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消防署が組織的に違法に犬などを射殺していたドイツ







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(Zusammenfassung)
Die Feuerwehr Rostock erschoss illegal Tiere mit Gewehren.


 ドイツ、ロストック市では2019年に、飼主のもとから遁走したオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)を住民の通報を受けた消防署員が数時間後に射殺しました。ロストック消防署は2000年に動物保安グループが組織化され、以降市中の犬などを安全対策上射殺していました。報道された事件では2015年にサーカスから逃げたシマウマの射殺もあります。しかしロストック市があるメクレンブルク−フォアポンメルン州の州法では、「消防署員は銃の携行と使用は許可されていない」と動物愛護団体から指摘され、現在ロストック消防署の動物保安グループはライフル銃の携行を停止しています。


 まず、飼主のもとから遁走した飼犬(オオカミ犬)を住民から通報を受けた数時間後に消防署員が射殺した事件を引用します。
 Wolf oder Hund? Feuerwehr erschießt Tier in Rostocker Innenstadt 「オオカミなのか犬なのか?ロストックの下町で消防隊員がその動物を射殺しました」 2019年10月26日


Rostock.
Am frühen Samstagmorgen ist ein Vierbeiner durch die Rostocker Innenstadt gestreift und erlegt worden.
Nach Behördenangaben soll es sich bei dem Tier um einen Wolfshund gehandelt haben.
Die Beamten, die sich sofort auf den Weg machten, konnten das Tier nach einer gewissen Zeit einkreisen.
Zur Sicherheit riefen sie dafür die Gefahrenabwehr Tier der Berufsfeuerwehr Rostock zu Hilfe.
Da das Tier durch sein ständiges Knurren aggressiv auf die Beamten wirkte und niemanden an sich heranließ, wurde es erschossen.
Laut Feuerwehr sei die Gefahr so groß gewesen, dass es keine andere Möglichkeit gab, als den Vierbeiner zu erlegen.
Nach offiziellen Angaben handelt es sich bei dem Tier um einen Wolfshund, der im Privatbesitz gewesen sein soll.

ロストック(ドイツ、メクレンブルク-フォアポンメルン州の都市)
土曜日の早朝、4本足の友人(註 ドイツでは特に犬を指す言い方)がロストック市の下町を徘徊していたために射殺されました。
当局によると、この動物はオオカミと犬の雑種だったと言われています。
すぐに出動した警察官らは、しばらくの後にその動物を取り囲むことができました。
安全のために、警察官らはロストック市の動物保安部門の消防署員に支援を要請しました。
そのオオカミ犬は唸り声をあげ続けて警察官らに攻撃的であり、誰も近づくことができなかったので射殺されました。
消防隊員によると危険性が大変高かったので、4本足の友人(オオカミ犬)を殺す以外に選択肢はありませんでした。
公の情報によると、この動物は個人が飼育しているオオカミ犬と言われています。



 2019年に、飼主の元から遁走したオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)を、住民から通報を受けたロストック消防署の動物保安グループは数時間後にその犬を射殺しました。これは警察の支援要請によるものです。
 ロストック消防署の動物保安グループは2000年に正式に組織化されました。以降、隊員らはライフル銃を携行し、市中での遁走した犬などを射殺してきました。2015年にはサーカスから遁走したシマウマも射殺しています。ロストック消防署の動物保安グループは、わかっているだけで6件の動物に対する銃の使用がありますが、公式には統計はありません。

 2019年の飼犬が遁走し、ロストック消防署動物保安グループに殺害された際には、動物保護団体から「ロストック市があるメクレンブルク−フォアポンメルン州法では、消防署員には銃の携行と使用を許可してない」と指摘がありました。つまり、ロストック消防署の動物保安グループによる市中での動物の射殺は違法ということになります。
 ロストック市はその指摘を受けて調査を行うとし、調査を終えるまでロストック消防署の動物保安グループの銃の携行と使用を停止しました。なお消防署が徘徊犬猫等の捕獲を行い、公的動物収容所にそれらを収容させる業務はドイツでは合法であり、メクレンブルク−フォアポンメルン州以外の州でも多く採用されています。ドイツには全州で公的動物収容所があり、公的殺処分も行われています。ドイツでは法律に「犬猫等の一次収容は行政の責務である」と明記されています。日本で「ドイツでは公的な動物収容施設はなく民間が保護する」という情報がありますが、荒唐無稽なデマです。
 次に、「ロストック市が属するメクレンブルク−フォアポンメルン州法では、消防署員の銃の携行と使用は許可されていない」とし、ロストック消防署員が市中で動物を射殺することが違法であると指摘する動物愛護団体の意見書を引用します。


Mecklenburg-Vorpommern: Wird jetzt nur noch scharf geschossen? Tierrettung durch Feuerwehr rechtswidrig. Wir fordern ein effektives Tierrettungsmanagement! 「メクレンブルク−フォアポンメルン州:消防隊員は現在攻撃的に動物を射殺するだけなのですか?消防隊による動物の保護は違法です(*)。効果的な動物保護管理が求められます!」 2020年10月2日

* 消防隊員による銃器(麻酔銃も含めて)での射殺以外では、動物の保護収容は州法を確認した限り違法とは解釈されません。

Im Rahmen unserer Recherche zu den durch die Berufsfeuerwehr Rostock erschossenen Tieren “Pumba” und Mr. Blue” konnten nun auf gerichtlichem Wege Unterlagen der Stadt gesichtet werden.
Danach war die Ausstattung der Feuerwehr Rostock/Tierrettung mit Schuss- und Betäubungswaffen wegen Verstoßes gegen § 107 SOG M-V rechtswidrig.
So geschah es auch im Falle der entlaufenen Tiere “Pumba” (Zebra) und “Mr. Blue” (für Wolf gehaltener Hund), die durch Mitarbeiter der Tiernotrettung erschossen wurden. Neben der Tatsache, dass ein Todesschuss jedenfalls im Fall von Mr. Blue wohl nicht erforderlich und damit rechtswidrig war, führt nun auch das Ministerium für Inneres und Europa Mecklenburg-Vorpommern einen weiteren Grund für die Rechtswidrigkeit der Schüsse an: § 107 SOG M-V erlaubt es nur bestimmten Personengruppen zur Gefahrenabwehr von Schusswaffen (einschließlich Betäubungswaffen) Gebrauch zu machen.
Dazu gehören zwar Polizisten, nicht jedoch Beamte der Feuerwehr/Tierrettung oder Tierärzte.
Trotzdem sind diese bereits seit Jahren mit Schusswaffen ausgestattet und bei Tierrettungseinsätzen von der Polizei zur Unterstützung gerufen worden.

ロストックの消防隊が職務で射殺した動物「プンバ(サーカスから逃げ出したシマウマ)」とブルー(遁走した飼犬)に関する調査の一環として、市からの文書を司法手続きを通じて閲覧できるようになりました。
これによると、ロストック消防隊/動物保安員に銃器と麻酔銃を装備させることは、メクレンブルク−フォアポンメルン州「治安と秩序に関する法律」(SOG M-V - Sicherheits- und Ordnungsgesetz
Gesetz über die öffentliche Sicherheit und Ordnung in Mecklenburg-Vorpommern
- Mecklenburg-Vorpommern -)107条に反するために違法でした。
それは遁走した動物「プンバ」(サーカスから逃げ出したシマウマ)と「ブルー(動物保安グループに射殺された飼犬)」(犬をオオカミと間違えた)の射殺です。
ブルー(飼犬)の場合は殺害するための射撃はおそらく必要ではなかったので、それが違法であるという事実に加えて、メクレンブルク−フォアポンメルン州は現在、射殺の違法性の別の理由を挙げています:メクレンブルク「秩序と治安に関する州法」107条では、特定の区分の人にのみ銃器(麻酔銃を含む)を(公務で)使用することを許可しています。
これには警察官は含まれますが、消防隊/動物保安員、または獣医は含まれません。
それにもかかわらず、消防隊の動物保安員は長年銃器で武装しており、動物保護活動中の警察から支援要請で呼ばれてきました。


 私がメクレンブルク−フォアポンメルン州の州法、「メクレンブルク−フォアポンメルン州 治安と秩序に関する法律」(SOG M-V - Sicherheits- und Ordnungsgesetz Gesetz über die öffentliche Sicherheit und Ordnung in Mecklenburg-Vorpommern - Mecklenburg-Vorpommern -)107条を私が確認したところ、たしかに消防署員が公務で銃器を携行し、使用することは許可されていません。次回記事では、このメクレンブルク−フォアポンメルン州治安と秩序に関する法律107条の原文を引用し、解説します。


(動画)

 BEI ROSTOCK: Feuerwehr erschießt wehrloses Zirkus-Zebra 「ロストックで:消防隊員が無防備なサーカスから逃げ出したシマウマを射殺しました」 2019年10月3日
 実際にシマウマが射殺されたのは2015年です。しかし2019年10月に遁走した飼犬がロストックの消防署員に射殺され、その違法性が蒸し返されました。


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「海外のアニマルポリス」に関して正確な資料は日本で皆無〜アメリカ編






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(summary)
Powers of agents of society for prevention of cruelty to animals has some power and authority to arrest as an officer authorized to serve criminal process.


 議論がかまびすしい「アニマルポリス」ですが、「海外に倣え」、「海外では」と声高に主張している愛誤な人が多いです。しかし私が調べた限り、海外の「アニマルポリス」に関して正確な資料は日本には1つもありません。「海外ではイギリスなど多くの国で民間団体に警察と同等の法執行権限を付与している」という情報があり、一方では「海外でも民間団体に法執行権限を付与している国はない」とあります。いずれも誤りです。アメリカ合衆国では少なくともロードアイランド州では、動物虐待事件に限り範囲が限定的ながら、民間団体に警察官と同等の法執行権限を付与しています。限定的には、アメリカでは多くの州で動物虐待事件での民間団体での法執行権限を付与しています。イギリスでは民間団体に法執行権限が付与されたことは一度もありません。


 「日本でもアニマルポリスを設置すべき」と主張している国会議員、愛誤活動家等が多いです。そして必ず「海外では〜」、「海外の事例を参考にすべき」、「海外に見倣え」と彼らは声高に言っています。しかし私が調べたところ、一つも海外のアニマルポリスに関して正確な資料はありませんでした。
 「1、海外ではイギリスなど多くの国で民間団体に警察と同等の法執行権限を付与している」という情報があり、一方では「2、海外でも民間団体に法執行権限を付与している国はない」とあります。結論から述べれば、いずれも誤りです。まずイギリスでは歴史上一度も民間団体に法執行権限が付与されたことはありません。アメリカ合衆国ですが、複数の州で限定的ではありますが、民間団体に動物虐待事件に限り法執行権限を付与しています。また少なくともロードアイランド州では動物虐待事件に限り範囲が限定的ながら、民間団体に警察官と同等の法執行権限を付与しています。
 今回記事では、「2、海外でも民間団体に法執行権限を付与している国はない」という情報が完全に誤りであることを述べます。まず最初に、その記述がある資料から引用します。


もしアニマルポリスを日本に導入するなら 担い手や体制、どんな形が考えられる? 細川敦史 2021年7月29日

①民間組織に警察権限を付与する方式があります。
この方式の例としては、アメリカ・ニューヨーク市において、ASPCA(米国動物虐待防止協会、1866年設立)が警察部門を設置し、動物虐待の捜査を行っていたようですが、その後2013年でニューヨーク警察に業務を引き継ぎ、警察部門は閉鎖したとの情報があります。
①の民間方式については、現在、海外でも実施例は見当たりません。



 上記の朝日新聞系メディア、Sippoの記事の記述、「①民間組織に警察権限を付与する方式〜①の民間方式については、現在、海外でも実施例は見当たりません」が完全に誤りであることを示す資料をいくつかあげます。


Table of Enforcement Powers Granted to Humane Societies by State 「アメリカ合衆国各州の、ヒューメイン・ソサエティ(民間の動物保護も行う非営利団体)に付与された執行権限の表」(註 根拠となる各州法が一覧になっています) 2012年 Michigan State University Animal Legal and Historical Center ミシガン州立大学 動物法と歴史研究所

 この資料はミシガン州立大学の動物法とその歴史に関する研究所による資料です。アメリカ合衆国における、Humane Societies (註 動物保護活動も行う非営利の人道支援民間団体)に法執行権限を付与する、各州の州法についてまとめたものです。公開が2012年と古いのでその後の法改正があり完全に正解とは言えませんが、この表では限定的なものも含めれば、動物虐待犯罪に限り、民間団体に容疑者の逮捕権限(最も高度な部類の法執行権限と言える)を付与している州は50州20州あります(これは2012年の資料でその後、民間団体への法執行権限の付与は廃止された州がいくつかあり、縮小傾向ではありますが)。
 民間団体に法執行権限を付与している州でも、例えばケンタッキー州では、動物虐待の容疑者の逮捕では警察官を要請してその指揮下での逮捕を行う権限があるなどの、何らかの一定の制限がある州が多いです。しかし、ロードアイランド州では「警察官と同等の家宅捜索での法執行権限を民間団体に付与する」と州法で定めています。「(範囲が限定的ながら)警察官と同等の法執行権限を付与する」州は現在、私が調べたところアメリカ合衆国ではロードアイランド州1州だけです。ネヴァダ州でも民間団体に動物虐待事件に限り警察官と同等の法執行権限を付与していましたが、2020年に廃止されました。


West's General Laws of Rhode Island Annotated. Title 4. Animals and Animal Husbandry. Chapter 1. Cruelty to Animals. Title 11. Criminal Offenses. Chapter 10. Crime Against Nature 「ロードアイランド州法の一般法に関する注釈 タイトル4.動物と畜産。 第1章動物虐待。 タイトル11。刑事犯罪。 第10章自然に対する犯罪 法題4. 動物と畜産 第1章 動物虐待 法題11. 刑事処罰 第10章 自然に対する犯罪」 2021年更新

4-1-21. Powers of agents of society for prevention of cruelty to animals.
The general agent of the Rhode Island society for the prevention of cruelty to animals and any number of special agents as may be appointed by that society have the same power and authority to arrest as any officer authorized to serve criminal process for the purpose of enforcing any of the laws of this state in relation to cruelty to animals, that power and authority to extend throughout the state, and they may serve any search warrant issued under § 4-1-19 and may search any building or place named in that warrant.
A general agent and any special agents may, for the purpose of carrying out their duties, possess and carry pistols as defined in § 11-47-2, and the provisions of § 11-47-8 shall not apply to them.
Any person who interferes with or obstructs any of those agents in the discharge of their duty shall be guilty of obstructing an officer and punished as provided in § 11-32-1.

