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続・インターネットで犬を売るティアハイム、飼主審査を行うペットショップ(ドイツ)~三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデタラメ






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(Zusammenfassung)
Zoo Zajac
Grundsätzlich verkaufen die hier gezeigten Tiere nicht über das Internet oder telefonisch und versenden Sie auch nicht.
Vor jedem Tierkauf steht ein ausführliches Beratungsgespräch in unserem Geschäft in Duisburg.


 記事、インターネットで犬を売るティアハイム、飼主審査を行うペットショップ(ドイツ)~三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデタラメ、の続きです。
 「ドイツのティアハイムでは、すべて厳格な飼主審査を行ってから保護犬などを譲渡する」と言う情報が、日本で流布されています。しかしそれは嘘です。一部のティアハイムでは、そのような方針を示してることは否定しません。しかしティアハイムの多くが、非対面のインターネットなどの通信販売で犬などを販売しています。ドイツは非対面のインターネットなどによるペットの通信販売に対する規制が全くない国の一つです。対して世界最大のドイツの生体販売ペットショップ、Zoo Zajacは、「ペットの非対面通信販売はしない」と明言しています。特に犬に関しては、飼い主の家庭状況まで調査してから販売しています。



 「(すべての)ドイツのティアハイムでは、犬などを譲渡する場合は厳格な飼い主の資格審査を行い、譲渡を受けるには飼育講義を受けることが必要」というデマが日本で拡散されています。しかし真実は、「ドイツのティアハイムでは、非対面のインターネット販売で犬などを販売することが広く行われている」のです。ドイツは、「インターネットなどによるペットの非対面販売の規制が全くない」国の一つです。
 前述の、「大嘘情報」が記述された資料を例示します。動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、本報告書と記述する)です。本報告書から引用します。


ティアハイムでは、飼い主のいない動物の保護や飼い主のあっせん等を行っている。
施設の犬猫を引き取って飼い主となるには飼育環境等の審査があり、安易な譲渡を防いでいる。(11ページ)。
旧東欧諸国(*1)がEUに加盟後、ドイツから国境を越えて海外(*2)から犬の純血種を違法にドイツに輸入している個人や海外から持ち込んで違法に売る業者(*3)が増加している。
こうした純血種はティアハイムと同程度の金額で購入できるうえ、ティアハイムから譲渡の際に必要な飼育講義のようなものを受けずに気軽に購入できる。


(*1)旧東欧とは意味不明。現在も、Osteuropa 「東欧」と言われています。
(*2)東欧諸国とドイツは地続きです。海外とは、また別の国の事でしょうか?
(*3)東欧などから、「保護犬」と称してティアハイムが違法に輸入(通関を受けない、狂犬病ワクチンを接種させないなど)して、病気の雑種の野良犬を法外な値段で販売するティアハイムが増加しています。ドイツ第2の規模のハンブルク・ティアハイムは、今年500頭以上の犬の違法輸入などで刑事訴追を受けました。消費者団体や弁護士会は、「ティアハイムや上部団体の動物保護協会によるアニマルレスキュー詐欺」に注意喚起を促しています(ハンブルク・ティアハイムの犬違法輸入等の事件は近く記事にします。アニマルレスキュー詐欺については、私はいくつか記事にしています。例えば、続々・「アニマル・レスキュー」という汚いビジネス~あまりにも多いティアハイムの犯罪などです)。


 ギネスレコード認定の、世界最大の生体販売ペットショップはドイツのデュイスブルクにあります。その店は、Zoo Zajac です。2005年に「世界最大のペットショップ」としてギネスレコードに認定された時点では、売り場面積は8000㎡でした。その後も順調に業容を拡大させ、現在は売り場面積はさらに拡張し、12,000㎡です。
 前回時記事で述べた通り、ティアハイムは一般的に、犬などの販売において「インターネットなどによる非対面通信販売」を広く利用しています。それに対し、Zoo Zajac は「ペットの生体はインターネット販売などの通信販売はしない」方針です。特に犬は、「家族構成や家庭環境などを審査し、飼主にふさわしくないと判断した場合は販売しない」と、経営者のノルベルト・ザヤック(「ザヤック」は、TVニュースなど発音に従いました)は強調しています。
 まず、「Zoo Zajac がペット生体をインターネットなどの非対面通信販売は行わない」と言う方針について、こちらに会社の声明があります。この声明では、「ドイツでは、ペットの生体の非対面通信販売が合法で一般的に行われている」ことが理解できると思います。Zoo Zajac、から引用します。


um Informationen über die Haustiere, die wir in Duisburg für Sie bereit halten.
Sie werden nicht nur viele unserer Tiere hier finden, sondern auch viel informatives rund um Haustiere und Haustierhaltung.
Grundsätzlich verkaufen die hier gezeigten Tiere nicht über das Internet oder telefonisch und versenden Sie auch nicht.
Vor jedem Tierkauf steht ein ausführliches Beratungsgespräch in unserem Geschäft in Duisburg.

ペットに関する情報は、当社はデュイスブルクの店舗でお客様に直接提供しなければなりません。
デュイスブルクの店舗では、当社のペット動物の多くを見つけるだけでなく、ペットやペットの飼い方に関する多くの有益な情報も得ることができます。
原則ここに示されている動物はインターネットや電話で販売されていませんし、出荷もされていません。
各種の動物を購入する前に、デュイスブルクの店舗で詳しい相談が必要です。



 Zoo Zajac では、特に犬に関しては「購入希望客の飼い主としての適性を審査し、不安があればその客には犬を販売しない」と、TV番組のインタビューで述べています。前回記事で述べたことですが、対して多くのティアハイムは、インターネットで犬を出品し、非対面で販売しています。
 Tierhändler Norbert Zajac mit neuer TV-Show "Mein schlechter Ruf ist total werbewirksam" 「ドイツの巨大ペットショップのオーナー経営者のノルベルト・ザヤック氏は、新しいTV番組で述べました 『私の悪い評判は、すべて当社の効果的な広告になっています』」 2017年2月1日 から引用します。


Auch schon mal ein ungutes Gefühl bei einem Kunden gehabt?
Zajac
Das ist bei uns Tagesgeschäft!
Wir schicken im Durchschnitt in der Woche zehn Menschen nach Hause, die mit 1000 Euro oder mehr in der Tasche kommen und einen Hund kaufen wollen, aber von uns keinen kriegen, weil wir die Leute nicht für qualifiziert halten.
Und das ist nicht nur bei Hunden so.
Wir schicken auch Leute nach Hause, die einen Goldhamster oder einen ellensittich kaufen wollen.

あなた(ノルベルト・ザヤック氏)は、今までにお客様に不安を感じたことはありますか(註 このお客さんに販売した動物がちゃんと飼育できるだろうかという不安)?
ノルベルト・ザヤック氏
それは、私たちの日常業務であります!
平均して、1週間に10人の家庭に犬を届けますが、ポケットに1,000ユーロ以上お金をもっていて犬を買いたい人であっても、その人たちが犬を飼う資格を持っていないと当社が判断すれば、その人たちは当社から犬を買うことはできません。
そしてそれは、犬の場合だけではありません。
ゴールデンハムスターや、インコを買いたい人に対しても同様です。



(動画)

 ZOO ZAJAC – HUNDE 「ズー・ザヤック 犬」。2015/12/23 に公開。ペットショップ、ズー・ザヤックのプロモーション。ビデオ。
 このビデオの中では、Zoo Zajac が子犬を販売する場合は、家族構成や飼育環境などを調べたうえで、購入客の家まで子犬を届けて確認することが述べられています。

Norbert Zajac und sein Team präsentieren Ihnen in dem 30 Minuten langen Film die Welt der Hunde bei Zoo Zajac.
Lernen Sie die Hunde vom ersten Tag bei Zoo Zajac bis in ihr neues Zuhause kennen und werfen Sie einen Blick hinter die Kulissen.

ノルベルト・ザヤックと彼のチームは、この30分間の動画の中でズー・ザヤックので犬の世界を紹介しています。
ペットショップ、ズー・ザヤックでは、最初の日に販売した犬の新しい家を知ることにより、その飼育環境を観察します。




(動画)

 HUNDEVERKAUF im ZOOLADEN? | WIESO geht das? | NORBERTS WELT | Zoo Zajac 「ペットショップでの犬の販売?| なぜそれが可能なのですか?|ノルベルトの世界| Zoo Zajac
 Zoo Zajac 社によるプロモーション・ビデオ。犬の店頭販売の様子が収録されています。2005年にギネスレコードで世界最大の生体販売ペットショップと認定されたときは、売り場面積は8,000㎡でした。その後も拡張を続け、現在は12,000㎡です。犬の販売面積も増えました。つまり業績が好調で、犬の販売も増えているという証左です。




 デタラメ資料、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、「本報告書」と記述する) では、「(「ドイツのティアハイムではすべてで」と言う意味になる)犬猫の飼い主となるには飼育環境等の審査があり、譲渡の際は飼育講義を受けることが必要」と言う、妄想を書いています。ばかばかしい、ティアハイムの販売専用ポータルサイトがいくつもあり、常に商品出品数は犬だけでも、1サイトだけでも数万はあります。 
 また、Zoo Zajac についても「犬猫の販売反対のデモがあり、世論も好ましくないとしている」と記述があります。デモを行ったのは、Animal Peace と言う過激派アニマルライツ団体の約150名程度で、「の販売反対デモ」です。この団体は、犬の行政殺処分を行った獣医師に対して殺害予告を行い、刑事訴追を受けたいわば異常な団体です。対してZoo Zajac の1日の来店客は1万人をはるかに超えます。本報告書においては、「犬販売に対する反対デモが世論一般の意見」と読者に誤認させる記述です。この点については、後ほどの記事で詳しく述べます。まさに本報告書のこの記述は「偏向」を超えた、「嘘デタラメ」です。公的文書としては完全に欠陥です。


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インターネットで犬を売るティアハイム、飼主審査を行うペットショップ(ドイツ)~三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデタラメ






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(Zusammenfassung)
Online Hundeverkauf bei Tierheim


 「ドイツのティアハイムでは、すべて厳格な飼主審査を行ってから保護犬などを譲渡する」と言う情報が、日本で流布されています。しかしそれは嘘です。一部のティアハイムでは、そのような方針を示している可能性は否定しません。しかしティアハイムの多くが、非対面のインターネットなどでの通信販売で犬などを販売しています。ドイツは、非対面のインターネットなどによるペットの通信販売に対する規制が全くない国の一つです。対して世界最大のドイツの生体販売ペットショップ、Zoo Zajacは、「ペットの非対面通信販売はしない」と明言しています。特に犬に関しては、飼い主の家庭状況まで調査してから販売しています。


 「(「すべての」と著しく誤認させる)ドイツのティアハイムでは、犬などを譲渡する場合は厳格な飼い主の資格審査を行い、譲渡を受けるには飼育講義を受けることが必要」というデマが日本で拡散されています。しかし真実は、「ドイツのティアハイムでは、非対面のインターネット販売などで犬などを販売することが広く行われている」のです。ドイツは、「インターネットなどによる犬などのペットの非対面販売の規制が全くない」国の一つです。
 前述の「嘘情報」が記述された資料を、例示します。動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、本報告書と記述する)から引用します。


ティアハイムでは、飼い主のいない動物の保護や飼い主のあっせん等を行っている。
施設の犬猫を引き取って飼い主となるには飼育環境等の審査があり、安易な譲渡を防いでいる。(11ページ)。
旧東欧諸国(*1)がEUに加盟後、ドイツから国境を越えて海外(*2)から犬の純血種を違法にドイツに輸入している個人や海外から持ち込んで違法に売る業者(*3)が増加している。
こうした純血種はティアハイムと同程度の金額で購入できるうえ、ティアハイムから譲渡の際に必要な飼育講義のようなものを受けずに気軽に購入できる。(19ページ)


(*1)旧東欧とは意味不明。現在も、Osteuropa 「東欧」と言われています。
(*2)東欧諸国とドイツは地続きです。海外とは、また別の国の事でしょうか?
(*3)東欧などから、「保護犬」と称してティアハイムが違法に持ち込み(通関を受けない、狂犬病ワクチンを接種させないなど)して、病気の雑種の元野良犬を「レスキュードッグ」として法外な値段で販売するティアハイムが増加しています。ドイツ第2の規模のハンブルク・ティアハイムは、今年500頭以上の犬の違法輸入などで刑事訴追を受けました。消費者団体や弁護士会は、「ティアハイムや上部団体の動物保護協会によるアニマルレスキュー詐欺」に注意喚起を促しています(ハンブルク・ティアハイムの犬違法輸入等の事件は近く記事にします。アニマルレスキュー詐欺については、私はいくつか記事にしています。例えば、続々・「アニマル・レスキュー」という汚いビジネス~あまりにも多いティアハイムの犯罪などです)。


 サマリーでも述べた通り、現在ドイツでは「犬などのペットのインターネットなどによる非対面通信販売」の法的規制がが全くない国です。ぺットの販売に関して規定しているドイツの法律は、Tierschutzgesetz 「動物保護法」11条、11条a、11条b、11条cですが、いずれもインターネットなどによる非対面のペット販売に対する規定がありません。また犬に限っても、Tierschutz-Hundeverordnung 「犬保護規則」での規定は皆無です。
 参考のために、イギリスの著名な動物愛護団体、ブルークロスが作成した、ヨーロッパにおけるペットのインターネット販売に関する調査資料から引用します。


(画像)

 Online pet sales in the EU What’s the cost? 「EUにおけるオンラインでのペット販売 その費用は?」 から(著名なイギリスの動物保護団体、ブルークロスによる) 2019年資料

 本資料によれば、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、スペインなどの、ヨーロッパの多くの国では、インターネットによる、犬猫などの販売の法的規制が全くありません。黒メッシュで示された国がそうです。

EU ペット通信販売 規制


 ドイツには、ティアハイムの専用の、動物の販売サイトがいくつかあります。そのうちの一つに、DeineTierwelt があります。このサイトの、Tiermarkt Hunde Hunde aus dem Tierheim / Tierschutz (34.477) 「動物マーケット 犬 ティアハイムから犬を/動物保護(出品数34,477点 2019年10月27日確認)には、次のような説明があります。
 「一部の人はティアハイムを直接訪問することを躊躇している」。これは、「そのような事情のある方は、ぜひ当社のポータルサイトからティアハイムを直接訪問することなく、非対面の通信販売で保護犬を購入してください」と言う意味です。


Hunde aus dem Tierheim
Rund 520 Tierheime gewähren halterlosen Hunden in Deutschland Unterschlupf und schenken ihnen Hoffnung.
Doch die Kapazitäten sind begrenzt, denn viele Tierheime sind überfüllt und die Mitarbeiter überfordert.
Allerdings scheuen sich einige Menschen vor einem Tierheimbesuch, denn die Vorstellung in die traurigen Tieraugen hinter den Gitterstäben zu blicken ist zu schmerzlich.
DeineTierwelt bietet als größtes Tiermarktportal Deutschlands Tierliebhabern eine Plattform, um einen tierischen Freund zu finden und ihm ein schönes Leben zu ermögliche.

ティアハイムから犬を
約520のドイツにあるティアハイムは、飼い主のない犬を提供し、そして犬たちに希望を与えています。
しかし多くのティアハイムは収容の限界ですし、超過密状態で、従業員は過重労働を強いられています。
一部の人々は、ティアハイムを直接を訪れることを躊躇しています。
なぜならば、鉄格子の向こう側の悲しい動物の目を見ることは、あまりにも辛いからです。
ドイツ最大のペット動物販売のウェブサイトである DeineTierwelt は、動物愛好家に動物の友達を見つけて、良い生活を送るための(ティアハイムの保護動物の)販売サイトを提供しています。



(画像)

 DeineTierwelt にティアハイムが出品した、ティアハイムの保護犬の売り物。価格との兼ね合いから、購入希望者は少ないのではないかと言う気がします。ティアハイムはただでさえ売れ行き不振で苦しんでいますから、「飼主審査だ」、「飼育講義を義務付ける」なんて言っていられないのは容易に推測できます。

ティアハイム 犬


 対して、ドイツにある世界最大の生体販売ペットショップ、Zoo Zajacでは、「ペットの生体は非対面のインターネット販売はしません」と声明を出しています。特に犬については、「飼い主の生活環境や家族構成まで調べて、飼主にふさわしいことを確認してから販売している」としています。
 次回は、このZoo Zajac の犬の販売について取り上げます。いずれにしても、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの、「ティアハイムから犬猫を引き取って飼い主となるには飼育環境等の審査があり、譲渡の際は飼育講義のようなものを受けることが必要である」(「ドイツのすべてのティアハイムでは」と言う意味になります)は真っ赤な嘘です。まさに噴飯モノ。この報告書の作成者の妄想はもはや病気でしょう。


(参考資料)

平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年 5 月 30 日 特定非営利活動法人アナイス

 これは環境省による資料ですが、全編にわたりびっしりと嘘、誤り、偏向で埋め尽くされた見るに堪えないひどい資料です。この中では「犬を郵送で送ることでは、数年前から禁止されており、飼い主がブリーダーまで引き取りにいくか、ブリーダーが自宅まで車で配送するかとなる」と言う記述があり、「インターネットでの非対面販売が禁止されている」と言う意味の記述があります。
 それは全く根拠のないデタラメです。私は環境省に根拠となる法律と該当する条文を原文で求めていますが、いまだに返事がありません。なお、ドイツポスト(郵便)が提携している宅配業者DHLは、動物の輸送は請け負っていません。それは別に法律で禁止されているわけではなく、会社の方針です。ドイツの宅配業者で、犬猫などの動物の輸送を請け負っているところはいくらでもあります。この点について、私は記事にしています。犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ~環境省のデタラメ資料
 この環境省の悶絶資料は、折々連載記事としてまとめます。


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引退レースドッグを食肉用に輸出しているオーストラリア






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(summary)
Why does the RSPCA oppose the export of racing greyhounds?
The actual situation of the Asian dog meat market-Greyhounds are also slaughtered for meat.


