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アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い







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(summary)
Courts in most The u.s states limit the compensation to the owner's economic losses.
But in cases involving deliberate or malicious wrongdoing, some states allow courts to award compensation for the owner's emotional suffering or extra money as a form of punishment.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。アメリカのペットの死での慰謝料は、ほとんどの州の裁判所では認めていません。さらに故意に犬を殺害された場合で慰謝料を認めず、物損でも155ドル(1万7,000円あまり)と極めて低い金額しか認容されなかった最高裁判決があります。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。

 今回はアメリカ合衆国のペットの過失死での損害賠償請求に関する、州最高裁判決を取り上げます。なおアメリカ合衆国では、州法に関わる訴訟は州最高裁が終審です(アメリカ合衆国連邦裁判所)。
 私は動物の死に関する損害賠償請求の判例集(Pet Damages: Related Cases 「ペットの損害賠償にかかる判決」 ミシガン州立大学)を全て目を通しました。いくつかの州では、州最高裁判所の判決があります。結論を述べれば、州最高裁でのペットに関する損害賠償訴訟においては、次のとおりです。

1、ペットが他者による過失、さらに故意により殺害された場合では、経済的損失は損害を受けた時点での時価で持って評価する。
2、慰謝料は棄却する(認めない)。故意による殺害でも多くの州は認めない(ごく例外的に認める州はある。とは言え、ペットを他の動産に優越して慰謝料を認めているわけではない)。
3、ペットの過失死で認められた損害額は極めて低い。雑種や高齢ペットであれば、厳正に時価評価されるため。



 私は連載記事で、ルイジアナ州で交通事故で飼主の目前で犬が自動車に衝突して死んだ(過失割合は自動車の運転手が100%)事件を取り上げました。控訴審まで争われましたが、控訴審判決では「物損と慰謝料を含めて犬の過失での死による損害は10,000ドル(約110万円)との判決でした。
 しかしこの「ペットの過失死で慰謝料が認容された判決は、アメリカ合衆国においては極めて例外です。これはルイジアナ州の「財物(ペット以外の「命がない」財物も含め)が所有者の目前で破壊され、所有者が心理的な外傷を負う場合は慰謝料を認める」という特殊な州法の規定が根拠です。アメリカ合衆国の大多数の州では故意であっても、財物に対する被害は慰謝料を認めないのです。この財物には、ペットなどの動物も含まれます。アメリカ大多数の州の裁判所では、ペットが殺害された場合の慰謝料請求を認めていません。

 その典型的な、アメリカの州最高裁判決を今回は取り上げます。故意に飼犬を射殺された原告ら夫婦は、犬を射殺した被告に対して慰謝料を含めた損害賠償求める裁判を提起しました。結果は大変厳しく、原審では物損の155ドル(約1万7,000円)のみが認容されました。原告らは最高裁まで争いましたが、最高裁は原審判決を支持しました。
 その判決の概要を報じる、ニュースソースから引用します。この判決は大変ペットの飼主には厳しい内容ですが、ペットなどの動物が殺害された場合での、アメリカ合衆国での損害賠償の司法判断のスタンダードといえるものです。以下に引用します。


Court Limits Damages for Loss of Family Pet to $155 「(バーモント州最高)裁判所は家族同様のペットの死による損害賠償を155ドル(約1万7,000円)に制限しました」 2010年 バーモント州最高裁で、飼犬を故意に射殺された犬の飼主が慰謝料も含めた損害賠償を求めたところ、原審判決では物損しか認められなかったために原告が最高裁まで争った事件です。結果は慰謝料請求は棄却されました。それを伝えるマスコミのニュースです。

A family whose dog was gunned down by a neighbor cannot collect for emotional damages, the Vermont Supreme Court ruled.
Sarah and Dennis Scheele were visiting from Maryland.
Their dog, Shadow, wandered onto the property of Lewis Dustin.
Dustin blasted Shadow with the gun, and the Scheeles watched their dog die of an aortic hemorrhage.
The Scheeles sued Dustin, and the trial court awarded them the monetary value of the dog: $155.
The couple appealed, seeking compensation for emotional distress and loss of companionship.
Justice Marilyn Skoglund ruled that Vermont law does not allow for non-economic compensation for the loss of a pet.

犬が近隣住民に射殺された家族は慰謝料を請求することはできないと、バーモント州最高裁判所は判決を下しました。
サラさんとデニス・シーレ氏(原告)はメリーランド州から(バーモント州に)訪れていました。
夫婦の飼犬のシャドウは、ルイス・ダスティン氏(被告)の私有地内で徘徊していました。
ダスティン氏は銃でシャドウを射殺し、シーレ氏は自分たちの犬が大動脈出血で死ぬのを目の当たりにしました。
シーレ氏はダスティン氏を訴えましたが、原審裁判所は原告らに犬の金銭的価値である155ドル(約1万7,000円)の損害のみ認容しました。
夫婦は、精神的な苦痛と犬を失ったことの悲しみに対する補償(慰謝料)を求めて上訴しました。
(バーモント州最高裁の)マリリン・スコグランド判事は、バーモント州の法律ではペットの死に対する非経済的な補償は認められていないとの判決を下しました。
州最高裁は原審判決を支持するに当たり、長年にわたり確立された判例法を順守します。



 次回はこの判決の原文を取り上げ、考察を行います(2010 VT 45 Scheele and Scheele v. Dustin (2009-213))。本判決では、他の州の州最高裁判決ななどを多数援用しています。
 この最高裁判決文を読めばアメリカ合衆国での司法判断は概ね、ペット等の動物の殺害においては、過失のみならず故意であっても認容される損害賠償の範囲は慰謝料を認めず、経済的な損失に限るとしています。


(動画)

 A New Jersey police officer is seen on bodycam footage shooting a dog that charged at him while on the street. 「ボディカメラの、ニュージャージー州の警察官が路上で攻撃してきた犬を撃っている映像を見ることができます」 2019年7月3日
 
 2021年にメリーランド州で警察官が原告私有地内で飼犬を射殺した事件では、控訴審では原告飼主に対する慰謝料は認容されませんでした(A dog named Vern was fatally shot by police. But compensation for his death will be limited. 2021年6月10日)。この事件ではどうだったのでしょうか。しかし渋谷寛弁護士が言うように「欧米では犬などのペットの殺害では人と同等の慰謝料が認められる」のならば、ドイツやアメリカの州は警察官が犬を撃ち殺す数は尋常ではないので、それだけでも財政破綻するでしょう(笑)。

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アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決







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Courts in most The u.s states limit the compensation to the owner's economic losses.
But in cases involving deliberate or malicious wrongdoing, some states allow courts to award compensation for the owner's emotional suffering or extra money as a form of punishment.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。アメリカのペットの死での慰謝料は、ほとんどの州の裁判所では認めていません。過失による死傷で慰謝料を認めた判決は極めてまれで、獣医の医療過誤で認めた判決は確認できていません。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。すでに連載でオーストリア最高裁判所での「犬の死での慰謝料請求を棄却する」という判決と、動物の死での慰謝料請求を認めないとするドイツの民法の規定を取り上げました。
 米国においても「ほとんどの州の裁判所はペットの過失による死傷では物損とされ、慰謝料は認容しない」のです。極めて稀に交通事故死した犬を目の当たりにした飼主の精神的苦痛に対して慰謝料を含めて1万ドル(約110万円)を認容した控訴審判決がルイジアナ州にあります。しかしこの法的根拠はルイジアナ州の「所有者の目前で財物が破壊され、所有者が精神的な苦痛を受けた場合は慰謝料を認める」という州法の規定に基づきます。この規定では、対象となる財物はペット等の動物に限りません。なおアメリカでは、獣医師やトリマーの過失によるペットの死傷で慰謝料を認容した判決は確認できていません(読者様でご存じの方がいらしたらコメント下さい。ただし原語の資料で係属裁判所と事件番号が明記されたものに限ります)。

 今回は前回に続いて、アメリカ合衆国について述べます。アメリカ合衆国では2018年と2021年に控訴審でペットの犬の過失での死亡での慰謝料請求を棄却した判決が相次ぎました。これはアメリカ合衆国においても「ペットの過失による死傷はあくまでも物損として評価すべきで慰謝料は認められない」という、従来の司法判断を踏襲したものと言えます。以下に、具体的な判決を取り上げます。


Court Name: Court of Appeals of Indiana Primary Citation: 107 N.E.3d 478 (Ind. Ct. App.), transfer denied, 113 N.E.3d 627 (Ind. 2018) Date of Decision: Monday, July 23, 2018 「裁判所名:インディアナ州控訴審裁判所 原審判決:事件番号107 N.E. 3d 478(Ind. Ct. App.)移送不許可 113 N.E. 3d 627(Ind.2018) 判決言い渡し:2018年7月23日月曜日」

Summary
Harry Bloom, a security officer at Versailles State Park (VSP) began installing his own lethal traps with the authorization from the park’s manager.
As a result, Melodie Liddle’s dog, Copper, died in a concealed animal trap in the park.
Liddle filed suit against several state officials.
The trial court awarded damages to Liddle for the loss of her dog.
Liddle appealed the trial court’s ruling in excluding sentimental value from Liddle’s calculation of damages.
The Court also concluded that recovery of a pet is limited to fair market-value since animals are considered personal property under Indiana law.
The Court ultimately affirmed the trial court’s ruling.

Facts and Procedural History
Liddle was entitled to $477.00 in damages, reflecting a calculation of Copper's fair market value as drawn from examples of beagle sales in Indiana that were submitted by the parties.

Damages
We are constrained to follow precedent and to conclude the trial court did not err in limiting Liddle's damages to Copper's fair market value.
The Wisconsin Supreme Court said in denying recovery for emotional distress arising from the killing of a pet.
Where pets are concerned, we follow Indiana's longstanding precedent limiting recovery to the pet's fair market value.

Conclusion
For the reasons stated above, we affirm the judgment of the trial court.

Facts and Procedural History
Liddle was entitled to $477.00 in damages, reflecting a calculation of Copper's fair market value as drawn from examples of beagle sales in Indiana that were submitted by the parties.

Damages
We are constrained to follow precedent and to conclude the trial court did not err in limiting Liddle's damages to Copper's fair market value.
The Wisconsin Supreme Court said in denying recovery for emotional distress arising from the killing of a pet.
Where pets are concerned, we follow Indiana's longstanding precedent limiting recovery to the pet's fair market value.

Conclusion
For the reasons stated above, we affirm the judgment of the trial court.

概要
インディアナ州にあるベルサイユ州立公園(VSP)の警備員であるハリーブルーム氏は公園の管理者の許可を得て、アライグマ駆除用の自分の致死的なわなの設置を始めました。
その結果、メロディ・リドル氏(原告)の飼犬であるコッパーは、公園内に隠してあった罠で死にました。
リドル氏は、数人の州当局者に対して訴訟を提起しました。
原審裁判所は、リドル氏の犬が死んだことでリドル氏への損害賠償を認容しました。
リドル氏はリドル氏の損害賠償の計算から、精神的な損害を除外するという原審裁判所の判決に対して控訴しました。
控訴裁判所は、動物はインディアナ州法の下では動産と見なされるため、ペットの損害の回復は公正な市場価値に限定されると結論付けました。
控訴審裁判所は最終的に、原審裁判所の判決を正しいとしました。

事実認定と訴訟の経緯
リドル氏(原告)は当事者によって提出されたインディアナ州でのビーグル犬の販売の例から導かれたコッパー(死んだ飼犬)の公正な市場価値の計算を反映して、477.00ドル(約5万2,000円)の損害賠償を受ける権利がありました。

損害額に関して
控訴審裁判所は判例により、原審裁判所がリドル氏(原告)の損害賠償でコッパー(死んだ飼犬)の公正な市場価値に限定することに誤りはなかったと結論付けなければなりません。
ウィスコンシン州最高裁判所は、ペットの殺害から生じる精神的苦痛の回復を否定すると述べました。
ペットに関しては控訴審裁判所は、インディアナ州の長年にわたる判例に従い、ペットの(死傷では)公正な市場価値での損害賠償に制限しています。

結論
上記の理由により、原審裁判所の判決を支持します。



 この控訴審判決は原審判決の「ペットの過失による死による損害は、厳格に市場価値で評価した物損としての損害額のみが認容される。ペット(犬)の死での慰謝料請求は棄却する」を支持しました。判決の中で、本事件はインディアナ州の裁判所に係属しているにも関わらず、ウィスコンシン州最高裁の、「ペットの殺害では慰謝料は棄却する」との判決を援用しています。
 また死んだペットの物的な損害額は厳正な市場価値に基づくために、日本では考えられないほど賠償額は低くなります。例えば雑種の犬猫で入手の際にほぼ無料であった、もしくは高齢ペットで減価償却が進んである場合はそれが考慮されるということです。その点では、私は日本のペットの過失死での損害賠償では、裁判所は恣意的により高額な評価をしていると思います。

 次回は、アメリカ合衆国における、州最高裁のペットの過失死における慰謝料請求裁判の判決について述べます。結論から言えば、アメリカ合衆国の州最高裁では、ペットに過失死で他の動産に優越して慰謝料を認めた判決は確認できていません。
 アメリカ合衆国では、連邦法に関する訴訟以外は、州最高裁が終審です(根拠となる州法が連邦法に反するという訴え以外は例外的に認められる)。複数の州最高裁判決では、ペットの死での慰謝料請求を故意による殺害を含めて棄却しています。対して過失死でペットの慰謝料を他の動産に優越して慰謝料の支払いを認容した判決はありません。まさに渋谷寛弁護士の「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」との発言は、真逆も真逆、狂気の嘘、デマです。渋谷寛弁護士は、アメリカ合衆国の州最高裁判決で「ペットの過失死で日本よりはるかに高額の慰謝料が認められた判決」を示されたい。それがなければ、病的妄想癖の精神疾患と疑われてもやむを得ないでしょう。


(動画)

 Catching a raccoon in a dog proof trap 「犬でも対応可能なわなでアライグマを捕まえる」 2017年2月2日

 アライグマは北米では在来動物ですが、繁殖力の旺盛さなどにより農業被害や一般家庭の被害が深刻です。そのためにアメリカでは、アライグマの駆除を進めている州が多いです。中にはデストラップもあり、犬がそれにより死ぬこともあります。しかし犬がそれにより死んだとしても、損害賠償額は驚くほど低く慰謝料は認容されません。



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アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決







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(summary)
Courts in most The u.s states limit the compensation to the owner's economic losses.
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 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。アメリカのペットの死での慰謝料は、ほとんどの州の裁判所では認めていません。過失による死傷で慰謝料を認めた判決は極めてまれで、獣医の医療過誤で認めた判決は確認できていません。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。すでに連載でオーストリア最高裁判所での「犬の死での慰謝料請求を棄却する」という判決と、動物の死での慰謝料請求を認めないとするドイツの民法の規定を取り上げました。

 今回は前回に続いて、アメリカ合衆国について述べます。前回記事、・アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない では、アメリカ合衆国のほとんどん州ではペットはあくまでも所有物として扱い、その死傷による慰謝料は認めていないことを述べました。さらにその原因が過失によれば、ほぼ慰謝料が認められることはないことも述べました。
 アメリカで交通事故による犬の過失による死亡で、慰謝料を認めた判決が1件確認できました。しかもその根拠は「ペット(動物)を命るものとして尊重する」のではなく、「対象となる財物を所有者の目前で破壊した場合は所有者の心理的苦痛に対して慰謝料を例外的に認める」という州法です。ですからペットに限らず、クラシックカーや美術品でも、所有者の目前で破壊されれば慰謝料請求が可能ということです。以下に、その判決を引用します。


Court Name: Court of Appeal of Louisiana, Fourth Circuit Primary Citation: 97 So.3d 1019 (La.App. 4 Cir.,2012) Date of Decision: Monday, March 12, 2012 「裁判所名:ルイジアナ州控訴裁判所 原審判決:97 So 3d 1019(La.App.4Cir.2012)判決言渡し 12年3月12日月曜日」 判決文全文

Summary
Louisiana dog owners sued motorist for mental anguish and property damage after their dog was hit and killed by defendant's car.
The lower court awarded damages to each of the dog owners in the total amount of $10,000.

