットショップに関しての情報発信者自身が、「ペットショップ」のその国での定義を理解していません。「海外のペットショップでは生体販売を行っていない」も噴飯記述ですが。ペットショップの法的規制がある国では、必ず法律で「ペットショップ」の定義を明確にしています。日本でのペットショップの定義は、「小売店舗でケージでペットの生体を展示販売する業種業態」とされているようです。「フードやペット用品を販売するだけの小売店舗」と定義している人もいるようですが問題外でしょう。しかしこれらの定義は、法令によりペットショップを法律で規制している国の多くでは誤りです。



 海外のペットショップ事情について、その情報発信をしている人たちは私が知る限り、一人としてその国のペットショップの定義を正確に理解して情報発信をしているわけではありません。推測するには、それらの人が「ペットショップ」としている業種業態は概ね、「小売店舗でケージでペットの生体を展示販売する」としているようです。中には「ペット用品やフードのみを売る店」をペットショップとしている人もいますが、それは問題外でしょう。
 ペットショップを法律で規制している国は、必ずその法律で「ペットショップ」の定義を明らかにしています。それらの国の多くではペットショップの定義によれば「小売店舗でケージでペットの生体を展示販売する業種業態」と言う条件だけではペットショップではないのです。

 例えばベルギーでは2009年に法律で、「ペットショップ」(オランダ語 dierenwinkel)での犬と猫の店頭展示販売を禁じました。しかしその後もペットショップ(小売店舗でペット生体をケージで公に展示販売する)の犬猫の販売は続いています。リエージュに子犬を売るペットショップの集積地があり、価格が安いことからドイツ人が多く訪れています(最近では減ったとは聞いていますが)。
 その理由はベルギーで犬猫の店頭展示販売を禁じた「ペットショップ」は、「自らペットの繁殖を行わない。つまりペット生体を仕入れて店頭で再展示販売する者」だからです。「自ら犬猫等の繁殖を行う施設を持ち、繁殖事業を行う者」は「公の小売店舗でのケージでの犬猫展示販売の禁止」から除外されているからです。
 日本では「海外のペットショップでは」と動物愛護(誤)家が情報を拡散していますが、彼らが言うペットショップと、ペットショップを規制している外国の法律で定義する「ペットショップ」が異なります。その点については、動物愛護(誤)家は無知です。以下にベルギーでの「ペットショップでの犬猫販売禁止」の経緯と、法律原文などを引用します。


Wet op dierenwinkels wordt niet uitgesteld 「ペットショップの法律の施行は遅れることはありません」 2008年12月5日(オランダ語)

1 januari 2009 is het verboden om honden en katten te verkopen in dierenwinkels en dat blijft zo.
Op 1 januari 2009 wordt een nieuwe wet van kracht die de verkoop van honden en katten in dierenwinkels verbiedt.
België telt 902 dierenwinkels, maar slechts 256 verkopen honden en katten.
Van die 256 zijn 118 (46%) nu al erkend als fokker.
Zij zijn dus in orde met de nieuwe wet.
Nog 138 andere (54%) zullen moeten kiezen: ofwel blijven ze honden en katten verkopen en dan moeten ze een erkenning als kweker vragen.

2009年1月1日以降はペットショップで犬や猫を販売することは違法になります。
2009年1月1日に、ペットショップでの犬と猫の販売を禁止する新しい法律が施行されます。
ベルギーには902のペットショップがありますが、犬と猫を販売しているのは256だけです。
それらの256のうち、118(46%)はすでにブリーダーとして認可されています(註 ショーケースに入れて犬猫を展示販売する業態であっても自家繁殖のものはこの法律が施行された後も、犬猫を小売店舗で展示販売することができる)。
ですから彼ら(=ブリーダーの認可を得て、小売店舗で犬猫を店頭展示販売する者)は新しい法律に適応しています。
138業者(54%)は選択する必要があります:犬と猫を販売し続けるのならば、ブリーダーとしての認可を申請する必要があります。


 蛇足ですが、2009年の本記事によればべルギーのペットショップの数は902店舗です。ベルギーの人口は1149万人で日本の人口は約11倍です。2014年の総務省の経済基礎調査では日本の生体販売ペットショップは5,045店舗であり、ベルギーは人口比で日本の約2倍の生体販売ペットショップがあったということです。


 本法施行後も、べルギーでは多くのペットショップがそのまま犬猫の販売を継続できる、または申請を行うことによりすべてのペットショップが犬猫の販売を継続することが可能であったことが伺えます。


14 AUGUSTUS 1986. - Wet betreffende de bescherming en het welzijn der dieren 「動物の保護と福祉に関する法律」
オランダ語原文

Art. 12.
Om impulsaankopen tegen te gaan en de socialisatie van honden en katten te bevorderen, mogen in de winkelruimte of hun aanhorigheden van de handelszaken voor de verhandeling van dieren geen katten of honden gehouden of tentoongesteld worden.
Deze handelszaken kunnen evenwel optreden als tussenpersoon bij het verhandelen van katten en honden.
De in het vorige lid bedoelde bepaling belet evenwel niet dat de eigenaar of de uitbater van een handelszaak voor dieren tevens een hondenkwekerij of een kattenkwekerij kan uitbaten, mts te voldoen aan de vereiste voorwaarden.