 オーストラリアではドッグレースが盛んです。私はかつて、「オーストラリアの引退したりけがをしたなどのレースドッグ、グレイハウンドを年間1万7,000頭殺害している」ことを記事にしています。その他にもオーストラリアは、アジアのドッグレースを開催している国々へも、レースドッグを輸出しています。「レース用」と言う名目ですが、早期に食肉用に転用される犬も多いとされています。


 サマリーで示した、「オーストラリアではレースドッグのグレイハウンドを『事実上』食肉用としてアジア諸国に輸出している」ことを報じる記事が多数報道されています。その中からいくつか引用します。
 まず、オーストラリアRSPCAの記事から。Why does the RSPCA oppose the export of racing greyhounds? 「オーストラリアRSPCAはなぜグレイハウンドの輸出に反対しているのですか?」 2019年5月


RSPCA Australia opposes the export of Australian racing greyhounds because it puts racing greyhounds at significant risk of poor animal welfare outcomes.
These risks include the potential to enter the dog meat trade.
In 2014 and 2015, a total of 1278 racing greyhounds were exported to several destinations including 460 greyhounds to Macau, 98 greyhounds to China and 106 greyhounds to Hong Kong.

RSPCA オーストラリアは、オーストラリアのレースドッグのグレイハウンドの輸出に反対しています。
なぜならば、レースドッグのグレイハウンドは、遅れた動物福祉がもたらす深刻なリスクにさらされるためです。
これらのリスクには、レースドッグが犬肉取引に持ち込まれる可能性が含まれています。
2014年と2015年には、合計1278頭のグレイハウンドのレースドッグ輸出され、マカオへ460頭のグレイハウンド、中国へ98頭のグレイハウンド、香港への106頭のグレイハウンドを含む、いくつかの目的地に輸出されました。



 上記のオーストラリアRSPCAの記事にある、マカオ、中国、香港の他にも、ベトナムにもオーストラリアからレースドッグのグレイハウンドが輸出されています。「レース用」として輸出されているのですが、早期に肉用に転用される犬もあるとされています。犬肉に反対するアメリカ合衆国の団体、Fight dog meat は、ベトナムの肉用犬に、オーストラリアのレースドッグとしてイレズミで識別されたグレイハウンドが含まれていたことを昨年に証拠写真を公表しています。
 Vietnam: Tattooed Greyhound In Dog Meat Cage 「ベトナム:肉用犬のケージの中のオーストラリアのレースドッグとしてイレズミで識別されたグレイハウンド」 2018年8月24日 から引用します。


The tattooed ex-racing greyhound was one of the dogs to be sold to a dog butcher in Vietnam for dog meat.
Despite outrage across Australia in 2015, tattooed Australian racing greyhounds were exported to Vietnam for greyhound racing.
Meanwhile, the greyhounds were disposable commodities.

イレズミの識別が入れられた元レースドッグのグレイハウンドは、ベトナムの犬肉屋での肉として売られた犬の1頭でした。
2015年のオーストラリア全土での怒りにもかかわらず、グレイハウンドレースのために、イレズミか入れられたオーストラリアのレースドッグのグレイハウンドがベトナムに輸出されました。
一面では、グレイハウンドは使い捨ての商品でした。



(動画)

 Greyhound trainers caught exporting dogs to China! 「グレイハウンドのトレーナーは、グレイハウンドを中国に輸出したために逮捕されました」 2017/12/28公開

Two leading Australian greyhound trainers have pleaded guilty to exporting dogs to certain death in China, but they will be free to race dogs again in under three years.

オーストラリアの大手グレイハウンドトレーナー2人は、犬が殺されることを確信していながら中国に輸出したことで有罪を認めています。
しかし彼らは、3年以内に自由にドッグレースができます。





(参考記事)

安井美沙子元参議院議員の「日本の犬猫の殺処分数は諸外国と比較して格段に多い」との狂気発言~オーストラリアは年間1万7,000頭のレースドッグを殺処分している。その数だけで日本の犬殺処分数より多い

ティアハイムに対する補助金を75%に引き上げたドイツの州






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(Zusammenfassung)
Das Land Schleswig-Holstein gewährt Tierheim einen Zuschuss von bis zu 75%.


 記事、
3分の1のティアハイムが破産に直面しているドイツ、バイエルン州
運営費の50%が補助金漬けのドイツのティアハイム
の続きです。
 昨年2018年に、ティアハイムに対する補助金率の上限を75%にまで引き上げたドイツの州があります。シュレースヴィッヒーホルシュタイン州です。これは設備投資に対する補助金ですが、これとは別途に拾得動物の飼育費が自治体から、1カ月程度の期間公費が支給されます。ティアハイムの経営危機が背景にあることが大きな理由ですが、ドイツのティアハイムはまさに「補助金漬け」の状態にあるといっても過言ではないでしょう。



 サマリーで示した、「ティアハイムの設備投資に対する補助金率を75%にまで引き上げたシュレースヴィッヒーホルシュタイン州」ですが、そのHPから引用します。 
 Tierheimförderung 「ティアハイムの促進」 2019年10月19日アクセス


Das Land gewährt seit Juli 2018 Zuwendungen zur Unterstützung der Leistungen des ehrenamtlichen Tierschutzes für Tierheime und tierheimähnliche Einrichtungen.
Die Aufbewahrung von Fundtieren obliegt nach dem Fundrecht zwar den Kommunen, allerdings kann nicht jede kommunale Ordnungsbehörde ein eigenes Tierheim unterhalten.
Daher haben die Tierschutzvereine diese Aufgabe übernommen.
Das Land hat ebenfalls ein Interesse an der Einrichtung leistungsfähiger Tierheime und gewährt als Anerkennung und zur Unterstützung dieser Leistungen Finanzhilfen.
Folgende Maßnahmen werden gefördert:
1 . Errichtung und Erweiterung von Tierheimen und ähnlichen Einrichtungen.
2. Neu-, Aus- und Umbau von Gebäuden im Zusammenhang mit 2.1.
3. Erwerb von Gebäuden im Zusammenhang mit 2.1.
4. Ausstattung von Tierheimen und ähnlichen Einrichtungen (z.B. Zwinger, Käfige, Geräte)
5. Andere Maßnahmen zur Erhaltung der Funktionalität von Tierheimen oder ähnlichen Einrichtungen.
6. Außerdem können bei Vorliegen einer besonderen Begründung gefördert werden: Der Erwerb von Fahrzeugen und deren Zubehör (z.B. Anhänger) zum Transport von Tieren.
Als Zuwendungsempfänger im Sinne dieser Richtlinien kommen nur juristische Personen des privaten Rechts in Betracht, die vorwiegend Belange des Tierschutzes verfolgen und im Besitz einer Erlaubnis nach § 11 Abs. 1 Ziffer 3 Tierschutzgesetz sind.
Die Zuwendung wird im Wege der Projektförderung als Anteilfinanzierung bereitgestellt und als nicht rückzahlbarer Zuschuss bewilligt.
Sie darf 75 Prozent der zuwendungsfähigen Gesamtausgaben und die Summe von 25.000 Euro pro Maßnahme nicht übersteigen, wobei im laufenden Haushaltsjahr maximal eine Maßnahme pro Zuwendungsempfänger gefördert wird.

シュレースヴィッヒーホルシュタイン州は2018年7月から、ティアハイムのようなボランティアの動物保護を行うティアハイム及びそれに類する施設に対して援助するための補助金を付与しています。
発見された動物(拾得動物)の収容は自治体の義務でありますが、すべての地方自治体が自ら動物保護施設(ティアハイム)を維持できるわけではありません。
したがって、動物保護協会がこの責務を受任しています。
州はまた、経営基盤の強いティアハイムの設置にも関心を持ちかつそれが必要と認識しており、ティアハイムが提供する役務を援助するために財政的補助を付与します。
以下の対策について補助があります
1、ティアハイムおよび同様の施設の建設および増築。
2、2-新築及び2-1に関連した建物の改築または建て替え。
3、2-1に関連した建物の購入。
4、ティアハイムおよび同様の施設の設備(犬小屋、ケージ、その他の設備など)
5、ティアハイムまたは同様の施設の機能を維持するためのその他の機器。
6、また特別な理由がある場合は、動物の輸送用の自動車とその付属品(トレーラーなど)の購入が勧められる場合があります。
これらの行政命令が意味する範囲内の受益者は、主として動物保護の問題にかかわる、動物保護法(Tierschutzgesetz)11条1項及び3項に基づき認可を受けた私法上の法人のみです。
補助金は、上記の各計画の資金調達の一環として提供され、返済不要の補助金として提供されます。
対象となる補助金は総支出の75%を超えることはできず、1案件につき合計25,000ユーロを上限とし、1会計年度につき1受益者ごとに最大1案件です。



 シュレースヴィッヒーホルシュタイン州による、ティアハイムに対する設備投資への75%までの補助金ですが、それとは別途に各自治体から、約1カ月程度の期間、拾得動物の飼育費が支給されます。まさにドイツのティアハイムは「補助金漬け」の状態に突入したといっても過言ではないかもしれません。背景には、東欧諸国のEU加盟により、ドイツに安価な純血種の犬が大量に輸入されるようになったことがあります。
 ティアハイムが販売する犬は不人気の雑種の中大型犬で、さらに危険犬種が多いのです。その上成犬老犬が主です。しかもかなりの高額です。350~400ユーロ程度はします。対して東欧から輸入される犬は200ユーロ台からあり、人気の小型犬の純血種で子犬が販売されています。ティアハイムの犬販売が不振になるのはやむを得ないでしょう。また犬が安価になったことでたやすく購入する飼い主が増え、犬などのペットの遺棄が増え、ティアハイムの収容動物が増加傾向と言うこともティアハイムの経営不振の原因です。
 ティアハイムへの補助金の増額は、いわば対症療法です。犬などのペット市場の構造変化に根本的にドイツ政府はどのように立ち向かうのでしょうか。私は今後も注目していきたいと思います。


(画像)

 シェルターへの補助金や公営シェルターがうまくいかない理由 2016年7月10日 のHN、「はらぺこプリマス@Plymouth760 」さんのツィート(https://twitter.com/MrB97835586/status/751610501776322562
)のスクリーンショット。「自分たちでちょっとでもドイツのティアハイムについて調べてみたのだろうか?」と言う、はらぺこプリマスさんの、上から目線は痛い限りです。引用した記事は、ニセドイツ獣医師の京子アルシャー氏による、時事ドットコムによるデタラメ記事ですし。
 海外の事例を参考にして、日本の施策を論じることは否定しません。しかし正確な情報であることが必須です。はらぺこプリマスさんは、ドイツの原典を確認してから、まとめサイトを立ち上げるべきでした。前提となる情報が間違っていれば、ボタンの掛け違いで、その後の議論はすべてが無意味になりますので。なお私は、日本が安易に保護団体に公費を支給することは反対です。
 蛇足ですが「日本で年間10万匹の犬が捨てられる」とあります。しかし、「ドイツでは年間50万頭のペットが捨てられる」と言う推計があります。

ツイッターキャプチャ ティアハイム


(参考資料)

動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

 全てにおいて誤り、嘘、偏向で埋め尽くされ、ティアハイムに関する記述のみならず、正確な記述がほぼないという、とんでもない資料です。一般読者を対象としたマスメディアの記事のみならず、公的機関がシンクタンクに依頼して作成した資料でもこの有様です。まさに日本の動物愛護は暗黒です。

ティアハイムの運営許可飼育管理に関する監督責任は各自治体が持っており、ティアハイムの予算の一部を負担しているところもある(この記述ですと「ティアハイムの予算を一部負担している自治体は例外」と言う意味になります。ティアハイムの飼育費の補助等を予算計上していないドイツの自治体は、皆無でしょう)。(13ページ)。
ティアハイムは民間の寄付や遺贈により運営されている(この記述では、「全額が民間の寄付や遺贈」という意味になります)。
財政的に動物保護連盟や自治体から支援を受けているところもある(この記述ですと、「自治体から財政支援を受けているティアハイムは例外であるという意味になり誤りです)。(16ページ)。



(参考記事)

「ティアハイムは寄付により運営されている」は偏向~三菱UFJリサーチ&コンサルティング
寄付金収入の割合が20%のドイツのティアハイム~三菱リサーチ三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデタラメ

運営費の50%が補助金漬けのドイツのティアハイム






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(Zusammenfassung)
50 Prozent der Gesamtkosten für den Betrieb wünscht sich der Tierheim vorstand künftig von Stadt und Städteregion.


 記事、3分の1のティアハイムが破産に直面しているドイツ、バイエルン州、の続きです。
 日本では、ドイツのティアハイム(動物保護施設)に関する正確な情報はほぼありません。「運営費はすべて民間の寄付による。公的な補助は一切受けていない」もその一つです。ティアハイムは拾得動物の収容と管理が法的に義務付けられており、自治体から飼育費用が補助されます。また設備投資とその維持費などに最大75%の補助金が支払われる州もあります。認可を受けたティアハイムで自治体からの業務受託を行っていないところはありませんので、100%のティアハイムが公的補助を受けています。さらに近年のティアハイムの経営悪化により、ティアハイムの統括団体でるドイツ動物保護連盟は一貫して補助金の引き上げを求めています。経営不振のティアハイムには、運営費の50%超の補助率もあり得ます。



 サマリーで示した、「経営不振のティアハムに対しては50%以上の公的資金の補助率もありうる」ことを示す、ドイツのニュースソースから引用します。
 最初の記事は、経営不振の、ノルトラインーヴェストファーレン州の最大手の一角のティアハイムの補助金率を50パーセントに引き上げるであろうというニュースです。次のニュースは、経営不振で廃業し閉鎖に直面しているティアハイムがあることに備え、バイエルン州政府が補助金を出捐して、新しいアハイムを建設する意向を示しているというニュースです。補助率は50%以上もありうるだろうということです。


Aachens Tierheim darf nicht vor die Hunde gehen. 「アーヘンのティアハイムは犬の引取はしません」 2019年2月14日

Auf 1,1 Millionen Euro pro Jahr sind die Betriebskosten für das Aachener Tierheim am Feldchen explodiert.
Das sind etliche Hunderttausend Euro mehr als noch vor wenigen Jahren.
Allen Spenden und Erbschaften zum Trotz. Es reicht nicht.
Denn auf den rund 5000 Quadratmetern, auf den die Auffangstationen für Hunde, Katzen, Vögel und andere Artgenossen – außer Großnutztiere und Exoten – untergebracht sind, ist von Jahr zu Jahr mehr los.
Die Aachener Einrichtung zählt damit zu den größten der 78 Tierheime Nordrhein-Westfalens.
Gerade im Eschweiler Raum, am Blausteinsee und an Autobahnraststätten, aber auch im grenznahen Aachener Gebiet werden laut Vierthaler besonders viele herrenlose Tiere aufgelesen.
50 Prozent der Gesamtkosten für den Betrieb wünscht sich der Vorstand künftig von Stadt und Städteregion.