Judge
This is a tort suit for damages resulting from the loss of a pet dog that was killed in a pedestrian-motorist accident.
The trial court did not abuse its discretion in its award of damages.
Therefore, we affirm.

FACTUAL AND PROCEDURAL BACKGROUND
On January 19, 2009, at approximately 7:30 p.m., the front end of the vehicle being operated by ​Mr. Cuti struck Sonny and Ellen Barrios' seventeen-year old son, Matthew Barrios, and their twelve-year old Labrador retriever, Yellow.
As a result of the accident, Matthew Barrios sustained personal injuries, and Yellow died on the scene.
The trial court found Mr. Cuti was solely at fault.

DAMAGES
In Louisiana, a domestic animal is considered corporeal movable property.
An award for mental anguish, allegedly resulting from property damage, is permissible only when the property is damaged
The trial judge reasoned that the plaintiffs suffered a severe loss and severe emotional distress as a result of the loss of their pet.
The dog was a part of their lives for approximately twelve years and that his loss caused them psychic trauma.

DECREE
For the foregoing reasons, the judgment of the trial court is affirmed.
The jurisprudence has limited the recovery of mental anguish damages for damages to property to four categories of cases:
(1) when the property was damaged by an intentional or illegal act;
(2) when the property was damaged by acts giving rise to strict or absolute liability;
(3) when the property was damaged by activities amounting to a continuous nuisance; and
(4) under circumstances where the owner was present or nearby at the time the damage occurred and suffered psychic trauma in the nature of or similar to a physical injury as a direct result of the incident itself.
Noting that “Yellow was killed when the plaintiffs were nearby” and that Sonny and Ellen Barrios arrived immediately after the accident and saw Yellow dead on the road, the trial court found this case fell within the fourth category—“situated nearby.”

事件の概要:
ルイジアナ州の犬の飼主ら(原告)は、飼犬に被告の自動車が衝突し犬がそれにより死んだ後に、精神的苦痛(慰謝料)と物的損害で運転手(被告)を訴えました。
下級裁判所は、それぞれの犬の飼い主に合計10,000ドルの損害賠償の支払いを被告に命じました。

判決
本事件は歩行者と運転者の事故で死亡した愛犬を失ったことによる、不法行為による損害賠償請求訴訟です。
原審裁判所は損害賠償額の裁量において、裁量を乱用しませんでした。
したがって、本裁判所(控訴審)は決定します。

事実と手続きの背景
2009年1月19日午後7時30分ごろ、キューティ氏(被告)が運転している自動車の前部が、サニーさんとエレン・バリオス氏の17歳の息子、マシュー・バリオスさん(原告)と、12歳のラブラドールレトリバーのイエロー(犬の名前)に衝突しました。
事故の結果、マシュー・バリオス氏は人身傷害を負い、イエローは現場で死亡しました。
原審裁判所は、キューティ氏の単独の過失(被告の過失割合が100%)であると認定しました。

損害
ルイジアナ州では、家畜は動産と見なされています。
物的損害に起因する精神的苦痛に対する裁判所の判断では、物的損害が発生した場合にのみ認容されます。
本件訴訟において裁判官は、原告がペットを失った結果として深刻な喪失感と精神的苦痛を受けたと推定しました。
犬は約12年間原告らと生活を共にし、犬の死は原告らに精神的外傷を与えました。

法的根拠
上記の理由により、原審裁判所の判決は支持されます。
法律上財産への損害に対する精神的苦痛の損害賠償の回復は、(ルイジアナ州法では)次の4つの類型の場合に限るとされています。
(1)故意または違法行為により財産が損害を受けた場合。
(2)厳格または無過失責任による行為でもって財産が損害を受けた場合。
(3)継続的な迷惑行為により財産が被害を受けた場合。 そして、
(4)被害が発生した時点で所有者がまさにその場にいた、または近くにいて事件の直接の結果として被害者が身体的傷害の性質をもつ、または類似の精神的外傷を負った状況下に至ったこと。
「原告が近くにいたときにイエロー(犬)が殺された」こと、そして事故直後にサニーさんとエレン・バリオス氏(飼主原告ら)が到着し、道路でイエロー(犬)が死んでいるのを目撃したと述べていることから、控訴審裁判所はこの事件が「所有財産の被害を目前にした」という第4の類型に該当すると認定しました。


 引用したルイジアナ州控訴審判決では、犬が交通事故(過失割合は運転手が100%と認定)で死亡した事件に関して、物的損害と精神的苦痛に対する補償(慰謝料)を併せて、被告に1万ドル(約109万円)を原告に支払うことを命じました。この判決の根拠となったのは、ルイジアナ州法の、「物的損害で慰謝料を認める4類型」のうち、「所有者がその財物の破壊の現場に居合わせたこと、近くで目撃したことで精神的ショックを受けた場合」に該当するということです。判決では、「犬は12年間生活を共にし、その死は原告らに大きな精神的損失を与えた」事実は認めているものの、それが被告に慰謝料の支払いを命じる根拠とはしていません。
 渋谷寛弁誤士が例示した日本の「獣医師の過誤で手術で猫が死んだ」判決では、飼主原告が「猫の死をまさに目前にした」ことはないでしょう。ですから同様の事件では、ルイジアナ州では慰謝料は認められないと思います。またルイジアナ州の控訴審判決で認められた損害賠償の総額は1万ドル(約109万円)であり、日本の判決での認容額と比べて著しく高額とは言えません。

 なお私が調べた限り、アメリカ合衆国では獣医師による医療過誤でのペットの死傷や、トリマーなどのペットサービス提供者の過失によるペットの死傷で慰謝料が認められた判決はありませんでした。渋谷寛弁誤士の例示した「獣医師の過誤により猫が死んで慰謝料も含めて93万円の損害賠償が認容された判決」は、国際的にも特異で、極めて賠償額も高額と言えます。
 今回私が取り上げたルイジアナ州の控訴審判決は2012年のものです。その後アメリカ合衆国では、2018年に「州が設置したアライグマ駆除のわなに誤って飼犬がかかり殺害された事件」や、2021年の「警察官が誤認捜査で私人宅に押し入り、飼犬を殺害した事件」(*)では、いずれも原告飼主の、犬の殺害による慰謝料請求を棄却しています。これらの判決は次回以降の記事で取り上げます。これらの事実は、アメリカ合衆国においても、概ね「ペットの死では慰謝料は認めない」という司法判断が定着していると言うことを意味すると思います。渋谷便後死、まじで精神科を受診してくれ。

* ドイツでは同様のケースでは物的損害すら補償されていない。


(動画)

 Dog Hit "Live on TV" During LA Pursuit, Saved by Media / Los Angeles WARNING ***GRAPHIC*** 「犬が自動車に衝突 ロサンゼルス警察車両が追跡中」 2014年9月18日

 ロサンゼルスで警察車両が追跡中に、近隣のリードなしの犬が飛び込んで大事故が起きました。犬は獣医クリニックに連れて行かれました。犬の飼主は高額の損害賠償をその後請求されるのは間違いないです。アメリカではリードなしの犬の飛び出しでの自動車事故では、犬の飼主に賠償を命じた判決が多数あります。対してドライバーの過失では、ドライバーにペットの死による慰謝料の支払いが命じられることはほぼありません。

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アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない







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(summary)
Courts in most The u.s states limit the compensation to the owner's economic losses.
But in cases involving deliberate or malicious wrongdoing, some states allow courts to award compensation for the owner's emotional suffering or extra money as a form of punishment.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。すでに連載記事でドイツでは民法の規定で、オーストリアの犬の死による慰謝料請求を棄却した最高判決の解説を行いました。今回はアメリカのペットの死による慰謝料に関する司法判断について述べます。結論から言えば、アメリカのほとんどの州で、ペットの死傷に対する慰謝料を否定しています。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。すでに連載でオーストリア最高裁判所での「犬の死での慰謝料請求を棄却する」という判決と、動物の死での慰謝料請求を認めないとするドイツの民法の規定を取り上げました。
 
 今回はアメリカ合衆国の、「動物(ペット)の死での慰謝料請求」について取り上げます。結論から言えば、アメリカ合衆国では殆どの州で、ペットの過失での死傷では慰謝料請求は否定されています。アメリカ合衆国のほとんどの州法では、ペット(動物)に対する損害はあくまでも物損としての評価のみが、損害賠償の金額として認められます。例外的に、悪意を持って故意に飼主を苦しめるためにペットを残虐な方法で苦しめて死傷させた場合ではごく一部の州に限り、裁判所は加害者被告に原告被害者(飼主)に対して慰謝料の支払いを認容しています。
 以下に、アメリカ合衆国でのペット(動物)の死傷に関する慰謝料請求について、包括的にまとめられたサイトから引用します。


When a Pet Is Injured or Killed: Compensating the Owner By Mary Randolph, J.D. 「ペットが負傷したり殺されたりした場合:飼い主への賠償」 メアリー・ランドルフ法学博士

While most Americans treat their companion animals like members of the family, the law generally treats them like personal property.
Courts in most states limit the compensation to the owner's economic losses.
But in cases involving deliberate or malicious wrongdoing, some states allow courts to award compensation for the owner's emotional suffering or extra money as a form of punishment.
So far, at least, courts in most states follow the traditional view that owners aren't entitled to recover non-economic losses for sentimental value or lost companionship when their pets are killed through negligence (see Strickland v. Medlen, 397 S.W.3d 184 (Tex. 2013) and Barking Hound Village, LLC v. Monyak, 787 S.E.2d 191 (Ga. 2016)).
Courts in most states don't allow claims for emotional distress when defendants were simply negligent (see, for example, Kaufman v. Langhofer, 222 P.3d 272 (Ariz. Ct. App. 2009)).
But a distressed pet owner may have more success when the defendant acted maliciously or meant to make the owner suffer (what's known as "intentional infliction of emotional distress").
In a particularly egregious case, a Washington appellate court found that a cat's owner was entitled to $5,000 for the sleeplessness, depression, and other emotional distress that she experienced after three boys maliciously set her cat on fire (Womack v. Von Rardan, 135 P.3d 542 (Wash. Ct. App. 2006)).

ほとんどのアメリカ人は自分のコンパニオンアニマル(ペット)を家族同様に扱いますが、法律は一般的にはペットを個人の所有物として扱います。
アメリカのほとんどの州の裁判所は(ペットの死傷での)損害賠償を、飼主の経済的損失に限定しています。
しかし故意または悪意のある不正行為を伴う場合は、一部の州では裁判所が飼主の精神的な苦痛として、または懲罰としてそれを超える金銭による賠償を飼主に支払うことを認容しています。
これまでのところ、少なくともアメリカのほとんどの州の裁判所は、ペットが過失によって死亡に至った場合においては飼主は精神的な苦痛や、ペットを失うことにより伴侶を失う喪失感という非金銭的な損害を回復する権利は無いという伝統的な見解に従います(Stricklandv. Medle, 397 SW3d 184を参照) (Tex.2013)およびBarking Hound Village, LLCv.Monyak,787 SE2d 191(Ga.2016))。
アメリカ合衆国のほとんどの州の裁判所は、(ペットを死傷させた)被告が単に過失であった場合は、精神的苦痛の主張を認めていません(たとえば、Kaufmanv.Langhofe, 222 P.3d 272(Ariz.Ct.Ap. 2009)を参照)。
しかし精神的苦痛を受けたペットの飼主は、被告の行為が悪意に基づくものであったり、故意に飼い主を苦しめることを意図した場合は、より多くの損害賠償が認められる可能性があります(「故意による精神的苦痛」として知られています)。
特にひどい事件ですが、ワシントン州の控訴裁判所は、猫の飼主が3人の少年が悪意を持って猫に火をつけた後に経験した不眠、うつ病、およびその他の精神的苦痛に対して5,000ドルの権利があると認定しました(Womackv.VonRardan,135 P .3d 542(Wash.Ct.App.2006))。


 アメリカ合衆国におけるペットの死傷においての裁判所の判断は、まとめると次のようになります。
1、アメリカ合衆国の殆どの州では、ペットの死傷においての損害賠償請求では経済的損失に限定される。
2、ごく一部の州では、加害者被告の行為が悪意がありかつ故意であった、もしくは特殊な事情がある場合は、飼主原告に対して慰謝料の請求を認めている。
3、つまり過失でのペットの死傷(例えば獣医師による過誤、交通事故、ペット預かり業者やトリマーの過失による死傷など)では、アメリカ合衆国では慰謝料の請求はほとんどの州で認められない。


 渋谷寛弁誤士は、「日本は欧米に比べてペットの死亡で認容される慰謝料額は著しく低い」としています。そのうえで「不妊手術の過誤により飼い猫が死に、それによる損害賠償額が精神的苦痛の慰謝料も含めて93万円だった」と述べています。
 この獣医師による医療過誤は獣医師の過失です。アメリカ合衆国では、全州において同様のケースではまず慰謝料は認められないということになります。まさに真逆も真逆、これほどひどい嘘を堂々と公にできるとは(呆)。この方は精神科を受診されたほうが良いと私は思います。そもそもペットの過失死で慰謝料が認められたという判決は、私が知る限り欧米ではほぼありません。ワシントン州の「飼猫に火を付けて殺害された飼主が精神的ショックを受けて慰謝料5,000ドルが認容された」との判決も故意悪意の殺害の様態からすれば、著しく高額とは思えません。
 渋谷寛弁誤士は「欧米は動物の法的地位は人と同等」といい、獣医師の過失による猫の死93万円の慰謝料の認容でも「少ない」と言っているのです。犬猫を誤って死なせれば欧米では「数千万円かそれ以上」の慰謝料が認容されているという勢いの書き方です。このような荒唐無稽な妄想は、精神病院の閉鎖病棟の壁に向かって好きなだけ呟いていろと言いたいです。


(動画)

 Malpractice at Veterinary Hospital 「医療過誤 獣医病院にて」 2014年5月9日
 Veterinary malpractice(医獣医師の医療過誤)というよりは、Animal cruelty(動物虐待)というべき。アメリカ合衆国では、過失によるペットの死傷では慰謝料請求はほぼ認められていません。頭が沸いた渋谷寛弁誤士、「日本は欧米に比べてペットの死での慰謝料額が著しく低い」って、具体的に判例を示されたい。

「ドイツのティアハイムの譲渡率は90%以上」は大嘘。70%台で日本の犬の公的譲渡率と変わらない







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(Zusammenfassung)
Prozentsatz der Tiere, die an neue Besitzer im Tierheim, Deutschland, vermittelt wurden ist Ca.75%.


