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「フランスでは猫の出産は1歳以上6歳までと規定されている」という殺処分ゼロ議員連のデマ文書






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France/Frankreich

 記事、動物取扱業者に対する環境省の狂った数値基準の方針、の続きです。
 犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟は、ペットの繁殖業者やペットショップの具体的な数値基準を法制化するように求め、環境大臣に提出する要望書をまとめました。それは見るに堪えない誤りが多数あります。しかし環境省はその要望書を参考にして、7月9日に方針をまとめました。「ブリーダーによる犬猫の出産上限」ですが、要望書の記述は全て誤りです。私はすでに要望書の「イギリスでの雌犬の出産は1歳以上6歳までとする」がデタラメである事を書きました。その様な規定はイギリスにはありません。さらに要望書では「フランスでは猫の出産を1歳以上6歳までとする」としています。それも全く根拠のないデマで、フランスにはそのような法令による規定はありません。



 まずサマリーで示した、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟(以下、「本要望書」と記述する)が、「ペット繁殖業者とペットショップに対する具体的な数値基準の法制化を求める要望書を作成した」ことを伝えるニュースソースから引用します。犬猫の販売・繁殖業者への数値規制 議連や団体が独自案まとめる 2020年3月25日


身動きがままならないケージで飼育するなど、悪質な繁殖業者やペットショップへの行政指導を効果的にできるようにするため、具体的な数値を盛り込んだ基準作りが、環境省を中心に進められています。
昨年6月の動物愛護法改正の「宿題」で、超党派の議員連盟は独自案をまとめました。
ケージの広さや上限飼育数などを規制する議連案
取りまとめにあたった議連事務局次長の高井崇志衆院議員は、「問題のある業者を取り締まり、改善するためには具体的な数値が必要だ。自治体の職員が使いやすい基準にするとともに、欧州の先進国で行われているような水準の数値規制の導入を目指したい。たとえば、犬のケージの広さは小型犬で最低2平方㍍を確保してほしい」などと話す。
だが動物愛護法にはあいまいな表現しかないため、自治体は悪質業者に対する指導が効果的に行えてこなかった。
こうした状況の改善を目指し、昨年6月に議員立法で成立した改正動愛法には、環境省令により「できる限り具体的な」基準を設けるよう定められた。
同議連では半年にわたり業者や有識者らにヒアリングを重ね、海外事例も調査し、50の重点項目をベースとする基準案を作った。


 「殺処分ゼロ議員連」が作成した「議員連基準案」の、フランスの法令の誤りについて述べます。「殺処分ゼロ議員連」が作成し、環境大臣に提出した、議員連基準案はこちらです。犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準に関する要望書(以下、「本要望書」と記述する)。
 この議員連基準案の9ページには、「雌猫の出産は1歳以上6歳まで」との記述があり、「参考とした規定等」として「フランス・アレテ」としています。「フランス・アレテ」とは、12~13ページの【参考にした規定等の出処】の、「<フランス> ・家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」を挙げています。それは、ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime. 」を指していることは間違いないです。しかしこの規則には「雌猫の出産は1歳以上6歳まで」という規定はありません。「猫の交配は2回目の発情以降」という規定はあります(13ページ)。


(画像)

 犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準移管する要望書 2020年4月3日 からスクリーンショット。フランスには本要望書で根拠法として示された、「家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年アレテ」には、「猫の出産は1歳以上6歳まで」という規定は一切ありません。「猫の交配は2回目以降の発情とする」という規定はあります。
 このようなデタラメを立法活動でから管轄省に要望書として提出するとは、故意でなければ本要望書の作成者の知能は正常ではないでしょう。また意図的であれば病的虚言で精神疾患が疑われます。しかし本要望書はこれだけではなく、嘘、誤り、偏向があまりにも多いです。 

殺処分零議員連 要望書 猫 繁殖年齢


 フランスのペット取扱業者に関する規則、「家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」 ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime. (13ページ) から、猫ブリーダーの猫の繁殖に関する規定を引用します。なおフランス語を英語に自動翻訳して私が日本語訳をしています。フランス語が堪能な方の校正を受けています。


(フランス語 原文)
CHAPITRE II Dispositions spécifiques aux élevages de chiens et chats
Seuls les individus en bonne santé, ayant fini leur croissance et à partir de leur deuxième cycle sexuel pour les femelles, peuvent être mis à la reproduction , en tenant compte de leur âge en fonction de la race.
Les femelles reproductrices ne doivent pas mettre bas plus de trois fois par période de deux ans.

(英語)
CHAPTER II Provisions specific to dog and cat breeding
Only healthy individuals, having finished their growth and starting from second sexual cycle for females, can be put to the reproduction, taking into account their age according to the race.
Breeding females should not give birth more than three times in a two-year period.

第Ⅱ章 犬と猫だけに適用される固有の規定
品種に応じて繁殖年齢を考慮し、成長を終えた雌犬猫は2回目以降の発情から繁殖に用いることができ、健康な個体に限ります。
繁殖に用いる雌は、2年間で3回を超えて出産をさせてはなりません。



 フランスの規則では、「交配は2回目の発情以降に限る」としていますので、本要望書の「繁殖は1歳以上6歳まで」との記述と矛盾します。さらに本要望書作成者は、このフランスの規則の規定を「猫だけの適用」と理解しているのでしょうか。本要望書では、犬はこの規定は参考にされていません。章のタイトルにある通り、「繁殖は2回目以降の発情からに限る。出産は2年間で3回まで」という規定は、「犬猫だけに適用される固有の規定」とあり犬も適用されます。さらに、reproduction (英)、reproductrices (仏)は、生殖サイクル全般を意味し、そのスタートですから「交配」と訳すべきです。同じ章で、「出産」を、birth (英)、mettre bas (仏)と明らかに異なる単語を用いていますので。
 本要望書の作成者は、フランスのこの規則、「家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」 ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime. の原文を読んですらいないと思われます。無知で調べることもなく憶測で資料を作成したか、意図的な嘘をついたかのどちらかです。いずれにしてもこの記述は、まったくの捏造嘘です。


(動画)

 L'enfer d'une "usine à chiots" 2018年10月17日  フランスのパピーミルから、121頭の犬を救出したという内容。




(動画)

 D'où viennent les animaux vendus en animalerie ? - La Quotidienne 2019年4月10日 「フランスのペットショップで売られている動物はどこから来たのか」という内容のビデオ。




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動物取扱業者に対する環境省の狂った数値基準の方針






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domestic/inländisch

 今年施行された動物愛護管理法に、「具体的な飼養管理基準を環境省令で定める」ことが盛り込まれました。そのために環境省は今年7月9日に、その具体的な数値基準の方針を公表しました。しかしそれは、海外先進国とはかけ離れた非現実的な数値です。この数値を法令化すれば第1種動物取扱業者の倒産廃業、それに伴い業者が飼養できなくなった犬猫が多数出ます。しかし第2種動物取扱業者もこの数値基準が準用されることにより、これ以上犬猫を引き取ることはできません。とはいえ日本では世界でも例を見ない犬猫の終生飼養義務が動物愛護管理法で規定されている国です。保健所での殺処分も獣医師による安楽死もままなりません。まさに悪法と言わざるを得ません。


 この、「動物取扱業者(1種2種とも)の対する数値基準」の環境省の方針に関するニュースから引用します。犬猫の飼育・繁殖に制限 ペット業者規制、環境省方針 出産は原則6歳まで 2020年7月9日


ペットとして飼育される犬猫の繁殖業者やペットショップなどの販売業者に対し、環境省は、飼育数などに上限を設ける方針を固めた。
繁殖業者では従業員1人当たり繁殖犬15匹、繁殖猫25匹とし、販売業者は1人当たり犬20匹、猫30匹を上限とし、出産についても犬猫とも原則6歳までに制限する。
動物虐待の罰則強化などを盛り込み6月に施行された改正動物愛護法では、できる限り具体的な飼養管理基準を環境省令で定めるとしており、同省は年内にも省令を改正する方針。
これまで業者の飼育数について規制はなかった。
素案で示す飼育・繁殖の基準は、海外の事例などを参考に、最低限の健康や安全が維持できる環境を目安とする。



 7月9日に環境省が公表した「動物取扱業者に対する具体的な法令による数値基準」ですが、主な点は次の2点です。
1、動物取扱業者における犬猫の出産年齢の上限~犬猫とも『出産』年齢の上限を6歳とする。
2、動物取扱業者の従業員一人当たりの動物数の制限~ブリーダー(繁殖犬15、猫25)、ペットショップ(犬20、猫30)


 環境省は「海外の事例などを参考にした」としていますがお笑いです。まったく環境省自身は海外の資料を調べていませんし、デマ情報を真に受けたということです。

 まず「1、動物取扱業者における犬猫の出産年齢の上限~犬猫とも出産年齢の上限を6歳とする」ですが、「ブリーダーの犬猫の出産年齢の上限を定めている国」は皆無と断言します。私が調べた限り1国もありません(アメリカ合衆国、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、スイス、オーストリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フランス、フィンランド、スェーデン、デンマーク)。なおスェーデン1国に限り、「7歳以上の未出産の雌犬に限り原則『交配』を禁じる。ただし獣医師が許可すればその限りではない」という規定はあります。
 一部「イギリス(UK)ではブリーダーは6歳以上の雌犬に『出産』させてはならないという法令の規定がある」という情報が日本では流布されていますが、まったくのデマです。これは殺処分ゼロ議員連が作成した資料での記載が元ですが、根拠法として挙げた法律には雌犬の出産の年齢制限については一切該当する条文はなく、他の条文でも「交配(『出産』ではない)の最低年齢」についての規定はありますが、上限年齢の規定は皆無です。
 また、殺処分ゼロ議員連が作成した資料に、「フランスでは猫の出産は1歳以上6歳までと法令で決められている」とありますが、これも全くの事実無根のデマです。この点については次回記事で詳述します。
 さらにアメリカ在住獣医師の西山ゆう子氏がマスメディアの取材や講演会で吹聴している、「アメリカ、ロサンゼルスでは6歳以上の雌犬の『出産』を禁じている。ヨーロッパ先進国にも同様の法律の規定がある」との情報もあります。しかしそれは全くのデマです。ロサンゼルスにはそのような条例は存在しません。またヨーロッパでも皆無です。西山ゆう子獣医師は、具体的な法令名と該当する条文を原語で示されたい。


(画像)

 諸外国における犬のブリーダー規制状況 礒村れん,杉浦勝明†(東京大学大学院農学生命科学研究科) (日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 70(5), 264-269, 2017-05) から。

 なおこの一覧では、「フランスの犬の最低繁殖年齢(交配と解釈できる)」を「10ヶ月齢」とし、根拠法を、Code rural et de la pêche maritime Version consolidée au 5 juillet 2020 「農村法」としています。しかし別の規則、ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime. 「家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」では、「犬猫とも、最初の『交配』は2回目の発情以降とする」という規定があります。
 同じ国で異なる法律で異なる規定があることは珍しいことではありません。ただあまりにも前者は分量が多い法律で、該当する条文は確認できませんでしした。研究者自身が法令の原文を確認していない可能性はあります。 

犬ブリーダー 繁殖年齢規制一覧


 次に、「2、動物取扱業者の従業員1人当たりの動物数の制限~ブリーダー(繁殖犬15、猫25)、ペットショップ(犬20、猫30)」についてです。海外では私が調べた限り、ブリーダーの従業員1人当たりの犬猫の飼育頭数の上限を法令で定めているのは、ドイツ(犬のみ。従業員1人当たり犬10頭。離乳していない子犬は親犬の数に含める)(*1)とスイス(動物取扱業者=ティアハイムも含める、の従業員1人当たりの動物数の上限は19頭。なおこれは犬猫等を通算した数です。2018年施行)だけです。(*2)
 私が調べた限り、オーストリア、オランダ、ベルギー、イギリス、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、フランスでは、「動物取扱業者の従業員1人当たりの動物数の制限「」を定める法令による強制力がある規定はありません。ですから動物取扱業者に関して「従業員1人当たりの動物数」の制限を法令で定める国は、極めて例外的であると言えます。なお殺処分ゼロ議員連が作成した、。犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準移管する要望書 では「英国 ガイドライン」を根拠として「犬猫の繁殖及び繁殖業者は職員1人当たり犬20頭、猫25頭を上限とする」としていますが、イギリスには動物取扱業者に対する職員1人当たりの飼育動物数の上限を制限する行政指導文書は見つかっていません。もちろん法令による規制もありません。

 しかしデタラメな要望書を作成し、環境省に圧力をかけている国会議員等の任意団体があります。殺処分ゼロ議員連ですが、動物愛護管理法による省令での数値規制の立法に関して、具体的な数値に関する要望書を環境大臣に提出しています。この要望書の具体的な数値の根拠は、欧米の法令を参考にしたとしています。
 しかし本要望書は、
「1、根拠法として挙げた法律に該当する規定がない。さらに当該国ではそのような法令による規定がない(「1例として、イギリスでは6歳を超える犬の『出産』を禁じている」とありますが、イギリスにはそのような法令による規定はありません)」、
「2、法令の条文の誤訳」、
「3、参考にした国が人口が少ない小国である、また強制力を伴わない行政指導の類、はなはだしきは民間団体の規範文書を参考資料として挙げており、立法化の資料としてはふさわしくないこと。さらにアメリカ合衆国は連邦規則で最小ケージサイズの規定があるにもかかわらず一切参考資料として挙げず、民間団体の実験動物の規範となる飼養基準を挙げているなど参考資料の選択で著しい偏向があること」、
などの欠陥
があります。


 私は上記の、「1、」、「2、」、「3、」について、連載記事にまとめています。これらの記事は主に、数値基準のうち、犬猫の飼養ケージの最小の大きさについて取り上げています。

 まず、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟が、「ペット繁殖業者とペットショップに対する具体的な数値基準の法制化を求める要望書を作成した」ことを伝えるニュースソースから引用します。犬猫の販売・繁殖業者への数値規制 議連や団体が独自案まとめる 2020年3月25日


身動きがままならないケージで飼育するなど、悪質な繁殖業者やペットショップへの行政指導を効果的にできるようにするため、具体的な数値を盛り込んだ基準作りが、環境省を中心に進められています。
昨年6月の動物愛護法改正の「宿題」で、超党派の議員連盟は独自案をまとめました。
ケージの広さや上限飼育数などを規制する議連案
取りまとめにあたった議連事務局次長の高井崇志衆院議員は、「問題のある業者を取り締まり、改善するためには具体的な数値が必要だ。自治体の職員が使いやすい基準にするとともに、欧州の先進国で行われているような水準の数値規制の導入を目指したい。たとえば、犬のケージの広さは小型犬で最低2平方㍍を確保してほしい」などと話す。
だが動物愛護法にはあいまいな表現しかないため、自治体は悪質業者に対する指導が効果的に行えてこなかった。
こうした状況の改善を目指し、昨年6月に議員立法で成立した改正動愛法には、環境省令により「できる限り具体的な」基準を設けるよう定められた。



 上記の記事で報道されている、「ケージの広さや上限飼育数などを規制する議連案 」はこちらです。犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準移管する要望書 2020年4月3日(以下、「本要望書」と記述します)。

「殺処分ゼロ議員連」による要望書はデタラメ羅列~読んだ人が悶絶死するレベル
「殺処分ゼロ議員連」による要望書はデタラメ羅列~「雌犬の出産は1歳以上6歳まで」という悶絶誤訳
「犬の出産の下限上限年齢を制限する法令はない」~西山ゆう子氏のデマ
「犬の出産の下限上限年齢を制限する法令はない」理由~西山ゆう子氏のデマ
「殺処分ゼロ議員連」による要望書はデタラメ羅列~ドイツの法令は妄想作文レベル
続・「殺処分ゼロ議員連」による要望書はデタラメ羅列~ドイツの法令は妄想作文レベル
「殺処分ゼロ議員連」の役立たずの偏向文書~なぜ立法の参考で法令ではなく強制力がない行政指導を挙げるのか?
イギリスの犬飼養の数値基準は殺処分ゼロ議員連の要望より緩い
アメリカの犬1頭当たりの最小ケージ広さの法定数値基準はハンカチ1枚分の広さ
アメリカの離乳前子猫1頭当たりの最小ケージ広さの法定数値基準はコースター1枚分の広さ
殺処分ゼロ議員連のペット業者に対する数値基準の法制化要望の決定的な欠陥
(これらの記事は「続き」でもリンクを載せています)

 本要望書はその他にも、「2、雌犬の繁殖の年齢制限」と、「3、動物取扱業者の従業員1人当たりの動物数の制限」についても、海外の、架空の法令の規定をでっち上げるなど、あまりにもひどい内容です。
 例えば本要望書の9ページには、「フランスの雌猫の出産は1歳以上6歳まで」との記述があり、「参考とした規定等」として「フランス・アレテ」としています。「フランス・アレテ」とは、12~13ページの【参考にした規定等の出処】の、「<フランス> ・家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」は、ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime. を指していることは間違いないです。しかしこの規則には「雌猫の出産は1歳以上6歳まで」という規定はありません。「猫の交配は2回目の発情以降」という規定はあります(13ページ)。


(画像)

 犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準移管する要望書 2020年4月3日 肩スクリーンショット。フランスには本要望書で根拠法として示された、「家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」「にはこのような規則は一切ありません。「猫の交配は2回目以降の発情とする」という規定はあります。
 このようなデタラメを立法活動で省に要望書として提出するとは、故意でなければ本要望書の作成者の知能は正常ではないでしょう。また意図的であれば病的虚言で精神疾患が疑われます。しかし本要望書はこれだけではなく、嘘、誤り、偏向があまりにも多いです。 

殺処分零議員連 要望書 猫 繁殖年齢


 次回の記事では、本要望書の「犬猫の出産の下限上限年齢」に関する本要望書の記述のデタラメをイギリスの他にも取り上げます。先に述べた通り、例外なくブリーダーでの「犬猫の出産の上限年齢を強制力のある法令」で定めている国はただのひとつもありません。断言いたします。


(参考資料)

(*1)
Tierschutz-Hundeverordnung ドイツ 「連邦 動物保護 犬規則」 3条

§ 3 Anforderungen an die Betreuung bei gewerbsmäßigem Züchten
Wer gewerbsmäßig mit Hunden züchtet, muss sicherstellen, dass für jeweils bis zu zehn Zuchthunde und ihre Welpen eine Betreuungsperson zur Verfügung steht, die die dafür notwendigen Kenntnisse und Fähigkeiten gegenüber der zuständigen Behörde nachgewiesen hat.



(*3)
Tierschutzverordnung スイス「連邦 動物保護規則 102条」

Art. 102 Personelle Anforderungen für die Betreuung, Pflege, Zucht und Haltung von Tieren
1 In Tierheimen und bei anderer gewerbsmässiger Betreuung von Tieren müssen die Tiere unter der Verantwortung einer Tierpflegerin oder eines Tierpflegers betreut werden.1
2 In den folgenden Fällen genügt es, wenn die für die Tierbetreuung verantwortliche Person über eine Ausbildung nach Artikel 197 verfügt.
a.
in Tierheimen mit maximal 19 Pflegeplätzen.
b.2
bei anderer gewerbsmässiger Betreuung von höchstens 19 Tieren.



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イギリス(イングランド)の「ペットショップでの6ヶ月未満の犬猫販売の規制強化」に対する大手子犬販売ペットショップの反論






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(summary)
The Government has introduced landmark new legislation to tackle the low-welfare, high volume supply of puppies and kittens, by banning their commercial third-party sale in England.
 


 記事、
イギリスの「ペットショップでの犬猫6か月未満販売禁止」は動物福祉にかなうのか?~改正法の原文と解説
イギリス(イングランド)の「ペットショップでの6か月未満の犬猫原則販売禁止」改正法は「大山鳴動して鼠一匹」
イギリス(イングランド)の「ペットショップでの犬猫6か月未満販売禁止」は動物福祉の改善は限定的
の続きです。
 イングランド(*1)では、「原則ペットショップでの6か月未満の犬猫の販売禁止」法案が可決成立し、2010年4月6日から施行されました(イギリス全土では現在本法令の効力が及ぶのは、イギリスを構成する4か国のうち大ロンドン市を除くイングランドのみです)。イギリス、イングランドで大規模店を複数展開し、50年間営業を続けた、子犬販売のペットショップは子犬の生体販売を止めました。この通称「ルーシー法」が施行されるぎりぎりまで子犬の店頭販売を続けました。店は本法に対する抗議の意味もあったと思います。「ルーシー法」が可決される以前にこの店は、批判をHPに掲載しています。主張は理にかなっていると私は思います。


(*1)
日本で「イギリス」と称される国は正式名称を、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: 略称UK The uk)といます。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4か国からなる連合国家です。イングランド議会で可決成立した法案であっても、他の3ヵ国とイングランド内の大ロンドン市は高度な自治が認められており、それぞれの議会が可決しなければその法律は効力を有しません。また否決することも修正することも認められています。
イギリス
英国法


 サマリーで述べた通り、イギリスでは「ペットショップで販売する犬猫は自ら生産したものでない限り、生後6か月未満のものの販売を禁じる」という内容の、通称「ルーシー法」が今年の4月6日から施行されました。この「ルーシー法」がイギリス議会に議案提出された当初から、本法の矛盾を指摘し批判してきた、イギリスの大手子犬販売専門店チェーンがあります。Dogs4Us という店です。その批判の内容は非常に理にかなったものと私は思います。同社のHPに現在も掲載されていますので、以下に引用します。


Lucy's Law. Why they've got it wrong
As the largest seller of puppies in the UK Dogs 4 Us has more than 50 years experience of dealing with hundreds of thousands of customers and many breeders large and small, therefore, we feel we are the most qualified to speculate what will happen if a third party ban on the sale of puppies is introduced.
1. The demand for puppies in the UK, estimated at about 800,000 per year, outstrips the supply. With Kennel Club registrations accounting for only around 227,000 puppies (2016 figures) and an estimated 350,000 coming from UK home breeders, there is a gap of around 223,000 puppies, which need to be sourced from elsewhere.
The majority of third party sales are already underground.
A ban will only have an impact on businesses which are above board and on the radar.
2. A Pet shop licence means the seller is already “on the radar” and open to scrutiny .
Will commercial breeders give up and disappear?
Breeding and purchasing will simply go underground with no licensing regulations, inspections, etc.
If this ban is introduced how on earth do the government plan to monitor the situation ?
Lucy’s Law has been driven forward by Marc Abraham (vet) and Andrew Penman Daily Mirror (journalist) both have absolutely no experience of dealing with breeders or purchasers and are therefore ignorant to the true outcome of what will happen if this ban is introduced.

