「フランスでは猫の出産は1歳以上6歳までと規定されている」という殺処分ゼロ議員連のデマ文書

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France/Frankreich
記事、動物取扱業者に対する環境省の狂った数値基準の方針、の続きです。
犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟は、ペットの繁殖業者やペットショップの具体的な数値基準を法制化するように求め、環境大臣に提出する要望書をまとめました。それは見るに堪えない誤りが多数あります。しかし環境省はその要望書を参考にして、7月9日に方針をまとめました。「ブリーダーによる犬猫の出産上限」ですが、要望書の記述は全て誤りです。私はすでに要望書の「イギリスでの雌犬の出産は1歳以上6歳までとする」がデタラメである事を書きました。その様な規定はイギリスにはありません。さらに要望書では「フランスでは猫の出産を1歳以上6歳までとする」としています。それも全く根拠のないデマで、フランスにはそのような法令による規定はありません。
まずサマリーで示した、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟(以下、「本要望書」と記述する)が、「ペット繁殖業者とペットショップに対する具体的な数値基準の法制化を求める要望書を作成した」ことを伝えるニュースソースから引用します。犬猫の販売・繁殖業者への数値規制 議連や団体が独自案まとめる 2020年3月25日
身動きがままならないケージで飼育するなど、悪質な繁殖業者やペットショップへの行政指導を効果的にできるようにするため、具体的な数値を盛り込んだ基準作りが、環境省を中心に進められています。
昨年6月の動物愛護法改正の「宿題」で、超党派の議員連盟は独自案をまとめました。
ケージの広さや上限飼育数などを規制する議連案
取りまとめにあたった議連事務局次長の高井崇志衆院議員は、「問題のある業者を取り締まり、改善するためには具体的な数値が必要だ。自治体の職員が使いやすい基準にするとともに、欧州の先進国で行われているような水準の数値規制の導入を目指したい。たとえば、犬のケージの広さは小型犬で最低2平方㍍を確保してほしい」などと話す。
だが動物愛護法にはあいまいな表現しかないため、自治体は悪質業者に対する指導が効果的に行えてこなかった。
こうした状況の改善を目指し、昨年6月に議員立法で成立した改正動愛法には、環境省令により「できる限り具体的な」基準を設けるよう定められた。
同議連では半年にわたり業者や有識者らにヒアリングを重ね、海外事例も調査し、50の重点項目をベースとする基準案を作った。
「殺処分ゼロ議員連」が作成した「議員連基準案」の、フランスの法令の誤りについて述べます。「殺処分ゼロ議員連」が作成し、環境大臣に提出した、議員連基準案はこちらです。犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準に関する要望書(以下、「本要望書」と記述する)。
この議員連基準案の9ページには、「雌猫の出産は1歳以上6歳まで」との記述があり、「参考とした規定等」として「フランス・アレテ」としています。「フランス・アレテ」とは、12~13ページの【参考にした規定等の出処】の、「<フランス> ・家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」を挙げています。それは、ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime. 」を指していることは間違いないです。しかしこの規則には「雌猫の出産は1歳以上6歳まで」という規定はありません。「猫の交配は2回目の発情以降」という規定はあります(13ページ)。
(画像)
犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準移管する要望書 2020年4月3日 からスクリーンショット。フランスには本要望書で根拠法として示された、「家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年アレテ」には、「猫の出産は1歳以上6歳まで」という規定は一切ありません。「猫の交配は2回目以降の発情とする」という規定はあります。
このようなデタラメを立法活動でから管轄省に要望書として提出するとは、故意でなければ本要望書の作成者の知能は正常ではないでしょう。また意図的であれば病的虚言で精神疾患が疑われます。しかし本要望書はこれだけではなく、嘘、誤り、偏向があまりにも多いです。

フランスのペット取扱業者に関する規則、「家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」 ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime. (13ページ) から、猫ブリーダーの猫の繁殖に関する規定を引用します。なおフランス語を英語に自動翻訳して私が日本語訳をしています。フランス語が堪能な方の校正を受けています。
(フランス語 原文)
CHAPITRE II Dispositions spécifiques aux élevages de chiens et chats
Seuls les individus en bonne santé, ayant fini leur croissance et à partir de leur deuxième cycle sexuel pour les femelles, peuvent être mis à la reproduction , en tenant compte de leur âge en fonction de la race.
Les femelles reproductrices ne doivent pas mettre bas plus de trois fois par période de deux ans.
(英語)
CHAPTER II Provisions specific to dog and cat breeding
Only healthy individuals, having finished their growth and starting from second sexual cycle for females, can be put to the reproduction, taking into account their age according to the race.
Breeding females should not give birth more than three times in a two-year period.
第Ⅱ章 犬と猫だけに適用される固有の規定
品種に応じて繁殖年齢を考慮し、成長を終えた雌犬猫は2回目以降の発情から繁殖に用いることができ、健康な個体に限ります。
繁殖に用いる雌は、2年間で3回を超えて出産をさせてはなりません。
フランスの規則では、「交配は2回目の発情以降に限る」としていますので、本要望書の「繁殖は1歳以上6歳まで」との記述と矛盾します。さらに本要望書作成者は、このフランスの規則の規定を「猫だけの適用」と理解しているのでしょうか。本要望書では、犬はこの規定は参考にされていません。章のタイトルにある通り、「繁殖は2回目以降の発情からに限る。出産は2年間で3回まで」という規定は、「犬猫だけに適用される固有の規定」とあり犬も適用されます。さらに、reproduction (英)、reproductrices (仏)は、生殖サイクル全般を意味し、そのスタートですから「交配」と訳すべきです。同じ章で、「出産」を、birth (英)、mettre bas (仏)と明らかに異なる単語を用いていますので。
本要望書の作成者は、フランスのこの規則、「家畜種のペットに関連する活動が満たさなければならない公衆衛生と動物保護の規則を定める 2014年4月3日のアレテ」 ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014, fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime. の原文を読んですらいないと思われます。無知で調べることもなく憶測で資料を作成したか、意図的な嘘をついたかのどちらかです。いずれにしてもこの記述は、まったくの捏造嘘です。
(動画)
L'enfer d'une "usine à chiots" 2018年10月17日 フランスのパピーミルから、121頭の犬を救出したという内容。
(動画)
D'où viennent les animaux vendus en animalerie ? - La Quotidienne 2019年4月10日 「フランスのペットショップで売られている動物はどこから来たのか」という内容のビデオ。
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