オランダ語をドイツ語に自動変換
Art. 12.
Um Impulskäufe zu verhindern und die Sozialisation von Hunden und Katzen zu fördern, dürfen keine Katzen oder Hunde in den Verkaufsflächen oder deren Zubehör für den Tierhandel gehalten oder ausgestellt werden.
Diese Unternehmen können jedoch als Vermittler beim Handel mit Katzen und Hunden auftreten.
Die im vorstehenden Absatz genannte Bestimmung hindert den Inhaber oder Betreiber eines Tierhaltungsbetriebs jedoch nicht daran, auch eine Hunde- oder Katzenfarm zu betreiben, sofern die erforderlichen Voraussetzungen erfüllt sind.

12条
衝動買いを防止するためと犬と猫の社会化を促進するために、小売スペースまたは商業施設に付随する施設で犬と猫を保管し、展示することはできません。
ただしこれらの事業者は、猫と犬の取引の仲介を行うことはできます(店頭で保管展示せず、ブリーダーの販売の仲介を行うことはできる)。
ただし先の規定は、動物の事業の所有者または経営者が犬の繁殖場または猫の繁殖場を経営するとの必要な条件が満たしていればこれを妨げるものではありません(犬または猫の繁殖事業を行うと同時に、小売ペットショップを経営することは必要な条件が満たされているとされ許可される)。


 法律の条文を読む限り、犬猫は小売り店舗や商業施設の附属施設での保管展示販売は禁じられるものの、その事業者が犬猫の繁殖設備を所有し、繁殖事業も行っていれば、犬猫の小売店舗や商業施設での保管展示販売を行うことができる、ということです。


Adopteer een hond 「犬を養子に迎えること」 2014年5月26日 オランダ人によるFaceBookの投稿 オランダ語

26. Mai 2014 ·
Verkoop van honden in dierenwinkels.
Gewoon een plaatje van een dierenwinkel in Luik (Belgie).
Hier worden honden in dierenwinkels verkocht, alsof het de normaalste zaak van de wereld is.
Keuze uit alle soorten en maten en nog belangrijker: direct mee te nemen.
Ook kan het zomaar zo zijn, dat de honden per m3 gekocht zijn en vanuit het buitenland naar Belgie en Nederland zijn gekomen.
2014年5月26日

ペットショップでの犬の販売。
リエージュ(ベルギー)のペットショップの写真です。
ここではまるで世界中でも最も当たり前のように、犬がペットショップで販売されています。
あらゆる品種と大きさから犬を選び、そしてもっと重大なことは犬を買った客が、すぐに持ち帰ることができるということです。
それぞれ1立方の(狭い)ケージに入れられた犬が購入されており、それらの犬は外国からベルギーとオランダに輸入された可能性もあります。


(画像)

 Adopteer een hondから。2014年にベルギーのリエージュのペットショップで、子犬が売られていることが投稿されています。
 「オランダやベルギーでは外国から子犬が輸入されている。この店の子犬も外国産かもしれない」とあります。ベルギーの法律を読む限り、「繁殖設備を有し、繁殖事業を行っている事業者は、ペット生体展示販売の小売店舗を営むことを制限しない」とあります。その場合、小売店舗で販売できるペット生体は自己生産品に限るとはしていません。

ベルギー ペットショップ 犬


 いずれにしても「外国ではペットショップでは生体販売をしていない」や、「外国のペットショップでは犬猫の販売をしていない」という情報を拡散している愛誤自身が、その国のペットショップの法律での定義に無知です。無知なまま、誤った情報を必死で拡散しているのは滑稽です。またなぜペットショップに反対するのか、それは「店頭の狭いケージで展示販売すること自体虐待」なのか、「多段階の流通過程を経ること」が問題なのか、彼らは主張の整理もできていないようです。
 「ペットショップ反対派」で海外のペットショップのデマ、デタラメ情報を利用する愛誤は、まず海外の法律でのペットショップの定義を理解すべきです。その上で「ペットショップに反対する理由」の論点を整理して下さい。

「海外ではペットショップでの犬猫販売を禁じている」の勘違い〜アメリカ







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(summary)
What is the definition of a pet shop in the United States?


 日本での海外のペットショップ事情に関してですが、「海外にはペットショップがない」、「日本以外の先進国にはペットショップがない(杉本彩氏など)」のデマは問題外です。しかし海外のペットショップに関しての情報発信者自身が、「ペットショップ」のその国での定義を理解していません。「海外のペットショップでは生体販売を行っていない」も噴飯記述ですが。ペットショップの法的規制がある国では、必ず法律で「ペットショップ」の定義を明確にしています。日本でのペットショップの定義は、「小売店舗でケージでペットの生体を展示販売する業種業態」とされているようです。「フードやペット用品を販売するだけの小売店舗」と定義している人もいるようですが問題外でしょう。しかしこれらの定義は、法令によりペットショップを法律で規制している国の多くでは誤りです。