4-1-21。 動物虐待防止協会の職員の権限
動物虐待防止ロードアイランド州協会(註 民間の非営利団体)の代表者および協会によって任命される可能性のある任意の数の特別捜査員は、 動物虐待に関連するロードアイランド州の法律により州及び州全域でこの州の法律のいずれかを施行する目的で刑事手続きを行う権限があり許可されています。
4条1−9に基づき発行された捜査令状での権限を行使し、その令状で示された建物または場所を捜索することができます。
協会の代表者および特別捜査員はその職務を遂行する目的で、11条-47-2で定義されている拳銃の所持および携行することができ、11条-47-8の規定はそれらに適用されないものとします。
職務の遂行において協会の職員(註 民間人)を誰であっても妨害し、または妨害した者は警察官の公務を妨害した罪で有罪となり、11条-32-1に規定されてとおり罰せられるものとします。


(動画)

 Michigan Humane Society and Detroit police bust dog fighting raid 「ミシガン州ヒューメイン・ソサエティとデトロイト警察は共同で闘犬アジトを強制捜査して壊滅させました」 2019年3月10日

 ミシガン州ヒューメイン・ソサエティとデトロイト警察は共同で違法闘犬のアジトを強制捜査し、35頭の犬を押収しました。Table of Enforcement Powers Granted to Humane Societies by State 「アメリカ合衆国各州の、ヒューメイン・ソサエティ(民間の動物保護も行う非営利団体)に付与された執行権限の表」によれば、「ミシガン州法ではヒューメイン・ソサエティ(註 民間団体)には動物虐待法の範囲においては保安官と同等の法執行権限を付与する」(Have all the powers of a sheriff of the county to enforce animal cruelty laws)としています。
 保安官(sheriff)は州により職務権限の範囲が異なりわかりにくい職種ですが、「警察官より格下の職務で補佐的な職務を行う」事が多いです。このケースでは警察官の指揮命令下で容疑者の逮捕や犬の押収を民間団体が行ったのですが、限定的ながら法執行権限を行使したということです。

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自然下で生まれた犬と狼の雑種は例外なく殺されるドイツ







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(Zusammenfassung)
In Deutschland werden ausnahmslos Hunde- und Wolfshybriden getötet.



 最近日本でオオカミ犬(犬とオオカミの雑種)が飼主から逃げ出して、その後捕獲されたという事件がありました。一方ドイツですが、オオカミ犬は第4世代までは原則飼育、繁殖、国内持ち込み等が禁止されています。発覚すれば行政により没収され、強制的に殺処分される可能性があります。例外的に飼育許可を得るにも大変厳しいのです。また自然下で犬とオオカミが交配して生まれたものも例外なく殺害されます。理由は安全対策とオオカミの遺伝汚染を防止するためです。


 最近日本でオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)が飼主から逃げ出して、そのご無事に捕獲され飼主に返されたという事件がありました。それを伝えるニュースソースから引用します。逃走のオオカミ犬 とうもろこし畑で発見 飼い主のもとに 千葉 2021年8月17日


今月14日に、千葉県南房総市の住宅から逃げ出していた「オオカミ犬」が17日に、3日ぶりに捕獲され、飼い主のもとに返されました。
今月14日、南房総市和田町海発で60代の男性が自宅の庭で飼育していたオオカミ犬4頭のうち、体長およそ75センチのメスの1頭が逃げ出しました。
警察官や保健所の職員などが、およそ50人態勢でオオカミ犬を捜索していましたが、午前11時半ごろ、市内のとうもろこし畑の中で発見され、保健所の職員に捕獲されました。



 対してドイツでは自然下で生まれたオオカミと犬の雑種は、行政機関によりほぼ例外なく殺害されます。2017年にチューリンゲンで父親がオオカミ、母親が犬のペアからオオカミ犬の仔が生まれました。2017年には殺処分の反対署名がなされたものの、同腹仔はすべて射殺されました。同じペアから2020年にも仔が生まれましたが、最近1頭のメスが州から委託を受けたハンターにより射殺されました、3頭のオオカミ犬が生存しているとされますが、州はそれらも殺処分する予定です。
 2020年の、オオカミ犬の殺処分について報じるニュースソースから引用します。NÄCHSTER WOLF-HUND-MISCHLING IN THÜRINGEN ABGESCHOSSEN 「テューリンゲン州で2回目に生まれたとオオカミ犬の雑種」 2020年2月20日


Innerhalb weniger Tage wurde am Mittwoch ein zweiter Abkömmling aus der Paarung der Ohrdrufer Wölfin mit einem streunenden Hund geschossen, wie das Umweltministerium mitteilte.
Es handle sich um ein weibliches Tier.
Damit soll verhindert werden, dass der Genpool freilebender Wölfe verwässert wird.
Die auf dem Bundeswehrübungsplatz Ohrdruf lebende Wölfin hatte sich zweimal mit einem Hund gepaart; daraus waren 2017 und 2019 zwei Mischlingswürfe hervorgegangen.
Das Umweltministerium hatte im September 2019 eine Ausnahmegenehmigung zur Tötung der Tiere erwirkt.
Am Dienstag nächster Woche soll eine Allgemeinverfügung des Ministeriums in Kraft treten, durch die mehr Jägern als bisher erlaubt wird, die Mischlinge zu töten.
Bisher waren dafür nur vom Ministerium beauftragte Jäger ermächtigt.

数日前にオードルフ(註 地名)のオオカミと野良犬のペアからの2番目の仔が水曜日に射殺されました。
メスでした。
これは、野生のオオカミの遺伝子が犬の遺伝子により汚染されるのを防ぐためです。
オードルフの軍事練兵場に住むオオカミは、犬と2回交配しました。
これにより2017年と2019年に2回、オオカミと犬の雑種の同腹仔が生まれました。
(州)環境省は、2019年9月にこのオオカミと犬の雑種を殺すための特別許可を取得しました。
同省の一般命令は来週火曜日に発効する予定であり、これにより以前よりも多くのハンターがオオカミと犬の雑種を殺すことができるようになります。
今までは、省から委託されたハンターだけがオオカミと犬の雑種を殺害することが許可されていました。



 オオカミと犬の雑種の殺害は、犬の殺処分の範疇と言えなくもないです。いずれにしてもドイツは動物を殺害することも含めて、管理には厳格な国です。「ドイツは殺処分ゼロ」がいかに荒唐無稽なデマかということも、オオカミ犬の殺処分からもおわかりいただけると思います。
 なおオオカミ犬の殺処分の連載記事では、消防署や州の命令による射殺しか取り上げていませんが、違反飼育では没収され、公的動物収容所での安楽死もありえます。その他、ドイツは犬猫とも徘徊野良は行政が捕獲して公的動物収容所に収容して公的殺処分を行っていますし、禁止犬種法があり該当犬種の違法飼育犬、咬傷犬、アニマルホーダーの不適正飼育の動物などを行政が没収して強制的に殺処分を行います。


(動画)

 Seltene Paarung mit einem Hund: Sechs Wolf-Mischlinge auf der Abschussliste 「犬との珍しい交配:射殺対象のリストにある6頭のオオカミの雑種」 2017年10月27日

 今回取り上げたチューリンゲン州のオオカミと犬の自然交配により2017年に生まれたオオカミと犬の雑種の仔に関する動画です。殺処分反対派が作成しました。この動画では雑種の仔を射殺することに反対する署名も行われましたが、結局は6頭すべて射殺されました。動画では「黒いラブラドールの父親」とありますが、マスメディアの報道では母親が犬とありますので、それは誤りだと思います。同じペアから2019年に再び仔が生まれ、2020年に射殺されました。




(動画)

 Gefährlicher Trend: Wolfshunde! Wie gefährlich sind sie für Menschen? | SAT.1 Frühstücksfernsehen 「危険なトレンド:オオカミ犬! それらは人間にとってどれほど危険なのですか?」 2019年7月28日 ドイツ公共放送TVドキュメンタリー 

 ドイツではオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)が(違法ながらも)それを求める飼主がいて流行になっているという内容です。しかしオオカミの血が濃いほど危険性が高くなるとして、オオカミ犬には否定的な論調です。


逃げ出したオオカミ犬は消防署員に射殺された〜ドイツ







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(Zusammenfassung)
In Deutschland werden ausnahmslos Hunde- und Wolfshybriden getötet.



 記事、日本と異なりオオカミ犬は殺処分されるドイツ、の続きです。最近日本でオオカミ犬(犬とオオカミの雑種)が飼主から逃げ出して、その後捕獲されたという事件がありました。一方ドイツですが、オオカミ犬は第4世代までは原則飼育、繁殖、国内持ち込み等が禁止されています。発覚すれば行政により没収され、強制的に殺処分される可能性があります。例外的に飼育許可を得るにも大変厳しいのです。また自然下で犬とオオカミが交配して生まれたものも例外なく殺害されます。理由は安全対策とオオカミの遺伝汚染を防止するためです。


 最近日本でオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)が飼主から逃げ出して、そのご無事に捕獲され飼主に返されたという事件がありました。それを伝えるニュースソースから引用します。逃走のオオカミ犬 とうもろこし畑で発見 飼い主のもとに 千葉 2021年8月17日


今月14日に、千葉県南房総市の住宅から逃げ出していた「オオカミ犬」が17日に、3日ぶりに捕獲され、飼い主のもとに返されました。
今月14日、南房総市和田町海発で60代の男性が自宅の庭で飼育していたオオカミ犬4頭のうち、体長およそ75センチのメスの1頭が逃げ出しました。
警察官や保健所の職員などが、およそ50人態勢でオオカミ犬を捜索していましたが、午前11時半ごろ、市内のとうもろこし畑の中で発見され、保健所の職員に捕獲されました。



 対してドイツで飼育されていたオオカミ犬が逃げ出した件では、消防署員が射殺しました。警察官や保健所の職員が多数出動し、無傷で捕獲の上飼主に戻された日本とは大違いです。記事では、射殺されたオオカミ犬が合法な第5世代以降の「オオカミの血が薄い」ものなのか、規制対象のものかは書かれていません。
 ドイツ、メクレンブルク-フォアポンメルン州ロストックで発生したオオカミ犬の射殺事件を伝えるニュースソースから引用します。Wolf oder Hund? Feuerwehr erschießt Tier in Rostocker Innenstadt 「オオカミなのか犬なのか?ロストックの下町で消防隊員がその動物を射殺しました」 2019年10月26日


Rostock.
Am frühen Samstagmorgen ist ein Vierbeiner durch die Rostocker Innenstadt gestreift und erlegt worden.
Nach Behördenangaben soll es sich bei dem Tier um einen Wolfshund gehandelt haben.
Die Beamten, die sich sofort auf den Weg machten, konnten das Tier nach einer gewissen Zeit einkreisen.
Zur Sicherheit riefen sie dafür die Gefahrenabwehr Tier der Berufsfeuerwehr Rostock zu Hilfe.
Da das Tier durch sein ständiges Knurren aggressiv auf die Beamten wirkte und niemanden an sich heranließ, wurde es erschossen.
Laut Feuerwehr sei die Gefahr so groß gewesen, dass es keine andere Möglichkeit gab, als den Vierbeiner zu erlegen.
Nach offiziellen Angaben handelt es sich bei dem Tier um einen Wolfshund, der im Privatbesitz gewesen sein soll.

ロストック(ドイツ、メクレンブルク-フォアポンメルン州の都市)
土曜日の早朝、4本足の友人(註 ドイツでは特に犬を指す言い方)がロストックの下町を徘徊していたために射殺されました。
当局によると、この動物はオオカミ犬だったと言われています。
すぐに出動した警察官らは、しばらくの後にその動物を取り囲むことができました。
安全のために、警察官らはロストック市の動物保安部門の消防署員に支援を求要請しました。
そのオオカミ犬は唸り声をあげ続けて警察官らに攻撃的であり、誰も近づくことができなかったので射殺されました。
消防隊員によると危険性が大変高かったので、4本足の友人(オオカミ犬)を殺す以外に選択肢はありませんでした。
公の情報によると、この動物は個人が飼育しているオオカミ犬と言われています。



 追記ですが、このオオカミ犬を射殺した消防署員の行為は違法である可能性が高いとして、現在メクレンブルク−フォアポンメルン州では消防署の動物保安員の銃器の携行を停止しています。動物愛護団体の指摘を受けてのことですが、メクレンブルク−フォアポンメルン州の州法では、消防署員には銃器の携行と使用を公務では認めていないからです。
 メクレンブルク−フォアポンメルン州では、消防署の動物保安係はかねてより銃器を携行して出動し、このオオカミ犬以外にもサーカスから遁走したシマウマなども射殺しています。この件については、後ほど改めて記事にします。法律の条文原文を読んだところ、明らかに消防署員が公務で銃器を携行し、使用することは違法と解釈できます。このようなことが慣行で行われ、警察署も消防署に支援を要請していたことが驚きです。

 ドイツでは消防署員が公共の安全確保のためにも犬猫などを捕獲する権限はあります。その上で犬猫などを公的動物収容所に収容します。ドイツでは全州に公的動物収容所があり、法律で犬猫の一次収容は行政と明記されています。ドイツでは、公的動物収容所での殺処分も行われています。
 あくまでも犬(オオカミ犬)を数日間かけて無傷で捕獲し、飼主に返還する日本は犬の飼い主に大変寛容で優しい国です。ドイツではこの事件では、通報を受けてから数時間後にオオカミ犬を射殺しています。


(動画)

 Skandal: Feuerwehr erschießt Wolfshund | Crimespot Doku 「スキャンダル:消防署員はオオカミ犬を射殺しました」 2021年3月30日

 上記の事件を取り上げたTVドキュメンタリー。人に飼われていたオオカミ犬が遁走して、数時間後に消防署員に射殺されました。そのオオカミ犬の飼主の嘆きを取り上げています。ドイツでは、消防署も犬猫の捕獲と公的動物収容所への収容業務を行っています。ドイツには全州で公的な動物収容所があり、殺処分も行われています。危険と判断すれば、消防署員が犬などを射殺することもあります。ビデオで写っている消防署の車両に書かれた、Tier Notruf という記述は、「動物 緊急通報」という意味です。
 射殺されたブルーというオオカミ犬は飼主のもとから遁走後、目撃された住民により消防署に通報があり、それにより消防署員がオオカミ犬を射殺しました。


日本と異なりオオカミ犬は殺処分されるドイツ







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(Zusammenfassung)
In Deutschland werden ausnahmslos Hunde- und Wolfshybriden getötet.