年間110万ユーロにまで、フェルトチェンのティアハイム・アーヘンの運営費は爆発的に増加しました。
それは数年前よりも数十万ユーロも多いです。
寄付と遺贈があるにもかかわらず、運営費は十分ではありません。
犬、猫、鳥、その他の動物が収容されている約5000㎡の保護ステーションには、大型の使役動物や外来種を除き、収容動物は年々増え続けています。
アーヘンの施設は、ノルトラインヴェストファーレン州にある78のティアハイムのうち、最大の施設の1つです。
特に、エシュヴァイラー地域、ブラウシュタインゼー地域、高速道路のサービスエリアだけでなく、国境に近いアーヘン地域でも、フィーアターラー氏(ティアハイム関係者)によれば、多くの捨てられた動物が拾得されています。
ティアハイムの役員会は、将来市と地域自治体に、ティアハイムの総運営費用の50%の負担を希望しています。


Tierheim endlich auf einem guten Weg 「ティアハイムにとってやっと良い方法がありました」 2018年12月28日

Das Kitzinger Tierheim könnte von heute auf morgen zugesperrt werden.
Wegen Einsturzgefahr.
Dass das Tierheim von heute auf morgen schließen müsste,
stand nun nicht mehr zur Debatte.
Der Freistaat hat wohl vor, sich künftig beim Bau von Tierheimen mit einer staatlichen Förderung zu beteiligen.
Scheinbar sind bis zu 50 Prozent möglich.

キッツィンガー・ティアハイムは、いつでもその日の朝から閉鎖される可能性があります。
経営破綻の危険があるためです。
ティアハイムがいつでも閉鎖される可能性があるという事実は、もはや議論の余地がありませんでした。
バイエルン自由州は、将来的に州の支援によりティアハイムの建設に参加することを計画しています。
おそらく(補助金は)、最大50%までありえます。



 「日本では、ドイツのティアハイムに関しては、ほぼ正しい情報がない」ことを前回記事でも述べました。前回記事に続いて、シェルターへの補助金や公営シェルターがうまくいかない理由 2016年7月10日 を引用します。
 この「Twitterのまとめサイト」は、「ドイツのティアハイムでは補助金なしでうまくやっている。だから日本での動物保護施設に補助金支給に反対」という趣旨のようです。しかし引用しているツイッターの、「ドイツにはティアハイムが5,000あり(真実は500あまりです)」などと言うデタラメ記述も痛いです。


(画像)

 シェルターへの補助金や公営シェルターがうまくいかない理由 2016年7月10日 から

 「国からの補助もドイツのティアハイムはなくなったか削られたかして、運営に行き詰まって閉鎖してるシェルター(ティアハイム)も沢山あるんだよね」。
 ドイツのティアハイムは以前から相当率の公的補助があり、行政から収容と管理を委託された動物に関しては、1カ月程度を上限とする飼育費の支給(自治体により幅がある)が行われていました。2008年に東欧諸国がEUに加盟し、人、モノ、カネの移動が自由になり、一気に安価な東欧産の犬がドイツに輸入されるようになりました。それが原因でティアハイムの保護犬販売が不振になり、経営が悪化したのです。そのために、相次いでドイツの連邦州は、ティアハイムに対する公的補助の増額を実施し、さらなる増額を予定している州もあります。シュレースヴィッヒーホルシュタイン州は、昨年設備投資に対する補助率を75%まで引き上げることを公表しました。それには経常的な、「飼育費の公費支給」は含まれていません。それを含めれば、まさに「ティアハイムは補助金漬け」といっても過言ではありません。

1ティアハイムキャプチャ toggeter


(参考資料)

動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

 全てにおいて誤り、嘘、偏向で埋め尽くされ、ティアハイムに関する記述のみならず、正確な記述がほぼないという、とんでもない資料です。一般読者を対象としたマスメディアの記事のみならず、公的機関がシンクタンクに依頼して作成した資料でもこの有様です。まさに日本の動物愛護は暗黒です。

ティアハイムの運営許可飼育管理に関する監督責任は各自治体が持っており、ティアハイムの予算の一部を負担しているところもある(この記述ですと「ティアハイムの予算を一部負担している自治体は例外」と言う意味になります。ティアハイムの飼育費の補助等を予算計上していないドイツの自治体は、皆無でしょう。つまり100%の自治体がティアハイムの予算の一部を負担しています)。(13ページ)。
ティアハイムは民間の寄付や遺贈により運営されている(この記述では、「全額(またはほぼすべて)が民間の寄付や遺贈」という意味になります)。
財政的に動物保護連盟や自治体から支援を受けているところもある(この記述ですと、「自治体から財政支援を受けているティアハイムは例外であるという意味になり誤りです。広義の補助金である、受託動物の飼育費は、100%のティアハイムが自治体から支給を受けています)。(16ページ)。



(参考記事)

「ティアハイムは寄付により運営されている」は偏向~三菱UFJリサーチ&コンサルティング
寄付金収入の割合が20%のドイツのティアハイム~三菱リサーチ三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデタラメ


(参考資料)

はらぺこプリマス@11/4音楽的偶像 

 にリプライしました。そのスクリーンショットです。前回記事公開時も、「はらぺこプリマス」さんのツィートに前回記事のリンクをリプライしましたが削除されました。「イギリスでは、2018年に6カ月未満の犬猫の販売を禁じた」の誤りに関しても指摘しましたが、削除されました。近くアクセス禁止になるでしょう。
 真実は、「2019年に下院に議案提出された段階で、成立は流動的である」です。またこの法律はイングランド法(イギリス=イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4カ国からなる連合国のうち、効力が及ぶのはイングランドとウェールズのみです)ですので、仮に可決成立しても、イングランドとウェールズしか効力が及びません。したがって「英国(=イギリス)では」とするのも誤りです。

 まとめサイトの信ぴょう性は極めて低いです。以前も「ドイツでは犬猫の狩猟駆除があるから公的殺処分(行政が行う殺処分)がない」という、まとめサイトが検索上位に上がりました。真実は、ドイツでは狂犬病規則や禁止犬種法による禁止犬種の行政による強制殺処分、通関法での検疫不備の犬猫などの押収と強制殺処分などの公的殺処分が法律で規定され、相当数あります。ソーシャルメディア、特にTwitterは字数制限などから他に比べて信ぴょう性が低いと感じます。これらのメディアの信ぴょう性ですが、管理人の対応でも判断できるでしょう。
 疑義に対してきちんと対応しているか。つまりその情報が正しいとするのならば、他にもそれを裏付ける情報を示すなどの対応とするかどうかです。また、明らかに誤りがあれば謝罪して訂正する潔さも必要です。

はらぺこプリマス2

3分の1のティアハイムが破産に直面しているドイツ、バイエルン州






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(Zusammenfassung)
Im Landtag zerschellte Ende Juni der „Aktionsplan zur Gewährleistung des Tierschutzes in Bayern“ an der CSU-Mehrheit.
Dabei fehlen den bayerischen Tierheimen 65 Millionen Euro für dringende Investitionen.
Jedes dritte Tierheim steht vor der Insolvenz.


 日本では、ドイツのティアハイム(動物保護施設)に関する正確な情報はほぼありません。「運営費はすべて民間の寄付による。公的な補助は一切受けていない」もその一つです。ティアハイムは拾得動物の収容と管理が法的に義務付けられており、自治体から飼育費が補助されます。また設備投資とその維持費などに最大75%の補助金が支払われる州もあります。認可を受けたティアハイムで自治体からの業務受託を行っていないところはありませんので、100%のティアハイムが公的資金を受けています。さらに近年のティアハイムの経営悪化により、ティアハイムの統括団体でるドイツ動物保護連盟は一貫して補助金の引き上げを求めています。バイエルン州では3分の1のティアハイムが倒産の危機に直面しています。


 前回記事、寄付金収入の割合が20%のドイツのティアハイム~三菱リサーチ三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデタラメ、で書いた通りですが、ティアハイムの統括団体であるドイツ動物保護連盟(Tierschutzbund.e.V)は、2010年に各ティアハイムの広範な補助金依存率の調査を行いした。その結果は、「ティアハイム1施設当たりの運営費に占める公的な補助金が占める割合は25%」でした。なおこの数字には、自治体から拾得動物の収容と管理を委託された動物の飼育費の補助金は含まれていません。その「広義の補助金」を含めれば、ドイツのティアハイムの運営費に占める補助金の比率は25%よりさらに高くなります。
 それにもかかわらず、現在ティアハイムは多くが経営危機に陥っており、ドイツ動物保護連盟の本部をはじめ、州の支部においてもさらなる補助金の増額を求めています。昨年はバイエルン州の動物保護連盟がバイエルン州に対して、ティアハイムの補助金の増額を求めました。バイエルン州では、3分の1のティアハイムが、倒産の危機に直面しています。
 Der Tierschutzverein Pfaffenhofen redet Tacheles 「動物保護協会のプファッヘンホッヘン氏はタへレス氏と会談する」 2018年7月13日 から引用します。


Finanznot in den Tierheimen
Dabei fehlen den bayerischen Tierheimen 65 Millionen Euro für dringende Investitionen.
Jedes dritte Tierheim steht vor der Insolvenz.
Viele Tierschutzvereine kämpfen Jahr für Jahr ums Überleben.
Viele Menschen wissen nicht, dass die Zuständigkeit für Fundtiere bei den Kommunen liegt.
Durchschnittlich sind die Tierheime zu rund 80 Prozent mit Fund- und beschlagnahmten Tieren belegt, für deren Unterhalt eigentlich die Kommunen zuständig sind.
Aber nur etwa 25 Prozent der hierdurch anfallenden Kosten werden von ihnen tatsächlich erstattet.
Nicht von ungefähr seht ein Drittel der Tierheime vor der Insolvenz.
Die Unterstützung der über 80 Tierheime in Bayern ist die vordringlichste Aufgabe.
Immerhin gewähren fast alle Bundesländer den Heimen Zuschüsse, damit diese ihre Aufgaben wahrnehmen können.
Eines der reichsten Bundesländern, der Freistaat, hält sich vornehm zurück.

ティアハイムの経済的困窮
バイエルン州のティアハイムでは、緊急投資のために6500万ユーロが不足しています。
3分の1ティアハイムは、ほぼ倒産に直面しています。
多くの動物保護団体は、毎年存続するために苦労しています。
多くの人々は、拾得された動物に対する責任が地方政府にあることを知りません。
平均するとティアハイムでは、拾得されたり、押収された動物(註 禁止犬種の押収など)が80%を占めており、市が実際に飼育する責任を負っています。
しかし実際に発生する費用の約25%だけが、実際に補助金として支払われます(註 なおこの数値は、ドイツ動物保護連盟が2010年に調査した数値と思われます。なおこの数字には、自治体から支払われる飼育費は含まれません。それを含めれば、公的助成比率はさらに高くなります)。
ティアハイムの3分の1が、倒産に直面しているのは偶然ではありません。
バイエルン州の80を超えるティアハイムの公的支援は、最も緊急の課題です。
実際にほとんどすべてのドイツの州は、政府が義務を果たすことができるように、ティアハイムに補助金を支給します。
最も豊かである州(註 バイエルン州はドイツの中では最も州民の所得水準が高く財政状態も良い)の一つである自由州バイエルン政府は、気位高く(ティアハイムへの補助金増額を)抑制します。



 日本では、ドイツのティアハイム(動物保護施設)に関する正確な情報がほぼありません。ティアハイムの運営資金の割合についてもです。日本では「ティアハイムはすべてを民間の寄付金により運営されており、公的補助は一切ない」としている情報が流布されています。しかしそれはデマです。
 一例として、シェルターへの補助金や公営シェルターがうまくいかない理由 2016年7月10日 を挙げます。この「Twitterのまとめサイト」は、「ドイツのティアハイムでは補助金なしでうまくやっている。だから日本での動物保護施設に補助金支給に反対」という趣旨のようです。しかし引用しているツイッターの「ドイツにはティアハイムが5,000あり(真実は500あまりです)」などと言うデタラメ記述もあり、痛いです。


はらぺこプリマス @Plymouth760
こういう、三宅洋平ら国会議員の「シェルター作ります」「シェルターに補助金つけます」を支持する人たち、自分たちでちょっとでもドイツのティアハイムについて調べてみたのだろうか? twitter.com/akion189/statu…



(画像)
 
 上記のHN、「はらぺこプリマス@Plymouth760 」さんのツィート(https://twitter.com/MrB97835586/status/751610501776322562
)のスクリーンショット。「自分たちでちょっとでもドイツのティアハイムについて調べてみたのだろうか?」と言う、はらぺこプリマスさんの、上から目線は痛い限りです。引用した記事は、ニセドイツ獣医師の京子アルシャー氏による、時事ドットコムによるデタラメ記事ですし。

2ツイッター キャプチャ


 なお現在、ドイツのティアハイムでは、運営費に占める公的補助金の割合が50%のティアハムもあります。またシュレースヴィッヒーホルシュタイン州では、昨年ティアハイムへの設備投資などへの補助金率を75%にまで引き上げました。シュレースヴィッヒーホルシュタイン州の自治体は、それとは別に行政から受託した動物の収容については、30日程度の飼育費が支給されます。まさに「補助金漬け」です。これらについては、次回以降の記事で取り上げます。
 なお私は、日本での動物保護施設への補助金の支給は今のところ否定的な考えです。なぜならば、資金の使途の適正化を担保するための法整備がまだ整っていないからです。現状のまま公的資金を投入すれば、不正の温床になりかねませんし、動物福祉にも寄与しません。その点は誤解なさらぬよう。むしろ、はらぺこプリマスさんの主張に同意します。願わくば、個人のネットワーカーであっても、原典を調べて正確な情報を入手した上で情報発信していただきたい。


(参考資料)

動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

 全てにおいて誤り、嘘、偏向で埋め尽くされ、ティアハイムに関する記述のみならず、正確な記述がほぼないという、とんでもない資料です。一般読者を対象としたマスメディアの記事のみならず、公的機関がシンクタンクに依頼して作成した資料でもこの有様です。まさに日本の動物愛護は暗黒です。

ティアハイムの運営許可飼育管理に関する監督責任は各自治体が持っており、ティアハイムの予算の一部を負担しているところもある(この記述ですと「ティアハイムの予算を一部負担している自治体は例外」と言う意味になります。ティアハイムの飼育費の補助等を予算計上していないドイツの自治体は、皆無でしょう。つまり100%の自治体がティアハイムの予算の一部を負担しています)。(13ページ)。
ティアハイムは民間の寄付や遺贈により運営されている(この記述では、「全額(またはほぼすべて)が民間の寄付や遺贈」という意味になります)。
財政的に動物保護連盟や自治体から支援を受けているところもある(この記述ですと、「自治体から財政支援を受けているティアハイムは例外であるという意味になり誤りです。広義の補助金である、受託動物の飼育費は、100%のティアハイムが自治体から支給を受けています)。(16ページ)。



(参考記事)

「ティアハイムは寄付により運営されている」は偏向~三菱UFJリサーチ&コンサルティング
寄付金収入の割合が20%のドイツのティアハイム~三菱リサーチ三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデタラメ

「野良猫の多い国は子供が少ない」と言う東大教授のトンデモ理論(笑)






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Domestic/inländisch

 「野良猫が多い国は子どもが少ない、独居高齢者がいない(みんな施設へ)、核家族である」というという、トンデモ理論を公表している方がいます。東京大学教授の、小野塚知二氏(経済学)です。しかし何ら出典を示していません。多くの統計や推計値と確認したところ、全く小野塚知二教授の理論を裏付ける結果とはなりませんでした。

 
 サマリーで示した小野塚知二教授の、「野良猫が多い国は子供が少ない、独居高齢者がいなくて核家族である(つまり相対的に「野良猫のない国は子供が多い。独居高齢者が少なくて核家族化が進んでいない)」という理論ですが、結論から言えば荒唐無稽、まさにデタラメもいいところです、何ら根拠はありません。この理論ですが、いくつかのソースがあります。以下に引用します。


野良猫のいる社会といない社会 | 広報誌「淡青」37号より(東京大学) 2018年12月4日 

世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない。
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。

「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、約半世紀で野良猫は消滅した。


山口大学の「山大ニャンコ大作戦勉強会」講演会 2019年10月7日

山口大学の「山大ニャンコ大作戦勉強会」
東京大学の小野塚先生の話は、大変面白い視点からの話でした。
ノラ猫のいる社会といない社会で、きれいに世界は二分できるとのこと。
イギリス、ドイツ、スイス、オーストリアは居ない国で、日本、韓国、トルコ、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル、クロアチアは居ない国
なのです。
特にノラ猫がいない国は、独居高齢者がいない(みんな施設へ)、核家族、子供が多い等の社会性格がみられる。



(画像)

 山口大学の「山大ニャンコ大作戦勉強会」のポスター

小野塚知二


(画像)

 Face Book 山口大学の「山大ニャンコ大作戦勉強会」講演会 2019年10月7日

黒澤泰


 小野塚知二教授の、「野良猫が多い国は子供が少ない、独居高齢者がいなくて核家族である(つまり相対的に「野良猫のない国は子供が多い。独居高齢者が少なくて核家族化が進んでいない」と言うことになります)」という理論ですが、それを導くためには次の1、2、3正確な統計資料が必要です。そのうえで、統計処理を行い、「各国の野良猫の人口当たりの数」と、「各国の人口に占める子供の比率」、「各国の人口に占める独居老人比率」、「各国の平均世帯人員」と相関性があるかどうかを調べる必要があります。
1、各国の子供(15歳未満)人口の比率
2、各国の全人口に占める独居老人比率と1世帯当たりの平均人員
3、各国の野良猫の数を求め、さらに人口比を求める(1万人当たりの野良猫数など)



