わなで捕らえたのちに飼犬飼猫を殺害することが合法なドイツ~環境省のデタラメ資料⑳

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(Zusammenfassung)
Krefelder Tierheim soll Tiere aus Kostengründen getötet haben.
環境省が2017年に公表した、ドイツに関する資料、平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年 5 月 30 日 特定非営利活動法人アナイス (以下、「本資料」と記述する)、があります。本資料は全編にわたり嘘、誤りがびっしりと詰め込まれた、まさに見るに耐え難い資料です。本資料ではドイツ狩猟法での犬猫の狩猟に関しての奇妙奇天烈な日本語訳の解説があります。「野生動物を怒らせていない限り犬猫を狩猟駆除してはならない」です。そのような規定は一切ありません。いくつかの州法では「わなで捕らえられた飼犬飼猫でも殺害してよい」と規定しています。このような犬猫は、野生動物を怒らせているかどうか確認できません。
サマリーで示した、環境省が2017年に公表した、ドイツに関する資料、平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年 5 月 30 日 特定非営利活動法人アナイス (以下、「本資料」と記述する)の、問題記述を引用します。
狩猟法での犬猫の有害駆除については、犬や猫が狩猟の対象動物を怒らせるなど危険な状態を生じさせる場合は、撃っても良い(*1)ことになっている。
国による大枠は決まってはいるが、州ごとに規制は異なっており、ノルトライン=ヴェストファーレン州では、非常事態でない限り撃ってはいけないという厳しい規定(*2)になっている。(※その後法改正されている) (23ページ)
引用した環境省の本資料の記述、(*1)、(*2)は、いずれも誤りです。まず(*1)について述べます。
ドイツ連邦共和国での狩猟に関する規定は、基本的な事柄を連邦狩猟法(Bundesjagdgesetzが定め、16ある各州が州法令で詳細を定めています。環境省の本資料の記述、「狩猟法での犬猫の有害駆除については、犬や猫が狩猟の対象動物を怒らせるなど危険な状態を生じさせる場合は、撃っても良いことになっている」ですが、連邦法はもとより、16州のすべての法令でもこのような規定は一切ありません。
まず、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)の、犬猫の狩猟に関する該当する条文(23条全文)から引用します。
VI. Abschnitt Jagdschutz
§ 23 Inhalt des Jagdschutzes
Der Jagdschutz umfaßt nach näherer Bestimmung durch die Länder den Schutz des Wildes insbesondere vor Wilderern, Futternot, Wildseuchen, vor wildernden Hunden und Katzen sowie die Sorge für die Einhaltung der zum Schutz des Wildes und der Jagd erlassenen Vorschriften.
第6章
23条 狩猟鳥獣保護の内容
狩猟鳥獣保護においては特に密猟者、野生動物の食料不足、野生動物の病気、犬と猫から狩猟鳥獣を保護する狩猟鳥獣保護と狩猟の規定の遵守は、より詳細なドイツ連邦の各州の立法に属します。。
つまり、ドイツ連邦狩猟法での「野生動物保護のための犬猫の狩猟」に関しては単に「犬や猫から狩猟鳥獣を守らなければならない」としか規定していません。私は下位法の16州の狩猟に関する法令を全て調べましたが、「狩猟法での犬猫の有害駆除については、犬や猫が狩猟の対象動物を怒らせるなど危険な状態を生じさせる場合は、撃っても良いことになっている」との記述がある条文は一切確認していません。環境省は、この記述が正しいというのならば、具体的な法律名と該当する条文が何条で、原文でその記述を必ず回答されたい。
なお州法での犬猫狩猟駆除に関する規定は、複数の州で「ライブトラップで無傷で捕獲した後の犬猫(飼犬飼い猫ということが明らかであっても)を、捕獲したのちに殺害してもよい」と規定しています(これらの条文原文は、次回記事で取り上げて解説します)。「ライブトラップで捕獲したのちの犬猫」は、「狩猟の対象動物を怒らせるなどの危険な状態を生じさせる」ことはできません。はい、環境省のこの記述がデタラメであることがばれました(大笑い)。
次に、(*2)の、「ノルトライン=ヴェストファーレン州では、非常事態でない限り撃ってはいけないという厳しい規定になっている」ですが、これも明らかに「誤訳」と断言します。むしろノルトラインーヴェストファーレン州狩猟法では、「犬は射殺すべきで捕獲することは推奨できない」と、厳格な射殺による殺害駆除を求めています。以下に、ノルトラインーヴェストファーレン州の、犬の狩猟に関して規定している条文を引用します。
Bekanntmachung der Neufassung des Landesjagdgesetzes Nordrhein-Westfalen (LJG-NRW) 「ノルトラインーヴェストファーレン州狩猟法(LJG-NRW) 改正法」
§25 Inhalt des Jagdschutzes (Zu §§ 23, 28 Abs. 5 BJG)
(4) Die zur Ausübung des Jagdschutzes berechtigten Personen sind befugt,
2. Hunde außerhalb der Einwirkung ihrer Führerin oder ihres Führers abzuschießen, wenn
a) diese Wild töten oder erkennbar hetzen und in der Lage sind, das Wild zu beißen oder zu reißen,
b) es sich um keine Blinden-, Behindertenbegleit-, Hirten-, Herdenschutz-, Jagd-, Polizei- oder Rettungshunde handelt, soweit sie als solche kenntlich sind und solange
c) andere mildere und zumutbare Maßnahmen des Wildtierschutzes, insbesondere das Einfangen des Hundes, nicht erfolgversprechend sind.