ルーシー法案(註 自社生産でない限りイギリスの6か月齢未満の犬猫のペットショップでの販売を禁止する法案) なぜそれは間違っているのでしょうか?
イギリスでの子犬の最大の販売業者として、Dogs4us(註 ペットショップチェーンの名称)は、何十万もの顧客や大小を問わず多くのブリーダーと取引をしてきた50年以上の経験があります。
したがって、サードパーティ(註 自ら子犬を生産しない販売者。ペットショップなど)による子犬の販売禁止がもし導入された場合にはどうなるか、ということを推測できるのは、私たちが最も適していると考えます。
1、イギリスでは、年間約80万頭と推定される子犬の需要が(正規業者の)供給を上回っています。
(正規業者によるのは)ケネルクラブの登録の約22万7,000頭の子犬(註 ライセンスを受けたペットショップなどが扱う子犬)(2016年の数字)と、イギリスの一般家庭のブリーダー生産の推定35万匹の子犬しかありませんので、(需要の不足分を)他の場所(註 無認可もしくは非合法業者)から調達する必要があるのは、約22万3,000頭の子犬です。
サードパーティの売上の大部分は、無認可もしくは非合法業者によるものです。
この法案による禁止は、届け出がされて監視下に置かれる正規の事業者のみ影響を与えます。
2、ペットショップの認可は、販売業者が既に「監視対象である」ことを意味し、検査されます。
営利ブリーダーはあきらめて消えますか?
繁殖と購入は、認可規制、検査などなしで、単に地下に行きます。
もしこの禁止措置が導入されたならば、政府はどのように状況を監視することを計画しているのでしょうか?
ルーシー法案は、マーク・アブラハム氏(獣医)とアンドリュー・ペンマン・デイリー・ミラー氏(ジャーナリスト)によって進められています。
両氏とも、ブリーダーや購入者を扱う経験が全くなく、したがって、もしこの禁止が導入されたらどうなるかについての真の結果に対しては無知です。



 前回記事で述べたことですが、すでにイギリス(のうちスコットランド)では、インターネットによる販売での子犬購入の比率が激増しています。2019年の調査ですが、昨年の同時期と比較すれば、犬の購入の「インターネットでの入手」割合は25%から45%まで急増激増しています。イギリスは認可が必要なブリーダーの規模基準が甘く、特にスコットランドでは年4回までの繁殖であれば、犬ブリーダーは全く法規制を受けません。したがって非対面でのインターネットでの子犬販売も全く合法です。なお2018年には、認可を受けたブリーダーやペットショップは、非対面での子犬販売を禁じる法改正を行っています。
 わずか1年で「犬の購入先がインターネット販売によるものが25%から45%に激増」するのは、急に認可基準に達しない小規模ブリーダーが増えたとは考えられません。認可を受けた大規模ブリーダーが個人から名義を借りて「認可の必要がない小規模ブリーダー」を偽装して子犬販売を行っていると思われます。

 通称「ルーシー法」は、大規模な劣悪飼育ブリーダーを根絶することが目的です。子犬の購入者に実際に子犬が繁殖されている状況を確認しなければ購入できなくすることによって、ブリーダーの劣悪な飼育状況を改善することでした。しかし劣悪な大規模犬ブリーダーであるパピーファーム(イギリスでのパピーミルの言い方)は、偽装して非対面での子犬販売を行い、その劣悪飼育の状況を隠蔽しています。
 また顧客もわざわざ足を運んでブリーダーの元に訪れて、対面で購入する手間を惜しみます。PCやスマホで注文するだけでお手軽です。また比較的インターネットでの子犬販売は安価です。ですから通称「ルーシー法」は、決して犬猫の動物福祉向上には寄与しません。むしろ悪化しているとさえいえるのです。

 さらに悪いことに、インターネットでの非対面子犬販売の弊害が発生しています。それはインターネット詐欺で「子犬の購入をしたのに代金は支払ったものの子犬が送られてこない」という事件が急増しています。確かに認可を受けた実店舗で代金の支払いと同時に子犬を引き渡せば、詐欺にあう可能性はないでしょう。
 前述の、子犬販売を止めたイギリス最大手の子犬販売ペットショップ、dogs4usのHPに掲載された、「ネットでの子犬販売詐欺」を警告するマスメディアの記事から引用します。この記事では通称ルーシー法が施行されて以降に、「インターネットでの非対面子犬販売を騙った詐欺事件」が急増したことが述べられています。まさに大手子犬販売ペットショップチェーンが危惧していたことが現実化しました。
 DOG'S DINNER Fake puppy and kitten adverts con pet lovers out of thousands of pounds, Action Fraud warns 「Action Fraud(消費者への詐欺などを警告する啓もう団体)が偽の子犬と子猫のネット広告はペット愛好家に数千ポンドの金額でペット愛好家に宣伝していると警告しています」 2020年5月5日


ANIMAL lovers looking to buy pets have been scammed out of more than £280,000 over the past two months, according to Action Fraud.
A total of 669 people have lost a combined £282,686 in March and April after putting down deposits for pets they have seen advertised online.
Scam adverts are often posted on social media, general online selling websites and also on specific pet selling platforms.

Action Fraud(消費者の啓もう団体)によると、ペットを購入しようとしている動物好きは、過去2か月で280万ポンド(3億8,080万円 1ポンド=136円)を超える詐欺に遭っています。
オンラインで宣伝しているペットの保証金を支払った後に、3月と4月に合計669人が合計282,686ポンドをだまし取られました。
詐欺の広告はソーシャルメディア、一般的なオンライン販売Webサイト、および特定のペット販売専用のサイトに投稿されることがよくあります。



(動画)

 Dogs4Us - Exposed on Sky News! 「Dogs4us スカイニュースで暴く!」 2012年6月14日

 過去にしばしばTVドキュメンタリーなどで批判され続けてきたイギリス最大手の「子犬販売ペットショップ」、Dogs4us。批判の根拠は「劣悪大量生産の犬ブリーダー(パピーファーム イギリスでのパピーミルの言い方)から子犬を仕入れ、このような劣悪大量生産のパピーファームを温存させている」からです。しかしパピーファームをなくすことが目的であれば、ペットショップではなくブリーダーの規制を厳格にするのが筋でしょう。確かに「ガラスケージでの陳列販売」を攻撃対象にすることは、衆愚にはアピールしやすいでしょう。




(参考資料)

 この通称「ルーシー法」ですが、日本でいかに正確に報道がされていなかったかを示す資料をいくつかあげます。


イギリスで生後6ヵ月未満の「子犬と子猫」を販売禁止 2018年8月23日

イギリスのペットショップで子犬や子猫の販売を禁止することが決定したとイギリス政府が発表した。
非道徳的な扱いをするパピーミルを撲滅させるという目的から、イギリスではペットショップでの子犬や子猫の販売を禁止した。


 2018年8月のイギリス政府発表は「生後6か月未満の犬猫をペットショップが仕入れ販売することを禁じる(つまり「②ペットショップが自分で生産した犬猫は対象外」)「①法案を議会に提出する方針を示した」ということです。禁止は、法案が可決しなければ有しません。またこの法案は、イギリス(英国=イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4か国からなる連合国家)のうち、「③イングランド1か国でしか効力を有しません」。 ①、②、③で誤りがあります。短い文章ですが、「1粒で2度おいしいアーモンドグリコ」が負けるという、ゴミ記事です。


2018年10月「改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム」 2018年10月

10月4日Eva主催、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟協力で「改正動物愛護管理法を考えるシンポジウム2018」を行いました。
イギリスなどではもっと長く生後6か月未満の子犬・子猫の販売は禁止という報道が最近ありました。


 動物愛誤活動家、杉本彩氏代表の団体EVAが主催するシンポジウムの内容に関する同団体による記事。杉本彩氏は今まで海外の動物愛護事業について一度でも正確なことを述べたことがあるのかという、まさに「歩くデマ拡散機」、「生きた有害物質産廃の公害(口害)」です。2018年時点では、イギリス政府は、イギリスでの「①ペットショップに限り」、「②再販売(自己生産の犬猫であれば販売が可能)の6か月未満の犬猫の販売を禁じる」、「③可決されてもイングランドのみ効力が生じる」との法案提出の方針を発表した、ということです。
 悪質なデマはやめろと言いたい。それにしても「イギリスで例外なく6か月未満の犬猫販売を禁じた」とは、嘘の大風呂敷広げすぎ。まさに有害な公害の発生源です。


(画像)

 杉本彩氏は2018年当時に「日本以外の先進国にはペットショップがない」と発言しています。そりゃあ、「イングランドでのペットショップでの6か月未満の犬猫の販売を制限する法案が出された」という真実を団体として公表すれば不味いでしょうよ。しかし杉本彩氏のその他の発言でも知能遅滞とか、正常な域を逸脱していると思われますので、しかるべき機関で受診することをお勧めします。

杉本彩1

杉本彩

イギリス(イングランド)の「ペットショップでの犬猫6か月未満販売禁止」は動物福祉の改善は限定的






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(summary)
The Government has introduced landmark new legislation to tackle the low-welfare, high volume supply of puppies and kittens, by banning their commercial third-party sale in England.
 


 記事、
イギリスの「ペットショップでの犬猫6か月未満販売禁止」は動物福祉にかなうのか?~改正法の原文と解説
イギリス(イングランド)の「ペットショップでの6か月未満の犬猫原則販売禁止」改正法は「大山鳴動して鼠一匹」
の続きです。
 イングランド(*1)では、「原則ペットショップでの6か月未満の犬猫の販売禁止」法案が可決成立し、2010年4月6日から施行されました(イギリス全土では現在本法令の効力が及ぶのは、イギリスを構成する4か国のうち大ロンドン市を除くイングランドのみです)。しかし10年来大騒ぎして成立させた改正法は、労力の割に効果は低いと言わざるを得ません。イギリスには本改正法以前からペットショップでの犬猫を販売する店舗が少ないからです(のべで10%台。300店舗余り)。イギリスでの犬の取得はインターネットでの非対面による購入比率が高く、さらに無認可のブリーダーの比率が高いのです。小規模ブリーダーは認可の必要がなく、犬の非対面のインターネット販売が合法です。これらの小規模ブリーダーは行政の検査がなく、虐待飼育もあり得ます。また悪質な大規模ブリーダーが、個人の名義を借りて無認可ブリーダーとしてインターネットでの非対面販売を行うケースもあります。


(*1)
日本で「イギリス」と称される国は正式名称を、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: 略称UK The uk)といます。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4か国からなる連合国家です。イングランド議会で可決成立した法案であっても、他の3ヵ国とイングランド内の大ロンドン市は高度な自治が認められており、それぞれの議会が可決しなければその法律は効力を有しません。また否決することも修正することも認められています。
イギリス
英国法


 イギリスでは認可が必要なブリーダーの規模基準が段階的に引き下げられてはいますが、日本の「年2頭以上もしくは2回以上の販売」で第一種の認可が必要」という基準と比べればかなり緩いです。例えばスコットランドはイングランドと比べて農業畜産の比率が高く、子犬の営利生産のイギリス国内の供給地とされています。また大規模パピーファームが多く存在します。
 そのスコットランドですが、犬のブリーダーの認可が必要なのは年5回以上の繁殖を行うものです。したがって年4回までの繁殖であれば法的規制を受けません。多産な犬は1回の出産で10頭近くの子犬を生むこともあり、年40頭となればかなりの数です。イギリスでは2018年から非対面でのインターネット販売などでの犬の販売を禁じましたが、その規定は認可が必要ないブリーダーには適用されません。

 実はイギリスは犬ブリーダーは圧倒的に、無認可の小規模ブリーダーが多いのです。これらのブリーダーは行政の検査等の監視下にありませんので、むしろ虐待飼育が見逃されることもあります。また認可が必要な規模のブリーダーが検査を逃れるためと、インターネット販売のために個人の名義を利用して、非対面での子犬販売を行うこともあります。さらに、「子犬販売」を名目にしたインターネット詐欺、つまり子犬の購入を注文して代金を支払ったにもかかわらず子犬が届かないということも起きています。
 ですから「ペットショップでの子犬子猫販売の規制を強化する」ことは、イギリスでは犬猫の福祉向上の効果は極めて限定的と言えます。まず、イギリスでは極めて無登録の(小規模で登録対象外)犬ブリーダーが多いことを裏付ける資料から引用します。この資料では、イギリスでの犬ブリーダーでは行政の登録を受けたものが、全英ケネルクラブの登録を受けた数の18%にしかすぎないことが述べられています。さらに血統書を付けなければケネルクラブへの登録は必要ありません。ケネルクラブへの無登録の犬ブリーダーの数を足せば、無認可犬ブリーダーの比率はさらに高くなります。インターネットで販売されている激安子犬は、かなりの比率で血統書がついていませんので。

 「イギリスにおいては犬ブリーダーの登録率が極めて低い(多くても18%)」ということが述べられている、イギリス(The uk)の、Department for Environment, Food & Rural Affairs 「環境・食糧・農村地域省」が2017年に作成した資料があります。
 The review of animal establishments licensing in England Next steps February 2017 イングランド(England)の動物に係る事業所におけるライセンスの見直し 次のステップ 2017年2月」 から引用します。


This document provides a summary of the next steps in the review of animal establishment licensing in England.
Estimates show that there are approximately 2,300 licensed pet shops, 650 licensed dog breeders, 1,800 licensed riding establishments, and 6,300 licensed animal boarding establishments in England.
in 2015 the Kennel Club registered 4,443 dog breeders in the UK that had two litters per annum.

推定によると、イングランド(England)には約2,300のライセンス(註 license とあるが実際は認可)を受けたペットショップ、650のドッグブリーダー、1,800の乗馬施設、6,300のペット預り業があります。
2015年に全英ケネルクラブは、イギリス(英国 UK United Kingdom)では、年間2回の同腹仔の繁殖をしている4,443事業者の犬のブリーダーを登録しました。



 現在イギリスでは、法律で登録を要する犬ブリーダーの規模基準を現在次のように定めています(What are the laws about puppy breeding and what should I do if I’m concerned about the breeder?)。
・イングランド     年3回以上の繁殖
・ウェールズ     年3回以上の繁殖
・スコットランド    年5回以上の繁殖
・北アイルランド   年3回以上の繁殖



 イギリス(The uk)では、スコットランドでは年4回までの繁殖、その他の地域では年2回まで全く法規制を受けません。それが「イギリス全土では認可を受けた犬ブリーダーは660であり、ケネルクラブに登録した犬ブリーダーは4,443」の理由です。
 ケネルクラブに登録した犬ブリーダーに対する行政から認可を受けた犬ブリーダーの数に占める割合は、18%にしかすぎません。さらに「血統書がいらない」のであれば、ケネルクラブへの登録も必要ありません。事実、インターネットで非対面販売されている激安子犬の多くは純血種であるとはしても、血統書がない子犬がかなりあります。ですから行政から認可を受けた犬ブリーダーの割合は、18%よりもさらに低くなります。

 このような大多数の無認可(認可を免除されているので無認可は違法ではない)犬ブリーダーが占めるイギリスにおいては、法規制を受けないブリーダーがインターネットの販売サイトに多くの子犬を出品しています。そしてイギリスでは、インターネットによる犬の入手割合が大変高いのです。この点については、しばしば全英ケネルクラブが懸念を表明しています。イギリス、スコットランド政府は2019年に「スコットランドでは新規の犬の購入者のうちの45%がインターネット販売により購入した」という調査報告書を出しています。かつて全英ケネルクラブは「全英での犬の入手シェアは30%~40%である」との報告書も出しています。
 「イギリスでは犬の入手に占めるインタ―ネットでの購入割合が大変高いのです。無認可犬ブリーダーは行政の検査の対象ではなく法規制も受けませんので、むしろ認可を受ける規模のブリーダーやペットショップの方が監視下にあり、虐待的飼育の発見と摘発がたやすいのです。認可を要大規模のパピーファーム(イギリスのパピーミルの言い方)であっても、個人の名義を借りてオンラインで子犬を違法に非対面販売することも行われています。
 

(参考資料)

New drive to curb online puppy sales Published: 13 Nov 2019 09:30 「オンライン子犬の販売を抑制するための新たな取り組み
公開日:2019年11月13日09:30」 イギリス、スコットランド政府文書

People in Scotland are increasingly buying puppies online despite the risk of purchasing from illegal breeders, according to new research.
Almost half (45%) of people who bought a puppy in 2019 did so online, up from a quarter (25%) the previous year.
Puppy farms breed misery, and that misery is being fuelled by the huge demand for puppies and facilitated through online adverts and sellers.
Research on online puppy sales was undertaken by the Kennel Club.

新しい調査によるとイギリス、スコットランドの人々は違法なブリーダーからの購入はリスクがあるにもかかわらず、子犬をオンライン購入することがますます増えています。
2019年には子犬を購入した人のほぼ半数(45%)がオンラインで購入し、前年の四半期(25%)から増加しました。
パピーファームは酷い状況で子犬生産を行い、そのひどさは子犬への大きな需要に支えられています。
そしてそれは、オンライン広告やオンラインでの販売者を通じて促進されています。
オンラインでの子犬の販売に関する調査は、全英ケネルクラブによって行われました。



(画像)

Dogs & Puppies For Sale & Rehome in UK

 イギリスの犬の販売サイト。2020年7月23日にスクリーンショットを取得したものです。ほぼすべての広告にブリーダーの認可番号が明示されていません。これは「個人の認可不要の規模の趣味ブリーダー」という名目で出品しています。動物保護団体の調査などでは、大規模ブリーダーの名義貸しなども確認されています(註 スクリーンショットの画面のブリーダーが名義貸しということではありません)。

イギリス インターネット 子犬販売 20200723


 もともとイギリスでは、法律で規制されている動物の取扱業者は氷山の一角にすぎません。「ペットショップでの半年未満の犬猫の仕入販売を禁止する」通称「ルーシー法」ですが、私は前回記事で、本法の適用を受けるペットショップは最大でもイギリスのペットショップの全体数に占める割合は1割余り、数にして300店舗余りということを述べました。規制を受けない業者による、インターネットでの子犬販売の方が、規制を受ける実店舗でのペットショップでの販売よりはるかに多いのです。比率が低いペットショップでの犬猫販売をことさらたたいたところで、犬猫の福祉向上に資するとは思えません。
 さらに事実上ペットショップでの犬猫販売ができなくなってからは、インターネットでの子犬販売が「激増」しています。つまりペットショップに生産していた子犬を卸していたパピーファーム(=パピーミル)が、失った販路をその分、個人の名義を借りて「認可がいらない小規模趣味ブリーダー」として偽装してインターネットでの違法販売をしている可能性があります。「趣味ブリーダー」が短期間に急激に増えることはありませんので。

 つまり「自治体の認可を受け検査対象になるペットショップ」から、「虐待的な扱いが目に見えない」、無認可の趣味ブリーダーという形式をとることにより、子犬子猫の虐待的飼育はむしろ水面下に隠蔽される結果となった可能性があります。通称「ルーシー法」は、「ペットショップで販売される犬の90%が劣悪飼育のパピーファーム由来である」ことから、ペットショップを規制強化してパピーファームをなくすことが目的でした。しかしむしろ犬猫の虐待的飼育は隠蔽されることにより、より深刻化していく可能性すらあります。
 この点については、50年以上子犬の販売を続けてきたイギリスの最大手子犬販売専業のペットショップチェーンが意見表明しています。それは次回記事で取り上げます。確かにペットショップでのガラスケージでの子犬子猫販売は目に見えます。あからさまに目に見えることさえなくせば、衆愚有権者の人気を得やすいということはあるでしょう。

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イギリス(イングランド)の「ペットショップでの6か月未満の犬猫原則販売禁止」改正法は「大山鳴動して鼠一匹」






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(summary)
The Government has introduced landmark new legislation to tackle the low-welfare, high volume supply of puppies and kittens, by banning their commercial third-party sale in England.
 