 最近日本でオオカミ犬(犬とオオカミの雑種)が飼主から逃げ出して、その後捕獲されたという事件がありました。一方ドイツですが、オオカミ犬は第4世代までは原則飼育、繁殖、国内持ち込み等が禁止されています。発覚すれば行政により没収され、強制的に殺処分される可能性があります。例外的に飼育許可を得るにも大変厳しいのです。また自然下で犬とオオカミが交配して生まれたものも例外なく殺害されます。理由は安全対策とオオカミの遺伝汚染を防止するためです。


 最近日本でオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)が飼主から逃げ出して、そのご無事に捕獲され飼主に返されたという事件がありました。それを伝えるニュースソースから引用します。逃走のオオカミ犬 とうもろこし畑で発見 飼い主のもとに 千葉 2021年8月17日


今月14日に、千葉県南房総市の住宅から逃げ出していた「オオカミ犬」が17日に、3日ぶりに捕獲され、飼い主のもとに返されました。
今月14日、南房総市和田町海発で60代の男性が自宅の庭で飼育していたオオカミ犬4頭のうち、体長およそ75センチのメスの1頭が逃げ出しました。
警察官や保健所の職員などが、およそ50人態勢でオオカミ犬を捜索していましたが、午前11時半ごろ、市内のとうもろこし畑の中で発見され、保健所の職員に捕獲されました。



 この事件のオオカミ犬のオオカミの血の濃さは不明ですが、仮に4世代雑種よりもオオカミの血が濃ければ、ドイツではほぼ殺害されています。ドイツでは第4世代までのオオカミ犬の飼育、繁殖、国内持ち込みは原則禁止されており、見つかったオオカミ犬は行政が没収し、強制的に殺処分される可能性もあります。遁走させれば自然下での繁殖と判断されれば例外なく殺害されます。
 日本はオオカミ犬に対しても随分とドイツに比べると優しいと言わざるを得ません。以下に、ドイツにおけるオオカミ犬に関する法規制に関する説明の資料をいくつか引用します。


Anpassung des Bundesnaturschutzgesetzes Neue Regeln für den Wolf 「ドイツ連邦自然保護法への適応 オオカミのための新しい規則」 2020年2月14日 ドイツ連邦政府文書

Das Gesetz regelt auch den Umgang mit Wolf-Hund-Mischlingen, den sogenannten Wolfshybriden.
Diese Tiere bringen neue Probleme mit sich: Sie gefährden den Bestand der Wolfsrudel und damit den Artenschutz des Wolfes.
Deshalb sieht der gesetzliche Änderung eine Tötung dieser Wolfsmischlinge durch die zuständigen Naturschutzbehörden vor.

法律はまた、オオカミと犬の雑種、いわゆるオオカミのハイブリッドの取り扱いを規定しています。
これらの動物はオオカミに新たな問題をもたらします:オオカミと犬との雑種はオオカミの集団の個体数維持に対するリスクをもたらし、それによりオオカミの種の保全を危険にさらします。
したがって、法改正により、これらの雑種オオカミは所管する自然保護当局によって殺害されることが規定されています。


*かねてよりドイツ連邦法では「オオカミと犬の雑種からオオカミの種の保全をしなければならない」との規定があり、州法ではオオカミと犬との雑種が自然界で発生した場合は殺害しなければならないとの規定がありました。2020年の連邦法の改正で、ドイツ連邦として明確に「オオカミと犬との雑種は殺害しなければならない」と規定されました。


Wolfshybriden als Haustier halten? Bitte nicht! 「オオカミと犬の雑種をペットとして飼うのですか? やめてください!」 2021年2月19日

Interessieren sich immer mehr Tierhalter innen für sogenannte Wolfshybriden, also Mischlinge aus Wolf und Hund.
Doch die Haltung der Tiere ist teilweise illegal und auch im Hinblick auf jene, die hierzulande legal gehalten werden dürfen, extrem anspruchsvoll.
Erst ab der fünften Generation (F5) werden Wolfshybriden als Hunde eingestuft.
Wer also einen Wolf oder Wolfshybriden der ersten bis vierten Generation in Deutschland halten oder züchten will, macht sich ohne entsprechende behördliche Genehmigung strafbar.
Erst ab der fünften Generation ist eine Haltung der Mischlingstiere als Hunde erlaubt.

いわゆるオオカミの雑種、つまりオオカミと犬とのハイブリッドに興味を持っているペットの飼い主はますます増えています。
しかしオオカミ犬を飼うことは一部では違法あり、この国でオオカミ犬を合法的に飼うことは非常に厳しいものです。
犬として分類されるオオカミの雑種は、第5世代(F5)からのみです。
ドイツで第1世代から第4世代のオオカミまたはオオカミの雑種を飼育または繁殖させたい場合は、適法に公の許可なしには刑事起訴される可能性があります。
オオカミと犬の雑種を犬として飼うことができるのは第5世代からです。



 事実、2020年と2017年にはドイツでは自然下でのオオカミと犬の自然交配によって生まれた雑種が出現し、いずれも州の行政機関が射殺処分しています。ドイツでは、人に飼われていたオオカミ犬(報道では正規に飼育許可を得ていたのか、合法的に犬として飼うことができる第5世代以降の雑種だったのかは定かではありません)が、消防署員に射殺された事件もあります。
 次回以降の記事では、これらのドイツのニュースソースを取り上げます。「オオカミと犬の雑種」の殺処分も広義では「犬の殺処分」の範疇に含まれるとも言えます。日本で喧伝されている「ドイツでは殺処分ゼロ」は根拠がない悪質なデマです。


(動画)

 Zwischen Wolf und Hund - Wie gefährlich sind Wolfshybriden? | DokThema | Doku | BR 「オオカミと犬の狭間で-オオカミと犬の雑種はどれほど危険なのですか?」 2019年4月13日

 ドイツ公共放送バイエルン放送ドキュメンタリー。この番組ではヨーロッパでオオカミと犬の雑種が人気で、市場が成長してるとしています。この番組では、オオカミと犬の雑種を飼育することには批判的です。またオオカミ犬は、自然界にも存在しているとしています。




(動画)

 Skandal: Feuerwehr erschießt Wolfshund | Crimespot Doku 「スキャンダル:消防署員はオオカミ犬を射殺しました」 2021年3月30日

 人に飼われていたオオカミ犬が遁走して消防署員に射殺された事件を取り上げた、ドイツのTVドキュメンタリー番組。ドイツでは、消防署も犬猫の捕獲と公的動物収容所への収容業務を行っています。ドイツには全州で公的な動物収容所があり、殺処分も行われています。危険と判断すれば、消防署員が犬などを射殺することもあります。ビデオで写っている消防署の車両に書かれた、Tier Notruf という記述は、「動物 緊急通報」という意味です。
 射殺されたブルーという名のオオカミ犬は飼主のもとから遁走後、目撃された住民により消防署に通報があり、それにより消防署員がオオカミ犬を射殺しました。


ドイツで警察官が犬などを射殺する数は年間1万5,000頭以上〜なぜこれほどまでに激増したのか







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(Zusammenfassung)
Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 11. Juli 2020
Art des Schusswaffengebrauchs insgesamt Tier und Sachen davon 15,475(2019)



 私はこのブログ記事で、しばしばドイツの警察官が犬などの動物を射殺する数が年間1万件を超え、極めて多いことを取り上げています。ドイツの各州の警察法では「警察官は安全対策上もしくは動物福祉の観点から危険な、もしくは傷病で苦しんでいる動物を発見した場合はその動物を射殺しなければならない」としています(例えばベルリン州警察法など)。ドイツ連邦警察は警察官による発砲の詳細な統計を毎年公表しています。警察官による犬などの動物の射殺は近年激増しており、最新の統計では1万5,000頭を超えました。


(画像)

 サマリーで示した、「最も新しい警察官による犬などの動物の射殺数」ですが、こちらに統計資料があります。出典はドツ連邦警察統計です。Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 11. Juli 2020 「ドイツの警察官の銃の発射についての統計(ドイツ連邦政府 連邦警察統計)」(2020年)です。
 以下の画像が、「2019年の動物及び器物に対する警察官の発砲」の掲載であり、15,475件です。なお、Sachen「器物」に対する発砲もこの数に含まれますが、これは例えば自動車に対する威嚇射撃など例外的です。大手新聞社はこの数値を「すべて動物に対する射撃」と報道しています(例 Polizei schoss 2018 auf weniger Menschen als im Vorjahr 「警察官による対人射撃は2018年に前年よりも減少した」 2019年7月24日)。また報道される事件がほとんど犬であり、また警察官が動物の射殺で出動するのは市街地や高速道路上であることを鑑みれば、動物の内訳の多くで犬が占めると思われます。

ドイツ 警察官による犬猫等の射殺 2021年


 ドイツ国内での警察官による犬などの射殺は一貫して増加傾向です。10年前の2009年は8,605件、20年前の1999年は3,240件でした。複数の要因が考えられますが、ドイツでは東欧がEUに加盟後に犬の輸入が自由化され、犬の飼育数が激増したこと(10年余りの期間で5犬の飼育数は500万頭台から2020年には1,000万頭台の大台に乗りました)があると思います。
 飼育数が増加すれば、それだけ不適正飼育者も増え、犬の遺棄や咬傷事故を起こす可能性がある犬の遁走も増えるからです。さらに犬の飼育数が増えることは捨て犬や犬の飼育放棄が増え、受け皿となるティアハイムが収容不能に陥り、引受不能のなっていることも考えられます。ティアハイムが引き受け不能であれば、現場で野良犬は先に射殺処分せざるをえないのではないでしょうか。

 最近も、警察官による犬の射殺事件が報道されています。暴力犯罪での誤認捜査で無関係な人の住居に警察官が踏み込みましたが、そこで飼われていた飼犬が警察官に吠えかかりました。警察官は犬に銃を発砲し犬は死亡しました。私は近年、ドイツでは、警察官が安易に犬などを射殺する事件が増えたように感じます。
 以下に、そのニュースソースから引用します。Beamter erschießt Hündin Polizeieinsatz in Köln eskaliert: Warum musste Nala sterben? 「ケルンでの警察官の公務でのメス犬に対する銃撃はエスカレートします:なぜナラ(警察官に射殺されたメス犬の名前)は死ななければならなかったのですか?」 2021年5月20日


Köln – Es sind Bilder, die schocken.
Ein Hund liegt in seinem Blut, röchelt nach Luft.
Sein Herrchen liegt gebeugt über dem Tier, drückt es verzweifelt an sich.
Im Hintergrund stehen Polizisten auf den Treppen.
Polizei bei Einsatz in Köln-Mülheim.
Beamter erschoss Mischlingshündin Nala.
Es ist 1.13 Uhr am Freitag (14. Mai), als mehrere Anrufe der Polizei eine Schlägerei vor einem Haus in der Formesstraße in Mülheim melden, bei der sich Mann und Frau an den Kragen gehen. Die Beamten rasen hin, treffen mehrere Personen an.
Die Polizisten wollen sich einen Überblick über die unklare Situation verschaffen.
Die Tumulte haben auch Hausbewohner Marcel B. (32) aus dem Schlaf gerissen.
Sie stürmen nach oben, klingeln und klopfen gegen die Wohnungstür. Hündin Nala gefällt das nicht.
Sie bellt los. Der Hund ist auf die Beamten zu und wollte einen Kollegen anspringen.
Der Beamte hat daher zweimal auf den Hund geschossen.

ケルン-衝撃的な写真があります。
犬は血の中に横たわり、息絶えています。
犬の飼い主は犬の傍らに腰を下ろし、必死に抱きしめています。
背後に警察官が階段に立っています。
ケルン-ミュールハイムで公務中の警察官は、雑種犬のナラを公務で撃ち殺しました。
金曜日(5月14日)の午前1時13分、ミュールハイムのフォルメスシュトラーセにある家の前で男性と女性が暴力をふるってケンカをしていたとの通報が警察に何度か電話でありました。
警察官らは何人かの関係者に会うために急行しました。
警察官らは不明確な状況がどうなっているのか知りたいと思っていました。
その騒動により、近くに住むマルセルB氏(32)(註 事件に無関係で、飼犬を警察官に射殺された飼主)は目が覚めました。
警察官らはマルセルB氏の2階の部屋のドアベルを急いで鳴らし、正面玄関をノックしました。
メス犬のナラはそれを不快に感じました。
ナラは吠え始めます。
犬は同僚の察警察官に向かって飛びつこうとしました。
そのためにもう一方の警察官は2回犬を撃ちました。



(参考資料)

野良犬・野良猫「殺処分と駆除の実態」〜日本・ドイツ、共に殺処分・駆除ゼロは不可能である!