 海外のペットショップ事情について、その情報発信をしている人たちは私が知る限り、一人としてその国のペットショップの定義を正確に理解して情報発信をしているわけではありません。推測するには、それらの人が「ペットショップ」としている業種業態は概ね、「小売店舗でケージでペットの生体を展示販売する業種業態」としているようです。中には「ペット用品やフードのみを売る店」をペットショップとしている人もいますが、それは問題外でしょう。
 ペットショップを法律で規制している国は、必ずその法律でペットショップの定義を明らかにしています。それらの国の多くではペットショップの定義によれば「小売店舗でケージでペットの生体を展示販売する業種業態」と言う条件だけではペットショップではないのです。

 例えばアメリカでは、ペットショップと犬などのブリーダーの許認可は各州法、もしくは自治体条例が根拠です。連邦法ではありません。多くは「ペットショップ」と「ブリーダー」は異なる業種に区分しており、認可も別に行われます。概ね「ペットショップ」の定義は、「自らペット動物の生産を行わずに、ペット生体を仕入れて公に販売する小売業種」としています。「自らペット動物の生産を行いかつ小売もする業種」はブリーダーとして定義され、異なる認可を受けなければなりません。ですから「小売店舗でケージにペット生体を公に展示販売」していたとしても、その業者が自らペット生産もしてその動物を小売店舗で公に販売していたとしても「ブリーダー(生産者)」であり、ペットショップとしての規制を受けません
 イギリスも、Pet Animals Act 1951 「ペット動物法 1951」7条1項(a)で、「事業者自らが繁殖させた動物を販売する業者はペットショップとは見なされない(a person shall not be deemed to keep a pet shop by reason only of his keeping or selling pedigree animals bred by him, or the offspring of an animal kept by him as a pet;)」としています。イギリス(北アイルランドを抜く)では、「自らペット生産を行う業者であれば小売店舗や商業施設での附属施設での犬猫の展示小売販売ができる」ということです。

 まずアメリカ、カリフォルニア州の州法における「ペットショップ」の定義から取り上げます。


West's Annotated California Codes. Health and Safety Code. Division 105. Communicable Disease Prevention and Control. Part 6. Veterinary Public Health and Safety. Chapter 9. Pet Store Animal Care. 「カリフォルニア州法の注釈 健康と安全に関する法律  部門105 伝染病の予防と管理 第6部  獣医師の公衆衛生と安全  第9章ペットストア(ショップ)における動物のケア」 法律原文

§ 122350. Definitions
(i)“Pet store” means a retail establishment open to the public and selling or offering for sale animals, including, but not limited to, animals for use as pets or animals intended as food for other animals.
A person who sells, exchanges, or otherwise transfers only animals that were bred or raised, or both, by the person, or sells or otherwise transfers only animals kept primarily for reproduction, shall be considered a breeder and not a pet store.

122350条 定義
(i)「ペットショップ」とは一般に公開され、ペットとして用いられる動物または他の動物の餌となる動物を含む、これらに限定されない動物を販売または提供する小売店を意味します。
その者が繁殖させ増殖した動物だけを、あるいはその両方を販売、交換、またはその他の方法で譲渡する者、それ以外では主に繁殖のために飼育されている動物のみを販売またはその他の方法で譲渡する人は、ペットショップではなくブリーダーと見なされます。



 つまり「ペット動物などを一般に公開して販売する小売店」であっても、事業者が自らペット動物の繁殖を行い、それを販売するのであれば「ペットショップ」ではないのです。そこに日本で「欧米の○○国ではペットショップでの犬猫販売をしていない」と主張している人の思い込みと齟齬があります。
 2019年にアメリカ、カリフォルニア州では「ペットショップ」での犬猫ウサギは保護団体由来のものしか販売できなくなりましたが、従前どおり「一般に公開された小売店舗」でも犬猫ウサギが販売されているのです。それは法律施行前に「ペットショップ」が「ブリーダー」の認可を受けて「ブリーダー」になることにより、「ペットショップ」の規制を回避したことが一つの理由です。
 カリフォルニア州が「ペットショップでの犬猫ウサギの販売を保護団体由来のものに限る」という法律を施行させる前に、先行してロサンゼルス市が同様の条例を施行させました。ロサンゼルス市はその条例が施行する前に、多くのペットショップがブリーダーの認可申請を行ったことが記録されています。


LA's ‘Puppy Mill-Pet Shop Ban’… Success or Hypocrisy?「(ロサンゼルスの)パピーミル-ペットショップ条例は成功か偽善か?」 2017年6月5日 

The irony -- and hypocrisy -- of the "puppy mill pet shop ban" is that anyone can get a breeders' permit for a dog from LA Animal Services by merely paying $235, plus $100 for an intact dog license/permit.
Or they can breed and sell pets without a permit without much fear of penalty.
Also, breeding permits are issued without a zoning requirement or premises check.
The City's Finance Office advised me that it does not enforce the requirement for a business license unless someone complains or they are notified by the State of possible unreported earnings.