 まず「1、」ですが、「野良猫のない国」のグループと、「野良猫が多い国」のグループの15歳未満の子供の割合を示します(出典 世界各国の子供・成人・高齢者比率をグラフ化してみる(2017年)(最新))。
 子供が少ないはずの、「野良猫が多い国」であるトルコは子供の人口比率は25.7%で、両グループを通じても突出して子供の数が多いことが分かります。対して子供が多いはずである、「野良猫がない国」であるドイツは、子供の人口比率が12.9%で、両グループを通じても極めて低いことが分かります。一見して「野良猫の数」と、「子供の数」は、相関性がないことが分かります。

・野良猫がない国(つまり小野塚教授によれば「子供が多い国」と言うことです)の、15歳未満人口の比率
イギリス      17.8%
ドイツ        12.9%
オーストリア    14.2%

・野良猫が多い国(つまり小野塚教授によれば子共が少ない国」ということです)の、15歳未満人口の比率
日本        12.6%
韓国        14.0%
トルコ       25.7%
ギリシャ      14.6%
イタリア      13.7%
スペイン     14.9%  


 さらに小野塚教授は、決定的な誤りを犯しています。「野良猫の数が多い国」、「野良猫がない国」の分類です。比較しようにも、日本には野良猫数の信頼できる推計値の資料がありません。
 唯一比較的信頼できる推計値としては、かつて日本ペットフード工業会が2008年まで、日本の野良猫の推計値を公表していました。それによると、2008年の日本の野良猫の数は約280万匹です。この統計資料は2008年に、過去にさかのぼって削除されています。私は過去この数字を何度か引用しています。日本の公的殺処分の約3倍(人口比)の猫を狩猟駆除しているオランダ~「オランダは殺処分ゼロ」の大嘘、などです。

 やむを得ずこの日本ペットフード工業会の、「日本の野良猫の推計値280万匹」と用いることとします。この数値に従えば、「日本の野良猫の数は1万人あたり222匹」となります。(*1)
 以下に、小野塚教授が「野良猫のない国」としているドイツ、スイス、イギリスの、人口1万人あたりの野良猫数を求めることとします。これらの数値によれば、小野塚教授が言う、「ドイツ、スイス、イギリスは野良猫がない国、対して日本は野良猫が多い国」という前提自体崩れることとなります。小野塚教授は「野良猫の多い国日本」としていますが、ドイツ、スイス、イギリスに人口比で比べれば、いずれも野良猫が少ないのです。特にイギリスは突出して野良猫が多い国です。


ドイツ

 ドイツには250万匹の野良猫が生息しているとされています。複数の資料と学術調査があります。それによれば、「ドイツの人口1万人当たりの野良猫の数」は301匹になります。この数は、日本の1.4倍になります(Deutscher Jagdverband befürwortet Steuer für Katzen 2017年1月23日)。

・スイス

 スイスは約30万匹の野良猫がいるとされています。人口1万人当たりの野良猫の数は、356万匹です。この数は日本の1.6倍です(«Über 100'000 tote Kätzchen pro Jahr» – nun fordert Petition Kastrationspflicht 2017年8月2日)。

・イギリス

 イギリスでは900万匹の野良猫がいるとされ、人口1万人あたり1500匹の野良猫がいます。この数は、日本の6.8倍と言う、とんでもない多さです(Stray Cats Abandoned or feral cats)。


 小野塚知二教授の、東京大学の論説、野良猫のいる社会といない社会 | 広報誌「淡青」37号よりと、山口大学における講演会、山口大学の「山大ニャンコ大作戦勉強会」講演会のいずれもが、「野良猫が多い国は子どもが少ない、独居高齢者がいない(みんな施設へ)、核家族である」というという、理論を導くための前提となる、1、各国の子供(15歳未満)人口の比率 2、各国の全人口に占める独居老人比率と1世帯当たりの平均人員 3、各国の野良猫の数を求め、さらに人口比を求める(1万人当たりの野良猫数など)、の統計資料等の出典を示していません。
 小野塚知二教授は御専門が経済学とのことですが、理論を導くための統計を全く用いないのでしょうか。全く思い込みだけのデタラメを東京大学の広報誌に論説を書き、講演会を行うとは。東京大学の痴性がこの程度だったとは驚きです、日本の知力の劣化がこれほどまで低下しているとは。またこのような噴飯理論で疑問すら感じない、衆愚読者や聴衆にも大変不安を感じます、小野塚教授は認知症を発症しているのでしょうか。それとも日本の動物愛護(誤)家が無知無学無能であることに乗じて、調べもせずに彼らが喜ぶ事を書いたり言えば金にでもなると見下しているのでしょうか。山口大学の知能の劣化も相当ひどいようですし。日本の動物愛護にとっても由々しき問題です。


(参考資料)

猫をとりまく諸問題を多面的に考える 環境省動物愛護管理室 長田 啓

 私は本記事で、「日本の野良猫の数」を、かつて日本ペットフード工業会(一般社団法人ペットフード協会)が2008年まで推計値を出していて、2008年の280万匹を「日本野良猫数」としました。しかし平成30年に、一般社団法人ペットフード協会が「世帯数あたりの給餌をしている外猫(飼い猫ではない)の数」を公表しています。それに基づいて環境省が「日本の野良猫の数は820万匹と言う推計値を出しています。今後は私も、「日本野良猫数は820万匹」との推計値を用います。ただしこの数値は、「外猫に餌をやっている世帯数×給餌されている猫」に基づいています。つまり複数の給餌者から給餌されている猫が重複されている数値です。さらに給餌を受けていない「ノネコ」は除外されます。あくまでも参考値です。
 それにしても2008年の日本の野良猫の推計値が280万匹で、10年で3倍近くにまで増えるのは異常です。この期間は、環境省が地域猫を推進し、殺処分ゼロ運動が活発化した時期と重なります。

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寄付金収入の割合が20%のドイツのティアハイム~三菱リサーチ三菱UFJリサーチ&コンサルティングのデタラメ






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(Zusammenfassung)
Tierheim Berlin, 2018 gab es vom Land Berlin erstmals einen Zuschuss in Höhe von 314 000 Euro.
In diesem Jahr gibt es 312 000 Euro.


 日本では、ドイツのティアハイム(動物保護施設)に関する正確な情報はほぼありません。「運営費はすべて民間の寄付による。公的な補助は一切受けていない」もその一つです。ティアハイムは拾得動物の収容と管理が法的に義務付けられており、自治体から飼育費用が補助されます。また設備投資とその維持費などに最大75%の補助金が支払われる州もあります。認可を受けたティアハイムで自治体からの業務受託を行っていないところはありませんので、100%のティアハイムが公的補助を受けています。また高額な「老犬老猫ホーム」、「ペットホテル」、「ペット葬祭」、「保護動物の販売」などなどの営利事業も収入の大きな柱です。


 前回記事、「ティアハイムは寄付により運営されている」は偏向~三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、ドイツのティアハイムは寄付金以外にも公的補助や営利事業も収益の柱であることを述べました。日本で「運営予算はすべて民間からの寄付で賄っている」と喧伝されているティアハイム・ベルリンにおいても、相当額の公費が支払われている事を書きました。今回は、「民間からの寄付金が、総予算の20パーセントにすぎない」ティアハイムの具体例を挙げます。
 Tierheim steht vor der Insolvenz 「ティアハイムは破産に直面しています」 2016年6月21日 から引用します


Das Tierheim Homburg kämpft um seine Existenz.
Die Kommunen sollen sich stärker finanziell beteiligen.
Da aber nach derzeitigem Stand 40 000 Euro jährlich fehlen, droht der Einrichtung das Aus.
300 000 Euro brauche das Tierheim durchschnittlich pro Jahr, Tendenz steigend.
Zähle man jedoch zusammen, was durch Einnahmen, Zuschüsse und Patenschaften zusammenkomme, erreiche man gerade einmal 260 000 Euro.
Geld bekommt das Tierheim aus verschiedenen Quellen.
Da sind zum einen die Spenden, 2015 seien auf diese Weise 61 200 Euro zusammengekommen.

Von den umliegenden Kommunen und dem Saarpfalz-Kreis wird das Tierheim ebenfalls finanziell unterstützt.
Grundsätzlich sind die Städte und Gemeinden nämlich gesetzlich dazu verpflichtet, sich um die Unterbringung von Fundtieren zu kümmern.
Sie tun dies in der Regel nicht selbst, sondern geben diese Verantwortung an Tierschutzvereine und deren Tierheime ab.
Der Saarpfalz-Kreis, die Städte Homburg , Blieskastel und Bexbach sowie die Gemeinde Kirkel finanzieren eine Stelle im Tierheim Homburg.
Die Stadt Homburg bezahle normalerweise jährlich einen Mitgliedsbeitrag von 6000 Euro ans Tierheim plus einen Zuschuss von 10 000 Euro pro Jahr.
Zusätzlich werde für Tiere, die als gefunden gemeldet werden und deren Aufenthalt nachgewiesen werden könne, ein bestimmter Tagesbeitrag bezahlt.
Dies allerdings nur maximal 21 Tage lang.
Hin und wieder beteilige sich die Stadt an Kosten für die Tierarztbehandlung, das seien jährlich mal 1000, mal 1400 Euro . Insgesamt komme Homburg pro Jahr auf eine Summe von etwa 20 000 Euro für das Tierheim.

ティアハイム・ホンブルクは、事業の存続のために苦闘しています。
自治体はより以上の、財政支援をティアハイムに行うことが必要です。
しかし現在の状況においては、ホンブルク・ティアハイムは年間4万ユーロ予算が不足しているため、閉鎖の危機に脅かされています。
ティアハイム・ホンブルクは年間平均300,000ユーロ(約3570万円 1ユーロ=119円)必要であり、さらに必要経費は増加傾向です。
しかし事業収入、公的補助金、寄付金などを通じて集めた資金をまとめると、260,000ユーロしか得られません。
ティアハイムは多くの異なる資金源から収入を得ます。
その一つは寄付ですが、2015年には61,200ユーロがこの方法で調達されました。

周辺の複数の地方自治体とザールプファルツ地区から、ティアハイム・ホンブルクも財政的に支援されています。
基本的に市町村等の自治体は、拾得された動物(註 迷い動物、野良動物)を収容し管理する法的な義務があります。
原則として自治体自ら(法律上は州が権限を持ち、州が自治体に権限を委譲するケースが多い)行うのではなく、この責任を動物保護協会とティアハイムに委譲します。
ザールプファルツ地区、ホンブルク、ブリースカステル、ベックスバッハの各市、キルケルの各自治体は、ティアハイム・ホンブルクの事業に対して公的資金を援助しています。
ホンブルク市は通常、ティアハイム・ホンブルクに6000ユーロの使用料に加えて、年間10,000ユーロの補助金を支払います。
さらに拾得されたと報告され、その存在を証明できる動物については、一定額の日額の飼育費が支払われます。
これは最長で、21日間までです。
ホンブルク市はしばしば獣医師の治療費を援助しますし、これは毎年1000回になることもあり、時には1400ユーロになります。
総額でホンブルク市はティアハイムのために、年間約2万ユーロを支払っています。



 引用した上記の記事では、ティアハイムの総予算30万ユーロのうち、寄付金の収入は収入は6万1200万ユーロでした。つまり予算に占める寄付金収入の割合は、約20パーセントにすぎません。対して5つの周辺自治体が相当額の補助金を支給しています。そのうちの1つのホンブルク市は、年間約2万ユーロを実質的に支給しています。5つの自治体が、ホンブルク市と同額程度の補助金を支給していたと仮定するならば約10万ユーロとなり、民間からの寄付金よりはるかに多い額となります。
 年間収入が26万ユーロと言うことですので、寄付金6万1200ユーロと補助金10万ユーロ、そしてその他の収入(主に営利事業による収入)9万8800ユーロという内訳になります。例示したティアハイムは経営状態が悪く、さらなる自治体補助金支給が増額されると思われます。となれば、運営費に占める自治体からの補助金の比率はさらに高まることになります。

 例示したホンブルク・ティアハイムは経営状態が思わしくない施設ですが、ドイツのティアハイムは現在多くの施設で同様の状態です。若干古い2010年資料ですが、ドイツ動物保護連盟(Deutscher Tierschutzbund e.V)の声明では、「ティアハイムの経営状態が思わしくなく、さらなる自治体からの公的な財政支援を求める」としています。
 現在は2010年当時より、さらにティアハイムの経営状態が悪化しています。倒産も相次いでいます。2010年当時で、ティアハイムの運営費に占める、平均補助金の割合は25%でした。現在では寄付金離れが言われていますし、それより比率が上がっているのは間違いないでしょう。
 Rettet die Tierheime! 「ティアハイムを助けて!」 ドイツ動物保護連盟(Deutscher Tierschutzbund e.V)から引用します。


Eine breit angelegte Umfrage hat nun ergeben, dass die Kommunen durchschnittlich 25 Prozent der im Tierheim anfallenden Kosten übernehmen.
Die Tierheime sind dadurch in ihrer Existenz akut gefährdet.
Knapp 50 Prozent stehen vor der Insolvenz, wenn die Spenden weiter einbrechen.
Brauchen die mehr als 750 Tierschutzvereine mit über 500 vereinseigenen Tierheimen, die dem Deutschen Tierschutzbund angeschlossen sind, mehr finanzielle Unterstützung der Kommunen.

現在広範な調査により、平均で自治体はティアハイムで発生した費用の25%(註 一施設当たりの平均。拾得動物の飼育補助金は含まれません。それを加えれば、自治体からの補助金さらに増えます)を支給していることが明らかになっています。
ティアハイムは、その存続において深刻な危機にさらされています。
ティアハイムは寄付が減少し続けると、ほぼ50パーセントが破産に直面します。
ドイツ動物保護連盟に所属する、500のティアハイムを有する750を超える動物保護協会には、自治体によるさらなる財政支援の増額が必要です。



 前回記事に続いて、再び動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、本報告書と記述する)ですが、明らかに誤りと言ってよい記述があります。「ドイツのティハイムはほぼ全額を民間からの寄付金による。公的補助は経営危機で特殊なケースのみ行われる」と理解できる記述を引用します。


ティアハイムの運営許可飼育管理に関する監督責任は各自治体が持っており、ティアハイムの予算の一部を負担しているところもある(この記述ですと「ティアハイムの予算を一部負担している自治体は例外」と言う意味になります。ティアハイムの飼育費の補助等を予算計上していないドイツの自治体は、皆無でしょう)。(13ページ)。
ティアハイムは民間の寄付や遺贈により運営されている(この記述では、「全額が民間の寄付や遺贈」という意味になります)。
財政的に動物保護連盟や自治体から支援を受けているところもある(この記述ですと、「自治体から財政支援を受けているティアハイムは例外であるという意味になり誤りです)。(16ページ)。



 この記述は「デタラメ」と断言します。本報告書の作成者は、ティアハイムの運営の実態や、組織形態、法律による規定や自治体との関係など全く理解していません。本報告書は、日本で流布されている誤ったティアハイムに関する情報と、作成者の妄想により作文されたものです。誤りは、ティアハイムに関する記述に限ったものではありませんが。
 本報告書の作成者は、ティアハイムを調べるには必須の資料、例えばドイツ動物保護連盟の「ティアハイム運営指針」や、各州のティアハイムに関する法令、動物保護連盟のティアハイムに関する統計資料など一切目を通していません。これらの資料に全く反する嘘が、堂々と記述されているからです。


(動画)

 10.10.2019 - Nach drohender Insolvenz: Tierheimfest in Neuwied gefeiert 10.10.2019-破産の危機が差し迫っているのに:ノイヴィート・ティアハイムで行われた動物祭り 2019年10月10日
 ドイツでは、多くのティアハイムが破産の危機に直面しています。実際に破産した施設も多数あります。シュツットガルト・ティアハイムのように旧経営陣が引責辞任し、法人を解散、ほぼ全額を市が出資して新法人を設立し、同名で存続させたケースもいくつかあります。この件について私は「シュツットガルト・ティアハイムの破綻」と記事にしましたが、「ちゃんとシュツットガルト・ティアハイムは存続している。さんかくたまごはデタラメだ」と拡散されました。例えばJALは会社更生法が適用になり、法人は解散していません。それでも「破綻」と報道されています。愛誤のバカぶりには相手できない。




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「ティアハイムは寄付により運営されている」は偏向~三菱UFJリサーチ&コンサルティング






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(Zusammenfassung)
Tierheim Berlin, 2018 gab es vom Land Berlin erstmals einen Zuschuss in Höhe von 314 000 Euro.
In diesem Jahr gibt es 312 000 Euro.