 記事、イギリスの「ペットショップでの犬猫6か月未満販売禁止」は動物福祉にかなうのか?~改正法の原文と解説、の続きです。
 イングランド(*1)では、「原則ペットショップでの6か月未満の犬猫の販売禁止」法案がスッタモンダの末に可決成立し、2010年4月6日から施行されました(イギリス全土では現在本法令の効力が及ぶのは、イギリスを構成する4か国のうち大ロンドン市を除くイングランドのみです)。しかし10年来大騒ぎして成立させた改正法は、労力の割に効果は低いと言わざるを得ません。イギリスには約3000店舗のペットショップがありますが、子犬の販売を行っているのは4%台、子猫は7%台です。つまり重複を考慮しなければ330店舗程度で、仮にイギリス全土で本改正法が成立したとしても、法の適用を受ける店舗は1割を少し超えるだけです。


(*1)
日本で「イギリス」と称される国は正式名称を、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: 略称UK The uk)といます。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4か国からなる連合国家です。イングランド議会で可決成立した法案であっても、他の3ヵ国とイングランド内の大ロンドン市は高度な自治が認められており、それぞれの議会が可決しなければその法律は効力を有しません。また否決することも修正することも認められています。
イギリス
英国法


 サマリーで述べた通り、イギリスには生体販売の認可を受けたペットショップが2016年の調査では全土で約3000店舗あります(この数は人口比で日本の1.6倍です)。そのうち子犬の販売を行っているのは約4.1%、猫の販売を行っているのは7%でした。重複を考慮しなければ、イギリス全土には約330のペットショップが犬または猫の販売を行っていたことになります。その数は、イギリス全土の生体販売ペットショップの1割程度です。イギリスがペットショップでの犬猫販売の規制強化を進める動きを受けて、前倒しで犬猫販売を取りやめたペットショップもあって、犬猫販売比率が低いということはあるでしょうが。
 イギリスの経済規模等も考慮すれば、国を挙げて大騒ぎして「ペットショップでの6ヵ月未満の犬猫の販売を原則禁じる」法令は、さほど意味があるのかという気がします。法の適用を受ける店舗が最大でも330店舗余りなのですから。まさに「大山鳴動して鼠一匹」でしょう。与党が政権維持に苦しくなればポピュリズム(衆愚)政治を志向するのは古今東西変わらないようです。
 2016年にイギリスのペットショップ業界団体がイギリス国内の詳細な統計資料を作成して公表しています。その資料から以下に転載します。


(画像)

Freedom of Information Request on Pet Shop Licensing 2016  

・Figure 3. Percent of total number of pet shops licensed to sell different animal types across the UK 「図3.イギリス全土における動物種別の動物を販売する免許を受けたペットショップの総数に対する割合

 この統計によりますと、それぞれの動物種を扱う、イギリス全土の免許を受けた生体販売ペットショップの割合は次の通りです。

1、観賞魚       77.8%
2、小型哺乳類    56.1%
3、爬虫類       47.1%
4、鳥類         41.5%
5、猫           7.0%
6、犬           4.1%
7、霊長類        1.5%


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 通称「ルーシー法」(ペットショップでの子犬子猫販売を原則禁じる法令)の適用を受けるのは、仮にこの法令がイギリス全土で効力を有するようになったとしても、適用を受けるのは最大でもわずか330店舗余り(生体販売ペットショップの1割程度)です。イギリスの犬の新規の需要は年間80万頭程度と推計されています(*1)。それを考慮すれば、「ペットショップでの犬猫販売の規制強化」はいったいどれほどの効果があるのは疑問です。

 イギリスでの犬の取得は、多くがインターネットによる購入です(全英ケネルクラブでは何度か推計値を出していますが、3割から4割の間です)。2018年から認可を受けたブリーダーは、非対面でのインターネット販売が禁じられました。しかしイギリスは日本と比べて犬ブリーダーの登録の規模基準が緩く、例えばイギリス国内での犬の商業生産が多いスコットランドでは、「年4回までの繁殖」であれば認可が必要ありません。多産な犬でしたら1回の出産で10頭近く子犬も生みます。年間40頭とすればかなりの数です。
 そのために多くの無認可ブリーダーが非対面でのインターネットでの子犬販売を続けています。スコットランド生産の子犬をイングランドの客が購入することは全く問題がありませんので。また悪質な大規模ブリーダーが、個人の名義を借りてインターネットで子犬を販売することも行われています。さらに、「インターネットで子犬を注文したが送られてこなかった」という詐欺もあります。
 これらの点については、イギリスで大規模店舗で子犬販売を長年続けてきた大手ペットショップチェーンが意見をしています。次回以降の記事で取り上げます。


(参考資料)

 イギリス(英国)での認可を受けた生体販売のペットショップの数は、2016年にイギリスの生体販売ペットショップの業界団体が各自治体と事業者に質問票を送り、詳細な調査統計資料を公表しています。それによれば約3000店舗です(この数は人口比で日本の1.6倍程度)。
 しかし日本で、「イギリスの生体販売ペットショップの数」について、正確なものは私が知る限りありません。出典を挙げて説明していない伝聞、出典を挙げているが引用が正しくない、出典も挙げず全く憶測の口から出まかせなどのデマ情報ばかりです。あまりにもひどい資料をいくつかあげます。


・殺処分ゼロ議員連 福島みずほ議員ブログ 犬・猫殺処分ゼロを目指して 2014年04月01日(Tue)

イギリスなどは、犬猫の売買を禁止していることから学ぶべき。
イギリスやドイツなどが、殺処分ゼロを目指しているか、実現しています。ドイツは殺処分ゼロ。


 「イギリスなどは犬猫の売買を禁止している」と公言しながら、殺処分ゼロ議員連での「動物取扱業者の数値規制でイギリスのブリーダーの数値基準を絶賛する図々しさ(笑い)。しかも引用元の法令名が間違っており、条文の誤訳というおまけつき。


2016.04.07 ライフスタイル 動物愛護(3) 対談・インタビュー(120) 滝川クリステルさんインタビュー 前編 「ペットビジネスの裏にある、動物殺処分の現実を知ってほしい」

日本は欧米諸国に比べて、動物保護の観点では遅れています。
ヨーロッパの中にはイギリスやドイツのように犬猫の生体販売(ペットショップ)を禁止している国もあります。


 これは2016年の記事。「イギリスとドイツでは犬猫の生体販売(ペットショップ)を禁止している」と言いつつ、2020年のルーシー法「イングランドでのペットショップなどでの半年未満の犬猫の仕入れ販売を禁止した法律の施行を絶賛する図々しさ(笑い)。あらっ?2016年にすでにイギリスではペットショップでの犬猫販売が例外なく禁止されていたんじゃないの?なおルーシー法の議案提出の方針を政府が示したのは2018年です。さらにルーシー法は「ペットショップでの犬猫生体販売を完全に禁止した」わけではありません。生後6か月以上、もしくは自己繁殖したものは販売は合法です。


・環境省資料 平成 29 年度 訪英調査結果 平成 29 度動物愛護管理法に関する調査検討業務 報告書(抜粋) 平成 30 年 3 月 一般財団法人 自然環境研究センター

犬猫をペット ショップで販売しているライセンス業者は非常に少なく、イギリス全体でも2%程度だと思 われる。

 この記述には出典がありません。この資料が作成されたのは2017年ですが、2016年のイギリスの生体販売ペットショップの詳細な調査統計資料では、イギリス国内のライセンスを受けた生体販売ペットショップでは4.1%が犬を、7%が猫を販売しているとあります。かけ離れた数字ですが、環境省と調査機関は出典を示し、情報の出所を明示すべきです。


・「ペトこと」という、非常に嘘デタラメ、偏向記事が多いサイトの記事 イギリス・イングランド地方で子犬・子猫を販売禁止の方針へ イギリスのペット事情を解説 2018年8月14日 

DRFRAのレポートによれば、2018年6月現在、イギリスにはペットショップが約2300軒(ライセンス付与件数)、ブリーダーは約650軒(ライセンス付与件数)存在していると言われています。


(画像)

 問題のペトことの記事、イギリス・イングランド地方で子犬・子猫を販売禁止の方針へ イギリスのペット事情を解説 2018年8月14日 の該当する記述のスクリーンショット。 

ペトこと イギリス ペットショップ 2300


 上記の記述の出典として挙げているのは、The review of animal establishments licensing in England Next steps February 2017 イングランド(England)の動物に係る事業所におけるライセンスの見直し 次のステップ 2017年2月」です。該当する箇所から原文を引用します。


This document provides a summary of the next steps in the review of animal establishment licensing in England.
Estimates show that there are approximately 2,300 licensed pet shops, 650 licensed dog breeders, 1,800 licensed riding establishments, and 6,300 licensed animal boarding establishments in England.
in 2015 the Kennel Club registered 4,443 dog breeders in the UK that had two litters per annum.

推定によると、イングランド(England)には約2,300のライセンスを受けたペットショップ、650のドッグブリーダー、1,800の乗馬施設、6,300のペット預り業があります。
2015年に全英ケネルクラブは、イギリス(英国 UK United Kingdom)では、年間4回の同腹仔の繁殖をしている4,443事業者の犬のブリーダーを登録しました。


 このペトことの記事の記述の誤りについては何度も申し入れていますが訂正しません。また、animal boarding establishments 「動物預かり業」を訳せなかったのはお笑いです。なお、establishments は事業所ですが、個人事業主、小規模と言ったニュアンスがあります。
 「2300」というペットショップの数字は、イングランド=England(イギリス=英国=The uk を構成する4か国のうちの1か国)のみの数字で、イギリス=英国=The uk 全体の数ではありません。

イギリスの「ペットショップでの犬猫6か月未満販売禁止」は動物福祉にかなうのか?~改正法の原文と解説






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(summary)
The Government has introduced landmark new legislation to tackle the low-welfare, high volume supply of puppies and kittens, by banning their commercial third-party sale in England.
 

 2020年4月6日にイギリスイングランドで、改正「動物福祉規則(動物を扱う活動に関する認可 イングランド法)2018(The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018)が施行されました。大きな改正点は、「ペットショップ(自ら繁殖を行わない仕入れ販売のペット販売業者)での、生後6か月未満の犬猫の販売禁止」です。この法令について、日本で完全に正確に報道しているメディアが私が確認した限りありませんので、法令原文及びイギリス(The uk)政府文書を引用して解説します。


 2018年4月6日にイギリス(UK法)の、「動物福祉規則(動物を扱う活動に関する認可 イングランド法)2018(The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018)改正法が施行されることとなりました。この法令は、イギリス国内の主にペット動物の販売、預かりなどを行う主にペット動物を扱う営利業者の認可や動物の扱いを定めた法律です。大きな改正点は、「6か月未満の犬猫の販売をペットショップ(自らは繁殖を行わず、繁殖業者から仕入れ再販売を行う営利業者。サードパーティ)を行うことを禁じる」というものです。
 まずこの法令の改正についての、イギリス政府の広報文書から引用します。Press release Lucy’s Law spells the beginning of the end for puppy farming Third-party puppy sales banned in England from Monday 6 April 「プレスリリース ルーシー法はパピー・ファーミング(イギリスでのパピー・ミルの言い方)」が終わりつつあることを示しています サードパーティの子犬の販売は4月6日月曜日からイングランドで禁止されました」 2020年4月6日


Today (Monday 6 April) the Government has introduced landmark new legislation to tackle the low-welfare, high volume supply of puppies and kittens, by banning their commercial third-party sale in England.
‘Lucy’s Law’ means that anyone wanting to get a new puppy or kitten in England must now buy direct from a breeder, or consider adopting from a rescue centre instead. Licensed dog breeders are required to show puppies interacting with their mothers in their place of birth.
If a business sells puppies or kittens without a licence, they could receive an unlimited fine or be sent to prison for up to six months.
Further information
Lucy’s Law is the short-hand for the amendment to The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018 brought about by The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) (Amendment) Regulations 2019, which makes unlawful the sales of puppies and kittens (under six months in both cases) by third party sellers/anyone other than the breeder. Lucy’s Law currently comes into force on 6 April in England only as it is devolved legislation.(*1)

本日(2020年4月6日月曜日)、政府は子犬子猫の大量供給に伴う低い動物福祉に取り組むため、イングランドでの子犬と子猫をの第三者(自ら生産せずに子犬子猫を仕入れ再販売をする業者)による販売を禁止する画期的な新しい法律を施行しました。
「ルーシー法」とは、イングランドで新しく子犬または子猫を入手したい場合は、ブリーダーから直接購入するか、または動物保護施設から養子を迎えることを検討する必要があることを意味します。
認可された犬のブリーダーは(販売の際は)、出産地で母親と接している子犬を見せることが義務付けられています。
無認可で子犬や子猫を販売している企業は、上限のない罰金を科されるか、最長6か月間刑務所での収監となる可能性があります。
さらに詳しい情報
ルーシー法は、「動物福祉規則(動物を扱う活動に関する認可 イングランド法)2019(改正案)」(brought about by The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) (Amendment) Regulations 2019)によってもたらされた、「動物福祉規則(動物を扱う活動に関する認可 イングランド法)2018」(The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018)改正の簡略系です。
これは、ブリーダー以外の第三者(自ら生産を行わない販売者)の販売者/第三者による子犬と子猫の販売(どちらの場合も6か月未満の犬猫)を違法にします。
ルーシー法は現在、4月6日にイングランド(ロンドン市を抜く)で施行され、本法が(ウェールズ、スコットランド、北アイルランド議会に)移譲され可決された場合にのみ効力を有します(*1)。


(*1)
 なおイギリス(the United Kingdom)は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4か国からなる連合国家です。いわゆるイギリス議会(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国議会 Parliament of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)で可決された法令は、イギリスを構成する4か国のうちのイングランドでは効力がありますが、他の3ヵ国、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドでは、それぞれの議会で可決しなければその構成国内では効力を有しません(イギリスの議会)。文中にある、devolved legislation とはそういう意味です。


 Devolution「イギリス議会による法令の権限移譲 委任」の説明ですが、イギリス版ウィキペディアにはこのようにあります。Devolution in the United Kingdom 「イギリス議会による法令の権限移譲」 から引用します。


In the United Kingdom, devolution is the Parliament of the United Kingdom statutory granting of a greater level of self-government
to the Scottish Parliament, the Welsh Parliament, the Northern Ireland Assembly and the London Assembly and to their associated executive bodies the Scottish Government, the Welsh Government, the Northern Ireland Executive and in England, the Greater London Authority and combined authorities.
Legislation creating devolved parliaments or assemblies can be repealed or amended by central government in the same way as any statute.

イギリス(The uk)では、イギリス議会は devolution(権限移譲 委任)によりスコットランド議会、ウェールズ議会、北アイルランド議会、ロンドン議会、およびそれらに関連する行政機関、スコットランド政府、ウェールズ政府、北アイルランド行政、そしてイングランドでは、グレーターロンドン行政当局と連合当局による高いレベルの自治権を付与しています。
委任により作成される法律は、議会もしくは(政府の)会議により、中央政府による法令と同じように廃止または修正される可能性もあります。



 次に、該当する法令の改正点です。


The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018 (改正前)

SCHEDULE 3
Specific conditions: selling animals as pets
Purchase and sale of animals
5.—(1) The purchase, or sale, by or on behalf of the licence holder of any of the following is prohibited—
(a) munweaned mammals;
(b) mammals weaned at an age at which they should not have been weaned;
(c) non-mammals that are incapable of feeding themselves;
(d) puppies, cats, ferrets or rabbits, aged under 8 weeks.
(2) The sale of a dog must be completed in the presence of the purchaser on the premises.

付則 3
特定の条件:ペットとして動物を販売をすること
動物の売買
5条—(1)項 次のいずれかは、認可を受けた事業者が行う、またはその代理としての購入、または販売は禁止されています—
(a)離乳していない哺乳類;
(b)離乳日齢前に親から離された哺乳類。
(c)自分で採餌できない非哺乳類;
(d)子犬、猫、フェレット、またはウサギで8週齢未満のもの。
(2)犬の販売は、事業者の事業所内で購入者の立ち会いの下で完了する必要があります。



https://www.legislation.gov.uk/uksi/2019/1093/regulation/2/made#regulation-2-3-a-i (改正後)

Amendment to the 2018 Regulations
2.—(1) Schedule 3 to the 2018 Regulations (specific conditions: selling animals as pets) is amended as follows.
(3) In paragraph 5—
(ii) after paragraph (d) insert—
(e) "puppies or kittens which were not bred by the licence holder.”
(b) after sub-paragraph (2), insert—
(3) "In this paragraph, “kitten” means a cat aged less than 6 months.”

「動物福祉規則(動物を扱う活動に関する認可 イングランド法)2018の改正
2 .—(1)「動物福祉規則(動物を扱う活動に関する認可 イングランド法)2018 の付則3(特定の条件:ペットとして動物を販売すること)は、次のように改正されます。
(3)5条-
(ii)本条文(d)の後に加筆-
(e)「認可事業者が繁殖させていない子犬(註 本法の定義では「生後6か月未満の犬」である)または子猫」
(b)(2)項の後に、加筆-
(3)「この条項では、『子猫』とは生後6か月未満の猫を意味します」。(*2)


(*2)それ以前から本規則では子犬(Puppy)は、「生後6か月未満の犬」と定義されています。


 この通称「ルーシー法」(「動物福祉規則(動物を扱う活動に関する認可 イングランド法)2018 The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018)の、「ペットショップでの6か月未満の犬猫の販売を原則禁じる」という法改正ですが、まとめると次の通りです。

1、施行は2020年4月6日から。
2、本法が効力を有するのは現在、イギリス(The uk)を構成する4ヵ国、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドのうち、イングランド(グレーターロンドンを除く)のみである。
3、ペットショップが自ら繁殖させた犬猫に関しては、本規則は適用されない。


 しかし本改正法は、日本では完全に正しく報道しているメディアはNHKをはじめとして、私が確認した限り皆無です。あからさまな誤りはないとしても、著しく視聴者読者に誤解を与える報道内容であったりします。次回記事では、そのいくつかを取り上げて、日本のマスコミの、海外の動物愛護に関する報道がいかにいい加減で、信頼性が低いかを検証します。

 本改正法の効果についても、次回以降の記事で検証します。1、まず最初に、イギリス(The uk)には現在約3,000店舗の生体展示ペットショップが存在します。イギリスのペットショップの業界団体が各自治体にヒヤリングを行い詳細にまとめた統計資料では、約4%の店が子犬の販売を行っており、7%が猫の販売を行っています(重複あり)。つまり子犬販売を行っているのは120店舗、子猫販売を行っているのは210店舗です。述べ330店舗程度が影響を受けるわけですが、ペットショップの全体数に比較してさほど意味がある法改正とは思えません。
 2、次に、イギリスは認可を必要とする犬ブリーダーの規模基準が日本と比べて緩いのです。例えばスコットランドでは年4回までの繁殖では認可が必要ありません。そのために無認可の小規模ブリーダーがインターネットで子犬を販売し、犬の入手シェアは全英ケネルクラブでは約3割に上るとされています。無認可ブリーダーは行政の検査が行われず、むしろ虐待的飼育の温床にすらなっている可能性があります。また大規模パピーファームが個人の名義を借りてインターネットで販売することも行われています。インターネットでの子犬販売で、詐欺にあう客もいます。
 3、さらに「ペットショップという販売形態(店頭でケージに入れて展示販売する)」であっても、「事業者が自ら繁殖した犬猫」は適用外ということです。店舗のバックヤードで繁殖させた犬猫を、店舗のガラスケージで展示販売するなども考えられます。


(動画)

 Pet Store London - Jumanji Pets 「ロンドンのペットストア ジュマンジ・ペット」 2014/10/29 に公開
 犬も猫も蛇も小型哺乳類も売っています。総合的な生体販売ペットショップです。なおこのペットショップは犬猫の取り扱いをやめました。このような街中のケージでの展示販売で総合的な生体の品ぞろえのペットショップでは、完全に犬猫の販売は、イングランドではなくなると思います。郊外型の大規模店舗では、バックヤードでブリーダーを兼業して生き残るところがあるかもしれません。

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「猫3匹飼育者の入居申し込み」に対する一抹の不安







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domestic/inländisch

 私は不動産賃貸業です。多い時で約50筆の物件を所有していました。最近神戸市垂水区の一戸建てに、猫3匹を飼育している方からの入居申し込みがありました。一般的に不動産賃貸業を営んでいる方は、ペット可物件で「小型犬はOKだけれど猫はお断り」という方が多いです。特に複数の猫を飼育している入居希望者の方をお断りするケースが多いです。私は経営者としてのその判断は、自分の経験から判断すれば妥当だと思いますし、痛いほど理解できます。私は入居申し込みを受け付けましたが。


 「猫3匹の飼育者」から入居申し込みがあったのは、神戸市垂水区というところです。駅からは至近距離ですが、神戸市の中心部方は若干離れています。また人気のない築年数が古い木造一戸建てです。現在、中心地から少しでも離れた物件は制約が昔いので、私は入居申し込みを受け付けました。
 二階のベランダからは夜間は明石大橋の夜景が見え、海が近く、自然環境は良いところです。部屋の内装は、私が自分でリフォームしました。


(画像)