「パピーミル-ペットショップ禁止条例」の皮肉と偽善は、誰でもロサンゼルスのアニマルサービス(ペットショップやブリーダーの許認可を行う行政機関)に許可証を235ドル支払うだけで、つまりペットショップは100ドルを加算して支払うだけで、そのまま犬のブリーダーの免許/許可を得るということです。
あるいは、処罰(註 ペットショップが商業生産した犬、猫、ウサギを販売したとしても、罰則はわずか250ドルの行政罰の過料です)をあまり気にすることなく、許可なしでペットを繁殖し、売ることができます。
また、ブリーダーの許可証は、地区要件や施設の確認をせずに発行されます(註 小売業者がブリーダーの許可を受ければ、商業施設、小売店舗そのものので犬を展示販売することが事実上合法になります。ロサンゼルス市では、ペットショップとブリーダーの許可は別)。
ロサンゼルス市の財政事務所は、誰かがペットショップの違反で苦情を申し立てたり、もしくは州によってペットショップの収入が未申告である可能性があるとの通知がない限り、ペットショップにブリーダーの営業免許を取得することを強制しないと助言しました(註 つまりロサンゼルス市は、ペットショップがブリーダーの免許の取得すらしなくても、そのまま禁止の動物種を「ペットショップ」という形態の店舗で販売しても黙認するという意味)。


(動画)

 1st time at Fancy Puppy Pet Store in Corona cute cocker spaniel puppies in Eastvale ca Philomena's 「カリフォルニア州のイーストベール・フィロメナの素敵な子犬販売ペットショップにはじめて訪問しました」 2019年5月20日

 カリフォルニア州では2019年1月1日以降は、ペットショップは犬猫ウサギに限り、保護団体由来のものしか販売できなくなりました。しかしその後もペットショップでは従前どおり犬猫ウサギが販売されています。それは今回説明したとおり、「1 ペットショップ」がブリーダーの認可を得てペットショップの規制を回避したこと以外にも、「2 形式的だけ保護団体を経由した形にして、以前の通りパピーミルなどの商業繁殖者から犬などを仕入れ販売している」ことが挙げられます。また「3 処罰が行政罰の500ドルまで」ですので、年商数百万ドルの大型店舗では抑止力はないでしょう。このように、「犬猫ウサギのペットショップでの販売は保護団体由来のものに限る」という法律が施行されたアメリカ、カリフォルニア州のこのような店舗でも、子犬を自家生産していれば全く小売店舗での展示販売が合法です。
 海外の動物愛護に関する情報を提供している人は、ほぼすべてが法律などの原典を調べませんし、もともとが無知無学で嘘つきです。「1」ですが、日本で「○国ではペットショップで犬などの販売を禁止している」と主張している人は、その国のペットショップの定義を理解していません。「小売店舗でペット生体をケージで展示販売している」業種=ペットショップ ではないのです。

ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ







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(summary)
Courts in most The u.s states limit the compensation to the pet owner's economic losses.
Moreover, the amount of damages for the killing of pets accepted in the court is significantly lower in the United States than in Japan. 



 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。アメリカのペットの死での慰謝料は複数の州最高裁で棄却されています。またオーストリアでは連邦最高裁でペットの死での慰謝料を棄却しています。ドイツでは民法で動物の死での慰謝料請求は認めていません。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。故意悪意によりペットを殺害されても、慰謝料が棄却された州最高裁判決もあります。
 さらに、ペットの死での経済的損失でも、欧米は日本と比べれば認容額は驚くほど低いのです。今回は、アメリカ合衆国における、ペットの死での経済的損失の司法判断を取り上げます。もちろんこれらの判決では慰謝料は認められていません。以下に、具体的な判決を挙げます。


Receive free daily summaries of new opinions from the Vermont Supreme Court. 2010 VT 45 「バーモント州最高裁判決 事件番号VT45 2010年」 判決文原文全文

 原告がリードを離した飼犬が被告の私有地内を徘徊したところ、被告はその犬を射殺した。なお犬が射殺される前は、被告に危険を及ぼしてはいなかった(小型のビーグル犬)。原告は犬が死んだことによる経済的損失と慰謝料を求める訴訟を提起したところ、一審判決では経済的損失の155ドル(約1万7,000円)のみ認容し、慰謝料は棄却した。原告は最高裁まで争ったが、最高裁は原審判決を支持した。


Court Name: Court of Appeals of Oregon Primary Citation: 51 P.3d 5 (Or.App.,2002) 「オレゴン州控訴審裁判所 原審判決 事件番号:51 P.3d 5 (Or.App.,2002) 2002年」 判決文原文全文

 原告は被告のピットブル犬が原告の私有地内で原告の猫を咬み殺したので、原告は被告を訴えた。 第一審裁判所は被告の過失を認定し、原告に損害賠償として1,000ドル(約11万円)を認容したが、慰謝料請求を棄却した。 原告は上訴したが、控訴裁判所は原告(猫の飼い主)は慰謝料請求を求める権利がないと原審判決を支持した。


Court of Appeals of Tennessee Primary Citation: Not Reported in S.W.3d, 2006 WL 2805141 (Tenn.Ct.App.) 「テネシー州控訴審判決 事件番号 Tenn.Ct.App 2006年(併合事件)」 判決文原文全文

 自動車の所有者の男性(被告)は自動車を傷つけている隣人(原告)の猫を銃で撃った。猫は負傷し、隣人の猫の飼主は治療を受けさせたがすぐに死んだ。隣人の猫の飼主は、自動車の所有者に対して猫の治療費を求める訴訟を提起した。自動車の所有者は、自動車が猫に傷つけられたとして自動車の修理費を求める反訴を行った。判決は、猫の飼主に認容された請求額は猫の治療費372ドル(約4万円)だった。自動車の所有者の男性に認められたのは、自動車の修理費6,500ドル(約70万円)だった。