 記事、
「ドイツでは動物実験を禁止している」という大学教授の狂気
ドイツ、ギリシャの動物政策のデマをばらまく有馬めぐむ、浅川千尋 堀内みどり
の続きです。
 連載で天理大学教授、堀内みどり氏の大嘘論説を取り上げました。それには「ドイツでは動物実験を法律で禁止している」などの卒倒しそうな大嘘が満載に記載されていました。これらの記述の根拠は浅川千尋、有馬めぐむ両氏の著作を紹介したものです。特に有馬めぐむ氏は誤り嘘が極めて多く、マスコミに寄稿した記事では、正確なものは1つも私は確認していません。



 サマリーで示した、動物愛護誤ジャーナリストの有馬めぐむ氏は、マスコミに複数の寄稿を行っていますが、私が確認した限り正確な記事は1つもありません。たとえば次の記事です。
 ドイツとギリシャが教える「ペット殺処分がなくならない日本」の異常 2018年9月11日 この記事で書かれている、ドイツ、ギリシャに関する記述はほぼすべてが誤りです。そのいくつかを引用します。


1、(ドイツの)ティアハイムでは(中略)、世話がきちんとできるか、快適な環境を用意できるかなど、飼い主のチェックは厳しく行われる。
2、(ドイツのティアハイムでは)飼い主が見つからない動物も殺されることはなく、一生その施設で暮らしていける。
3、(ドイツの)ティアハイムでは9割以上の動物たちが新しい飼い主を得ていく。
4、(ドイツでは)原則、殺処分ゼロではあるが、狩猟法に基づき、狩猟ができる地域において犬や猫が駆除されるという。
5、ドイツにはペットの食料やグッズなどを販売するペットショップはあるが、生体販売はほぼ皆無である。
6、(ドイツでは)猫などが入れられるケージの広さに基準となる数値が、法的に定められているからだ。
7、(ドイツでは)8週齢未満の子猫を親や兄弟から引き離してはならないという「8週齢規制」が定められている。
8、ギリシャでも2004年アテネオリンピックの前年に犬の繁殖の制限や8週齢規制、動物取扱業のライセンス制などは法律化された。


 これらの記述は全て誤り、嘘であることは前回記事で出典を上げて証明しました。また1、2、4、5、6、7、8については、私は今までこちらの記事で多く取り上げてきた事柄で、反証もこれらの記事に多くリンクしてあります。
 今回記事では今まで取り上げてこなかった「(ドイツの)ティアハイムでは9割以上の動物たちが新しい飼い主を得ていく(この記述は「ドイツ全体で」、「全ドイツのティアハイムの平均」という意味になります)」が大嘘であることを述べます。結論から言えば、ドイツ全体のティアハイムの譲渡率は75%程度です。この数値は、日本の公的施設での犬の譲渡率75%(*)(註 令和2年度 引受総数から飼主返還数を除外した数値にしめる譲渡数の割合。なぜならばティアハイムは予め公的動物収容所が飼主返還等の手続きを終えたものを引き受けているため)と変わりありません。以下に、ドイツのティアハイムにおける、収容動物の譲渡率に関する資料をいくつか例示します。

犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(動物愛護管理行政事務提要より作成)   対象期間:平成31年4月1日~令和2年3月31日(2019年4月1日~2020年3月31日) 環境省


Tiere im Heim 「ティアハイムの動物たち」 2017年10月30日

Grob kann man sagen, dass in Deutschland jährlich rund 80.000 Hunde und 130.000 Katzen im Tierheim landen, wie die Süddeutsche Zeitung 2016 berichtete.
Von diesen Tieren kommen rund drei Viertel innerhalb eines Jahres in einem neuen Zuhause unter.

南ドイツ新聞(SüddeutscheZeitung)が2016年に報道した通り、概ねドイツでは毎年約80,000頭の犬と13万匹の猫がティアハイムに収容されていると言えます。
年間のこれらの動物(犬猫)が新しい飼い主に譲渡されるのは、約4分の3(75%)です。


Tierheim Dortmund hat 2020 mehr als 650 Tiere aufgenommen 「ティアハイム・ドルトムントは2020年に650頭以上の動物を引き受けました」 2021年2月4日 中堅ティアハイムのティアハイム・ドルトムントのHPから

Das Tierheim Dortmund zieht Bilanz für das Jahr 2020: Insgesamt 665 Tiere fanden im letzten Jahr im Tierheim eine vorübergehende Unterkunft.
Das Tierheim hat in 2020 insgesamt 451 Tiere in ein neues Zuhause vermittelt; 63 Hunde, 210 Katzen, 178 Kleintiere.

ティアハイム・ドルトムントにおける2020年の収容動物:昨年は合計665頭の動物が当ティアハイムに一時的な住まいを見つけました(ドルトムント・ティアハイムは665頭の動物を収容した)。
2020年には、当ティアハイムは合計451頭の動物を新しい飼主に譲渡し、内訳犬63頭、猫210匹、小動物178匹です。


 つまり、ドルトムント・ティアハイムの収容動物の譲渡率は69%です。先の南ドイツ新聞の引用では犬猫に限った数値であるのに対し、この数値は犬猫以外の動物も含めています。


UNSER TIERHEIM Tierheim Heinsberg 「当ティアハイムについて ティアハイム・ハインツベルク」 ドイツの中規模ティアハイムのハインツベルク・ティアハイムのHP

Pro Jahr kommen im Durchschnitt 750 Tiere ins Tierheim, davon sind ungefähr 65 Prozent Fundtiere, Sicherstellungen und Beschlagnahmungen durch die Behörden.
Nur 35 Prozent sind private Abgabetiere oder Tiere aus Tierschutzprojekten.
Die jährliche Vermittlungszahl liegt im Schnitt bei ca. 400 Tieren.

当ティアハイムでは毎年平均750頭の動物を収容しており、そのうちの約65%が行政が没収、押収(迷い犬猫等の捕獲を含む)したものです。
個人からの引取、または動物保護プロジェクト(民間の動物保護活動)により引き受けた動物はわずか35%です。
年間の平均の動物の譲渡数は約400頭です。


 このティアハイムの収容動物の譲渡率は53%です。犬猫以外の小動物も含めた数です。


 問題の有馬めぐむ氏の記事の記述「(ドイツの)ティアハイムでは9割以上の動物たちが新しい飼い主を得ていく(この記述はドイツのティアハイムの平均、もしくは全てのティアハイムの数値と言う意味になる)」ですが、それを裏付ける資料はドイツのドイツ語資料では確認できていません。ぜひ有馬めぐむ氏には出展を明示していただきたいです。
 有馬めぐむ氏と浅川千尋氏の共著、動物保護入門ードイツとギリシャに学ぶ共生の未来  世界思想社 の内容紹介が堀内みどり天理大学教授のこの論説(『動物保護入門 ドイツとギリシャに学ぶ共生の未来』浅川千尋、有馬めぐむ共著、世界思想社、2018 年浅川千尋、有馬めぐむ共著、世界思想社、2018 年 おやさと研究所教授 堀内みどり )です。これは有馬めぐむ氏のマスコミの寄稿記事の内容と同じ部分があります。ドイツ、ギリシャの猫の8週齢販売規制についても書かれていますが、現在も両国においては猫には販売の週齢規制がありません。
 しかし大学教授でありながら、「ドイツでは動物実験を禁止している」などという荒唐無稽な嘘誤りを真に受けるとは、知能のの低さには呆れてものが言えません。さらにこのような荒唐無稽なデマを公にするとは悪質と言わざるを得ません。大学も配慮していただきたい。


(画像)

 Tierheim Altentreptow 「ティアハイム・アルテントレプトゥ」 ドイツのティアハイムのHPから。この施設での犬猫の2013年の譲渡率は44%です。また殺処分と施設内死の合計は率は36%です。その他は「飼主に返還」です。有料の「老犬猫預かり」の数は除外しました。感染症が発生して殺処分数と施設内死が増えたという要因もあります。

ティアハイム 殺処分率

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ドイツ、ギリシャの動物政策のデマをばらまく有馬めぐむ、浅川千尋 堀内みどり







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domestic/inländisch

 記事、「ドイツでは動物実験を禁止している」という大学教授の狂気、の続きです。
 前回記事では驚愕、卒倒しそうな大嘘を大学の資料で公開している、天理大学教授、堀内みどり氏の論説を取り上げました。それには「ドイツでは動物実験を法律で禁止している」とありました。獣医学部や医学部がある国で動物実験を禁止することが可能なのだろうかと疑問にすら思わないとは、この方の知能が正常に満たないと判断せざるを得ません。この記述は浅川千尋、有馬めぐむ両氏の著作を紹介したものですが、特に有馬めぐむ氏は誤り嘘が極めて多いです。マスコミに寄稿した記事では、正確なものは1つも私は確認していません。



 サマリーで示した、動物愛護誤ジャーナリストの有馬めぐむ氏は、マスコミに複数の寄稿を行っていますが、私が確認した限り正確な記事は1つもありません。特にひどいものを今回取り上げたいと思います。
 ドイツとギリシャが教える「ペット殺処分がなくならない日本」の異常 2018年9月11日 この記事で書かれている、ドイツ、ギリシャに関する記述はほぼすべてが誤りです。そのいくつかを引用します。


1、(ドイツの)ティアハイムでは(中略)、世話がきちんとできるか、快適な環境を用意できるかなど、飼い主のチェックは厳しく行われる。
2、(ドイツのティアハイムでは)飼い主が見つからない動物も殺されることはなく、一生その施設で暮らしていける。
3、(ドイツの)ティアハイムでは9割以上の動物たちが新しい飼い主を得ていく。
4、(ドイツでは)原則、殺処分ゼロではあるが、狩猟法に基づき、狩猟ができる地域において犬や猫が駆除されるという。
5、ドイツにはペットの食料やグッズなどを販売するペットショップはあるが、生体販売はほぼ皆無である。
6、(ドイツでは)猫などが入れられるケージの広さに基準となる数値が、法的に定められているからだ。
7、(ドイツでは)8週齢未満の子猫を親や兄弟から引き離してはならないという「8週齢規制」が定められている。
8、ギリシャでも2004年アテネオリンピックの前年に犬の繁殖の制限や8週齢規制、動物取扱業のライセンス制などは法律化された。


 上記の記述内容は嘘誤りです。真実は次のとおりです。


1、ドイツでは非対面による犬などのオンライン販売に対する規制がまったくない国です。ティアハイム専用のオンライン犬猫販売サイトが活況で、相当数の犬などが非対面で販売されています。

Deine Tierwelt
〜 
 ドイツの大手オンライン販売の、ペット販売ポータルから、ティアハイムの犬販売ページ。ドイツではインターネットでの犬などのペットの非対面に対する法規制がまったくない国です。そのためにティアハイムは多くが非対面のオンラインで犬猫等を販売しています。


2、ドイツの統括団体である、ドイツ動物保護連盟はティアハイムの運営指針を出しており、その中では「傷病のある動物、問題行動のある動物、緊急性を要する場合はそれらの動物は殺処分しなければならない」と明記しています。2014年の大学の調査ではティアハイムの犬の殺処分率は26.2%としており、この率は日本の公的殺処分率より高いのです。

Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes 「ドイツ動物保護連盟『ティアハイム運営指針』」

 ドイツ、ティアハイムの統括団体であるドイツ動物保護連盟は、ティアハイム運営指針を示しています。その中では、「ティアハイムが動物を殺処分しなければならない場合」を3つのケースとしてあげています。
1、傷病動物
2、問題行動がある動物
3、緊急性がある場合

Tierärztliche Hochschule Hannover Bedeutung der Pflege- und Haltungsbedingungen für Gesundheit und Wohlbefinden von Hunden als Fund- und Abgabetierein Tierheimen des Landes Nordrhein-Westfalen 「ノルトラインーヴェストファーレン州のティアハイムにおける、行政が拾得した犬の健康と福祉のための世話や飼育環境の調査」 2014年 

 ドイツ、ハノーファー大学における2014年のティアハイムの犬の飼育に関する大規模調査。その中では、ティアハイムの犬の殺処分率は26.2%とあり、この率は日本の犬の公的殺処分率より高いのです。

Häufig gestellte Fragen 「ティハイム・ベルリンHP よくある質問」

 質問に「殺処分を行っていますか、それはどのような場合ですか?」という質問に対してティアハイム・ベルリンは、「傷病、問題行動、緊急性を要する場合は殺処分を行っています」と明記しています。


3、「ドイツのティアハイムでは9割以上が譲渡される(ドイツのティアハイムでは全て、平均という意味になる)」という資料は、ドイツ語のドイツの文献では1つも見つかっていません。対して75%、個別の施設では60%台、それ未満という資料はあります。

Tiere im Heim 「ティアハイムの動物たち」 2017年10月30日

 この記事では、ドイツの全ティアハイムで年間に引受ける犬の数は80,000頭、猫は130,000匹とされ、その内の4分の3、すなわち75%が新しい飼い主に譲渡されるとしています。

Tierheim Dortmund hat 2020 mehr als 650 Tiere aufgenommen 「ティハイム・ドルトムントは2020年には650頭の動物を引き受けました」 2021年2月4日

 この資料は中堅のティアハイム、ティアハイム・ドルトムントのHPの記事です。この中では当施設は2020年に650頭の動物を引き受けて451頭を譲渡したとしています。つまり譲渡率は69%です。
 なお日本の犬の公的な譲渡率(引受数から飼主返還数を差し引いた数に占める譲渡数の割合。ドイツでは迷い犬猫等の引取は行政機関が公的動物収容所で行い、飼主返還や緊急性が高い殺処分を行った後に民間のティアハイムに譲渡するので条件を等しくした)は75%です。最初の記事の、ドイツの全ティアハイムの犬猫の譲渡率と変わりません。施設によっては日本の公的施設より譲渡率が低いです。


4、ドイツは大変厳格に公的殺処分を行っている国です。日本と異なり禁止犬種法があり、違反して犬を飼育した場合はその犬を行政が没収して強制的に殺処分する権限が法律に明記されています。また咬傷犬や不適正飼育者から動物を行政が没収して強制的に殺処分する権限があり、相当数があります。狂犬病規則による強制殺処分は日本より厳格です。

vom 09. September 2008 (Eingang beim Abgeordnetenhaus am 10. September 2008) und Antwort Sicherstellung und Beschlagnahme von Hunden in Berlin 「ベルリン州における犬の行政施収容数と殺処分等の処分の内訳と予算~州下院議会議事録」

 これはドイツ、ベルリン州下院議会議事録です。この中では540頭の犬の押収と没収、及び公的動物収容所での収容と殺処分等の処分内訳と予算について審議されています。また犬の押収および没収の根拠法が説明されています。


5、ドイツには生体販売ペットショップは4,300店舗あり、この数は人口比で日本の1.3倍多いのです。「総務省 平成26年経済センサス‐基礎調査」の結果 によれば、2014年の日本のペットショップ数は、5,045件です。

Tierhandlungen – Geschäfte auf Kosten der Tiere 「(ドイツ)のペットショップー動物を犠牲にする店」 2021年7月14日


(動画)

 Der Supermarkt der Tiere (1/2) 「ペットのスーパーマーケット」 2021年1月31日
 世界最大の、ドイツにある生体展示販売ペットショップ。もちろん犬猫も売っています。経済原則からすれば、このような超大型店舗が存在するということは、その国のペットショップが多く裾野が広いと考えるほうが自然です。現にドイツはペットショップに対し独自に規制する法律すら無い(本記事公開時点)、ペットショップに対する規制がゆるゆるな国です。ドイツはペットショップの店舗の巨大化(資本集約)、ペット生体の品揃えや販売数、飼育技術など世界最高峰のペットショップ先進国です。

 


6、ドイツでは、猫の飼養に関する法律による数値基準はありません。その根拠法を示されたい。ペットショップに限ってもです。犬は厳しい全般規制があります。ドイツで動物の飼育で最低ケージサイズなどの数値規制の法令があるのは犬、牛、豚、鶏だけです。


7、ドイツでは猫には「親等から8週齢未満で引き離してはならない」という規制はありません。そもそも猫に関しては週齢規制すらありません。


8、ギリシャではこの記事が公開された2018年時点では、犬猫とも8週齢未満の販売を禁じるという法律はありません。犬猫とも週齢規制そのものがありません。現在でも確認できていません。