25条 狩猟鳥獣保護の内容(連邦狩猟法BJGの23条、28条に関して)
(4)狩猟鳥獣保護を行使する権限を与えられた者(免許を受けたハンター)は、
2. 次の場合の、飼い主の管理が及んでいない範囲の犬を射殺すること。
a) これらの犬で狩猟鳥獣を殺すか、狩猟鳥獣に咬みついて引き裂く可能性があり、狩りたてていることが認識できるもの。
b) 盲導犬、介助犬、牧羊犬で羊の群れを守っている犬、狩猟犬、警察犬、救助犬で、そのように認識できる行動をしている犬は除外する。
c) 野生動物保護のための、他のより穏やかで穏当に犬を捕獲する手段の成功が期待できない場合。
「ノルトライン=ヴェストファーレン州では、非常事態でない限り撃ってはいけないという厳しい規定になっている」ですが、25条4項2号a)の、「野生動物を殺すもしくは咬みついて引き裂く可能性がある状態が確認できる」のことを指しているのでしょうか。しかし考えようによっては、人の管理下になければ、犬猫は野生動物を殺害する、咬んで傷つける可能性は常にあります。しかしこの規定は、ドイツ16州の中でも犬の狩猟の条件が厳格であるという批判があります。
一方で、「犬をわなで無傷で捕獲することは推奨しない。銃で射殺すべきである」との25条4項2号c)の規定は、大変厳しく、かつ積極的な非占有犬の狩猟駆除の殺害を求めていると、私は感じます。判断は読者様にお任せします。
いずれにしても環境省の本資料で行ったヒヤリング調査では、通訳の言語が全く通じていません。「犬や猫が狩猟の対象動物を怒らせるなど危険な状態を生じさせる場合は、撃っても良いことになっている」の記述では、思わず飲んでいたコーヒーをブッッ!とPCの画面に吹き出しそうになりました。サマリーで述べたとおり、犬猫の狩猟駆除に関して規定している連邦狩猟法及び各州の狩猟法令では、このような規定は一切ありません。
想像するには、ノルトラインーヴェストファーレン州狩猟法の条文で、hetzenという単語が出てきます。この語は、「興奮してせかせる」といった意味があり、主語がHunde(犬)なのです。対象動物(狩猟鳥獣)ではありません。「ヒヤリング調査を行った」とのことですが、その方は単語が断片的に拾えるぐらいの語学力で、ほとんど意味が通じておらず、通訳と環境省の本資料作成者が日本で流布されているデマ情報とともに、妄想で肉付けした作文に間違いないです。ノルトライン―ヴェストファーレン州狩猟法やドイツ連邦狩猟法の原文を確かめれば、こんな漫才のような誤訳ドイツ法の解説をしなくてすんだのに、それすらしないズボラだということでしょう。まさに噴飯、漫才誤訳で楽しませていただきましたが。
環境省の本資料の作成者らはいわゆる愛誤思想に毒されていて、本資料の作成では正確であることより、日本でのいわゆる愛誤プロパガンダ情報の流布を意図したことも、このような漫才誤訳の要因かと思います。「ドイツでは犬猫の狩猟駆除は認められているが、極めて厳格でほとんどできない」という、嘘プロパガンダを日本で流布したいという意思もあったのだと推測します。
狩猟法での犬猫の有害駆除については、犬や猫が狩猟の対象動物を怒らせるなど危険な状態を生じさせる場合は、撃っても良いことになっている。ノルトライン=ヴェストファーレン州では、非常事態でない限り撃ってはいけないという厳しい規定になっている。 (23ページ)という厳格さが求められるのならば、ドイツではほとんど犬猫の狩猟駆除はないはずです。しかし高位推計では、年間の狩猟駆除数は猫~50万(Jagd auf Katzen: Schießen, schaufeln, schweigen)、犬6万5000という推計があります。合計56万5000頭という大変な数です。環境省の本資料の誤訳と嘘プロパガンダがお分かりいただけると思います。
なおドイツでは複数の州では、罠で無傷で捕獲した犬猫が明らかに飼犬飼い猫ということが明らかであっても、捕獲後に殺害することが合法であると明記されています。それは次回記事で取り上げます。
(動画)
Katzenmörder in Süddeutschland unterwegs...「南部ドイツのストリートキャットキラー」 2019/10/17
ドイツで1年間に狩猟で射殺される猫の数は高位推計で50万匹、犬は6万5000頭です。「犬や猫が狩猟の対象動物を怒らせるなど危険な状態を生じさせる場合は、撃っても良い(意味不明な奇妙奇天烈な誤訳。このような法律の規定はドイツには一切ありません)ことになっている。ノルトライン=ヴェストファーレン州では、非常事態でない限り撃ってはいけないという厳しい規定になっている」という厳しい規定があれば、これほどまでの多数の犬猫は狩猟駆除されません。
Unglaublich schrecklich und für jeden Tierliebhaber in keinster Weise nachzuvollziehen.
Im Südosten Deutschlands macht seit Wochen ein unbekannter Schütze Jagd auf Katzen und er hat In den vergangenen Wochen gab es mehrfach Angriffe auf auf Katzen auf die geschossen wurde.
動物を愛する者にとっては信じられないほどひどく、そして絶対理解できません。
ドイツ南東部では見知らぬハンターが猫を狩り、過去数週間に複数の猫が撃たれて攻撃されました。