Court of Appeals of Indiana Primary Citation: 107 N.E.3d 478 (Ind. Ct. App.), transfer denied, 113 N.E.3d 627 (Ind. 2018) 「インディアナ州控訴審裁判所 原審判決:事件番号107 N.E. 3d 478(Ind. Ct. App.)移送不許可 113 N.E. 3d 627(Ind.2018) 判決言い渡し:2018年7月23日月曜日」 判決文原文全文

 インディアナ州の州立公園で、公園管理者から許可を得て設置したアライグマのデストラップに犬が捕獲されて死んだ。わなの設置には過失があった。犬の飼主は経済的損失と慰謝料を求めてわなの設置者と公園管理者を訴えた。一審裁判所では犬の経済的損失を477ドル(5万円台)として、被告らに犬の飼主(原告)に支払うように命じた。しかし慰謝料請求は棄却した。原告は上訴したが、控訴審判決は原審判決を支持した。


 対して日本での近年の医療過誤等による死での慰謝料をも含めた損害賠償金額は、100万円近くが認容された判決もあります。概して欧米と比べれば、損害賠償金額の総額は桁違いの高額が認められているのです。日本の場合は経済的損失では、死んだ犬猫の適正な時価評価が行われていないような気がします。
 日本でのペットの死による高額の慰謝料も含めた損害賠償が認容された例は、被告が獣医師です。北米、オーストリア、ドイツ、スイス、イギリスでは、獣医師の医療過誤で慰謝料が認容された判決は確認できていません。渋谷寛弁誤士の「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」との記述は、まさに真実の真逆も真逆、デマ嘘デタラメです。何らかの精神疾患でもあるのかと疑います。以下に日本での獣医師の医療過誤での慰謝料を含めた損害賠償を認容した判決を例示しておきます。


宇都宮地裁 猫の不妊手術の過誤による死亡

 5歳の雌猫の不妊手術での獣医師の医療過誤による損害賠償を求める裁判。総額で93万円の損害賠償が認容された。慰謝料が認められた他にも、5歳の猫の減価償却が適正に評価されていない、国際的にはありえない極めて偏った判決。


ペットの医療過誤認める 獣医師側に59万円支払い命令 2018年6月29日

 8歳の犬が獣医師の医療過誤で死に、飼主が獣医師を相手取って損害賠償を求めて裁判を提起した。慰謝料40万円等などが認められ、総額で約59万円の損害賠償が認容された。私が知る限り、欧米では獣医師の医療過誤によるペットの死で、慰謝料が認容された判決はない。まさに日本は世界に例を見ない、お犬様お猫様国家。


(動画)

 Full bodycam video of Nampa police officer shooting dog 「ナンパの警察官が犬を銃撃する様子がすべて映っている警察官のボディカメラのビデオ」 2020年2月25日

 2016年には、アメリカ合衆国連邦裁判所で「警察官が職務中に、飼犬が吠えたり動いたりした場合にその犬を射殺するのは憲法の財産権の保証には反しない(つまり警察官が職務中に飼犬を射殺されてもそれは正当な職務行為であり、飼主は死んだ犬の損害賠償を求めることはできないということ)」という判決が確定しました(*)。
 渋谷寛弁弁誤士は、「日本は欧米と異なり動物に対する法的な感性が相当遅れており、ペットを何らかの理由で殺害されても欧米異なり認められる慰謝料額は極めて低い」と記述しています。まさに真実とは正反対、180度逆の大デマ、大嘘、デタラメです。出典を全く調べずに単なる思いつき妄想なのか、それとも嘘デマデタラメを承知で情報を公にしたのか、いずれにしても精神状態が正常ではないと思われます。

(*)Federal court rules police can shoot a dog if it moves or barks when officers enter a home

アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」







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(summary)
Courts in most The u.s states limit the compensation to the owner's economic losses.
But in cases involving deliberate or malicious wrongdoing, some states allow courts to award compensation for the owner's emotional suffering or extra money as a form of punishment.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。アメリカのペットの死での慰謝料は、ほとんどの州の裁判所では認めていません。今回は故意に犬を殺害された場合で慰謝料を認めず、物損でも155ドル(1万7,000円あまり)と極めて低い金額しか認容されなかった最高裁判決の原文を取り上げます。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。

 アメリカ合衆国のいくつかの州では州最高裁でペットの殺害における損害賠償請求の判決があります。いずれも「ペット(動物)を命あるものとして、他の動産に優越して高額の慰謝料を認容した」判決はありません。さらに故意による殺害であっても、「慰謝料は認めない。ペットの犬はあくまでも動産として厳正に市場価格としてその損害を評価する」との2010年のヴァーモント州最高裁判決があります。この判決で認容された損害額は155ドル(1万7,000円台)と大変飼主原告にとっては厳しいものでした。
 しかしこの判決では他の州の法令及び最高裁判決等を援用し、さらに慣習法(コモン・ロー)により、ペット等動物はあくまでも物損としての評価のみを認めるのがアメリカ合衆国の伝統であり、慰謝料は認めないとしています。つまりこのヴァーモント州最高裁判決は、アメリカ合衆国のペットの死(殺害)における、損害賠償の算定のスタンダード=「あくまでも物損での時価評価。慰謝料は認めない」を示したものと言えるのです。以下に、判決文原文から引用します。