 日本では、ドイツのティアハイム(動物保護施設)に関する正確な情報はほぼありません。「運営費はすべて民間の寄付による。公的な補助は一切受けていない」もその一つです。ティアハイムは拾得動物の収容と管理が法的に義務付けられており、自治体から飼育費用が補助されます。また設備投資とその維持費に補助金などが支払われます。認可を受けたティアハイムで自治体からの業務受託を行っていないところはありませんので、100%のティアアイムが公的補助を受けています。また高額な「老犬老猫ホーム」、「ペットホテル」、「ペット葬祭」、「保護動物の販売」なども収入の大きな柱です。


 「(ドイツの)ティアハイムは運営費のすべてを民間の寄付金により調達しており、公的な補助金は一切受けていない」という、日本のデマ情報がまん延しています。その具体例をいくつか挙げます。


ドイツ最大の動物保護施設を訪ねて (時事ドットコム) 2013年

全て寄付で運営
年間予算の収入は、市民と企業からの寄付金で賄われている。
ベルリン在住の獣医師、アルシャー京子さんは「行政からの助成金は一切受けていない」と説明する。


平成 29 年度 訪独調査結果 (環境省資料)(なおこの資料は今回指摘した点以外においても、正確な記述がほぼないという妄想レベルの資料です。近く連載記事にまとめます。動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの誤りがあまりにも多いので、その指摘に時間がかかっているので遅れています)。

Tierheim Berlin
ティアハイム・ベルリンは市の補助金を一切受けていない。
(37ページ)


 上記の資料は、ティアハイム・ベルリン(Tierheim Berlin) に限った記述です。しかし日本では、このようなソースを基に「ドイツのティアハイムでは民間寄付のみで運営されており、公的な補助金は一切受けていない(もしくはほとんどない)」と言った情報がまん延しています。
 しかしそれは大嘘です。まずティアハイム・ベルリンですが、設備投資とその維持費だけで年間4000万円近くの補助金をベルリン州(ベルリン市。ベルリンは1州1市の特別市)から受けています。また州から拾得動物の収容管理を受託しており、べルリン州では30日間の飼育費が公費支出されます。その金額は年間~80万ユーロ(9000万円以上)程度です。拾得動物の飼育費を補助金(Zuschuss)と記述している資料もあり、それらを併せれば、アハイティアハイム・ベルリンは、年間で億単位の公費が支給されています。
 それを裏付ける、ドイツのメディアの記事がこちらです。Letzte Rettung Tierheim Berlin Ausgesetzt in den Sommerferien 「最後のよりどころ 夏季休暇に捨てられるペットたち」 2019年8月19日


2018 gab es vom Land Berlin erstmals einen Zuschuss in Höhe von 314 000 Euro.
In diesem Jahr gibt es 312 000 Euro.

2018年にベルリン州は、(ティアハイム・ベルリンに)314000ユーロ(3737万円 1ユーロ119円)の補助金支給を始めました。
今年(2019年)のティアハイム・ベルリンに対する補助金額は312000ユーロです。


 
 サマリーで記述した通り認可を受けたティアハイムは、自治体から拾得動物の収容と管理を受託することが、法律上義務となっています。そのための設備投資と維持費に補助金が支給されるのです。また飼育費の補助があります。飼育費の補助期間は30日~21日と自治体によって幅があります。例えばベルリン州では30日です。これを「自治体からの業務委託費」とするか、「補助金」とするかはドイツでも記述が分かれています。しかし明確に飼育費を「補助金(Zuschuss)」と、記述しているドイツの資料もあります。自治体の業務受託契約をしていないティアハイムは、ほぼゼロです。つまり、ほぼ100%のティアハイムが広義の補助金を受けています。いずれにしても先に引用した「時事ドットコム」の記事の記述は、「全て寄付で運営」としていますので、完全に誤りです。
 またティアハイムは、営利事業、つまり高額な「老犬老猫ホーム(日本での「ティアハイムは終生飼育する」の情報のからくりがこれ)」、「ペットホテル」、「不要ペットの引取や保護動物の再販売による利益」、「葬祭事業」、「セミナーやグッズ販売」なども収入の大きな柱です。

 ティアハイム・ベルリンは自立経営に最も成功した、ドイツのティアハイムの中では例外的な施設です。ですから比較的公的補助に頼ることが少ないです。そのようなティアハイムですら、公的補助金を受給しているのです。経営基盤が弱いドイツの大多数のティアハイムは、補助金に頼り事業を存続させているところが大多数です。また経営危機に陥るというほどではないにしても、広義の補助金(収容動物の飼育費)はほぼ100%ティアハイムが経常的に受給しています。先に述べた通り、自治体からの拾得動物の収容と管理を法律で義務付けられているからです。
 しかし私が連載で誤りを指摘している、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、本報告書と記述する)ですが、明らかに誤りと言ってよい記述があります。著しく「ドイツのティハイムはほぼ全額を民間からの寄付金で運営している。公的補助は経営危機で特殊なケースのみ行われる」と言う内容です。以下に引用します。


ティアハイムの運営許可飼育管理に関する監督責任は各自治体が持っており、ティアハイムの予算の一部を負担しているところもある(この記述ですと「ティアハイムの予算を一部負担している自治体は例外」と言う意味になります。ティアハイムの飼育費の補助等を予算計上していないドイツの自治体は、皆無でしょう)。(13ページ)。
ティアハイムは民間の寄付や遺贈により運営されている(この記述では、「全額が民間の寄付や遺贈」という意味になります)。
財政的に動物保護連盟や自治体から支援を受けているところもある(この記述ですと、「自治体から財政支援を受けているティアハイムは例外である。財政状況が厳しい施設のみ補助金を受けている」という意味になります)。(16ページ)。



 次回記事では、「運営費の予算のうち、民間からの寄付や遺贈が約20パーセント」という、ティアハイムの実例を挙げます。またティアハイムは直接的な資金援助のみならず、行政獣医師を派遣されたりなどの支援も経常的に自治体から受けています。ドイツ動物保護連盟の統計によれば、ドイツのティアハイムの一施設当たりの運営費に占める補助金割合は25%です(註 飼育費の補助金は除外した数字。これを含めれば、さらに補助金割合が高くなる)。民間事業者で経費の25%を補助金に頼るというのは、「補助金漬け」と言っても差し支えないでしょう(続く)。


(動画)

 Schüler für Tiere e.V. - Tier aussetzen 「大学生による啓発ビデオ.-動物を捨てること」 2016/03/19公開
 このビデオでは、「ドイツでは年間約30万のペット動物が捨てられている」としています。「ドイツでは年間50万頭のペットが捨てられている」という推計もあります。ものすごい数です。この収容と管理を、すべて民間の寄付だけで賄えるとは思えません。また公的な補助があって当然でしょう。「すべてのティアハイムは民間の寄付だけで運営している」と言い切ってしまうマスメディアの記者や省庁の報告書作成者の知能はどうなっているのかと心配になります。まさに日本の動物愛護(誤)は狂気の世界です。か、知能が正常ではないか。

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国土の野良猫の3分の1を毎年殺している国、スイス





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(Zusammenfassung)
«Über 100'000 tote Kätzchen pro Jahr» – nun fordert Petition Kastrationspflicht Schweiz


 全国土に生息する野良猫の総数の3分の1を、毎年殺害している国があります。それはスイスです。スイスでは、30万匹の野良猫が生息していると推計されていますが、「控えめな数値」でも、毎年そのうちの3分の1の、10万匹が殺害されているとされています。


 サマリーで述べた「スイスは全国土に生息する野良猫の数は約30万匹で、毎年そのうちの3分の1の10万匹が殺害されている」とする、マスメディアのニュースを引用します。
 Tierschutz «Über 100'000 tote Kätzchen pro Jahr» – nun fordert Petition Kastrationspflicht 「1年で10万匹を超える猫が殺されるー猫の去勢を求める署名活動が行われています」 2017年8月2日


In der Schweiz werden jedes Jahr über 100'000 «überschüssige» Kätzchen getötet.
Besserung ist nicht in Sicht.
Die Kätzchen werden ersäuft, erschlagen, vergast oder erstickt – gnadenlos.
Bereits 2014 schätzte die Tierschutzorganisation NetAP in einer vorsichtigen Hochrechnung, dass pro Jahr rund 100'000 Kätzchen so «entsorgt» werden.
Wer es nicht übers Herz bringt, die Tiere zu töten, setzt diese einfach aus.
So stieg die Anzahl streunender Katzen bis 2014 auf geschätzte 300'000 Tiere.

スイスでは、毎年100,000匹を超える「余剰な」子猫が殺されています。
改善は見えません。
子猫は容赦なく溺死、射殺、ガス殺、窒息死で殺されます。
すでに2014年には、動物保護団体、NetAPは、毎年約100,000匹の子猫がこのように「廃棄」されていると、控えめな数字で推定しました。
動物を殺す心ない人は、単に猫を捨てます。
野良猫の数は、2014年には推定300,000匹に増加しました。



 スイスでは、連邦狩猟法で、猫は通年狩猟による駆除が合法です。猫を駆除するためには狩猟免許が必要ですが、農家などは実際免許を所持していない者でも、猫の駆除を行っているようです。大概、農村部の居住者は狩猟免許を所持していると思われますが。犬はドイツと異なり、民間人が狩猟駆除できません。森林レンジャーなどの公務員が射殺して駆除しています。
 スイスにおける、猫の狩猟駆除に関する連邦狩猟法(Bundesgesetz über die Jagd und den Schutz wildlebender Säugetiere und Vögel(Jagdgesetz, JSG) )の条文を引用します。
 

2. Abschnitt: Jagd
Art. 5 Jagdbare Arten und Schonzeiten
1 Die jagdbaren Arten und die Schonzeiten werden wie folgt
3 Während des ganzen Jahres können gejagt werden:
a.Marderhund, Waschbär und verwilderte Hauskatze;

第2節 狩猟行為
5条 狩猟が許可されている種と猟期
1項 狩猟鳥獣の種と猟期は次のとおりです
3項 1年を通じて狩猟が許可されている種
a タヌキ、アライグマ、野生化したイエネコ



 2019年の最新の人口推計は、スイスの人口は854万人です。1億2615万人の日本の人口は、スイスの14.8倍です。人口比で当てはめれば、「日本には444万匹の野良猫が生息しており。毎年そのうちの3分の1にあたる148万匹を殺害している」と言うことになります。この148万匹と言う数は人口比で、日本の平成29年度の猫の公的殺処分数、34854匹の42.5倍です(犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況(動物愛護管理行政事務提要より作成) 平成30年12月28日 (平成29年度))。またスイスは「禁止犬種法」がある国であり、それらの国の中でも比較的禁止犬種の殺処分を厳格に行っています。
 しかし呆れた情報が日本で流布されています。「スイスは殺処分ゼロである」という個人ブログが多数あります(例えば、スイスが殺処分ゼロを実現できた秘密、ティアハイムへなど)。これらの個人の「スイスは殺処分ゼロ」の根拠は、すでに放送打ち切りとなった、朝日放送の「ペットの王国 ワンだランド」の影響と思われます。この番組が唐突に打ち切りとなった、最終放送のスイスに関する番組は、あまりにもねつ造がひどかったです。私はこの「スイス特集」に関しての嘘について、スポンサー企業にメールを送り、抗議しています。


(動画)

 日本のペット生体販売&殺処分に世界がドン引き・・・ 2016/12/25 公開
 「スイスは殺処分ゼロ」と、ほとんど絶叫状態の狂った番組。

猫の不妊去勢と登録義務化が進むドイツ






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(Zusammenfassung)
Insgesamt gibt es heute mindestens 785 Städte und Gemeinden mit sogenannten Kastrations-, Kennzeichnungs- und Registrierungsverordnungen für Katzen.
Zuständigkeitsverordnungen auf Basis § 13b Tierschutzgesetz existieren mittlerweile in folgenden Bundesländern: Baden-Württemberg, Bayern, Hessen, Mecklenburg-Vorpommern, Niedersachsen, Nordrhein-Westfalen, Rheinland-Pfalz, Schleswig-Holstein und Thüringen..


 ドイツでは、飼い猫の不妊去勢とマイクロチップなどによる個体識別と登録義務化が進展しています。現在、ドイツ16州のうち、9州で飼い猫の不妊去勢とマイクロチップなどによる個体識別と登録に関する州規則があります。なお、屋外で猫に餌をやればその猫は飼い猫とみなされ、不妊去勢とマイクロチップなどによる個体識別と登録がなされていなければ処罰されます。つまり「事実上野良猫への給餌を禁止する」と言うことです。またドイツは狩猟法18条により、野生動物(野良猫は野生動物と解釈される)への給餌が禁止されています。


 まず現在、ドイツでは16州のうち、9州で猫の不妊去勢と、マイクロチップなどによる個体識別、登録義務の法制化を行っているとのソースを挙げます(2019年10月8日最終確認)。
 Gemeinden mit Kastrationspflicht Kastrations-, Kennzeichnungs- und Registrierungsverordnungen für Katzen Deutscher Tierschutzbund e.V.
「飼い猫の去勢義務がある自治体 猫の去勢、識別および登録規則」 「ドイツ動物保護連盟」(最終確認 2019年10月8日)


Insgesamt gibt es heute mindestens 785 Städte und Gemeinden mit sogenannten Kastrations-, Kennzeichnungs- und Registrierungsverordnungen für Katzen (Stand: Oktober 2019 - kein Anspruch auf Vollständigkeit).
Zuständigkeitsverordnungen auf Basis § 13b Tierschutzgesetz existieren mittlerweile in folgenden Bundesländern: Baden-Württemberg, Bayern, Hessen, Mecklenburg-Vorpommern, Niedersachsen, Nordrhein-Westfalen, Rheinland-Pfalz, Schleswig-Holstein und Thüringen.

今現在、少なくとも785の市町村でいわゆる猫の去勢、識別、登録規則があります(2019年10月-完全に正確ではないかもしれません)。
ドイツ連邦動物保護法13条に基づき、傘下の自治体に立法(委任立法)を促す州規則は現在、以下の州に存在します。
バーデンーヴュルテンベルク州、バイエルン州、ヘッセン州、メクレンブルクーフォアポンメルン州、ニーダーザクセン州、ノルトラインーヴェストファーレン州、ラインラントープファルツ州、シュレースヴィヒーホルシュタイン州、テューリンゲン州。



 上記の一例として、バーデンーヴュルテンブルク州の州委員会による、傘下の自治体に「猫の去勢、識別、登録、の委任立法を求める決議から引用します。
 Vorschlag für eine kommunale Katzenschutzverordnung nach § 13b Tierschutzgesetz Die Landesbeauftragte für Tierschutz Ministerium für Ländlichen Raum und Verbraucherschutz 「ドイツ連邦動物保護法13条bに基づく自治体への猫保護条例を求める決議」 バーデンーヴュルテンブルク動物保護委員会代表 農業および消費者保護省 2018年7月27日(なおこれは、Vorschlag 「発議、申し入れ」とはありますが、バーデンーヴュルテンブルク州の省委員会の議決によるものですので、「省令」と理解できます)


Vorbemerkung: Durch das am 13. Juli 2013 in Kraft getretene 3. Änderungsgesetz zum Tierschutzgesetz (TierSchG) ist ein neuer § 13b in das Gesetz eingefügt worden.
Darin wurden die Landesregierungen ermächtigt, durch Rechtsverordnung den unkontrollierten freien Auslauf fortpflanzungsfähiger Katzen zu beschränken oder zu verbieten, soweit dies zur Verhütung erheblicher Schmerzen, Leiden oder Schäden bei den in dem betroffenen Gebiet freilebenden Katzen erforderlich ist.
Durch Rechtsverordnung vom 19. November 2013 hat die Landesregierung von Baden-Württemberg diese Ermächtigung auf die Städte und Gemeinden des Landes übertragen.

