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ドイツのティアハイムの飼養基準とは程遠い「日本版ティアハイム」の滑稽






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(Zusammenfassung)
Tierschutz-Hundeverordnung


 私はFaceBookのアカウントも持っていますが、しばしば海外情報に関する調べ物を依頼されます(Megumi Takeda)。最近も、「ドイツでの保護施設の犬の飼養基準」に関しての質問がメッセンジャーでありました。より多くの方にご覧いただきたく、その回答をブログ記事にして公開します。


 ピースワンコジャパン(NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運営)という、広島県の民間犬保護施設があります。ふるさと納税で資金を集め、広島県の殺処分対象の犬を引き取り、飼養し、譲渡活動を行うとしています。しかし多額の使途不明金の発生、過密飼育での動物虐待(衰弱死や収容した犬同士での共食いなど)、ネグレクト飼育、狂犬病接種を行わない狂犬病予防法違反、保護犬の脱走、不妊去勢の未実施による施設内での犬の出産などの不祥事が伝えられています。
 本施設は、ピースワンコジャパン(NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運営)、によれば、次のように紹介されています。


この施設建設にあたって、参考にしたのがドイツの「ティアハイム」であると、あるイベントでNPO法人ピースウィンズ・ジャパン代表の大西さんは語っています。
ティアハイムとはドイツにある保管期限が過ぎた、犬猫を預かるための民間の保護施設。
そのドイツでは殺処分が起きない仕組みを行政と民間が一体となって活動しています。
そして、ピースワンコの活動の中で、最もチャレンジングな取り組みが殺処分ゼロに向けた取り組み。



 このサイトのライターさんは、ドイツのティアハイムに関しては相当無知のようですが、一応おさらいしておきます。このサイトの誤りの記述は以下の通りです。
・「ティアハイムとは保管期限が過ぎた、犬猫を預かるための民間の保護施設」~このライターさんは「ドイツには行政の犬の収容期間があり、その収容期間が過ぎたのちに移管する民間のアニマルシェルター」と誤解しているようです。ドイツには、行政による犬などの収容期間はありません(ごく短期間で、行政による強制殺処分が必須のケースでは、直接行政が引き取ることもある)。
・「ドイツでは殺処分が起きない仕組みを行政と民間が一体となって活動」ですが、ドイツでは行政による犬猫の殺処分が相当数あります。狂犬病規則(Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut)による検査の強制殺処分、各州にある犬法(Hundegesetze)では、飼育を禁止する犬種の犬や咬傷犬などを行政が押収して強制的に殺処分する権限が定められています。その他通関法(Zollverwaltungsgesetz (ZollVG))による通関不備の犬猫などを強制的に殺処分する規定など多くの行政による殺処分規定があります。またティアハイムも殺処分を行っており、一定の条件下では殺処分は必須」とのティアハイムの統括団体のガイドラインがあります。ティアハイムの犬の殺処分率は、日本の公的殺処分率より高い(*1)のです。

 さて、そのピースワンコジャパンですが、運営の在り方に疑問を持たれた方がいます。その方から、メッセンジャーで、私のFaceBookで質問をされた方がいます。以下が、その質問と、私の回答です。


質問と回答

Q (質問者様)
ピースワンコの記事を読んでいてふと思ったのですが、記憶が曖昧なので教えてください。
Zoo Zajac関連で、ドイツのペットショップでは犬が何匹当たりごとに1人のスタッフが必要だという決まりがあった筈ですよね?
そのような決まりが保護施設でもあったと記憶していますが、そこはどうだったでしょうか?


A(さんかくたまご)
犬の飼養については、ドイツでは全般規定が、Tierschutz-Hundeverordnung 「動物保護 犬規則(省令)」で定められています。
個人飼い主、保護施設、商業飼育者すべてが適用範囲です。
犬の商業取扱者は、「犬の飼養は10頭につき有資格者1名を置く」と3条で定められています。
保護施設も適用範囲だと思います。

§ 3 Anforderungen an die Betreuung bei gewerbsmäßigem Züchten
Wer gewerbsmäßig mit Hunden züchtet, muss sicherstellen, dass für jeweils bis zu zehn Zuchthunde und ihre Welpen eine Betreuungsperson zur Verfügung steht, die die dafür notwendigen Kenntnisse und Fähigkeiten gegenüber der zuständigen Behörde nachgewiesen hat. 

§3商業的(保護施設も含まれる)な犬の飼育のための要件
犬を商業的に飼育する人は誰であっても、成犬とその子犬の合計が10頭を上限として、必要な知識と技能を権限がある当局により証明された飼育者一人がいることを確認する必要があります。


つまりドイツにおいては、商業的犬飼育者は、犬10頭あたり最低でも、1人の資格がある飼育者が必要と、ドイツでは定められています。
その他にも、ピースワンコ・ジャパンがもしドイツにあったならば、本規則に違反すると思われる条項を挙げておきます。

§ 6 Anforderungen an die Zwingerhaltung
(2) In einem Zwinger muss
3.für einen Hund, der regelmäßig an mindestens fünf Tagen in der Woche den überwiegenden Teil des Tages außerhalb des Zwingers verbringt, die uneingeschränkt benutzbare Zwingerfläche mindestens sechs Quadratmeter betragen.

6条 犬舎の要件
(2)犬舎においては
3 犬は少なくとも週に5日、犬舎の外で一日の大部分を過ごすようにしなければなりませんが、無期限で使用できる犬舎は(註 犬舎の外に出さない場合)、面積は少なくとも1頭あたり6㎡以上なければなりません。




 日本では、ドイツの動物愛護管理政策や、ティアハイムについては大変な誤解があります。ピースワンコ・ジャパンを立ち上げた団体は、「殺処分ゼロ」を錦の御旗に掲げています。それこそが「ドイツ殺処分ゼロの理想」その理想を実現するのだと。
 しかしそれにより、「犬の過密飼育による虐待飼育化」、「無制限に犬を受け入れたことによるマンパワー不足により引き起こされたネグレクト飼育という虐待」が起きています。日本では誤解されていますし、当団体運営者も誤った認識があるようですが、ドイツは殺処分ゼロ」の国ではありません。むしろ殺処分は日本より厳格に行っています。たとえば日本では、咬傷犬を行政が強制的に殺処分を行える法的根拠はありませんが、ドイツでは「そのような犬は行政は殺処分しなければならない」と法律に明記しています。飼育を禁止する犬種にしてもしかり。通関における検疫不備の犬猫などを強制的に殺処分する規定はドイツにありますが、日本ではありません。

 対して犬に関しては、飼養基準を数値基準を含め厳格に連邦規則で定めています(日本では誤解がありますが、ドイツでは猫の飼養の数値基準は連邦の法令、たぶん下位法でもないです)。上記の回答のほか、「犬舎の採光基準」や、「犬舎の床に断熱材を使用する」などの規定もあります。ドイツの動物法においては、日本の動物愛護管理法のように、犬猫その他の動物に関して、「終生飼養」義務は一切記述がありません。ドイツの理念は、「殺処分(致死処分、安楽死)はむしろ動物福祉に反する状況で動物を生かし続けるよりも、行ったほうが動物福祉に適う」なのだと思います。つまり「絶対的に殺さない」のではなく、「Quality of life(QOL)をより重視する」です。
 ですから、ピースワンコ・ジャパンが掲げる、「ドイツに倣って殺処分ゼロを実現する」は、むしろドイツの動物福祉の理念に真っ向から反するのです。本施設の創設にかかわった方々が、ドイツの動物福祉の理念を理解していなかった、もしくは嘘と知りつつ、ドイツの「殺処分ゼロ」至上主義を推し進めて、動物虐待に陥っているのは、もはや喜悲劇です。


(画像)

 ピースワンコ・ジャパンが「殺処分ゼロ」施設として倣ったとする、「ティアハイム・ベルリン」ですが、それが誤りであることは、私は何度もティアハイム・ベルリンのHPの記述を用いて指摘しました。近年、ティアハイム・ベルリンはHPを大幅に改定しました。しかし、ティアハイム・ベルリンが自ら収容動物の殺処分を行っているとの記述は、改定後も明記しています。一定の条件下では、「むしろ殺処分は不可避である、しなければならない」としています。また一定数の殺処分があります。なお、ティアハイム・ベルリンの本方針ですが、これはドイツ動物保護連盟(Deutscher Tierschutzbund e.v)の、「ティアハイム運営指針」に準拠しています。
 ・Tierschutz in Berlin seit 1841 「ベルリン動物保護協会 ティアハイムベルリン ホームページ」 の、service をクリック、さらに、Häufig gestellte Fragen 「よくある質問」をクリックすると、次の画面が現れます。
Häufig gestellte Fragen 「よくある質問」
 さらに、Werden Tiere eingeschläfert? 「ティアハイム・ベルリンは安楽死(殺処分)していますか?」をクリックすれば、以下の画面が現れます。

FAQティアハイムベルリン 

Werden Tiere eingeschläfert?
Grundsätzlich nein, es sei denn, ein wichtiger Grund liegt vor:
・Ein Tier ist so sterbenskrank, dass es nicht mehr zu retten ist und von seinen Leiden erlöst werden muss.
Sämtliche Einschläferungen von Tieren bedürfen de Einwilligung mehrerer Veterinäre sowie der Zustimmung des TVB.
Jeder Fall wird in einem Euthanasiebuch dokumentiert.
Einschläferungen erfolgen grundsätzlich nach Ausschöpfung aller Behandlungsmöglichkeiten; medizinisch-technische Voraussetzungen stehen in bester Ausstattung zur Verfügung, die finanziellen Aufwendungen für den Komplex medizinische Versorgung steigen stetig.
・Ein Tier zeigt gemäß der Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes so starke, nicht behebbare und konstante Verhaltensstörungen, dass ein Weiterleben entweder nur mit schweren Leiden verbunden wäre oder eine akute Gefährdung der Umwelt vorhanden ist.
Über solche Ausnahmefälle entscheidet dann eine sachkundige Kommission.

ティアハイムベルリンは動物を安楽死(殺処分)しますか
基本的には正当な理由がなければ行いません。
その動物が死に直面し治療不可能で、その苦しみから解放しなければならない場合。
すべての動物の安楽死は、数人の獣医師の同意とベルリン動物保護協会(註 ティアハイム・ベルリンの上部団体)の同意を必要とします。
安楽死の各症例は、記録簿に記載されています。
基本的には、すべての治療法の選択肢が尽きた後に行っています。
医療上および技術上の要求は可能な限り最も高度な設備で行うことが可能でありますが、複雑な医療のための財政的負担は年々増加しています。
ドイツ動物保護連盟のティアハイム運営指針によれば、動物が強度の回復不可能なかつ恒常的な行動障害を示していて、それが継続的な生きるうえで動物に深刻な苦痛の原因となる場合、もしくは周辺環境に深刻な危険を及ぼす場合。
そのような例外的なケースの安楽死は、知見のある委員会によって決定されます。



 蛇足ですが、今回取り上げた、Tierschutz-Hundeverordnung 「動物保護 犬規則(施行規則 省令)」ですが、日本ではデタラメな解説が流布されているので、一部指摘しておきます。


1、この規則(省令)を「犬保護条例」と訳している文献が多い。しかしこの法令は「省令」です。 しかしね、ドイツ連邦全土に効力が及ぶ「条例」って何よ。ちゃんと中学出てんのか、公民で習うだろうが。

Das Bundesministerium für Verbraucherschutz, Ernährung und Landwirtschaft verordnet jeweils in Verbindung mit Artikel 56 des Zuständigkeitsanpassungs-Gesetzes vom 18. März 1975 (BGBl. I S. 705) und dem Organisationserlass vom 22. Januar 2001 (BGBl. I S. 127) auf Grund des § 2a Abs. 1, des § 11b Abs. 5 sowie des § 12 Abs. 2 Satz 1 Nr. 4, jeweils in Verbindung mit § 16b Abs. 1 Satz 2 des Tierschutzgesetzes in der Fassung der Bekanntmachung vom 25. Mai 1998 (BGBl. I S. 1105, 1818), von denen § 2a Abs. 1 Nr. 5, § 11b Abs. 5 und § 12 Abs. 2 Satz 1 Nr. 4 durch Artikel 2 des Gesetzes vom 12. April 2001 (BGBl. I S. 530) geändert worden sind, nach Anhörung der Tierschutzkommission:

連邦消費者保護・食糧・農業省は、1975年3月18日付の管轄権調整法第56条、および2001年1月22日付省令に関連して、1998年5月25日公布の動物保護法第2条a 第1項、第11条b第5項、ならびに第12条第2項第1文 No.4、また関連条項として第16条b第1項第2文に基づき、動物保護委員会の審議により以下の規則を可決した。
なお、上に挙げた動物保護法の条項のうち第2条a第1項No.5、第11条b第5項および第12条第2項第1文 No.4は2001年4月21日付の法第2条による改正である。



 例えば次のようなものです。

四天王寺大学紀要 第54号(2012年9月)ドイツにおける動物保護の変遷と現状 中 川 亜紀子

 「憲法改正に伴い2001年に、「犬の保護に関する条例」(Tierschutz-Hundeverordnung)が公布され」という記述があります。これは大学の教員による論文で、動物愛誤界での引用が多いです。しかし上記の誤りのほか、「ドイツでは家畜の屠殺は麻酔による」などとんでもない誤訳が多数ある問題文献です。

一般社団法人 日本動物虐待防止協会 「動物愛護管理法を見直す会」
環境省の資料ですが、まさに税金泥棒省庁。

 「犬の保護に関する条例 (Tierschutz-Hundeverordnung)」 訳者: アルシャー京子 (ドイツ在住獣医師 ベルリン自由大学獣医学部動物保護研究室所属)


2、本規則では「懲役刑がある」という、デタラメ資料

動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(広島県が委託)

 「ドイツでは犬命令(2001年)(註、Tierschutz-Hundeverordnung 「動物保護 犬規則(施行規則 省令)」 により、飼い方に違反していると判断された場合は懲役もしくは罰金も科される」(5ページ)ですが、本規則には懲役刑はありません。行政罰の過料のみです。本資料はこれ以外にも、ぎっしりとデタラメが詰め込まれた問題資料です。まさに税金泥棒、盗人。


3、本規則では「犬の係留飼育を禁じている」というデタラメ資料

平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年度 ドイツにおける動物保護の 取組みに係る調査業務 報告書 環境省

 「犬保護法(註、Tierschutz-Hundeverordnung 「動物保護 犬規則(施行規則 省令)の事と思われる。これは法律ではありません。法律は、議会で決議されたものを指します。本規則は省委員会で決議れたものです)では犬をつないだまま飼うことが禁止されている」(27ページ)。禁止は妊娠犬などの一部です。その他この資料は、嘘デタラメがぎっしり53ページ全編にわたりてんこ盛りです。animal hoarding を、animal holding と記述しているのは、笑いを誘うためですか。もう環狂(境)省はゴミ底辺省庁。


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続・ドッグオークションの最大の落札者は動物保護団体という醜悪~アメリカ合衆国






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(summary)
Commercial production of puppies in the United States


 記事、
「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘
続・「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~アメリカ編
「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~イギリス、ドイツ編
ドッグオークションの最大の落札者は動物保護団体という醜悪~アメリカ合衆国
の続きです。
 朝日新聞記者である太田匡彦氏が、繰り返し主張している事柄があります。「犬などのペットの大量生産とペットショップでの大量販売、オークションは日本独特である。それは日本が動物愛護後進国である一因である」。しかしそれは真っ赤な嘘です。「ドッグオークション」は日本独特のシステムではなく、アメリカでも広く行われています。また犬の商業生産ですが、アメリカ、イギリス、ドイツと比較すれば、はるかに少ないのです。アメリカ合衆国のドッグオークションは、日本と異なるところがあります。それは子犬のほかにも、パピーミルなどのブリーダーの繁殖犬(台メス)の売却や、ブリーダーの繁殖犬の入手の場としても利用されていることです。さらに最大の落札者は、犬の保護団体です。保護団体は、オークションで落札した犬を「保護犬」として、高値で自ら販売したり、ペットショップに卸したりしています。