(画像)

 Online Pet Sales in the EU What's The cost? 「EUにおけるペットのオンライン販売 その犠牲とは一体何?」 2018年版
 これはイギリスの大手動物保護団体、ブルークロスによる調査資料です。この団体は数年ごとにペット販売に関する詳細な調査を行って資料を公開しています。その資料の10ページに、EUの主要国の犬猫の販売規制が一覧になっています。ドイツは犬では8週齢規制がありますが、猫ではありません。現在もドイツでは、猫は週齢規制がありません。ギリシャは2018年(問題の記事が公開されたのと同時期)時点では犬猫とも8週齢規制がありません。つまり「2004年に犬の8週齢規制が立法化された」は大嘘です。現時点でもギリシャでは、犬猫とも8週齢規制は確認できていません。

EU8週齢


 なお、 ドイツとギリシャが教える「ペット殺処分がなくならない日本」の異常 の誤りの指摘のうち、1、2、4、5、6、7、8については、私は何度もこのブログサイトで出展を挙げて述べてきました。       
 次回記事では3、の「(ドイツの)ティアハイムでは9割以上の動物たちが新しい飼い主を得ていく」がデマであることを説明します。ドイツ語文献では「ドイツのティハイム(問題の記事は「全般的に、平均で」との意味になるが)では譲渡率は90%以上」という資料は1つも見つかっていません。75%程度という数字があります。個別のティアハイムでは、更に低い施設が自らその数値を公開しています。

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「ドイツでは動物実験を禁止している」という大学教授の狂気







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(Zusammenfassung)
Tierversuche in Deutschland


 私は法学者や弁護士の発言や記述、さらには環境省当国の資料などのドイツの法律に関する嘘、デマを本ブログ記事で取り上げています。これらの専門家(笑)による資料等においても、まさに真逆も真逆の大嘘、デマの羅列で、完全に正確な資料は1つも確認できていません。私はこのような専門家(笑)に出典を求めていますが、ただの1度も回答があったことがありません。最近も驚愕、卒倒しそうな大嘘を大学の資料で公開している教授がいました。天理大学の堀内みどり教授の「ドイツは動物実験を禁止している」です。ドイツでは著名な獣医学部や医学部、製薬会社があり、動物実験を禁止しているわけがありません(笑)。


 まずサマリーで示した、「ドイツでは法律で動物実験を禁止している」という、大学教授の文書から引用します。


『動物保護入門 ドイツとギリシャに学ぶ共生の未来』浅川千尋、有馬めぐむ共著、世界思想社、2018 年浅川千尋、有馬めぐむ共著、世界思想社、2018 年 おやさと研究所教授 堀内みどり 天理大学 2018年

「動物保護先進国」といわれるドイツについて述べられる。
ドイツは、動物保護に関して長い歴史を持ち、人々の関心も高い。
実効性の高い法律は、動物実験の禁止し、動物に関係する仕事をしている物や施設(業者や動物園など)を規制している。



 この記述は、浅川千尋氏(同じく天理大学教員)、有馬めぐむ氏の共著の著書を紹介したものですが、それにしても「ドイツでは法律で動物実験を禁止している」とは凄いです。このようなことを信じて、噴飯図書を紹介する大学教授の痴(恥)性とは一体何なのでしょう。
 ドイツには名門の獣医学部、医学部、製薬会社などが多数存在します。これらの機関で動物実験をしていないとでも、この大学教授は本気で信じているのでしょうか。結論から言えばドイツで動物実験を禁じる法律は存在しません。動物実験を行う施設は認可が必要で、その要件が法律に定められています。そのことは、ドイツでは動物実験を禁じてはいないという証明になります。以下に、ドイツの動物実験施設を規制する法律と、動物実験の扱いについて定めた法律から、具体的な条文を引用します。


Verordnung zum Schutz von zu Versuchszwecken oder zu anderen wissenschaftlichen Zwecken verwendeten Tieren (Tierschutz-Versuchstierverordnung - TierSchVersV) 「実験目的またはその他の科学目的で使用される動物の保護に関する規則(動物保護研究所における動物に関する規則-TierSchVersV)」

Abschnitt 1 Halten von Wirbeltieren und Kopffüßern zur Verwendung in Tierversuchen oder zu anderen wissenschaftlichen Zwecken
Unterabschnitt 1 Anforderungen an die Haltung sowie an Einrichtungen und Betriebe
§ 1 Anforderungen an die Haltung von Wirbeltieren und Kopffüßern
(1) Der Leiter einer Einrichtung oder der Verantwortliche für einen Betrieb, in der oder in dem Wirbeltiere oder Kopffüßer gehalten werden, die zur Verwendung in Tierversuchen bestimmt sind oder deren Gewebe oder Organe dazu bestimmt sind, zu wissenschaftlichen Zwecken verwendet zu werden, hat sicherzustellen, dass

第1章 動物実験やその他の科学的目的で使用するために脊椎動物や頭足類を飼育することに関して
第1節
動物実験施設の維持および運用の要件
1条 脊椎動物と頭足類の飼育に関する要件
1項 動物実験での使用を目的とした、または科学的目的での使用を目的とした脊椎動物または頭足類が飼育されている施設の長または施設の責任者は、次のことを確認する必要があります。


Tierschutzgesetz 「動物保護法」

§ 7 (1) Die Vorschriften dieses Abschnitts dienen dem Schutz von Tieren, die zur Verwendung in Tierversuchen bestimmt sind oder deren Gewebe oder Organe dazu bestimmt sind, zu wissenschaftlichen Zwecken verwendet zu werden.
§ 9 (1) Das Bundesministerium wird ermächtigt, im Einvernehmen mit dem Bundesministerium für Bildung und Forschung durch Rechtsverordnung mit Zustimmung des Bundesrates nähere Vorschriften über die Art und den Umfang der nach § 7 Absatz 1 Satz 4 erforderlichen Kenntnisse und Fähigkeiten der Personen, die Tierversuche planen oder durchführen, insbesondere der biologischen, tiermedizinischen, rechtlichen und ethischen Kenntnisse und der Fähigkeiten im Hinblick auf die Durchführung von Tierversuchen, zu erlassen sowie Anforderungen an den Nachweis und die Aufrechterhaltung der erforderlichen Kenntnisse und Fähigkeiten festzulegen.

7条1項 本条の規定は動物実験の使用を目的とした動物、または組織、もしくは臓器を科学的目的で使用することを目的とした動物を保護することに寄与する。
第9条1項 連邦省は連邦教育研究省との合意に基づき、7条1項4号に規定された者の必要な知識と技能の種類と範囲に関するより詳細な規則を制定する権限を与えられ、また動物実験、特に動物実験の実施に関する生物学的、獣医学的、法的および倫理的知識とスキル、ならびに必要な知識とスキルの証明と維持の要件を規定することを計画し、または実施します。


 このようにドイツでは動物実験施設の要件や認可、動物実験を行う者の能力に関する要件等が法令で定められています。そのことはすなわち、ドイツでは動物実験は禁じられておらず、合法的に実施されてることの証拠です。しかしわざわざドツの法令の原文まで挙げなくても、正常な知能と知識があれば先進国の大国であり、科学技術の最先端を行くドイツが動物実験を禁止しているわけがないとは容易に判断できるとは思うのですが(苦笑)。
 さらにドイツは、動物実験を禁止しているどころではなく、EUの基準に違反した残酷な動物実験を大規模実験施設が長年組織的に行っていました。その実験内容はあまりにも動物虐待的で、ヨーロッパの多くの国に衝撃を与えました。
 またEUは動物実験に関するEU基準にドイツが違反したとして、早急に法改正を求めています。EU委員会は「ドイツでは動物実験に関する法規制が甘く、違反が常態化している。期限内のEU基準を満たした動物実験に関する法律の改正を行わなければ欧州裁判所に提訴する」とも決議しました。私はこの事件について、連載記事を書いています。

ドイツ「死の実験室」~違法な実験による動物虐待が発覚したドイツ
ドイツ「死の実験室」~違法な虐待動物実験を行っていた施設は認可取り消し閉鎖が決まったが・・・
ドイツ「死の実験室」~ティアハイムによる実験動物の殺害疑惑
ドイツは動物愛護後進国(実験動物福祉後進国)とEUから名指しされている


(画像)

 Das Todeslabor vor Hamburg: LPT // SOKO Tierschutz e.V. 「ドイツ、ハンブルクの死の実験室//SOKO(動物愛護団体)による覆面調査でのビデオ」 2019年10月16日




(動画)

 Todeslabor LPT Hamburg - kein Tierschutz im Versuchslabor / Demonstrationen - Tierversuche stoppen 「死の実験室LPTハンブルク-動物実験施設/動物保護に反する証拠の暴露-動物実験を停止するべき」 2019年10月25日

 ドイツの実験動物に対する動物保護の遅れは、周辺国に衝撃を与えました。この動画はドイツの動物実験に抗議する、オーストリアでのデモの様子です。




 なお今回取り上げた天理大学教授、堀内みどり氏の論説ですが、浅川千尋氏、有馬めぐむ氏の著作を紹介したものです。次回記事で取り上げますが、特に有馬めぐむ氏はドイツ、ギリシャの動物愛護に関する記事を大手マスコミに寄稿していますが、嘘誤りが極めて多い方です。私が知る限り、正確な記事は一つもありませんでした。

ドイツでは民法でペットの死による慰謝料請求を認めていない







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(Zusammenfassung)
Das Erstgericht wies das Klagebegehren ab, ohne weitere Feststellungen zum Unfallhergang und zur behaupteten Nahebeziehung der Kläger zum Hund zu treffen.
Nach der bisherigen Rechtsprechung des Obersten Gerichtshofs bestehe Anspruch auf Trauerschmerzengeld nur bei Verletzung naher Angehöriger.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。前回記事に続いてドイツと法制度が近いオーストリアの犬の死による慰謝料請求を棄却した最高判決の解説を行います。またドイツでは民法の規定により、ペットの死での慰謝料の請求はできないと解釈されます。オーストリア、ドイツ、スイスではペットの死で慰謝料が認められた判決はありません。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。前回前々回の記事ではオーストリア最高裁判所での「犬の死での慰謝料請求を棄却する」という判決を取り上げました。この裁判では下級審から一貫して、犬の死による慰謝料請求を棄却しています。
 
 今回はドイツについて取り上げます。渋谷寛弁護士は、次のように述べています。 「ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れている。ドイツ民法典には『動物は物ではない』。日本では動物はあくまでも物。今後我が国においても動物の法律上の地位を人間と同等に向上させるべき。ペットを殺された場合の飼い主の慰謝料については、(日本では)裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く〜」。この記述は、「ドイツでは法律上の動物の地位は人と同等であるために、日本と異なりペットの死での慰謝料は日本よりはるかに高い金額が裁判で認容されている」という意味になります。結論から言えば、これは真っ赤な嘘です。
 ドイツでは民法で非金銭的な損害を金銭で補償を求めるには、法的根拠が必要と民法で明記されています。動物の死での慰謝料請求は裁判の提起以前に法律で否定されているということです。そのためにドイツではペットの死で慰謝料が認容された判決はありません。
 農業用トラクターに轢かれて死亡した犬の飼主が損害賠償と慰謝料を求めた連邦裁判所(終審)の判決1件のみ確認できました。判決では犬の物的損害のみ388ユーロ(約5万円 1ユーロ128円)(過失割合は犬の飼主と農業用トラクターの運転手それぞれが50%)認容し、慰謝料は棄却されました(20.03.2012 - VI ZR 114/11 ドイツ連邦裁判所(終審 日本では最高裁に相当する)事件番号VI ZR 114/11 2012年3月20日判決言い渡し。判決文全文)。


Grundsätze für die Bestimmung des Schadensersatz- und Schmerzensgeldanspruchs
「ドイツにおける損害賠償の請求および苦痛への補償(慰謝料)を決定するための原則」

Der Beitrag beschreibt die Grundsätze für die Bestimmung des Schadensersatzes und die Bemessung des Schmerzensgeldanspruchs.
Die Art und der Umfang der Schadensersatzansprüche sind in den §§ 249 – 255 BGB normiert.
Eine Geldentschädigung des Nichtvermögensschadens kann nur gefordert werden, wenn dafür eine gesetzliche Grundlage besteht, vgl. § 253 Abs. 1 BGB.

本稿では、苦痛に対する補償(慰謝料)を決定するための原則と補償の評価について説明します。
損害賠償請求の種類と範囲は、ドイツ民法249条から255条において標準化されています。
非金銭的損害に対する金銭的補償は、法的根拠がある場合にのみ要求することができ、これはドイツ民法(BGB)の253条1項を参考にしなけれななりません。


Bürgerliches Gesetzbuch (BGB) ドイツ民法

§ 253 Immaterieller Schaden
(1) Wegen eines Schadens, der nicht Vermögensschaden ist, kann Entschädigung in Geld nur in den durch das Gesetz bestimmten Fällen gefordert werden.
(2) Ist wegen einer Verletzung des Körpers, der Gesundheit, der Freiheit oder der sexuellen Selbstbestimmung Schadensersatz zu leisten, kann auch wegen des Schadens, der nicht Vermögensschaden ist, eine billige Entschädigung in Geld gefordert werden.

253条 非金銭的な損害について
1項 金銭的損害以外の損害については法律で定められた場合に限り、金銭的補償を請求することができます。
2項 身体の負傷、健康被害、自由の侵害、または性的な自己決定権の侵害に対しては経済的損失ではありませんが、金銭的な補償を請求することができます。


 「ドイツ民法では損害賠償の請求と範囲について条文で標準化されている」います。さらに、「非金銭的な損害(慰謝料)は法律で定められた場合に限り認められる」としています。ドイツ民法ではペットなどの動物の死による慰謝料請求は民法では定められていないのです。したがってドイツでは民法の規定により、「ペットなどの動物の死を原因とする慰謝料請求はできない」ということです。
 ドイツでは「ペットの死で慰謝料を請求できるか否か」を裁判で論じる以前に、民法で門前払いをしていると言うことです。またドイツでは「ペットの死で慰謝料請求が認められるか否か」ですが、すでに10年近く前に連邦裁判所で犬の過失死での慰謝料請求は棄却されています。

 渋谷弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 まさにこの発言は真逆も真逆、呆れた大嘘、デマです。これほどひどいデマを堂々と公にできるとは、もはや精神状態が正常とは思えません。渋谷弁護士は、私の「もはや精神状態が正常とは思えない」という言い分に反論があるのならば、是非ドイツの、ペットの死での高額の慰謝料が認められた判決を提示されたい。何しろ氏は「ドイツは動物は法律上人と地位が同等である」( ´,_ゝ`)プッ と述べているのですから、さぞペットの死での慰謝料は、数千万円や数億円が認容されてるのでしょう。私は何度もこの件について渋谷弁護士にメールを送っています。ぜひご立派なご主張の裏付けとなる判例を提示されたい ( ´,_ゝ`)プッ ( ´,_ゝ`)プッ ( ´,_ゝ`)プッ


(動画)

 Polizei erschiesst Hund | RON TV | 「警察官は犬を射殺した」 2017年8月11日(犬の射殺シーンあり。閲覧注意)

 食料品販売会社の警報システムが誤作動して、警察官が食料品販売会社の倉庫に急行しました。そこにいた会社の社長の飼犬のシェパード犬を警察官は射殺しました。この件については、一切警察から補償はありません。警察官の正当な職務で、警察法に基づき犬を射殺したからです。ドイツでは民法90条aで「特別法の規定があれば動物は物(=財物。所有権が及ぶ有体物)ではない」と明記されているからです。




(動画)