前文:2013年7月13日に施行された、連邦動物保護法の改正案(TierSchG)3により、新しい条文13条bが同法に加えられました。
(バーデンーヴュルテンブルク州の自治体)条例により、自由に徘徊する病気や怪我で苦しんでいる猫の、猫の大きな犠牲を防ぐために必要な範囲で、当該地域の猫の繁殖可能な猫の無制限で自由な屋外での徘徊を制限または禁止することが必要であると州政府は決議しました。
2013年11月19日の布告により、バーデンーヴュルテンベルク州政府は、上記の条例制定の、州内の市町村に委任しました。


 私は、ドイツの猫の「不妊去勢、個体識別、登録義務」について、次のような記事を書いています。

「ドイツでは飼い猫については自治体においても登録制度はない」は大間違い~呆れた動物愛護(誤?)専門家、武井泉氏 2018年9月26日

 この記事の公開は、2018年9月26日です。本記事を書いた当時は、若干古い資料を用いていました。そのために自治体による「猫の不妊去勢、個体識別、登録義務」については記述しましたが、州の立法には触れていません。州の立法(多くは傘下の自治体に条例の制定を促す(委任立法)内容で、実際の権限は自治体の属する)は、本記事公開時に前後して、相次いで行われました。
 州の立法に先立って、自治体が「猫の不妊去勢、個体識別、登録義務」を条例制定したケース(例えばノルトラインーヴェストファーレン州パーダーボルン市など。2008年条例制定)もありますが、現在は、州の委任により条例を制定した自治体が多くあります。つまり「猫の不妊去勢、個体識別、登録義務」は、現在ドイツでは、多くが州がかかわっています。


(画像)

 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、本報告書と記述する)から。

 このスクリーンショットにある通り、武井泉氏は、「(ドイツでは)飼い猫については自治体においても登録制度はない」との記述をしています。しかしこれも誤りで、ドイツ連邦共和国では、飼い猫の登録義務、個体識別を義務化している自治体が本報告書作成以前の2017年には、ドイツ動物保護連盟が把握している数は671自治体ありました。2018年委は785自治体あります。州の法制化は、2018年10月現在では16州9州であります。
 また犬の登録制度は犬税とは別途、15州(2018年)あり、そのうちの14州ではマイクロチップによる登録を義務付けています。本報告書では「犬のマイクロチップによる登録は、ドイツでは法制化していない」とも記述しており、まさに狂気です。
 また、「犬税とは関係なく唯一義務化しているのは、ローワーザクセニー(Niedersachsen)州である」との記述があります。Niedersachsen の発音は「ニーダーザクセン」で、日本語では「ニーダーザクセン州」と表記されます。本報告書の作成者はドイツの州を「自治体」と認識しています。何重にも誤った、まさに見るに堪えない底辺報告書です。

武井泉 広島県


 参考のために、ドイツで「猫の不妊去勢、個体識別、登録義務」の条例の先鞭となる、ノルトラインーヴェストファーレン州パーダーボルン市の条例から引用します。
 Ordnungsbehördliche Verordnung 「パーダーボルン市 規則及び条例」 猫に関する条文をすべて引用します。


§ 5 Tiere
(4) Katzenhalter/innen, die ihrer Katze Zugang ins Freie gewähren, haben diese zuvor von einem Tierarzt kastrieren und mittels Tätowierung oder Mikrochip kennzeichnen zu lassen.
Dies gilt nicht für weniger als 5 Monate alte Katzen.
Als Katzenhalter/in im vorstehenden Sinne gilt auch, wer freilaufenden Katzen regelmäßig Futter zur Verfügung stellt.
(5) Für die Zucht von Rassekatzen können auf Antrag Ausnahmen von der Kastrationspflicht zugelassen werden, sofern eine Kontrolle und Versorgung der Nachzucht glaubhaft dargelegt wird.
Im Übrigen bleibt § 16 unberührt.

5条 動物について
(4)猫を外に出している(放し飼い)飼い主は、最初に獣医師に猫を去勢させ、イレズミまたはマイクロチップで識別する必要があります。
これは、生後5ヶ月未満の猫には適用されません。
放し飼いの猫に常に餌をやっている者は、その猫の飼い主とみなし/上記が適用されます。
(5)子猫の管理と世話が確実に行えることが証明されれば、純血種猫の繁殖については、申請に応じて去勢義務の例外が認められる場合があります(註 ブリーダーを意味する)。
それ以外については、16条における例外は認められません。



 上記の条文の下線文、放し飼いの猫に常に餌をやっている者は、その猫の飼い主とみなし/上記が適用されます」Als Katzenhalter/in im vorstehenden Sinne gilt auch, wer freilaufenden Katzen regelmäßig Futter zur Verfügung stellt. ですが、これは事実上「野良猫への餌やり禁止」を意味します。「野良猫に餌をやる=その猫が給餌者の飼い猫とみなされる=不妊去勢、個体識別、登録がなされていなければ罰金が課される」からです。
 パーダーボルン市では、罰金(過料)は500ユーロ(約6万円)ですが、パーダーボルン市に追随して同様の条例制定を行った自治体は、罰金を1000ユーロとしているところが多いです。500~1000ユーロ程度の罰金でも、回数が重なれば抑止効果があるでしょう。

ドイツで犬猫などの遺棄に対する処罰は?~三菱UFJリサーチ&コンサルティングの仰天大嘘






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(Zusammenfassung)
Tierschutzgesetz
§ 3 Es ist verboten,
3.ein im Haus, Betrieb oder sonst in Obhut des Menschen gehaltenes Tier auszusetzen oder es zurückzulassen, um sich seiner zu entledigen oder sich der Halter- oder Betreuerpflicht zu entziehen,
§ 18 Die Ordnungswidrigkeit kann in den Fällen des Absatzes 3 mit einer Geldbuße bis zu fünfundzwanzigtausend Euro.


 日本では動物愛護管理法で、愛護動物の遺棄罪の処罰に対しての規定があります。現行法では44条で「愛護動物を遺棄したものは100万円以下の罰金に処す」としています。2019年6月12日に改正案が可決成立し、公布施行後は、「愛護動物を遺棄したものは懲役1年以下または罰金100万円以下」となります。ドイツでは、飼育動物の遺棄罪は、「2万5000ユーロ(292万5,000円 1ユーロ=117円以下の罰金」です。しかし驚くべき大嘘が、三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる報告書に記載されています。「飼い猫の遺棄は500ユーロ(5万8,500円)の罰金と条例で定められている」です。このような条例は存在しません


 サマリーで述べた通り、日本の動物愛護管理法改正案の本年の可決成立で、愛護動物の遺棄罪が「罰金100万円以下」から「懲役1年以下、または罰金100万円以下」にまで引き上げられます。ドイツ連邦共和国では、飼育動物の遺棄罪は、「2万5000ユーロ以下の罰金(過料 行政罰)」です。根拠法は、動物保護法(Tierschutzgesetz)で、3条3項と、18条(1)4項及び(4)に規定されています。以下に該当する条文を引用します。


§ 3 Es ist verboten,
3.ein im Haus, Betrieb oder sonst in Obhut des Menschen gehaltenes Tier auszusetzen oder es zurückzulassen, um sich seiner zu entledigen oder sich der Halter- oder Betreuerpflicht zu entziehen,
§ 18
(1) Ordnungswidrig handelt, wer vorsätzlich oder fahrlässig
4. einem Verbot nach § 3 Satz 1 zuwiderhandelt,
(4) Die Ordnungswidrigkeit kann in den Fällen des Absatzes 1 Nummer 1 und 3 mit einer Geldbuße bis zu fünfundzwanzigtausend Euro, in den übrigen Fällen mit einer Geldbuße bis zu fünftausend Euro geahndet werden.

3条 禁止行為
3項 家庭、事業、またはその他で人が飼育している動物を、飼い主もしくは管理者が飼育義務を回避するために、一時的に世話を怠ったり、遺棄すること、
18条
(1) 故意または過失による犯罪行為
4項 本法3条による禁止事項に違反する行為
(4) 第1項及び第3項の場合、行政犯罪として最高2万5,000ユーロの罰金(過料)を科せられることがあります。



 この規定は連邦法に基づきますので、ドイツ連邦共和国全土で効力が及びます。しかし驚くべきデタラメな情報が日本にあります。私がかねてより、その内容の嘘、誤り、偏向を指摘している、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)です。
 本報告書の中では、「ドイツ、パダーボルン市では、飼い猫の遺棄は500ユーロの罰金(5万8,500円 1ユーロ=117円)の罰金で処罰される」と記述されています。パーダーボルン市には、このような規定の条例はありません。ドイツにおいても、下位法は上位法に反する規定を制定することはできません。連邦法で飼育動物の遺棄罪を2万5000ユーロの罰金(292万5,000円) 1ユーロ117円)で処罰するとの規定がありながら、下位法の条例では、飼育動物の遺棄罪を罰金額が50分の1を上限とする規定はあり得ません。以下に、該当する記述を引用します。


パダーボルン市のように猫に関する条例を施行した自治体では、猫を遺棄した場合、通常罰金制度を設けている。
パダーボルン市では、飼い猫を遺棄した場合、500ユーロの罰金(2011年時点)が科せられる。



 パーダーボルン市の猫に関する条例ですが、これしかありません。Ordnungsbehördliche Verordnung 「パーダーボルン市 規則及び条例」 猫に関する条文をすべて引用します。


§ 5 Tiere
(4) Katzenhalter/innen, die ihrer Katze Zugang ins Freie gewähren, haben diese zuvor von einem Tierarzt kastrieren und mittels Tätowierung oder Mikrochip kennzeichnen zu lassen.
Dies gilt nicht für weniger als 5 Monate alte Katzen.
Als Katzenhalter/in im vorstehenden Sinne gilt auch, wer freilaufenden Katzen regelmäßig Futter zur Verfügung stellt.
(5) Für die Zucht von Rassekatzen können auf Antrag Ausnahmen von der Kastrationspflicht zugelassen werden, sofern eine Kontrolle und Versorgung der Nachzucht glaubhaft dargelegt wird.
Im Übrigen bleibt § 16 unberührt.

5条 動物について
(4)猫を外に出している(放し飼い)飼い主は、最初に獣医師に猫を去勢させ、イレズミまたはマイクロチップで識別する必要があります。
これは、生後5ヶ月未満の猫には適用されません。
放し飼いの猫に常に餌をやっている者は、その猫の飼い主とみなし/上記が適用されます。
(5)子猫の管理と世話が確実に行えることが証明されれば、純血種猫の繁殖については、申請に応じて去勢義務の例外が認められる場合があります(註 ブリーダーを意味する)。
それ以外については、16条における例外は認められません。



 つまり、「飼い猫の遺棄」については、パーダーボルン市の条例では、一切規定がないのです。本報告書で「パダーボルン市(註 日本語の記述では、パーダーボルンが一般的です)では、飼い猫の遺棄は500ユーロの罰金(5万8,500円 1ユーロ=117円)の罰金で処罰される」の出典として挙げられているのは、イギリス、ガーディアン社の記事、German officials order all stray cats to be neutered 「ドイツの当局はすべての猫に去勢を命じます」 2011年3月24日 です。
 この記事では、このような記述があります。If they are found to have abandoned their cats, they are handed a €500 fine. 「猫を捨てた(abandon=捨てる、見捨てる、遺棄する。ドイツ語で同意のワードは auszusetzen)ことが発覚すれば、500ユーロの罰金が科されます」。しかしガーディアン社のこの英訳は誤訳です。ドイツ語の条例条文では、die ihrer Katze Zugang ins Freie gewähren, 「飼猫を自由に外に出している人」とあり、英訳では、who give their cat free access to the outdoors, とすべきなのです。

 「ソースは1次ソースで」。これは鉄則です。特に法令では、原典に目を通すことが必須です。しかし本報告書の作成者は、ドイツの条例について述べながら、条例名の原文とそのリンクをつけていません。その無能ぶりにはお笑いです。さらに明らかに誤った他国の大衆メディアの記事を引用するとは痛い限りです。
 また本報告書の作成者は、ドイツの動物保護法制に述べていながら、必須である、動物保護法(Tierschutzgesetz)には、全く目を通した形跡がありません。飼育動物の遺棄罪については、動物保護法3条3項に、「罰金(行政罰 過料)2万5000ユーロ以下で罰する」と明記されているのです。また一般常識である、「下位法は上位法に反する規定ができない」という法学上の原理原則を理解していれば、このような赤恥の噴飯記述は回避できたはずです。まあ、中学生の自由研究ならば、ぎりぎり許容範囲かもしれませんがね・・・・・


(画像)

 Tier war völlig verängstigt Junge Dogge vor Berliner Tierheim ausgesetzt 「犬は完全におびえていました ティアハイムベルリンの前に捨てられていた若い犬」 2018年9月9日

 ティアハイム・ベルリンが昨年に引受停止に陥る直前の、2018年9月9日に、ティアハイム・ベルリン前に犬がつながれて捨てられていた事件がありました。ティアハイム・ベルリンの広報担当者は、 Leider sei das keine Seltenheit. 「それは珍しいことではありません」と述べています。2万5000ユーロの罰金(行政罰 過料)の処罰規定を設けても、ドイツでもペットの遺棄は大変多いです。「年間50万頭のペットが捨てられている」という推計もあります。今年の7月も、ティアハイム・ベルリンは引き受け停止に陥りました。

ティアハイムベルリン 捨て犬


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なぜドイツでは警察官による動物の射殺が激増しているのか?






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(Zusammenfassung)
Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 19. September 2019
Tiere und sachen


 記事、ドイツでは警察官による動物の射殺が激増している、の続きです。
 ドイツにおいては、警察官が市中で遁走している犬などの危険な動物や、怪我をして苦しんでいる動物の苦痛を取り除くためにそれらの動物を射殺することが、各州の警察法により職務権限と定められています。前回記事で取り上げましたが、ドイツ全土では、1年間に警察官により射殺される動物(その多くが犬と思われます)は、数年前から1万頭を超えています。最近の数年間でその数は激増しています。すでに年間の数は、1万3,000件をこえています。



 前回記事、ドイツでは警察官による動物の射殺が激増しているの続きです。
 前回記事で述べたことですが。ドイツでは「市中の危険防止」と、「怪我などをしている動物の苦痛を早く取り除くため」に、警察官の職務権限としてそれらの動物を射殺することを、警察法で規定しています。ドイツでは最近の数年間は、動物の射殺が1万頭を超えています。特にここ数年の増加は著しいです。昨年の動物の射撃数は、1万3000件をこえました。動物の内訳までは公開されていませんが、マスメディアの報道の頻度から、その多くが犬と思われます(最近もサーカス団から逃げ出したシマウマを警察官が射殺した事件が報道されました。また動物園から逃げ出した猛獣を射殺した事件も過去にあります。野生動物が市中や高速道路で暴れるなどで射殺されることもあるでしょう)。なぜこれほどまでに警察官による動物の射撃が激増しているのでしょうか。私なりに分析してみました。それは次の要因が考えられます。


1、EUの域内移動が自由化されたことにより東欧から安価な犬が大量にドイツに輸入され、犬が激増した。

 わずか10年程度で、ドイツの犬の飼育数は2008年の推計550万頭程度から、2018年940万頭超にまで激増しました。母数が増えれば不適正飼育者も増え、捨て犬や咬傷犬も増えます。そのために警察官による犬の射殺が増えたとも考えられます。
 例えば犬の飼育数が激増していることを伝えるこのような資料があります。
Anzahl der Heimtiere steigt weiter an - Hunde und Katzen besonders beliebt 「2008年のドイツの犬飼育数は550万頭と推計される」
Zahl der Heimtiere bleibt auch 2018 stabil 2018年5月8日 「2018年のドイツの犬飼育数は940万頭と推計される」

2、上記の「1、」とも関係する事柄ですが、捨て犬や不適正飼育者から行政が犬の押収(無登録犬や飼育許可を受けていない危険犬種など)しても、受け皿となるティアハイムが過剰収容状態で引き受けられない状態になっています。したがって行政が捨て犬や徘徊犬を捕獲収容せずに、警察官に射殺することを暗に求めているのではないでしょうか。

3、咬傷犬は、ドイツ全州で州が収容して強制的に殺処分する権限を、各州が州法州規則で規定しています。しかし州が犬の強制殺処分を行うことに対して、過激派動物愛護(誤)活動家が反対し、実力行使に及ぶ危険性があります。現に、強制殺処分を決定した当局公務員や、行った獣医師に対する殺人予告すらありました。そのために犬を収容せずに、「危険で収容できなかった」と言う理由で、警察官に現場で射殺するように行政が求めるケースが増えたことが考えられます。


 1、2については、私は過去に取り上げていますので、今回記事では「3、」について述べます。2018年にニーダーザクセン州で、危険犬種である、スタッフォードシャー・テリアの雑種が、飼い主の母子を殺害しました。州当局はこの犬を確保収容したのちに、強制殺処分を決定し、実施しました。しかし、この犬の強制殺処分に反対していた過激派動物愛護(誤)活動家らが猛反発しました。犬の殺処分を決定した公務員と実行した獣医師に対して、「殺害予告」をしています。
 この事件を報じるニュースから引用します。Staatsanwaltschaft ermittelt Kampfhund Chico eingeschläfert: Morddrohung gegen Tierärzte 「検察庁の決定 闘犬種チコ(飼い主の母子を殺害した犬)の殺処分:獣医師は死の危険にさらされています」 2018年4月19日


Nachdem Kampfhund Chico sein Frauchen und deren Sohn totgebissen hatte, wurde das Tier eingeschläfert.
Für Tierschützer ist das Mord.
Sie fordern: "Kein Vergeben für dieses Verbrechen an einem Folteropfer."
Hannover - Der Staffordshire-Terrier-Mischling hatte Anfang April seine 52 Jahre alte, im Rollstuhl sitzende Besitzerin und deren 27 Jahre alten Sohn totgebissen.
Die Veterinärbehörde der Stadt Hannover die Entscheidung getroffen, Chico einzuschläfern.
Die Tierschutzorganisation Animal Peace bezeichnet dies als Verbrechen.
Und weiter: "Tod den Entscheidungsträgern! Wir fordern die Todesstrafe für die verantwortlichen unberechenbaren Mörder".
Die Morddrohungen gegen Tierärzte und Behördenmitarbeiter haben nun die Staatsanwaltschaft Hannover auf den Plan gerufen.
Es sei ein Verfahren wegen des Verdachts der Aufforderung zu Straftaten eingeleitet worden, sagte Oberstaatsanwalt Thomas Klinge.
Die Tierschützer vertreten die Ansicht, dass Tiere und Menschen juristisch gleichzusetzen sind und begründen so auch ihren Ruf nach Todesstrafe für die Ärzte und städtischen Mitarbeiter.