「ドイツ全体で、警官やハンターによる2012年の年間射殺数は、犬が6万5千匹、猫は40万匹に達する」という指摘もあるようです。

 良記事なのですが、民間の犬猫の狩猟推計値に警察官による犬猫等の射殺を含めているのが残念です。狩猟法による犬猫の狩猟駆除と警察官による警察法に基づく犬猫などの射殺は根拠法が異なり、別の推計と統計です。

続・まとめ・ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無







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(Zusammenfassung)
Landesjagdgesetz
Jagd Gesetz


 記事、
「ドイツ連邦法では住居から300m離れていれば犬猫を狩猟できる」は間違い〜ドイツの犬猫の狩猟駆除について正しく解説している資料は日本に皆無
ライブトラップで捕らえた飼猫を殺害することが合法なドイツ、バイエルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
犬猫の狩猟では住居からの制限がないベルリン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ハンブルク州は犬猫の狩猟では狩猟区域内の制限はない〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなで捕獲した飼い犬猫の殺害が合法なメクレンブルク−フォアポンメルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ノルトライン−ヴェストファーレン州では狩猟区域の制限も住居からの距離の制限もなく犬を狩猟して良い〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
猫の狩猟が禁止されているザールラント州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなにかかった猫の殺害が合法なザクセン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
狩猟区域内で犬猫を殺されても飼主は損害賠償請求が困難なチューリンゲン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
まとめ・ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
の続きです。
 多くの資料で「ドイツでは連邦狩猟法により最寄りの住宅から300m離れていれば犬猫は狩猟による殺傷が合法である」と日本で紹介されています。また「狩猟区域内」とする資料も多いです。しかしこの記述は正しくはありません。ドイツ連邦狩猟法23条では「ハンターには狩猟鳥獣を捕食する犬猫から狩猟鳥獣を保護する責務がある」とはあります。しかし具体的な狩猟可能な範囲等については、各州法に立法を委ねています。「最寄りの住宅からの距離」については州や時期により、住宅からの距離は0mから500mの幅があります。狩猟区域内とする州と制限が無い州があります。



 サマリーですでに述べましたが、日本で流布されている「ドイツ連邦狩猟法では住居から300m以上離れていれば犬や猫は狩猟対象で銃などで狩猟駆除(殺傷)が合法である」ですが、誤りです。しかしそのようにドイツの犬猫の狩猟に関する法律に関する情報が多いです。例えば、次のような資料です。


飼い犬・猫も狩猟者の標的になる!?動物福祉先進国・ドイツの驚きの制度 2018年4月2日

「ドイツ連邦狩猟法」という国が定めた法律によって認められているのです。
狩猟法の23条では”在来野生生物の保護”と”生態系の維持”のために、民家から300m以上離れた狩猟区域内にいる犬や猫は狩猟対象とし、銃などで殺傷することを許可しているのです。
ドイツではすべての野生動物は「法的な所有者がいない」と考えられ、都市部や集落などの居住区でなければ、原則どこでも狩猟が可能とされています。



 上記の資料をまとめると次のようになります。
1、ドイツでは連邦狩猟法により犬猫の狩猟による殺傷(殺すこととともに故意に傷つけること)が認められている。
2、具体的に連邦法で狩猟範囲が犬猫とも最寄りの住居から300m以上離れていなければならないとしている。
3、連邦法で犬猫の狩猟は狩猟区域内に限るとしている。

 しかし1、2、3とも誤りです。「1」ですが、連載の最初の記事、「ドイツ連邦法では住居から300m離れていれば犬猫を狩猟できる」は間違い〜ドイツの犬猫の狩猟駆除について正しく解説している資料は日本に皆無 で述べたとおり、ドイツ連邦狩猟法では「狩猟鳥獣を狩る犬猫からハンターは狩猟鳥獣を保護しなければならない」とは定めていますが、「殺傷せよ」や、具体的な狩猟を行える範囲については下位法の各州法に定められています。
 今回記事では、「3」の、ドイツ国内における犬猫の狩猟が許可される範囲について、「狩猟区域内に限るか否か」についてまとめます。各州の「犬または猫の狩猟が可能な範囲について狩猟区域内に限るか否か」は次のとおりです。


ドイツ連邦州16州における犬猫の狩猟が「狩猟区域内に限るか否か」について

・バーデン−ヴュルテンベルク州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る     

・バイエルン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。    

・ベルリン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。


・ブランデンブルク州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。     
 
・ブレーメン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。     

・ハンブルク州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内との制限はない。

・ヘッセン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。

・メクレンブルク−フォアポンメルン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。

・ニーダーザクセン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。

・ノルトライン−ヴェストファーレン州
犬の狩猟においては狩猟区域内に限るという制限はない。
猫の狩猟は禁止されている。

・ラインラント−プファルツ州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内との制限はない。

・ザールラント州
犬の狩猟においては狩猟区域内とも制限はない。
猫の狩猟は禁止。     

・ザクセン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。

・ザクセン−アンハルト州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。

・シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。

・チューリンゲン州
犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限る。


 ドイツ連邦州16州全州における、犬猫の狩猟が可能な範囲が狩猟区域内に限るか否かまとめると次のとおりです。

・犬 16州全州で狩猟が狩猟区域外でも認められるのは4州。ただし飼主の管理下から離れている使役犬以外の犬。
・猫 狩猟が狩猟区域外でも認められる州は2州。猫の狩猟が禁止される州は2州。その他の12州は狩猟区域内に限る。


 つまりドイツ連邦州16州のうち、「犬猫の狩猟において狩猟区域内に限る」とする州は犬では12州です。4州では、犬の狩猟においては狩猟区域内とは制限を設けていません。猫は狩猟を狩猟区域内に限るとしている州は12州です。狩猟区域内との制限を設けていない州は2州、猫の狩猟を禁止している州は2州です。日本で流布されている、「ドイツでは犬猫の狩猟は最寄りの住居から300m離れていれば合法であると連邦狩猟法で定めている」という情報は、あまりにもずさんでいい加減としか言いようがありません。このような記述をしたライターは原典を一切調べていないと思われます。
 また「殺傷が合法」も誤りです。犬猫の狩猟駆除では、速やかな殺害が求められているからです。意図せずいわゆる半矢になり死に至らしめなかった場合はやむを得ないとしても、故意に犬猫を狩猟行為により傷害だけを負わせることは認められていません。例えば、töten(「殺すこと」バーデン-ヴュルテンベルク州)、zu töten(「殺すこと」バイエルン州)、zu töten(「殺害」ベルリン州)、zu töten (「殺害」ブランデンブルク州)、zu töten(「殺すこと」ブレーメン州)、zu töten(「殺すこと」ハンブルク州)、zu töten(「ヘッセン州」殺すこと)、zu töten(「殺すこと」メクレンブルク-フォアポンメルン州)、zu töten(「殺すこと」ニーダーザクセン州)、töten(「殺すこと」ノルトライン-ヴェストファーレン州)、zu töten(「殺すこと」ラインラント-プファルツ州)、zu töten(「殺すこと」シュレースイッヒ-ホルシュタイン州)、zu töten(「殺すこと」チューリンゲン州)の各州法に「犬もしくは猫の殺害」と明確に記述があります。しかし「傷つける」、「障害を負わせる」ことは認めておらず、故意に行った場合は違法と解釈されます。ドイツの犬猫の狩猟一つとっても、日本では正確な情報が一つもありません。ライターが原典を調べることすらしないのは明らかです。

 なおドイツの各州の狩猟法は、数年間隔で改正が行われています。かつては犬の狩猟においても、住居からの距離の制限があった州法があったと記憶しています。また住居からの距離が緩和された、または撤廃された州があり、全体としては犬猫の狩猟は緩和傾向であると私は感じます。
 また16州のうち2州が猫に限り狩猟を禁じました。それは在来の野生動物であるヨーロッパヤマネコの誤射の防止という面があると思います。


(動画)

 Bensheim: Jäger erschießt zwei freilaufende Hunde im Wald 「ベンスハイム:森の中で自由に走り回っている2頭の犬をハンターが射殺した」 2020年12月2日

 ヘッセン州ベンスハイムで、自由に走り回っている犬をハンターが射殺しました。しかしドイツ、ヘッセン州の法律ではそれは合法だという内容の動画です。

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まとめ・ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無







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(Zusammenfassung)
Landesjagdgesetz
Jagd Gesetz


 記事、
「ドイツ連邦法では住居から300m離れていれば犬猫を狩猟できる」は間違い〜ドイツの犬猫の狩猟駆除について正しく解説している資料は日本に皆無
ライブトラップで捕らえた飼猫を殺害することが合法なドイツ、バイエルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
犬猫の狩猟では住居からの制限がないベルリン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ハンブルク州は犬猫の狩猟では狩猟区域内の制限はない〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなで捕獲した飼い犬猫の殺害が合法なメクレンブルク−フォアポンメルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ノルトライン−ヴェストファーレン州では狩猟区域の制限も住居からの距離の制限もなく犬を狩猟して良い〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
猫の狩猟が禁止されているザールラント州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなにかかった猫の殺害が合法なザクセン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
狩猟区域内で犬猫を殺されても飼主は損害賠償請求が困難なチューリンゲン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
の続きです。
 多くの資料で「ドイツでは連邦狩猟法により最寄りの住宅から300m離れていれば犬猫は狩猟による殺傷が合法である」と日本で紹介されています。また「狩猟区域内」とする資料も多いです。しかしこの記述は正しくはありません。ドイツ連邦狩猟法23条では「ハンターには狩猟鳥獣を捕食する犬猫から狩猟鳥獣を保護する責務がある」とはあります。しかし具体的な狩猟可能な範囲等については、各州法に立法を委ねています。「最寄りの住宅からの距離」については州や時期により、住宅からの距離は0mから500mの幅があります。狩猟区域内とする州と制限が無い州があります。



 サマリーですでに述べましたが、日本で流布されている「ドイツ連邦狩猟法では住居から300m以上離れていれば犬や猫は狩猟対象で銃などで狩猟駆除(殺傷)が合法である」ですが、誤りです。しかしそのようにドイツの犬猫の狩猟に関する法律に関する情報が多いです。例えば、次のような資料です。


飼い犬・猫も狩猟者の標的になる!?動物福祉先進国・ドイツの驚きの制度 2018年4月2日

「ドイツ連邦狩猟法」という国が定めた法律によって認められているのです。
狩猟法の23条では”在来野生生物の保護”と”生態系の維持”のために、民家から300m以上離れた狩猟区域内にいる犬や猫は狩猟対象とし、銃などで殺傷することを許可しているのです。
ドイツではすべての野生動物は「法的な所有者がいない」と考えられ、都市部や集落などの居住区でなければ、原則どこでも狩猟が可能とされています。



 上記の資料をまとめると次のようになります。
1、ドイツでは連邦狩猟法により犬猫の狩猟による殺傷(殺すこととともに故意に傷つけること)が認められている。
2、具体的に連邦法で狩猟範囲が犬猫とも最寄りの住居から300m以上離れていなければならないとしている。
3、連邦法で犬猫の狩猟は狩猟区域内に限るとしている。

 しかし1、2、3とも誤りです。「1」ですが、連載の最初の記事、「ドイツ連邦法では住居から300m離れていれば犬猫を狩猟できる」は間違い〜ドイツの犬猫の狩猟駆除について正しく解説している資料は日本に皆無 で述べたとおり、ドイツ連邦狩猟法では「狩猟鳥獣を狩る犬猫からハンターは狩猟鳥獣を保護しなければならない」とは定めていますが、「殺傷せよ」や、具体的な狩猟を行える範囲については下位法の各州法に定められています。
 今回記事では、「2」の、ドイツ国内における犬猫の狩猟が許可される範囲について、最寄りの住居からの距離についてまとめます。各州の「犬または猫の狩猟が可能な住居からの距離」は次のとおりです。


ドイツ連邦州16州における犬猫の狩猟が可能な最寄りの住居からの距離

・バーデン−ヴュルテンベルク州
犬     0m
猫     0m

・バイエルン州
犬     0m
猫     0m

・ベルリン州
犬     0m
猫     0m

・ブランデンブルク州
犬     0m
猫     200m以上離れていることを要する。
 
・ブレーメン州
犬     0m
猫     200m以上

・ハンブルク州
犬     0m
猫     200m以上

・ヘッセン州
犬     0m
猫     300m〜500m以上(時期により異なる)

・メクレンブルク−フォアポンメルン州
犬     0m
猫     200m以上

・ニーダーザクセン州
犬     0m
猫     200m以上

・ノルトライン−ヴェストファーレン州
犬     0m
猫     猫の狩猟は禁止は禁止されている。

・ラインラント−プファルツ州
犬     0m
猫     300m以上

・ザールラント州
犬     0m
猫     猫は狩猟禁止

・ザクセン州
犬     0m
猫     300m以上

・ザクセン−アンハルト州
犬     0m
猫     300m以上

・シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州
犬     0m
猫     200m以上

・チューリンゲン州
犬     0m
猫     200mを超えなければならない。


 ドイツ連邦州16州全州における、犬猫の狩猟が可能な範囲での最寄りの住居からの距離はまとめると次のとおりです。

・犬 16州全州で最寄りの住居からの制限はない。ただし飼主の管理下から離れている使役犬以外の犬。
・猫 住居からの制限   0m 3州
             200m以上 4州
             200mを超える 1州
             300m以上 5州
             300m以上〜500m以上 1州(住居からの距離は季節により異なる)
             猫の狩猟を禁止している 2州


 つまりドイツ連邦州16州のうち、「最寄りの住居からの距離を300m以上と定めている」州は「猫に限り」、「5州のみ」です。日本で流布されている、「ドイツでは犬猫の狩猟は最寄りの住居から300m離れていれば合法であると連邦狩猟法で定めている」という情報は、あまりにもずさんでいい加減としか言いようがありません。このような記述をしたライターは原典を一切調べていないと思われます。
 その他にも「ドイツでは狩猟区域内に限り犬猫の狩猟が合法」や、「ドイツでは犬猫の狩猟による殺傷(傷つけることも)が合法」も誤りです。次回記事では、それらの点について述べようと思います。


(動画)

 Skandal: "Die wollen meinen Hund erschiessen!" 「スキャンダル:ハンターたちは私の犬を射殺したいのです!」 2021年3月3日

 女性飼主の飼犬ドビーは逃げ出して半野良状態になりました。飼主がドビーを捕まえようとしましたがなかなか成功しませんでした。同時に地元のハンターがドビーの射殺許可を地方獣医局から得ました。許可が必要とはチューリンゲン州などのごく一部の州でしょう。
 先に飼主がドビーを捕獲するか、ハンターが先にドビーを射殺するか競争状態になったというドイツならではの話です。飼主が仕掛けたドビーを捕まえるわなをハンターに破壊されるなどしましたが、ドビーは無事飼主により捕獲されました。詳細についてはこちら。LASST DOBBY LEBEN! 「逃げ出したドビー、生きていて!」。犬を遁走させて家に帰らないとか(案外不適正飼育がまかり通っている)、その犬をハンターが射殺しようとするとか。ドイツならではの話です。






飼主の目の前でハンターに射殺された犬〜ドイツ、チューリンゲン州







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(Zusammenfassung)
Thüringer Jagdgesetz (ThJG)
Der Eigentümer eines in einem Jagdbezirk getöteten Hundes oder einer dort getöteten Katze kann wegen der Tötung und Beseitigung Schadenersatz nur verlangen, sofern er nachweist, dass die gesetzlichen Voraussetzungen für die Zulässigkeit der Tötung nicht vorgelegen haben.<


 最近起きた事件です。ドイツ、チューリンゲン州で飼主が犬を散歩させている途中で、リードを離した直後にハンターに射殺されました。チューリンゲン州狩猟法の規定によれば、この件でハンターの民事上の責任を問うのは難しいと思われます。チューリンゲン狩猟法においては「狩猟区域内で犬猫を殺害された場合に飼主がハンターに損害賠償を求めるには、ハンターが法的要件を満たしていないことを飼主が立証しなければならない」としているからです。