 私は、カリフォルニア州ロサンゼルス市と、カリフォルニア州(2019年施行)の「ペットショップでは犬などは保護団体由来のものしか販売してはならない」との、法改正について記事にしています。これらの法改正は、建前では、「パピーミルという劣悪飼育のブリーダーを撲滅し、保護犬の譲渡数を増やし、殺処分を減らすこと」です。
 これらの記事では、ロサンゼルス市の「ペットショップで販売する犬などは、保護団体由来のものに限る」という法律がいかにザル法で、効果ががなかったかを書きました。ロサンゼルス市では、「ペットショップでの犬、猫、ウサギの販売は保護団体由来のものに限る」との条例が施行されたのちも、条例施行前と変わらずペットショップで犬などが売られています。また殺処分数も高水準です。その理由は、パピーミル由来の犬を保護団体がオークションなどで購入して、ペットショップに卸すということが行われているからです。あくまでも建前は、「パピーミルという劣悪飼育のブリーダーを撲滅し、保護犬の譲渡数を増やし、殺処分を減らすこと」ですが、実際は「愛誤利権」のための立法にすぎないということです。

 ロサンゼルス市やカリフォルニア州のペットショップでは犬などは保護団体経由のものしか販売してはならない」という法改正後も、保護団体の犬などの販売は全く規制がありません。そのために、保護団体がペットショップに代わり、パピーミルが出品した犬をオークションで落札し、自ら高値で販売します。「保護犬」という付加価値がついて、ペットショップの販売犬以上の高値で販売もされています。さらにペットショップと異なり、保護犬であれば、傷病であっても先天性の奇形や遺伝病、傷病犬ですら高値で販売できます。また「保護犬」であれば、商品保障も必要ないでしょう。保護犬の販売は、美味しいビジネスです。
 さらには、犬保護団体がパピーミル・オークションで落札したパピーミル由来の犬をペットショップに卸すことも可能です。ペットショップであっても、「保護団体由来」であれば、犬などの販売が合法となるからです。

 それは、「ペットショップが、法律で販売が規制されている犬などを販売したければ、保護団体を経由(書類だけの形式でも可能)しろ」、つまり「ペットショップが犬などを売りたければ犬保護団体に口銭を払え」ということです。まさに犬などの販売においては、法律が保護団体に優越的地位を保障したということです。ロサンゼルス市の法改正は露骨に、動物愛誤と政治との癒着と利権の確保という、醜悪をさらけ出したといえます。これらの立法は、アメリカ合衆国連邦反トラスト法や連邦憲法に違反し、無効である可能性があります(現に条例無効の提訴が行われています)。この点については、アメリカ合衆国の一部のメディアでは、立法の前段階から懸念を報じていました。実際に多くの自治体で、「ペットショップでの犬などの販売は保護団体由来のものに限る」との立法がなされて以来、問題が現実化しました。またロサンゼルス市などは従前どおりペットショップでは犬などが売られていますし、殺処分数は高水準のままです。
 しかし日本では、このような真実を伝えるメディアは皆無です。愛誤利権のための嘘プロパガンダ報道を盲目的に、衆愚愛誤が信奉しています。日本もまた、醜悪な愛誤利権に毒されつつあるのでしょう。一様に「アメリカはペットショップでの犬などの生体販売は保護団体経由のものしか販売してはならないという法制化を行った。すばらしい動物愛護の進展である」という、あまりにも浅薄な報道しかされていません。そもそも朝日新聞の太田匡彦氏などは「犬の大量生産、オークション、ペットショップでの大量販売があるのは日本だけ」という、狂った嘘報道をしています。

 以下に、「ペットショップでの犬などの販売を、保護団体由来にものに限るという立法が、「パピーミル・オークションで犬保護団体が犬を落札し、高値で転売している」との問題を発生させているかを指摘している報道をいくつか挙げます。
 アメリカ合衆国で、「犬保護団体がドッグオークションで積極的に参加している」という報道が目立つようになったのは、最近数年のことです。それは、「ペットショップでの犬などの販売を保護団体由来のものに限る」という立法が、複数の自治体で行われた時期と一致します。


Scam Alert: Some ‘Rescue’ Groups Are Buying Dogs From Breeders 「詐欺の警告:いくつかの「犬保護」グループが、ブリーダー(パピーミル・オークション)から犬を買っています」 2018年4月16日

They call them “puppy-mill rescues.”
But they might more accurately be called simply “puppy-mill purchases.”
As The Washington Post exposed, so-called “rescue” groups attend puppy-mill auctions and—flush with money from donations—pay breeders hundreds or even thousands of dollars for a single dog.
They can then sell them for exorbitant fees to buyers wanting a specific breed.
The rescue people will pay more than the pet-store brokers.
Purebred rescue groups knowingly and willingly rake in donations in order to “save” dogs from puppy mills and then sell them as “rescues” to high-paying buyers.
In either case, they’re propping up the dog-breeding industry.
As cities enact bans on sales of puppy-mill dogs to try to deter breeding by cutting off a profit source, breeders are finding a new distribution channel and source of revenue through these “rescue” groups.

彼らはそれらを「パピーミル(子犬工場)からの保護」と呼んでいます。
しかしそれらはより正確には、単に「パピーミル(子犬工場)からの仕入れ」と呼ばれるかもしれません。
ワシントン・ポスト(アメリカの大手硬派メディア)が暴露したように、いわゆる「犬保護」グループが、パピーミル(子犬工場)のオークションに参加し - 寄付によるお金を使って - 1匹あたりの犬の購入で、ブリーダー(パピーミル)に数百または数千ドルも払っています。
犬保護団体らは、パピーミル・オークションで落札した犬を、特定の品種を望む買い手(特定の品種を望む保護犬購入者)に、法外な金額でそれらを売ることが可能となります。
犬保護団体は、ペットショップのブローカーよりも、高い金額で犬を買います。
純血種に特化した犬保護団体は、犬をパピーミルから「保護」し、それから金持ちの購入者に「保護」して売るために、それを承知の上でで、そして進んでパピーミルに寄付(註 犬の落札代金としてお金を支払う)をしています。
いずれにせよ犬保護団体は、犬の繁殖産業を支えています。
自治体が、パピーミルの利益源を遮断することによって劣悪繁殖を防止しようとして、パピーミル由来の犬の販売を禁止すると、パピーミルなどのブリーダーは、「犬保護団体」を通して、新しい流通経路と収入源を見つけています。



The big business of dog rescue 「ドッグ・レスキューという、巨大な営利事業」 2018年6月27日

Some of these nonprofits put the dogs up for adoption and charge people adoption fees of as much as $1,850 per dog.
Buying dogs from breeders is a surprisingly popular activity for nonprofits.
Since 2009, 88 nonprofits have spent $2.68 million buying dogs at the nation’s two government-regulated dog auctions, Southwest Auction Service and Heartland Sales, both of which are in Missouri.
The reason why the rescuers are buying dogs directly from breeders has to do with changes in the market for dogs.
There are a lot fewer dogs coming into shelters than there used to be.
The number of dogs killed in shelters has fallen from 20 million per year in the 1970s to 780,000 in 2017.
If you’re an organization that wants to rescue a particular breed, they’re less likely to be in shelters than they used to be.
So rescuers go to the two dog auctions.
About 280 cities and the state of California have banned so-called “puppy mills” from selling dogs to the public.
But this shifts dog purchases from breeders who are regularly inspected by the U.S. Department of Agriculture to unregulated nonprofits.

いくつかの非営利団体(犬保護団体)の中には、犬の養子縁組を呼びかけ、犬1頭あたり最大1,850(日本円で20万円以上)ドルの養子縁組手数料を請求する団体もあります。
ブリーダーから犬を買うことは、非営利団体(犬保護団体)にとっては驚くほど広く行われている活動です。
2009年以来、88の非営利団体(犬保護団体)が、ミズーリ州で開催されているサウスウエスト・オークション・サービスと、ハートランド・セールスの2つの政府認可のドッグオークションで、268万ドル(3億円近くの金額の)の犬を購入しています。
犬保護団体がブリーダーから直接犬を買っていることは、犬のマーケットの変化と関係があります。
アニマルシェルターに収容される犬の数は、以前よりもはるかに少ないのです。
アニマルシェルターで殺処分された犬の数は、1970年代の年間2000万頭から、2017年の78万頭にまで減少しました。
特定の犬の品種を保護したいと思っている犬保護団体であれば、そのような犬は、以前よりもアニマルシェルターにいる可能性が低くなります。
だから犬保護団体は、2つのドッグオークションを利用します。
約280の都市とカリフォルニア州は、いわゆる「パピーミル(子犬工場)」由来の犬の、一般への販売を禁止しています。
しかしこれは、犬の購入をアメリカ連邦農務省によって定期的に検査されている犬のブリーダーから、規制を受けていない非営利団体(犬保護団体)に移している
ということになります。



(動画)

 CBS4 Investigation: Rescue Organization Bought Dogs From Puppy Mill Auction 「CBS4(アメリカ合衆国4大テレビ局CBSの番組)の調査:犬保護団体は、パピーミル・オークションから犬を買っていました」 2017/11/13 に公開

Animal rights activists have declared war on puppy mills and are trying to shut them down.
But, CBS4 has learned some Colorado animal rescue groups have actually purchased dogs at puppy mill auctions.

アニマルライツ活動家は、パピーミルに宣戦布告し、それらを閉鎖に追い込もうとしています。
しかしCBS4は、コロラド州の犬保護団体が実際に、パピーミル・オークションで犬を購入していたことを知りました。





(画像)

 ローラ「ロサンゼルスは、ペットショップが1つもない。殺処分もない」 2018/05/24 に公開
 Best Pet Stores in Los Angeles。yelpでは、ロサンゼルス市のペットショップ数は約370件あります。またロサンゼルス市の直近の犬猫殺処分数は、人口比で日本の20倍近くです(Euthanasia of cats, dogs plummets at Los Angeles animal shelters )。




(参考記事)

懲りない大嘘サイト「ペトこと」~狂気の動物愛誤家たち
「ロサンゼルス市には生体販売ペットショップがない」という、懲りない大嘘サイト「ペトこと」~狂気の動物愛誤家たち
ペットショップ規制で犬のインターネット販売が激増したロサンゼルス市~狂気の動物愛誤家たち
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は、成功かそれとも偽善か?~アメリカのメディアの記事から
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は偽善に終わった~無くならない禁止動物のペットショップ販売
ペットショップでのペット盗難が続発しているロサンゼルス
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は偽善に終わった~激減した保護動物譲渡数
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は偽善に終わった~規制後は、犬のインターネット販売が激増
「ロサンゼルスには殺処分がほぼない」という、懲りない大嘘サイト「ぺトこと」~ロサンゼルスの犬猫殺処分数は人口比で日本の約~14倍
「ロサンゼルスでは保護動物を引き取ることが当たり前」という、懲りない大嘘サイト「ぺトこと」~ロサンゼルスの保護犬猫入手割合は約1割
懲りない大嘘サイト「ぺトこと」~「先進国の中でも日本は殺処分が多い」という大嘘

ドッグオークションの最大の落札者は動物保護団体という醜悪~アメリカ合衆国






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(summary)
Commercial production of puppies in the United States


 記事、
「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘
続・「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~アメリカ編
「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~イギリス、ドイツ編
の続きです。
 朝日新聞記者である太田匡彦氏が、繰り返し主張している事柄があります。「犬などのペットの大量生産とペットショップでの大量販売、オークションは日本独特である。それは日本が動物愛護後進国である一因である」。しかしそれは真っ赤な嘘です。「ドッグオークション」は日本独特のシステムではなく、アメリカでも広く行われています。また犬の商業生産ですが、アメリカ、イギリス、ドイツと比較すれば、日本ははるかに少ないのです。アメリカ合衆国のドッグオークションは、日本と異なるところがあります。それは子犬のほかにも、パピーミルなどのブリーダーの繁殖犬(台メス)の売却や、ブリーダーの繁殖犬の入手の場としても利用されていることです。さらに最大の落札者は、犬の保護団体です。保護団体は、オークションで落札した犬を「保護犬」として、高値で自ら販売したり、ペットショップに卸したりしています。



 サマリーで示した、太田匡彦氏の主張が述べられている記事から引用します。ペットとどう出会う? 年齢考え「次」は無理 2019年6月2日(朝日新聞デジタル)


いまではブリーダー(繁殖業者)、オークション、ペットショップの3者による、日本独特の生体販売のシステムができあがっています。
日本で発展した、ペットショップチェーンを中心に据えた生体販売ビジネスは、大量生産・大量販売をベースに成り立っています。



 連載記事で書いた通り、上記の太田匡彦氏の主張は真っ赤な嘘です。アメリカ合衆国ではペット(犬)オークションが広く行われており、ペットショップでの犬猫の販売も一般的です。さらに犬の商業生産数は、人口比でも日本よりはるかに多いのです。
 イギリス、ドイツにおいても、犬の商業生産数は人口比で日本よりはるかに多いですし、ペットショップでの販売もあります(両国においてペットショップでの犬の展示販売が比較的少ないのは、インターネットによる犬などの販売が極めて多いからです。特にドイツは、犬などのインターネット非対面販売の法規制が一切ありません)。インターネットでの、犬のオークションは、ドイツでは規制がありません。またヨーロッパでは、東欧産の劣悪飼育された安い子犬が主にオランダに集積され、ヨーロッパ各地に再流通されています。オークション形式で子犬取引が行われていることは否定できません。

 アメリカ合衆国のドッグオークションは、日本と異なる点はあります。それは子犬のみならず、成犬も取引されていることです。パピーミルなどのブリーダーの繁殖犬(台メス)の販売です。ブリーダーが繁殖犬の入れ替えを行う、または廃業する際に、在庫している繁殖犬をオークションを通じて販売することが一般的に行われています。
 これらのブリーダーが放出する繁殖犬は、ブリーダーが購入することもありますが、最も積極的に落札しているのが「動物保護団体」です。落札した動物保護団体は、これらの犬を「レスキュードッグ(保護犬)」として高値で自ら転売したり、ペットショップに卸したりしています。それを裏付ける記事から引用します。


How Can You Tell If A Dog Rescue Group Is Legit? Some rescues have been buying dogs from commercial breeders. 「犬の保護団体が合法であるかどうかをどうやったら見分けることができますか?商業ブリーダーから犬を買っている団体もあります」 2018年4月13日

There is little love lost between dog rescuers and the commercial breeders they disparagingly call “puppy mills.”
The Post reported that some rescuers have been buying dogs from commercial breeders at dog auctions.
They do so in the name of “saving” an individual dog, but as a result of the increased demand they cause, the prices of dogs at auctions have been pushed up considerably.
Puppy mills, in response, have ramped up production to meet the increased demand.
Puppy mills are producing more dogs because of rescuers hoping to save dogs from being bred in puppy mills.

犬の保護団体と、犬の保護団体が容赦なく「パピーミル(子犬工場)」と非難している商業ブリーダーの間は、まさに蜜月関係なのです。
ハフポスト(この記事を配信したメディア)は、いくつかの犬保護団体がドッグオークションで、商業ブリーダーから犬を買っていると報道しました。
彼らは個々の犬を「救う」という名目でそうしていますが、彼らが引き起こす犬の需要の増加の結果として、ドッグオークションでの犬の価格はかなり押し上げられました。
それに応じてパピーミルは、犬の需要の増加に応じて子犬の生産量を増やしました。
パピーミルで繁殖させられることから犬を救うことを志向する(犬保護団体の行動)のは、逆に、パピーミルがより多くの犬を生産することにつながります。



The big business of dog rescue 「ドッグ・レスキューという、巨大な営利事業」 2018年6月27日

Some of these nonprofits put the dogs up for adoption and charge people adoption fees of as much as $1,850 per dog.
Buying dogs from breeders is a surprisingly popular activity for nonprofits.
Since 2009, 88 nonprofits have spent $2.68 million buying dogs at the nation’s two government-regulated dog auctions, Southwest Auction Service and Heartland Sales, both of which are in Missouri.
The reason why the rescuers are buying dogs directly from breeders has to do with changes in the market for dogs.
There are a lot fewer dogs coming into shelters than there used to be.
The number of dogs killed in shelters has fallen from 20 million per year in the 1970s to 780,000 in 2017.
If you’re an organization that wants to rescue a particular breed, they’re less likely to be in shelters than they used to be.
So rescuers go to the two dog auctions.
About 280 cities and the state of California have banned so-called “puppy mills” from selling dogs to the public.
But this shifts dog purchases from breeders who are regularly inspected by the U.S. Department of Agriculture to unregulated nonprofits.