 二階和室のフスマと壁。ふすまの張替えと壁の塗り替えは自分でしました。壁はもともと繊維壁のぬりかべでしたが、シーラーで下地処理してつや消し白の塗料を塗って漆喰風に仕上げました。

垂水玉手 フスマ1


(画像)

 壁の塗り替えと柱の塗り替えを自分でしました。

垂水山手 階段


(画像)

 キッチンの流し台は比較的良いものが入っています。これは元のオーナーが入れ替えたもの。

垂水山手 流し


 なぜ猫の飼育者は犬の飼育者に比べて賃貸住宅の入居を断られやすいのか、特に多数飼育者の場合はそうです。それには理由があります。猫は犬と異なり、爪とぎで柱や床、畳を破損させやすいことがあります。実際問題、原状復帰費用を回収することは難しいのです。それと放し飼いする方が多く、また野良猫への給餌を行う人も多いのです。そのために近所から苦情が来やすいのと、室内にノミが入ることが多いのです。それは私も何度か経験しています。
 そして大変大きなリスクは、猫の飼育者の場合は「多頭飼育崩壊」に陥る確率が、他の飼育動物種より高いと思われることです。幸い私は深刻な多頭飼育崩壊の経験はありませんが、しばしば報道される猫飼育者の多頭飼育崩壊の惨状は凄ましいものです。いくつかの例を挙げましょう。


なぜ?札幌の一軒家で泣き叫ぶ238匹の猫 床に散らばる大量の骨、目を刺す悪臭 2020年7月6日

足を踏み入れると、床には大量の骨が散らばる。
目を刺すような悪臭が漂う中、やせ細った猫たちは積み重なったふんの上で餌を求めて泣き叫んでいた―。
3月末、札幌市北区の一軒家で、238匹の猫が市や動物愛護団体に保護された。
大量に繁殖し、十分に飼育ができない「多頭飼育崩壊」の状態に陥っていたとみられる。
ここに50代の夫婦と息子が大家から借り受け住み始めたのは2018年末から。
家賃を滞納したため大家が訪れたところ、238匹もの猫を発見した。



異常な数の動物を飼育してしまう“アニマルホーダー”の病理 2020年3月6日

過去に猫18匹を飼い、生活が立ち行かなくなった都内在住のA子さん(29才)が、自身の経験を振り返る。
最初はラグドールを2匹飼っていたのですが、気づいたら交配してしまって…。
多忙で獣医にも行けず、子供が子供を産み、気づけば部屋中が猫だらけ、という状態でした。
A子さんの暮らす1LDKのマンションは、瞬く間に汚部屋と化し、異臭騒ぎで住人からクレームが殺到。
大家から退去通告を受けた際、「あなた、これ病気よ」と真顔で言われ、われに返ったという。



猫120匹 強制退去 猫屋敷になってしまった住人…埼玉県深谷市 2017年3月9日

インターネット上で埼玉県深谷市の小島進市長に殺害予告をしたとして埼玉県深谷市の無職の男(55)が逮捕された。
→「どうなる置き去り猫たち 飼い主が埼玉・深谷市長脅迫容疑で逮捕 「120匹いる」と当人」(2016.11.21 産経ニュースより)※不起訴処分で釈放。
家賃滞納が続き、2017年2月9日裁判所より強制執行勧告が行われ、3月9日ついに強制執行による退去となった。



 なぜかアニマルホーダーは、一戸建てであっても持家の人が少ないです。自分の家でなければ家の汚損破損は気にしないのでしょうか。
 飼育する動物は猫が圧倒的に多いです。猫の場合、不妊去勢しなければ外に妊娠してしまい、産んだ子猫を飼育しているうちにまたそれらの子猫が成長して妊娠して子猫を生む可能性は高いでしょう。室内小型犬は外に脱走することはまずありませんし、今日では野良犬は都市部にはほとんどいませんから脱走しても交配することは少ないと思います。
 また猫は犬のように畜犬登録などの義務がなく、行政も飼育数などを把握しにくい面があります。それも猫の飼育者がアニマルホーダー化しやすい一因と思います。

 海外でもアニマルホーダーは猫が圧倒的に多いようです。アメリカの多くの自治体では猫の登録義務を課しているところがあります。そのうえで飼育数の上限を設けています。アニマルホーダーを防止するという目的もあると思います。日本でも、猫の登録を検討してみるのもよいかもしれません。例えば犬と同様の畜犬登録と狂犬病予防注射の義務化、徘徊猫を行政が捕獲することなどです。そして無登録猫には飼い主に罰金と保管料を課すことと、飼い主が引き取りに表れなかった無登録猫は殺処分することです。
 これはアメリカの自治体ではすでに多くが導入されています。アニマル・コントロール・サービスという行政機関が徘徊猫を捕獲して公営アニマルシェルターに収容します。アメリカのみならず、ドイツも同じ制度があります。徘徊猫を行政機関が捕獲し、公的な動物収容で保管します。飼い主に返還する場合は保管料等を徴収します。日本は猫の飼育に関しては、あまりにも放任です。


(動画)

 無責任飼い主「アニマルホーダー」(アニマルホーダー.動物囤積症.Animal Hoarding)(トキソプラズマ.弓形蟲感染症.Toxoplasma gondii)

 「日本で多いアニマルホーダーの類型は、殺処分に過剰に反応する動物救助型」としています。私の物件を借りる人が、いわゆる「猫ボラ」でないことを祈るしかないです。

「ドイツでは犬猫の殺処分は獣医師による安楽死でなければならない」は大嘘~殺処分ゼロ議員連顧問弁護士、渋谷寛氏の噴飯論説







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(Zusammenfassung)
Über Haustier Tierschutz in Deutschland.


 記事、
「ドイツでは民間団体しか犬猫を保護しない」という殺処分ゼロ議員連顧問弁護士の狂った論説
ベルリン「犬の行政施収容数と殺処分等の処分の内訳と予算」~州下院議会議事録
ドイツには公的動物収容センターがあり、行政による犬猫の捕獲と殺処分も行われている
ドイツには猫の飼養基準も販売規制の法令もない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ドイツでは猫ブリーダーは届出すらいらない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ティアハイムの犬の殺処分率は日本の公的殺処分率より高い~殺処分ゼロ議員連顧問顧問弁護士、渋谷寛氏の妄想作文
ドイツでの保護犬猫入手は約10%~殺処分ゼロ議員連顧問弁護士、渋谷寛氏の狂気のデマ
当初ティアハイムは馬保護専用施設で犬を扱うようになった後に犬を大量銃殺していた~殺処分ゼロ議員連、渋谷寛弁護士の妄想作文
殺処分ゼロ議員連顧問弁護士の虚言(まとめ)
の続きです。
 私がしばしば取り上げる「殺処分ゼロ議員連」のメンバーと、そのアドバイザーの杉本彩氏、浅田美代子氏ら。彼らが言っていることで特に海外に関する情報は、私は知り限り完全に正確なものはただのひとつもありません。顧問弁護士の渋谷寛氏も仰天するようなドイツに関するデタラメな内容の論説を、新日本法規「法苑」(2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号)に寄稿しています。前回記事でその指摘を修了しようと思っていましたが、見逃せないデマがありましたので追記します。



 サマリーで挙げた、殺処分ゼロ議員連の顧問弁護士である渋谷寛弁護士が寄稿した、新日本法規「法苑」の論説はこちらです。2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号) (キャッシュコピー) この論説に書かれていることは、ドイツに関することは全てがほぼ誤りです。ドイツのティアハイムに関する記述もしかり。前回記事で「まとめ」て、この連載は終了しようと思いましたが、やはり看過できないデマ記述がありましたので、今回記事で取り上げます。
 なお渋谷寛氏の本論説のデマ誤り偏向は、私が今まで指摘した事柄だけではありません。指摘しなかったことがすべて正確だとは、読者様は勘違いなさらないでください。


(犬猫の)ドイツでの殺処分の方法は、獣医による安楽死です。
これは苦痛を与えずに死に至ります。
例えば、飼い主に抱き抱えてもらいながら、注射を打ち最期を看取ることもあるそうです。



 この記述は「ドイツでの犬猫の殺処分は獣医師の注射(麻酔薬と理解されると推測します)による安楽死に限られ、法律での規定がある」と読者は理解します。しかしそれは誤りです。ドイツでは、「犬猫に限り、殺処分を行えるのは獣医師に限る」などという法令の規定はありません。また「注射による安楽死でなければならない」という規定もありません。
 民間のティアハイムの統括団体である、ドイツ動物保護連盟は、「ティアハイムに収容した動物の傷病を理由とする殺処分の判断は獣医師に限る(1人の科獣医師で可。「2人以上の獣医師」という解説をしているニセドイツ獣医師の閉鎖されたブログがありますが嘘です)としています。しかしそれはあくまでも民間の自主規制であって、強制力がありません。
 ドイツの法令では犬猫の殺処分(犬猫に限らず脊椎動物全般において)は、「1、一定の能力が証明された者(例えば飼育員やトレーナーなどでも)であれば行うことができる」とあります。また、「2、注射による安楽死(麻酔薬と理解しますが、通常は獣医師しか扱えません)に限るとはしていない」のです。現に家畜の食用と殺で用いられる、電気と殺機で犬を殺処分していたティアハイムは、全く刑事訴追も行政処分も受けていません。

 ドイツにおいて、犬猫の殺処分も含めて家畜のと殺なども広く含めて、脊椎動物の殺行為について定めているのは、動物保護法(Tierschutzgesetz)と、動物保護法一般行政施行規則 2000年2月9日(Allgemeine Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes Vom 9. Februar 2000 )です。それらによれば、「犬猫等に限り、殺処分は獣医師による注射での安楽死でなければならない」という規定は一切ありません。該当する条文をそれぞれの法令から引用します。


・動物保護法(Tierschutzgesetz)における脊椎動物の殺行為規定

Dritter Abschnitt
Töten von Tieren
§ 4
(1) Ein Wirbeltier darf nur unter wirksamer Schmerzausschaltung (Betäubung) (*1)in einem Zustand der Wahrnehmungs- und Empfindungslosigkeit oder sonst, soweit nach den gegebenen Umständen zumutbar, nur unter Vermeidung von Schmerzen getötet werden.

第3章
動物の殺害
§4
(1)脊椎動物は効果的な疼痛除去(意識喪失、気絶)の状態の感覚および無感覚状態か、あるいはそうでなければ所与の条件下で合理的な範囲内で苦痛を回避する方法でしか殺すことができない。


(*1)この条文の、Betäubungを「麻酔」と訳している文献が散見されますが誤訳です。Betäubungは、「麻酔が効いて意識がない状態」で、広く「意識喪失」を意味します。


・動物保護法一般行政施行規則 2000年2月9日(Allgemeine Verwaltungsvorschrift zur Durchführung des Tierschutzgesetzes Vom 9. Februar 2000

3 Zu § 4 (Töten von Tieren)
Ein Wirbeltier töten darf nur, wer die dazu notwendigen Kenntnisse und Fähigkeiten hat.
3.1.3 Regelmäßigkeit ist nicht gegeben, wenn Wirbeltiere nur im Einzelfall betäubt oder getötet werden.
Für das Töten lebensschwacher, nicht lebensfähiger oder schwerverletzter Wirbeltiere im Einzelfall im eigenen Tierbestand ist wegen fehlender Regelmäßigkeit grundsätzlich kein Nachweis der Sachkunde erforderlich.
3.2 Nachweis der Sachkunde
Der Nachweis der Sachkunde bezieht sich jeweils nur auf diejenige Kategorie von Tieren und auf diejenigen Betäubungs- und Tötungsmethoden, für die die entsprechende Sachkunde erworben wurde.
Als Sachkundenachweis gilt ferner der erfolgreiche Abschluss eines Studiums der Veterinär- oder Humanmedizin, der Biologie mit dem Schwerpunkt Zoologie oder Fischereibiologie.
Der Abschluss einer anderen Berufsausbildung, ein anderer Studienabschluss oder ein Weiterbildungsabschluss, die nachweislich ebenfalls für bestimmte Tierarten entsprechende Kenntnisse und Fähigkeiten voraussetzen, sind ebenfalls als Sachkundenachweis anzuerkennen.
Auch kann die zuständige Behörde im Einzelfall die entsprechende Sachkunde bei Personen annehmen, die ohne eine abgeschlossene Berufsausbildung über einen angemessenen Zeitraum regelmäßig Tiere ordnungsgemäß betäubt oder getötet haben.

3条から4条(動物の殺害)
脊椎動物の殺行為は、必要な知識と技術を持っている者のみが行えます。
3.1.3脊椎動物の殺行為において個々のケース(註 経常的に業としない場合。例えば警察官が市中で犬などを射殺するなど)で動物を気絶または殺害する場合は本規則は適用されません。
自己所有の動物の個別のケースで、衰弱して生きていけない、または重傷の脊椎動物を殺すことは本規則の適用外ですので、専門知識の証明は必要ありません(註 例えばティアハイムなどの保護施設での動物の殺処分では本規則すら適用外になる可能性があります。つまり全く専門資格がなくても収容動物の殺処分を行うことが合法ということです)。
3.2専門知識の証明
専門知識が証明された、動物の種別に応じて専門知識を習得した資格により、定められた殺害方法でのみ行えます。
専門知識の証明は、獣医学または人間医学、動物学または漁業生物学が主な生物学の学位を修了したことによります。
特定の動物種に対応する知識と技術も必要とする別の職業訓練、別の学位またはさらなる教育学の学位の修了も、能力証明書として認められなければなりません。
個別のケースにおいては所轄官庁は、職業訓練を完了しなくても、妥当な期間、定期的に動物を適切に気絶させることまたは殺行為を行った者においても、関係する専門知識があるとすることもできます。



 そもそも両法令での動物の殺行為に関する規定では、「犬猫」、「犬猫等のペット動物」というワードそのものがありません。動物保護法4条における動物の殺行為の原則は、脊椎動物全般における殺行為(つまり魚類も適用となる)についての規定です。
 例外規定としては、「家畜の食用と殺(放血前に意識を喪失させなければならない)」、「狩猟や害獣駆除における殺行為。もちろん犬猫の狩猟、害獣駆除のによる殺意行為も含まれます(必ずしも4条1項の、殺害時の疼痛除去は必要ではない)」などがあります。しかし、犬猫、犬猫等のペット動物に限った、「獣医師に限る」、「注射(麻酔薬と理解する)による安楽死でなければならない」という規定は皆無です。
 したがって、殺処分ゼロ議員連顧問弁護士の渋谷寛氏の論説の記述、「(犬猫の)ドイツでの殺処分の方法は、獣医による安楽死です」は、「法令による強制力がある規定がある」(と読者は誤解します)という意味になり、根拠のない悪質なデマです。渋谷寛氏には、「(犬猫の)ドイツでの殺処分の方法は、獣医による安楽死です」の根拠となる法令と、該当する条文を原文で示されたい。
 
 ドイツでは犬猫なども脊椎動物全般の、動物保護法4条と、それに対応する一般行政施行規則の殺害規定が適用されます。つまり「原則として殺害前に意識喪失させること。それは不可能な場合は合理的な範囲で疼痛除去を行うこと」です。ですから家畜のと殺で多用されている、電気ショックでの感電殺や法律上は二酸化炭素死(麻酔効果があるとされている)、家畜と殺用のボルト銃で脳を破壊する方法も合法です。繰り返しますが、ドイツの法令では、脊椎動物の殺行為においては「犬猫」、「犬猫などのペット動物」に関する例外規定はありませんので。
 かつてドイツのティアハイムで、収容した犬を家畜と殺用の電気ショック機で感電殺していました。元従業員は証拠を提出して所管する行政に申し入れ、検察庁に告発しました。行政機関は「違法行為はない」としてそのティアハイムの行政処分は一切行いませんでした。検察庁は「違法性はない」として調べることすらしませんでした。


(参考資料)

 日本で喧伝されているニセドイツ獣医師の京子アルシャー氏の、動物保護法4条「脊椎動物の殺害」の条文の誤訳についての解説と、収容した犬を家畜と殺用電気ショック機で殺害していたティアハイムが違法性なしとされ、行政処分も刑事訴追も受けなかったことに関する記事です。

ティアハイムでの犬の感電殺(家畜の屠殺方法)による殺処分が合法なドイツ
「絞殺、射殺」ティアハイムの殺処分はどこまでが合法なのか

 文面によれば渋谷寛弁護士は、ニセドイツ獣医師京子アルシャー氏の、現在はドイツ動物保護法の誤訳解説の、閉鎖されているブログを参考にしていると思われます。これがそのブログの丸々コピー(のキャッシュコピー)です。
 しかし、「ドイツでは脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)の殺害は、すべて回復不能の傷病の苦痛を取り除く目的でしか殺害できず、かつ安楽死でなければならない」という誤訳を信じるとは、もはや知能が正常ではないでしょう。ドイツで食されているニシンは、すべて末期の傷病で麻酔薬で安楽死されたものか自然死したものなのでしょうか。中毒死したドイツ人がいないことが不思議です。渋谷寛弁護士しかり。愛誤になると例外なく白痴化するという生きた証明です。

ドイツ殺処分0の理由 2013-08-09 07:39:49


(動画)

 Polizei erschießt Hund 「警察官は犬を射殺する」 2018/05/30公開

 動画は、ミュンヘン駅前での警察官らによる犬の射殺です。警察官が市中で犬などを射殺する数は年間約1万3000頭(ドイツ連邦警察統計)。動物保護法でも「狩猟、害獣駆除等では必ずしも殺害において疼痛除去義務はない」と例外規定を設けています。




(画像)

 衆議院インターネット中継 開会日 : 2019年2月27日 (水) 会議名 : 予算委員会第六分科会 串田誠一(日本維新の会) より

(串田誠一議員の質問)
二酸化炭素によるガス室での犬猫殺処分を行っているのは日本だけである。
欧米は、犬猫の殺処分は、すべて注射による安楽死(ペントバルビタールのことを指していると思われる)である。
日本も、二酸化炭素による殺処分を法律で禁止すべきである(日本「も」としているところから、欧米では、二酸化炭素によるガス室での殺処分を法律で禁止しているとの意味になります)。


 アメリカ、カナダでは複数の州で二酸化炭素での殺処分が合法であり、現在も行われています。犬猫の殺処分方法として「二酸化炭素の吸入」を法律に明記している州もあります。ドイツをはじめとする西ヨーロッパでは二酸化炭素死による犬猫殺処分は制度としては行われていませんが、禁止する法律はドイツにはありません。法解釈上合法と考えられます。 
 串田誠一議員には「ドイツでの二酸化炭素による殺処分を禁止する法令と該当する条文」の提示を再三メールしましたが、いまだにお返事がありません。串田誠一議員も「殺処分ゼロ議員連」のメンバーです。

串田誠一

殺処分ゼロ議員連顧問弁護士の虚言(まとめ)







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(Zusammenfassung)
Über Haustier Tierschutz in Deutschland.