2010 VT 45 Scheele and Scheele v. Dustin (2009-213)「ヴァーモント州最高裁判決 事件番号 2010 VT 45 2010年」

Plaintiffs Sarah and Denis Scheele appeal from a judgment denying them recovery for emotional damages for the intentional killing of their pet dog, Shadow.
Though plaintiffs recovered $155 in economic damages for the destruction of their property, the issue is whether they are entitled to damages for emotional distress or loss of companionship as a result of Shadow's death.
Vermont does not recognize noneconomic damages for the malicious destruction of personal property, even when the property is a beloved pet.

In July 2003, plaintiffs were visiting from their home in Maryland when they stopped in the parking lot of a church in Northfield, Vermont.
While in the lot, their unleashed dog, Shadow, wandered onto an adjacent property.
When Shadow came into his yard, defendant aimed his pellet gun at Shadow and shot, killing Shadow.
Shadow had not exhibited any aggressive behavior towards defendant, nor posed any threat to him, nor was defendant in any physical danger at the time he fired his gun at Shadow.
Shadow died as a result of a pellet shot to the aorta valve resulting in a hemorrhage.
The shooting of Shadow by defendant was intentional and malicious.
Plaintiffs stood nearby and observed the impact of the shot on their dog and Shadow's immediate pain and death shortly thereafter.
Plaintiffs suffered severe emotional distress, manifested by recurring nightmares, sleeplessness, periods of sadness, and physical stress.

The court awarded full economic damages for the intentional destruction of property, citing Economou v. Carpenter, 124 Vt. 451, 453-54, 207 A.2d 241, 243 (1965) .
The court then discussed the propriety of granting noneconomic damages in claims for lost pets and concluded that Vermont law does not provide any recovery for plaintiffs' emotional distress based on the death of their pet dog.

Adhering to long standing precedent, we affirm the trial court's decision.
In line with a majority of jurisdictions, Vermont law has traditionally viewed animals, including pets, as a form of personal property, and this treatment continues up to the present.
"Common law generally treats animals as personal property."
noting Connecticut General Statute § 22-350 defines dogs as property.
under Florida law animals are considered to be personal property.
Minnesota law treats pets as property.
The law in Virginia, regards animals, as personal property.

Our case law is clear that noneconomic damagesas distinct from alternate means of valuing a pet's monetary worthare not available in property actions.

Other courts, wrestling with similar claims following the death of a pet, through negligence or an intentional act, have reached this same conclusion.
The Wisconsin Supreme Court addressed a suit for emotional damages when the plaintiff's pet dog was killed by city police.
The court noted that: A companion dog is not a fungible item, eqivalent to other items of personal property.

We do not doubt plaintiffs had a strong emotional bond with their dog and have suffered by Shadow's untimely death.
That said, we adhere to our long-standing precedents in affirming the trial court's ruling.

原告のサラさんとデニス・シーレ氏は、ペット犬のシャドウを故意に殺害されたことによる精神的損害の回復(慰謝料)を棄却する判決を不服として上訴しました。
原告らは彼らの財物の損壊(飼犬を殺されたこと)により155ドル(約1万7,000円)の経済的な損害賠償を得ましたが、問題は原告らが精神的苦痛またはシャドウ(犬)の死の結果としての、喪失の悲しみによる損害賠償を受ける資格があるかどうかです。
バーモント州はたとえその財物が最愛のペットであったとしても、個人財産への悪意のある損壊による非経済的損害(慰謝料)を認めていません。

2003年7月に原告らは、メリーランド州の自宅からバーモント州ノースフィールドの教会を訪問し、教会の駐車場に立ち寄りました。
原告らが教会の敷地内にいる間、原告らのリードから放された飼犬シャドウは、隣接する土地に侵入して徘徊しました。
(犬の)シャドウが被告の庭に入ったときに被告は散弾銃をシャドウに向けて撃ち、シャドウを殺しました。
シャドウは、被告がシャドウを銃で撃ったときは、被告に対して攻撃的な行動を示したり、被告に脅威を与えたり、物理的に危険にさらしたりしていませんでした。
シャドウは、大動脈に散弾の弾が命中し出血した結果、死亡しました。
被告によるシャドウの射撃は故意で、悪意があるものでした。
原告らは近くに立っていて、飼犬への銃撃の影響と、その直後のシャドウの苦痛と死にいたる一部始終を見ていました。
原告らは繰り返される悪夢、不眠、長期の悲しみ、および身体的ストレスによって現れる深刻な精神的苦痛に苦しみました。

ヴァーモント州最高裁判所は、ヴァーモント州法 Economouv. Carpenter,124 Vt.451,453-54,207 A.2d 24・243(1965)を援用し、財産の故意の破壊に対して完全な経済的損害賠償を認容しました。
その後裁判所は、死んだペットの請求において非経済的な損害賠償(慰謝料)を認めることの妥当性について審理し、バーモント州法はペットの犬の死に基づく原告の精神的苦痛の回復を認めていないと結論付けました。