 
 ドイツでは全州で犬の狩猟が通年合法です(本記事公開時点ですべての州法を確認済み)。一部日本では「ドイツでは3州で野犬などの狩猟が禁じられ、他の州でも禁止の法改正が進んでいる」という情報がありますが全くのデマです。ごく最近ですが、ドイツ、チューリンゲン州で飼主が散歩中に犬のリードを外したところ、直後に犬はハンターに射殺されました。犬の飼い主はハンターを刑事告訴しました。飼主はハンターに民事訴訟では法的責任を問うのは難しいと思われます。
 それはチューリンゲン州狩猟法の規定にあります。チューリンゲン州狩猟法においては「狩猟区域内で犬猫が殺害された場合、飼主がハンターに損害賠償を求めるには飼主がハンターの犬猫の狩猟の法的要件を満たしていないことを証明しなければならない」と定めているからです。仮にこのハンターがチューリンゲン州狩猟法に基づき、正規の犬の狩猟の許可を得ていたとすれば、ハンターの違法性を立証するのは困難です。先に、この事件を伝えるニュースソースから引用します。


Hund in Jena: Jäger erschießt Tier – weil er DAS beschützen will: „Miro starb in meinen Armen“ 「チューリンゲン州イエナの犬:ハンターが犬を射殺-ハンターは狩猟鳥獣を彼は守りた狩ったので:『ミロ(註 射殺された犬)は私の腕の中で死んだ』」 2021年6月11日

Am Mittwoch, den 2. Juni, wurde Hund Miro bei einem Abendspaziergang mit seinem Herrchen von einem Jäger erschossen.
„Miro starb in meinen Armen. Es war schrecklich“, berichtet die Hunde-Halterin Doreen Jaenichen gegenüber der „Thüringer Allgemeine“.
Thomas Hornung zückte seine Waffe, weil er den tschechoslowakischen Wolfshund als eine Bedrohung für sein Wild ansah und dieses schlichtweg verteidigen wollte.
Da seine Besitzerin Doreen Miro auf einer Wiese von der Leine ließ, hatte der Jäger die Befürchtung, der Hund könne eine Häsin in der Brutzeit von ihren Jungen trennen und sah sich als Obmann für Jagdhundewesen deshalb zu seiner Tat verpflichtet.
Wie Jäger Thomas Hornung sagt, habe er die Familie schon oftmals zuvor dazu ermahnt, den Hund an die Leine zu nehmen, da Miro angeblich schon häufig gewildert hätte.
Die Hunde-Halterin hat nun Strafanzeige gestellt.

6月2日(水)に、飼主と夕方に散歩をしていたところ、犬のミロがハンターに撃たれました。
「ミロは私の腕の中で死にました。 ひどい状況でした」と、飼い主のドリーン・イェーニチェン氏は「チューリンガー・アルゲマイネ(註 新聞社)」に述べました。
ハンターのトーマス・ホルヌング氏は、チェコスロバキア・ウルフハウンド(註 ミロのこと)を、狩猟鳥獣自分への脅威と見なし単にそれを守りたかったので、銃を用いました。
飼主のドリーン氏がミロを牧草地でリードを外したので、ハンター(のトーマス・ホルヌング氏)は、犬が繁殖期に母ウサギを仔ウサギから引き離すのではないかと恐れ、猟犬協会の会長としての責務を務める義務があると感じました。
ハンターのトーマス・ホルヌング氏の発言によればミロが何度も狩猟鳥獣を狩っているので、ホルヌング氏は以前からミロの飼主の家族に犬にはリードにつないでおくように警告していました。
犬の飼い主は現在、刑事告訴を行っています。



 次に、チューリンゲン州狩猟法から、犬猫の狩猟に関する条文を引用します。


Thüringer Jagdgesetz (ThJG) 「チューリンゲン州狩猟法」 42条 抄

§ 42 Aufgaben und Befugnisse der Jagdschutzberechtigten
(1) Die zur Ausübung des Jagdschutzes berechtigten Personen sind befugt:
2. wildernde Hunde mit Genehmigung der unteren Jagdbehörde und wildernde Katzen zu töten.
Die Tötung nach Satz 1 Nr. 2 setzt voraus, dass andere zumutbare und mildere Maßnahmen des Wildtierschutzes zu diesem Zeitpunkt nicht erfolgversprechend sind.
Auf Antrag und Nachweis des Jagdausübungsberechtigten erteilt die untere Jagdbehörde die Genehmigung nach Satz 1 Nr. 2 als Allgemeinverfügung.
Die Tötungsbefugnis gilt nicht gegenüber Blinden-, Hirten-, Dienst-, Jagd- und Rettungshunden, soweit sie als solche kenntlich sind und solange sie von dem Hundeführer zu seinem Dienst verwendet werden oder sich aus Anlass des Dienstes seiner Einwirkung entzogen haben sowie gegenüber in Fallen gefangenen Katzen.
Hunde gelten als wildernd, wenn sie mehrfach dem Wild nachstellen und dieses im Jagdbezirk erkennbar gefährden können, es sei denn, dass sich der Hund nach erkennbaren Umständen nur vorübergehend der Einwirkung seines Herrn entzogen hat.
Katzen gelten als wildernd, wenn sie im Jagdbezirk in einer Entfernung von mehr als 200 Metern vom nächsten bewohnten Gebäude dem Wild nachstellend angetroffen werden.
(3) Der Eigentümer eines in einem Jagdbezirk getöteten Hundes oder einer dort getöteten Katze kann wegen der Tötung und Beseitigung Schadenersatz nur verlangen, sofern er nachweist, dass die gesetzlichen Voraussetzungen für die Zulässigkeit der Tötung nicht vorgelegen haben.

42条 狩猟鳥獣保護の権限の行使の資格ある者の義務と権限
1項 狩猟鳥獣保護を行使する権限を与えられた者は以下が認められています。
2号 地方狩猟局の承認を得て、狩猟鳥獣を狩る犬と猫と殺すこと。
(1号、2号で規定する)犬猫の殺害においては、殺害以外の合理的で優しい野生生物保護措置が現時点では望めないことが前提です。
狩猟を許可された者(註 狩猟免許保持者)の申請と証明がなされたのであれば地方狩猟当局は、1号、2号に従い、通常は承認を与えることとします。
盲導犬、牧羊犬、介助犬、狩猟犬、救助犬またはそのように認識され、犬の飼い主が使役のために使用している犬、または狩猟の際にわなにかかって狩猟鳥獣への影響から離れた猫に限り、犬猫の殺害の許可は適用されません。
犬が狩猟鳥獣を数回追跡した場合は犬は狩猟鳥獣を狩っているとみなされ、犬が飼主の管理下から一時的に離れていると認識できる状況を除き、狩猟区域内では危険にさらされる可能性があるのは明らかです。
猫は、最も近い人が住んでいる住居から200m以上離れた狩猟地区で狩猟鳥獣を追跡しているのが見つかった場合は、狩猟鳥獣を狩っていると見なされます。
3項 狩猟区域内で殺された犬または猫の飼主は、犬猫殺害の許可に関する法的要件が満たされていないことを証明できる場合に限り、殺害および処分の損害賠償を請求することができます。



(画像)

 一般社団法人日本トラウムハイム協会 2017年3月3日投稿

 「3. (ドイツでは)野犬などハンターにより銃殺が許可されていると聞きますが、本当ですか? 回答: 色々な条件付きの許可となっていますが、ここ数年来、ドイツでは3州でどんな条件でも射殺は禁止となり、おそらく近いうちに他の州でも禁止令が出されるとみられています」
 よくもまあ、こんなデタラメをぬけぬけと書けたものだと感心します。本記事公開時(2021年8月)においては、ドイツ連邦共和国全州では犬(野犬に限らない。飼犬も)の狩猟が通年合法です。このようなデマを平気で垂れ流すような団体の質は推して知るべし。現在はほとんど活動はしていないようです。この団体にはドイツ在住獣医師のクレス聖美氏他、錚々たるメンバーがなお連ねていますが、自分たちが発信する情報には責任を感じていないのでしょうか。

トラウムハイム 3

狩猟区域内で犬猫を殺されても飼主は損害賠償請求が困難なチューリンゲン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無







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(Zusammenfassung)
Landesjagdgesetz
・Schleswig-Holstein
・Thüringen


 記事、
「ドイツ連邦法では住居から300m離れていれば犬猫を狩猟できる」は間違い〜ドイツの犬猫の狩猟駆除について正しく解説している資料は日本に皆無
ライブトラップで捕らえた飼猫を殺害することが合法なドイツ、バイエルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
犬猫の狩猟では住居からの制限がないベルリン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ハンブルク州は犬猫の狩猟では狩猟区域内の制限はない〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなで捕獲した飼い犬猫の殺害が合法なメクレンブルク−フォアポンメルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ノルトライン−ヴェストファーレン州では狩猟区域の制限も住居からの距離の制限もなく犬を狩猟して良い〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
猫の狩猟が禁止されているザールラント州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなにかかった猫の殺害が合法なザクセン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
の続きです。
 多くの資料で「ドイツでは連邦狩猟法により最寄りの住宅から300m離れていれば犬猫は狩猟が合法である」と日本で紹介されています。また「狩猟区域内」とする資料も多いです。しかしこの記述は正しくはありません。ドイツ連邦狩猟法23条では「ハンターには狩猟鳥獣を捕食する犬猫から狩猟鳥獣を保護する責務がある」とはあります。しかし具体的な狩猟可能な範囲等については、各州法に立法を委ねています。「最寄りの住宅からの距離」については州や時期により、住宅からの距離は0mから500mの幅があります。狩猟区域内とする州と制限が無い州があります。



 サマリーですでに述べましたが、日本で流布されている「ドイツ連邦狩猟法では住居から300m以上離れていれば犬や猫は狩猟対象で銃などで狩猟駆除(殺傷)が合法である」ですが、誤りです。ドイツ連邦狩猟法で「狩猟鳥獣を捕食する犬猫からハンターは保護しなければならない」という規定が、23条に規定されています。しかし狩猟が許可される範囲等の具体的な条件については連邦狩猟法での定めはなく、各州に立法を求めています。それを「委任立法」といいます。
 「住居からの距離」ですが、一律300mではなく、州もしくは時期、更に犬か猫により幅があります。その距離は、住居からの距離に制限なしの0mから500mです。また狩猟区域内に限る州と、制限がない州があります。今回記事からは、具体的にドイツ連邦各州の、州狩猟法の犬猫の狩猟に関する規定を具体的に、法律の条文原文を引用して行きます。
 今回は、
・シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州
・チューリンゲン州
の2州について取り上げます。


§ 21 LJagdG Jagdgesetz des Landes Schleswig-Holstein (Landesjagdgesetz - LJagdG) Landesrecht Schleswig-Holstein 「シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州法21条 シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州の狩猟法」

§ 21 LJagdG – Befugnisse der Jagdschutzberechtigten
(zu §§ 23, 25 Bundesjagdgesetz)
(1) Die zur Ausübung des Jagdschutzes berechtigten Personen sind befugt,
2. wildernde Hunde und Katzen zu töten.
Als wildernd gelten Hunde, die im Jagdbezirk außerhalb der Einwirkung der sie führenden Person sichtbar Wild verfolgen oder reißen und Katzen, die im Jagdbezirk weiter als 200 m vom nächsten Hause angetroffen werden.
Die Befugnis erstreckt sich nicht auf Hirten-, Jagd-, Blinden-, Behindertenbegleit-, Such-, Rettungs- und Diensthunde, soweit sie als solche kenntlich sind und solange sie von den Berechtigten bestimmungsgemäß eingesetzt werden, auch wenn sie sich dabei vorübergehend der Einwirkung der sie führenden Person entzogen haben.

シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州狩猟法 21条 狩猟鳥獣保護を行う資格のある者の権限
(連邦狩猟法23条、25条に対して)
1項 狩猟鳥獣保護の行使の権限があるものが許可されていること
2号 狩猟鳥獣を狩る犬や猫を殺す。
犬は、飼主管理者の影響を受けずに狩猟地区で狩猟鳥獣を追跡したり殺害していることが目撃された場合、また猫は最寄りの住居から200m以上離れた狩猟区域内で見つかった場合は狩猟鳥獣を狩っていると見なされます。
犬の殺害の許可は牧羊犬、狩猟犬、盲導犬、介助犬、捜索犬、救助犬、およびその他の使役犬で、またそれらが飼主管理者の管理下から一時的に離れた場合でも、その目的の通り用いられている場合は適用されません。


Thüringer Jagdgesetz (ThJG) 「チューリンゲン州狩猟法」 42条 抄

§ 42 Aufgaben und Befugnisse der Jagdschutzberechtigten
(1) Die zur Ausübung des Jagdschutzes berechtigten Personen sind befugt:
2. wildernde Hunde mit Genehmigung der unteren Jagdbehörde und wildernde Katzen zu töten.
Die Tötung nach Satz 1 Nr. 2 setzt voraus, dass andere zumutbare und mildere Maßnahmen des Wildtierschutzes zu diesem Zeitpunkt nicht erfolgversprechend sind.
Auf Antrag und Nachweis des Jagdausübungsberechtigten erteilt die untere Jagdbehörde die Genehmigung nach Satz 1 Nr. 2 als Allgemeinverfügung.
Die Tötungsbefugnis gilt nicht gegenüber Blinden-, Hirten-, Dienst-, Jagd- und Rettungshunden, soweit sie als solche kenntlich sind und solange sie von dem Hundeführer zu seinem Dienst verwendet werden oder sich aus Anlass des Dienstes seiner Einwirkung entzogen haben sowie gegenüber in Fallen gefangenen Katzen.
Hunde gelten als wildernd, wenn sie mehrfach dem Wild nachstellen und dieses im Jagdbezirk erkennbar gefährden können, es sei denn, dass sich der Hund nach erkennbaren Umständen nur vorübergehend der Einwirkung seines Herrn entzogen hat.
Katzen gelten als wildernd, wenn sie im Jagdbezirk in einer Entfernung von mehr als 200 Metern vom nächsten bewohnten Gebäude dem Wild nachstellend angetroffen werden.
(3) Der Eigentümer eines in einem Jagdbezirk getöteten Hundes oder einer dort getöteten Katze kann wegen der Tötung und Beseitigung Schadenersatz nur verlangen, sofern er nachweist, dass die gesetzlichen Voraussetzungen für die Zulässigkeit der Tötung nicht vorgelegen haben.