 SEK versagt: Falsches Haus gestürmt & unschuldigen Hund erschossen! | SAT.1 Frühstücksfernsehen | TV 「武装警察官らは誤認捜索した:間違った家が捜索されて無抵抗の犬が射殺されました」2018年7月5日 ドイツ公共放送TVドキュメントによる再現ビデオと被害者などへのインタビュー。

 この事件でも犬に対する金銭的補償が警察からありませんでした。ましてや慰謝料などありえません。ドイツでは民法90条aでは、動物では物ではない、つまり所有権を特別法の規定があれば制限できるとしている国です。つまり動物は「物未満」の存在。お犬様お猫様飼主様の平和ボケ愛誤国家の日本とは異なります。日本の警察が家宅捜索で、飼主の犬を射殺した事件が今まであるでしょうか。

私のTwitterアカウント凍結が解除されました〜呆れた愛誤の妨害工作






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domestic/inländisch


 記事、私のTwitterアカウント凍結の原因についての説明、の続きです。
 昨日9月10日から、私のTwitterのアカウントが停止されました(Megumi Takeda @MegumiTakeda4)。その点に説明したと思います。まず停止されている原因ですが全く事実無根ですが、私がなりすましの加害行為を行ったということです。Twitterのプロフィール写真は私自身のものですが、私とは別人のTwitterユーザーが「無断で自分の写真を盗用して使用し、なりすましをしている」という、虚偽の違反報告をしたということです。そのために私のTwitterのプロフィール写真は削除されました。後ほどTwitter社には抗議します。アカウントを凍結すべきは、虚偽の報告をしたものの方です。



 サマリーにも書きましたが、9月10日に私のTwitterのアカウントが凍結されました。本日9月10日から凍結が解除されました。原因は、私のTwitterのプロフィール写真です。その写真は私自身のものですが、私とは別人のTwitterユーザーがTwitter社にこの写真を、「これは私の写真だ。無断で盗用されている」と、私が私とは異なる別人の写真をプロフィール写真に用いて別人になりすましているとの虚偽の報告をしたのです。
 Twitter社も、一方の言い分だけを聞いて私のアカウントをいきなり凍結するとは、運営方法に問題があります。後ほど私の運転免許証のコピーを送って、厳重にTwitter社に抗議します。私のアカウントではなく、虚偽の報告を行った者こそ、永久にTwitterの利用を禁じるべきでしょう。


(画像)

 Twitter社に、私が他人の写真を無断で登用してプロフィール写真に用いたとして、プロフィール写真がTwitter社に削除された私のTwitterアカウントのトップ画像。Megumi Takeda から

Twitter プロフィール


(画像)

 私のFaceBookのトップ画像。このプロフィール画像と同じものをTwitterでも使用していました。Megumi Takeda から。

FaceBook.png


(画像)

 ツイッター社には抗議をしています。後ほど私の運転免許証の画像をTwitter社に送ります。一方の言い分だけを聞き、いきなり事前予告もなく私のアカウントを凍結するのは、ツイッター社の運営にも問題があると思います。むしろ虚偽報告を行った側を永久凍結すべきでしょう。

Twitter 苦情


(画像)

 さらにこのようなことも。本日の深夜3時台からFC2事務局から来た連絡です。私の本ブログサイトに不正アクセスが試みられたようです。夜中の3時台に他人のブログ管理画面に不正アクセスを試みるとは、無職か生活保護を受けている愛誤なんですかね。
 私は単に海外情報をありのままに伝えているだけです。しかしなぜ愛誤は海外のデマ情報の日本での拡散と定着にこれほどこだわるのか。こんなこと、その国の資料を調べれば即分かること。荒唐無稽なデマ情報を信じる方もどうかと思うが。

FC2セキュリティ


(画像)

 この画像は、私が住んでいる町内で火事で全焼した家の火災前のグーグルストリートビューです。この画像に関しても愛誤が「私はこの家の居住者だが個人情報に関する画像を公開した」と苦情を申し立てました。この火災は大手新聞社でも報道され、町名まで明らかにされています。また多くのメディアで写真が掲載されています。その点もTwitter社に説明しました。
 私のツィートでは町名は記載していません。またこの家の住民の方は火事で亡くなっていますので、「この家の居住者」としてTwitterに苦情を申し立てることはできません。愛誤が虚偽の報告をしたのです。その点をTwitter社に説明すると、私のアカウントが凍結中にこの画像を含む投稿が削除されたり復活したり(笑)。
 
家事


 本ブログ読者様とTwitterのフォロワー様にはご心配をおかけしました。以上のように私のTwitterアカウント凍結は私の違反行為によるものではありません。愛誤の虚偽の報告による悪質な嫌がらせです。 
 私は単に、海外の情報ソースを本ブログでもTwitterでも紹介しているだけです。なぜ愛誤は海外の動物愛護に関する嘘デマ情報の日本での拡散と定着にこれほど必死になるのか、私は理解に苦しみます。こんなこと、その国の一次ソースを調べればすぐに分かることです。荒唐無稽な嘘を信じる方もどうかと思います。それにしても愛誤の姑息な手段には驚きました。

「殺された犬の損害は物損として時価で評価し慰謝料は認めない」〜オーストリア最高裁判決







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(Zusammenfassung)
Das Erstgericht wies das Klagebegehren ab, ohne weitere Feststellungen zum Unfallhergang und zur behaupteten Nahebeziehung der Kläger zum Hund zu treffen.
Nach der bisherigen Rechtsprechung des Obersten Gerichtshofs bestehe Anspruch auf Trauerschmerzengeld nur bei Verletzung naher Angehöriger.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。前回記事に続いてドイツと法制度が近いオーストリアの犬の死による慰謝料請求を棄却した最高判決の解説を行います。またドイツでは民法の規定により、ペットの死での慰謝料の請求はできないと解釈されます。オーストリア、ドイツ、スイスではペットの死で慰謝料が認められた判決はありません。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 前回記事では、ドイツと法制度が近いオーストリアの「犬の死での慰謝料請求を棄却する」との最高裁判決を取り上げました。引き続き本判例の解説を行います。


OGH Geschäftszahl 2Ob142/20a 27.11.2020 「オーストリア最高裁判所判決 事件番号 2Ob142/20a 2020年11月27日 言渡し」(全文) オーストリア政府文書 (抄)


Entscheidungsgründe
1 Der Erstkläger und der Erstbeklagte waren als Lenker von Personenkraftwagen an einem Unfall beteiligt.
Der Erstkläger schnallte ihn nach dem Unfall ab,
worauf der Hund aus dem Pkw sprang und davonlief.
In weiter Folge wurde er leblos am Straßenrand aufgefunden.
2 Die Kläger begehren Trauerschmerzengeld von jeweils 8.000 EUR wegen des unfallbedingten Verlusts ihres Hundes.
Sie hätten ihn wie ein Kind gepflegt.
Unter diesen Voraussetzungen bestehe – wie bei nahen Angehörigen – ein Anspruch auf Trauerschmerzengeld.
3 Die Beklagten beantragen die Abweisung des Begehrens. Der Erstbeklagte habe nicht grob fahrlässig gehandelt.
Ein solcher Anspruch bestehe nur bei der Tötung naher Angehöriger.
4 Das Erstgericht wies das Klagebegehren ab.
5 Das Berufungsgericht bestätigte diese Entscheidung.
6 Nach der bisherigen Rechtsprechung des Obersten Gerichtshofs bestehe Anspruch auf Trauerschmerzengeld nur bei Verletzung naher Angehöriger.
22 Tiere sind zwar nach § 285a ABGB keine Sachen; die für Sachen geltenden Bestimmungen sind aber weiterhin auf sie anzuwenden, sofern keine abweichenden Reglungen bestehen.

Rechtliche Beurteilung
15 Eine Haftung wegen des Verlusts eines Tieres habe der Oberste Gerichtshof noch nie angenommen.
16 Ein Anspruch wegen des Verlusts eines Tieres werde von der Rechtsprechung und der (überwiegenden) Lehre verneint.
22 Tiere sind zwar nach § 285a ABGB keine Sachen; die für Sachen geltenden Bestimmungen sind aber weiterhin auf sie anzuwenden, sofern keine abweichenden Reglungen bestehen.
26 Da nur formelle Streitgenossenschaft vorlag, haften die Kläger nur nach Kopfteilen.

判決の理由
1 被告1の運転する乗用車と原告1の乗用車が(被告1を原因とする)事故を起こしました。
事故後に、原告1は、犬をリードから外しました。
その後に、犬は道路の脇で死んでいるのが発見されました。
2 原告は事故で犬を亡くしたことに対して、8,000ユーロ(約100万円)の慰謝料を請求しています。
原告は本件犬を我が子のように世話をしたに違いないです。
このような状況下では近親者と同様に、精神的苦痛に対する補償を求める権利があります。
3 被告は請求の棄却を求めます。
そのような主張は、近親者を死に至らしめた場合にしかありえません。
4 一審裁判所では、その請求を棄却しました。
5 控訴審裁判所は、原審判決を支持しました。
6 最高裁判所の確立された判例法によれば近親者が負傷した場合にのみ、慰謝料を求める権利があります。

法律の解釈
15 最高裁判所は、今まで動物の死による慰謝料を認めたことはありません。
16 動物の死による慰謝料の請求の主張は、判例と(優勢な)学説によって否定されています。
22 オーストリア民法285aによれば動物は物(財物)ではないとされますが、例外規定がないかぎり動物は、物として民法の規定が適用されます。
26 これらの理由により、原告の控訴は請求が棄却されなければなりませんでした。



(根拠法)

Bundesrecht konsolidiert: Gesamte Rechtsvorschrift für Allgemeines bürgerliches Gesetzbuch, Fassung vom 12.09.2021 「オーストリア民法」

Begriff von Sachen im rechtlichen Sinne.
§ 285. Alles, was von der Person unterschieden ist, und zum Gebrauche der Menschen dient, wird im rechtlichen Sinne eine Sache genannt.
法律上の物(財物)の定義
285条 人とは区別される(人以外のもので)、人の便益に供されるものはすべて、法律上の意味で物(財物)と言います。


§ 1332. Der Schade, welcher aus einem minderen Grade des Versehens oder der Nachlässigkeit verursachet worden ist, wird nach dem gemeinen Werthe, den die Sache zur Zeit der Beschädigung hatte, ersetzet.
1332条 軽度の不注意、もしくは過失により生じた損害は、損害の時点でその物の市場価値に従って補償されなければならない。


 つまり「犬は慰謝料に関する特別法の例外規定がないため単なる物として、その死による損害は民法の規定により物損での補償となり、市場価格で算定しなければならない」と、最高裁は判断しました。


 「我が子同様の犬を死に至らしめた被告に対しての慰謝料請求が棄却された」オーストリア最高裁判決の一部を引用しました。この判決では、次のことが述べられています。

1、オーストリア最高裁では、慰謝料が認められたのは近親者(人)だけであり、動物に認められた判例は1つもない。動物の死に対しては、慰謝料を認めないとする判例法が確立している。
2、主要な学説においても、動物の死による慰謝料の請求は認められないとされる。
3、オーストリア民法では動物は例外規定がない限り、物(財物)としての規定が適用される。動物の死による慰謝料請求に関しては民法による例外規定はないため、動物の死はあくまでも物(財物)に対する損害として算定され、損害発生時の市場価格が損害額の算定の根拠となる。したがって慰謝料は認められない。


 次回はドイツについて述べます、ドイツでは連邦裁判所(終審 日本では最高裁判所に相当)で、犬がトラクターに轢かれて死んだことによる物的損害と慰謝料を飼主が請求して終審まで争ったケースがあります。結果は、連邦裁判所は犬の物的損害については飼主の過失割合を50%とし、被告のトラクター運転手に388ユーロ(1ユーロ=128円 約5万円)を原告に支払うように命じました。原告の慰謝料請求は棄却されました。ドイツでは、ペット(動物)の死により、慰謝料が認容された判決は1つも確認できませんでした。
 その理由は、ドイツは民法で「慰謝料を請求するには法的根拠が必要」と明文化されていることが理由と思われます。それには動物の死による慰謝料請求は認められていません。裁判で争う以前の問題で、法律で否定されているということです。
 
 それにしても渋谷寛弁護士の、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」、つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」という意味になりますが、あまりの真逆も真逆のデマには呆れ果てます。法曹家でありながら、根拠法も判例の一つも例示せず、まさに狂人の妄想を堂々と公にできる神経には驚愕します。もはや治療を受けるべきレベルではないですか。


(動画)

 Hund Charly wurde erschossen 「犬のチャーリーが撃たれた」 2012年9月10日
 オーストリアの犬の飼主が自分の犬が何者かに撃たれたという抗議の投稿。撃たれた状況など話しています。このような動画投稿はドイツ語では掃いて捨てるほどあります。おそらくヨーロッパで犬猫とも通年狩猟が合法なのは、ドイツとオーストリアだけです。スイスは猫は通年狩猟が合法ですが、犬は一部の州のみです。フランスも一部の自治体のみ。イギリス(犬)、イタリア(犬猫)は完全に狩猟禁止です。狩猟法に違反しても処罰が軽く、民事訴訟でも犬猫の殺害では慰謝料が認められず、損害額も驚くほど安い。ドイツ、オーストリアのハンターは、犬猫を撃つことに抵抗がないわけだ。

 


(動画)

 Jäger erschießt Hund ORF Kärnten heute 「ハンターは犬を射殺した。 ケルンテン州オーストリア公共放送の本日のニュース」 2017年9月5日

Ein 37 Jahre alter Jäger hat in Grafenstein in der Dämmerung auf einen zehn Jahre alten Schäfer-Labrador-Mischling geschossen.
Das Tier musste eingeschläfert werden.

37歳のハンターが、夕暮れ時にグラーフェンシュタインで10歳のシェパード犬とラブラドールの雑種犬を撃ちました。
犬たちは安楽死させなければなりませんでした。


 オーストリア狩猟法では日没後の狩猟を禁じています。もし飼主が民事裁判を起こしたとしても、損害賠償は微々たるものでしょう。オーストリアの民法では「物損の損害賠償額は市場価格で持って算定する」と明確に規定しています。お犬様お猫様飼主様国家の日本のように、飼主よりの死んだペットの評価を裁判所がするなどありえませんし、日本と異なり慰謝料は一切認められません。それにしてもオーストリアも同様の事件が多い。

犬の毒殺事件が頻発するドイツ






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(Zusammenfassung)
In Deutschland werden Hunde sehr oft durch Gift getötet.


 私は何度も「ドイツでは犬の毒殺事件の発生が極めて多い。ベルリンやミュンヘンでは犬の殺傷を狙った毒餌が数千も見つかる。殺傷される犬は1都市だけでも数十頭ある」ことを記事にしています。ドイツでは、犬の毒餌情報の共有アプリ(犬の飼主が毒餌を見つけた位置を登録してユーザーでその情報を共有する)が普及しています。それほど犬の毒餌攻撃が身近だということです。最近も多くの犬の毒餌による死傷事件が報道されています。


 サマリーで述べた「ドイツでは犬の殺傷を狙った毒餌事件が極めて多い」ことを取り上げた私の記事では、主に以下のようなものがあります。

毎日のように犬が毒餌被害に遭うか未遂事件が起きるミュンヘン~犬への毒餌攻撃のドイツでの拡散
ドイツ、ミュンヘン市とその周辺では毎日のように犬が毒餌の被害に遭うか未遂がある
ドイツでは2015年だけで2500箇所以上で犬の毒餌が見つかり、116頭の犬が毒餌により殺害され、150頭以上が負傷した

 現在においても、ドイツにおいては犬の殺傷を狙った毒餌事件が頻繁に発生しています。最近も多数の事件が報道されています。具体例をいくつか例示します。


Achtung! Verdacht auf Giftköder für Hunde! 「警告! 犬の毒餌が撒かれている疑いがあります」 2021年8月18日 ベルリン州広報

Es besteht der begründete Verdacht, dass im Bereich Säntisstraße / Daimlerstraße, 12277 Berlin, Giftköder ausgelegt wurden.
Schon nach Aufnahme kleiner Mengen des beinhalteten Giftstoffes besteht eine akute Lebensgefahr für Hunde!