いくつかの非営利団体(犬保護団体)の中には、犬の養子縁組を呼びかけ、犬1頭あたり最大1,850(日本円で20万円以上)ドルの養子縁組手数料を請求する団体もあります。
ブリーダーから犬を買うことは、非営利団体(犬保護団体)にとっては驚くほど広く行われている活動です。
2009年以来、88の非営利団体(犬保護団体)が、ミズーリ州で開催されているサウスウエスト・オークション・サービスと、ハートランド・セールスの2つの政府認可のドッグオークションで、268万ドル(3億円近くの金額の)の犬を購入しています。
犬保護団体がブリーダーから直接犬を買っていることは、犬のマーケットの変化と関係があります。
アニマルシェルターに収容される犬の数は、以前よりもはるかに少ないのです。
アニマルシェルターで殺処分された犬の数は、1970年代の年間2000万頭から、2017年の78万頭にまで減少しました。
特定の犬の品種を保護したいと思っている犬保護団体であれば、そのような犬は、以前よりもアニマルシェルターにいる可能性が低くなります。
だから犬保護団体は、2つのドッグオークションを利用します。
約280の都市とカリフォルニア州は、いわゆる「パピーミル(子犬工場)」由来の犬の、一般への販売を禁止しています。
しかしこれは、犬の購入をアメリカ連邦農務省によって定期的に検査されている犬のブリーダーから、規制を受けていない非営利団体(犬保護団体)に移している
ということになります。



LETTER TO THE EDITOR: Legislators invited to dog auction 「編集者への手紙:議員達がドッグオークションに招待された」 2019年5月1日

The truth about dog auctions.
The most intense bidding is not by the breeders, but between….gasp….rehomers(rescues)!!!!
With the self aggrandizing, saintly claim they are “saving” these dogs from going back into horrific conditions.

犬のオークションについての真実。
最も熱心に入札しているのは、ブリーダーではありません…息を弾ませながら入札しているのは・・・犬の里親探しの団体(犬保護団体)なのです!!!
これらの犬が恐ろしい状態(パピーミル)に戻るのを彼らが「救っている」と聖人(犬保護団体)は、自分自身を誇示して主張しています。



 私は、カリフォルニア州ロサンゼルス市と、カリフォルニア州が、「ペットショップでは犬などは保護団体経由のものしか販売してはならない」という法改正を行ったことについて記事にしています。これらの法改正の建前は、「パピーミルという劣悪飼育のブリーダーを撲滅し、保護犬の譲渡数を増やし、殺処分を減らすこと」です。
 私はこれらの記事で、ロサンゼルス市の「ペットショップで販売する犬などは、保護団体由来のものに限る」という法律がいかにザル法で、効果ががなかったかを書きました。今回の記事に関連する点は、「形式的にでも保護団体を経由させればペットショップで犬などを販売できるので、ペットショップでの犬の販売は減らなかった」ということです。「犬保護団体がドッグオークションで犬を落札し、保護犬として高値で転売する」ことが、今回引用した記事で書かれています。ロサンゼルス市とカルフォルニア州の法改正は露骨に、アメリカ合衆国の動物愛誤と政治との癒着と利権の確保という、醜悪をさらけ出しました。つまり、愛誤団体(犬保護団体)が、犬販売を独占するシステムを法律で保障したということです。愛誤団体が自ら犬を売るか、ペットショップに対しては「愛誤団体を経由させて口銭を落とせ」ということです。
 しかし日本では、このような真実を伝えるメディアは皆無です。太田匡彦氏らのような、愛誤利権のための嘘プロパガンダ報道を盲目的に、衆愚愛誤が信奉しています。日本もまた、醜悪な愛誤利権に毒されつつあるのでしょう。


(参考期記事)

懲りない大嘘サイト「ペトこと」~狂気の動物愛誤家たち
「ロサンゼルス市には生体販売ペットショップがない」という、懲りない大嘘サイト「ペトこと」~狂気の動物愛誤家たち
ペットショップ規制で犬のインターネット販売が激増したロサンゼルス市~狂気の動物愛誤家たち
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は、成功かそれとも偽善か?~アメリカのメディアの記事から
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は偽善に終わった~無くならない禁止動物のペットショップ販売
ペットショップでのペット盗難が続発しているロサンゼルス
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は偽善に終わった~激減した保護動物譲渡数
ロサンゼルス市の「パピーミル-ペットショップ禁止条例」は偽善に終わった~規制後は、犬のインターネット販売が激増
「ロサンゼルスには殺処分がほぼない」という、懲りない大嘘サイト「ぺトこと」~ロサンゼルスの犬猫殺処分数は人口比で日本の約~14倍
「ロサンゼルスでは保護動物を引き取ることが当たり前」という、懲りない大嘘サイト「ぺトこと」~ロサンゼルスの保護犬猫入手割合は約1割
懲りない大嘘サイト「ぺトこと」~「先進国の中でも日本は殺処分が多い」という大嘘


(動画)

 Dog Auctions Expose 「ドッグオークションを暴露する」 2007年公開
 12年前の動画です。アメリカ合衆国のドッグオークションの動画は、10年以上前の古いものから2019年の最近のものまでいくつも公開されています。つまりドッグオークションは太田匡彦氏の言うような、「日本独自に進化したもの」ではなく、アメリカの方式を日本が真似て取り入れたのではないかと私は推測します。

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「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~イギリス、ドイツ編






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(summary)
Commercial production of dogs in the United Kingdom and Germany


 記事、
「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘
続・「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~アメリカ編
の続きです。
 朝日新聞記者である太田匡彦氏が、繰り返し主張している事柄があります。「犬などのペットの大量生産とペットショップでの大量販売、オークションは日本独特である。それは日本が動物愛護後進国である一因である」。しかしそれは真っ赤な嘘です。「ドッグオークション」は日本独特のシステムではなく、アメリカでも広く行われています。また犬の商業生産ですが、アメリカ、イギリス、ドイツと比較すれば、はるかに少ないのです。ドイツ、イギリスでは、ペットショップでの犬の展示販売は日本と比べて少ないのは事実ですが、これらの国では犬などの非対面インターネット販売が広く行われており、店頭販売より安いことが原因です。特にドイツでは、犬などの非対面インターネット販売に関する法規制は一切ありません。



 サマリーで示した、太田匡彦氏の主張が述べられている記事から引用します。ペットとどう出会う? 年齢考え「次」は無理 2019年6月2日(朝日新聞デジタル)


いまではブリーダー(繁殖業者)、オークション、ペットショップの3者による、日本独特の生体販売のシステムができあがっています。
日本で発展した、ペットショップチェーンを中心に据えた生体販売ビジネスは、大量生産・大量販売をベースに成り立っています。



 そのほかにも太田匡彦氏は「ペット(犬)の大量生産販売は日本独特」と、繰り返し主張しています(太田匡彦 大量生産 大量販売)。しかし先進国の中では、日本は犬(ペットの中では、統計が整備されているのは犬しかない)の商業生産が際立って少ないのです。前回記事では、アメリカ合衆国は、少なくとも人口比で犬の生産は日本の3倍も多いことを書きました。今回は、イギリスとドイツについて述べます。


・イギリス

Sourcing of pet dogs from illegal importation and puppy farms 2016-2017: scoping research 「違法な子犬輸入およびパピーファーム(パピーミル)からのペットの犬の調達について2016-2017:公開議論のための調査」 2017年11月9日(スコットランド政府文書)

NGO surveys, 89% report they've seen an increase in pet sales from adverts from the internet in the last 2 years.
and consumers for example, "50% would get a pet from an online advert on a classified website".
The same NGO expert used the data available to estimate annual UK sales of between 800,000 and 1.3 million puppies .

NGOの調査によると89%が、過去2年間にインターネットからの広告によるペットの売り上げが増加したと報告しています。
例えば消費者のうちの、「50%が、ウェブサイトのオンライン広告からペットを買うだろう」と述べました。
同じNGOの専門家が入手可能なデータを使用して、イギリスの子犬の年間売上高は、80万頭から130万頭と推定しました。



・ドイツ

DEUTSCHER TIERSCHUTZ 「ドイツの動物福祉」 2018年

Von den ca. 500.000 Welpen, die in Deutschland jährlich ein Zuhause finden, kommen laut VDH (Statistik hier) 1/5 (100.000) aus dem Ausland– Nur ein kleiner Teil der Hunde und Katzen, die neu in Familien aufgenommen werden, kommen aus dem Tierschutz (ca. 10%).

毎年ドイツで家を見つける(註 飼い主に販売される、もしくは譲渡される)約50万匹の子犬のうち、VDH(全ドイツケネルクラブの統計)によると、外国から来たものが5分の1(10万)であり - 新たに家族に迎えられる犬や猫のごく一部は、動物保護団体からのものです(約10%)。


 なお、「ドイツ全土で新たに入手される子犬の数50万頭は、全ドイツケネルクラブ(VDH)による統計調査(2014年)によるもので、多く引用されている数字です。しかし近年ドイツでは犬の飼育数が激増しているので、この数は増えているかもしれません。


 日本の犬の販売数は、アエラ(朝日新聞系の雑誌)の推計では58万頭です(*1)。個人的には、この数字はかなり過大だとは思います。なお、一部朝日新聞の記事を引用した、「日本の犬猫生産数85万頭」という数は犬猫の各流通段階のすべてを重複した数字ですので、生産数でも販売数でもありません。
 日本の犬の販売数においては、アエラ推計値を用います。それにより、日本とドイツ、イギリス、アメリカ合衆国の犬の販売数もしくは生産数を人口比で比較します。

・イギリス
 イギリスの犬の販売数は、80万頭~130万頭です。人口比では、イギリスは日本の2.8倍~4.5倍の犬を営利販売しています。

・ドイツ
 ドイツの犬の販売数は、保護犬を除外した数は45万頭です。人口比では、ドイツは犬の営利販売数は日本の1.2倍になり、日本より多いのです。



 ところで、「あるものの大量生産大量販売化が進展すれば、そのものの価格は低下する」という、経済の大原則があります。子犬のペットショップでの店頭展示販売においては、日本と比べれば、ヨーロッパはかなり安いのです。例えばイギリスの巨大店舗チェーンの子犬の安売りに特化したペットショップでは、血統書付きの子犬が500ポンド(日本円で約7万円)から売られています。ドイツの世界最大の生体販売ペットショップでは、700ユーロ(8万円半ば程度)から純血種の子犬が展示販売されています。
 イギリス、ドイツをはじめとする西ヨーロッパ先進国は、日本より物価が体感的に~5割程度高いです。ですから、イギリス、ドイツにおけるペットショップでの子犬の販売価格は、日本に比べてかなり安いのです。スペインなどは、さらに安いと思います。ペットショップ以外のインターネット販売(特にドイツは、犬などのインターネットによる非対面販売は全く法的規制がありません)はさらにさらに安く、まれに純血種の子犬が200ユーロ台(2万円半ば)で出品されています。
 経済の大原則、「あるものの大量生産大量販売化が進展すれば、そのものの価格は低下する」に従えば、日本の子犬の販売価格は、イギリスやドイツより安くなければおかしいのです。その矛盾点を、太田匡彦氏に是非説明していただきたいものです。


(画像)

 ドイツにある、世界最大の生体販売ペットショップ、Zoo Zajac における、子犬の展示販売。)700ユーロで、長毛ダックスフントの子犬が販売されています。

Zoo Zajac 犬 価格


(動画)
 
 Dogs 4 Us Demo Jan 2012.wmv 2012/02/01 に公開
 イギリスで子犬の安売りに特化した、巨大店舗を複数チェーン展開しているペットショップチェーン、Dogs4us。動画では「500ポンド(約7万円)から子犬が売られており、買ってそのまま持ちかえれる」とあります。なお日本で一部報道されている「2019年(2018年にすでに施行済みという報道もあります)からイギリスではペットショップは犬猫は6か月齢以上でなければ販売できなくなった」は誤りです。そのような法案作成の動きがあるということです。現に、このペットショップは現在(2019年6月本記事公開時)、8週齢程度の子犬を展示販売しています(Dogs4Us)。




(画像)

 ドイツの大手インターネット通販サイト、e-bay の、「子犬販売」のポータル。ペットショップでの展示販売より、さらに安価です。ドイツでは、インターネットなどによる非対面の犬の販売に対しては全く法規制がありません。犬のインターネットオークションも規制がなく、実際に行われています。
 環境省の資料では、禁じられているとありますが、全くのデタラメです。まさに税金泥棒環境省(平成 29 年度 ドイツにおける動物保護の 取組みに係る調査業務 報告書  53ページにわたり、嘘デタラメがぎっしりてんこ盛りにされた資料。まさに狂人の妄想といったレベルです。次に取り上げますが、誤りをすべて指摘するとなれば、1年以上はかかりそうです)。

インターネット 犬 販売 ドイツ

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自治体のTNR禁止の方針転換で罰金刑に処せられた女性~ニュージャージー州






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NJ:Palmerton woman fined for feeding cats


 アメリカ合衆国では、近年はTNRの見直しを行う自治体が増えています。かつてはTNRを合法とし、TNRを支援するために住民に箱わなを貸し出していた自治体も、TNRを違法とする条例改正を行っているケースがあります。例えばニュージャージー州パルメートン自治区などです。パルメートン自治区では、新たにTNRを禁止する条例が施行されたのちに、以前からTNR活動を行っていた女性が罰金刑に処せられることになりました。


 サマリーで示した通り、「自治体の新たなTNR禁止条例が施行されてことにより、TNRが合法だった以前からTNR活動を続けていた女性が罰金刑に処せられた」ことを報じる記事から引用します。
 Palmerton woman fined for feeding cats  「猫に餌をやることで罰金を科されたパルメートンの女性」 2019年1月10日(ビデオあり)


For the last seven years, a Palmerton resident who wants to be known only as Sandy has been feeding two neutered male cats that live in her yard.
But last week Sandy got summons in the mail fining her $123.25 for doing so.
The two male cats were the last of 14 Sandy trapped, neutered and released over the years.
Enacted in July 2017, Palmerton Ordinance 728 prohibits feeding stray cats.
Up until a few years ago, the borough provided residents with traps for TNR programs.

サンディとしてしか名前を知られたくないパルメートン自治区の女性の住民は、自分の庭に住む2匹の去勢されたオス猫に餌を与えていました。
しかし先週に、サンディさんは、123.25ドルの罰金を科すとの召喚状を郵便で受け取りました。
その2匹のオス猫は、サンディーさんが長年にわたって捕獲し、去勢し、そしてリリース(いわゆるTNR活動)した、14匹の猫のうちの最期の猫でした。
2017年7月に制定された、パルメートン自治区条例728号では、野良猫への給餌を禁止しています。
数年前までは、パルメートン自治区は、住民にTNRプログラム用の罠を提供していました。



 日本では意図的な情報操作もあると私は感じていますが、アメリカ合衆国では、日本で喧伝されているほどTNRは普及しているとは言えません。現に飼い猫としてマイクロチップで個体識別、自治体への登録等を行っていない飼い猫以外に、給餌や医療行為(不妊去勢)などを行うことを禁止する自治体は数多くあります。また処罰規定も日本では考えられないほど厳しく、懲役刑で処罰する規定がある条例も持つ自治体も多数あります。実際に刑務所で服役した人もいます。
 日本では、TNR(地域猫活動)に対する批判は、ほとんどありません。しかしアメリカ合衆国では、例えば生態系への悪影響や、人畜共通感染症のリスクを高める等により、かなり厳しくTNRを糾弾している団体が多数あります。今回は、ニュージャージー州パルメートン自治区を例に挙げました。かつてはTNRを合法としていのですが、TNRの効果が否定されつつあることや、有害性が周知されつつあることなどにより、方針転換をした自治体は、アメリカ合衆国では珍しくありません。


(動画)

 Trap, Neuter, and Release: Bad for Cats, Disaster for Birds (HD) 「トラップ、ニューター、リリース(TNR):それは猫にとって悪く、鳥にとっては災難です」 2009/05/22 に公開
 American Bird Conservancy 「アメリカン・バード・コンサーバンシー ABC(アメリカ合衆国の野鳥保護団体)」による、TNRの問題を提起するビデオ。同団体は、一貫してTNRに反対しています。

One controversial solution to deal with the feral cat problem is trap, neuter and release.
However, evidence is growing that this method is not eliminating the cat colonies or the predation of birds and other wildlife.
There are other problems created by feral cats as well including threats to human health, and public nuisance issues.