42条 狩猟鳥獣保護の権限の行使の資格ある者の義務と権限
1項 狩猟鳥獣保護を行使する権限を与えられた者は以下が認められています。
2号 地方狩猟局の承認を得て、狩猟鳥獣を狩る犬と猫と殺すこと。
(1号、2号で規定する)犬猫の殺害においては、殺害以外の合理的で優しい野生生物保護措置が現時点では望めないことをが前提です。
狩猟を許可された者(註 狩猟免許保持者)の申請と証明がなされたのであれば地方狩猟当局は、1号、2号に従い、通常は承認を与えることとします。
盲導犬、牧羊犬、介助犬、狩猟犬、救助犬またはそのように認識され、犬の飼い主が使役のために使用している犬、または狩猟の際にわなにかかって狩猟鳥獣への影響から離れた猫に限り、犬猫の殺害の許可は適用されません。
犬が狩猟鳥獣を数回追跡した場合は犬は狩猟鳥獣を狩っているとみなされ、犬が飼主の管理下から一時的に離れていると認識できる状況を除き、狩猟区域内では危険にさらされる可能性があるのは明らかです。
猫は、最も近い人が住んでいる住居から200m以上離れた狩猟地区で狩猟鳥獣を追跡しているのが見つかった場合は、狩猟鳥獣を狩っていると見なされます。
3項 狩猟区域内で殺された犬または猫の飼主は、犬猫殺害の許可に関する法的要件が満たされていないことを証明できる場合に限り、殺害および処分の損害賠償を請求することができます。


 今回はシュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州とチューリンゲン州の犬猫の狩猟に関する州狩猟法から、該当する条文を引用しました。シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州ですが、犬の狩猟においては犬が飼主の管理下から離れており、かつ狩猟鳥獣を追跡していることが目撃されれば狩猟による殺害が合法です。住居からの距離の制限はありません。猫の狩猟は住居からの距離が200m離れており、かつ狩猟区域内であれば通年許可されます。
 チューリンゲン州ですが、犬猫とも狩猟は別途地方狩猟局から承認を得ることが必要です。その場合犬は狩猟区域内で飼主の管理下から離れていれば民家からの距離の制限なく通年狩猟を行うことができます。ただし使役犬は除外されます。猫は狩猟区域内でかつ、民家から200mを超えて離れている場合は通年狩猟ができます。わなにかかった猫の殺害は禁止されています。またチューリンゲン州で狩猟区域内で犬猫が殺された場合、飼主は殺害したハンターが法的要件を満たしていないことを立証しなければ損害賠償を請求できないと狩猟法で明記されています。


・シュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州〜犬は狩猟区域内において、飼主の管理下から離れて狩猟鳥獣を追跡していることが目撃されれば、狩猟による殺害が合法です。使役犬は除外されます。住居からの距離の制限なし=0mです。猫は狩猟区域内で最寄りの住居から200m以上離れていることを要します。犬猫とも狩猟は通年許可されます。
・チューリンゲン州〜犬猫とも、狩猟駆除を行うには地方の狩猟局の承認が別途必要です。犬は飼主の管理下から離れており、かつ狩猟区域内であれば、住居からの距離の制限がなく通年狩猟が合法です。しかし使役犬は除外されます。猫は狩猟区域内でかつ最寄りの住居から200mを超えて離れていれば通年狩猟することができます。しかしわなにかかった猫の殺害は禁止されています。犬猫とも通年狩猟が許可されます。



(動画)

 SKB HD | KATZENHASSER SCHIESST AUF MIEZE 「猫嫌いは子猫を撃つ」 2014年11月6日 TVドキュメント

In Brandenburg - Kirchmöser geht zurzeit die Angst vor einem Katzenhasser um, denn auf die Katze von Paul Fischer-Schröter wurde mit einem Luftgewehr geschossen.

ブランデンブルク州ーキルヒメサーでは、ポール・フィッシャー-シュレーター氏の猫がエアライフルで撃たれたため、現在、猫が嫌いの恐怖におののいています。


わなにかかった猫の殺害が合法なザクセン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無







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(Zusammenfassung)
Landesjagdgesetz
・Sachsen
・Sachsen-Anhalt


 記事、
「ドイツ連邦法では住居から300m離れていれば犬猫を狩猟できる」は間違い〜ドイツの犬猫の狩猟駆除について正しく解説している資料は日本に皆無
ライブトラップで捕らえた飼猫を殺害することが合法なドイツ、バイエルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
犬猫の狩猟では住居からの制限がないベルリン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ハンブルク州は犬猫の狩猟では狩猟区域内の制限はない〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなで捕獲した飼い犬猫の殺害が合法なメクレンブルク−フォアポンメルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ノルトライン−ヴェストファーレン州では狩猟区域の制限も住居からの距離の制限もなく犬を狩猟して良い〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
猫の狩猟が禁止されているザールラント州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
の続きです。
 多くの資料で「ドイツでは連邦狩猟法により最寄りの住宅から300m離れていれば犬猫は狩猟が合法である」と日本で紹介されています。また「狩猟区域内」とする資料も多いです。しかしこの記述は正しくはありません。ドイツ連邦狩猟法23条では「ハンターには狩猟鳥獣を捕食する犬猫から狩猟鳥獣を保護する責務がある」とはあります。しかし具体的な狩猟可能な範囲等については、各州法に立法を委ねています。「最寄りの住宅からの距離」については州や時期により、住宅からの距離は0mから500mの幅があります。狩猟区域内とする州と制限が無い州があります。



 サマリーですでに述べましたが、日本で流布されている「ドイツ連邦狩猟法では住居から300m以上離れていれば犬や猫は狩猟対象で銃などで狩猟駆除(殺傷)が合法である」ですが、誤りです。ドイツ連邦狩猟法で「狩猟鳥獣を捕食する犬猫からハンターは保護しなければならない」という規定が、23条に規定されています。しかし狩猟が許可される範囲等の具体的な条件については連邦狩猟法での定めはなく、各州に立法を求めています。それを「委任立法」といいます。
 「住居からの距離」ですが、一律300mではなく、州もしくは時期、更に犬か猫により幅があります。その距離は、住居からの距離に制限なしの0mから500mです。また狩猟区域内に限る州と、制限がない州があります。今回記事からは、具体的にドイツ連邦各州の、州狩猟法の犬猫の狩猟に関する規定を具体的に、法律の条文原文を引用して行きます。
 今回は、
・ザクセン州
・ザクセン・アンハルト州の2州について取り上げます。


§ 27 SächsJagdG Jagdgesetz für den Freistaat Sachsen (Sächsisches Jagdgesetz - SächsJagdG) 「ザクセン州狩猟法 27条」 抄

§ 27 SächsJagdG – Inhalt des Jagdschutzes
(zu § 23 Bundesjagdgesetz)
(1) Der Jagdschutz umfasst die Befugnis,
2. Hauskatzen zu töten, wenn sie im Jagdbezirk in einer Entfernung von mehr als 300 m vom nächsten Wohngebäude entfernt entweder angetroffen oder in Fallen gefangen werden.
(2) Hunde dürfen in Jagdbezirken nicht ohne Aufsicht frei laufen gelassen werden.
(3) Wildernde Hunde dürfen nur mit vorheriger Genehmigung der Jagdbehörde getötet werden.
Die Jagdbehörde darf die Genehmigung im Einzelfall nur erteilen, wenn der Jagdausübungsberechtigte nachweist, dass sich ein wildernder Hund nicht nur vorübergehend in einem Jagdbezirk aufhält und die Beunruhigung des Wildes nicht auf andere Weise verhindert werden kann.

ザクセン州狩猟法 27条 狩猟鳥獣保護の内容
(連邦狩猟法第23条に対し)
1項 狩猟鳥獣保護に含まれる権限
2号 イエネコが最寄りの住宅から300m以上離れかつ狩猟地区で発見された場合、または罠にかかった場合はイエネコを殺すこと。
2項 犬は飼主の管理から離れて狩猟地区で自由に走ることが許可されない場合があります。
3項 狩猟鳥獣を狩っている犬は、狩猟当局の事前の承認がある場合にのみ殺すことができます。
狩猟当局は狩猟を許可された人が、狩猟鳥獣を狩っている犬が一時的に狩猟区域にいるのではなく(註 頻繁にもしくは継続的に狩猟区域内で狩猟鳥獣に害を与えていること)かつその犬を狩猟駆除する以外に狩猟鳥獣への被害を防ぐ方法が他にないことを証明できる場合にのみ、個別に承認を与えることができます。


LJagdG - Landesjagdgesetz für Sachsen-Anhalt - Sachsen-Anhalt - 「ザクセン−アンハルト州 狩猟法」 31条 抄

§ 31 Inhalt des Jagdschutzes
(zu § 23 BJagdG)
(1) Der Jagdschutz umfasst die Befugnis:
Hunde und Katzen im Jagdbezirk zu töten, es sei denn, dass sich der Hund innerhalb der Einwirkung seines Herrn und die Katze weniger als 300 m vom nächsten Haus entfernt befindet oder dass es sich um einen Jagd-, Hirten-, Blinden-, Polizei- oder sonstigen Diensthund handelt, der als solcher kenntlich ist.

31条 狩猟鳥獣保護の内容
(連邦狩猟法23条に対して)
1項 狩猟鳥獣保護では以下の行使が含まれます
狩猟地区で犬と猫を殺すこと。ただし犬が飼主の管理下にあり猫が最寄りの住居から300 m以内にいる場合、または猟犬、牧羊犬、盲導犬、警察犬、その他の使役犬であることもしくはそのように認識できる場合を除外します。


 今回はザクセン州とザクセン−アンハルト州の犬猫の狩猟に関する州狩猟法から、該当する条文を引用しました。ザクセン州ですが、猫の狩猟は住居からの距離が300m離れており、かつ狩猟区域内であれば通年許可されます。犬の狩猟では、狩猟免許保持者であっても別途規制当局から承認を得ることが必要です。さらに承認を得るには、犬が一時的ではなく頻繁か継続的に狩猟区域内で狩猟鳥獣に害を与えていることの証明が必要となります。
 ザクセンアンハルト州ですが、犬は狩猟区域内で飼主の管理下から離れていれば民家からの距離の制限なく通年狩猟を行うことができます。ただし使役犬は除外されます。猫は狩猟区域内でかつ、民家から300mを超えて離れている場合は通年狩猟ができます。


・ザクセン州〜犬の狩猟では規制当局の承認が必要です。承認を得るためにはその犬が頻繁もしくは継続して狩猟区域内で狩猟鳥獣に害を及ぼしており、かつ狩猟駆除以外にその害を取り除くことができないという証明が必要です。住居からの距離の制限なし=0mです。猫は狩猟区域内で最寄りの住居から300m以上離れていることを要します。猫は罠にかかった猫であっても殺害することができます。
・ザクセン−アンハルト州〜犬が飼主の管理下から離れており、かつ狩猟区域内であれば、住居からの距離の制限がなく通年狩猟が合法です。しかし使役犬は除外されます。猫は狩猟区域内でかつ最寄りの住居から300mを超えて離れていれば通年狩猟することができます。



(動画)

 Die SCHRECKLICHE JAGD auf KATZEN | SAT.1 Frühstücksfernsehen | TV 「猫の恐ろしい狩猟」ドイツ公共放送ドキュメンタリー 2017年10月31日

 「見知らぬ男が住宅地近くで猫をレジャー感覚で射殺している」という内容のTVドキュメンタリー。ザクセン−アンハルト州の出来事。

続・「ペットショップが殺処分の原因」という論破王(笑)の論理破綻






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domestic/inländisch

 記事、
「日本ではペットを捨てても処罰する法律がない。ペットショップが売れ残りを保健所で処分している」という論破王の無知蒙昧
「ドイツではペットショップの生体販売を禁止している」という論破王の無知蒙昧〜ドイツはペットショップ独自の規制法令すらない
「アメリカではペットショップの生体販売を禁止している」という論破王の無知蒙昧〜アメリカの生体販売ペットショップの数は日本の7倍
「ペットショップでは犬などは保護動物しか販売できない」というアメリカのザル法〜ひろゆき氏の「アメリカではペットショップでは動物を売ることは禁止」という驚愕デマ
「ペットショップが殺処分の原因」という論破王(笑)の論理破綻
の続きです。
 巨大掲示板「ちゃんねる」の開設者、西村博之(ひろゆき)氏。この方は自称か他称かは知りませんが、「論破王」と言われています。しかし最近の犬猫の愛護問題に関する一連のマスコミやYoutubeでの発言はあまりにも無知蒙昧無学で(意図的なデマでしょうか?)、さらに論理も破綻しています。「ペットショップが殺処分の原因なので殺処分をなくすためにはペットショップをなくさなければならない」もそうです。



 サマリーで示した、ひろゆき氏の一連のYoutubeでの発言動画を示します。


(動画)

 【ひろゆき】ペットショップでペット飼うやつ人間の〇〇【切り抜き】 2021年1月17日

 この動画ではひろゆき氏が「アメリカってペットショップに行っても動物置いていない。基本的にはペットショップで売るのは禁止なので。ドイツも違法なの」と述べています。4:00〜




(動画)

 【ひろゆき】ペットショップでペットを買う人は●●だと思う…処分される犬猫の現実と独自の対処法をひろゆきが語る【切り抜き/論破】 2021年7月1日

 この動画ではひろゆき氏は、「ペットショップが違法の国あるの?アメリカってペットショップ行っても動物置いていないっすよ。基本的にはペットショップで売るのは禁止なので」と述べています。3:30〜

 


(動画)

 【ひろゆき】起業するならコンビニは避けたほうが、、、 Delirium Tremens を呑みながら 2019/03/10
 この動画の、46:00〜から、「ペットショップで動物を購入しても面倒くさがって捨てる人もおり、日本にはこれを処罰・制限する法律がない」。「ペットショップでは、売れなくなったやつが野良になったり保健所に流されたりする」との発言があります。




 自称か他称か知りませんが、巨大掲示板「2ちゃんねる」の開設者「論破王」ひろゆき氏は、多数の荒唐無稽な論理破綻した発言の動画を公開しています。その中でも犬猫殺処分とペットショップに関する発言の動画はひどいの一言に付きます。ひろゆき氏の発言は、まとめると次のようになります。

1、ペットショップが日本の犬猫殺処分の原因だ。
2、ペットショップで安易に犬猫を買った客がすぐに捨てたり保健所に引き取らせるからだ。
3、またペットショップが売れ残りを捨てそれが野良になり、保健所に持ち込まれる。また保健所に引き取らせたりする。
4、日本ではペットショップや飼い主が犬猫などのペットを捨てたり、保健所に引き取らせることを禁止し、処罰する法律がない。
5、アメリカとドイツではペットショップで生きた動物を販売知ることが禁止されており違法だ。だからこれらの国では生きた動物を置いていない。


 ひろゆき氏は、「1、ペットショップが日本の犬猫殺処分の原因だ」という主張の根拠として、「2、3、4、5、」を挙げています。私は連載の記事でこれらの根拠がすべて事実に反するデマであることを証拠を挙げて述べました。今回記事ではアメリカを例に挙げ、ひろゆき氏の仮説「ペットショップが犬猫殺処分の原因」が矛盾していることを述べます。ひろゆき氏は「アメリカでは動物(ペットの生体)をペットショップで売ることを禁止して違法。だからペットショップには動物(生体)を置いていない」と主張しています。実際はアメリカでのペットショップのペットの生体販売の数は大変多いですし、生体販売ペットショップの数は日本の7倍、人口比では2.7倍であることをすでに連載の記事で述べました。
 ひろゆき氏の仮説が正しければ、アメリカ合衆国ではペット(犬猫)の殺処分数が少ないはずです。しかしアメリカでは大変犬猫の殺処分数が多いのです。犬猫の殺処分数は年間150万頭で、その数はほぼ同時期の2019年度の日本の公的殺処分数32,743頭の46倍です。人口では約18倍も多いのです。それを裏付ける、アメリカの犬猫殺処分についての資料から引用します。


Pet Euthanasia Has Declined Sharply In The U.S. 「ペットの安楽死(殺処分)はアメリカ合衆国で急速に減少しました」 2018年4月11日

Currently, some 1.5 million shelter animals are euthanized every year (670,000 dogs and 860,000 cats).
Even though that may seem like a shockingly large figure, it actually represents a sharp decline on the number of animals euthanized a decade ago.
Back in 2012, the total figure was 2.6 million while in 2009, it was 3.7 million.
Today's rate is also a far cry from the 1970s when the number of cats and dogs euthanized in the U.S. stood at over 20 million.
Reasons for the drastic decline in euthanasia include successful spay and neuter campaigns as well as a more general societal change in attitudes towards pets.