犬の毒餌がベルリンの12277地区ゼンティスシュトラーセからダイムラーシュトラーセにかけて犬の毒餌が置かれた、十分に証拠のある疑いがあります。
含まれている毒物を少量摂取しただけでも、犬の生命に深刻な危険を及ぼします!



Giftkoeder alarm in koenigsbrunn:Drei Hunde tot! 「犬の毒餌警告:ケーニヒスブルン:3頭の犬が死ぬ!」 2021年9月2日

In Königsbrunn sind nach RT1-Informationen drei Hunde durch Giftköder gestorben.
Die Hunde haben die Giftköder vermutlich vor ein paar Tagen im Nordosten von Königsbrunn gefressen und danach eindeutige Vergiftungserscheinungen gezeigt.

RT1(マスメディア)の情報によると、ケーニヒスブルンでは3頭の犬が毒餌で死にました。
犬はおそらく数日前にケーニッヒスブルンの北東で毒餌を食べ、その後明らかな中毒症状を示しました。



Hund frisst Giftköder in Esslingen 「エスリンゲンで犬が毒餌を食べました」 2021年9月6日

Ein Hund hat am Sonntagvormittag im Esslinger Stadtteil Sirnau vermutlich einen Giftköder gefressen.
Das Tier musste in eine Klinik gebracht werden.
Kurzhaardackel wohl im Esslinger Stadtteil Sirnau Hackfleisch gefressen hatte, in dem sich vermutlich Rattengift befand.

その犬はおそらく、エスリンゲンのジルナウ地区で、日曜日の朝に毒餌を食べました。
犬は獣医診療所に連れて行かなければなりませんでした。
ショートヘアードダックスフントはエスリンゲンのジルナウ地区でミンチ肉を食べたと思われ、これにネズミ殺鼠剤の毒が含まれていると考えられます。



12 tote Schlittenhunde in Dobel: Polizei ermittelt 「ドーベルで12頭の橇犬が死ぬ:警察が捜査中」 2021年9月7日

Dobel im Landkreis Calw sollen einem Bericht der "Bild"-Zeitung zufolge zwölf Schlittenhunde getötet worden sein - nun ermittelt die Polizei wegen des Verdachts auf Tierquälerei.
Laut dem Facebook-Post hatte eine Schlittenhunde-Besitzerin die Tiere gemeinsam mit weiteren Hunden nach Dobel gebracht, dort vorschriftsmäßig versorgt, auf dem Gelände herumlaufen lassen und für die Nacht wie immer in Boxen untergebracht. Am nächsten Morgen habe sie zwölf der insgesamt 26 Hunde tot vorgefunden.

「ビルト」紙の報道によるとカルヴ地区のドーベルで、12頭のそり犬が殺さたとされています−警察は現在、動物虐待の疑いで捜査しています。
Facebookの投稿によると、そり犬の飼い主は他の犬とともに犬たちをドーベルに連れて行き、その場所で訓練をしてちゃんと世話をし、いつものように夜になる前にケージに犬を入れました。
翌朝飼主らは合計26頭の犬のうち、12頭が死んで亡いるのを発見しました。


(動画)

 Wurden Hunde vergiftet in Waiblingen-Hegnach? 「犬はワイブリンゲン-ヘグナッハで毒殺されたのでしょうか?」 2020年7月1日
 ドイツではこの動画にあるように、しばしば多数の犬が殺傷される毒餌事件が発生します。しかし犯人が捕まることはほぼありません。

Zehn Hunde hatten in dem kleinen Waiblinger Teilort Hegnach Vergiftungserscheinungen.
Zwei sind gestorben.
Hat jemand Rattengift ausgelegt?

ヘグナッハの小さな町、ワイブリンゲンで10頭の犬が毒物による症状を示しました。
2頭が死にました。
何者かが殺鼠剤を仕掛けたのでしょうか?


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私のTwitterアカウント凍結の原因についての説明






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domestic/inländisch


 昨日9月10日から、私のTwitterのアカウントが停止されています(Megumi Takeda @MegumiTakeda4)。その点についての説明と今後の可能性について説明したと思います。まず停止されている原因ですが全く事実無根ですが、私がなりすましの加害行為を行った疑いがあるということです。また「なりすまし」の加害行為と認定され、それが確定された場合は処分が厳しく、新たなアカウント作成もできないようです。私はTwitter社に抗議し、調査を依頼していますが、アカウント停止が解除されるか、解除されるとすれば何時になるのか、それは現時点ではわかりません。


 私がTwitterのアカウントが停止されている件について、読者様から問い合わせのコメントがありましたので、回答コメントをしています。以下に示します。


強調文鍵コメ様、コメントありがとうございます。

私のTwitterのアカウント凍結ですが、原因は投稿内容ではありません。
ルールに違反した投稿が原因のアカウント停止は、具体的にTwitter社がその投稿内容を示し、停止期間を明示します。
私は「ニーチェの、バカは論破できない。なぜならばバカは論破されたことを理解できないからだという格言がある」という投稿で、8時間アカウントを停止されました。
理由は「差別的発言」です。
これよりもひどい投稿はいくらでもありますが、愛誤が数の暴力で違反報告したものと思われます。
投稿内容が不適切であれば、その投稿が削除されます。

現在のアカウント停止では、私が「なりすまし」をしているという疑いのために、調査中でアカウントを停止しているという通知が来ました。
つまり私が、特定できる人物になりすましている疑いがあるということです。
Twitterのプロフィールなどから、このブログの管理人であり、兵庫県西宮市在住の現住所や本名が特定できます。
その人物に「なりすまし」ている加害者の疑いがあるということです。
「このTwitterは私のなりすましだ」という猛烈な抗議があった、その抗議者が例えば偽の身分証明書などを送信してTwitter社を騙したということが考えられます。
「攻撃的、差別的、嫌がらせ的」の投稿よりも、「なりすまし」の対応ははるかに厳しいので。
なぜならばなりすますことにより、犯罪にも悪用できるからです。
例えば、仮にTwitterのこのアカウントが「西宮市在住の武田めぐみでこのFC2ブログの管理人」とは全くの別人がなりすましていたとします。
私のTwitterのアカウントを見た、「最近どうしているの?」などと元同級生がメッセージを送って来たとします。
武田めぐみのなりすましが本物なりすましを騙り、相手の個人情報を不正に入手したり、金を騙し取るなども考えられます。

現在私はTwitterに抗議と調査を申し入れていますが、どうなるかわかりません。
かつてそれでアカウントを締結されました。
それがこれです。
さんかくたまご @sankakutamago
さんかくたまご @sankakutamago(キャッシュコピー)
このときは私はTwitter社に抗議し調査を依頼しましたが、結局凍結は解除されませんでした。

なりすまし加害者認定されればきついです。
新たにアカウントを作成することもできません。
以前アカウントを凍結されたときはそうでした。
プロバイダを変更して後に、やっと新しく現在のアカウントを作成することができました。
繰返しますが不適正な投稿が原因の停止凍結であれば、その投稿は削除されます。


 私のTwitterの投稿では、愛誤の次のような典型的な情報提供、主張が嘘であることを示し、真っ向から否定するものばかりです。それらには次のようなものがあります。
1、「ドイツやギリシャは殺処分ゼロである(ドイツは狩猟駆除やティアハイムでの殺処分ももちろんありますが、行政が公的施設で行う公的殺処分ももちろんあります。ギリシャももちろん公的殺処分があります)」
2、「〇〇国はペットショップがない。もしくは極めて少ない(日本はアメリカに比べれば生体販売ペットショップの数は7分の1しかありません。また犬の商業生産数はアメリカやイギリス(人口比)のほうがはるかに多いのです」
3、「ドイツ(イギリスなども含めることもある)は犬はノーリードでも良い(両国とも犬のリードは法律で義務付けられています。特にドイツは世界で最も厳しいリード義務の法律がある国で、例えばベルリン州では全域(野山でも)で、許可を受けた使役犬以外でのリード未使用は1万ユーロ=130万円までの罰金が科せられます」
4、「ドイツのティアハイムは補助金を一切受けていない(ドイツのティアハイムは極めて公費補助率が高い組織です)」
5、「先進国では犬猫は保護施設から入手する(例えばドイツは1割程度で東京都と変わりません。スイスは2%台で日本よりはるかに低いです)」
などがあります。他にも荒唐無稽なデマ情報は多数ありますが。

 これらのデマを真っ向から否定する、その国のソースを短文で多数紹介できるメディアとして、Twitterは優れています。現に、1投稿で2万4,000件の閲覧もあり、長文のFC2ブログより気軽に情報にアクセスできる、そのために閲覧者が多いのです。
 デマ、嘘を定着させたい、そのために必死になって嘘プロパガンダに邁進している愛誤にとって、私が提供する情報はTwitterも含めて大変都合が悪いでしょう。Twitter以外でも、FC2の本ブログも、FaceBookも、Yahoo!知恵袋も(なぜか急にアカウントが停止されました。コンテンツに問題があるわけではなく「第三者の不正アクセスがあり安全上凍結した」とありました)水面下で多大な妨害を受けています。
 水面下でアンフェアな妨害をするより、私の提供する情報ソースを否定する反証を挙げる、私の誤りを証拠をあげて指摘するほうがよほど効果があると思うのですがね。いずれにしても荒唐無稽なデマを必死になって日本で拡散させ定着させようとしている大物愛誤は理解できませんし、それらのデマ情報を頑なに狂信する末端愛誤は知能が正常に満たないと思います。

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警察の捜査で射殺、犠牲になる犬が絶えないドイツ







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(Zusammenfassung)
Jüngste Vorfälle, bei denen Polizisten auf Hunde geschossen haben in Deutschland.


 最近ドイツでは被疑者の家宅捜索で、被疑者の飼犬が警察官に射殺される事件などが相次いでいます。中には犬の射殺までは必要ないと思われるケースもあります。しかしドイツでは誤認捜査であっても犬を射殺されたことに対する補償はまず無いようですし、その損害に対する賠償請求の裁判で請求が認容されたという判決も見つかっていません(もし読者様でご存じの方がいらしたら、原文で事件番号が分かる資料を提供してください)。2019年には、ドイツでは警察官が犬などを射殺する数が年間1万5,000件を超えました。明確に法律で警察官に、犬などを射殺することを職務権限として明記していることも背景にあります。アメリカ合衆国では警察官の誤認捜査で犬が射殺されたケースでは、損賠賠償が認められた判決があります。


 サマリーで述べた、「ドイツの警察官が被疑社宅を家宅捜索した際にそこに居合わせた被疑者の犬を射殺した」事件がドイツでは相次いでいます。一部は全くの誤認捜査もあります。そのいくつかを、最近の事件から取り上げます。


SEK stürmt Hochhaus-Wohnung in Westhofen: Hund bei Einsatz erschossen 「武装警察がヴェストホーフェン(ノルトライン−ヴェストファーレン州)の高層マンションの部屋を強制捜査:捜査中に犬が撃たれました」 2021年8月25日

Der 36-jährige Schwerter wurde überwältigt und leicht verletzt auf der Trage zum Rettungswagen gebracht.
Sein Schäferhund-Mischling Akita ist tot.
Das Tier war bei dem Einsatz erschossen worden, weil es die Polizeibeamten nach Aussage der Polizei angegriffen haben soll.

36歳のシュヴァーベン出身の男は制圧され、軽傷を負ったので担架で救急車に運ばれました。
被疑者の飼犬のジャーマンシェパードと秋田犬の雑種は死にました。
警察の発表によると犬は飼主とともにいましたが、警察官を攻撃したため捜索を遂行するために撃たれました。



Streit zweier Familien: Polizei erschießt Schäferhund 「家族間でのケンカ 警察官はシェパード犬を撃ちました」 2021年8月11日

Hamburg - Nach einem Streit zwischen zwei Familien ist es am frühen Mittwochmorgen in Hamburg-Altona zu einem bewaffneten Polizeieinsatz gekommen.
Dabei wurde ein Schäferhund erschossen, teilte die Polizei am Mittwoch mit.

ハンブルク州-2人の家族間のケンカ(父と義理の息子)の後の水曜日の早朝、ハンブルク-アルトナで武装警官の捜査が開始されました。
(その時に居合わせた家族の犬の)ジャーマンシェパードが警察官により射殺されたと、警察は公表しました。


POL-HK: Soltau: Polizei erschießt Hund; Uetzingen: Katalysatoren gestohlen 「ハイドクライス警察:ソルタウ:警察は犬を射殺した」 2021年9月2日

Soltau: Polizeibeamte erschossen am Mittwochnachmittag in Soltau, In den Hübeeten, einen Pitbull-Terrier: Gegen 15.30 Uhr wurde der Notrufzentrale ein freilaufender Hund gemeldet, der in der Straße Passanten anfalle.
Eine Frau habe sich bereits in einen Pkw flüchten können.
das Tier einen Polizeibeamten zulief und drohte anzugreifen, erschoss der Beamte das Tier aus nächster Nähe mit vier Schuss.
Die vom Pitbull angegangene Frau blieb unverletzt.

ソルタウ:水曜日の午後に、警察官がソルタウでピットブルテリアを射殺しました。
午後3時30分頃に緊急通報の電話があり、犬が道路を通りを自由に走っていることの通報がありました。
ある女性は、車に逃げることができました。
犬は警察官に駆け寄り攻撃すると脅したので、至近距離で警察官は4発で犬を射殺しました。
ピットブルに襲われた女性には怪我はありませんでした。



(動画)

 Polizei erschießt Hunde / OHNE GRUND!! 「警察官は私の犬を射殺した 理由もなく」 2020年9月4日(閲覧注意)
 誤認捜査で警察官が被疑者の家に踏み込み、そこに居合わせた犬をいきなり射殺しました。


犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア







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(Zusammenfassung)
Das Erstgericht wies das Klagebegehren ab, ohne weitere Feststellungen zum Unfallhergang und zur behaupteten Nahebeziehung der Kläger zum Hund zu treffen.
Nach der bisherigen Rechtsprechung des Obersten Gerichtshofs bestehe Anspruch auf Trauerschmerzengeld nur bei Verletzung naher Angehöriger.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。ドイツと法制度が近いオーストリアでは交通事故死した犬の飼い主が慰謝料を求めて最高裁まで争いましたが請求は棄却されました。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 前回記事では、他のハンターの猟犬を誤って射殺したハンターに対して、射殺された猟犬の飼主に命じた控訴審での損害賠償の金額はわずか1,290ユーロに過ぎなかったこと書きました。裁判所が認定した被害額は犬の価格500ユーロと、訓練費790ユーロの合計1,290ユーロ(日本円で16万円台)の経済的損失のみです。
 今回記事では、ドイツと法制度が極めて近いオーストリアの最高裁判所が、交通事故死した犬の飼い主が加害者被告に対して提起した慰謝料請求訴訟について書きます。原告の犬の飼主は最高裁まで争いましたが、請求は棄却されました。この最高裁判決について報じるニュースから引用します。


Kein Trauerschmerzengeld bei Verlust des „Familienhundes“ 「『飼い犬』を過失で殺された場合は飼主の精神的苦痛の慰謝料は認められない」 2020年11月27日

Die Rechtsprechung, wonach bei grob fahrlässiger Tötung eines nahen Angehörigen Trauerschmerzengeld zu leisten ist, kann nicht auf den Verlust eines Haustiers übertragen werden.
Bei einem vom Erstbeklagten verschuldeten Unfall wurde der „Familienhund“ der Kläger getötet.
Die Kläger begehrten für dessen Verlust Schmerzengeld von jeweils 8.000 EUR.
Sie hätten den Hund wie ein Kind gepflegt.
Der Oberste Gerichtshof bestätigte die Abweisung dieses Begehrens durch die Vorinstanzen:
Nach ständiger Rechtsprechung besteht bei grob fahrlässiger Tötung von nahen Angehörigen ein Anspruch auf immateriellen Schadenersatz („Trauerschmerzengeld“).
Das kann aber nicht auf die Tötung eines Haustiers übertragen werden.
Eine Verpflichtung zur Zahlung von Trauerschmerzengeld bei bloß fahrlässiger Tötung eines Haustiers könnte daher nur durch eine Änderung des Gesetzes begründet werden.