 記事、
「ドイツでは民間団体しか犬猫を保護しない」という殺処分ゼロ議員連顧問弁護士の狂った論説
ベルリン「犬の行政施収容数と殺処分等の処分の内訳と予算」~州下院議会議事録
ドイツには公的動物収容センターがあり、行政による犬猫の捕獲と殺処分も行われている
ドイツには猫の飼養基準も販売規制の法令もない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ドイツでは猫ブリーダーは届出すらいらない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ティアハイムの犬の殺処分率は日本の公的殺処分率より高い~殺処分ゼロ議員連顧問顧問弁護士、渋谷寛氏の妄想作文
ドイツでの保護犬猫入手は約10%~殺処分ゼロ議員連顧問弁護士、渋谷寛氏の狂気のデマ
当初ティアハイムは馬保護専用施設で犬を扱うようになった後に犬を大量銃殺していた~殺処分ゼロ議員連、渋谷寛弁護士の妄想作文
の続きです。
 私がしばしば取り上げる「殺処分ゼロ議員連」のメンバーと、そのアドバイザーの杉本彩氏、浅田美代子氏ら。彼らが言っていることで特に海外に関する情報は、私は知り限り完全に正確なものはただのひとつもありません。顧問弁護士の渋谷寛氏も仰天するようなドイツに関するデタラメな内容の論説を、新日本法規「法苑」(2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号)に寄稿しています。今回は、この論説に関してのまとめ記事です。



 サマリーで挙げた、殺処分ゼロ議員連の顧問弁護士である渋谷寛弁護士が寄稿した、新日本法規「法苑」の論説はこちらです。2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号) (キャッシュコピー) この論説に書かれていることは、ドイツに関することは全てがほぼ誤りです。ドイツのティアハイムに関する記述もしかり。以下に引用します。


わが国での現状は、迷子になり飼い主のわからないペット、飼い主が飼育困難となったペットたちを動物愛護センターが引き取ります。
貰い手の見つからないペットは一週間ほどで殺処分されてしまいます。
飼い主が、飼いきれず持ち込んだ場合には、数日で殺処分されてしまうこともあるようです。
我が国の行政による殺処分の方法は、対象となる数匹の犬猫のいる小部屋へ二酸化炭素を注入する方法がほとんどです。徐々に酸素が薄くなり、呼吸が苦しくなり、数分の間苦しみもがいて死んでゆきます。
ところで、ペットの先進国とされているドイツでは殺処分がゼロだという報道がなされたことを聞いたことがあります。
ドイツでは、行政機関がペットを保護するのでなく、民間の動物保護団体がペットを引き取ります。(*1)
「ティアハイム」と呼ばれている動物保護施設です。
古い施設は一九世紀の中頃からあります。(*5)
引取りをした後は、飼い主や里親が見つかるまで保護し続け、原則として殺処分はしないそうです。
規制の厳しいドイツでは犬猫の生態販売、いわゆるペットショップはほとんどありません。(*2)
ペットを飼い始めようと思い立ったときには、まずはティアハイムへ行き、気に入ったペットを探すという慣習があるのです。(*3)
ところが、実際には殺処分はゼロではないそうです。
それは、生き続けることが苦痛でしかないと思えるペットの場合です。例えば、末期がんで苦しんでいる、不治の伝染病、高齢のため足腰が立たなくなったペットは殺処分の対象にされるのです。(*4)


(*1) ドイツでは迷い犬などの遁走したペット、野良動物、行政が押収没収した犬などのペット動物の一次収容は行政の責務であり、収容は公的施設(動物収容センター)と法律で規定されています。それは連載記事ですでに説明しました。
(*2)、(*3)、(*4)に関しては、私はすでに連載でそれが誤りであることを述べました。
(*5)はあからさまな偏向ではありませんが、読者に誤解を与える記述です。それは前回記事で詳述しました。


 (*2)、(*3)、(*4)に関しては、私は過去に記事にしています。以下に一覧を挙げます。


(*2)
規制の厳しいドイツでは犬猫の生態販売、いわゆるペットショップはほとんどありません。

 このような合間な文章を法曹家が書くとは驚きです。また生体を生態とするところもお笑いです。この記述は、「①犬猫の生体販売に対する規制が厳しい」、「②ペットの生体を販売するペットショップはドイツではほとんどない」という意味で理解します。
 ①ですが、ドイツでは犬のブリーダーに関する法令では、「繁殖雌犬3頭以上」を保有し、かつ生産された子犬を販売すれば登録が必要です(猫のブリーダーに関する法令はありません。したがってドイツでは猫部リーダの登録制度も事実上ありません)。犬に関しては、「動物保護 犬規則」(Tierschutz‐Hundevorschriften)により、生体販売業者のみならず全般規制で犬舎の最低面積など厳しい規制があります。しかし猫に関してはそれに該当する法令はありません。猫の飼養基準(繁殖制限を下位法への立法を委任する連邦法の規定があり、それを受けた州法、条例はありますが)、例えば最低ケージ面積や、販売の下限週齢などを定める法令は連邦法州法令では皆無です。したがって、ドイツではペットショップで猫を5週齢で矮小なガラスケージで展示販売することが合法です。渋谷弁護士には「厳しい規制を定めた、猫の生体販売について規定している法令」の具体名と、該当する条文を示されたい。
 ②ですが、ドイツではいわゆる「生体販売ペットショップ」の数は4100以上あり、人口比では日本より多く、1.2倍~あります。もちろん犬猫もペットショップで販売されています。世界最大の生体販売ペットショップはドイツにあります。これらに関しては、私は次のような記事を書いています。それぞれに出典のリンクをつています。

日本より生体販売ペットショップが多いドイツ
ドイツのペットショップ生体販売売上高は日本より大きい。ペットショップの数も多い(人口比)~「ペトこと」の嘘を暴く
「ドイツでは業界の自主規制によりペットショップでの生体販売を廃止した」は真っ赤な嘘~ドイツは人口比で日本より生体販売ペットショップが多い
続・「ドイツでは業界の自主規制によりペットショップでの生体販売を廃止した」という真っ赤な嘘~ドイツは人口比で日本より生体販売ペットショップが多い


(*3)
ペットを飼い始めようと思い立ったときには、まずはティアハイムへ行き、気に入ったペットを探すという慣習があるのです。

 ドイツでの「保護犬猫」の入手シェアは約10%です。これは狭義のティアハイム(自治体を契約を締結して自治体が捕獲、押収没収した犬猫などの保管を請負う)以外の保護動物以外のものも含みますので、ティアハイムからの犬猫入手シェアはさらに低いです。
 日本での保護犬猫の入手シェアの各種調査によれば、ティアハイムと比べて著しく低いとは言えません。渋谷弁護士はペット種類別の、入手に占めるティアハイムの割合を示す資料を提示し、具体的な数値を挙げられよ。

「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~イギリス、ドイツ編


(*4)
生き続けることが苦痛でしかないと思えるペットの場合です。例えば、末期がんで苦しんでいる、不治の伝染病、高齢のため足腰が立たなくなったペットは殺処分の対象にされるのです。

 この記述は、「ドイツでは『生き続けることが苦痛でしかない(治療不可能な傷病)と思えるペットの場合』しか殺処分を行わない」という意味になります。私が前回前々回の記事で示した通り、ドイツでは行政が行う殺処分では、①傷病動物、②禁止犬種法に基づく無許可で飼育されている禁止犬種の強制殺処分、③咬傷犬(人や動物を咬んだりした犬)の強制殺処分、④行動などから危険と判断される犬の強制殺処分、⑤狂犬病等の感染症が疑われる犬などの強制的な検査殺処分、⑥検疫不備(ドイツに入国する際に狂犬病ワクチン接種証明やマイクロチップがされていない犬猫などの犬猫などの強制殺処分があります。つまり渋谷寛弁護士は、「ドイツでのペットの殺処分は①しかない」といっているのですが、卒倒するような大嘘です。特に現在、「禁止犬種法」が施行されている国は国際的にも一部です。
 またドイツでは警察官の職務として、市中の危険な動物(犬など)を射殺処分する権限と職責があり、最新のドイツ連邦統計ではドイツ連邦全土で1年間に射殺される犬などの動物は1万3,000頭を超えます。
 さらにドイツ狩猟法では、非占有犬を狩猟駆除することを通年民間人ハンターに推奨しており、高位推計では猫40万、犬6万5000頭が狩猟駆除されています。
 最後に民間施設のティアハイムですが、統括団体のドイツ動物保護連盟がティアハイムの運営指針を公表しており、その中で「収容動物の安楽死(殺処分)に関する指針」も示しています。それによれば「①傷病動物で回復が認められないもの、②問題行動があるもの(註 攻撃性などが筆頭でしょう)、③緊急性を要する場合」の3つのケースについては、「殺処分を行わなければならない(「殺処分をしてもよい、許可する」ではなく、「しなければなない」としています。また殺処分率においても、国際比較で極端に低いとは言えません。

ドイツの飼い主に対する犬の安楽死処分命令~ドイツには事実上の公的殺処分制度がある
ドイツには公的殺処分がないという大嘘~ドイツの公的殺処分は日本より厳しい
ドイツの犬の公的殺処分事情~ドイツマスメディアの記事から
痛っ!厳格に犬の公的殺処分を行っているドイツベルリン州を「殺処分ゼロ、地球でイチバンペットに優しい街」と報道したNHKー1
警察官が公道上で犬を射殺、ドイツ世論の76,32%が警察官による犬射殺を支持した
警察署に届けられた猫を警察官が射殺~ドイツ、ヴッパータール
ドイツの犬の強制殺処分や飼育規制の強化の背景には、深刻な犬による咬傷事故増加がある~ドイツ、ベルリン
警察官が犬を積極的に射殺処分することに対しての一般のドイツの人反応
続・警察官が犬を積極的に射殺処分することに対しての一般のドイツ人の反応
ロットワイラーは危険な犬種なのか?~ドイツにおける強制殺処分や警察官による射殺例
東京都の6倍もの健康上問題のない、かつ咬傷事故を起こしていない犬を公的殺処分していたドイツ、ヘッセン州
ティアハイム・ベルリンは、自ら殺処分を行っていることを認めています~「ティアハイム・ベルリンは殺処分ゼロ」の嘘プロパガンダを広める狂気のメディアと太田匡彦氏
「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~「国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 」
「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~ドイツはすべての州で犬の公的殺処分制度があります
「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~厳格に殺処分を規定しているドイツの狂犬病規則
「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~ドイツでの警察官による犬などの射殺
無実の犬を強制殺処分~ドイツでは咬傷犬などは強制的に殺処分され、さらに費用まで請求される
ドイツでは傷病猫を射殺するのは警察官の職務~日本では動物虐待になるのではないでしょうか
リードを放したというだけで犬を警察官に射殺された飼い主の悲痛~ドイツ、ベルリン
アニマルホーダーの人道的解決策は動物の安楽死~ドイツ
続・アニマルホーダーの唯一の人道的解決策は動物の安楽死~ドイツ
飼い主の母子を咬み殺した犬は殺処分された~犬による死亡咬傷事故が相次ぐドイツ
ドイツのティアハイムの犬の殺処分率は日本より高い~「先進国の中でも日本は殺処分が多い」という大嘘サイト「ぺトこと」
「ティアハイム・ベルリンは殺処分していますか」~ティアハイム・ベルリンHP FAQ改定版
なぜドイツでは警察官による動物の射殺が激増しているのか?
「犬とオオカミの雑種は必ず殺さなければならない」というドイツの法律
ティアハイムでの犬の感電殺(家畜の屠殺方法)による殺処分が合法なドイツ
「絞殺、射殺」ティアハイムの殺処分はどこまでが合法なのか


 正常な知能があればありえない、荒唐無稽な嘘八百の文書を法曹家がこのように公にするとは、渋谷寛氏とは絶望的な無知蒙昧なのでしょうか。それとも病的な虚言癖なのでしょうか。私はしばしば「殺処分ゼロ議員連」のメンバー議員とアドバイザー(笑い)の杉本彩氏のデマを取り上げてきました。私が知る限り、彼らは海外情報で完全に正確な発言や情報提供を行ったことはありません。このような団体ですから、顧問弁護士も質もさもありなん、ということでしょうか。しかし渋谷寛弁護士は、環境省の外部委員もます。まさに日本の動物愛護の後進性を身をもって示しているような方です。
 日本の狂った動物愛護を正常化するには、環境省から動物愛護管理室を廃止し、例えば農水省にその機能を移管するなどするべきでしょう。海外では多くは犬猫などの愛玩動物も、農業畜産関係の行政組織が担っています。また外部委員も全て入れ替えるなどしなければ、この腐敗した日本の動物愛護行政の改善は永遠に望めません。


(動画)

 【早口言葉ナビ】そうだ村の村長さんが曹達食って死んだそうだ葬式まんじゅうでっかいそうだ |Japanese Tongue Twisters|Hayakuchi Kotoba|2018/11/15公開

 「そうだそうだ そうだ村の村長さんは そうだ呑んで死んだそうだ 葬式饅頭はでっかいそうだ」。これはかつて子供の間ではやったざれ歌(元歌にちゃんとした童謡があります。ふるさとのわらべうた「ソーダ村の村長さんが」 )です。子供心にいかに伝聞情報が信頼できない、それを多用する人がうそつきだということをからかったのだと思います。
 弁護士、渋谷寛氏の論説では、「ドイツでは~だそうです」という伝聞系を連発し、法令等の原典を一切明示していません。私は「~だそうです」等の伝聞系をもちいるのはうそつきの常套手段と常に言っていますが、そのような記述で真実であったことはただの一度もありません。
 さらに「うそつきの常套手段」には、「ほとんど」、「慣習となっている」などの形容詞形容動詞を多用し、具体的な数値を挙げません。また裏付けとなる統計資料等も示しません。渋谷寛氏の論説はまさに典型的です。
 「~だそうです」の講釈はいらないから、さっさと該当する法令名と条文を原文で挙げろよ、ってことです。クリームソーダもソウダガツオもいらんがな。ちゃんと出典を示せってことです。

スペインのペットショップの数は人口比で日本の約3倍~やはり「愛誤」は嘘つきだった







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Spain/Spanien/España

 「私はEU諸外国で犬や猫がペットショップで販売されているのを見たことがありません。欧州ではペットショップで買うよりもペットショップを通じてブリーダーを紹介してもらう」という内容のコメントをいただきました。この方は、「EU諸国ではペットショップがほぼない。特に犬猫はほぼ販売がゼロであり、ブリーダーから買うのが一般的」と主張しています。しかしそれは大嘘です。この方はおそらくスペインに住んでいたと思われますが、スペインは人口比で生体販売ペットショップの数が日本の2.7倍あります。犬の入手もペットショップからがかなり多いです。「愛誤」は嘘つきです。


 私はオーストリア人で日本在住の動物愛護(誤)活動家、マルコ・ブルーノ氏の、「(EU諸国にはペットショップが)存在しますが、生体の販売は一切ない。ペットが欲しい場合には、希望犬種などの情報を事前に調査し、ペットショップから専門のブリーダーを紹介して貰います」という、マスコミに対する発言が嘘であると批判した記事を書いたことがあります。EUの多くの国では人口比で日本より多くのペットショップがあり、犬猫も店頭展示販売されています。信頼できる統計資料によれば、イギリスでは人口比で日本の1.6倍、ドイツでは1.2倍の生体販売ペットショップがあります。また私が調べた限り、EUで「犬猫のブリーダーの取次を専門にしていて生体展示販売を行っていないペットショップ」は確認できていません。
 「EUには生体販売ペットショップはありません」~動物愛護(誤)活動家、マルコ・ブルーノ氏の驚愕大嘘 2016年5月7日 から再びマルコ・ブルーノ氏の、マスコミでの発言を引用します。


Q EU諸国にはペットショップはないのですか?
A 存在しますが、無責任や衝動買いをする人を無くす為、生体の販売は一切無く、グッズやフードの販売に限られています。
どうしてもペットが欲しい場合には、希望犬種などの情報を事前に調査し、ペットショップから専門のブリーダーを紹介して貰います。
そしてどんなに遠方であっても、飼主自らがブリーダーの所に出向き、飼主として適当であると判断された場合にのみ、販売が許可されます。



 上記のマルコ・ブルーノ氏の発言を擁護し、私の指摘が誤りであるというコメントがありました。記事、「EUには生体販売ペットショップはありません」~動物愛護(誤)活動家、マルコ・ブルーノ氏の驚愕大嘘 2016年5月7日 から、そのコメントを引用します。


EU諸国に数年住んでいて、確かに彼の一切という言葉を使った言いきりには語弊があるかもしれません。
私はEU諸外国で犬や猫がペットショップで販売されているのを見たことがありません。
彼(マルコ・ブルーノ氏)が言いたかったのは、日本のペットショップでの販売状況に比べて欧州では一般的にペットショップで買うよりもペットショップを通じてブリーダーを紹介してもらうのが主流ということでょう。
彼の言わんとしていることはおおよそ合っていると思います。
大嘘という書き方はどうかと思いました。



 この方の指摘は、結論から言えば誤りです。先の述べた通り、イギリスは生体販売ショップの数が人口比で1.6倍、ドイツは1.2倍以上あります。さらに「ブリーダーの取次を行うペットショップ」ですが、私はEU内では確認できていません。
 この方はアクセス記録(Google Spain から検索ワードでアクセスがあった)から、EUの在住経験はスペインと思われます。スペインは大変生体販売ペットショップの数が多い国で、人口比で日本の2.7倍あります。またスペインにおいては、ペットショップから犬猫を購入する比率は日本と比べて特段低いとは言えません。それを証明するスペインの調査統計資料が多数あります。そのいくつかを引用します。


1、スペインには生体販売ペットショップが約5,000店舗あります。なお日本では生体販売ペットショップの数は5,045店舗で、人口比ではスペインは日本の2.7倍のペットショップがあります都道府県別ペットショップ店舗数 出典 総務省経済センサス‐基礎調査)

Las 'start up' ganan mercado en el mundo de las mascotas 2019年8月19日記事


2、スペインにおける、犬と猫の入手経路に関する統計(なおスペイン語から英語に自動翻訳してから日本語訳をしています)。スペインでは犬猫共、「有償による入手」では、「ペットショップから」が最も多く、特に猫では「ブリーダーから」はわずか2%台です。

Análisis y caracterización del sector de los animales de compañía  2015年11月30日

METHODS OF ACQUISITION OF ANIMALS
According to a private study carried out for the sector, the main ways of acquiring dogs and cats would be: Acquisition of dogs:
The gift is one of the main forms of acquisition of dogs (53%).
He access through adoption also appears with weight (13.6%).
When the acquisition is through the purchase (31.4%), the store appears as main purchase option (13.2%).
However, the breeder also appears with strength (10%).
The last option is to buy from individuals (8.2%).
Acquisition of cats:
where the gift modality, as in the case of dogs, continues to be the protagonist (43.6%).
Subsequently, and in contrast to the acquisition of the dogs, 36% acquired the cat they found on the street.
The purchase of cats (11.2%) loses a lot of strength in relation to what happens with dogs (31.4%). However, in cats, the store (5.8%) is once again the main point of purchase for purchases compared to other channels such as the breeder (2.9%) and the individual (2.5%).

動物の入手方法
部門別に行われた民間調査での動物の取得では、犬と猫の主な入手方法は次のとおりです。
犬の入手:
人からもらうことは犬の主な入手方法方法の1つです(53%)。
養子縁組(保護犬)の入手も割合が(13.6%)と示されます。
入手が購入によるものである場合(31.4%)、ペットショップは購入の主な選択肢(13.2%)として示されます。
ただし、ブリーダーも重要な割合をしめ(10%)で表示されます。
最後の選択肢は個人から購入することです(8.2%)。
猫の入手:
犬の場合のように、人からもらったが主な入手経路です(43.6%)。
さらに犬の入手とは対照的に、36%は路上で見つけた猫を取得しました(拾った)。
猫の購入(11.2%)は、犬(31.4%)の場合に比べて多くはありません。
しかし猫では、ブリーダー(2.9%)や個人(2.5%)などの他の入手経路と比べれば、ペットショップ(5.8%)が他の購入と比較すれば主要な購入場所となります。


 スペインは、比較的犬猫の入手においては「人からもらった」との無償入手の比率が高く、いうなれば発展途上国型と言えると思います。有償での入手は犬は31.4%ですが、その中では「ペットショップ」の比率が最も高く13.2%であり、ブリーダーからの10%を上回ります。
 猫においても「人からもらった」との無償入手が多いです。有償入手は11.2%ですが、ペットショップからが最も多くを占め、ブリーダーからはわずか2.9%しかありません。


 つまり頂いたコメントの、「①私はEU諸外国で犬や猫がペットショップで販売されているのを見たことがありません。②欧州ではペットショップで買うよりもペットショップを通じてブリーダーを紹介してもらう」は①、②とも、根拠がない悪質なデマと判断せざるを得ません。なおコメントを頂いた方には、その根拠となる資料の提示を求めていますが回答はありません。
 次はペットショップから犬猫を入手する数の、日本スペインとの比較です。これは両国の人口と犬猫飼育数を考慮しました。スペインは日本と比較して著しく犬の飼育数が多いので、人口比だけで比較するのは実態をしめさないと思われるからです。犬の飼育数は、2017年はスペインでは620万頭です(Los perros en España, algunas cifras)。対して日本は880万頭です(2019年(令和元年)全国犬猫飼育実態調査 結果 )。また日本の犬の入手における「ペットショップから」の比率は38.5%です(一般市民アンケート調査(平成 25 年度)  環境省)。
 タイムラグを無視すれば、スペインではペットショップで購入した犬は82万頭であり、日本は339万頭です。人口比では、ペットショップで購入した犬の数はスペインは221万頭であり、日本の65%です。極端にスペイン(EU諸国の1国である)が、日本と比べて「ペットショップから犬を購入する比率が低い」とは言えません。またスペインは「人からもらった」という、無償での犬の入手の比率が日本より極めて高く、いわば発展途上国型ペット市場です。その点も考慮すべきでしょう。


 今回の記事で取り上げたコメントに対して、私は次のように回答しています。


> 確かに彼の一切という言葉を使った言いきりには語弊があるかもしれません。私はEU諸外国で犬や猫がペットショップで販売されているのを見たことがありません。しかしハムスターと魚はペットショップで一度見たことがあります。

せっかくコメントいただきましたが、個人のそのような経験は私は全く参考にしていません。
あなたが本当にEU域内に住んでおられたのか、又行動範囲も分かりませんので。

例えば私はNYに住んでいたことがありますが、私の行動範囲ではペットショップはみたことがありません。
また野良猫も見たことがありません。
住んでいたのはセントラルパークの南西方向でトランプタワーとダコタハウスの中間あたりの地域です。
繁華街から離れた場所です。
しかしそれをもって、私は「アメリカではペットショップなど一軒も見なかった。だからアメリカにはペットショップがほとんどない。野良猫を見なかったのでアメリカには野良猫はいない」などと言いません。

統計上は、アメリカは人口比で日本の3倍近くの数の生体販売ペットショップがあります。
特にNY州は規制が緩く、今でも24時間営業のペットショップがあります。
それらの店が集積しているのは、マンハッタンでも南東部のチャイナタウンやコリアンタウンです。
アメリカは野良猫の数は7000万頭~8000万頭という多さであり、州政府機関や大学などが推計値を出しています。
それは私が日本の帰国後に知ったことですが「ああ、そうなんだ」と思うだけです。
「アメリカにはペットショップはない、野良猫もいない。私は自分のNY在住経験から知っている、キィイイィー」とは言いません。