現在、アメリカ合衆国では、アニマルシェルターで毎年約150万頭の動物が安楽死(殺処分)させられています(67万頭の犬と86万匹の猫)。
その数字は驚くほど多く見えるかもしれませんが、実際には10年前に安楽死(殺処分)された動物の数が急激に減少したことを示しています。
2012年には260万頭、2009年には370万頭が安楽死(殺処分)されました。
今日の数は、アメリカ合衆国での猫と犬が安楽死させられた1970年代の数とはかけ離れていて、当時は2,000万頭以上ありました。
安楽死(殺処分)が劇的に減少した理由には避妊去勢手術と避妊去勢手術のキャンペーンの成功とともに、一般的なペットに対する取り組みの社会的な変化が含まれます。


(画像)

 Pet Euthanasia Has Declined Sharply In The U.S. 「ペットの安楽死(殺処分)はアメリカ合衆国で急速に減少しました」 2018年4月11日 から

アメリカ 殺処分数 グラフ


 上記の統計資料に関する記事は2018のもので、先に引用した2019年度の日本の公的殺処分数、32,743頭とほぼ同時期のものです。劇的に減ったとはいえ、アメリカは人口比で18倍も日本より犬猫の殺処分が多いのです。ひろゆき氏の「ペットショップが殺処分が原因」であれば、ペットショップでの生体販売を禁じているアメリカのほうが格段に日本より殺処分が多いのは矛盾します。実は、アメリカは日本よりはるかにペットショップが多いのですが(笑)。
 ひろゆき氏の仮説が矛盾している点が他にもあります。合衆国は1970年代には犬猫を年間2,000万頭も殺処分していましたが、2009年は370万頭、2012年は260万頭、現在は150万頭と劇的に減っています。ひろゆき氏の「ペットショップの生体販売が殺処分の原因」が正しければ、アメリカ国内でも、犬猫の殺処分の減少とともに生体販売ペットショップが減っていなければなりません。しかしアメリカでは生体販売ペットショップが順調に増えているのです。


(画像)

 IBISWorld Industry Report 45391 Pet Stores in the US 「IBISWorld 業界調査報告書45391 アメリカ合衆国のペットストア 2012年」 (31ページ) アメリカの大手シンクタンクのペットショップ統計 から

アメリカ ペットショップ統計


 論破王(笑)ひろゆき氏は「生体販売ペットショップが犬猫殺処分の原因」と主張しています。それが正しいとすれば、アメリカ合衆国で生体販売ペットショップが一貫して増加しているのに対して、なぜ犬猫殺処分数が反比例して激減しているのでしょうか。論破王ひろゆき氏には、ぜひ納得できる説明を理路整然としていただきたいです(笑)。
 先に引用した統計資料では、アメリカでの犬猫殺処分が激減した要因として、「不妊去勢の普及」と、「ペットに対する社会の意識変化」を挙げています。ペットショップが殺処分の原因とは一言も言及していません。

 ひろゆき氏は無知蒙昧無学でありながら、なんら調べることすらせずに荒唐無稽なデマを垂れ流し、それをもとに論理破綻した主張の動画をいくつも公開しています。傍から見れば恥ずかしい限りですが、このような偽インフルエンサーを支持する衆愚がかなりいるので有害です。さらにひろゆき氏のような、悪質なデマをデマと知りつつ、それをプロパガンダに利用する愛誤も一定数存在します。
 このような知性の劣化は「動物愛誤」に限ったことなのでしょうか。偽インフルエンサー(知能知識が優れているわけではない)とそれを支持する衆愚の存在、それらによりデマが定着するのが日本の現状です。私は大変憂慮しています。

 なお蛇足ですが、この連載で書き忘れたことがあります。動物愛護管理法12条1項では、ペットショップなどの第1種動物取扱業者は犬猫の終生飼養を義務付けています。実際に第1種動物取扱業者は犬猫の仕入れ、出産、死亡、譲渡等の内訳を毎年保健所に届けなければならず、犬猫の遺棄や殺処分、保健所引取ができません。
 このように犬猫に限り、業者の終生飼養を法律で義務付けている国は日本以外ではおそらくないと思います。日本の犬猫を扱う第1種動物取扱業者ほど、国際的に犬猫を殺処分できない、捨てることができない国はないと思います。

「ペットショップが殺処分の原因」という論破王(笑)の論理破綻






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domestic/inländisch

 記事、
「日本ではペットを捨てても処罰する法律がない。ペットショップが売れ残りを保健所で処分している」という論破王の無知蒙昧
「ドイツではペットショップの生体販売を禁止している」という論破王の無知蒙昧〜ドイツはペットショップ独自の規制法令すらない
「アメリカではペットショップの生体販売を禁止している」という論破王の無知蒙昧〜アメリカの生体販売ペットショップの数は日本の7倍
「ペットショップでは犬などは保護動物しか販売できない」というアメリカのザル法〜ひろゆき氏の「アメリカではペットショップでは動物を売ることは禁止」という驚愕デマ
の続きです。
 巨大掲示板「ちゃんねる」の開設者、西村博之(ひろゆき)氏。この方は自称か他称かは知りませんが、「論破王」と言われています。しかし最近の犬猫の愛護問題に関する一連のマスコミやYoutubeでの発言はあまりにも無知蒙昧無学で(意図的なデマでしょうか?)、さらに論理も破綻しています。「ペットショップが殺処分の原因なので殺処分をなくすためにはペットショップをなくさなければならない」もそうです。



 サマリーで示した、ひろゆき氏の一連のYoutubeでの発言動画を示します。


(動画)

 【ひろゆき】ペットショップでペット飼うやつ人間の〇〇【切り抜き】 2021年1月17日

 この動画ではひろゆき氏が「アメリカってペットショップに行っても動物置いていない。基本的にはペットショップで売るのは禁止なので。ドイツも違法なの」と述べています。4:00〜




(動画)

 【ひろゆき】ペットショップでペットを買う人は●●だと思う…処分される犬猫の現実と独自の対処法をひろゆきが語る【切り抜き/論破】 2021年7月1日

 この動画ではひろゆき氏は、「ペットショップが違法の国あるの?アメリカってペットショップ行っても動物置いていないっすよ。基本的にはペットショップで売るのは禁止なので」と述べています。3:30〜

 


(動画)

 【ひろゆき】起業するならコンビニは避けたほうが、、、 Delirium Tremens を呑みながら 2019/03/10
 この動画の、46:00〜から、「ペットショップで動物を購入しても面倒くさがって捨てる人もおり、日本にはこれを処罰・制限する法律がない」。「ペットショップでは、売れなくなったやつが野良になったり保健所に流されたりする」との発言があります。




 自称か他称か知りませんが、巨大掲示板「2ちゃんねる」の開設者「論破王」ひろゆき氏ですが、多数の荒唐無稽な論理破綻した発言の動画が公開されています。その中でも犬猫殺処分とペットショップに関する発言の動画はひどいの一言に付きます。ひろゆき氏の発言は、まとめると次のようになります。

1、ペットショップが日本の犬猫殺処分の原因だ。
2、ペットショップで安易に犬猫を買った客がすぐに捨てたり保健所に引き取らせるからだ。
3、またペットショップが売れ残りを捨てそれが野良になり、保健所に持ち込まれる。また保健所に引き取らせたりする。
4、日本ではペットショップや飼い主が犬猫などのペットを捨てたり、保健所に引き取らせることを禁止し、処罰する法律がない。
5、アメリカとドイツではペットショップで生きた動物を販売知ることが禁止されており違法だ。だからこれらの国では生きた動物を置いていない。

 ひろゆき氏は、「1、ペットショップが日本の犬猫殺処分の原因だ」という主張の根拠として、「2、3、4、5、」を挙げています。私は連載の記事でこれらの根拠がすべて事実に反するデマであることを証拠を挙げて述べました。今回以降の記事ではさらに、「1、ペットショップが日本の犬猫殺処分の原因だ」というひろゆき氏の主張の矛盾点について述べます。
 まず今回記事では、日本で公的殺処分された犬猫の属性の内訳から分析します。殺処分された日本の犬猫において最も大きな比率を占めるのは、拾得された(飼い主持ち込みではない、拾って持ち込まれた)、幼齢猫(幼齢の定義は離乳前です。すなわち8週齢未満です)です。これは殺処分の総数の56%を占めます。このことは、保健所に持ち込まれ殺処分される犬猫は多くが野良猫の自然繁殖による子猫ということを示します。ペットショップでは、犬猫は生後8週齢未満のものは販売できないからです。


(画像)

 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(動物愛護管理行政事務提要より作成)  対象期間:平成31年4月1日~令和2年3月31日(2019年4月1日~2020年3月31日) から

犬猫殺処分 2019年度


 また殺処分の犬猫の比率は、犬よりも猫が圧倒的に高いのです。殺処分に占める犬の割合は17%、猫が83%です。飼育されている犬猫の純血種比率ですが、犬は88%が純血種です。対して猫は18%です(2020年度調査)純血種の犬猫は多くがペットショップなどの営利事業者からの入手です。つまり犬はペットショップなどの営利事業者から入手舌割合が高く、猫は低いということです。
 ひろゆき氏の仮説「ペットショップが殺処分の原因」が正しいとするのならば、犬猫の保健所の殺処分において猫の比率が犬より高いのは矛盾します。ひろゆき氏の仮説が正しければ、保健所での殺処分では犬のほうが多くなければなりません



(画像)

 令和2年 全国犬猫飼育実態調査 一般社団法人 ペットフード協会 より

犬猫 飼育 純血種割合 2020


 以上の事実から、ひろゆき氏の仮説「ペットショップが売れ残りの犬猫を捨ててそれが野良になり保健所に行き着いたり、売れ残りを保健所に引き取らせる。またペットショップで安易に犬猫を買った客が捨てたり保健所に持ち込む。だからペットショップが殺処分の原因で、殺処分をなくすためにはペットショップをなくさなければならない」は、明らかに誤りです。論破王さんにはぜひ、この矛盾を説明していただきたい。

 次回は、別の面からひろゆき氏の発言の矛盾点を指摘します。ひろゆき氏は「アメリカではペットショップでは動物(生体)を売ることを禁止して違法なために動物をおいていない(真実は、アメリカには日本の7倍も生体販売ペットショップがある)」と繰り返し発言しています。その上で「日本はペットショップで動物(生体)を販売している。ペットショップで犬や猫を販売することが殺処分の原因になっている」としています。
 ひろゆき氏の仮設がただしければ「ペットショップで動物(生体)の販売を禁じて違法なアメリカ」では、殺処分がゼロに近いか、日本より著しく少ないはずです。しかしアメリカでは直近の推計で犬猫を合わせた殺処分数が150万頭とされています。この数は日本の32,743頭の46倍です。人口比でも18倍です。

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猫の狩猟が禁止されているザールラント州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無







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(Zusammenfassung)
Landesjagdgesetz
・Rheinland-Pfalz
・Saarland


 記事、
「ドイツ連邦法では住居から300m離れていれば犬猫を狩猟できる」は間違い〜ドイツの犬猫の狩猟駆除について正しく解説している資料は日本に皆無
ライブトラップで捕らえた飼猫を殺害することが合法なドイツ、バイエルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
犬猫の狩猟では住居からの制限がないベルリン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ハンブルク州は犬猫の狩猟では狩猟区域内の制限はない〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなで捕獲した飼い犬猫の殺害が合法なメクレンブルク−フォアポンメルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ノルトライン−ヴェストファーレン州では狩猟区域の制限も住居からの距離の制限もなく犬を狩猟して良い〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
の続きです。
 多くの資料で「ドイツでは連邦狩猟法により最寄りの住宅から300m離れていれば犬猫は狩猟が合法である」と日本で紹介されています。また「狩猟区域内」とする資料も多いです。しかしこの記述は正しくはありません。ドイツ連邦狩猟法23条では「ハンターには狩猟鳥獣を捕食する犬猫から狩猟鳥獣を保護する責務がある」とはあります。しかし具体的な狩猟可能な範囲等については、各州法に立法を委ねています。「最寄りの住宅からの距離」については州や時期により、住宅からの距離は0mから500mの幅があります。狩猟区域内とする州と制限が無い州があります。



 サマリーですでに述べましたが、日本で流布されている「ドイツ連邦狩猟法では住居から300m以上離れていれば犬や猫は狩猟対象で銃などで狩猟駆除(殺傷)が合法である」ですが、誤りです。ドイツ連邦狩猟法で「狩猟鳥獣を捕食する犬猫からハンターは保護しなければならない」という規定が、23条に規定されています。しかし狩猟が許可される範囲等の具体的な条件については連邦狩猟法での定めはなく、各州に立法を求めています。それを「委任立法」といいます。
 「住居からの距離」ですが、一律300mではなく、州もしくは時期、更に犬か猫により幅があります。その距離は、住居からの距離に制限なしの0mから500mです。また狩猟区域内に限る州と、制限がない州があります。今回記事からは、具体的にドイツ連邦各州の、州狩猟法の犬猫の狩猟に関する規定を具体的に、法律の条文原文を引用して行きます。
 今回は、
・ラインラント−プファルツ州
・ザールラント州
の2州について取り上げます。


Rheinland-Pfalz Landesjagdgesetz (LJG) 「ラインラント−プファルツ州 狩猟法」 33条 抄

§ 33
Obliegenheiten beim Jagdschutz, Bekämpfung von Tierseuchen bei Wild
(6) Die in Absatz 2 genannten Personen sind befugt, wildernde Hunde zu töten.
Hunde gelten als wildernd, soweit und solange sie erkennbar dem Wild nachstellen und dieses gefährden.
Dieses Recht gilt nicht gegenüber Hirten-, Jagd-, Blinden- und Polizeihunden, die als solche erkennbar sind, sowie gegenüber Hunden, die sich nur vorübergehend offensichtlich der Einwirkung ihrer Führerin oder ihres Führers entzogen haben und sich durch andere Maßnahmen als der Tötung vom Wildern abhalten lassen.
(7) Die in Absatz 2 genannten Personen sind befugt, wildernde Hauskatzen, die in einer Entfernung von mehr als 300 Meter vom nächsten Wohnhaus angetroffen werden, zu töten.
Hauskatzen gelten als wildernd, soweit und solange sie erkennbar dem Wild nachstellen und dieses gefährden.
Dieses Recht gilt nicht gegenüber Hauskatzen, die sich erkennbar in menschlicher Obhut befinden und sich durch andere Maßnahmen als der Tötung vom Wildern abhalten lassen.

