殺処分を減らすための3つの方策


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Domestic/Inländisch
(本記事は、8908ブログ記事中、16位を獲得しました)
獣医師の方がFace Bookで、大変わかりやすい「余剰犬猫問題」の図表を公開しています。それによれば日本での余剰犬猫の供給源(水道の蛇口)は、「1」ペット産業」、「2一般飼い主」、「3、野外で繁殖」、の3つがあります。そして余剰犬猫問題の対策(出口)としては、「A、殺処分」、「B、保護施設等で飼育」、「C、家庭へ譲渡」の3つがあります。「A、殺処分」を減らすための方策は、「1、」、「2、」、「3、」を減らすことと、「B、」、「C、」を増やすこととなります。
(画像)
まずサマリーで述べた、獣医師のFace Bookで示された図表を挙げます。Yoriyuki奥田 【余剰犬猫問題-モデル水槽】 。2017年5月20日。
さらにこの図表では、次のような注釈があります。
*1、家庭への譲渡に向かないものがあります。(病気や問題行動)もあります。
*2、施設での飼育には限界があります。場合によっては破裂します。
*3、殺処分/安楽殺も出口の一つです。
余剰犬猫問題は、上の段の蛇口(入口/余剰犬猫の発生)と下の段の蛇口(出口/余剰犬猫の処遇)の2つの問題から成り立っています。
いわゆる『殺処分ゼロ』は、殺処分の蛇口を閉めて、保護施設等での飼育と、家庭へ譲渡の蛇口を開くことを指していると思われますが、家庭へ譲渡できない犬猫もいるため、必然的に保護施設等での飼育が増える結果となります。図の水風船=保護施設を支えているのはボランティアさんたちなので、現状でもいっぱいいっぱいまでゴムが伸びていますが、場合によっては破裂してしまう恐れもあります。
さて、これまでは、下の段の蛇口に対して取り組む活動が多かったと思います。その結果、多くの地域で殺処分ゼロが実現しました。
今、取り組むべき蛇口はどこでしょうか?

この図表は、日本(世界共通の問題だと思いますが)の殺処分問題を過不足なく、端的にわかりやすく表現した、大変優れたものと感心しました。この図表に沿って、私が今まで記事にしてきたことを振り返ってみたいと思います。まず最初は、「A、殺処分」の原因となる「水道の蛇口」、つまり余剰犬猫の供給源についてです。
保健所の収容犬猫の内訳の分析だけでも、上段の「水道の蛇口」=供給源を、かなり正確に推測することができるでしょう。日本においては、余剰犬猫の収容は、保健所(いわゆる「動物愛護センター」)に集約されているからです。
まず、余剰猫の供給についてです。私は東京都の猫の殺処分の統計の内訳を調べました。それによれば、「東京都の平成24年度の、動物愛護センターでの収容動物内訳のうち、収容された犬猫のうち、猫が4分の3である」、「猫は、『拾得者からの引取り』(つまり野良猫)が、猫の総数のうち7割近くを占めます」、「『拾得者からの引き取り』(野良猫)のうち、子猫が占める割合は約99%である(子猫の定義とは「離乳前のもの」)」。ということがわかりました。
以上より私は、「日本における余剰猫の主な発生源は、野良猫の自然繁殖(不妊去勢をせずに猫を放し飼いする不適正飼育の飼い主の猫が野良猫と自然交配して屋外で出産するものも含む)存在である」と結論づけました。つまり余剰猫の発生源は「2一般飼い主」、「3、野外で繁殖」が殆どを占めるということです。朝日新聞は狂気の動物愛誤メディア~太田匡彦氏の「ペットショップで買われた犬猫は、飽きられば捨てられ、自治体が公費で殺処分する」の偏向記述。
次に余剰犬の犬の発生源です。東京都の統計によれば「収容された犬猫のうち、猫が4分の3」であり、犬は全体の4分の1に過ぎません、犬は猫よりも余剰が少ないのです。さらに、保健所に収容された犬の犬種内訳を分析したところ、次のようなことがわかりました(「アエラ」の2008年の記事。以下の画像)。
犬種別の、2007年に政令指定都市保健所に持ち込まれた犬の犬種別内訳は、犬の総数が12,141頭であるのに対し、雑種が7,885頭。純血種が4256頭です。2007年に保健所に持ち込まれた犬の割合は、純血種が35.0%、雑種が65%です。一方、2007年の犬飼育においては、純血種の割合は71.2%、雑種が28.8%です(一般社団法人 日本ペットフード協会 平成19年(2007年)犬猫飼育率全国調査)。飼育数に対して、持ち込まれた犬は雑種がより多いのです。雑種犬の保健所届け出割合は、純血種犬の4倍以上です。つまり余剰犬の発生源は、「2一般飼い主」、「3、野外で繁殖」が殆どを占めます。雑種犬は「1ペット産業」が供給源とはなりえないからです。さらに純血種の方が譲渡率は高いと思われますので、殺処分率はさらに低くなると思います。
以上より、私は、「余剰犬猫では、猫が占める割合が高い」。「余剰猫の発生源は飼い主の不適正飼育と野良猫の自然繁殖である」。さらに、「日本の余剰犬の主な発生源は、主に雑種犬の飼育者の不適正飼育による飼育放棄や無計画繁殖」と結論づけました。
(画像)
「アエラ」2008年の記事。「朝日新聞が独自に政令指定都市に対して調査した、犬種別 政令指定都市保健所に持ち込まれた犬の犬種別内訳」。それによれば、保健所に届けられた犬の総数が12,141頭。雑種が7,885頭。純血種が4256頭です。