かつて「オランダには野良猫も野良犬もいない」というマスコミの記事があり、私は英語ドイツ語の大学の研究論文などを引用して「オランダでは野良猫の推計値があるがかなり多い(人口比で日本の数倍)」、「オランダでは野良猫の狩猟が合法だが、万単位の野良猫の狩猟統計がある。野良猫が存在しなければ野良猫の狩猟統計はあり得ない」という反論記事を書きました。
またオランダには、「野良猫の被害を防止する方法、野良猫の寄せ付けない方法」と言ったサイトが多数あります。
それを受けて愛誤たちが、「オランダ在住者がオランダでは野良猫を見たことがない」と言っていることを根拠にし、私の記事をデマと拡散し、私を嘘つき扱いしました。
大学の研究論文や政府文書を差し置いて、出所不明な、又その人が実際にオランダに住んでいたかどうかもわからない不確かな情報を優越させるのが愛誤の異常性(というかバカ)です。


> 彼が言いたかったのは、日本のペットショップでの販売状況に比べて欧州では一般的にペットショップで買うよりもペットショップを通じてブリーダーを紹介してもらうのが主流ということでょう。

私が調べたことろ、一部日本で喧伝されている「欧米のペットショップの犬猫販売はブリーダーの取次だけ」という情報は確認できませんんでした。
犬猫販売で「ブリーダーの取次予約」でだけを行っているペットショップは、英語、ドイツ語ではヨーロッパでは1件も確認できていません。
イギリスで大手の子犬安売りペットショップチェーンに、Dogs4usという店がありますが、その店にその店から子犬を買った飼い主と犬が写った写真を掲示するコーナーがあります。
それを「イギリスでは店頭で犬猫を販売しない。このようにブリーダーが写真を掲示していて、ペットショップは客にブリーダーの予約販売を取次するだけだ」という、嘘の説明をした日本のブログを見たことはあります。

ぜひ、「欧州では一般的にペットショップで買うよりもペットショップを通じてブリーダーを紹介してもらうのが主流」ならば、それを裏付ける資料、ペットショップのHPを提示してください。
提示できなければあなたが言っていることは「嘘」です。
たとえばドイツは店頭で犬猫が売られていることは少ないですが、ドイツではペットの非対面インターネット販売の規制が全くない国ですので、インターネットで買う比率が多いということはあります。


> 私も国全てのペットショップを確認しているわけでもなく、また滞在していない国のことはわかりませんが、

であれば、EU全体のことに関して意見しないでください。


>彼の言わんとしていることはおおよそ合っていると思います。事実、彼の活動で多くの命が救われている状況もあるので、語弊があると書くのはわかりますが、大嘘という書き方はどうかと思いました。

「一軒もないはあからさまな大嘘です。
あなたは私の他の記事を読んではないようですが、たとえばイギリスでは人口比で生体販売ペットショップの数は日本の1.6倍もあります。
ドイツは1.2倍あります。

一人の人間が実際に経験して確認できることはほんのわずかです。
国全体やEU全体について知るには、政府統計や大学の研究資料などです。

あいにくですが、繰り返しますが、「私は〇国在住者だから知っている」は全く参考にしていません。
信頼できる出典のひとつでも示してくれればまだその点についてだけは信用しますが。

私はかつて、ドイツのミュンヘンのイングリッシュガーデンという広大な公園についてブログ記事にしたことがあります。
この公園ですが、ドイツ在住者の方が10名以上ブログ記事にしており、ほぼすべてで「犬はリードがいらない」と書かれています。
真実は、この公園は全域が犬リード義務もしくは犬全面禁止です。
ミュンヘン市と公園の公式HPに記述されています。
真実、自称も含めて「私は〇国に住んでいたから知っている」は不愉快です。
知っているのならば、その国と主張の裏付けとなるソースを示されたい。



(動画)

 Perros a la venta, Madrid -España, tienda animales 「スペイン、マドリードでのペットショップでの犬の販売」 2016/03/05公開




(動画)

 NO COMPRES CACHORROS EN LAS TIENDAS DE ANIMALES 「ペットショップで子犬を買わないでください」 2012/03/03

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EU委員会は加盟国にアライグマの徹底駆除を求めた~熊森協会の大嘘







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(Zusammenfassung)
Waschbärenjagdgesetz, Deutschland.


 記事、ドイツでは狩猟免許がなくてもアライグマを殺してもよい~熊森協会の大嘘
の続きです。
 「ドイツでは移入してから50年以上を経た種は在来種とみなす。そのためアライグマは来来種とはみなされず駆除されていない」と、言う大嘘を垂れ流していた団体がありました。日本熊森協会です。真実は、ドイツではアライグマが悪性外来種という位置づけであり、積極的な駆除対象です。またEU規則では、アライグマを侵略的な外来種として加盟各国に厳格な狩猟駆除などの対策を求めています。さらにヨーロッパ各国は、外来種の防除に関するベルン条約を批准しています。ヨーロッパではアライグマは悪性侵略的外来種という位置づけであり、加盟各国は厳格な狩猟駆除等の管理が義務付けられています。



 私はかつて熊森協会の「ドイツでは移入後50年を経た外来種は在来種とみなし、駆除の対処とはしていない」という公式見解を取り上げたことがあります。熊森協会はそのうえで日本のアライグマ駆除を批判していました。結論から言えば、ドイツには「移入後50年を経た外来種は在来種とみなされる」との根拠となる法令の規定はありません。また政府機関等の公的な見解も一切ありません。
 それについて、私は本ブログ記事で取り上げたことがあります。こちらの記事です。「ドイツでは、50年以上ドイツで生き続けている外来動物は在来動物とみなす」なんてどいつが言った!? 繰り返しになりますが、一部を引用します。


外来種問題に対する日本熊森協会の見解 

ドイツでは、50年以上たった外来種は、在来種になる法律があるそうです。
それが適用されれば日本のアライグマはあと4年で在来種です。
ドイツのアライグマは、70年経っているそうで、外来種駆除などせず、全て自然のままに任せていて、今後もしないそうですが、在来生態系が壊滅しているということはありません。


*熊森協会の見解は、2012年に私が本ブログで取り上げた当時から記述が訂正されています。上記の記述は2012年当時のものをそのままコピーしたものです。


 サマリーで述べた通り、ドイツには今までに「50年以上たった外来種は在来種になる」という法律は存在しません。2012年当時に熊森協会はデマを流していたわけです。ドイツではアライグマは悪性の外来種という認識で、厳格に駆除されています。2008年4月から2009年3月の1年間の期間でドイツでは、5万4,000頭のアライグマが狩猟駆除されました。同時期の日本のアライグマの駆除数は約2万頭です(アライグマ防除の手引き (計画的な防除の進め方)環境省)。
 しかし熊森協会は「ドイツでは移入後50年を経た外来種が在来種となる法律がありアライグマの駆除を行っていない」とのデマに基づいて、日本のアライグマの駆除を批判していました。まさに厚顔無恥です。

 さらに最近も熊森協会はドイツやヨーロッパのデマ、「ドイツでは移入後50年を経た外来種は在来種とみなされる」、「外来種アライグマを駆除しないヨーロッパ」を拡散し、日本のアライグマ駆除を非難しています。ドイツはその後もアライグマの駆除数が激増し、直近では年間16万頭です。またEU委員会は2016年に加盟国に、アライグマを極めて有害な外来種として厳格な対応(駆除)を求めています。以下に、熊森協会の嘘、詭弁記述を引用します。


浜松市のクリハラリスたちの命を守ってやりたいのです 2020-05-09 (土) くまもりNEWS | 外来種 | 静岡県 

当協会がドイツの自然保護団体を訪れたとき、ドイツでは50年以上野で暮らす外来種は在来種とみなすということでした。
ドイツのアライグマは50年以上たっているため、アライグマを組み込んだ生態系がドイツの新生態系とみなされるのです。



外来種アライグマを駆除しないヨーロッパの合理的精神を見習うべし 2018年5月27日

ヨーロッパでも外来種アライグマが急速に増えているそうです。
根絶がほぼ不可能であることもあって、WWFをはじめとする環境保護団体も各国政府も緊急に駆除が必要とは考えておらず、ドイツ最大の自然保護団体NABUも平和的共存の立場です。
すでに帰化動物とされており、ふつうの狩猟対象動物です。



 繰り返しますが、EU委員会は2016年に、アライグマを「極めて有害な外来種であり、EU加盟国に厳格な対処(駆除)を求める」というEU規則を採択しています。したがって熊森協会の、「外来種アライグマを駆除しないヨーロッパの合理的精神を見習うべし」との主張は根拠のなく、悪質な言論テロと言えます。
 2016年に採択された、EU委員会の「アライグマに対する厳格な対策を求める」、EU委員会実施規則 2016/1141 DER を引用します。DURCHFÜHRUNGSVERORDNUNG (EU) 2016/1141 DER KOMMISSION vom 13. Juli 2016 zur Annahme einer Liste invasiver gebietsfremder Arten von unionsweiter Bedeutung gemäß der Verordnung (EU) Nr. 1143/2014 des Europäischen Parlaments und des Rates DIE EUROPÄISCHE KOMMISSION 「欧州議会および理事会の規則(EU)No 1143/2014に従って、EUの重要な侵略的外来種のリストを採択する EU委員会実施規制(EU)2016/1141(2016年7月13日)欧州委員会」 2016年7月13日


(1) Nach der Verordnung (EU) Nr. 1143/2014 ist auf der Grundlage der Kriterien in Artikel 4 Absatz 3 der Verordnung eine Liste invasiver gebietsfremder Arten von unionsweiter Bedeutung (im Folgenden „Unionsliste“) anzunehmen.
(2) Auf der Grundlage der verfügbaren wissenschaftlichen Erkenntnisse und der gemäß Artikel 5 Absatz 1 der Verordnung (EU) Nr. 1143/2014 durchgeführten Risikobewertungen kam die Kommission zu dem Schluss, dass alle in Artikel 4 Absatz 3 der Verordnung genannten Kriterien für folgende invasive gebietsfremde Arten erfüllt sind:
Procyon lotor Linnaeus
(3) Die Kommission gelangte ferner zu dem Schluss, dass diese invasiven gebietsfremden Arten alle in Artikel 4 Absatz 6 der Verordnung (EU) Nr. 1143/2014 genannten Bedingungen erfüllen.
Die Früherkennung und rasche Beseitigung von Arten zu fördern, die bislang noch nicht vorkommen oder noch nicht weit verbreitet sind, und sie gemäß den besonderen Gegebenheiten des betreffenden Mitgliedstaats zu bewirtschaften, Jagd oder Fallenstellerei, sofern diese Tätigkeiten im Rahmen eines nationalen Managementprogramms durchgeführt werden.

(1)EU規則No 1143/2014により、本規則の第4条(3)の基準に基づいて、EUの重要な外来種のリスト(以下「EUリスト」と記述する)をEUで採択しました。
(2)入手可能な科学的証拠と、規制(EU)No 1143/2014の第5条(1)に従って実施されたリスク評価に基づいてEU委員会は、規制の第4条(3)に定められたすべての基準が、次の種においては侵略的外来種であるとの条件を満たしていると結論付けました。
アライグマ(Procyon lotor Linnaeus 学名)
(3)EU委員会はまたこれらの外来種は、規制(EU)No 1143/2014の第4条(6)に定められたすべての(侵略的外来種の)条件を満たすと結論付けました。
各加盟国はまだ発見されていない、またはまだ生息域を広げていなくても、それらの侵略的外来種を管理するために、狩猟(による駆除)、又は捕獲等の活動が加盟国の侵略的外来種の管理計画の下で実施されるという条件で、これらの種の早期発見と迅速な排除を促進します。



 また熊森協会は、「当協会がドイツの自然保護団体を訪れたとき、ドイツでは50年以上野で暮らす外来種は在来種とみなすということでした。ドイツのアライグマは50年以上たっているため、アライグマを組み込んだ生態系がドイツの新生態系とみなされるのです」とありますが、本当に言語が通じていたのか怪しいです。その自然保護団体の見解を示した文書を挙げていただきたい。
 バーデンービュルテンブルク州に本拠地を置く、ドイツ大手の自然保護団体、Baden Naturlandstiftung 「バーデン自然保護財団」は、「アライグマは最悪の侵略的外来種で、ベルン条約(Berner Konvention)でも厳格な管理が推奨されている」と述べています。DER WASCHBÄR 「バーデン自然保護財団 アライグマ」から引用します。


Der Waschbär ist einer der erfolgreichsten Neozoen (invasive Arten: Gefahren der biologischen Einwanderung) des europäischen Kontinents.
Das EU-Projekt DAISIE listet Neozoen wie Marderhund, Mink und Waschbär unter den 100 schlimmsten invasiven Arten.
Die Berner Konvention empfiehlt, diese Arten streng zu kontrollieren, da sie die biologische Vielfalt gefährden.

アライグマはヨーロッパ大陸で最も成功した新しい生物(外来種で生物学的に危険な移入種)の1つです。
EUのプロジェクトDAISIEでは、100種の最悪の侵略的外来種の中でタヌキ、ミンク、アライグマなどの新しい生物をリストアップしています。
ベルン条約では、生物多様性を危険にさらすこれらの外来種の厳格な管理を推奨しています。



 このように私が調べた限り、ドイツの自然保護団体では「アライグマは在来の生態系に対する被害が大きく厳格に管理するべきである。EUのプロジェクトでもベルン条約でもアライグマの厳格な管理を推奨している」との意見しか見つかりませんでした。熊森協会の、「(ドイツの自然保護団体では)ドイツでは50年以上野で暮らす外来種は在来種とみなし、アライグマは50年以上たっているため、アライグマを組み込んだ生態系がドイツの新生態系とみなされる(だからアライグマに対する駆除などの管理は行わない)」という記述は発見できませんでした。
 熊森協会は、「当協会がドイツの自然保護団体を訪れたとき、ドイツでは50年以上野で暮らす外来種は在来種とみなすということでした。ドイツのアライグマは50年以上たっているため、アライグマを組み込んだ生態系がドイツの新生態系とみなされるのです」の記述に対して、その自然保護団体の名称と、その意見を表明した文書を提示する責任があると思います。なお、熊森協会が記述している、NABUの、そのような意見表明は見つかりませんでした。熊森協会はこれらの情報に基づいて、日本の環境省や自治体のアライグマ駆除に対して反対をしているわけですから、根拠を示さなければ単なる言論テロを行う、悪質な団体と判断されても仕方がないでしょう。


(参考資料)

Biologische Vielfalt durch Waschbär und Marderhund gefährdet Invasive Arten erleben drastischen Zuwachs; Artenschutz der einheimischen Wildtiere immer dringender 「アライグマとタヌキによる生物多様性のリスク 外来種は劇的な増加を示しています。在来の野生動物の保護はますます緊急となっています」 2014年10月2日

 ドイツにおけるアライグマの狩猟数が劇的に増加していることを伝える記事。またドイツ狩猟協会はアライグマによる在来生物の被害が深刻で、在来生物保護のためにドイツ政府にアライグマの厳格な抑制策を求めているという内容。


Der Waschbär Procyon lotor 「アライグマ」 ドイツの環境保護団体、NABUのHPの記事

Ab Mitte der 1990er Jahre gab es eine massive Bestandszunahme.
So hat sich die Zahl der geschossenen Waschbären von 1992 bis 2002 auf das 16fache erhöht (von 165 auf 2.668).

アライグマの狩猟数は大幅に増加しました。
アライグマの銃猟数は、1992年から2002年に16倍に増加しました(165から2,668に)。



NABU Waschbär 「NABU(環境保護団体) アライグマ」検索結果

 熊森協会の、「(アライグマは)根絶がほぼ不可能であることもあって、環境保護団体も各国政府も緊急に駆除が必要とは考えておらず、ドイツ最大の自然保護団体NABUも平和的共存の立場です」を裏付ける情報は見つかりませんでした。


(動画)

 Wie gefährlich sind fremde Arten? | Faszination Wissen | Doku | BR | Tiere | Pflanzen 「外来種はどれだけ危険ですか?
Doku ドイツ公共放送」 2015/11/17公開




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当初ティアハイムは馬保護専用施設で犬を扱うようになった後に犬を大量銃殺していた~殺処分ゼロ議員連、渋谷寛弁護士の妄想作文







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(Zusammenfassung)
Historischer Hintergrund von Tierheim


 記事、
「ドイツでは民間団体しか犬猫を保護しない」という殺処分ゼロ議員連顧問弁護士の狂った論説
ベルリン「犬の行政施収容数と殺処分等の処分の内訳と予算」~州下院議会議事録
ドイツには公的動物収容センターがあり、行政による犬猫の捕獲と殺処分も行われている
ドイツには猫の飼養基準も販売規制の法令もない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ドイツでは猫ブリーダーは届出すらいらない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ティアハイムの犬の殺処分率は日本の公的殺処分率より高い~殺処分ゼロ議員連顧問顧問弁護士、渋谷寛氏の妄想作文
ドイツでの保護犬猫入手は約10%~殺処分ゼロ議員連顧問弁護士、渋谷寛氏の狂気のデマ
の続きです。
 私がしばしば取り上げる「殺処分ゼロ議員連」のメンバーと、そのアドバイザーの杉本彩氏、浅田美代子氏ら。彼らが言っていることで特に海外に関する情報は、私は知り限り完全に正確なものはただのひとつもありません。顧問弁護士の渋谷寛氏も仰天するようなドイツに関するデタラメな内容の論説を、新日本法規「法苑」(2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号)に寄稿しています。この中でドイツのティアハイムに関する記述がありますが、デタラメの羅列でまさに妄想作文です。



 サマリーで挙げた、殺処分ゼロ議員連の顧問弁護士である渋谷寛弁護士が寄稿した、新日本法規「法苑」の論説はこちらです。2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号) (キャッシュコピー) この論説に書かれていることは、ドイツに関することは全てがほぼ誤りです。ドイツのティアハイムに関する記述もしかり。以下に引用します。


わが国での現状は、迷子になり飼い主のわからないペット、飼い主が飼育困難となったペットたちを動物愛護センターが引き取ります。
貰い手の見つからないペットは一週間ほどで殺処分されてしまいます。
飼い主が、飼いきれず持ち込んだ場合には、数日で殺処分されてしまうこともあるようです。
我が国の行政による殺処分の方法は、対象となる数匹の犬猫のいる小部屋へ二酸化炭素を注入する方法がほとんどです。徐々に酸素が薄くなり、呼吸が苦しくなり、数分の間苦しみもがいて死んでゆきます。
ところで、ペットの先進国とされているドイツでは殺処分がゼロだという報道がなされたことを聞いたことがあります。
ドイツでは、行政機関がペットを保護するのでなく、民間の動物保護団体がペットを引き取ります。(*1)
「ティアハイム」と呼ばれている動物保護施設です。
古い施設は一九世紀の中頃からあります。(*5)
引取りをした後は、飼い主や里親が見つかるまで保護し続け、原則として殺処分はしないそうです。
規制の厳しいドイツでは犬猫の生態販売、いわゆるペットショップはほとんどありません。(*2)
ペットを飼い始めようと思い立ったときには、まずはティアハイムへ行き、気に入ったペットを探すという慣習があるのです。(*3)
ところが、実際には殺処分はゼロではないそうです。
それは、生き続けることが苦痛でしかないと思えるペットの場合です。例えば、末期がんで苦しんでいる、不治の伝染病、高齢のため足腰が立たなくなったペットは殺処分の対象にされるのです。(*4)


(*1) ドイツでは迷い犬などの遁走したペット、野良動物、行政が押収没収した犬などのペット動物の一次収容は行政の責務であり、収容は公的施設(動物収容センター)と法律で規定されています。それは連載記事ですでに説明しました。
(*2)、(*3)、(*4)に関しては、私はすでに連載でそれが誤りであることを述べました。
(*5)はあからさまな偏向ではありませんが、読者に誤解を与える記述です。


 今回は上記の論説の記述のうち、「5、(ドイツのティアハイムは)古い施設は一九世紀の中頃からあります」に関して述べます。この記述はあからさまに誤りとは言えませんが、前後の記述から、「ドイツのティアハイムは19世紀中ごろからあり、当時から犬猫などのペットの保護施設で、殺処分はほとんどしなかった(現在でもドイツのティアハイムは相当数の殺処分が行われています。他国のアニマルシェルターと比較して極端に少ないとは言えません)」と多くの読者は解釈します。
 結論から先に述べればそれは誤りです。19世紀中ごろに設立された(ドイツ等の)ティアハイムやイギリスのアニマルシェルターも多くはそうですが、当初は馬専用の保護施設でした。産業革命以降に物流が増えて馬が酷使された、さらに戦争で軍馬が非常にひどい扱いを受けたことにより傷病馬が増えました。それに心を痛めた篤志家などが馬専用の、保護とリハビリを行い、健康になった馬を譲渡する施設を設立しました。それがティアハイムの発祥です。したがって創成期はティアハイムは馬しか扱いませんでした。
 それを裏付ける資料、Streifzug durch Berlins Tierschutz-Geschichte Hinterhof-Tölen, Hundeschlächter und ein Hühner-Hochhaus 「ベルリンの動物保護の歴史-裏庭での動物の殺害、犬の食用屠殺、鶏のバタリケージへの監視」 2016年5月12日 から引用します。


Mit einem geschundenen Pferd fing am 29. Juni 1841 die Geschichte des Berliner Tierschutzes an.
Als ein Kutscher in Mitte auf sein Tier eindrosch, entrüsteten sich Passanten – und einer von ihnen, der Prediger C.J. Gerlach, beschloss, einen „Verein gegen Tierquälerei“ ins Leben zu rufen.
Im Oktober 1841 wurde dieser gegründet und 1872 in „Deutscher Tierschutzverein zu Berlin“ umbenannt.
Besonders gegen den Missbrauch von Pferden, die einst auch Omnibusse zogen, protestierten die Tierschützer im 19. Jahrhundert.