野良猫問題に対処するための、議論を醸している一つの解決策はトラップ、ニューター、リリース(TNR)です。
しかしこの方法は、野良猫の一群の排除する(減らす、無くしていく)、または野鳥やそのほかの野生動物の猫による捕食を無くすことがないとの根拠が増えています。
野良猫によって引き起こされる他の問題、人の健康への脅威、および公共の迷惑という問題もあります。





(動画)

 PETA says euthanasia "preferable" to TNR 「PETAは、安楽死はTNRより望ましいと述べています」。2014/08/05 に公開
 アメリカ合衆国の大手動物愛護団体であるPETAは、一貫してTNRに反対しています。ピマ郡でのTNR条例案に反対するPETAの運動員。

続・「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~アメリカ編






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Commercial production of puppies in the United States


 記事、「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘、の続きです。
 朝日新聞記者である太田匡彦氏が、繰り返し主張している事柄があります。「犬などのペットの大量生産とペットショップでの大量販売、オークションは日本独特である。それは日本が動物愛護後進国である一因である」。しかしそれは真っ赤な嘘です。「ドッグオークション」は日本独特のシステムではなく、アメリカでも広く行われています。また犬の商業生産ですが、アメリカ、イギリス、ドイツと比較すれば、はるかに少ないのです。ドイツ、イギリスでは、ペットショップでの犬の展示販売は日本と比べて少ないのは事実ですが、これらの国では犬などの非対面インターネット販売が広く行われており、店頭販売より安いことが原因です。特にドイツでは、犬などの非対面インターネット販売に関する法規制は一切ありません。



 サマリーで示した、太田匡彦氏の主張が述べられている記事から引用します。ペットとどう出会う? 年齢考え「次」は無理 2019年6月2日(朝日新聞デジタル)


いまではブリーダー(繁殖業者)、オークション、ペットショップの3者による、日本独特の生体販売のシステムができあがっています。
日本で発展した、ペットショップチェーンを中心に据えた生体販売ビジネスは、大量生産・大量販売をベースに成り立っています。



 前回記事、「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘、では、アメリカ合衆国ではドッグオークションが広く行われている事を書きました。今回は、アメリカ合衆国における、「パピーミル(大量生産の劣悪飼育の犬ブリーダー)による犬の商業大量生産が日本よりはるかに進んでいる」ことと、「ペットショップの数もはるかに多く、パピーミル生産の犬がペットショップで売られている」ことを述べます。
 アメリカ合衆国における、ペットショップの統計資料があります。IBISWorld Industry Report 45391 Pet Stores in the US 「IBISWorld 業界調査報告書45391 アメリカ合衆国のペットストア 2012年」(なお、Key statistics 「基本統計」として、2017年までの統計値が付けてあります)。
 この資料は、アメリカの大手シンクタンク、IBIS Worldによるものです。本資料によれば、2017年のアメリカ合衆国における、個人事業の生体販売ペットショップと、法人の生体販売ペットショップの合計は、33,659件あります。この数は、人口比で日本の生体販売ペットショップの数(*1)の2.7倍です。


(画像)

 IBISWorld Industry Report 45391 Pet Stores in the US 「IBISWorld 業界調査報告書45391 アメリカ合衆国のペットストア】2012年」 (31ページ)

アメリカ ペットショップ統計


(画像)

 Mmost petstore puppies come from puppy mills 「ペットショップで売られている子犬のほとんどがパピーミルから来るのです」 2018年9月25日
 この記事によれば、アメリカにおけるペットショップの数は、日本の約7倍あります。この数値は、先に引用した、IBIS World による報告書の2017年統計値と概ね一致します。

・99% puppies sold in pet stores come from puppy mills.
・45,000,000 puppies are born in puppy mills and sold in pet stores every years in the United States.
・There are roughiy 35,000 pet stores in the US.

・ペットショップで販売されている99%の子犬は、パピーミル(子犬工場)から来たものです。
・アメリカ合衆国では、パピーミル(子犬工場)で450万頭の子犬が生まれ、毎年販売されています。
・アメリカ合衆国には、約35,000軒のペットショップがあります。


パピーミル 7倍


 次に、犬の商業生産のアメリカ合衆国と日本の比較です。先の画像を引用した記事、Mmost petstore puppies come from puppy mills によれば、アメリカ合衆国ではパピーミル(大量生産の劣悪飼育の犬ブリーダー)生産の子犬だけで450万頭が生産されているとしています。また、前回記事で引用した、Dogs For Sale: The Business Of Dog Auctions によれば、アメリカ合衆国における犬の消費需要は年間800万頭としています。つまり優良なブリーダーによる生産もこの中に含まれ、アメリカ合衆国の犬の商業生産数は、450万頭をはるかに超えると考えられます。
 対して日本の犬の商業生産は、太田匡彦氏が雑誌アエラで公表した推計値ですが、59.5万頭です(*2)。人口比で比較すれば(アメリカ合衆国の人口は日本の約2.5倍)、仮にアメリカ合衆国の犬の商業生産が450万頭としても、3倍もアメリカ合衆国が日本より犬の商業生産数が多いのです。さらに犬ブリーダーの1事業者当たりの犬生産数は、アメリカ合衆国は日本の約3倍です(*3)。
 

 全開と今回記事では、アメリカ合衆国においては、「ドッグオークションが一般的に行われている」、そして「パピーミル等による犬の商業生産は、人口比においても日本より圧倒的に多い(3倍以上)」、「ペットショップの数は人口比で日本の2.7倍という多さである」ことを述べました。つまり太田匡彦氏が常に主張している、「日本はペット(犬)の大量生産を行い、ペット(犬)オークションがあり、ペットショップで大量販売を行う独特な国である」は正反対の大嘘です。 次回以降の記事では、イギリス、ドイツについても考察します(続く)。


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「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘






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Dog Auction in the U.S


 朝日新聞記者の太田匡彦氏が、繰り返し主張している、「犬などのペットの大量生産とペットショップでの大量販売、オークションは日本独特である。それは日本が動物愛護後進国である一因である」があります。しかしそれは真っ赤な嘘です。「ドッグオークション」は、アメリカ合衆国でも広く行われています。また犬の商業生産ですが、アメリカ、イギリス、ドイツと比較すれば、日本ははるかに少ないのです。ドイツ、イギリスでは、ペットショップでの犬の展示販売は日本と比べて少ないのは事実ですが、これらの国では犬などの非対面インターネット販売が広く行われており、店頭販売より安いことが原因です。特にドイツでは、犬などの非対面インターネット販売に関する法規制は一切ありません。なお、ペットショップの数は、これらの国は、日本よりはるかに多いです。


 サマリーで示した、太田匡彦氏の主張が述べられている記事から引用します。ペットとどう出会う? 年齢考え「次」は無理 2019年6月2日(朝日新聞デジタル)


いまではブリーダー(繁殖業者)、オークション、ペットショップの3者による、日本独特の生体販売のシステムができあがっています。
日本で発展した、ペットショップチェーンを中心に据えた生体販売ビジネスは、大量生産・大量販売をベースに成り立っています。



 まずどく‐とく【独特/独得】の意味は、次の通りです。「そのものだけが特別にもっていること。また、そのさま」。つまり太田匡彦氏の記事の記述、「ブリーダー(繁殖業者)、オークション、ペットショップの3者による生体販売のシステム」は、日本にしか存在しないとの意味になります。
 結論から先に言えば、それは大嘘です。アメリカ合衆国の犬の生体販売アメリカ合衆国を例に挙げれば、犬の商業生産は人口比で日本の3倍以上で、ペットショップは2.7倍もあります。保護犬だけしかペットショップで販売できないと法律で定めているカリフォルニア州がありますが、例外です。しかも事実上カリフォルニア州においても、いわゆるパピーミル(大量生産劣悪飼育の犬ブリーダー)生産の子犬でも、形式的に保護団体を経由すればペットショップでの販売が可能です(むしろ「レスキュー団体」が、ドッグオークションでパピーミル由来の犬を購入し、ペットショップに卸している」とのアメリカ合衆国での批判があります。この点はのちの記事で詳述します)。
 ドッグオークションも、アメリカ合衆国では一般的に行われています。おそらくドッグオークションの発祥は日本ではなく、アメリカ合衆国と思われます。つまり、犬の大量生産→ドッグオークション→ペットショップという生体販売のシステムは、日本独特のものではありません

 まずドッグオークションですが、アメリカ合衆国でも広く行われていることを裏付ける記事から引用します。


LETTER TO THE EDITOR: Legislators invited to dog auction 「編集者への手紙 議員たちが犬のオークションに招待された」 2019年5月1日

The truth about dog auctions.
Only licensed and inspected professional breeders are allowed to sell at auction.
Those dogs MUST be clean, microchipped, in good health, current health certificate signed by a licensed veterinarian.
Any flaws, such as, but not limited to an underbite, loose knees, spot in an eye are all called out prior to bidding.
There is a licensed veterinarian present during the sale.
A brucellosis snap test will also be conducted upon request.
Puppies must be minimally 8 wks. old.

ドッグオークションについての真実
公に審査されたプロのブリーダーだけが、オークションで犬を売ることが許可されています。
それらの犬は健康で、清潔で、マイクロチップが施術されていなければなりませし、認可獣医師により署名された現在の健康証明書がなければなりません。
咬み癖、膝関節の異常、目の斑点の病変などの欠陥はすべて、入札の前に大声で伝えられます。
セリ中は、認可を受けた獣医師が滞在しています。
ブルセラ症の簡易検査も、要望に応じて行われます。
子犬は最低8週齢以上でなければなりません。



Dogs For Sale: The Business Of Dog Auctions 「犬の販売:ドッグオークションというビジネス」 2017年4月24日

The consumer demand for dogs in the U.S. is around eight million dogs per year.
But one little known way dogs filter into system is through dog auctions.
Product is brought to the center of the room, people bid on it and the highest bid wins.
The biggest legal dog auction in America is Southwest Auction Services in Wheaton, Missouri.
Each tends to hold at least one dog auction per month, and their websites have downloadable catalogs where prospective bidders can assess the merchandise, often in alphabetical order by breed: Akitas, Beagles, Cavaliers, Dachshunds and so forth.
All of the money, minus the auctioneer’s cut, goes into the pockets of the sellers, who are usually commercial-scale breeders.

アメリカ合衆国における犬の消費者需要は、年間約800万頭です。
しかし犬を選別するシステムですが、ほとんど知られていないのは、ドッグオークションによる方法です。
商品(犬)は部屋の中央に運ばれ、人々はそれに入札し、最高入札額者が購入します。
アメリカ合衆国で最大の合法的な犬のオークションは、ミズーリ州ウィートンの、サウス・ウェスト・オークションサービスです。
それぞれのオークションは、月に少なくとも1回のドッグオークションを開催する傾向があり、そして彼らのウェブサイトはこれから入札する者が、アルファベット順に品種によって商品(犬)を評価することができる、ダウンロード可能なカタログがあります:秋田犬、ビーグル、キャバリエ、ダッチフンドなどです。
多くのオークションでは、1日に6桁の取引が発生します(数十万ドル。日本円で数千万円)。
出品者の手数料を差し引いたすべてのお金は、通常は商業規模のブリーダーである出品者のポケットに入ります。



 一方、アメリカ合衆国では、きわめて大規模なパピーミル(大量生産劣悪飼育の犬ブリーダー)が多数存在します。先に引用した記事、Dogs For Sale: The Business Of Dog Auctions においては、アメリカ合衆国の犬の需要は年間800万頭としています。そのうちの400万頭から450万頭程度をパピーミルが生産しています。
 パピーミルに代表されるアメリカ合衆国の犬の大量生産は、国全体の生産数、一事業者の規模においても、日本とは比較にならないほどの大量生産化が進んでいます。そして、中間業者として重要な役割を担っていいるのが、「ドッグオークション業者」です。そしてドッグオークションによりセリにかけられた子犬の多くが、ペットショップで販売されます。また一部は、インターネット販売されるでしょう。それがアメリカ合衆国の実情です。次回は、アメリカ合衆国における、パピーミルなどによる犬の商業的大量生産と、アメリカ合衆国では極めて多い、ペットショップにおける犬の生体販売について取り上げます。繰り返しますが、太田匡彦氏の、「犬などのペットの大量生産とペットショップでの大量販売、オークションは日本独特である」は、全くのデタラメ、大嘘です。


(動画)

 Investigation at Farmerstown Dog Auction in Ohio 「オハイオ州にある、ファーマーズ・ドッグ・オークションの調査」 2011年2月8日公開
 アメリカ合衆国における、ドッグオークションの動画は、かなり古いもの(2007年頃)から最近の2019年のものまで複数が公開されています。つまりドッグオークションという販売方式は日本独自で進化したものではなく、発祥はアメリカ合衆国で、のちに日本が取り入れたのではないかと私は推測します。

続・経歴詐称の自称ドイツ連邦獣医師とピースワンコ~「殺処分ゼロバブル」の退廃







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 前回記事、経歴詐称の自称ドイツ連邦獣医師とピースワンコ~「殺処分ゼロバブル」の退廃、に続き、自称「ドイツ連邦獣医師」の京子アルシャー氏の経歴疑惑についてです。ドイツ語検索では、同氏がドイツ連邦獣医師であることや、ティアハム・ベルリンの運営に関与していたことを裏付ける情報はありません。さらに同氏のドイツ動物保護法(Tierschutzgesetz)の日本語訳の誤訳ですが、その内容からは同氏が獣医師であることや、ドイツで高等教育を受けられるほどのドイツ語力があるとは思えません。


 かつて、Dog actually というサイトがありました。主に犬に関する情報サイトですが、ペット保険を手掛ける損害保険会社が運営していたと記憶しています。誤りが多い記事が多数ありました。そのサイトに、自称ドイツ連邦獣医師の京子アルシャー氏も、いくつかの記事を寄稿していました。
 その一つに、「ドイツ殺処分ゼロの理由」という記事があります。この中で同氏は、ドイツ動物保護法(Tierschutzgesetz 改正前。2014年に改正し、条文の記述は若干変わりましたが、内容は同じです)を日本語訳し、解説をしています。その日本語訳があまりにも噴飯モノで、歴史的珍訳と言える代物です。元記事をそのまま転載して残してあるブログがありましたので、それから引用します。ドイツ 殺処分ゼロの理由(なお元記事はこちら。既に削除されています。ドイツ 殺処分ゼロの理由)。


現在ドイツの動物保護法では動物の殺行為について以下のように明確に定められている。
§4(1)Ein Wirbeltier darf nur unter Betäubung oder sonst, soweit nach den gegebenen Umständen zumutbar, nur unter Vermeidung von Schmerzen getötet werden.
脊椎動物(①)は麻酔下においてのみあるいは状況により痛みを回避することでのみやむを得ず殺されることとする)
この法律に則り、犬や猫を殺すにはまず獣医学的所見という正当な理由が必要である。
例え下線文不治の病だとしても酷い痛みを伴わず投薬など治療を継続することで生活に支障がないとされる動物は安楽死の対象にはならない(②)ため仲介に出される。
やむを得ず動物を殺す際はかならず安楽死でなくてはならない。
現在ドイツの動物保護法から読み取ると安楽死とは「痛みと苦しみを伴わない死」のことであり、家畜の堵殺のみならず犬の場合も麻酔薬を用い痛みと苦しみを回避することでのみ殺すことが許される(③)。



