なるほど日本は動物愛護後進国だ~・感情的で・科学的知見に欠ける活動家ー2
記事、なるほど日本は動物愛護後進国だ~・感情的で・科学的知見に欠ける活動家ー1の続きです。日本の動物愛護は犬猫、特に野良猫の保護に偏っているという特異性があります。愛(誤)活動家たちは、自分のお気に入りの特定の種である「猫」の保護しか眼中になく、その活動が自然の生態系に悪影響を与えることを省みません。
私は動物愛護とは、広く野生動物から、家畜愛玩動物など人が飼育している動物を全て含めた動物を対象とした概念であると思います。日本の動物愛護は、犬猫に代表される愛玩動物に偏っていることは、しばしば指摘されています。お気に入りの愛玩動物の種、特に猫(イエネコ)、その中でも野良猫保護にその特徴が顕著に表れています。
野良猫に対する愛護(誤)活動は、日本ではいわゆる地域猫一択です。しかし地域猫は自然の生態系に悪影響を及ぼすことは、アメリカ、ドイツなどの多くの先進国の研究結果により定説となっています。対して日本では、動物愛護活動を自称している団体個人を始め、環境省などの公的機関までが、地域猫の生態系への悪影響に対して言及するのはまれです。
U.S. Fish and Wildlife Service ( アメリカ連邦政府漁業狩猟サービス庁)HPから引用します。Cats Gone Wild!「猫は野生に戻ります!」
Domestic cats have the ability to live in almost any environment and are prevalent around the world.
Cats prey upon small animals.
Some of the small animals that cats prey upon are rare and in danger of extinction.
Many are federally protected, endangered or threatened birds that add much to the biodiversity of our planet.
Neutering cats does not take away their instinct to kill.
Therefore, even if TNR were to have success by controlling feral cat populations, it would have no immediate effect on the problem of our nation’s wildlife being killed(There was no “success” story).
Threatened by habitat destruction, invasive species and disease, nearly all native Hawaiian bird species are in danger of extinction if urgent conservation measures are not implemented immediately.
猫は、ほとんどのどんな環境でも生存できる能力があって、世界中に生息域を広げています。
猫は、小動物を捕食します。
猫が略奪する小動物の数種類は稀少で、絶滅の危険にさらされています。
多くは、地球の生物多様性に重要な貢献をしている、危険にさらされ、生存が脅かされているアメリカ連邦政府によって保護されている鳥です。
猫を去勢したとしても、猫の小動物を捕食するという本能を除去できません。
したがって、仮にTNRが野良猫の個体数を制御することに成功したとしても、野良猫に捕食殺されていく我が国の野生生物の問題に関しては、直ぐには効果がありません(しかしTNRの成功例はただの一つもないのです)。
例えば我が国ハワイでは、ほとんど全ての鳥種が生息地の破壊、侵入する種(イエネコ)と病気によって脅かされていて、即時に緊急の保護案が実行されなければ、絶滅の危険にさらされ続けます。
(註 なおアメリカでTNRという場合は、TNR+Vaccine,feeding Feral cat colony Managementを指します。つまり給餌は、野良猫が野生動物を捕食することを防止できないということです。給餌により野良猫数が増えれば、比例して野生動物への被害は拡大します)。
その他にも、ドイツ連邦政府がドイツロストック大学に委託して行った野良猫による生態系への悪影響調査研究(2008年)においても、「野良猫は、1年間に最大1,000個体の小動物を捕食している可能性がある。生態系への悪影響は甚大である」とされています。多くの民間研究でも同様の結論が導かれています。
一方日本ではTNR(以下、地域猫と記述します)、による生態系への悪影響を指摘する方はまれです。むしろ地域猫が生態系保護になるという、学術的見地から真っ向から反する主張をしている愛誤活動家が多いです。以下に例示します。
北海道羽幌町の「天売島ネコ飼養条例」の第18条を削除するよう要望してください
そしてまた何よりも海鳥を守る為に、この第18条は削除しなければなりません。
もしこの18条により今まで野良猫にエサをあげていた人がエサをやらなくなったら野良猫は今まで以上に海鳥を捕食しますし、人知れず子猫を産みますし、今まで以上に犠牲になる海鳥が増えるのは間違いありません。
鹿児島県奄美市のエサやり禁止条例に意見を! (17)
新聞記事によりますとアマミノクロウサギは野生化した猫に捕食されているそうです。
もし誰も野良猫にエサをあげなくなったら何十、何百という野良猫がエサを求めてさ迷い、間違いなくアマミノクロウサギも狙われます。
このような「野生動物を守るために、野生動物生息地にいる野良猫(等の捕食外来生物)に給餌すべきだ」という学識経験者がいますか。一つでも例示していただきたいです。この主張をしている方は、野良猫への餌やりを正当化するためにボケたふりをしているのでしょうか。それとも天然ボケなのでしょうか。
いずれにしても日本の野良猫偏重、野良猫に餌をやりたいという衝動だけに囚われた、無知、科学的見地ゼロの動物愛護(誤)の特殊性をよく表しています(続く)。
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