ベルリンの動物保護の歴史は、1841年6月29日に虐待を受けた馬から始まりました。
御者が、馬を道の真ん中でぶん殴ったときに通行人たちは憤慨しました-そしてそのうちの1人の宣教師、C.J. ゲルラッハ氏は、「動物虐待防止協会」を設立することを決心しました。
それは1841年10月に設立され、1872年に「ベルリンドイツ動物保護協会(註 現現在のティアハイム・ベルリンの上部団体)」と改名されました。
動物保護活動家たちは、特に19世紀に乗り合い馬車を引いていた馬の虐待に抗議しました。



 このように19世紀半ばごろに創生されたドイツのティアハイムは、当初は馬専用の保護施設でした。しかしモータリゼーションが進展して自動車が普及し、また戦争での軍馬の需要が減ると馬の保護の必要性が薄れました。そのころから、ティアハイムが経営の存続のために業態転換して扱いを馬からペット動物に変えていきました。
 また第一次世界大戦、第二次世界による戦争の混乱期で野犬が増え、行政が野犬、放し飼い犬などを捕獲し、ティアハイムに保管と殺処分等の処分を請負わせたことや、当時ドイツでは犬肉の需要があり、非人道的な犬の屠殺方法を防止するためにティアハイムは犬の収容を積極的に行いました(とはいえ銃殺をしていましたが)。当時の戦争による混乱期においてはティアハイムは、1施設当たり年間数千頭の犬を銃による射殺処分をしていました。中堅のマンハイム・ティアハイムは、年間の犬の射殺数が約2000頭に及びました。それを裏付ける資料から引用します。Tierheim Mannheim 「ティアハイム・マンハイム」(ドイツ版 ウィキペディア)


Geschichte
Anfänge, Gründung und Erster Weltkrieg
Die Anfänge des organisierten Mannheimer Tierschutzes lagen bereits im späten 19. Jahrhundert; Pferde waren dieser Tage das primäre Transport- und Fortbewegungsmittel.
Zwischenkriegszeit und Zweiter Weltkrieg[Bearbeiten
Mannheimer Tierschützer entschlossen sich, die Gebäude zu kaufen und mit der Stadt für das Gelände einen eigenen Pachtvertrag abzuschließen.
Das tägliche Pflegegeld für einen Hund betrug je nach Größe zwischen 80 Pfennigen und 1,50 Mark.
Im Jahr 1925 verfügte Mannheim über einen hauptberuflichen Hundefänger, der streunende Hunde sowie Hunde ohne Steuermarke einfing und in das Tierheim brachte.
So berichtete Tierheimleiter Zimmermann laut „Neue Mannheimer Zeitung“ vom 14. September 1929, dass im Jahre 1927 etwa 2000 Hunde im Tierheim erschossen wurden, „an manchen Tagen bis zu 70 Stück“.

ティアハイム・マンハイムの歴史
創設 第一次世界大戦
マンハイムの組織的な動物保護は19世紀後半に始まりました。
馬は当時の主要な輸送手段でした。
第二次世界大戦の戦中
マンハイムの動物保護活動家たちは建物を購入し、土地ともにマンハイム市との間でリース契約を締結することを決定しました。
犬の1日あたりの市からの公費給付金は犬の大きさにもよりますが、80ペニーから1.50マルクの間でした
(註 この「ハード=建物と土地、は民間のティアハイムが所有し、行政が捕獲、押収没収した野犬迷い犬等の保管と払い下げ後の処分を市から有償で請け負うシステムは現在も同じです)。
1925年にはマンハイム市には専業の犬捕獲員がいて、野良犬や税登録のない犬を捕まえてティアハイムに連れていきました1929年9月14日の「ノイエ・マンハイマー・ツァイティング(Neue Mannheimer Zeitung マンハイム市の地方新聞)」によると、ティアハイムのマネージャーである、ティンマーマン氏(Zimmermann)によると、1927年には約2,000匹の犬が射殺され、「何日かは1日で最多で70頭の犬」がティアハイムで射殺処分されたと報道しました。



 マンハイム・ティアハイムに限らず、18世紀に創設された古い歴史があるティアハイムは、「設立当初は馬専用の保護施設」でした。モータリゼーションの進展により馬の保護の需要が減り、経営の存続のために当時問題となっていた野犬等の保管と殺処分を行政から請け負う業態に転換しました。それは今日まで連綿と続いています。したがってすでに連載記事で指摘したことですが、渋谷寛氏の「ドイツでは、行政機関がペットを保護するのでなく、民間の動物保護団体がペットを引き取ります」の記述は誤りです。
あくまでも野犬等の捕獲、押収没収は行政が行う行政事務で、ティアハイムは行政から動物の保管を請負っているだけです(払い下げ後はティアハイムに権限がありますが)。
 当時は自治体が野犬対策として新たな設備を建設するコストに戦争で困窮していたことと、ティアハイムが馬の保護の需要がなくなり、経営の存続のために設備を市の野犬対策に利用させ給付金を得るという利害が一致したと私は推測しています。
 ティアハイムの歴史的背景により、「自治体が捕獲、押収没収動物の保管を民間のティアハイムに請負わせる」という、今日のシステムが受け継がれているということです。ティアハイムは「行政の保護犬猫などの保管請負施設」であり、払下げ後は「譲渡や殺処分を行政に代わり行う施設」です。渋谷寛弁護士は全くドイツのティアハイムに対しては、無知蒙昧無学です。脳内お花畑が満開の、妄想ティアハイム「19世紀から殺処分しないペット専用の保護施設」という、ティアハイムのデタラメ情報を世間に垂れ流しています。極めて有害です。


(画像)

 ベルリン・ツァイティング(ベルリン市で発行されている、ドイツ最大部数の地方紙)の、「ティアハイム・ベルリンのトップが殺処分を行っていると公言した」ことを伝えるニュース。Schweren Herzens: Tierheim tötete Hunde

 Schweren Herzens: Tierheim tötete Hunde 「沈痛な心で、ベルリンティアハイムは犬を殺す。ベルリンティアハイムは、不適応犬を注射という方法で殺さなければならなかったことを認めました」 2013年11月17日

ティアハイムベルリン 殺処分

ドイツでの保護犬猫入手は約10%~殺処分ゼロ議員連顧問弁護士、渋谷寛氏の狂気のデマ







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(Zusammenfassung)
Von den ca. 500.000 Welpen, die in Deutschland jährlich ein Zuhause finden, kommen laut VDH (Statistik hier) 1/5 (100.000) aus dem Ausland– Nur ein kleiner Teil der Hunde und Katzen, die neu in Familien aufgenommen werden, kommen aus dem Tierschutz (ca. 10%).


 記事、
「ドイツでは民間団体しか犬猫を保護しない」という殺処分ゼロ議員連顧問弁護士の狂った論説
ベルリン「犬の行政施収容数と殺処分等の処分の内訳と予算」~州下院議会議事録
ドイツには公的動物収容センターがあり、行政による犬猫の捕獲と殺処分も行われている
ドイツには猫の飼養基準も販売規制の法令もない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ドイツでは猫ブリーダーは届出すらいらない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ティアハイムの犬の殺処分率は日本の公的殺処分率より高い~殺処分ゼロ議員連顧問顧問弁護士、渋谷寛氏の妄想作文
の続きです。
 私がしばしば取り上げる「殺処分ゼロ議員連」のメンバーと、そのアドバイザーの杉本彩氏、浅田美代子氏ら。彼らが言っていることで特に海外に関する情報は、私は知り限り完全に正確なものはただのひとつもありません。顧問弁護士の渋谷寛氏も仰天するようなドイツに関するデタラメな内容の論説を、新日本法規「法苑」(2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号)に寄稿しています。この中でドイツのティアハイムに関する記述がありますが、デタラメの羅列でまさに妄想作文です。



 サマリーで挙げた、殺処分ゼロ議員連の顧問弁護士である渋谷寛弁護士が寄稿した、新日本法規「法苑」の論説はこちらです。2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号) (キャッシュコピー) この論説に書かれていることは、ドイツに関することは全てがほぼ誤りです。ドイツのティアハイムに関する記述もしかり。以下に引用します。


わが国での現状は、迷子になり飼い主のわからないペット、飼い主が飼育困難となったペットたちを動物愛護センターが引き取ります。
貰い手の見つからないペットは一週間ほどで殺処分されてしまいます。
飼い主が、飼いきれず持ち込んだ場合には、数日で殺処分されてしまうこともあるようです。
我が国の行政による殺処分の方法は、対象となる数匹の犬猫のいる小部屋へ二酸化炭素を注入する方法がほとんどです。徐々に酸素が薄くなり、呼吸が苦しくなり、数分の間苦しみもがいて死んでゆきます。
ところで、ペットの先進国とされているドイツでは殺処分がゼロだという報道がなされたことを聞いたことがあります。
ドイツでは、行政機関がペットを保護するのでなく、民間の動物保護団体がペットを引き取ります。(*1)
「ティアハイム」と呼ばれている動物保護施設です。
古い施設は一九世紀の中頃からあります。(*5)
引取りをした後は、飼い主や里親が見つかるまで保護し続け、原則として殺処分はしないそうです。
規制の厳しいドイツでは犬猫の生態販売、いわゆるペットショップはほとんどありません。(*2)
ペットを飼い始めようと思い立ったときには、まずはティアハイムへ行き、気に入ったペットを探すという慣習があるのです。(*3)
ところが、実際には殺処分はゼロではないそうです。
それは、生き続けることが苦痛でしかないと思えるペットの場合です。例えば、末期がんで苦しんでいる、不治の伝染病、高齢のため足腰が立たなくなったペットは殺処分の対象にされるのです。(*4)


(*1) ドイツでは迷い犬などの遁走したペット、野良動物、行政が押収没収した犬などのペット動物の一次収容は行政の責務であり、収容は公的施設(動物収容センター)と法律で規定されています。それは連載記事ですでに説明しました。
(*2)、(*3)、(*4)に関しては、私は過去記事でそれが誤りであることを何度も述べています。
(*5)はあからさまな偏向ではありませんが、読者に誤解を与える記述です。後ほど詳述します。


 今回は上記の論説の記述のうち、(ドイツの)ティアハイムに関する記述の嘘を指摘します。今回記事では、「3、ドイツでは「犬猫を入手するのはティアハイムからが慣習となっている(つまり「ドイツでは犬猫の入手はティアハイムがほとんど」)」という意味になります」が全くのデタラメであることを述べます。
 結論から述べれば、ドイツでは犬猫の入手シェアに占める保護犬猫の割合は約10%です。日本と比べて極端に「保護犬猫」の入手シェアが高いとは言えません。またドイツでは狭義のティアハイム(市町村等の行政と契約を結んで行政が捕獲、押収没収した動物の保管を請負う施設)以外にも、犬猫などの保護活動~譲渡を行っている保護団体が少なからずあります。それを考慮すれば、ティアハイムからの犬猫の入手シェアは10%よりさらに低くなります。
 いわゆる「(狭義の)ティアハイムとその他の動物保護団体(例えば動物保護施設を持たずに東欧などの動物福祉に遅れた国から「犬をレスキュー」して直接譲渡をしている団体が多数あります。非営利法人の登記をした団体も多いですが、狂犬病ワクチン接種の偽装などの犬の不正輸入や、手数料だけ取って犬を渡さないなどの詐欺が多く問題になっています)」を併せた保護犬猫の入手シェアは、約10%と推定されているとの資料を引用します。


DEUTSCHER TIERSCHUTZ 「ドイツの動物福祉」 2018年

Von den ca. 500.000 Welpen, die in Deutschland jährlich ein Zuhause finden, kommen laut VDH (Statistik hier) 1/5 (100.000) aus dem Ausland– Nur ein kleiner Teil der Hunde und Katzen, die neu in Familien aufgenommen werden, kommen aus dem Tierschutz (ca. 10%).

毎年ドイツで家を見つける(註 飼い主に販売される、もしくは譲渡される)約50万匹の子犬のうち、VDH(全ドイツケネルクラブの統計)によると、外国から来たものが5分の1(10万)であり - 新たに家族に迎えられる犬や猫のごく一部は、動物保護団体からのものです(約10%)。



 なお、「ドイツ全土で新たに入手される子犬の数50万頭は、全ドイツケネルクラブ(VDH)による統計調査(2014年)によるもので、多く引用されている数字です。しかし近年ドイツでは犬の飼育数が東欧から安価な子犬の輸入により激増しているので、この数は増えているかもしれません。対してティアハイムの倒産廃業によりティアハイムの数が激減していることなどにより、ティアハイムの犬等の引受数が減っていると推測されることから、近年ではその数値より低いと思われます。

 ドイツでは、保護犬猫の入手に占めるシェアは約10%です。これはティアハイムによる譲渡以外の保護犬猫団体による譲渡も含まれる数字ですので、ティアハイムに限れば犬猫の入手シェアは10%より低くなります。
 一方日本での保護犬猫の入手シェアは、平成25年に環境省が調査をしています。それによれば、犬の入手に占める保護犬の割合は6.1%、猫は7.6%です(一般市民アンケート調査(平成 25 年度) 環境省)。
 また東京都も平成23年に独自に調査をしており、保護犬の入手シェアは9.1%、猫は5.7%(猫は「もらった、拾った、いつの間にか居ついた」の割合がが著しく高い)でした(東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要)。可能性として東京都の犬の入手シェアに占める割合は、ドイのティアハイムからの割合より高い可能性すらあります。
 したがってドイツが極端に保護犬猫の入手割合が高いとは言えません。ましてや「ドイツでは犬猫を買うときはティアハイムからが慣習になっている」との渋谷寛氏の記述はまさに根拠のない、妄想作文でデマです。

 一方少し古い資料ですが、ティアハイムの統括団体、ドイツ動物保護連盟による、ティアハイムの引受動物の統計資料があります。 tierschutzbund kampene rettet die tiehime「ティアハイム連盟 キャンペーン ティアハイムの救助」 2010年 です。
 この資料に取れば、2009年のティアハイムにおける犬の引受総数は7万4900頭です。当時はドイツ連邦共和国における新規の犬需要は50万頭程度ですので、仮に7万4900頭の引受犬すべてが譲渡されたとしても15%台です。殺処分率が26.2%ということを考慮すれば、ティアハイムの犬の譲渡が占める犬の入手シェアは、約10パーセント程度になります。したがって渋谷寛氏の、「3、ドイツでは『犬猫を入手するのはティアハイムからが慣習となっている(つまり「ドイツでは犬猫の入手はティアハイムがほとんど』)」という意味になります」が全くのデタラメであることがわかります。小学生の算数もできないのか(笑)。


(画像)

 tierschutzbund kampene rettet die tiehime「ティアハイム連盟 キャンペーン ティアハイムの救助」 2010年

ティアハイム連盟 統計


 私が常々疑問に感じていることですが、いわゆる愛誤活動家らが動物愛護先進国として挙げている国を、「犬猫の入手はペットショップなどの営利事業者がないために保護施設から保護犬猫を入手するしかできない」、もしくは「動物愛護先進国ではペットショップなどの営利のペット事業者はほとんど存在せず、犬猫などの入手は保護施設からしかできない」という主張をしていることです。先にドイツの出典を挙げた通りそれは大嘘です。
 「保護犬猫」とは、野良犬猫の捕獲保護、それらの自然繁殖、動物虐待者やアニマルホーダーからのレスキュー、飼い主の飼育放棄などが由来です。つまり保護犬猫とは、不適正飼育により生じます。犬猫の需要が常にこれらの不適正飼育により生じた犬猫により供給が満たされるほど多い国は不適正飼育が横行しており、到底「動物愛護先進国」とは言えません。
 真に動物愛護先進国であれば、犬猫などはきちんと血統管理と健康管理された能力が高いブリーダーにより繁殖され、一生一人の飼い主に大事に適正飼育されて天命を全うします。したがって保護犬猫は発生しません。渋谷寛氏も含めて「動物愛護先進国は犬猫の入手は保護犬猫しか入手できない」、もしくは「ほとんど」と言い切ってしまう愛誤は、決定的に知能が低い、知能が正常に満たないと判断せざるを得ません。


(参考資料)

 なお私は犬の入手シェアのティアハイムからのシェアを概算で推計しています。それによれば9パーセント台です。ドイツの獣医師団体、Tieraerztepool の「ドイツの保護犬猫の入手シェアは約10%」に近い数値が出ましたので、かなり正確なのではないかと思います。

日本は保護犬譲渡が多い国~東京都の保護犬譲渡シェアはドイツのティアハイムと同程度

ドイツでは狩猟免許がなくてもアライグマを殺してもよい~熊森協会の大嘘







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(Zusammenfassung)
Waschbärenjagdgesetz, Deutschland.


 「ドイツでは移入してから50年以上を経た種は在来種とみなす。そのためアライグマは来来種とはみなされず駆除されていない」と、言う大嘘を垂れ流していた団体がありました。日本熊森協会です。真実は、ドイツではアライグマが悪性外来種という位置づけであり、積極的な駆除対象です。一般の在来種の狩猟鳥獣とは異なり休猟期がなく、通年狩猟駆除が推奨されています。さらに狩猟免許がなくてもアライグマの殺害駆除が合法です。そのためドイツでは、アライグマの駆除数が激増しています。


 私はかつて熊森協会の「ドイツでは移入後50年を経た外来種は在来種とみなし、駆除の対処とはしていない」という公式見解を取り上げたことがあります。熊森協会はそのうえで日本のアライグマ駆除を批判していました。結論から言えば、ドイツには「移入後50年を経た外来種は在来種とみなされる」との根拠となる法令の規定はありません。また政府機関等の公的な見解も一切ありません。
 それについて、私は本ブログ記事で取り上げたことがあります。こちらの記事です。「ドイツでは、50年以上ドイツで生き続けている外来動物は在来動物とみなす」なんてどいつが言った!? 繰り返しになりますが、一部を引用します。


外来種問題に対する日本熊森協会の見解 

ドイツでは、50年以上たった外来種は、在来種になる法律があるそうです。
それが適用されれば日本のアライグマはあと4年で在来種です。
ドイツのアライグマは、70年経っているそうで、外来種駆除などせず、全て自然のままに任せていて、今後もしないそうですが、在来生態系が壊滅しているということはありません。


*熊森協会の見解は、2012年に私が本ブログで取り上げた当時から記述が訂正されています。上記の記述は2012年当時のものをそのままコピーしたものです。


 サマリーで述べた通り、ドイツには今までに「50年以上たった外来種は在来種になる」という法律は存在しません。2012年当時に熊森協会はデマを流していたわけです。ドイツではアライグマは悪性の外来種という認識で、厳格に駆除されています。2008年4月から2009年3月の1年間の期間でドイツでは、5万4,000頭のアライグマが狩猟駆除されました。同時期の日本のアライグマの駆除数は約2万頭です(アライグマ防除の手引き (計画的な防除の進め方)環境省)。
 しかし熊森協会は「ドイツでは移入後50年を経た外来種が在来種となる法律がありアライグマの駆除を行っていない」とのデマに基づいて、日本のアライグマの駆除を批判していました。まさに厚顔無恥です。

 さらに最近も熊森協会はドイツのデマ、「ドイツでは移入後50年を経た外来種は在来種とみなされる」を拡散し、日本のアライグマ駆除を非難しています。ドイツはその後もアライグマの駆除数が激増し、直近では年間16万頭です。
 ドイツの法律では、アライグマは積極的な駆除対象という位置づけであり、他の在来種の狩猟鳥獣とは異なり休猟期がなく通年狩猟駆除の対象です。また狩猟免許を持たない者も、アライグマの殺害駆除が合法です。以下に、熊森協会の嘘、詭弁記述を引用します。


浜松市のクリハラリスたちの命を守ってやりたいのです 2020-05-09 (土) くまもりNEWS | 外来種 | 静岡県 

当協会がドイツの自然保護団体を訪れたとき、ドイツでは50年以上野で暮らす外来種は在来種とみなすということでした。
ドイツのアライグマは50年以上たっているため、アライグマを組み込んだ生態系がドイツの新生態系とみなされるのです。



外来種アライグマを駆除しないヨーロッパの合理的精神を見習うべし 2018年5月27日

ヨーロッパでも外来種アライグマが急速に増えているそうです。
根絶がほぼ不可能であることもあって、WWFをはじめとする環境保護団体も各国政府も緊急に駆除が必要とは考えておらず、ドイツ最大の自然保護団体NABUも平和的共存の立場です。
すでに帰化動物とされており、ふつうの狩猟対象動物です。



 繰り返しますが、ドイツでは、アライグマは悪性外来種として認識しており、積極的な駆除の対象です。アライグマの駆除数は激増しており、10年で3倍以上に増えています。また通年の狩猟が合法で(在来種の狩猟鳥獣は猟期内にしか狩猟できない。個体数回復のためです)、さらに狩猟免許を持たなくても殺害駆除が合法です。つまり先に引用した熊森協会の資料は酷いデマ、大嘘です。熊森協会の資料が大嘘であることを証明するニュースソースから引用します。
 Fragen an das sächsische Umweltministerium zu Waschbären im Freistaat 「ザクセン自由州環境省へのアライグマに関する質問」 2019年9月22日


In Sachsen gibt es eine gesetzliche Grundlage, die es erlaubt, Waschbären ganzjährig zu bejagen.
Außerdem ist es Grundstücksbesitzern - nicht nur Jägern - erlaubt, Waschbären zu fangen, damit diese dann anschließend unter Beachtung des Tierschutzes getötet werden können.
Waschbären unterliegen im Freistaat Sachsen dem Jagdrecht.
Sie können unter Berücksichtigung von § 22 Bundesjagdgesetz (Schutz der Elterntiere) ganzjährig bejagt werden.
Die Bejagung erfolgt durch die Jagdausübungsberechtigten durch Abschuss oder insbesondere mit Hilfe von Fallen.
Nur in den sogenannten "befriedeten Bezirken" (jagdrechtlicher Begriff, § 6 Bundesjagdgesetz, § 7 Sächsisches Jagdgesetz), zu denen beispielsweise
- Gebäude
- Hofräume und Hausgärten, die an ein Gebäude anschließen oder
- sonstige bebaute Flächen im Bereich eines Bebauungsplans und Flächen innerhalb eines im Zusammenhang bebauten Ortsteils zählen,
gelten hinsichtlich von Waschbären spezielle Regelungen.
Nach dem Sächsischen Jagdgesetz darf der Eigentümer oder Nutzungsberechtigte unter anderem Waschbären dort auch ohne Jagdschein fangen.
In vielen Städten, aber auch im ländlichen Raum, haben sich bereits jetzt professionelle Fallenjäger etabliert.