闘犬種のチコは、飼い主である母親と息子を咬んだために安楽死(殺処分)されました。
アニマルライツ活動家にとっては、それは殺人と同じです。
アニマルライツ活動家らは、「拷問の犠牲者(註 殺処分された犬のこと)に対する犯罪を許さない」と要求しています。
ハノーファー(註 ニーダーザクセン州州都)では月初旬に、スタッフォードシャー・テリアの雑種の犬が、52歳の飼い主の母親と、車椅子に乗った飼い主の27歳の息子を咬み殺しました。
ハノーファー市の行政獣医師は、犬チコを安楽死させる決定をしました。
動物保護団体のアニマルピースは、これを犯罪と呼んでいます。
そしてさらに、「チコの殺処分を決定したものに死を!責任を予測できない殺人者に対して我々は、死刑を要求する」としています。
獣医師と政府当局者に対する殺害の脅迫は現在、ハノーファー検察庁に行動を促しました。
検察官のトーマス・クリンゲ氏は、犯罪の疑いがあるために、刑事手続きが開始されたと述べました。
アニマルライツ活動家は、動物と人間を法的に同一視しているために、獣医と地方自治体の公務員に対する死刑の要求を正当化できると考えています。



(動画)

 Mahnwache für Hund Chico: "Er ist unser Chico Guevara" チコと言う名の犬のための徹夜の抗議集会:「犬チコは、私たちのゲバラ(註 暗殺されたキューバの社会主義革命家)です」 2018/04/23
 なぜ飼い主を咬み殺した犬を、暗殺された社会主義革命家になるのかわからんわ。動物愛護(誤)家の論理の飛躍は、万国共通のようです。ところで後方に見える犬禁止マークはドイツではよく見ます。「ドイツでは犬をどこにでも連れて行ける」は大嘘です。

Rund 80 Menschen haben sich in Hannover zu einer Mahnwache für den Hund Chico getroffen.
Der Hund hatte vor zwei Wochen seine Besitzerin und deren Sohn totgebissen - das Ordnungsamt ließ ihn einschläfern.

チコと言う名の犬のために、徹夜で約80人がハノーファーに集まりました。
2週間前に、チコと言う名の犬は、飼い主と飼い主の息子を咬み殺しました-法執行機関は犬を安楽死させました。





(動画)

 Tödliche Kampfhund-Attacke: War "Chico" eine tickende Zeitbombe? 「致命的な闘犬種の犬の攻撃 『チコ』は時限爆弾だったのでしょうか?」 2018/04/20公開
 闘犬種のチコが、飼い主の母子を咬み殺したことを伝えるTVニュース。ニュースが報道された翌日に、チコは安楽死(強制殺処分)されました。

ドイツでは警察官による動物の射殺が激増している






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(Zusammenfassung)
Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 19. September 2019
Tiere und sachen


 ドイツにおいては、警察官が市中で遁走している犬などの危険な動物や、怪我をして苦しんでいる動物の苦痛を取り除くためにそれらの動物を射殺することが、各州の警察法により職務権限と定められています。私はこれまでに何度か、ドイツの警察官による動物の射殺(犬猫)について取り上げました。ドイツ全土では、1年間に警察官により射殺される動物(その多くが犬と思われます)は、数年前から1万頭を超えています。最近の数年間でその数は激増しています。すでに年間の数は、1万3,000件をこえています。


 2015年のドイツのマスメディアの記事ですが、このように報じています。「ドイツ全土で射殺される動物の数は約1万頭である。ドイツの警察官の銃器の使用では、99%が動物に対してである」。再びその記事を引用します。
 OBERBAYERN Polizist tötet Katze mit Gnadenschuss - und wird angezeigt 「オーバーバイエルン 警察官は止めの銃撃で猫を殺しました - そしてそれは適切とされています」。2015年9月18日 より引用します。


Ein Polizist tötete im oberbayerischen An zing eine verletzte Katze mit einem Gnadenschuss.
Die Besitzer sind empört und zeigten den Beamten an.
Jedes Jahr feuern Polizisten in Deutschland laut Innenministerium rund 10.000 Schüsse auf verletzte, kranke oder aggressive Tiere ab .
Der verletzte Kater flüchtete in einen Vorgarten, nachdem ihn eine Frau mit ihrem Auto angefahren hatte.
Als wenig später die Polizei eintraf, entschied sich ein Beamter für den Gnadenschuss.
Mit seiner Dienstwaffe erschoss er die Katze und brachte sie dann tot in eine Tierarztpraxis.
Als später die Familie davon erfährt, ist sie empört.
Jetzt hat sie Anzeige gegen den Polizisten erstattet.
Der stellvertretene Leiter.
"Nach unseren Erkenntnissen hat der Beamte richtig gehandelt".
Polizei schießt im Jahr rund 10.000 Mal auf Tiere.
Das macht etwa 99 Prozent aller Fälle aus, in denen Beamte zu ihrer Dienstwaffe greifen.
Dass Tierbesitzer dagegen klagen, kommt selten vor.

警察官のとどめの銃撃で、負傷した猫はバイエルン(バイエルン州)で死にました。
飼い主は憤慨していると、関係者に表明しています。
内務省によれば、毎年ドイツでは、警察官が約1万(*本記事は2015年。2014年の警察官による動物の射殺数は約1万でした)の負傷したり、病気や攻撃的な動物を射殺しています。
女性が運転するクルマに接触したオス猫は、負傷してその後自分の家の庭に逃げ帰りました。
すぐに警察官が駆けつけて後、警察官はとどめでそのオス猫を職務として射殺することを選びました。
警察官は拳銃でオス猫を射殺しました。
後で家族からその様子を聞いた、オス猫の飼い主の女性は激怒しました。
オス猫の飼い主の女性は、すぐさまオス猫を射殺した警察官を告訴しました。
警察署の副署長は表明しました。
「我々の調査により、警察官の行動は正しかったことを発表します」。
動物に対する、約1万(*本記事は2015年。2014年の警察官による動物の射殺数は約1万でした)もの警察官による銃撃。
それは警察官による拳銃使用においては、すべての例の約99パーセントを占めます。
一方、警察官にペットを射殺された飼い主が苦情を申し立てることはほとんどありません。



 ドイツ各州の警察法では、概ね「公共の危険回避のために危険な動物を射殺すること」と、「けがをして苦しんでいる動物を動物福祉上、その苦痛から解放するために射殺すること」を、正当な職務権限と定めています。一例として、ノルトラインーヴェストファーレン州の警察法運用指針から引用します。
 Polizeiliches Grundlagenwissen f・ Studium und Praxis Zwang - Teil 2 - Schusswaffengebrauch 「警察官の基本的な知識 研究と実践ー制圧 第2章ー銃器の使用」


Der Schusswaffengebrauch gegen Tiere ist zulässig, wenn von ihnen eine Gefahr ausgeht (sie insbesondere Menschen bedrohen) und die Gefahr nicht auf andere Weise zu beseitigen ist.
Verletzte oder kranke Tiere dürfen nur getötet werden, wenn die Befürchtung besteht, dass sie sonst unter Qualen verenden würden, und weder Eigentümer bzw. Tierhalter noch ein Tierarzt oder Jagdausübungsberechtigte kurzfristig zu erreichen sind.
Da das Tierschutzgesetz nicht zulässt, dass ein Tier unnötig leidet (§ 17 TierSchG), beendet ein Polizeibeamter das Leiden des Tieres durch einen aufgesetzten Schuss.
Es wird davon ausgegangen, dass Unbeteiligte dadurch nicht gefährdet werden können.
Durchgesetzt wird durch den Gebrauch der Schusswaffe eine Sicherstellung uf der Grundlage von § 43 PolG NRW (Sicherstellung).

警察官の動物に対する銃器の使用は、他の方法では危険を排除することができない場合、動物が危険(特に人に対する脅威)を引き起こす場合に許可されます。
また、飼い主にも飼育者にも獣医師にもハンターにもすぐに連絡がつかない場合は、負傷または病気の動物は殺害が可能であり、そうでなければそれらの動物が苦しんで死ぬ恐れがあるからです。
動物保護法では、動物が不必要に苦しむことは認められていないため(動物保護法17条)、警察官は携帯している銃器により動物の苦しみを終わらせます。
動物によって、周囲にいる人を危険にさらすことができないと想定されています。
ノルトラインーヴェストファーレン州警察法43条に基づく銃器の使用により、安全対策が(確実に)実施されます。



 日本でも、警察官が犬を市中で射殺するという事件は極めてまれに発生します。しかし頻度が著しく低く、年に1回もないでしょう。たまたま警察官が市中で犬を射殺する法的根拠は、刑法上の「緊急避難」です。対してドイツの警察法では、警察法により、市中での犬などの危険な動物を射殺すること、もしくは動物福祉上射殺することを「職務権限」と定めています。また頻度も、年間1万件を超えます。
 つまり日本の警察官が犬を市中で射殺するのは偶発的事故です。対してドイツの警察官が犬などを市中で射殺することは「制度」と言えます。両者は全く異なります。法律で定められていることと、頻度からすれば、ドイツの警察官が犬などを射殺するのは「公的な犬猫などの殺処分制度」と言っても差し支えないと思います。

 
(画像)

 ドイツ連邦警察統計 ドイツにおける警察の銃器の使用に関する統計 2019年版(出典 ドイツ連邦警察) Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 19. September 2019 より
 「動物とものに対する射撃」は、2018年には、13,711件ありました。この数値のうち「もの」に対する射撃は19件ですので、ほぼすべてが「動物」対する射撃です。しかしドイツにおける警察官の動物に対する射撃の件数の増え方は、尋常ではないと感じます。なぜこれほどまでに増えたのでしょうか。

ドイツ 警察 銃器使用統計 2019


(動画)

 Rottweiler Pascha am Hauptbahnhof München von Polizei erschoßen 「ロットワイラー種の犬、パシャを警察官はミュンヘン駅で射殺した」 2018/06/11公開
 私は今まで何度か、ドイツの警察官が市中で犬を射殺する瞬間をとらえた動画を紹介しました。いずれはこの動画も削除されるでしょうが、通行人がたまたま撮影した動画もしばしば公開されます。
 この事件を伝えるニュースはこちら。「26歳の女性飼い主」とありますので、この動画で大声で警察官を阻止している女性がそうでしょう(Rottweiler verletzt fünf Menschen und wird erschossen: Anzeige gegen Halterin - Erschreckende Details)。お気の毒ですが、自分が制御できない大型犬を繁華街に連れてくるのもどうかと思います。

Die Polizei erschießt einen Hund und tötet ihn in München
警察官は一頭の犬をミュンヘンで撃ち殺した。


続・ドイツの犬猫の公的殺処分について~三菱UFJリサーチ&コンサルティングの嘘報告書






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(Zusammenfassung)
Tötung von Hunden und Katzen In deutschland


 記事、ドイツの犬猫の公的殺処分について~三菱UFJリサーチ&コンサルティングの嘘報告書、の続きです。
 私が1年以上にわたり、誤り、嘘、偏向を指摘してきた、広島県が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して作成された、「動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング」(以下、「本報告書」と記述する)に関してです。これから広島県及び広島県市民オンブズマンと、広島県による予算執行の疑義を申し入れます。そのために本報告書の問題記述をまとめているのですが、その後も見落としが多く見つかりました。本報告書では他に、当然取り上げなければならい情報が欠落しています。例えば「ドイツの犬猫殺処分」に関する記述では、狩猟法による駆除とティアハイムによる殺処分しか記述がありません。読者は「ドイツにおける犬猫殺処分は狩猟駆除とティアハイムの殺処分しかない」と誤解します、「明らかに事実と異なる情報」が「積極的嘘」であるのに対し、「伝えるべき情報を伝えない」のは「消極的嘘」といえます。



 サマリーで示した、問題の記述は次の通りです。動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)においては、「1-1 ドイツ 1-1-1 愛護動物・殺処分の現状」(3ページ)とあり、犬猫の殺処分に関する記述は次のようにあります。


2)野良犬。野良猫の現状
基本的には野良犬・野良猫を管轄するのは自治体の役割になっている(*1)。
猫は最寄りの複数(*2)の住居用建物から300メートル以上離れた距離(*3)の狩猟区域で発見された場合、野良猫とみなされる(*4)。
(ティアハイムにおいては)治る見込みのない病気や怪我などで苦しむ動物、そして犬の場合は危険犬種に属している犬、危険犬種でなくとも人を咬むなどの行為を繰り返し譲渡できない犬などは、動物福祉上の観点から殺処分が必須であるとしている(*5)。
動物保護連盟によると、このような場合の殺処分の判断はティアハイムの所長と獣医師の2人の合意をもって行われ、1人の決断では決められないようになっている(*6)。
ドイツ全体の駆除頭数を示す公的統計は存在しないが、年間猫40万頭、犬6万5千頭に達すると推定する動物保護団体もある。


(*1) 本報告書の記述は誤り。野良犬の管轄は「州」である。
(*2) 本報告書の記述は誤り。「複数」との規定はない。例えばヘッセン州狩猟法においては、Ansiedlung 「人の定住地」は単数形となっている。Arbeitstext Hessisches Jagdgesetz in der Fassung vom 5. Juni 2001 (GVBl. I S. 271))。
(*3) 本報告書の記述は誤り。最寄りの住居からの距離は、州や時期により異なる規定がある。また州により、狩猟区域に限定するとはしていない。例えばヘッセン州狩猟法においては、時期により300m~500mと異なる規定がある。
(*4) 本報告書の記述は誤り。「野良猫(=無主物)とみなす」との規定は連邦狩猟法、各州の狩猟法、狩猟規則のいずれもそのような規定はない。明らかに飼い主があることが明確な犬猫であっても、一定条件下では、狩猟駆除が合法との条文の解釈、判例、学説により確定されている。
(*5) 本報告書の記述は誤り。「ティアハイムは危険犬種の殺処分が必須」と言う規定は法令では皆無である。また民間の自主規制である、「ドイツ動物保護連盟 ティアハイム運営指針」でもそのような記述は皆無である。正しくは「危険犬種の殺処分権限は州に属し、州の行政獣医師が単独で決定できる」。
(*6) 本報告書の記述は誤り。ドイツ動物保護連盟は「ティアハイム運営指針(Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes Richtlinien für die Führung von Tierheimen der Tierschutzvereine im Deutschen Tierschutzbund e.V. )」を公表しており、殺処分についてのガイドラインも示している。傷病動物の殺処分は獣医師1人の判断で行われるとされ、それ以外の理由による殺処分は、ティアハイムの役員、専門家、獣医師2名(うち1人は行政獣医師が望ましいとしている)からなる委員会の合意が必要としている。つまり4名以上の合意が必要。



 本報告書における、ドイツの犬猫殺処分に関する記述は、上記の引用した箇所だけです。短い記述にも関わらず、誤り嘘がてんこ盛りですが(笑い)。これらの記述では、ドイツの殺処分は、「狩猟法に基づく狩猟駆除」と、「ティアハイムによる殺処分」しか書かれていません。「1-1 ドイツ 1-1-1 愛護動物・殺処分の現状」としていますので、読者は、「ドイツの殺処分はこの2つしかない」と誤解します。
 私は、嘘は「明らかに事実と異なる情報」である「積極的な嘘」と、「伝えるべき情報を伝えない」、「消極的な嘘」があると先に述べました。本報告書の「1-1 ドイツ 1-1-1 愛護動物・殺処分の現状」は、後者です。ドイツには、「狩猟駆除」と「ティアハイムによる殺処分」以外にも、公的機関(州や税関、警察)が行う、法律に規定された制度に基づく「公的殺処分」があり、相当数の犬猫が殺処分されています。公的機関による統計もあります。ドイツにおける、公的機関(州、警察、税関)が行う、犬猫の公的殺処分は、次のものがあります。

1、州が行う、危険犬種の違法飼育犬や咬傷犬の押収と強制殺処分
2、狂犬病規則による、狂犬病が疑われる犬猫などの押収と強制検査殺処分
3、税関が行う、検疫不備の犬猫などの押収と強制殺処分
4、警察法による、警察官の市中での犬などの射殺

 今期記事では、「1、州が行う危険犬種の違法飼育や咬傷犬の押収と強制殺処分」について、ヘッセン州の根拠法を具体的に挙げます。
 Gefahrenabwehrverordnung über das Halten und Führen von Hunden (HundeVO)*) Vom 22. Januar 2003 「ヘッセン州 犬の飼育と扱いに関する安全規則(犬規則 2003年)」


§ 1 Halten und Führen von Hunden
(3) Gefährliche Hunde darf nur halten, wem eine Erlaubnis durch die zuständige Behörde erteilt worden ist.