 つまり京子アルシャー氏による、ドイツ動物保護法4条の意味は次のように理解できます。
・脊椎動物を殺す場合(①)は、麻酔下(②)で、痛みを回避する目的でのみ(③)できる。

 どなたも義務教育で「脊椎動物」の範疇を習っているはずです。脊椎動物は、・魚類、・両生類、・爬虫類、・鳥類、・哺乳類、を含みます。では、ドイツでも食用のために魚を養殖していますが、それらを食用とにはするには、「末期の傷病で苦痛を回避する目的で麻酔薬を用いて殺害した」ものだけなのでしょうか。また自然死したものなのでしょうか。京子アルシャー氏のドイツ動物法4条の解釈だと、そうなります。また京子アルシャー氏は、明確に「家畜の屠殺は麻酔薬を用いて痛みと苦しみを回避しなければならない」と記述しています。屠殺とは、狭義には、「家畜を食用のために殺すこと」を指します。では、ドイツでは牛や豚を食用でと殺する場合は、「末期の傷病の個体を、苦痛を回避するために麻酔薬で殺害する」のでしょうか。
 まず、養殖魚を食用として出荷する場合、それ等を麻酔薬を用いて安楽死するわけがないことがお分かりいただけると思います。さらに牛や豚などの哺乳類の家畜を食用と殺する場合です。ドイツでは、家畜の食用屠殺では麻酔薬を一切使いません。麻酔薬の成分が食肉に混入すれば、違法になります。麻酔薬のペントバルビタールは経口摂取した場合、わずかな量でもアナフィラキシーショックにより死亡する可能性があるからです。私は断言しますが、食用の屠殺で家畜を麻酔薬を用いなければならないと規定している国は皆無です。

 獣医師の重要な職務に、家畜の屠殺での食肉の安全検査があります。安全検査には、・微生物学的検査、・病理検査、・理化学的検査、があります。その中の「理化学的検査」は、有害な化学物質薬品などが、食肉に混入していないか調べます。日本もドイツも、先進国では義務付けられています。特にドイツは、世界で最も厳しい食肉の安全基準があるEU構成国です。したがって家畜の屠殺においては、ドイツが麻酔薬を用いることはあり得ず、ましてや法律で義務付けるなどとは荒唐無稽もはなはだしい。
 京子アルシャー氏が獣医師資格をお持ちならば、当然それは知りうることです。それがまず、京子アルシャー氏が獣医師資格をお持ちではない根拠です。

 それと、ドイツ動物保護法4条(現在は2014年に法改正されて条文の記述が少し変わりましたが、内容は同じです)の誤訳のひどさです。このような噴飯誤訳をするような方が、ドイツで高等教育を受けるに堪ええるドイツ語力があるとは思えません。まず、改正前のドイツ動物保護法4条の正しい意味は以下の通りです(拙訳)。


§4(1) Ein Wirbeltier darf nur unter Betäubung oder sonst, soweit nach den gegebenen Umständen zumutbar, nur unter Vermeidung von Schmerzen getötet werden.

4条 脊椎動物の殺害は、状況に応じて可能な限り意識喪失下であるか、もしそれがかなわなければ、苦痛を回避することでのみ許可される。

(意訳すれば、「脊椎動物の殺害は可能なかぎり意識喪失下でなければならないが、もしそれが不可能な場合は、状況応じてできるだけ痛みや苦痛を回避する方法によらなければならない」です)。


 つまり、「苦痛の回避」は、「脊椎動物を殺すことの目的」ではなく、「殺害の手段」ということです。また、Betäubung は、必ずしも麻酔を意味しません。「意識を喪失している状態」です。麻酔が効いて意識喪失下であることは指します(三修社 現代独和辞典)。
 ドイツでは動物保護法の適用範囲は脊椎動物すべてを含みますので、日本では合法な鯛の活け造りは違法と解釈できます。意識喪失下での殺害ではないからです。牛のと殺では、先の述べた通り、麻酔薬を使うことは一切ありません。家畜の屠殺専用の拳銃で、まず脳を打ち抜いてから放血します(なお一部大学の教員や政府機関の文書で、「ドイツは家畜のと殺では麻酔をしなければならない」とありますが、明らかな誤訳です。私はこの件に関して記事を書いています *1)。


(動画)

 Missstände in Schlachthäusern ZDF Frontal 21 「食肉処理場での動物虐待 ZDF(ドイツ第二公共放送 Frontal 21)」 2017/06/11 に公開(閲覧注意)
 4:24~が、家畜用ボルト銃(と殺銃)による牛のと殺の映像です。これがドイツの法定のと殺方法です。ボルト銃で脳組織を破壊するまでは、意識がありますし、この処置の前には麻酔による疼痛管理は行いません。




(動画)

 Rind wird betäubt 「牛は失神しています」 2011/02/27 に公開 閲覧注意
 ドイツにおける牛の法定のと殺方法。家畜用ボルト銃で、脳を破壊して失神させた状態にしています。その後、放血をします。もちろん麻酔薬を用いていません。




(参考資料)

Tierschutzgesetz 「ドイツ動物保護法 現行法」 

§ 4 (1) Ein Wirbeltier darf nur unter wirksamer Schmerzausschaなden zumutbar, nur unter Vermeidung von Schmerzen getötet werden.

4条 脊椎動物は、知覚と意識が喪失した状態である効果的な疼痛除去(麻酔などの無意識下)でのみ殺害が許可されるが、もしくはそれが不可能な場合は、所与の状況に応じて合理的な範囲で疼痛管理を行うこと。
(なおこの4条では、後段で「狩猟や有害動物の駆除においては、必ずしも意識喪失は必要ない」との記述が加えられました)。



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経歴詐称の自称ドイツ連邦獣医師とピースワンコ~「殺処分ゼロバブル」の退廃







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 日本最大級の犬保護団体、ピース・ワンコ・ジャパンがあります。この施設は、(NPO法人)ピース・ウィンズ・ジャパンが2012年夏に広島県・神石高原町に創設しました。このNPO法人は「殺処分ゼロ」を掲げ、広島県はふるさと納税に支援しました。しかし過密飼育による劣悪飼育、狂犬病予防接種の未実施により2018年に狂犬病予防法違反と、県動物愛護管理条例違反により関係者が書類送検されました。さらに今年6月には、過密な虐待飼育で、関係者が動物愛護管理法違反で書類送検されました。まさに「殺処分ゼロバブル」の成れの果てという惨状です。さらにこの団体に大きくかかわっている、自称ドイツ連邦獣医師の経歴は、全くの詐称でした。


 (NPO法人()ピース・ウィンズ・ジャパンが運営する、広島県の犬保護団体、ピース・ワンコ・ジャパンの醜聞は、多くのマスメディアの記事やソーシャルメディアで取り上げられています。例えば、日本最大級の保護団体「ピースワンコ」を獣医師が告発 「対応が追いつかない」無茶苦茶なビジネスか 2018年12月7日 です。
 本記事では、週刊新潮などの報道内容に触れています。ピース・ワンコ・ジャパンのこのような問題の発生は、「殺処分ゼロ」のための無理な運営が原因と言えます。
 
 ピース・ワンコ・ジャパンの設立と、関連団体の運営に深くかかわっている人物に、ドイツ連邦獣医師を自称する、京子アルシャー氏がいます。この方は、日本に「殺処分ゼロ運動」を推進した人物の一人と言えるでしょう。また日本で、「ドイツは殺処分ゼロであるという、嘘プロパガンダを広めた張本人です。
 この方は、ドイツ連邦獣医師を自称していますが、私はかつて同氏の経歴に対する疑念を記事にしています(私は、京子アルシャー氏の経歴に疑念を抱く)。この方がお住いのベルリン州の、ベルリン州が作成している獣医師名簿にお名前の記載がありません(Tierärzte in Berlin)。その他においても、京子アルシャー氏が獣医師であるとの裏付けになる情報は、ドイツ語検索では見つかっていません。


 さらにこの方は、ドイツの最大の動物保護施設である、「ティアハイムベルリンの運営にかかわっている」とも公言しています。これは、中日新聞の記事にあります。「運営にかかわっているとは、通常、「経営に関与している」、つまり経営の意思決定能力がある、団体の役員と理解できます。また伝聞ではありますが同氏は、「ティアハム・ベルリンの経営に関与している」と公言しているとも聞いています。
 しかしそのような事実はありません。ティアハム・ベルリン自身の事業報告書の理事(役員)名簿には、過去から現在(2019年)まで、この方のお名前が記載されていたことはありません。先に、京子アルシャー氏が、「ティアハイム・ベルリンの運営に関与している」と公言していることを報じる、中日新聞の記事のスクリーンショットが以下の画像です。


(画像)

 中日新聞 2016年6月25日記事。元記事は削除されていますが、完全にコピーした個人ブログ記事があります(ドイツに倣う動物保護 多気に大規模施設計画(三重))。

温泉・飲食業アクアイグニス(東京)は、多気町で二〇一九年秋、開園を目指す国内最大級の混在型リゾート施設「アクアイグニス多気(仮称)」に、大規模な動物保護譲渡施設「ティアハイム」を造る。
ドイツ・ベルリン郊外にある「ティアハイム・ベルリン」の運営に関わる在独19年目の日本人獣医師アルシャー京子さん(47)は、ペットに対する日独の考え方の違いを嘆く。
しかし、ドイツでの殺処分は重病などに限られる(註 ティアハイム・ベルリン自身がHPで「傷病、問題行動、緊急を要する危険回避のためならば「殺処分しなければならない」と明記しています。つまりこの記述は「嘘」です)。
アルシャーさんによると、ティアハイムの大規模施設は、広島にあり、完成すれば国内で二カ所目になる。(吉野淳一)


京子アルシャー 経歴


 先に述べましたが、ティアハイム・ベルリン自身が公表している事業報告書等での、役員(理事)や外部委員会メンバーには、京子アルシャー氏のお名前は、私は過去から現在(2019年)まで確認できていません。一例として、2017年公開のティアイム・ベルリン自身による事業報告書(プレスリリース)を引用します。この事業報告書では、理事人事の公表と、ベルリン州から交付を受けた補助金の使途内訳に関して公表しています。
 PRESSEMITTEILUNG Tierschutzverein für Berlin wählt neuen Vorstand Berliner Politik kündigt finanzielle Unterstützung bei Sanierung an  「プレスリリース ベルリン動物保護(ティアハイムベルリンの運営団体)が新しい理事を選出しました ベルリン州政府がティアハイムベルリンの設備改修のための財政支援を発表」 2017年9月18日


Berlin, 18. September 2017 – Der Tierschutzverein für Berlin hat auf seiner Jahreshauptversammlung am vergangenen Samstag einen neuen Vorstand gewählt.
Ines Krüger
Claudia Hämmerling
Sieglinde Stasny
Brigitte Jenner
Petra Lubda
Julia Edelmann

ベルリン、2017年9月18日 - 動物福祉協会ベルリンは先週の土曜日の年次総会で新しい理事会を選出しました。
イネス・クルーガー
クラウディア・ヘンメリング
ジークリンデ・スタズニー
ブリジット・ジェンナー
ペトラ・ルダ
ジュリア・エーデルマン



 京子アルシャー氏は、先に述べた通り、ピース・ワンコ・ジャパンの設立を支援していた人物です。またピース・ワンコ・ジャパンの関連団体である、ピースワンコ・ジャパン PRODOGスクールという、犬のトレーナ養成学校の校長を務めています。ここでも京子アルシャー氏は、「ドイツ連邦共和国獣医師」を自称しています。母体となる、ピース・ワンコ・ジャパンへの公費投入(ふるさと納税)では、多額の使途不明金があると指摘されています。
 当然、関連団体である、ピースワンコ・ジャパン PRODOGスクール(生徒数が予定数にはるかに満たない)に流れていると考えられるでしょう。となれば、京子アルシャー氏への報酬等も含まれています。ふるさと納税は納税者が寄付金控除を受けますので、公費負担です。京子アルシャー氏の資格や経歴には疑惑があります。ピース・ワンコ・ジャパンと京子アルシャー氏の疑惑に対して弁明する責任があると思います。
 なお京子アルシャーの「ドイツ獣医師」の疑惑ですが、それを裏付けるものがないということ以前に、例えばドイツ動物保護法の解説などでは、ドイツ語で高等教育を受けている人物ではありえない、とんでもない「珍訳」をしています。それは次回の記事で取り上げます(続く)。

アメリカ合衆国の民間動物愛護団体の法執行権限は極めて限定的~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)






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Table of Enforcement Powers Granted to Humane Societies by State
Michigan State University College of Law Animal Legal & Historical Center


 記事、
アメリカ合衆国ではTNRが一般的に行われているという、大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
続・アメリカ合衆国ではTNRが一般的に行われているという、大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国ではTNRは懲役刑もある犯罪である~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国連邦政府機関はTNRを完全否定~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国の複数の政府機関はTNRを完全否定~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国における野良猫管理は「捕獲殺処分」が一般的~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国のTNRマネジメントと日本の地域猫は異なる~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
の続きです。
 広島県が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して作成した、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)、ですが、これはドイツ、イギリス、アメリカ合衆国の動物愛護管理に関する調査報告書です。この報告書はすべてにわたり、嘘誤り偏向がびっしりと記述され、正確な記述はほぼないという、目を覆いたくなるほどひどい内容です。すでにドイツ、イギリスに関しては記事にしました(「続き」をご覧ください。過去記事をすべてリンクしてあります)。今回記事は引き続き、アメリカ合衆国に関して述べます。本報告書の記述、「全米人道協会(Humane Society of the United States)は、州の警察と同様の権限が与えられている」が大嘘であることを述べます。



 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、「本報告書」と記述する)の、アメリカ合衆国に関する問題となる記述には、次のようなものがあります。


「全米人道協会(Humane Society of the United States:HSUS)
米国最大の動物保護団体。
虐待された動物を、州の警察と同様の法執行の権限を与えられ、保護している(44ページ)。



 この記述においては、Humane Society of the United States (以下、 「全米人道協会」と記述する)とあり、単数形ですので、全米人道協会(の本部。統括組織)と解釈できます。つまり、「アメリカ合衆国ではすべての州において、動物虐待の保護に関しては、全米人道協会は州の警察と同様の法執行の権限が与えられている」という意味になります。しかしそれはデタラメです。
 全米人道協会は各州に支部があり活動していますが、動物虐待犯罪に対する法執行権限の付与は、州によって大きく異なります。全く法執行権限が与えられていない州が多数ありますし、法執行権限の付与は極めて限定的である州もあります。「州の警察と同様」、つまり「完全なる法執行権限を全米人道協会に付与している州」はむしろ例外です。
 全米人道協会に対する、法執行権限の範囲について、各州の州法を一覧にした資料があります。


 Table of Enforcement Powers Granted to Humane Societies by State Michigan State University College of Law Animal Legal & Historical Center 「全米人道協会に付与された法執行権限の州による一覧表」 ミシガン州立大学法学部 動物法と歴史研究センター 2012年 から引用します。


This table outlines the powers granted to agents of humane societies in some states to enforce anti-cruelty statutes.
Approximately 34 states have granted agents of humane societies the power to enforce anti-cruelty statutes.
Humane officers’ enforcement powers vary by state, but include serving search warrants, seizing animals, and arresting offenders.
In other states, the humane officers’ powers are more limited, and they must act in concert with law enforcement officers to address violations of animal cruelty laws.

