なるほど日本は動物愛護後進国だ~・感情的で・科学的知見に欠ける活動家ー1
日本の動物愛護の特徴として多くの識者が・ペットに偏向し、活動家が・感情的で、・科学的知見に欠ける、を挙げています。私も同感です。
前回の記事、なるほど、日本は動物愛護後進国だ 無管理状態の動物まで保護の対象とする日本の動物愛護管理法の特異性ーまとめ lと関連する記事では、日本の動物愛護が「ペットに偏向していること(飼い主がいない野良猫は、ペットとは言えないかもしれませんが、便宜上ペットとしました)」の具体例をあげました。そしてその一因が、日本の動物愛護管理法が飼育されていない状態の動物にまで保護の対象としている特殊性であるとの私の分析を述べました。
以降は、日本の動物愛護の特徴である、活動家が「感情的で」「科学的知見に欠ける」点を具体例を挙げて論じたいと思います。
財団法人 神奈川県動物愛護協会のHPでは、「現代の日本における動物愛護運動は、ペット問題のみを対象とする傾向。個々の活動者が『かわいそう』と思う事象に対し、個々の主観で『かわいそう』ではない状態にすることが一貫した傾向として挙げられます。また「イギリスは客観的に動物を見ることにより動物の幸福を、日本は主観的に動物を見ることにより動物をかわいがる、という目線の違い(つまり感情的で科学的知見に欠けるという特徴)」と日本の動物愛護を分析しています。
日本の多くのペット系動物愛護活動家は、ペットに偏向した愛護活動を行うことによる社会や生態系への影響を考慮しません。しかし私は動物愛護とは、広く野生動物まで含む概念だと思います。
彼らは「目の前にある、自分が好きな動物のみ」しか考えられません。「かわいそう」という感情だけが先行して、視野狭窄の陥っています。その特徴が最も現れているのは、野良猫愛誤活動です。彼らの活動は地域猫(TNR)、つまり野良猫の不妊去勢手術を行い、放し飼い状態で給餌し飼育することです。
地域猫活動(TNR)は、生態系に重大な被害を及ぼすということが国際的に通説となっています。米国、英国では、TNRの批判では、必ずと言っていいほど、生態系への悪影響が挙げられます。
ドイツ語でもTNRについて検索しましたが、ドイツを始め、その他のドイツ語が第一言語の国では、インターネット上での情報はきわめて少ないです。試しにTNR katzeで検索条件をドイツ語に絞ってみてください。ほとんどヒットしないはずです。さらにドイツ語でTrap Kastraten Zurück katzeで検索すれば、ヒットはほぼ皆無です。私は、ドイツ語圏ではTNRは一般的ではないと想像します。
主に生態系への悪影響を根拠として、TNRを完全に否定した公的機関の文書を例示します。
U.S. Fish and Wildlife Service Home Page
アメリカ連邦政府漁業狩猟サービス庁HPから引用。2009年。
Cats Gone Wild!「猫は野生に戻ります!」
Domestic cats have the ability to live in almost any environment and are prevalent around the world.
Cats prey upon small animals.
Some of the small animals that cats prey upon are rare and in danger ofextinction.
What’s more, domestic cats have few “natural” predators, such as larger wild cat species like bobcats and cougars.
There is little natural population control.
One solution some people feel will help this problem is a program called Trap Neuter Return (TNR).
It was thought that this would help curb the population so that there would be fewer feral cats killingbirds and other wildlife.
However, after many years of these programs and subsequent studies to determine their success, most cat populations stayed the same, increased or decreased only slightly.
There was no “success” story.
Furthermore, this solution does not speak directly to the problem of feral cats killing wildlife.
Neutering cats does not take away their instinct to kill.
Therefore, even if TNR were to have success by controlling feral cat populations, it would have no immediate effect on the problem of our nation’s wildlife being killed.
Be aware that stray and feral cats pose some health and safety risks to both humans and wildlife.
イエネコは、ほぼすべての環境で生存する能力があり、世界中に生息域を広げています。
猫は小動物を捕食します。
猫が獲物にする小動物のいくつかは希少種で、絶滅の危機に瀕しています。
その上米国内の猫は、自然界ではボブキャットやクーガー(ピューマ)などの大型のヤマネコ類などの、限られた捕食者しかいません。
自然の状態では、猫の個体数抑制はわずかです。
何人かの人々は、この問題解決には、TNRと呼ばれるプログラムが効果があると思いました。
TNRは、鳥やそのほかの野生動物を捕食する野良猫を減少させ、個体数増加抑制効果があるだろうと考えられていました。
TNRプログラムの実行と多くの研究が、TNR信奉者が成功したと判定するするために、長期間続けられました。
しかしほとんどのTNRを実行した猫の一群は、個体数が同じままが僅かに増減しただけでした。
TNRの成功例は、ただの一つもありませんでした。
さらに、このTNRと言う問題解決方法は、野生動物を捕食する野良猫の問題に対して直接言及されていません。
猫は去勢されても、捕食行動という本能を除去することはできません、。
TNRは、野良猫の個体数を制御することが仮に成功したとしても、それが私たちの国の、野生動物が殺されているという問題に、直ちに効果を得ることはあり得ません。
自由に徘徊している猫や野良猫は、人間と野生動物のいずれにも、健康上の危険をもたらすことに注意しなければなりません。
上記のようにアメリカ連邦政府はTNRを完全に否定しました。否定の根拠には「感情を排し」「科学的知見に基づき」「猫に偏向しない」があります(続く)
(画像)ボブキャット

(画像)クーガー

猫愛護誤にとっては、オオヤマネコ類がイエネコを食うのは構わないんですね。米国でのTNRは、オオヤマネコ類への生餌の供給活動?
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