§ 2 Gefährliche Hunde
(1) Für folgende Rassen und Gruppen von Hunden
sowie deren Kreuzungen untereinander oder mit anderen Hunden wird eine Gefährlichkeit vermutet:
1. Pitbull-Terrier oder American Pitbull Terrier,
2. American Staffordshire-Terrier oder Staffordshire Terrier,
3. Staffordshire-Bullterrier,
4. Bullterrier,
5. American Bulldog,
6. Dogo Argentino,
7. Fila Brasileiro,
8. Kangal (Karabash),
9. Kaukasischer Owtscharka,
10. Mastiff,
11. Mastino Napoletano.
(2) Gefährlich sind auch die Hunde, die
1. einen Menschen gebissen oder in Gefahr drohender Weise angesprungen haben, sofern dies nicht aus begründetem Anlass geschah,
2. ein anderes Tier durch Biss geschädigt haben, ohne selbst angegriffen worden zu sein, oder die einen anderen Hund trotz dessen erkennbarer artüblicher Unterwerfungsgestik gebissen haben oder
3. durch ihr Verhalten gezeigt haben, dass sie unkontrolliert andere Tiere hetzen oder reißen.

§ 14 Sicherstellung und Tötung von Hunden
(1) Die zuständige Behörde kann die Sicherstellung sowie die Verwahrung nach den §§ 40 und 41 des Hessischen Gesetzes über die öffentliche Sicherheit und Ordnung anordnen, wenn die nach dieser Verordnung bestehenden Verbote oder Gebote nicht eingehalten werden oder den Anordnungen oder Auflagen der zuständigen Behörde nicht nachgekommen wird.
(2) Die zuständige Behörde kann die Tötung eines Hundes nach § 42 des Hessischen Gesetzes über die öffentliche Sicherheit und Ordnung anordnen, wenn Tatsachen die Annahme rechtfertigen, dass von dem Hund eine Gefahr für Leben oder Gesundheit von Menschen oder Tieren ausgeht.
Die Tötung ist anzuordnen, wenn der Hund einen Menschen getötet oder ohne begründeten Anlass ernstlich verletzt hat.


1条 犬の飼育と扱いについて
(3)危険な犬は、所管官庁から許可された場合のみ、飼育できます。

2条 危険な犬
(1)次の犬種および犬のグループ
以下の犬種及び他の犬種との雑種も危険が疑われるものとする。
1.ピット・ブルテリア、またはアメリカン・ピット・ブルテリア、
2.アメリカン・スタッフォードシャー・テリアまたはスタッフォードシャー・テリア、
3.スタッフォードシャー・ブルテリア、
4.ブルテリア、
5.アメリカン・ブルドッグ、
6.ドゴ・アルゼンチーノ、
7.フィラ・ブラジレイロ、
8. カンガル(カラバッシュ)、
9.コーカサス・オフチャルカ、
10.マスティフ、
11.マスティーノ・ナポレターノー
(2)また以下も危険な犬である
1.正当な理由がなく人を咬んだり、明らかに危険で脅威となる犬
2.攻撃されることなく、他の動物を咬んで傷つけ、または認識可能な典型的な服従の動作にもかかわらず、別の犬を咬んだ犬
3.他の動物に対して手に負えない状態で飛び掛かったり、怪我をさせる行動を示した犬

14条 犬の押収と殺処分
(1)州管轄当局は、公共の安全および秩序に関するヘッセン州法の40条および41条に従って、本規則で規定されている禁止事項または命令が遵守されていない場合、または州所管官庁の指示または要件が遵守されていない場合は、犬の押収および保管を命じることができます。
(2)犬が人間または動物の生命または健康に危険を及ぼすという事実が正当化される場合は、州管轄当局は、公共の安全及び秩序に関するヘッセン州法42条に基づいて、犬の殺害を命じることができます。
犬が正当な理由なく人を殺したり、重傷を負わせた場合は、州管轄当局は犬の殺害を命じなければなりません。



 ドイツ連邦共和国16州全州においては、同様の規定を持つ州法もしくは州規則があります。すなわち、「州が独自に規制対象となる危険犬種を法令で規定すること」、「危険犬種の飼育に対しては、州が飼育許可の権限を有すること」、「危険犬種の違法飼育や咬傷犬や行動などから危険と判断される犬の押収と殺害の権限を州に定める」です。自治体ではありません。
 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティングにおいては、このような記述があります。以下に引用します。


(ティアハイムにおいては)犬の場合は危険犬種に属している犬は、殺処分が必須であるとしている。(7ページ)。
23)税関によると「犬の飼育に関する法令(2001)」の中で、危険犬種のドイツの輸入を規定している。
危険犬種として選定されているのは、ピットブルテリア、米国ンスタッフォードシャー・テリア、スタッフォードシャー・ブルテリア、ブルテリア及びこれらの犬種の交配種である。
各自治体により危険犬種をさらに増やしているところがある。
例えばフランクフルト市では、上記の他、米国ンブルドッグ、ドゴ・アルヘンティーノ、ロットワイラー(*1)なども含まれる(17ページ)。


(*1) ロットワイラー種の犬は、フランクフルト市が属するヘッセン州の規則では、危険犬種指定されていない。つまりフランクフルト市においても、ロットワイラーは危険犬種ではない。本報告書はすべてにおいて支離滅裂でむちゃくちゃ。正確な記述がほぼない。


 この記述が全くデタラメであることがお分かりいただけると思います。ドイツ16州全州において、州が独自に危険犬種の指定を、州法もしくは州規則で定めています。自治体での立法はありません。したがって、フランクフルト市で適用となる危険犬種は、フランクフルト市が属するヘッセン州の州規則に従います。
 また「(ティアハイムにおいては)危険犬種に属している犬は、殺処分が必須」もデタラメであることがご理解いただけると思います。「危険犬種と言う理由(つまり州管轄当局から飼育許可を得ずに違法飼育した危険犬種を押収したケースなど)」のみで殺処分する場合は、あくまでも法律上は、州の権限としています。ティアハイムが危険犬種と言う理由だけで殺処分しなければならないという法的根拠は皆無ですし、ドイツ動物保護連盟も指針として挙げていません(譲渡が難しいため、水面下で殺処分しているという情報はかなりありますが)。
 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの本報告書は、ドイツの法律などの原典を調べずに、作成者が極めて断片的で、かつ誤った日本で流布されている情報と、本人の勝手な思い込み、「妄想」より「作文」されたものです。したがって、正しい情報はほぼ皆無という悲惨な資料となっています。このような資料が「県」と言う公的機関から公費が支出されていることは、許しがたいことです。 


(参考記事)

東京都の6倍もの健康上問題のない、かつ咬傷事故を起こしていない犬を公的殺処分していたドイツ、ヘッセン州


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ドイツの犬猫の公的殺処分について~三菱UFJリサーチ&コンサルティングの嘘報告書






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(Zusammenfassung)
Tötung von Hunden und Katzen In deutschland


 私が1年以上にわたり、誤り、嘘、偏向を指摘してきた、広島県が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して作成された、「動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング」(以下、「本報告書」と記述する)に関してです。これから広島県及び広島県市民オンブズマンと、広島県による予算執行の疑義を申し入れます。そのために本報告書の問題記述をまとめているのですが、その後も見落としが多く見つかりました。本報告書では誤り、嘘、偏向記述の他に、当然取り上げなければならい情報が欠落しています。例えば「ドイツの犬猫殺処分」に関する記述では、狩猟法による駆除とティアハイムのによる殺処分しか記述がありません。読者は「ドイツにおける犬猫殺処分は狩猟駆除とティアハイムの殺処分しかない」と誤解します、「明らかに事実と異なる情報」が「積極的嘘」であるのに対し、「伝えるべき情報を伝えない」のは「消極的嘘」といえます。


 サマリーで示した、問題の記述は次の通りです。動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)においては、「1-1 ドイツ 1-1-1 愛護動物・殺処分の現状」(3ページ)とあり、犬猫の殺処分に関する記述は次のようにあります。


2)野良犬。野良猫の現状
基本的には野良犬・野良猫を管轄するのは自治体の役割になっている(*1)。
猫は最寄りの複数(*2)の住居用建物から300メートル以上離れた距離(*3)の狩猟区域で発見された場合、野良猫とみなされる(*4)。
(ティアハイムにおいては)治る見込みのない病気や怪我などで苦しむ動物、そして犬の場合は危険犬種に属している犬、危険犬種でなくとも人を咬むなどの行為を繰り返し譲渡できない犬などは、動物福祉上の観点から殺処分が必須であるとしている(*5)。
動物保護連盟によると、このような場合の殺処分の判断はティアハイムの所長と獣医師の2人の合意をもって行われ、1人の決断では決められないようになっている(*6)。
ドイツ全体の駆除頭数を示す公的統計は存在しないが、年間猫40万頭、犬6万5千頭に達すると推定する動物保護団体もある。


(*1) 本報告書の記述は誤り。野良犬の管轄は「州」である。
(*2) 本報告書の記述は誤り。「複数」との規定はない。例えばヘッセン州狩猟法においては、Ansiedlung 「人の定住地」は単数形となっている。Arbeitstext Hessisches Jagdgesetz in der Fassung vom 5. Juni 2001 (GVBl. I S. 271)
(*3) 本報告書の記述は誤り。最寄りの住居からの距離は、州や時期により異なる規定がある。また州により、狩猟区域に限定するとはしいない。例えばヘッセン州狩猟法においては、時期により300m~500mと異なる規定がある。
(*4) 本報告書の記述は誤り。「野良猫(=無主物)とみなす」との規定は連邦狩猟法、各州の狩猟法、狩猟規則のいずれもそのような規定はない。明らかに飼い主があることが明確な犬猫であっても、一定条件下では、狩猟駆除が合法との条文の解釈、判例、学説により確定されている。
(*5) 本報告書の記述は誤り。「ティアハイムは危険犬種の殺処分が必須」と言う規定は法令では皆無である。また民間の自主規制である、「ドイツ動物保護連盟 ティアハイム運営指針」でもそのような記述は皆無である。正しくは「危険犬種の殺処分権限は州に属し、州の行政獣医師が単独で決定できる」。
(*6) 本報告書の記述は誤り。ドイツ動物保護連盟は「ティアハイム運営指針(Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes Richtlinien für die Führung von Tierheimen der Tierschutzvereine im Deutschen Tierschutzbund e.V. )」を公表しており、殺処分についてのガイドラインも示している。傷病動物の殺処分は獣医師1人の判断で行われるとされ、それ以外の理由による殺処分は、ティアハイムの役員、専門家、獣医師2名(うち1人は行政獣医師が望ましいとしている)からなる委員会の合意が必要としている。つまり4名以上の合意が必要。



 本報告書における、ドイツの犬猫殺処分に関する記述は、上記の引用した箇所だけです。短い記述にも関わらず、誤り嘘がてんこ盛りですが(笑い)。これらの記述では、ドイツの殺処分は、「狩猟法に基づく狩猟法」と、「ティアハイムによる殺処分」しか書かれていません。「1-1 ドイツ 1-1-1 愛護動物・殺処分の現状」としていますので、読者は、「ドイツの殺処分はこの2つしかない」と誤解します。
 私は、嘘は「明らかに事実と異なる情報」である「積極的な嘘」と、「伝えるべき情報を伝えない」、「消極的な嘘」があると先に述べました。本報告書の「1-1 ドイツ 1-1-1 愛護動物・殺処分の現状」は、後者です。ドイツには、「狩猟駆除」と「ティアハイムによる殺処分」以外にも、公的機関(州や税関、警察)が行う、法律に規定された制度に基づく「公的殺処分」があり、相当数の犬猫が殺処分されています。公的機関による統計もあります。ドイツにおける、公的機関(州、警察、税関)が行う、犬猫の公的殺処分は、次のものがあります。


1、ドイツでは、飼育禁止犬種、咬傷犬、危険と思われる犬などを行政が強制的に殺処分する権限が全州で州法または州規則により定められています。その制度により殺処分される犬は相当数あります(人口比では日本の自治体よりはるかに多い州もあります。州の統計があります)。

・根拠法:一例として、ヘッセン州の州規則を挙げます。Gefahrenabwehrverordnung über das Halten und Führen von Hunden (HundeVO)*) Vom 22. Januar 2003 「ヘッセン州
犬の飼育と扱いに関する安全規則 2013年」
 なお本規則においては、次回記事で具体的な犬の強制殺処分に関する条文の記述を引用して解説します。本規則では、「無許可飼育の危険犬種や、人や動物を傷つけた犬、また行動により危険と判断される犬は州当局が押収して殺処分しても良い」と定めています。また「人を殺害もしくは重傷を負わせた犬は『殺処分しなければならない』」と規定しています。
  
2、ドイツには(連邦)狂犬病規則があり、狂犬病の疑いのある犬猫などを州が押収して強制的に殺処分~病理検査を行う権限があるとしています。ドイツの狂犬病規則による検査殺処分の規定は日本より厳しく、「疑い(例えば狂犬病陽性動物と同じクレートで輸送されたが症状は出ていないなどでも)があるだけで、押収即時殺処分、病理検査を州が行えるとしています。

・根拠法:Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut (Tollwut-Verordnung)

3、ドイツの税関法では、検疫不備の犬猫などは、当局が強制的に殺処分する権限が有ります(日本にはありません)。

・根拠法:Zollverwaltungsgesetz
・在日本ドイツ大使館広報 ドイツへの犬、猫などの持ち込みについて 狂犬病の予防接種の証明書がないペット、もしくはマイクロチップを提示するこ とができないペットは、非常手段として、飼い 主の費用負担なしに殺処分されることもあります」。

4、ドイツの警察法では、市中で遁走している犬などを危険防止のために警察官が射殺しなければならないとの規定があり、相当数があります(2018年のドイツ連邦警察統計では、「動物及びものに対する射撃」が13,711件あります。「もの」に対する統計が数十件ですので、そのうちほぼすべてが動物で、動物の多くが犬と思われます。またドイツの2015年のマスメディア記事では、「ドイツでは警察官に射殺される動物は約1万頭」と報道されています。(前年の動物とものに対する射撃数は10,157件)。

・ドイツ連邦警察統計 ドイツにおける警察の銃器の使用に関する統計 2019年版(出典 ドイツ連邦警察) Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 19. September 2019


(動画)

 Schäferhund erschossen nach Angriff auf 66 Jährige Frau | Hunde Nachrichten 「ジャーマン・シェパードは、66歳の女性を襲ったのちに、射殺されました」 犬のニュース 2019/09/15公開
 ジャーマン・シェパードが66歳の女性を襲ったために、警察官が市中でその犬を射殺しました。この動画は、「必ずしも危険犬種が人を襲うわけではない」と言う趣旨です。ドイツでは、ジャーマン・シェパードを危険犬種指定している州はありません。しかし警察官が市中で犬を射殺することが珍しくないことがうかがえます。

Am Mittwoch den 11.09.2019 wurde eine Deutscher #Schäferhund von der #Polizei #Erschossen.
Der Deutsche Schäferhund griff die Frau an und wurde mit schweren Verletzungen ins Krankenhaus gebracht.
Als der Schäferhund auch die Beamten angriff, erschießet ein Polizist den Aggressiven Schäferhund.

2919年9月11日の水曜日に、ジャーマン・シェパードが、警察官によって射殺されました。
ジャーマン・シェパードは女性を攻撃し、女性は重傷を負って病院に搬送されました。
ジャーマンシェパードは警察官も攻撃したので、その場で警察官は攻撃的なジャーマンシェパードを撃ちました。





(画像)

 ドイツ連邦警察統計 ドイツにおける警察の銃器の使用に関する統計 2019年版(出典 ドイツ連邦警察) Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 19. September 2019 より
 「動物とものに対する射撃」は、2018年には、13,711件ありました。この数値のうち「もの」に対する射撃は19件ですので、ほぼすべてが「動物」に対する射撃です。

ドイツ 警察 銃器使用統計 2019


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プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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