この一覧は、動物虐待の法令違反に対する法執行を行うための、いくつかの州での全米人道協会の調査員に与えられた法的能力を概説しています。
約34の州が全米人道協会の調査員に動物虐待の法令違反に対しての法執行権限を与えています(註 限定的な付与も含む)。
全米人道協会の職員の法執行権限は州によって異なりますが、捜索令状の提供、動物の押収、違反者の逮捕などがあります。
他の州では、全米人道協会の職員の権限はより制限されており、動物虐待法の違反に対処するためには、法執行官(註 警察官など)と協力して行動しなければなりません(註 さらには、全く法執行権限が付与されていない州もあります)。



 Table of Enforcement Powers Granted to Humane Societies by State Michigan State University College of Law Animal Legal & Historical Center 「全米人道協会に付与された法執行権限の州による一覧表」 ミシガン州立大学法学部 動物法と歴史研究センター 2012年 の一覧によれば、各州別の全米人道協会に対する法執行権限の付与は、次の通りになります。

1、法律上、全く法執権の権限が全米人道協会に付与されていない州(表1)

・アラスカ州
・アリゾナ州
・ワシントンD.C
・ジョージア州
・アイダホ州
・アイオワ州
・メイン州
・ミズーリ州
・モンタナ州
・ネブラスカ州
・ニューメキシコ州
・オクラホマ州
・テキサス州
・ユタ州
・ウエストヴァージニア州
・ウィスコンシン州
・ワイオミング州


 対して、動物虐待犯罪に限り、「私有地内や施設の捜査」、「容疑者の逮捕」など高度な法執行権限が与えられているのは次の州のみです。さらに、「州警察官と同様の権限」と明記され、単独で逮捕などの法執行が、全米人道協会の職員にに付与されているのは、この一覧表を見る限り、・インディアナ州、・ネヴァダ州、・ロードアイランド州の3州です。その他の以下の州では、「私有地内や施設の捜査」、「容疑者の逮捕」という、高度な法執行権限の行使は、警察官の同行や事前の許可などの制限があります(表2)。
 (表1)、(表2)、のいずれにも記載がない州は、限定的な法執行権限は全米人道協会に付与されていますが、「私有地内や施設の捜査」、「容疑者の逮捕」といった高度な法執行権限は付与されていません。限定的な調査権限や、小火器(武器。小型拳銃)の携行が認められています。つまり、「州警察と同様の法執行権限」が全米人道協会に付与されている州は、この一覧を見る限り、3州ということになります。 

2、動物虐待犯罪に限り、「私有地内や施設の捜査」、「容疑者の逮捕」など高度な法執行権限が全米人道協会に与えられている州(なお、「警察官の同行を要する」、「事前に警察などの許可を得ること」などの制限がある州も含みます(表2)。

・カリフォルニア州
・コネティカット州
・デラウェア州
・ハワイ州
・インディアナ州(私有地内や施設の捜索や逮捕権限は州警察官と同等)
・ケンタッキー州
・ルイジアナ州
・メリーランド州
・マサチューセッツ州
・ミシガン州
・ミネソタ州
・ネヴァダ州(警察官と同様に逮捕権限がある)
・ニューハンプシャー州
・オハイオ州
・ペンシルベニア州
・ロードアイランド州(逮捕に限り、警察官と同様の権限)
・サウスダコタ州
・テネシー州
・バーモント州
・ワシントン州


 以上より、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの記述、「全米人道協会(Humane Society of the United States:HSUS)米国最大の動物保護団体。虐待された動物を、州の警察と同様の法執行の権限を与えられ、保護している」は、完全にデタラメと言って差し支えないでしょう。
 本報告書のアメリカに関する記述に関する連載はこれで終了します。しかし連載で指摘しなかった記述が、すべて正確だということではありません。そのほかにもあからさまに誤りとは言えないものの、誤解を招く記述、偏向した記述は多数あります。


(動画)

 Mississippi Puppy Mill a Living Horror 「ミシシッピのパピーミル 生きていることの恐怖」 2013/05/21 に公開
 The Humane Society of the United States 「全米人道協会」による、パピーミルからの犬レスキュー。全米人道協会が、すべての州で、単独でこのようなアニマル・レスキュー活動を行えるわけではありません。警察官などの立会いの下で行うなどの制限が、多くの州であります。




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アメリカ合衆国のTNRマネジメントと日本の地域猫は異なる~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述






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The U.S. Fish and Wildlife Service has completely denied the TNR.


 記事、
アメリカ合衆国ではTNRが一般的に行われているという、大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
続・アメリカ合衆国ではTNRが一般的に行われているという、大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国ではTNRは懲役刑もある犯罪である~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国連邦政府機関はTNRを完全否定~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国の複数の政府機関はTNRを完全否定~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国における野良猫管理は「捕獲殺処分」が一般的~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
の続きです。
 広島県が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して作成した、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)、ですが、これはドイツ、イギリス、アメリカ合衆国の動物愛護管理に関する調査報告書です。この報告書はすべてにわたり、嘘誤り偏向がびっしりと記述され、正確な記述はほぼないという、目を覆いたくなるほどひどい内容です。すでにドイツ、イギリスに関しては記事にしました(「続き」をご覧ください。過去記事をすべてリンクしてあります)。今回記事は引き続き、アメリカ合衆国のTNRに関して述べます。本報告書の記述、「アメリカでは、野良猫の場合は、日本と同様、いわゆるTNR対策を採り」ですが、「アメリカ合衆国のTNRマネジメントと日本の地域猫は同じである」と誤解させる問題記述です。アメリカ合衆国のTNRマネジメントと日本の地域猫は、根本的に異なります。



 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、「本報告書」と記述する)の、アメリカ合衆国に関する問題となる記述には、次のようなものがあります。


野良犬・野良猫へのTNRの実施状況
アメリカでは、野良猫(stray/feral cats)の場合は、日本と同様、猫を捕獲(trap)、不妊去勢手術を施して(Neuter/spay)、元の場所に戻す(Return/Release)、いわゆるTNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制するという取り組みが一般的である。(40ページ)



 上記の記述、「アメリカでは、野良猫の場合は、日本と同様、いわゆるTNR対策を採り」ですが、「アメリカ合衆国のTNRマネジメントと日本の地域猫は同じである」と著しく誤解を招く問題記述です。アメリカ合衆国におけるTNRマネジメントは、正確に日本で伝えられることがほぼありません。そのために日本の地域猫活動家や、TNR推進派は、都合よくアメリカのTNRマネジメントを換骨奪胎し、歪曲して理解しています。また歪曲されたアメリカ合衆国のTNRマネジメントに関する(嘘)情報を、自分たちの嘘プロパガンダに利用していることも否めません。
 本報告書の、「アメリカでは、野良猫の場合は、日本と同様、いわゆるTNR対策を採り」との記述は、それを補い支援するものです。誤った情報の定着という意味では、本報告書はまさに有害です。


 以下が、日本の地域猫とアメリカ合衆国のTNRマネジメントの、主な違いを一覧にしたものです。

(日本の地域猫)
1、根拠~立法によるものは例外(神戸市などは条例)で、行政指導(要綱・要領)によるものが多い。強制力を伴わない。
2、無許可の地域猫活動(TNR)や、それに伴う給餌等を処罰する立法がない。
3、責任主体~団体申請し、地域の同意を得ることが原則。つまり責任の所在があいまい。
4、マイクロチップの施術、地域猫の個体登録、狂犬病等のワクチンが義務付けられていない。
5、日本では、行政が徘徊猫を捕獲することがないために、地域猫が行政により捕獲~殺処分されることがない。


(アメリカのTNRマネジメント)
1、根拠~多くが立法(条例)による(行政命令もある)。「4、」などに対しての強制力を伴う。
2、多くの自治体では、許可を受けたTNRマネジメント以外での野良猫の給餌などが禁じられ、厳しく処罰(懲役刑もある)される。
3、責任主体~猫の個々についてマイクロチップによる登録を個人名で義務付けられており、責任は活動家個人に帰属する。
4、マイクロチップによる猫の個体識別と登録、狂犬病などのワクチンが義務付けられている。
5、TNRマネジメントを制度化している自治体においても、行政が徘徊猫の捕獲殺処分を行う。TNR済みの猫による苦情があれば、行政はTNR済みの猫の捕獲を行い、殺処分することもある。



 上記のうち、1、12、4、に関しては何度も記事にしていますので、今回は割愛します。今回記事では、アメリカ合衆国のTNRマネジメントでは、「3、責任はTNR活動家個人に帰属する」と、「5、TNRマネジメントを制度化している行政でも、徘徊猫は捕獲殺処分しており、苦情があればTNR済みの猫であっても捕獲殺処分される」点について述べます。
 アメリカ合衆国の、TNR推進派の野良猫愛護団体、STRAY PET ADVOCACY が、アメリカ合衆国におけるTNR活動の法律に関して要約しています。STRAY PET ADVOCACY による、TNRに関する法律ガイドから引用します。TNR and The Law: What Feral Caretakers Need to Know By Heidi Bickel © www.StrayPetAdvocacy.org 2004 「TNRと法律 野良猫の世話人(TNR活動家)が知っておく必要がある事柄 ハイジ・ビッケル」 から引用します。


Ownership
Animal ownership is legally defined in many ways, but a common definition is providing food and medical care.
This can also be used against colony caretakers.
If the animals cause damage to property, the caretaker could conceivably be held liable.
More pressing are issues of licensing and required vaccinations, as the “owner” of the cat can be fined and the cats confiscated by animal control if these are not current.
Licensing, Required Vaccinations, “Leash” Laws and Pet Limits
At a minimum, most areas require companion animals be vaccinated for rabies.
While this is generally done at the time of spay/neuter for TNR (Trap, Neuter, Return), yearly boosters are not always possible, which could put the animals and caretaker in violation of the Code.
Complaints & Animal Control
For the most part, Animal Control doesn’t go looking for people who TNR but they do have to respond to complaints.
Regardless of who complains, Animal Control has to investigate.
If no caretaker comes forward, and perhaps even if you do, they also have the option of trapping and removing the cats.
Most shelters view known feral cats as unadoptable and therefore will euthanize immediately.

動物の飼い主
動物の所有権は多くの点で法律で定義されていますが、一般的な定義は餌と医療を動物に提供することです。
これはコロニー(TNR管理された猫の一群)を世話する者に対しても適用が可能です。
動物が他人の財産に損害をもたらした場合は、世話人(TNR活動家)は、責任を問われる可能性があります。
より差し迫った問題は、動物の飼育許可と予防接種で、猫の「飼い主」とみなされるTNR活動家は、罰金を科せられる可能性があり、それがされていなければ、猫はアニマルコントロール(註 行政機関)によって捕獲没収されます。
動物の飼育免許、必要な予防接種、「リード(引綱)」法およびペットの数の制限
アメリカ合衆国では、ほとんどの地域では、コンパニオンアニマルに狂犬病の予防接種をする必要があります。
これは一般的にTNR(Trap、Neuter、Return)のためのspay / neuter(不妊去勢手術)の時に行われますが、毎年の狂犬病ワクチンの接種が常に可能であるというわけではなく、それは猫と世話人(TNR活動家)が、規則違反になる可能性があります。
市民の苦情とアニマルコントロール(註 行政機関)
ほとんどの場合、アニマルコントロール(行政機関)は、TNRによる苦情に対処する者(註 TNR活動家)を探しに行きません。
猫の苦情を申し立てたものが誰であっても、アニマルコントロールは対処しなければなりません。
TNR活動家が表立って出てこない場合は、またたとえそうしたとしても、アニマルコントロールの職員は、猫をわなで捕まえて持ち去ることもできます。
ほとんどのアニマルシェルターでは、野良猫は譲渡が不可能だということが知れ渡っていますので、直ちにその猫を安楽死させるでしょう。



 先に述べた通り、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング の記述、「アメリカでは、野良猫の場合は、日本と同様、いわゆるTNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制する」は、アメリカ合衆国のTNRマネジメントと日本の地域猫制度が同様の方法であると誤認させます。
 すなわち、「アメリカ合衆国でも無許可でTNRやそれに伴う餌やりを自由にしてよい」、「マイクロチップによる個体識別や登録、ワクチンは必要ない」、「団体申請で地域ぐるみの活動だから個人の責任を問われることはない(日本の制度化された地域猫でも、申請した団体の不法行為責任を問うことは可能と思われます。裁判例がないだけです)」、「立法によらないために、処罰規定もない」、「TNRマネジメントを取り入れている自治体では、野良猫の捕獲殺処分を行っていない(またはアメリカ合衆国も行政による野良猫の捕獲殺処分を行っていない」との誤解です。ほかでも、日本で正確にアメリカのTNRマネジメントを伝えている情報はほぼりませんが。
 アメリカ合衆国におけるTNRマネジメントは、捕獲殺処分の代替案(Alternative)ではありません。あくまでも捕獲殺処分の補完(Complement)です。ですから「アメリカ合衆国ではTNRが一般的」は誤りです。


(画像)

 Santa Ana on alert for typhus 「サンタ・アナは発疹チフスで警戒している」 2012年5月30日
 2012年に、オレンジカウンティー(アメリカ合衆国カリフォルニア州)のサンタアナ街区の中学生らが発疹チフスに感染しました。原因となる野良猫のゼロ化~根絶する、との方針を受けて、野良猫捕獲作業をする警察官ら。捕獲された野良猫は全て安楽死させられ、猫に寄生していたノミはチフス検査が行われました。アメリカ合衆国の自治体では、感染症などの危険性があれば、アニマルコントロール(行政組織)のみならず、警察官まで動員して野良猫の捕獲殺処分を行います。もちろんTNR猫も対象です。カリフォルニア州での発疹チフス流行では、TNRを強行した団体が刑事訴追を受けています。 

City officials zeroed in on two schools in Smith's densely packed neighborhood and set a dozen traps to catch feral cats that might carry disease-bearing fleas.

市当局は、スミスの人口密集地内の2つの学校に、チフスに感染したノミをもたらす可能性がある野良猫をゼロにするために、野良猫を捕獲する1ダースの罠を設置します。


サンタアナ 猫捕獲


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「野良猫へ餌やりすれば3,000万円超(25万ユーロ)の制裁金か6か月までの拘留を課す」というドイツの判決






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(Zusammenfassung)
AG Bottrop, Urteil vom 10.01.2013, AZ: 20 C 55/12
Wohnungseigentum : Füttern von wilden Katzen
Das Gericht verurteilte die beklagte Wohnungseigentümerin es zu unterlassen, auf dem Grundstück im Garten- und Terrassenbereich Katzenfutter zum Zwecke des Anlockens von Wildkatzen auszulegen.
Für jeden Fall der Zuwiderhandlung wurde ein Ordnungsgeld bis zu 250.000,00 Euro festgesetzt, ersatzweise Ordnungshaft oder Ordnungshaft bis zu 6 Monaten.


 ドイツのマンション(区分所有建物)で、マンションの共用庭や自室のテラスで、野良猫に餌やりをしている住民がいました。ほかの住民は餌やりをしている住民に対して野良猫の餌やりの差し止めを求める民事裁判を提起しました。判決は「餌やりをしていた被告に今後は禁止する。餌やりをした場合は1回につき、25万ユーロ(3千25万円)までの制裁金を課す、もしくは6か月間拘留する」でした。


 サマリーに示した、ドイツ、ボットロップ地方裁判所が、「被告に被告の区分所有建物の、野良猫を庭とテラスのある敷地内で、猫を呼び寄せる目的で、猫の餌を置くことを止めるように命じた。また被告がそれに違反した場合は被告は一回につき、250,000ユーロ(3千万円あまり)までの制裁金が科されるか、もしくは6か月間までの拘禁を命じる」判決の原文から引用します。


AG Bottrop, Urteil vom 10.01.2013 - 20 C 55/12

Tenor
Die Beklagte wird verurteilt, es bei Meidung eines für jeden Fall der Zuwiderhandlung festzusetzenden Ordnungsgeldes bis zu 250.000,00 Euro, ersatzweise Ordnungshaft oder Ordnungshaft bis zu 6 Monaten zu unterlassen, auf dem Grundstück in C im Garten- und Terrassenbereich Katzenfutter zum Zwecke des Anlockens von Wildkatzen auszulegen.
Die Kosten des Rechtsstreits tragen die Beklagte zu 75 %, die Kläger zu 25 %.
Das Urteil ist vorläufig vollstreckbar.
Der Streitwert wird auf 6.000,00 Euro festgesetzt.

