マスメディアの海外動物愛護情報の嘘プロパガンダ報道は巧妙になったのか
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Domestic/inländisch
2015年1月29日に、朝日新聞のインターネット版記事、朝日新聞 Digital に、日本は動物愛護の後進国? 保護猫カフェから考える、という記事が掲載されました。この記事では「猫カフェ」の経営者の発言という形で、「日本は動物愛護後進国。対して欧米は動物愛護に優れている」と、すでに周知された「偏向~嘘」を報じています。
記事、日本は動物愛護の後進国? 保護猫カフェから考えるから、問題の箇所を引用します。
いま猫カフェがはやってるらしい。
行き場のない保護猫の里親探しのための猫カフェ。
①「欧米には日本みたいなペットショップはほとんどないのよ」と齋藤さん(猫カフェ経営者)は言う。
保護シェルターで譲ってもらうのがほとんどで、しかも面接を受けて飼い主として適切だと判断されて初めてもらえる。
②動物虐待を取り締まる専門の団体「アニマルポリス」がいる国もある。
③あまりに簡単に命の売買がなされ、「動物愛護という意味では日本は後進国。
①③ですが、真実は日本ほどペット販売の規制が厳しい国はまれでしょう。例えば、日本はペットの対面販売を義務付けているために、インターネットでの犬などの販売は禁じられています。しかしインターネット販売を禁じているのは、おそらく日本ぐらいではないでしょうか。私が知る限り、スイス、ドイツでは、インターネットによる犬などのペット販売は大変盛んに行われています。また、午後8時以降のペット販売を禁じているのもおそらく日本だけではないかと思います。さらに、現在日本では8週齡未満の犬猫の販売を禁止する法改正の動きがありますが、国の法律で犬猫とも8週齡未満の販売を禁じている国はフランス一国だけです。
スイスは、一定規模未満(例えば犬難関販売20頭、繁殖回数3回)であれば、ペット販売は全く法的規制を受けません。ドイツに至っては、ペット販売に関する法的規制は連邦法、州法では一切ありません(おそらく条例でもないと思われます。ただし法定の飼育環境は、展示販売でも適用されますが)。
それと「保護シェルターでもらう」は大いに誤解を与える表現です。保護シェルター、ドイツ語圏では、ティアハイムですが、ティアハイムでの犬などの譲渡価格は極めて高価です。例えばスイスでは、雑種の大型犬の成犬で、不妊去勢済みであれば600スイスフラン(日本円で約8万円)が相場です。ドイツでは不妊去勢前の幼犬で200ユーロ~(日本円で約2万7,000円)、不妊済み雑種の成犬で350ユーロ~(5万円近く)、純血種であればさらに高価です。
②ですが、警察組織で動物犯罪専門に扱っている部署があるのは、欧米ではスイスのベルン州とアメリカのフロリダ州だけだったと思います。 ベルンのティアポリツァイは、遁走した犬などをガンガン射殺しています。フロリダ州は、TNRも例外なく野良猫への餌やりは州法で禁じられて刑事罰の対象です。
なお、愛誤さんが「イギリスのアニマルポリス」と紹介しているインスペクターは、完全な民間人です(母体の動物保護団体RSPCAは、保護した犬猫をガンガン拳銃で殺処分しています)。
「欧米には日本みたいなペットショップはほとんどないのよ」。これは猫カフェの経営者の発言ですね。最近は、メディアでもあからさまな「嘘」がバレる報道を避けています。 例えば、朝日新聞の記者が「イギリス、ドイツでは法律により生体販売ペットショップはない」と自ら記述すれば私のような人が今はいますから、即、大嘘を暴かれ叩かれます。
さらに、
「欧米」~具体的な国に言及していない。
「日本みたいな」~これも具体的記述はない。
「ほとんどない」~も主観です。
あからさまな「嘘」のそしりをまぬがれながら、巧妙に印象操作を行うことに、マスメディアは転じつつあるように思います。それはそれで問題ですが。
私は朝日新聞の海外の動物愛護に関する報道に対しては、過去に何度も該当する国の原文の資料(法律、マスメディアの報道、統計など)を根拠にして誤りを指摘しています。回答を求めましたが、回答は未だに一度も頂いていません。しかし私の、それらの海外情報のソースをリンクしたブログ記事に、何度も朝日新聞はアクセスしています。ですから朝日新聞の編集者は、ある程度は彼らが報道した、海外の動物愛護事情は偏向嘘であることは自覚しているはずです。
本記事は、朝日新聞記者が自らの文責で書いたものではなく、「『猫カフェ』の経営者が語った」と言う形をとっています。あからさまに「朝日新聞が偏向嘘報道をした」のではなく、そのそしりを微妙に免れる書き方です。しかし一般の読者は、この記事を読めば、記事に書かれていることが真実であると誤認する可能性が高いです。
この朝日新聞の記事は、私の読者様から情報提供いただきましたが、その他にも「あからさまな嘘とまでは言えないが、視聴者に誤認させる内容」の報道がいくつかあります。2015年1月26日のTVタックルというTV番組などもです。TVタックル 2015.01.26 東京を訪れた外国人「街にゴミ箱が少ない」 。問題の箇所は、コメンテーターとして出演した、塩村文夏東京都議の、海外の動物愛護先進国のペット販売に関する発言です。
私は、この番組を批判しているブログにコメントしています。業者叩きだけではなくて、飼い主規制も、から引用します。
「ペット先進国なんかは、ペットショップが成り立ちにくい仕組みになっているのでキチンとしたブリーダーに注文をして次の繁殖待って買うから、すぐに棄てるということも少なくなってくるんですよ」。
「ペットト先進国なんかは」ではなく、具体的な国名を出して、どのようにペットショップが成り立ちにくい仕組みを説明しなければダメでしょう。
議員であり、動物愛護政策に関っている人が、公共の電波で多くの人に発信するわけですから。
それと私は、ヨーロッパの動物愛護事情に関して、英語やドイツ語で多くの検索をしています。
しかしブリーダーでの予約販売、注文生産に関する情報なんて見たことがないです。
しかし私はこの番組の録画を見て、内心ほくそ笑みました。
少し前ならば、この手の番組は、「ドイツやイギリスは法律で禁じられているからペットショップは皆無だ」「ドイツはノーリードが認められている。だから日本は遅れている」「ドイツなどでは捨て猫捨て犬がないから野良犬野良猫は存在しない」などと平気でコメンテーターは発言したはずです。
私がここ数年来、マスメディアの嘘報道を徹底的に叩いてきた成果が現れてきたきたのではないかと思っています。
今後は、愛誤プロパガンダ報道も、あからさまな嘘を指摘される内容ではなく、巧妙に逃げ場を作った印象操作に移行するものと思われます。
それはそれで問題です。
「○国は法律で禁止しているからペットショップはない」は、あからさまな嘘で、指摘して恥をかかせるのは簡単です。
しかし「動物愛護先進国は」とか、「成り立たない仕組み」と抽象的な言い方では、嘘をズバッ!とは指摘できません。
*この記事で私が述べていることは、既に本ブログで何度も根拠を上げて説明してきたことばかりです。根拠については、私のブログページからブログ内検索でお探しください。
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