繰り返しますが、日本の余剰ペットの発生源の主なるものは、まとめると次のようになります。
1、余剰犬猫では、猫が4分の3であり、猫がほとんどである。
2、余剰猫の発生源のほとんどは、野良猫の自然繁殖(不適正飼育者の放し飼い猫と野良猫が交配して生まれる子猫も含む)。
3、余剰犬の発生源は、主に雑種犬の飼い主の飼育放棄や無計画繁殖などの不適正飼育である。
つまり余剰犬猫を減らすためには、次の方策が、よりプライオリティが高いということになります。
1、余剰犬よりも、余剰猫の発生防止に力点を置くべき。
2、猫は、特に屋外での自然繁殖(不適正飼育者の未去勢放し飼い猫と野良猫との自然繁殖防止も含む)の防止が重要。
3、犬は主に雑種犬の飼い主の適正飼育化と飼育放棄の防止、もしくは雑種犬の発生防止(去勢の実施や放し飼い、遁走の防止)、がより重要である。
私はしばしば、TOKYOZEROキャンペーン(東京での犬猫殺処分ゼロを目指す任意団体)や、朝日新聞の太田匡彦記者の、「日本の殺処分ゼロのための方策についての主張」について批判してきました。なぜならば、彼らは、本記事冒頭で取り上げた、余剰犬猫の発生源では、「1、ペット産業」しか取り上げていないからです。
私が種々の統計を見る限り、余剰犬猫の発生源は、「1、ペット産業」の比率はむしろ低いと言わざるを得ません。むしろ、「2、一般飼い主」、「3、野外で繁殖」の方が、より比率が高いとしか判断できないからです。しかし彼らは、ただひたすら「ペット産業」を余剰犬猫発生の元凶と攻撃し、すべての原因であると論じています。もちろん、私も「1、ペット産業」もある程度は余剰犬猫の発生源となってることは否定しません。しかし彼ら(TOKYOZEROや太田匡彦氏)の論調では、まず「ペット産業の攻撃ありき」としか思えないです。彼らの目的が「殺処分ゼロ」ではなく、それにこじつけて何か利権でも絡んでいるのではないかと疑うのは自然です。なお、冒頭で示した図表はたいへんよくできていますので、今後も引用したいと思っています。
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