Tatbestand
Die Kläger nehmen die Beklagte auf Unterlassung In Anspruch.
Sie tragen vor, die Beklagte sei dazu übergegangen, im Bereich des im Gemeinschaftseigentums stehenden Gartens sowie der Gartenterrasse Katzenfutter auszulegen, um verwilderte Katzen zwecks der Ermöglichung ärztlicher Untersuchung anzulocken.
Darüber hinaus komme es zu nächtlichen Ruhestörungen durch Tiergeräusche.
Die Kläger beantragen, die Beklagte zu verurteilen, es bei Meidung eines für jeden Fall der Zuwiderhandlung festzusetzenden Ordnungsgeldes bis zu 250.000,00 Euro, ersatzweise Ordnungshaft oder Ordnungshaft bis zu 6 Monaten zu unterlassen, auf dem gemeinschaftlichen Grundstück C in C Katzenfutter zum Zwecke des Anlockens von Wildkatzen im Garten- und Terrassenbereich auszulegen.
Die Beklagte beantragt,die Klage abzuweisen.

Gründe
Die Klage ist zulässig und begründet. Die Kläger können von der Beklagten gemäß §§ 14 Ziffer 1, 15 Abs. 3 WEG, 1004 BGB verlangen, dass sie das Auslegen von Katzenfutter unterlässt.
Gemäß § 14 Ziffer 1 WEG ist jeder Eigentümer verpflichtet, sowohl von seinem Sondereigentum als auch vom gemeinschaftlichen Eigentum nur in solcher Weise Gebrauch zu machen, dass den anderen Eigentümern kein Nachteil über das bei einem geordneten Zusammenleben unvermeidlichen Maß hinaus entsteht.
Die Beklagte verletzt dieses in § 14 WEG normierte Rücksichtnahmegebot durch das Auslegen von Tierfutter.
Die nachteiligen Folgen sind sowohl vermehrte Verschmutzung (Kot) durch das erhöhte Tieraufkommen als auch eine erhöhte Geräuschentwicklung durch Tierstimmen.
Diese Beeinträchtigungen sind wegen der einhergehenden Gesundheitsgefahren auch erheblich und brauchen von den Klägern nicht geduldet zu werden.

主文
被告に権利侵害、すなわち区分所有権建物マンションCの共用部分である庭及びテラスにおいて、野良猫を呼び寄せる目的でキャットフードをおくことについて、一回の行為につき、それぞれ25万ユーロ(3千25万円 1ユーロ=121円)までの制裁金を支払うこと、または6か月以内の行政拘禁(*1)を命じる。
訴訟費用は、被告が75%を負担し、原告は25%を負担することとする。
本判決は、仮に執行することができる。
訴額は、6,000.00ユーロ(72万6,000円 1ユーロ=121円)とする。

事実関係
訴訟当事者は、マンションCの管理組合の組合員である。
原告らは、被告(餌やり人)の、餌やりの差し止めを請求している。
原告らは、被告が医療目的(註 もしかしたらTNRかもしれません。私の推測です)で野良猫を集めるために、マンションの共用の庭とガーデンテラスのエリアでキャットフードを置き始めたと主張している。
そしてその行為は、野良猫が発する騒音による夜間の迷惑になる。
原告らは、被告(餌やり人)に対して、次のように判決することを請求する。
すなわち、被告(餌やり人)がマンションCの共用部分である庭やテラスエリアで野良猫を呼び寄せる目的でキャットフードを置くことを回避するために、被告のこのような行為一回につき制裁金25万ユーロ(日本円で約3千25万円 1ユーロ=121円)を課すこと、もしくは最長で6か月までの行政拘禁を命令すること。
被告(餌やり人)は、その請求を棄却することを求めた。

判決理由
原告らは、ドイツ連邦区分所有法14条及び民法1004条に従い、キャットフードを置くことを止めるように、被告に要求することができる。
ドイツ連邦区分所有法14条によれば、すべての区分所有者は以下の義務を負う。
自己の私有財産と共用部分の両方を次のような方法でのみ、つまり他の区分所有者が社会通念上、共同生活の受忍限度を超える不利益を受けることなく利用すること。
被告(餌やり人)はキャットフードを置き、野良猫の世話をすることによって、ドイツ連邦区分所有法14条の、通常の義務に違反したものである。
悪影響は、野良猫の個体数の増加による汚染(糞)の増加、および野良猫が発生する音による騒音の増加の両方である。
これらの被害はまた、健康上の危険性とも関連し重大であり、原告によって許容される必要はない。



 日本での類似の裁判は、かつての将棋名人、加藤一二三氏が自分が所有かつ居住するマンションで野良猫への給餌などを行い、他の区分所有者から餌やりの差し止めと損害賠償を求めて訴えられた裁判があります。加藤一二三氏の裁判では、いずれも原告の区分所有者らの請求が認められています。加藤一二三氏の裁判の判決は2010年ですが、今回引用したドイツのマンション(区分所有建物)内での餌やりに対する裁判の判決は、2013年です。
 加藤一二三氏が訴えられた裁判での判決言い渡しがあった時は、「野良猫の給餌を禁じる判決は、日本が動物愛護後進国の証明だ」といった意見が一般人のみならず、弁護士からもありました。では、愛誤が動物愛護先進国としているドイツではどうなのかということです。
 ドイツの判決では、被告が再び野良猫に給餌をした場合は、「1回につき25万ユーロ(日本円で3,000万円以上)の制裁金か。6ヵ月以内の勾留が行われる」との判決が出されました。日本の判決では、今後の餌やりの再開の抑制については、実効性が疑問です。ドイツの判決のほうが、餌やりに対しては厳しいと感じます。加藤一二三氏の裁判については、https://ja.wikipedia.org/wiki/加藤一二三 から引用します。


2008年12月、加藤が自宅マンションそばで野良猫を餌付けしたため、糞尿をまき散らされるなどの被害を受けたとして、マンションの他の住人や管理組合から、餌やり中止と慰謝料など約645万円の賠償を求める訴訟を起こされた。
2010年5月13日、東京地裁立川支部は、(1)マンション敷地内での餌付けを中止すること、(2)慰謝料204万円を支払うこと、を加藤に命じる判決を出した。
なお、判決によると、加藤の餌付けによって一時は18匹にまで増えた野良猫は、加藤が野良猫に不妊手術・去勢手術を受けさせたことで、4匹にまで減少していた。



(参考資料)

 元帯広畜産大学教授、弁護士である吉田眞澄氏の、「京都市野良猫餌やり禁止条例」に対する反対表面の文書から引用します。京都緊急集会のご報告 平成27年2月7日京都緊急集会「京都市・野良猫餌やり禁止条例と野良猫保護」―今みんなで考える問題・猫餌やり禁止 殺処分の新たな形―
 この文書は、京都市の餌やり禁止条例に反対する集会を、THEペット法塾のメンバーらが開催した際の報告書です。吉田真澄氏は本集会で講演会を行っています。その発言要旨です。吉田真澄氏は、この講演で、京都市の本条例で野良猫に対する給餌を禁止することを激しく非難しています。

1 吉田眞澄(弁護士/元帯広畜産大学理事・副学長)講演
犬や猫を家に閉じ込め、社会的門戸を閉じようとする傾向が極めて強く 「共生」とは逆行するものである。
地域猫活動をこれまで以上に積極的に推進するが必要であり、餌やり活動をする人の協力が必要不可欠。
犬や猫を事実上締め出す社会、つまりペットに対し閉鎖的な社会は、ペットに対する無知・無理解、偏見の横行する街になりがちである。
欧米人の感覚からすると、動物に対する無理解・偏見の横行する未文化都市、倫理の成熟度の低い思いやりに欠ける街と映ることは間違いない。



(動画)

 THEペット法塾 京都緊急集会「京都市・ノラ猫餌やり禁止条例と野良猫保護」。全く実効性のない餌やり禁止条例に、狂ったように反対している弁護士らの集会。2015年2月15日公開。アメリカ合衆国では、例外なく(TNRも含めて)野良猫への餌やりを最高180日の懲役と罰金の併科で罰する条例も、平穏に可決成立しています。
 吉田真澄氏「餌やり活動をする人の協力が必要不可欠。(京都市餌やり禁止条例は)欧米人の感覚からすると、動物に対する無理解・偏見の横行する未文化都市、倫理の成熟度の低い思いやりに欠ける街と映ることは間違いない」。吉田眞澄氏は弁護士(他の講演会のメンバーも多くが弁護士)であるにもかかわらず、外国の法令や判例を一切調べないのでしょう。「愛誤になると白痴化する」のは、弁護士でも国立大学の副学長でも例外ではない、もしくは病的な嘘つきなのでしょうか。吉田氏には、日本以外の先進国で、日本より野良猫の餌やりに寛容な国名を是非、具体的に教えていただきたい。




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アメリカ合衆国における野良猫管理は「捕獲殺処分」が一般的~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述






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(summary)
The U.S. Fish and Wildlife Service has completely denied the TNR.


 記事、
アメリカ合衆国ではTNRが一般的に行われているという、大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
続・アメリカ合衆国ではTNRが一般的に行われているという、大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国ではTNRは懲役刑もある犯罪である~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国連邦政府機関はTNRを完全否定~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国の複数の政府機関はTNRを完全否定~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
の続きです。
 広島県が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して作成した、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)、ですが、これはドイツ、イギリス、アメリカ合衆国の動物愛護管理に関する調査報告書です。この報告書はすべてにわたり、嘘誤り偏向がびっしりと記述され、正確な記述はほぼないという、目を覆いたくなるほどひどい内容です。すでにドイツ、イギリスに関しては記事にしました(「続き」をご覧ください。過去記事をすべてリンクしてあります)。今回記事は引き続き、アメリカ合衆国のTNRに関して述べます。本報告書の記述、「アメリカでは野良猫の場合は、TNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制するという取り組みが一般的である」との記述は、嘘と言って差し支えありません。アメリカ合衆国では、ほぼすべての自治体では、犬猫とも捕獲して殺処分することが行われています。TNRを制度化して実施している自治体でもです。「野良猫は捕獲して殺処分する」。それがアメリカ合衆国では一般的です。



 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、「本報告書」と記述する)の、アメリカ合衆国に関する問題となる記述には、次のようなものがあります。


野良犬・野良猫へのTNRの実施状況
アメリカでは、野良猫(stray/feral cats)の場合は、日本と同様、猫を捕獲(trap)、不妊去勢手術を施して(Neuter/spay)、元の場所に戻す(Return/Release)、いわゆるTNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制するという取り組みが一般的である。(40ページ)



 私はこれまでの記事で、「アメリカ合衆国ではTNRを支持する立法を行った州は50州4州にすぎない(いずれも2014年成立施行)」、「アメリカ合衆国でTNRを支持する立法(条例の施行)が行われたのは、8万7,500自治体中108自治体しか確認できていない」、「TNRを合法としていない多くの自治体においては、TNRやそれに伴う野良猫への給餌を違法とし、懲役刑も含む処罰がある」ことを書きました。そのうえで「アメリカは、いわゆるTNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制するという取り組みが一般的である」が、明らかに誤りの範疇であると述べました。
 また本報告書の、「野良猫の殺処分を抑制する」との記述は、「TNRを行っている自治体では殺処分を回避している」と誤解を招きます。アメリカ合衆国では日本と異なり、アニマルコントロール(Animal control, Animal control service)lという行政組織が徘徊していれば犬猫とも捕獲し、公営のアニマルシェルターなどに収容します。それらの犬猫は、マイクロチップによる飼い主登録があれば飼い主に返還されたり、新しい飼い主に譲渡されることもありますが、多くは殺処分されます。ごく例外に、TNRを行い、行政組織が猫の捕獲殺処分を行っていない自治体(註 メリーランド州ボルチモア市 日本語サイトによる。正確性については保証できません)もありますが、ほぼすべての自治体では、アニマルコントロールが徘徊犬猫の捕獲殺処分を行っています。

 アニマルコントロールは、TNRを合法として制度化している多くの自治体においても、徘徊猫を捕獲収容~殺処分を行っています。徘徊猫を自治体の行政機関が捕獲した場合は、マイクロチップによる飼い主登録がある猫は飼い主に連絡し、保管料と罰金を科し、飼い主が希望すれば返還します。マイクロチップによる飼い主登録がない場合は、多くの場合殺処分されます。
 アメリカ合衆国のTNRを合法としている自治体では、TNR猫のマイクロチップによる管理者の登録を義務付けています(私が知る限り、TNR条例でマイクロチップによる登録を免除している自治体を知りません)。ですからTNRを制度化している自治体では、TNR猫はマイクロチップによりそれ以外の野良猫と区別されて、捕獲されても基本的には殺処分はされません。つまり無許可のTNRは、常に行政に捕獲殺処分される可能性があります。
 さらに州によっては、制度化され、登録されたTNR猫であっても、「迷惑であるとの住民の苦情がった場合」や、「TNR活動をする際の届け出地域外で捕獲された場合」は、TNR活動家に返還されずに殺処分されます。例えばニュージャージー州です。Free-Roaming and Feral Cats 「野良猫と自由に徘徊している猫」 ニュージャージー州保健局 公衆衛生獣医部 2016年7月28日 から引用します。


The New Jersey Department of Health (NJDOH) does not endorse or oppose the concept of establishing properly managed cat colonies utilizing trap-neuter-return (TNR) techniques.
If cats maintained in managed colonies begin to create a nuisance or public health threat, the colony caregivers would be responsible to resolve the issues with animal control and the local health department.
Free-roaming cats outside of properly managed colonies would be considered ‘stray’ and be eligible for impoundment by the animal control officer.
When an animal control officer is trapping or removing stray cats,

ニュージャージー州保健局(NJDOH)は、トラップ・ニューター・リターン(TNR)技術を利用して、適正に管理された猫の一群(コロニー)を確立させるという考えを支持することも反対することもしていません。
もしTNRで管理された猫の一群の中で世話をされている猫が、迷惑や公衆衛生上の危険を引き起こし始めた場合は、TNR管理された猫の一群を世話している者は、アニマルコントロール(註 行政機関)と地域の健康管理部に係る問題を解決する責任があります。
適正に管理されたTNR猫の一群の対象地域外にいる、TNRされた迷い猫は、「自由に徘徊している」と見なされ、アニマルコントロールの職員による捕獲収容の対象となります。
動物管理官が野良猫を捕獲または駆除(註 remove 取り除く、殺害するの含みがある)しているときは、



 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング においては、ニュージャージー州は「TNRに非常に熱心な州」と感じさせる記述があります。しかしニュージャージー州政府自身による文書によれば、ずいぶんと異なるようです。


(動画)

 Animal Control Woman Trying To Catch A Cat 「猫を捕獲しようとしている、アニマルコントロール(行政組織)の女性職員」 2017/06/07 に公開
 アメリカ合衆国では日本と異なり、行政組織が徘徊猫を捕獲し、公営のアニマルシェルターなどに収容します。ほぼすべての自治体で行われています。TNRを合法とし、実際に活動が行われている自治体の多くでも、アニマルコントロールが野良猫の捕獲収容~殺処分、をおこなっています。TNR猫の管理対象地外でTNR猫が迷い出たとき、さらにTNR猫が迷惑だという近隣の苦情があった場合は、TNR猫であってもアメリカ合衆国は行政機関が捕獲し、殺処分することが行われています。




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アメリカ合衆国の複数の政府機関はTNRを完全否定~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述






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(summary)
The U.S. Fish and Wildlife Service has completely denied the TNR.