33条
狩猟保護及び狩猟鳥獣の病気の防除の義務
6項 2項で記述のある者(狩猟免許を有する者)は、狩猟鳥獣を狩っている犬を殺害する権限を与えられています。
その犬が明らかに狩猟鳥獣を追跡しそれを危険にさらしている限りにおいて、狩猟鳥獣を狩っていると見なされます。
それらの犬を殺害する権利は、牧羊犬、狩猟犬、盲導犬、警察犬、および明らかに一時的に犬の管理者やハンドラー(狩猟者など)の指揮下から離れていて、殺害以外の手段で狩猟鳥獣を狩っていることを阻止できる犬には適用されません。
7項 第2項に記載された者(註 狩猟免許を持つ者)は、最寄りの住宅から300m以上離れた場所で発見された狩猟鳥獣を狩っているイエネコを殺害する権限を与えられています。
飼い猫は、認識可能でゲームを危険にさらす限り、密猟していると見なされます。
この権利は、人間の世話をしていると認識され、殺害以外の手段によって密猟を阻止された飼い猫には適用されません。


BS Nr. Gesetz Nr.1407 zur Jagd und zum Wildtiermanagement (F) (Saarländisches Jagdgesetz) (SJG) 「ザールラント州 狩猟と野生動物の管理(ザールラント州狩猟法)」 32条 抄

§32 Sachliche Verbote
(1) In Ergänzung des § 19 Abs.1 des Bundesjagdgesetzes ist verboten
16 Katzen und Hunde zu töten.
In begründeten Ausnahmefällen, insbesondere in Wiederholungsfällen, kann die Ortspolizeibehörde nach den Bestimmungen des Saarländischen Polizeigesetzes die erforderlichen Maß-nahmen anordnen, um das weitere Wildern eines wildernden Hundes zu verhindern.
Die Ortspolizeibehörde kann ihre Anordnungen auch an den Jagdausübungsberechtigten richten.
Hunde gelten nicht als wildernd, wenn es sich um Hirten-, Jagd,- Blinden-, Rettungs-, Suchhunde und Hunde von Diensthunde haltenden Behörden handelt, die sich im Einsatz oder in Ausbildung befinden und ent.

32条

実際に禁止されている事項
1項 ドイツ連邦狩猟法19条1項に加えて、禁止されている事柄
16号 猫と犬を殺害すること。
本号の規定に反して正当化される例外として、特に繰り返される犬による狩猟鳥獣の被害のさらなる被害防止のために、地元の警察当局は、ザールラント警察法の規定により必要な措置を命じる講ことができます。
地元の警察当局は狩猟を許可された者に(狩猟鳥獣を殺害する)、命令することもできます。
犬が牧羊犬、狩猟犬、盲導犬、救助犬、捜索犬、および公的機関により使役犬としてを飼育されているものでその犬を用いている、または訓練中である場合は犬は狩猟鳥獣を狩っているとは見なされません。



 今回はラインラント−プファルツ州とザールラント州の犬猫の狩猟に関する州狩猟法から、該当する条文を引用しました。ラインラント−プファルツ州ですが、犬の狩猟の範囲は狩猟区域内という制限はなく、住居からの距離の制限もありません。飼主の管理下から離れていればれば許可されます。つまり住居からの距離の制限は0mです。猫の狩猟は狩猟区域内との制限はありません。しかし住居からの距離が300m以上なければなりません。
 ザールラント州ですが、犬猫の狩猟は原則として禁止されています。ただし犬に限り例外規定があり、繰り返し狩猟鳥獣に被害を及ぼすものは警察署が狩猟免許者にそれらの犬の殺害を命じることができるとされています。その場合は狩猟区域内であることと、住居からの距離の制限はありません。猫の狩猟は禁止されています。

・ラインラント−プファルツ州〜犬の狩猟では住居からの距離の制限なし=0mです。猫は最寄りの住居から300m以上離れていることを要します。犬猫とも狩猟区域内に限るとの規定はありません。
・ザールラント州〜犬猫とも、狩猟は原則禁止されています。ただし犬に限り繰り返し狩猟鳥獣に対して被害を及ぼすものに対しては、警察がその犬の殺害を狩猟免許者に命令することができます。その場合は狩猟区域内に限らず、また住居からの距離の制限はありません。猫の狩猟は禁止されています。両州とも犬猫(ザールラント州は犬だけ)の狩猟に関しては通年許可されています。



(動画)

 Katze TOD im Mai -worldwide- 「5月に死んだ猫−世界中に知らせたい−」 2009年5月5日
 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!siehe Deutsche Version!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 「!!!!!これがドイツのやり方!!!!!」という、射殺された猫の飼い主は憤っていますが、通年殆どの州で猫の狩猟が合法なドイツで猫を放し飼いにする方に落ち度があるとしか言えません。これはシュレースヴィッヒ−ホルシュタイン州、ザンクト・ミヒャエリスドン での事件です。




*ノルトライン−ヴェストファーレン州では2015年から猫の狩猟が禁止されており、私はこのサイトで何度か「ドイツではノルトライン-ヴェストファーレン州1州のみ猫の狩猟が禁止されている」と書きました。しかしザールラント州でも猫の狩猟が禁止されています。気がついたところは訂正しましたが、もし訂正されていない誤った記述があればコメントでご一報くださればありがたく存じます。申し訳ありませんでした

ノルトライン−ヴェストファーレン州では狩猟区域の制限も住居からの距離の制限もなく犬を狩猟して良い〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無







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(Zusammenfassung)
Landesjagdgesetz
・Niedersachsen
・Nordrhein-Westfalen


 記事、
「ドイツ連邦法では住居から300m離れていれば犬猫を狩猟できる」は間違い〜ドイツの犬猫の狩猟駆除について正しく解説している資料は日本に皆無
ライブトラップで捕らえた飼猫を殺害することが合法なドイツ、バイエルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
犬猫の狩猟では住居からの制限がないベルリン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
ハンブルク州は犬猫の狩猟では狩猟区域内の制限はない〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
わなで捕獲した飼い犬猫の殺害が合法なメクレンブルク−フォアポンメルン州〜ドイツの犬猫狩猟に関して正しく解説している資料は日本に皆無
の続きです。
 多くの資料で「ドイツでは連邦狩猟法により最寄りの住宅から300m離れていれば犬猫は狩猟が合法である」と日本で紹介されています。また「狩猟区域内」とする資料も多いです。しかしこの記述は正しくはありません。ドイツ連邦狩猟法23条では「ハンターには狩猟鳥獣を捕食する犬猫から狩猟鳥獣を保護する責務がある」とはあります。しかし具体的な狩猟可能な範囲等については、各州法に立法を委ねています。「最寄りの住宅からの距離」については州や時期により、住宅からの距離は0mから500mの幅があります。狩猟区域内とする州と制限が無い州があります。



 サマリーですでに述べましたが、日本で流布されている「ドイツ連邦狩猟法では住居から300m以上離れていれば犬や猫は狩猟対象で銃などで狩猟駆除(殺傷)が合法である」ですが、誤りです。ドイツ連邦狩猟法では、「狩猟鳥獣を捕食する犬猫からハンターは保護しなければならない」という規定が23条に規定されています。しかし狩猟が許可される範囲等の具体的な条件については連邦狩猟法での定めはなく、各州に立法を求めています。それを「委任立法」といいます。
 「住居からの距離」ですが、一律300mではなく、州もしくは時期、更に犬か猫により幅があります。その距離は、住居からの距離に制限なしの0mから500mです。また狩猟区域内に限る州と、制限がない州があります。今回記事からは、具体的にドイツ連邦各州の、州狩猟法の犬猫の終了に関する規定を具体的に、法律の条文原文を引用して行きます。
 今回は、
・ニーダーザクセン州
・ノルトライン-ヴェストファーレン州
の2州について取り上げます。


Niedersächsisches Jagdgesetz (NJagdG) 「ニーダーザクセン州 狩猟法 29条」 抄

§ 29 Jagdschutz
(1) Die Jagdschutzberechtigten sind in ihrem Jagdbezirk befugt,
2. wildernde Hunde zu töten, die sich nicht innerhalb der Einwirkung einer für sie verantwortlichen Person befinden und nicht als Jagd-, Rettungs-, Hirten-, Blinden-, Polizei- oder sonstige Diensthunde erkennbar sind, und
3. wildernde Hauskatzen, die sich mehr als 300 m vom nächsten Wohnhaus entfernt befinden, und verwilderte Frettchen zu töten.

29条 狩猟鳥獣の保護
1項 狩猟鳥獣を保護する権限を与えられた者は、狩猟地区内で次の行為が許可されています。
2号 責任者(犬の飼い主、管理者)の管理下になく、狩猟犬、救助犬、牧羊犬、盲導犬、警察犬またはその他の使役犬として認識されない、狩猟鳥獣を狩っている犬を殺害すること。
3号 最寄りの住宅から300m以上離れたイエネコと野生化したフェレットを殺すこと。


Bekanntmachung der Neufassung des Landesjagdgesetzes Nordrhein-Westfalen (LJG-NRW) 「ノルトラインヴェストファーレン州狩猟法(LJG-NRW) 改正法」 25条

§ 25 (Fn 18)
Inhalt des Jagdschutzes
(Zu §§ 23, 28 Abs. 5 BJG)
(4) Die zur Ausübung des Jagdschutzes berechtigten Personen sind befugt,
2. Hunde außerhalb der Einwirkung ihrer Führerin oder ihres Führers abzuschießen, wenn
a) diese Wild töten oder erkennbar hetzen und in der Lage sind, das Wild zu beißen oder zu reißen,
b) es sich um keine Blinden-, Behindertenbegleit-, Hirten-, Herdenschutz-, Jagd-, Polizei- oder Rettungshunde handelt, soweit sie als solche kenntlich sind und solange
c) andere mildere und zumutbare Maßnahmen des Wildtierschutzes, insbesondere das Einfangen des Hundes, nicht erfolgversprechend sind.

狩猟鳥獣保護の内容
(連邦狩猟法23条及び28条について 5章)
4項 狩猟鳥獣保護の行使の権限を与えられたものが許可されていること。
2号 犬の管理者飼い主(ハンドラー)の制御から離れた犬を撃こと、または、
a)狩猟鳥獣をを殺すか、そのように認識できるような狩りをしていて狩猟鳥獣に咬み付いたり引き裂いたりする可能性がある犬。
b)盲導犬、介助犬、牧羊犬で家畜の群れを守る、狩猟犬、警察犬、救助犬はそのように一定時間認識できるものは除外する。
c)野生生物保護のための他のより穏やかで合理的な手段で、特に犬の捕獲が難しい場合において。



 今回はニーダーザクセン州とノルトライン−ヴェストファーレン州の犬猫の狩猟に関する州狩猟法から、該当する条文を引用しました。ニーダーザクセン州ですが、犬の狩猟の範囲は狩猟区域内であれば住居からの距離の制限はありません。狩猟区域内であり飼主の管理下から離れていればれば許可されます。つまり住居からの距離の制限は0mです。猫は狩猟区域内でかつ住居からの距離が300m以上離れていれば狩猟が合法です。犬猫とも狩猟は通年許可されます。
 ノルトライン−ヴェストファーレン州ですが、犬は飼主の管理下になければ狩猟が通年許可されています。しかし殺害は、ライブトラップで捕獲するなどの殺害以外での狩猟が可能背ある場合は許可されません。ヘッセン州とも牧羊犬や狩猟犬などの使役犬と認識される場合は除外されます。狩猟区域内であるとの制限はありません。また住居からの制限もありません。猫は狩猟が禁止されています。

・ニーダーザクセン州〜犬の狩猟では住居からの距離の制限なし=0m。猫は最寄りの住居から300m以上離れていることを要します。猫の狩猟の住居からの距離の制限は、犬猫とも狩猟は狩猟区域内に限られます。
・ノルトライン−ヴェストファーレン州〜犬の狩猟においては飼主の管理下から離れていれば可能で、住居からの距離の制限はありません。また狩猟区域内という制限もありません。しかし使役犬が一時的に管理者の指揮下から離れている場合は除外されます。またライブトラップでの捕獲が可能であれば、それが優先されます。犬の狩猟は通年許可されます。猫は狩猟が禁止されています。



(動画)

 Katze Lilly wird angeschossen 「猫のリリーが撃たれました」 2018年9月10日

 これはバーデンヴュルテンベルク州キルヒハイムでの事件です。飼い猫のリリーはエアライフルで撃たれ重症を負いました。Mit einem Luftgewehr ist vor kurzem auf eine Katze geschossen worden - mitten in einem beschaulichen Wohngebiet. 「最近、静かな住宅地の中心地で猫がエアライフルで撃たれました」。バーデンヴュルテンベルク州では、狩猟区域内であれば、住宅からの距離の制限なく猫を狩猟することができます。



プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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