ザクセン州には、アライグマを通年狩猟できる法的根拠があります。
さらに不動産所有者は、狩猟者だけではなくアライグマを捕まえることが許可されているため、動物福祉にのっとったならばアライグマを殺すことができます。
アライグマはザクセン自由州では狩猟法の対象です。
ドイツ連邦狩猟法第22条(繁殖中の在来動物の保護)を考慮すれば、アライグマは一年中狩猟できます。
狩猟は銃またはわなを使用することでの狩猟を行うことを許可された人々によって実行されます。
いわゆる「狩猟制限地区」(狩猟法の条項、§6連邦狩猟法、§7ザクセン狩猟法)でのみ、たとえば
-建物
-建物に接続するテラスや家庭菜園
-開発計画の区域内その他の市街地と市街地の区域を含む場所では、
アライグマには特別な規定が適用されます。
ザクセン州狩猟法によれば、土地所有者または許可された者は特別に狩猟免許なしでアライグマを捕まえることができます。
営利のわなのアライグマ捕獲を行う者は、多くの都市だけでなく、すでに農村部にも定着しています。



 このようにドイツでは、アライグマは「1、通年狩猟対象である(連邦狩猟法 州法)」、「2、禁猟区であっても捕獲殺害できる(州法)」、「3、狩猟免許を持たなくてもアライグマを捕獲殺害できる(州法)」と法令で定めています。これは在来の狩猟鳥獣とは全く扱いが異なります。
 1、休猟期を儲けることは、狩猟鳥獣の個体数回復のためです。つまりアライグマは悪性外来種であるために、根絶がふさわしいということです。
 2、の市街地でも捕獲殺害できる、3、の狩猟免許を持たないものにも捕獲殺害を認める、は、在来の狩猟鳥獣ではありえません。より積極的にドイツではアライグマの根絶を目指しているということです。
 したがって熊森協会の「(ドイツではアライグマは)すでに帰化動物とされており、ふつうの狩猟対象動物です)」との記述は詭弁もはなはだしい。嘘を嘘で上塗りする恥知らずです。さらにドイツにおけるアライグマの駆除数は激増しています。先にも述べましたが、10年で3倍以上です。これもドイツが極めて積極的にアライグマの駆除を行っている証拠となるでしょう。根拠法や統計資料などを調べもせずに、単なる憶測でデマ情報を流しているのか、嘘と知りつつデマを流しているのかいずれにしても悪質です。それで自治体などに抗議を行っているのですから、一種の「言論テロ」です。この団体の質がわかるというものです。


(画像)

 ドイツ連邦共和国におけるマライグマの駆除数推移

ドイツ アライグマ狩猟統計 2020


(参考資料)

根拠法
Bundesjagdgesetz 「ドイツ連邦狩猟法」
Sächsisches Jagdgesetz 「ザクセン州 狩猟法」


(動画)

 Fangjagd TV # 20: Überraschender Fangtag! Kapitaler Nutria & erster Waschbär - Spannende Fallenjagd 「Catch Hunt TV#20:驚きの捕獲日! Kapitaler Nutriaと最初にアライグマが捕獲された-興奮するわな猟」 2018/02/19公開

ティアハイムの犬の殺処分率は日本の公的殺処分率より高い~殺処分ゼロ議員連顧問顧問弁護士、渋谷寛氏の妄想作文







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(Zusammenfassung)
Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes
Einschläfern von Tieren


 記事、
「ドイツでは民間団体しか犬猫を保護しない」という殺処分ゼロ議員連顧問弁護士の狂った論説
ベルリン「犬の行政施収容数と殺処分等の処分の内訳と予算」~州下院議会議事録
ドイツには公的動物収容センターがあり、行政による犬猫の捕獲と殺処分も行われている
ドイツには猫の飼養基準も販売規制の法令もない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
ドイツでは猫ブリーダーは届出すらいらない~殺処分ゼロ議員連顧問、渋谷寛弁護士の大嘘
の続きです。
 私がしばしば取り上げる「殺処分ゼロ議員連」のメンバーと、そのアドバイザーの杉本彩氏、浅田美代子氏ら。彼らが言っていることで特に海外に関する情報は、私は知り限り完全に正確なものはただのひとつもありません。顧問弁護士の渋谷寛氏も仰天するようなドイツに関するデタラメな内容の論説を、新日本法規「法苑」(2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号)に寄稿しています。この中でドイツのティアハイムに関する記述がありますが、デタラメの羅列でまさに妄想作文です。



 サマリーで挙げた、殺処分ゼロ議員連の顧問弁護士である渋谷寛弁護士が寄稿した、新日本法規「法苑」の論説はこちらです。2017年01月10日 ペットの殺処分がゼロの国はあるのか(法苑180号) (キャッシュコピー) この論説に書かれていることは、ドイツに関することは全てがほぼ誤りです。ドイツのティアハイムに関する記述もしかり。以下に引用します。


わが国での現状は、迷子になり飼い主のわからないペット、飼い主が飼育困難となったペットたちを動物愛護センターが引き取ります。
貰い手の見つからないペットは一週間ほどで殺処分されてしまいます。
飼い主が、飼いきれず持ち込んだ場合には、数日で殺処分されてしまうこともあるようです。
我が国の行政による殺処分の方法は、対象となる数匹の犬猫のいる小部屋へ二酸化炭素を注入する方法がほとんどです。徐々に酸素が薄くなり、呼吸が苦しくなり、数分の間苦しみもがいて死んでゆきます。
ところで、ペットの先進国とされているドイツでは殺処分がゼロだという報道がなされたことを聞いたことがあります。
ドイツでは、行政機関がペットを保護するのでなく、民間の動物保護団体がペットを引き取ります。(*1)
「ティアハイム」と呼ばれている動物保護施設です。
古い施設は一九世紀の中頃からあります。(*5)
引取りをした後は、飼い主や里親が見つかるまで保護し続け、原則として殺処分はしないそうです。
規制の厳しいドイツでは犬猫の生態販売、いわゆるペットショップはほとんどありません。(*2)
ペットを飼い始めようと思い立ったときには、まずはティアハイムへ行き、気に入ったペットを探すという慣習があるのです。(*3)
ところが、実際には殺処分はゼロではないそうです。
それは、生き続けることが苦痛でしかないと思えるペットの場合です。例えば、末期がんで苦しんでいる、不治の伝染病、高齢のため足腰が立たなくなったペットは殺処分の対象にされるのです。(*4)


(*1) ドイツでは迷い犬などの遁走したペット、野良動物、行政が押収没収した犬などのペット動物の一次収容は行政の責務であり、収容は公的施設(動物収容センター)と法律で規定されています。それは連載記事ですでに説明しました。
(*2)、(*3)、(*4)に関しては、私は過去記事でそれが誤りであることを何度も述べています。
(*5)はあからさまな偏向ではありませんが、読者に誤解を与える記述です。後ほど詳述します。


 今回は上記の論説の記述のうち、(ドイツの)ティアハイムに関する記述の嘘を指摘します。嘘記述、もしくは偏向は、まとめると次のようになります。

1、ドイツでは行政機関は犬猫を保護せずに民間のティアハイムがすべて行います(この誤りは連載記事ですでに述べました)。
2、一度引き取った動物は原則として殺処分せず、終生飼育を行います。
3、殺処分は末期の傷病で苦しんでいる動物だけです。
4、ドイツでは「犬猫を入手するのはティアハイムからが慣習となっている(つまり「ドイツでは犬猫の入手はティアハイムがほとんど」)」という意味になります。

 さらに読者に誤解を与える偏向記述に、「5、ティアハイムは19世紀中ごろからあります」があります。前後の記述からすれば、「ティアハイムとは犬猫などのペット動物を主体とした動物保護施設であり、その経営形態は19世紀ごろから始まる」と読者は理解します。しかしそれは誤りです。その点については別の記事で詳述します。今回記事では、ティアハイムに関する記述の、

2、一度引き取った動物は原則として殺処分せず、終生飼育を行います。
3、殺処分は末期の傷病で苦しんでいる動物だけです。
4、ドイツでは「犬猫を入手するのはティアハイムからが慣習となっている(つまり「ドイツでは犬猫の入手はティアハイムがほとんど」)」という意味になります。

 が嘘
であることを述べます。


 つまり「①(ドイツの)ティアハイムは殺処分は原則として行わず(=極めてまれで例外的、少ないという意味になります)」、「②ティアハイムの殺処分は傷病の苦しむ動物に限られる」、「③ドイツでは犬猫を入手するのはティアハイムからが慣習(「ある社会で、長い間にみんなに認められるようになって、いつもそのようにする決まりとなっているならわし。世間のしきたり」。つまり大多数の犬猫の入手がティアハイムからという意味になります。ほぼ100%が8~9割と理解する人が多いと思います)となっている」です。これらはいずれも誤りです。
 それを裏付ける、2014年に行われた、ハノーファー獣医大学の、ドイツ、ノルトラインーヴェストファーレン州の犬の扱いについて詳細な調査を行った資料があります。それによれば、「ティアハイムの犬の殺処分は『収容期間が長期になった』『収容スペースの不足』等の理由でも行われているとされています。また殺処分率は26.2%で、日本の公的殺処分率より高いのです。つまり ①、②の渋谷寛氏の記述は「嘘」です。
 Tierärztliche Hochschule Hannover Bedeutung der Pflege- und Haltungsbedingungen für Gesundheit und Wohlbefinden von Hunden als Fund- und Abgabetierein Tierheimen des Landes Nordrhein-Westfalen 「ノルトラインーヴェストファーレン州のティアハイムにおける、行政が拾得した犬の健康と福祉のための世話や飼育環境の調査」。2014年 から引用します。
 これはタイトルのとおり、ドイツ、ノルトラインーヴェストファーレン州のティアハイムに関する収容犬の大規模調査です。これらの対象は、行政が捕獲押収没収した犬だけが対象です。殺処分率に関する記述を引用します。


Die vom DEUTSCHEN TIERSCHUTZBUND E. V. (1995) erstellte Tierheimordnung hat klare Kriterien für das Töten von Tieren in Tierheimen festgelegt.
dies ist nur in Ausnah- mefällen zulässig.
Wie im Falle einer massiven Überbelegung,verur- sacht durch Langzeitinsassen, verfahren werden soll.
RUPPERT stellte , dass 26,20% aller aufgenommenen Tiere in Tierheimen euthanasiert wurden.
In 32% dieser Fälle er-folgte die Euthanasie auf Grund unheilbarer Krankheiten, in 68% lag „ein anderer vernünftiger Grund“ wie Bissigkeit, hohes Alter, Ängstlichkeit, langer Aufenthalt oder Platzmangel vor .

ドイツ動物保護連盟E. V.によるティアハイム規則(1995年)は、ティアハイムにおける動物の殺処分のための明確な基準を定めています。
殺処分は、例外的な場合にのみ許可されています。
しかし著しい過剰収容の場合と同様に、動物の長期の収容によってもその基準は徐々に緩和されます。
ルパートは、記録されたすべての動物(犬)のうち、26.20%がティアハイム内で安楽死させられたことを発見しました。
これらの例の32%では、難病が原因で安楽死に処せられました。
別の安楽死の原因の68%は、非人道的な「別の合理的な原因」であり、犬が高齢であること、行動上の問題に不安があること(攻撃性か)、長期の収容期間や収容スペースの不足などが続きます。



 「ドイツのティアハイムの犬の殺処分率26.2%」ですが、これは日本の公的殺処分率より高いのです。令和元年度の環境省公表により日本の犬の殺処分率は21.6%です(犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況)。したがって渋谷寛氏の、「①(ドイツの)ティアハイムは殺処分は原則として行わず(=極めてまれで例外的、少ないという意味であれば)」は嘘です。「原則として殺処分が行われない」は、日本でもそうです。動物愛護管理法で愛護動物のみだりな殺傷は禁じていますから。
 さらに「犬猫の殺処分率が35%超」というティアハイムの年次報告書も公開されています。以下に、そのティアハイムの年次報告書のスクリーンショットを提示しておきます。


(画像)

 年次報告書を公表している、ドイツのティアハイムの具体例。Statistik 2014 「ティアハイム・アルテントレプトゥ」のHPに掲載されている年次報告書から。

 2014年には、犬猫総収容数140に対して、殺処分(Euthanasien)が34頭、施設内死(verstorben)が15頭でした。総収容数に占める殺処分+施設内死の割合は35%です(日本の自治体の殺処分数の計算方法に基づく)。年次報告書を出しているティアハイムとしては、この殺処分数・率は特別高いとは思えません。

ティアハイム 殺処分率


 さらにハノーファー獣医大学の調査によれば、「ティアハイムの犬の殺処分の理由の68%は、非人道的な原因であり、犬が高齢であること、行動上の問題に不安があること(攻撃性か)、長期の収容期間や収容スペースの不足である」と述べています。つまり渋谷寛氏の「ティアハイムの殺処分の理由は傷病のみである(傷病を原因とした殺処分は全体の3分の1)」が大嘘であることがお分かりいただけると思います。
 ティアハイムの殺処分に関してですが、ティアハイムの統括団体である、ドイツ動物保護連盟が「ティアハイム運営指針」を作成しており、その中で原則が述べられています。その原則とは「ティアハイムの殺処分においては、①治療不可能の傷病動物、②問題行動がある動物(特に攻撃性と思われる)、③緊急を要する場合、は殺処分は必須である(註 「してもよい」という許可ではなく、「しなければならない」という命令です)」としています。
 ドイツ動物保護連盟による「ティアハイム運営指針」から引用します。Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes (1995年 現在まで改正はありません)


VII. Einschläfern von Tieren
1. Grundsatz
b) Die Einschläferung (Euthanasie) unheilbar kranker Tiere, die nur unter Schmerzen, Leiden oder
Schäden weiterleben könnten, ist ein selbstverständliches Gebot des Tierschutzes.
Die schmerzlose Einschläferung ist nur vom Tierarzt zu entscheiden und durchzuführen.
2. Ausnahmen
In folgenden Ausnahmefällen ist, nach Ausschöpfung aller anderen Möglichkeiten, in Übereinstimmung mit
den Bestimmungen des Tierschutzgesetzes die Einschläferung unumgänglich:
a) Bei Tieren, die starke, nicht behebbare, konstante Verhaltensstörungen zeigen, und deren Weiterleben mit schweren Leiden verbunden wäre, oder
b) bei Tieren, die infolge abnormer und nicht behebbarer Verhaltensstörungen eine akute Gefahr für sich oder ihre Umwelt darstellen.

動物の安楽死
第一原理
b)苦痛や症状が継続する可能性がある、苦しんでいるだけの終末期の動物の安楽死は、動物福祉上必要なのは明らかです。
苦痛回避の安楽死は、獣医師のみにより決定され実行されます。
2.例外
次のような例外的なケースでは、他のすべての可能性を実行したのちであれば、動物保護法の規定により安楽死は不可避です。
a)重度の回復不能な、一定の行動障害を示す動物において、それがその動物にとって生きる上で深刻な苦しみをもたらすと思われる動物において、または、
b)異常かつ回復不能な行動障害の結果として、その動物自身、またはその環境にたいして緊急な危険ををもたらす動物。



 なお、日本で「殺処分ゼロ」と喧伝されているティアハイム・ベルリンですが、経営トップがベルリン・ツァイティング(地方紙では最大部数のベルリンの新聞)に対して「当施設は殺処分を行っています」と公言しています(公表の数字より実際の数字の方がはるかに多いという疑惑は常に言われています。ティアハイムは経営上の理由から、一般に寄付金が集まりやすいように殺処分数を少なく言います)。同施設のHPにも、「当施設は殺処分を行っています」と明記されています。
 Tierschutz in Berlin seit 1841 「ベルリン動物保護協会 ティアハイムベルリン ホームページ」 の、service をクリック、さらに、Häufig gestellte Fragen 「よくある質問」をクリックすると、次の画面が現れます。Häufig gestellte Fragen 「よくある質問」
 さらに、Werden Tiere eingeschläfert? 「ティアハイム・ベルリンは安楽死(殺処分)していますか?」をクリックすれば、以下の画面が現れます。


(画像)

FAQティアハイムベルリン 

Werden Tiere eingeschläfert?
・Ein Tier ist so sterbenskrank, dass es nicht mehr zu retten ist und von seinen Leiden erlöst werden muss.
Sämtliche Einschläferungen von Tieren bedürfen de Einwilligung mehrerer Veterinäre sowie der Zustimmung des TVB.
Jeder Fall wird in einem Euthanasiebuch dokumentiert.
Einschläferungen erfolgen grundsätzlich nach Ausschöpfung aller Behandlungsmöglichkeiten; medizinisch-technische Voraussetzungen stehen in bester Ausstattung zur Verfügung, die finanziellen Aufwendungen für den Komplex medizinische Versorgung steigen stetig.
・Ein Tier zeigt gemäß der Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes so starke, nicht behebbare und konstante Verhaltensstörungen, dass ein Weiterleben entweder nur mit schweren Leiden verbunden wäre oder eine akute Gefährdung der Umwelt vorhanden ist.
Über solche Ausnahmefälle entscheidet dann eine sachkundige Kommission.

ティアハイムベルリンは動物を安楽死(殺処分)しますか
その動物が死に直面し治療不可能で、その苦しみから解放しなければならない場合は行っています。
すべての動物の安楽死は、数人の獣医師の同意とベルリン動物保護協会(註 ティアハイム・ベルリンの上部団体)の同意を必要とします。
安楽死の各症例は、記録簿に記載されています。
基本的には、すべての治療法の選択肢が尽きた後に行っています。
医療上および技術上の要求は可能な限り最も高度な設備で行うことが可能でありますが、複雑な医療のための財政的負担は年々増加しています。
ドイツ動物保護連盟のティアハイム運営指針によれば、動物が強度の回復不可能なかつ恒常的な行動障害を示していて、それが継続的な生きるうえで動物に深刻な苦痛の原因となる場合、もしくは周辺環境に深刻な危険を及ぼす場合。
そのような例外的なケースの安楽死は、知見のある委員会によって決定されます。



(画像)

 太田匡彦氏による記事、AREA '09.9.7号『犬を殺さないドイツの常識』。「(ティアハイム・ベルリン)私たちは1匹も殺さない(笑い)」。このように真実に反することを堂々とマスメディアに書ききってしまう神経は、私にとっては理解不能です。先に示した通り、ティアハイム・ベルリン自身がHPで「当施設は殺処分を行っています」と明記しています。強靭な渋谷寛氏はお仲間のようですがね(笑い)。類は友を呼ぶ赤恥愛誤。

アエラ (567x800)


 次回記事では、

4、ドイツでは「犬猫を入手するのはティアハイムからが慣習となっている(つまり「ドイツでは犬猫の入手はティアハイムがほとんど」)という意味になります))」

 が大嘘であることを説明します。結論から述べれば、ドイツでは犬猫の入手シェアに占める保護犬猫の割合は約10%です。日本と比べて極端に「保護犬猫」の入手シェアが高いとは言えません。またドイツでは狭義のティアハイム(市町村等の行政と契約を結んで行政が捕獲、押収没収した動物の保管を請負う施設)以外にも、犬猫などの保護活動~譲渡を行っている保護団体が少なからずあります。それを考慮すれば、ティアハイムからの犬猫の入手シェアは10%よりさらに低くなります。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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