ヴァーモント州最高裁判所は長年の判例を堅持し、原審裁判所の判決を支持します。
バーモント州の大多数の管轄地域では、伝統的にペットを含む動物を個人の所有物の形態の1つと見なしており、この扱いは今日まで続いています。
コモン・ロー(長年にわたる判例や慣習の積み重ね)では、一般的に動物は個人の所有物として扱います。
コネチカット州の一般法22条-350条では、犬を財物として定義していることに注意してください。
フロリダ州の法律では、動物は個人の所有物と見なされます。
ミネソタ州の法律は、ペットを財物として扱います。
バージニア州の法律は、動物を個人の所有物と見なしています。


判例法では、ペットの非経済的損害(慰謝料)を経済的価値として評価する代替手段は、財産に関する訴訟で用いることはできないと明確にしています。

ペットの過失または故意による殺害の後に、本件と同様の原告の主張を取り扱っている他の裁判所においても同じ結論に達しています。
ウィスコンシン州最高裁判所は、原告の愛犬が市の警察官に殺害されたときの精神的な損害賠償(慰謝料)の訴訟を扱いました。
裁判所は次のように述べています。伴侶動物の犬は代替可能なもの(非経済的な損害を代替として経済的な補償を代替として認められるもの)ではなく他の動産と同等です。


原告らが犬と強い感情的な絆を持ち、シャドウ(犬の名前)の早すぎる死に苦しんでいることは間違いありません。
とはいえ、最高裁判所は原審裁判所の判決を支持するに際して長年の判例を順守します。



 上記のヴァーモント州最高裁判所が判決の要点は次のとおりです。

1、事実認定
・被告は故意悪意によって原告の犬を殺害した。
・原告らの犬は殺害直前に、被告に危害を及ぼすおそれはなかった。
・原告らは自分たちの犬が射殺されるところを目の当たりにしており、精神的な苦痛を受けた。

2、損害賠償の支払について
・被告は原告らに対して155ドル(1万7,000円台)の損害賠償を支払うことを命じる。
・損害額は物損としての評価を厳正に行った。
・原告らの慰謝料請求は棄却する。

3、原告らの慰謝料請求を棄却した判決の理由
・コモン・ロー(コモン・ロー)により、ペットは財物であり、その破壊により慰謝料は認められないとする慣習法があるという学説。
・ヴァージニア州を始め他の州の法令においても、ペット(動物)は財物であり、その破壊による慰謝料は認められないと規定している。
・他の州の最高裁判決などにより、ペット(動物)の破壊は物損として評価し、慰謝料は認めないとする判例法が確立している。



 それにしても渋谷弁誤士の、出典の1つも挙げない妄想には驚くばかりです。学説、根拠法、判例の1つも挙げずに他国の法律や判決を論じるとは、ド素人のボケ老人が井戸端会議で与太話をしているのか ( ゚д゚)ポカーン。真実と渋谷寛弁誤士の言っていることは真逆です。それを不特定多数の人の目に触れるネットで公開するなってことです。


(動画)

 Video of Detroit police officer fatally shooting dog through fence goes viral 「デトロイトの警察官がフェンス越しに犬を撃って殺害したことが口コミで広まりました」 2020年8月24日

The officer said she was forced to shoot the other dog after the two dogs became tangled through a fence in the 15000 block of Alma Avenue.
When the K-9 approaches the fence, the white dog bit the K-9′s muzzle, trapping it through the fence.
That’s when the police officer fired her gun, causing the dog to fall back writhing in pain until it died.

警察官は2頭の犬がアルマアベニューの15000ブロックの柵に絡まった後に、もう1頭の犬を撃つことを余儀なくされたと述べました。
警察犬が柵に近づくと、白い犬が警察犬の口輪に咬み付いて咥え、柵に拘束しました。
その時に女性警察官は銃を発射し、その犬は倒れて死ぬまで苦痛で悶ました。


 それにしてもアメリカやドイツの警察官は犬を頻繁に射殺します。犬に人並みに高額な慰謝料が認められたら、これほど安易に犬を撃たないでしょう。ウィスコンシン州最高裁判所では、警察官が飼犬を射殺した事件では慰謝料請求を棄却しています。2021年にもメリーランド州控訴審判決で警察官が飼犬を射殺した事件でも慰謝料を棄却しています。

妊娠中の犬に銃を撃ち瀕死の重傷を負わせ生き埋めにしたブリーダー〜ドイツ






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メールはこちらへお寄せください。  dreieckeier@yahoo.de

(Zusammenfassung)
Schwerwiegende Tierquälerei durch Hundezüchter


 現在ドイツでは、ほとんど犬の生産は行われていません。正規の犬ブリーダーが、VDH(全ドイツケネルクラブ)に血統書申請を行った子犬の数は2017年には7万頭台にまで激減しています。対して合法非合法問わず、ドイツが輸入する犬の数は年間50万頭とされています。法律を順守してVDHの基準を満すとなれば、ドイツでは犬ブリーダーは利益が出る業種ではなくなっているのかもしれません。そのような背景もあり、ドイツでは無認可犬ブリーダーの犬虐待や、認可を付けているブリーダーでも詐欺などの違法行為が多く発生します。