 記事、
アメリカ合衆国ではTNRが一般的に行われているという、大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
続・アメリカ合衆国ではTNRが一般的に行われているという、大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国ではTNRは懲役刑もある犯罪である~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
アメリカ合衆国連邦政府機関はTNRを完全否定~大手シンクタンク(三菱リサーチ&コンサルティング)のデタラメ記述
の続きです。
 広島県が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して作成した、動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(著者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 武井泉氏 以下、「本報告書」と記述する)、ですが、これはドイツ、イギリス、アメリカ合衆国の動物愛護管理に関する調査報告書です。この報告書はすべてにわたり、嘘誤り偏向がびっしりと記述され、正確な記述はほぼないという、目を覆いたくなるほどひどい内容です。すでにドイツ、イギリスに関しては記事にしました(「続き」をご覧ください。過去記事をすべてリンクしてあります)。今回記事は引き続き、アメリカ合衆国のTNRに関して述べます。本報告書の記述、「アメリカでは野良猫の場合は、TNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制するという取り組みが一般的である」が嘘誤り、もしくは偏向であることを述べます。野良猫の管理を所管する、アメリカ合衆国連邦機関は、TNR活動を違法とし、州政府に対してTNRの停止を勧告しています。それが一般的に行われている」と言えますか。



 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、「本報告書」と記述する)の、アメリカ合衆国に関する問題となる記述には、次のようなものがあります。


野良犬・野良猫へのTNRの実施状況
アメリカでは、野良猫(stray/feral cats)の場合は、日本と同様、猫を捕獲(trap)、不妊去勢手術を施して(Neuter/spay)、元の場所に戻す(Return/Release)、いわゆるTNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制するという取り組みが一般的である。(40ページ)



 前回記事では、野良猫の管理を所管する、アメリカ合衆国連邦政府機関である、アメリカ合衆国連邦魚類野生動物サービス局(The U.S. Fish and Wildlife Service)(註 環境省の機関に相当する)がTNRを完全に否定し、違法であるという見解を示している事を書きました。それに基づき、TNRを推奨するとの決議を採択した、ニュージャージー州政府機関に対して、「TNRを止めること。そして徘徊するノネコ野良猫は駆除すべきである」との勧告を2010年に行ったことを述べました。本局は、一貫してTNRに強く反対しています。
 野良猫を所管するアメリカ合衆国連邦政府機関ではありませんが、連邦疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)(註 厚生労働省の機関に相当する)も、一貫してTNRに反対しています。理由は、自由に徘徊する猫を温存させることは、狂犬病をはじめとする感染症のリスクを高めるからです。また州政府機関も完全にTNRを否定し、「一切の支援を行わない」と表明しているテキサス州などもあります。

 動物愛護管理に係る海外調査報告書 平成29年8月 調査機関 三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、「アメリカでは、野良猫(stray/feral cats)の場合は、日本と同様、猫を捕獲(trap)、不妊去勢手術を施して(Neuter/spay)、元の場所に戻す(Return/Release)、いわゆるTNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制するという取り組みが一般的である」としている根拠は、アメリカ合衆国内の、TNRを推進している一動物愛護団体に対するヒヤリングです。アメリカ合衆国の、国としての野良猫対策は、まず第一に所管している政府機関の方針を第一とすべきです。なぜ一民間団体の方針が「アメリカ合衆国の野良猫対策」とするのか、本報告書の作成者の偏向は、許容範囲を完全に逸脱します。つまり「デタラメ資料」ということです。
 さらにアメリカ合衆国においては、連邦政府機関でTNRを肯定しているところはありません。複数の政府機関が否定しています。連邦疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)の、2016年に公表した論文を例示します。Rabies Prevention and Management of Cats in the Context of Trap, Neuter, Vaccinate, Release Programs 「トラップ、ニューター、ワクチン、(TNVR 註ワクチン接種も行うこと)プログラムに関連した猫の狂犬病予防と管理」 2016年11月23日


Authough Trap-NeuterVaccinate-Return (TNVR) programs are rowing in popularity as alternatives to euthanizing feral cats, their ability to adequately address disease threats and population growth within managed cat colonies is dubious.
Rabies transmission via feral cats is a particular concern as demonstrated by the significant proportion of rabies postexposure prophylaxis associated with exposures involving cats.
Moreover, TNVR has not been shown to reliably reduce feral cat colony populations because of low implementation rates, inconsistent maintenance, and immigration of unsterilized cats into colonies.
For these reasons, TNVR programs are not effective methods for reducing public health concerns or for controlling feral cat populations.

TNVR(Trap-NeuterVaccinate-Return TNR+ワクチン 註 アメリカでは、ほぼTNRでは狂犬病などのワクチン接種を義務付けています)プログラムは、ノネコ野良猫を安楽死させる代替方法として人気が高まっていますが、管理された猫の一群内では病気の脅威や個体数の増加に適切に対処する、TNVR活動家の能力は疑わしいです。
(アメリカ合衆国)では狂犬病の暴露後予防治療においては、猫が原因の割合がかなりの多くを占めることが証明されているように、ノネコ野良猫を介した狂犬病伝染は特に懸念されます
またTNVRは、実施率が低いこと、一貫性がない管理、不妊去勢されていない猫の流入により、ノネコ野良猫の一群の個体数を確実に減らすことは証明されていません。
これらの理由からTNVRプログラムは、公衆衛生上の懸念を軽減したり、ノネコ野良猫の個体数を管理するための効果的な方法ではありません。



 またアメリカ合衆国においては、複数の州がTNRを完全に否定しています。そのうえで「州政府としては一切のTNRの支援は行わない」と表明しています。例えばテキサス州などです。テキサス州は州におけるTNRを支援する立法はありません。
 テキサス州政府機関である、テキサス州公園と野生生物局(Texas Parks and Wildlife Department (TPWD))による論文、ISSUE BRIEFING PAPER ISSUE: Management of feral cat colonies & Trap, Neuter, and Release (TNR) Programs Last updated: June 2014 「問題点の解説 学術論文の概要:野良猫の一群とトラップ、ニューター、リリース(TNR)プログラムの管理に関しての最終更新」 2014年6月 から引用します。


TPWD POSITION: Feral (non-owned) and free-roaming cats pose a direct threat to the health of our natural resources.
Feral cat colonies negatively impact songbirds, small mammals, amphibians, and other native wildlife populations.
Feeding programs are not recommended because they concentrate cats and wild animals into single areas, which can increase disease transmission and pose greater threats to native wildlife in the area.
Neither intentional feeding of free-roaming cats or the sanctioning of managed cat colonies addresses ecological,
animal health, or public health concerns, nor does it address population control.
Additionally, TNR programs are not effective at alleviating the threats of feral and free-roaming cat colonies on feline health, human health or native wildlife populations.
Sterilization programs are ineffective in managing feral and free-roaming cat populations,3 and do not address the ecological impacts that these cat populations can have on our natural resources.
For these reasons, which are explained in detail below, TPWD does not support the creation or perpetuation of feral or free-roaming cat colonies or feeding, sterilization, or Trap, Neuter, and Release programs.

TPWD(テキサス公園および野生生物局)の立場としては。
野良猫(飼い主がいない猫)と自由に徘徊している猫は、私たちの自然の資源の健全性に直接脅威を与えます。
野良猫の一群は、小鳥類、小型哺乳類、両生類、および他の野生生物の生息数に悪影響を与えます。
給餌を伴うプログラムは、猫や野生動物を単一の地域に集中させるため感染症の伝染を増やし、地域の野生動物に大きな脅威を与える可能性があるために推奨されません。
自由に徘徊する猫への意図的な給餌、またはTNR猫の一群の管理を公的に認めることは、生態系、動物の健康、公衆衛生上の懸念が有り、いずれにしても野良猫の数の抑制管理にもなりません。 
さらにTNRプログラムは、野良猫と自由に徘徊する猫の一群の健康、人間の健康、または野生生物の生息数において、脅威を回避するのには有効ではありません。
不妊去勢プログラムは、野良猫および自由に徘徊している猫の個体数の抑制管理には効果がなく、生態学的な悪影響に対処していません。
以下に詳しく説明する理由により、TPWD(テキサス公園および野生生物局)は、野良猫および自由に徘徊する猫の一群管理、または猫への給餌、不妊去勢、トラップ、リリースの計画の作成または継続することを支持しません



 繰り返しますが、その国である事柄についての調査は、所管する政府機関に対して行うべきです。国の方針がもっとも重要でしょう。野良猫の管理については、アメリカ合衆国連邦での所管する政府機関、U.S. Fish and Wildlife Service 「アメリカ合衆国連邦魚類野生生物局」の方針が、「アメリカ合衆国の方針」です。その機関が、TNRを完全に否定し、州政府に対して中止を勧告し、野良猫は駆除すべきであると奨励しているのです。
 またアメリカ合衆国においては、TNRを合法とする立法を行った州は50州中4州のみで、自治体はわずかです(8万7,500自治体中108自治体)。それ以外の自治体では、TNRを違法として、懲役刑で処罰するところが多いのです。そのようなアメリカ合衆国において、「アメリカでは野良猫の場合は、TNR対策を採り野良猫の殺処分を抑制するという取り組みが一般的である」は、明らかにデタラメです。


(動画)

 Cat tests positive for rabies in Plant City 「プラント市における猫の狂犬病検査で陽性」  2018/06/26 に公開
 アメリカ合衆国は狂犬病清浄国ではありません。また人感染は、近年の症例はほぼ猫からです。このような背景から、アメリカ合衆国連邦政府は、徘徊猫を温存させるTNRに反対しています。また例外的にTNRを合法としている自治自治体においても、猫の個体識別(マイクロチップ)と個人の管理者の登録、そして狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。日本のように、好き勝手にTNRができるわけではありません

A cat that lived in the Plant City area of Hillsborough County has tested positive for rabies, according to the Department of Health in Hillsborough County.

ヒルズブロウ郡の保健局によると、ヒルズブロウ郡のプラント市に生息していた猫が、狂犬病の陽性であることが検査で判明しました。





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野良猫が原因の交通事故で給餌者が賠償命令を受けた判決~ドイツ






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(Zusammenfassung)
Betreuer einer zugelaufenen Katze haftet für durch Katze verursachten Autounfall.


 記事、野良猫の放置は交通事故の原因となりうる、の続きです。
 前回記事では、「徘徊する猫が原因で交通事故が起きた場合、猫に関わっていたものは法理上賠償責任を負うであろう」と述べました。日本ではまだ司法判断は無いようですが、ドイツではあります。野良猫が原因で交通事故が発生したのですが、ドイツの裁判所は野良猫の世話をしている者に賠償命令を言い渡しました。裁判所は、野良猫に給餌やノミ取り首輪をつけるなどの世話をすることは、飼い主と同等の責任が生じると判断しました。



 サマリーで示した、「野良猫が原因で交通事故が発生したことに対し、ドイツの裁判所は野良猫の世話をしている者に事故被害者に対して賠償命令を言い渡した」判決ですが、1995年とかなり古い判決です。しかしその後の下級審の判断では、概ねこの判決を踏襲しています。この判決に関する資料から引用します。
 Betreuer einer zugelaufenen Katze haftet für durch Katze verursachten Autounfall 「猫が原因で発生した自動車事故では、猫の世話人は責任があります」 2013年8月8日


Eigentum oder Eigenbesitz sind für Tierhalter­eigenschaft keine Voraussetzung.
Wer eine ihm zugelaufene Katze in seine Obhut nimmt und sich um die Katze kümmert, haftet als Tierhalter für einen Schaden, den diese Katze anrichtet (hier: Autounfall).
Dies hat das Landgericht Paderborn entschieden.
Im zugrundeliegenden Fall nahm ein Tierfreund eine ihm zugelaufene Katze auf.
Er gab der Katze Futter und kaufte ihr ein Flohhalsband.
In der Folge hielt sich die Katze oft - natürlich naturgemäß nicht ständig - auf dem Grundstück des Mannes (Beklagter) auf.
Eines Tages verursachte die Katze eine Kollision mit einem Auto.
Katzenfreund will nicht für die Kosten des Unfalls aufkommen Für die Kosten des Unfalls wollte der Mann nicht aufkommen,
weil er der Ansicht war, nicht für die ihm zugelaufene Katzen haften zu müssen.
Der Autofahrer verklagte daraufhin den Katzenfreund auf Schadenersatz wegen des Unfalls.
Landgericht sieht den Katzenfreund als Tierhalter gem. § 833 BGB an.
Das Landgericht Paderborn gab der Klage teilweise statt.
Es verurteilte den Beklagten 2/3 der Unfallkosten zu tragen.
Mitverschulden
Allerdings trage der Kläger (Autofahrer) eine Mitschuld an den Unfall.
Gefährdungshaftung auf beiden Seiten

それが財物である、または自分の所有物であることが、ペットの飼い主の要件ではありません。
誰であっても猫の世話をするものは、この猫によって引き起こされたいかなる損害についても、飼育動物の所有者として責任を負います(このケースでは自動車事故です)。
それは、パーダーボルン地方裁判所が決定しました。
基本的なケースですが、動物好きが猫を拾いました。
動物好きは猫にキャットフードを与え、ノミ取り首輪を買いました。
その結果、猫はしばしば - もちろん、いつもというわけではありませんが - その男性(被告)の私有地内にいました。
ある日、その猫は自動車と衝突しました。
その猫の世話をしていた猫好きは、事故を起こした自動車の損害に対する弁償を支払いたくはありませんでした。
なぜならば、猫の世話をしていた者は、自分が単に出会った猫に責任を負う必要はないという考えを持っていたからです。
運転手は、事故による損害賠償を、猫の世話をしていた者に求め訴えました。
地方裁判所はその猫の世話人を、民法833条により、飼い主と認定しました。
パーダーボルン地方裁判所は、原告(運転手)の訴えを一部認めました。
裁判所は、被告(猫の世話人)に、2/3の事故費用の負担を命じました。
過失相殺
しかし、原告(運転手)側にも、事故の原因があります。
双方の厳格責任
したがって、審理において裁判所は、損害賠償の配分では被告(猫の世話人)は2/3、そして原告は事故の損害の1/3を負担しなければならないとしました。



 このドイツの判決では、「もともと所有者のない野良動物であっても、一定の関与があれば飼い主とみなし、飼い主と同様の責任が生じる。したがって徘徊する猫が走行中の自動車の前に飛び出すなどして事故原因となった場合は、飼い主とみなされるものも損害賠償責任を負う」が骨子です。このドイツの判決は、日本における、放し飼い猫、地域猫、給餌などの世話を受けている野良猫などが交通事故の原因となった場合にも、日本国内の法律に当てはまります。
 前回記事で述べた通り、民法第718条(動物の占有者における不法行為)、ないし、民法第709条(一般不法行為)により、責任を猫に関わった者に対して問えると思います。さらに制度化され、行政が認めている地域猫であれば、仮に行政が事実上地域猫活動を強制した場合(所有者不明猫の引き取り拒否を行い、地域猫での管理を求めたなど)は、民法第719条による、共同不法行為が成立し、行政が連帯責任を負う可能性もあります。

 私は、日本はドイツやアメリカ合衆国などに比べて、ペットの所有者の管理責任について寛容であると思います。近年、例えば野良猫への給餌者に対して民事訴訟を提起し、損害賠償を求めることも行われつつあります。しかし環境省をはじめ、法的な責任についての考察を十分に行わないまま、行政指導により地域猫を推進しています。
 例えば私はかつて、アメリカでTNR猫が原因で発疹チフスが流行した事件について記事にしました。この事件では、TNR活動を行政指導により停止を求められていたのにも関わらず強行していた団体が、刑事訴追を受けました。猫を自由に徘徊させることは、糞尿などの衛生被害のみならず、感染症の原因にもなります。近年では、マダニが感染源となる新型感染症SFTSが、野良猫が感染源となったケースが報告されています。そして今回の猫が交通事故の原因となったケースもあります。行政が地域猫を推進していますが、地域猫が原因となった被害に対しての考察を、行政は行っているのでしょうか。


(動画)

 Katzen rennen nie über die Strasse 「猫は決して道路を走って横切ることはありません」 2018/08/10 に公開
 これはスイスの動画です。もちろんタイトルは皮肉で、Katzen rennen nie über die Strasse , Ausser 980'000 Mal letztes Jahr. 「猫は決して走って道路を横切ることはありません、昨年の98万回以外では」と続きます。つまり頻繁に猫は道路を横切るということ。98万回もあれば、重大事故につながったケースもあるでしょう。この98万回とは、どこから来た数字なのでしょうか。路上死猫でしょうか。迷惑な話です。




プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,227ブログ中6位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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