近親者の、重過失致死の場合に精神的苦痛に対して支払われる金銭(慰謝料)の法律に基づく権利は、ペットの死亡では適用できません。
この事件の発端は、被告によって引き起こされた事故で原告の「家族同様の犬」が殺されたことです。
原告(註 犬の飼主)は、犬の死に対して8,000ユーロ(100万円余り)の精神的苦痛の補償(慰謝料)を求めました。
犬の飼主は、犬を我が子のように世話をしたに違いありません。
最高裁判所は、下級裁判所によるこの請求(8,000ユーロの慰謝料)の棄却を支持しました。
確立された判例法によれば、近親者の重大な過失致死においては、非経済的損失に対する賠償(慰謝料)を受ける権利があります。
ただし、これはペットの死には適用できません。
したがってペットを単に過失で死亡させた場合に精神的苦痛の代償を払う義務は、法律の改正によってのみ正当化される可能性があります。



 上記の最高裁の判決は渋谷寛弁護士の、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」=「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認められている」との発言と全く正反対です。
 連載記事で続きを書きますが、渋谷寛弁護士がやたらと口にするドイツですが、オーストリアよりもさらにペットの死での慰謝料を明確に法律の条文で否定しています。慰謝料の請求の根拠を厳格に民法で明文化しておりドイツでは、犬などのペットの死での慰謝料請求はほぼ不可能と考えても良いです。現に、ドイツでペットの死に関して慰謝料を棄却した連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当)の判決があります。
 さらにアメリカでは2012年に犬の殺害で1審で慰謝料も含めた損害賠償で10,000ドルを認めた1審判決がありますが、2018年の控訴審、2021年の控訴審ではいずれも慰謝料の請求を棄却しています。渋谷寛弁護士のこの発言は、真実とは真逆も真逆、荒唐無稽な悪質なデマです。次回記事ではオーストリアの犬の死による慰謝料の請求を棄却した最高裁判決で示された法的根拠と、ドイツがペットの死で慰謝料を否定している民法の規定を取り上げます。


(参考資料)

Grundsätze für die Bestimmung des Schadensersatz- und Schmerzensgeldanspruchs 「ドイツにおける損害賠償の請求および精神的苦痛(慰謝料)の補償の決め手となる原則」

Bürgerliches Gesetzbuch (BGB) § 253 Immaterieller Schaden 「ドイツ民法253条 非金銭的な損失(慰謝料)」

 「非金銭的な損失(慰謝料)に関しては、法律で定められた場合にのみ請求できる」。ペットの死により、慰謝料をドイツで請求するのは不可能でしょう。そのような連邦裁判所に棄却する判決があります。

OGH Geschäftszahl 2Ob142/20a 27.11.2020 「オーストリア最高裁判所判決 事件番号 2Ob142/20a 2020年11月27日 言渡し」
〜 
 オーストリア最高裁判所で、犬の死での慰謝料請求を棄却した判決文全文。


(動画)

 Abgeschossene Katzen in Oberösterreich ORF heute konkret 「オーバーエスターライヒで猫が撃ち殺された 今日のORF(オーストリア国営放送)」 2016年8月10日
 オーストリアはドイツと同じく、犬猫の狩猟が通年合法です。狩猟法を守ってさえいれば合法で過失もありませんので不法行為は成立しません。仮に狩猟法を守らなくても狩猟法違反の処罰は極めて軽微、雑種の猫は経済的無価値、慰謝料を請求されるリスクもないです。ハンターは安心して外猫を撃つことができます。このような国で猫を放し飼いするほうが悪いでしょう。

90 Prozent der Vierbeiner halten sich draußen auf und sind so Gefahren ausgesetzt.
Jedes Jahr werden in unserem Land tausende Katzen einfach getötet und das meist ganz legal.

4本足の友人(猫のこと)の90%は外にいて、危険にさらされています。
毎年私たちの国オーストリアでは、ほとんど合法的に何千匹もの猫が殺されています。


犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台







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(Zusammenfassung)
Ein 52-Jähriger, der auf eine Katze geschossen hat, muss laut Landgericht Frankfurt am Main 1950 Euro zahlen. In erster Instanz war das Urteil noch deutlich härter ausgefallen.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「ドイツでは動物の法律上の地位が人と同等。対して日本は動物は物扱いなので慰謝料額が低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。しかしドイツで動物の死で、加害者に飼主への慰謝料の支払いを命じた判決は確認できていません。対して連邦裁判所(終審)で否定された判決があります。また物的損害額の認定においても、ドイツは日本と比較すれば著しく低いと感じます。 



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 この記述では「ドイツは日本と異なり動物の法律上の地位は人と同等である。だから日本はペットを殺された場合に裁判で認められる慰謝料額は著しく低い」。つまり=「ドイツでは動物の法律上の地位は人と同等であるため、ペットを殺された場合の慰謝料は日本に比べて高額な慰謝料が認められる」となります。
 しかし私が調べた限りドイツでペットを殺害されその損害賠償を求める裁判では、被告加害者にペットの飼主への慰謝料の支払いを命じた判決は1つもありませんでした。また経済的損失の算定も、日本に比べて著しく低いと感じます。例えば今年の控訴審判決です。ハンターが別のハンターの猟犬をイノシシと間違えて射殺しました。本判決では犬の経済的価値を犬の価値500ユーロ+訓練費790ユーロ+1290ユーロ(日本円で16万円台)と認定しました。以下にその判決に関するニュースソースから引用します。


Jäger erschießt versehentlich Hund bei Jagd: Urteil zu Schadensersatz 「ハンターは狩猟中に(他のハンターの)猟犬を誤って射殺しました。その損害賠償の判決」 2021年5月11日


Frankfurt/Main.
Der Schadensersatz für einen bei der Jagd versehentlich getöteten Jagdhund bemisst sich nach einem Gerichtsurteil nach dem Preis für einen vergleichbaren Welpen zuzüglich der Ausbildungskosten.
Es seien „die Kosten zu berücksichtigen, die für die Ausbildung eines Hundes mit durchschnittlicher Begabung aufzuwenden sind, um den Ausbildungsstand des getöteten Hundes zu erreichen“, teilte das Oberlandesgericht (OLG) Frankfurt am Dienstag sein Urteil vom April mit.
Als Preis für einen Welpen ging das Gericht von 500 Euro aus, den Stundensatz bei der Ausbildung bezifferte es auf 10 Euro.
In dem Fall hatte ein Jäger auf eine Sau geschossen und dabei versehentlich einen jungen Terrier getroffen.
Es hatte für die Ausbildung des 20 Monate alten Terriers insgesamt 79 Stunden angesetzt.

フランクフルト/マイン。
裁判所の判決によると狩猟中に誤って殺害された猟犬の損害賠償の金額は、同等の子犬の価格と訓練費用に基づいています。
火曜日にフランクフルト高等裁判所(OLG)は4月の判決で、「殺害された本件犬の訓練習熟レベルに達するための、平均的な能力の犬の訓練に必要な費用を考慮に入れた」と言い渡しました。
裁判所は子犬の価格は500ユーロであり、訓練の費用は1時間あたり10ユーロであると推定しました。
このケースではハンターがイノシシを撃とうとして、誤って若いテリア種の猟犬を射殺しました。
この生後20ヶ月のテリアの訓練に必要な時間は合計79時間としました(つまり10ユーロ×79=790ユーロ。それに子犬の価格500ユーロを合算した1,290ユーロ=日本円で16万円余り)を本件裁判では、犬を殺された損害額として認定しました)。


 上記の裁判では、殺された犬の飼い主の精神的苦痛(慰謝料)は一切考慮されていません。あくまでも経済的損失のみを認定しています。またその経済的損失でも、日本人の感覚からすればずいぶんと金額が低いと感じます。現に、日本では渋谷寛氏が主張している通り、猫の避妊手術の過誤での損害賠償では、慰謝料も含めて93万円の損害賠償を被告獣医師に命じています。
 それでも渋谷寛弁護士は「日本は動物は物扱いだ。欧米に比べて法律上の地位が低い。動物が人と法律上の地位が同等のドイツに近づけばもっと慰謝料が高くなり、飼い主に対してのみならず、動物自身に対する慰謝料も認められる、キィィィィィイーッ!」と主張しています。欧米では、犬などの死での慰謝料が数千万円やそれ以上になるとでも言うような勢いですが(笑)。それならば欧米の、「動物の法律上の地位が人と同等の欧米」の、日本よりはるかに高額の慰謝料を認容した判決を具体的に挙げろってことです。渋谷寛弁護士ら、明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛にお名前が上がっている新見育文氏などにも、その具体的な判決の回答を求めるメールを複数回送っていますが、全く返事はありません。法曹家、法学者が「欧米の法律では〜、裁判では〜」と言いながら、その根拠となる法令や判決を出せないとはお笑いです。私は彼らが、認知症が進んで廃人寸前なのではないかと疑っています。


(動画)

 Hunde erschossen: Jäger verurteilt ORF Steiermark heute 「犬の射殺:ハンターに対する判決 本日のオーストリア放送」 2017年4月5日
 これはドイツではなくオーストリアの刑事事件での判決です。2頭の犬を射殺したハンターは、動物虐待罪等で1,200ユーロ(15万円台)の罰金刑を言い渡されました。短いニュースで事件の詳細はわかりません。オーストリアの狩猟法はほぼドイツと同じで、犬猫は通年狩猟が合法です。しかし猟犬や牧羊犬などの使役犬は狩猟対象ではありません。トップ映像でラブラドール犬が首に掲げているプラカードには、Ich bin keine SACHE!「私は物ではない!」とあります。
 
Wegen Tierquälerei und Sachbeschädigung ist heute im Grazer Straflandesgericht ein Jäger zu 1.200 Euro Geldstrafe verurteilt worden.
Der Mann hat vor einem Jahr in der Oststeiermark zwei Hunde erschossen, die seinen Angaben nach gewildert haben sollen.

本日ハンターはグラーツの刑事地方裁判所で、動物虐待と器物損害罪で1,200ユーロ(15万円台)の罰金を言い渡されました。
1年前にこの男性ハンターは、シュタイアーマルク州東部で2頭の犬を射殺しました。


猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?







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(Zusammenfassung)
Ein 52-Jähriger, der auf eine Katze geschossen hat, muss laut Landgericht Frankfurt am Main 1950 Euro zahlen. In erster Instanz war das Urteil noch deutlich härter ausgefallen.


 記事、判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」、の続きです。
 ドイツ、フランクフルト・アム・マイン地方裁判所は、隣人の飼猫をエアライフルで負傷させた刑事裁判で、動物虐待罪より軽い器物に対する損害での罪で被告人に処罰を言い渡しました。最初の略式裁判では被告人は動物虐待の罪で16,100ユーロ(日本円で200万円余り。1ユーロ=130円)の罰金の支払いを命じられましたが、2審の地裁判決では猫をエアライフルで撃つことは動物虐待には当たらず、より軽い器物に対する損害で処罰すべきとしました。被告人には1950ユーロ(25万円余り。1ユーロ=130円)の罰金の支払いを命じました。



 サマリーで示した、「猫をエアライフルで撃って負傷させた男に対して、1審の略式裁判での動物虐待罪での処罰を破棄し、より軽い器物の損害に対する罪で罰金額を大幅に減額した」2審の地裁判決について報道するニュースソースから引用します。
 Mann schießt mit Luftgewehr auf Katze – laut Gericht keine Tierquälerei 「男はエアライフルで猫を撃ちました-裁判所の判決によるとそれは動物虐待ではありません」 2020年12月9日


Mann schießt mit Luftgewehr auf Katze – laut Gericht keine Tierquälerei
Ein 52-Jähriger, der auf eine Katze geschossen hat, muss laut Landgericht Frankfurt am Main 1950 Euro zahlen.
Das Landgericht Frankfurt am Main hat einen 52-Jährigen aus dem hessischen Eppstein wegen Schüssen mit einem Luftgewehr auf eine Katze lediglich wegen Sachbeschädigung verurteilt.
In erster Instanz hatte er vom Amtsgericht noch wegen Tierquälerei eine Geldstrafe von 16.100 Euro (70 Tagessätze à 230 Euro) erhalten.
Schüsse aus einem Luftgewehr auf eine Katze stellen nach Ansicht des Landgerichts Frankfurt jedoch noch keine strafbare Tierquälerei dar.
Das Urteil ist noch nicht rechtskräftig.

男はエアライフルで猫を撃ちました-裁判所の判決は動物虐待は認定しませんでした。
フランクフルト・アム・マイン地方裁判所によると、猫を撃った52歳の被告人は1950ユーロ(約25万円)の罰金を支払わなければなりません。
フランクフルト・アム・マイン地方裁判所は、ヘッセン州エップシュタイン出身の52歳の男を、猫をエアライフルで撃ったことに関して器物損壊により有罪判決を出しました。
1審の判決では被告人は動物虐待により、略式裁判により16,100ユーロ(日本円で200万円余り)の罰金を言い渡されていました。
しかしフランクフルト地方裁判所の見解では、猫へのエアライフルでの射撃は動物虐待罪での刑事犯罪を構成するものでは無いと認定しました。
この判決はまだ確定していません。



 他のいくつかの報道によれば、エアライフルで撃たれた猫の飼主は猫の放し飼いを常態としており、被告人の男に猫による被害を継続して与えていました。私はフランクフルト・アム・マイン地方裁判所は、被告人の男の猫による加害の考慮も含めてより軽い処罰を言い渡したのだと推測します。
 この判決は明らかに動物を負傷させても「動物虐待ではない。単なる器物に対して損害を及ぼしただけだ」と裁判所が認定したということです。リンクした動画は弁護士ユーチューバーの本件訴訟に対する解説ですが、動物を負傷させた事件ではドイツでは、裁判所が動物虐待とはせずに「器物に対する損害」と認定するケースが多いとの発言があります。

(動画)

 Mit Luftgewehr auf Katze schießen ist keine Tierquälerei! Geht’s noch? | RA Solmecke 「エアライフルで猫を撃つことは動物虐待ではありません! ばかじゃないの? | ソルメッケ弁護士」 2021年2月5日 

 ドイツ人弁護士ユーチューバー、ソルメッケ氏による、今回取り上げた事件の解説。動物を殺傷した場合の刑事処罰ですが、ドイツでは案外より軽い、器物に対する損害として処罰されることが多いようです。ドイツは動物は司法判断でも多くの場合は動物は単なる物、という認識なのでしょう。

Im allgemeinen Sprachgebrauch werden alle einem Tier von Menschen zugefügten Schmerzen pauschal als Tierquälerei bezeichnet.
Tatsächlich aber ​fallen viel weniger Fälle darunter.