 サマリーで述べたとおり、ドイツでは無認可犬ブリーダーの犬虐待事件や、認可を受けたブリーダーでも輸入子犬を自社生産と偽って高額で販売する詐欺などの犯罪が多く発生しています。すでに「まとも」にやれば、ドイツでは犬ブリーダーは利益が出る事業ではないのかもしれません。
 良質な犬ブリーダーに代わり、無認可の動物虐待犬ブリーダーや、認可を受けているブリーダーでも安く外国から子犬を輸入して自社生産品として高額で売る詐欺を働いたりという事件が絶えません。以下に具体例を取り上げます。


Hund erschossen, “weil sie schwanger war” –Gefängnis ohne Bewährung 「『その犬が妊娠していたので』銃で撃たれたー執行猶予なしの実刑判決」 2021年3月2日

Dem Angeklagten Erwin S. konnte mit Hilfe pathologischer Untersuchungen nachgewiesen werden, dass er seine acht Jahre alte Zuchthündin “Nena” mit 2 Schüssen grausam getötet hatte.
Dazu hatte er sie zunächst mit einer 9 mm Patrone zwischen die Augen in den Kopf geschossen.
Der Schuss war zu tief angesetzt und die Kugel traf nicht das Gehirn, sondern zerstörte “nur” durch die Nasenbeine, den Gaumen und die Zunge und verletzte die Hündin schwer.
Danach verließ der Schütze seine am Boden leidende, mit 11 Welpen trächtige Hündin im Todeskampf.
Geraume Zeit danach schoss er die Hündin in den Brustkorb, traf aber auch nicht direkt das Herz, sondern zu weit vorne, so dass der Todeskampf der Hündin noch einen Moment länger andauerte.
Der Richter nannte es “eine barbarische Hinrichtung“.
Anschließend vergrub Herr Erwin S. die Hündin auf seinem Grundstück, wo sie später von der Polizei wieder ausgegraben wurde.
Das Veterinäramt war spätestens seit 2017 über die tierschutzwidrige Hunde-Haltung und den Verdacht auf untergeschobene Welpen informiert.
Bis heute gibt es keine §11er Erlaubnis nach Tierschutzgesetz zum Verkauf der Hunde.
Bis heute gibt es nicht einmal ein Tierhalteverbot.
Am Ende verurteilte der Richter Erwin S. zu einer Gesamtstrafe von 2 Jahren und 3 Monaten Haft und das, auch auf Grund seiner Sozialprognose und eines Vorstrafenregisters mit 6 Eintragungen, ohne Bewährung!

アーウィン・S被告人が8歳の繁殖雌犬「ネナ」を2発の銃弾で残酷に殺したことを、病理学的検査の助けを借りて証明することができました。
被告人は最初に雌犬の目と目の間に、9mmのカートリッジピストルで雌犬の頭を撃ちました。
銃撃の角度が深すぎて弾丸が脳に達することはありませんでしたが、鼻骨、口蓋、舌を通して「単に」組織が破壊され雌犬に重傷を負わせました。
被告人は地面に倒れて苦しんでいる、11匹の子犬を妊娠していた雌犬の苦痛を長引かせました。
大分たってから被告人は雌犬の胸を撃ちましたが、あまりにも心臓から遠くで直接当たることはなく、雌犬の苦痛はさらに長く続きました。
裁判官はそれを「野蛮な処刑」と言いました。
それからアーウィン・S被告人は犬を自分の所有地に埋め、雌犬は後に警察によって再び掘り起こされました。
獣医局(動物取扱業者の所管行政組織)は遅くとも2017年以来、被告人の動物保護法違反と子犬の繁殖の疑いについて通報を受けていました。
被告人は今日まで、動物保護法11条による犬の販売に関する認可を受けていません。
現在まで被告人は動物の飼育は禁止されていません。
結局裁判官はアーウィン・S被告人に懲役2年3か月の刑を言い渡しましたが、その根拠は被告人を執行猶予としても改善が期待できないことと、執行猶予なしの6件の実刑判決の前科があることです。


(動画)

 Illegaler Welpenhandel: Mieses Geschäft mit Hunde-Babys | Markt | NDR 「違法な子犬の取引:お粗末な子犬のビジネス| マーケット」 2020年10月20日公開

 本文でも書きましたが、現在ドイツで全ドイツケネルクラブで血統書が発行される犬(合法的に、ドイツの厳しい飼養基準を満たして繁殖された子犬)は、わずか年間7万頭台です。ドイツでは、犬ブリーダーはほぼ壊滅した業種です。50万頭が違法合法含めて東欧などから輸入され、インターネットで販売されます。
 ドイツの犬の飼養基準はたしかに厳しいのですが、それを順守して利益を出すことはほぼ不可能になっています。残るのは無認可の違法ブリーダーか、東欧などで劣悪飼育された密輸も含む安価な子犬です。

Die todkranken Welpen stammen oft aus Ost-Europa und werden über eBay-Kleinanzeigen angeboten.
末期の病気の子犬はしばしば東ヨーロッパから輸入されて、eBay(ヨーロッパの大手インターネット販売ポータル)の広告で販売されます。


プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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