一般的には人間が動物に与えるすべての苦痛は、動物虐待という用語で呼ばれます。
しかし実際には、(それが裁判で認められる)ケースははるかに少ないのです。





(参考資料)

明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛

 読めば読むほど凄すぎ。荒唐無稽な発狂文書。「ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。今後我が国においても(ドイツのように)動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています」。だったらそれを裏付ける判例を一つでも出してよってことです。

判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」






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domestic/inländisch

 犬などのペットを過失で死傷させた件では、日本では慰謝料が認められる判決が続いています。また金額は上昇傾向です。「近年は動物の殺傷に対して慰謝料が日本でも認められてきたがまだまだ額が少ない。それは日本は動物は物扱いで法的な感性が遅れているからである。ドイツのように動物は命あるものとして法律上の地位を人と同等に向上させるべき」と述べている弁護士がいます。しかし真実は真逆で、ドイツでは動物の死傷に対する慰謝料が認められた判決は確認できていません。対して連邦裁判所(日本の最高裁に相当)で、犬の交通事故死で慰謝料を棄却した判決があります。またドイツと法制度が近いオーストリアでは「動物に対する慰謝料は認められない」との最高裁判決が確定しました。


 まずサマリーで述べた、「犬などのペットを過失で死傷死させた件では、日本では慰謝料が認められる判決が続いています。また金額は上昇傾向です」について。それを報じるニュースソースから引用します。


事故でペットを死なせた… 慰謝料は増加傾向 2016/03/02 (最終更新:2018/05/01)

一般的に、ある物が他人の故意または過失によって壊されたときには、その物を修理する費用や買い替え費用の賠償を命じれば、「所有者の精神的苦痛は慰謝された」として、それ以外に慰謝料の請求は認められません。
動物は単なる物とは違い、「命あるもの」です。
そのため、飼い主にとってペットが単なる物以上の存在であると認められる場合には、ペットの死亡によって飼い主が受ける精神的苦痛は、動物の経済的価値を賠償してもなお慰謝されるものではないという論理で、さらに飼い主に慰謝料を支払う必要があるとされています。
①2002年3月28日宇都宮地方裁判所判決は、獣医療過誤により死亡した猫(アメリカンショートヘア)について20万円
②2004年5月10日東京地方裁判所判決は、獣医療過誤により死亡した犬(日本スピッツ)について60万円(飼い主1人あたり30万円)
③2007年9月27日東京高等裁判所判決は、獣医療過誤により死亡した犬(犬種不明)について105万円(飼い主1人あたり35万円)
④2013年8月21日東京地方裁判所判決は、ドッグホテルから逃げ出し交通事故で死亡した犬(犬種不明)について20万円(飼い主1人あたり10万円)
など、慰謝料をそれぞれ認めています。


 次に、「近年は動物の殺傷に対して慰謝料が日本でも認められてきたがまだまだ額が少ない。それは日本は動物は物扱いで法的な感性が遅れているからである。ドイツのように動物は命あるものとして法律上の地位を人と同等に向上させるべき」との、弁護士の主張を引用します。


明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛

ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。


 この記述「日本ではペットの死傷に対して飼主への慰謝料の支払いを命じた判決は古くからあり金額は増額傾向にある。しかし日本はペットに関する法的な感性は欧米に比べて遅れている。例えばドイツは民法で『動物は物ではない』とされ、今後日本でも動物の法律上の地位を人間と同等に向上させるべき」の要旨は、次のように解釈できます。
1、近年日本はペットの死亡に関して飼主に支払を命じる判決では金額は増額傾向であるが、欧米に比べて極めて低い。
2、動物の死亡に対する慰謝料額が欧米より低い理由は、日本は欧米と異なり動物は物扱いだからだ。
3、ドイツが民法で定めるように動物を命あるものとして法的地位を人間と同等に引き上げれば高額な慰謝料や、動物の精神的苦痛に対する動物自身への慰謝料も欧米のように認められるようになるだろう。


 結論から言えば、このような方がまともな社会生活を営んでおられるとは驚愕です。まさに狂人の妄想とも私には思えます。欧米(とはいえ、この渋谷寛弁誤士はドイツ狂で何かとドイツ出羽出羽と、妄想ドイツを連発している人ですが)、特にこの文章の記述にあるドイツと法制度が近いオーストリアでは、全くの逆です。そしてこの渋谷寛弁護士のドイツ民法90条aの解釈も噴飯モノです。
 以下に、それぞれの記述についての真実を対比させれば次のとおりです。

1、近年日本はペットの死傷に関して飼主に支払を命じる判決では金額は増額傾向であるが、欧米に比べて極めて低い。

 ドイツでは、犬などのペットの死傷で、加害者に飼主に慰謝料の支払いを命じる判決はありません。対して棄却された終審判決があります。またドイツと法制度が近いオーストリアでは、2020年に最高裁で「動物の死亡事故で飼主への慰謝料請求は認められない」という判決が確定しました。下級審でもすべて被害者飼主の慰謝料請求が棄却され、最高裁はそれを支持しました。
 またドイツでは、猟犬が野生動物と誤って殺害されたケースでは、犬の価格500ユーロと訓練費790ユーロの合計1290ユーロ(日本円で16万円台。1ユーロ=130円)と損害額が高裁で認定され、一般的に動物の死亡に対する損害額の認定は極めて金額は低いのです。

2、動物の死亡に対する慰謝料額が欧米より低い理由は、日本は欧米と異なり動物は物扱いだからだ。

 渋谷寛弁誤士は、ドイツ民法90条aを挙げていますが、この条項の物が意味するところは、「物、民法が対象とする有体物、物権、所有権の客体としての物」です。解釈が完全に誤っています。ドイツでは特別法の規定があれば、動物の所有権を制限できるということです。例えばドイツでは法律で禁止する犬種(ドイツでは世界でも例外的な「禁止犬種法」があります。これは法律で飼育、繁殖、国内持ち込みを禁止するというものです)、咬傷犬、不適正飼育者が飼育している動物を没収して公的機関で殺処分する権限が行政に与えられていますが、その場合飼主への補償はありません。「特別法の規定があれば動物は物=所有権の客体」ではないからです。所有権を制限できるからです。なおこの規定は、狂犬病規則での強制殺処分や、警察法に基づき警察官が犬を射殺した場合でも同様です。

3、ドイツが民法で定めるように動物を命あるものとして法的地位を人間と同等に引き上げれば高額な慰謝料や、動物の精神的苦痛に対する動物自身への慰謝料も欧米のように認められるようになるだろう。

 動物の法的地位が人間と同等な国は少なくとも先進国では存在しませんし、存在のしようがありません。このような荒唐無稽な妄言を平気で公に発言できるとは、この方は私は何らかの精神疾患があると思えます。


(動画)

 Polizei erschießt Hunde / OHNE GRUND!! 「警察官は理由もなく私の犬を射殺した」 2020年9月4日
 誤認捜査で無実の被疑者の部屋に踏み込んだ警察官は、無実の被疑者の飼犬を理由もなく射殺しました。犬の飼い主が撮影したビデオ。同様の事件はドイツでは度々報道されます。しかし飼主への補償はありません。ドイツでは警察法で犬などの射殺が職務として認められていて、また民法で特別法の規定があれば動物の所有権が制限されるからです。警察が職務で犬を射殺した場合、警察法(特別法)の規定があるために、犬の所有権は制限されるからです。
 渋谷寛弁誤士 「ドイツでは動物の法律上の地位が人間と同等」〜この方は精神科に入院すべき。ドイツでは警察官による犬などの射殺が合法で年間1万5000以上ありますが、飼主への補償はないです。要するにドイツでは動物は物未満。




(参考資料)

 これらについては、次回以降の記事で解説します。

Jäger erschießt versehentlich Hund bei Jagd: Urteil zu Schadensersatz 「ハンターは狩猟中に(他のハンターの)猟犬を誤って射殺しました。その損害賠償の判決」 2021年5月11日

 狩猟中に誤って他のハンターの猟犬をイノシシと誤って射殺したハンターに対する、高裁での損害賠償の支払い命令は1,290ユーロ(日本円で16万円台)だった。損害が認められたのは犬の価格500ユーロと、猟犬にするための訓練費790ユーロのみだった。なおドイツでは、動物の死傷において、加害者に飼主への慰謝料の支払いを命じた判決は確認できていない。

Kein Trauerschmerzengeld bei Verlust des „Familienhundes“ 「『飼い犬』を過失で殺された場合は飼主の精神的苦痛の慰謝料は認められない」 2020年11月27日

 オーストリア最高裁判決。家族同様の飼犬を事故により殺された飼主は、加害者である被告に対して8,000ユーロ(日本円で約100万円)の慰謝料を求める訴訟を提起したが、下級審から最高裁まですべてその請求は棄却された。

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続・消防署が組織的に違法に犬などを射殺していたドイツ







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(Zusammenfassung)
Die Feuerwehr Rostock erschoss illegal Tiere mit Gewehren.


 記事、消防署が組織的に違法に犬などを射殺していたドイツ、の続きです。
 ドイツ、ロストック市では2019年に、飼主のもとから遁走したオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)を住民の通報を受けた消防署員が数時間後に射殺しました。ロストック消防署は2000年に動物保安グループが組織化され、以降市中の犬などを安全対策上射殺していました。報道された事件では2015年にサーカスから逃げたシマウマの射殺もあります。しかしロストック市があるメクレンブルク−フォアポンメルン州の州法では、「消防署員は銃の携行と使用は許可されていない」と動物愛護団体から指摘され、現在ロストック消防署の動物保安グループはライフル銃の携行を停止しています。



 前回記事ではドイツ、メクレンブルク・フォアポンメルン州ロストック市の消防署が2000年に組織した動物保安グループが、違法に銃器を携行し、犬などの動物を射殺していた疑いが濃厚であることを書きました。報道されている事件では2015年にサーカスから逃げ出したシマウマを1頭、2019年に飼主のもとから遁走した犬を1頭射殺しています。報道されていない事件も含めれば、少なくともロストック消防署の動物保安グループは、6件の動物に対する銃撃があります。
 しかし動物保護団体は、「ロストック市が属するメクレンブルク−フォアポンメルン州の法律によれば、消防署員は公務での銃器の携行と使用は許可されていない」とし、「ロストック消防署の動物保安グループが行った一連の動物の射殺は違法」と主張しています。今回記事では、その該当する州法の条文を確認していきたいと思います。以下に、条文原文を引用します。


SOG M-V - Sicherheits- und Ordnungsgesetz Gesetz über die öffentliche Sicherheit und Ordnung in Mecklenburg-Vorpommern - Mecklenburg-Vorpommern - 「メクレンブルク−フォアポンメルン州 治安と秩序に関する法律」 107条 全文

§ 107 Zum Gebrauch von Schusswaffen Berechtigte
Die Befugnis zum Gebrauch von Schusswaffen steht ausschließlich zu
1. den Polizeivollzugsbeamtinnen und Polizeivollzugsbeamten,
2. den Beamtinnen und Beamten sowie anderen Bediensteten der Landesforstverwaltung, die im Forst- und Jagdschutz verwendet werden, sowie bestätigten Jagdaufsehern (§ 25 Landesjagdgesetz), sofern sie Berufsjäger oder forstlich ausgebildet sind,
3. den Beamtinnen und Beamten sowie anderen Bediensteten der Gerichte und Behörden der Justizverwaltung, die mit Sicherungs- und Vollzugsaufgaben betraut sind, jedoch nicht den Gerichtsvollzieherinnen und Gerichtsvollziehern.

17条 銃器の使用を(公務で)許可された者
銃器の使用は排他的です。
1.法執行権限がある警察官
2.州有林および狩猟鳥獣の保護を行う公務員及びその他のその目的で雇用され、職業狩猟者または林業管理者の訓練を受けている者、または州の認可を受けた狩猟監督者(州狩猟法25条に定める)に限り。
3.廷吏以外の裁判所の公務員、またはその他の裁判所の職員で、司法行政当局により治安および執行の任務を委任されている者。



 メクレンブルク−フォアポンメルン州で公務で銃器を携行し、使用が許可されているのは、「1.警察官」、「2.森林保安員とそれに準じる者」、「3.裁判所の警備に関する要員」の3種の職種に限られます。つまりロストック消防署の動物保安グループの銃の携行と、動物の射殺はどう考えても違法であると解釈されます。
 この批判を受けて、ロストック市はロストック消防署の動物保安グループ員の銃の携行について検証を行うとし、その結果が出るまでは銃の携行を停止させました。その点について報じるニュースソースから引用します。
 

„GEFAHRENABWEHR TIER” Rostocker Feuerwehrleute müssen Schusswaffen abgeben 「『動物の保安』ロストックの消防士は銃器を返上しなければなりません」 2020年

Rostocker Feuerwehrmänner dürfen vorerst im Dienst keine Schusswaffen mehr einsetzen.
Damit zieht die Stadt Konsequenzen aus mehreren Vorfällen im vergangenen Jahr.
Die Feuerwehr war für den Abschuss von einem Zebra und einem Hund verantwortlich und dafür stark in die Kritik geraten.
Gruppe im Jahr 2000 gegründet
Nun werde die Praxis, dass die Spezialeinheit der Berufsfeuerwehr Jagdwaffen mit sich führen darf, „noch einmal gründlich überprüft”, erklärte ein Sprecher der Stadt Rostock.
Solange die Prüfung läuft, darf in Rostock kein Feuerwehrmann mehr im Dienst eine Jagdwaffe mit sich führen.

まず最初に、ロストックの消防士は公務中に銃器を使用することを許可されていません。
ロストック市は、過去1年間の複数の事件から結論を引き出しています。
消防隊員はシマウマと犬を射殺した責任があり、厳しく批判されました。
2000年に設立されたロストック消防署動物保安グループ
現在、消防隊の特別部隊(=動物保安グループ)が狩猟用ライフルを携行することが許可されている慣行は、「徹底的に見直されている」とロストック市の広報官は述べました。
検証が行われている間はロストックの消防士は、狩猟用ライフルを勤務中に携行することはできません。



 しかしその後の報道を探しても、ロストック市は消防署員が銃を携行し、路上で動物を射殺していた件についての公式な回答を出していません。問題になったのは2020年です。しかしそれ以前の2000年から、違法に消防署員が銃を携行し、動物の射殺を行っていたのです。本来ならば違法でかつ必要のない動物の射殺が行われた、その動物の飼主は補償があってしかるべきだと思います。また消防署で動物保安部ループが組織化され、隊員に銃を携行させることを決定した責任者や、違法に動物を射殺した消防署員や支援を依頼した警察も処分や刑事罰を受けるべきだと私は思います。
 ロストック市は、そのままうやむやに終わらせるのかおしれません。背景には、ドイツは動物の殺処分、特に犬などを路上で射殺することに対して抵抗感がない国民性があるのかもしれません。ちなみに最も新しい2020年のドイツ連邦警察統計によれば、犬などの動物に対する射撃は15,000件を超えています。警察官が犬を射殺したというニュースは頻繁に報道されています。


(動画)

 Er tötete eine Mutter und ihren Sohn: Kampfhund Chico wurde eingeschläfert 「その犬は飼主の母親と息子を殺しました:闘犬種のチコは殺処分されました」 2018年4月16日

 飼主の母親と息子を飼犬が噛み殺すという、痛ましい事件がニーダーザクセン州ハノーファー市でありました。闘犬種のチコは、2週間後に強制的に行政により殺処分されました。
 この動画の0:28〜あたりに映っている車両に、Feuerweher Honnover 「消防隊 ハノーファー」と書かれています。ドイツの多くの州では、消防署が犬などを捕獲保護して公的動物収容所に収容します。ドイツ全州で公的動物収容所があり、犬の一次収容は行政の責務と法律に明記されています。そこでは公的殺処分も行われています。


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さんかくたまご

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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

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