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続々・宝塚市もバカ愛誤市の仲間入り ( ̄д ̄) エー





  地域猫は「野良猫とその被害を減らす~セロ化」のための一手段にしか過ぎません。法律の範囲内で、当該地域の住民がどのような手段を選択しようが自由です。地域猫が至上唯一の手段という価値観を行政が誘導、もしくは強制することは不当です。

 「野良猫とその害を減らす~ゼロ化」の野良猫対策は、いくつかの手法があります。例えば次のとおりです。
1、住民が野良猫を保護して保健所に届ける~処分。
2、飼い猫の不妊去勢、飼い主明示義務化と給餌を禁止して自然減を待つ。
3、地域猫(TNRと給餌を行う)。

 最も効果が高い順番は1、と2、の組み合わせ、1、2、3でしょう。1、については、昨年三重県亀山市みどり町の自治会で行われました。本自治会以外でも、報道されなかったケースは多くあります。自治会が組織的に野良猫を保護捕獲し、保健所に届けるのは何ら違法性はありません。この件については何度も私は述べていますので割愛します。
 自治会等地域住民の団体が、野良猫保護捕獲を行うに際し、自治体が指導助言を行っているところは多くあります。

 さらに住民の野良猫保護捕獲活動に加え、自治体自ら野良猫の捕獲駆除を行っているところがいくつもあります。複数の、野良猫の捕獲駆除に関する要綱要領を定めた自治体があります。
 自治体自らが、野良猫の捕獲駆除を行うことは、何ら法令に反しません。野良猫の捕獲駆除に関しては、犬のように自治体に捕獲を義務付ける狂犬病予防法などの法律はありませんが、禁止する法令もないからです。

 なお、具体的な自治体名の記載は限らせて頂きます。ブロ友様により「公表すればその自治体は愛誤の攻撃対象になる」との忠告を受けたからです。ヒントは、地方の小規模な、農業畜産依存度が高く、希少生物などの生息地を有するなどの特徴がある自治体です。
 一例だけ挙げましょう。この事件に関しては後ほど記事にする予定です。

捕獲後に解放 動物愛護法違反容疑 : 静岡 : 地域 : YOMIURI ONLINE

 「2、飼い猫の不妊去勢、飼い主明示義務化と給餌を禁止して自然減を待つ」。この手法は、多くの自治体で条例化されています。一定の効果が認められています。

 「3、地域猫(TNRと給餌を行う)」。これは最も費用対効果が低い手法です。多くの自治体で制度化されていますが、本来の目的である「野良猫とその害を減らす~~ゼロ化」はほぼ全てで失敗していると言っても過言ではありません。
 「2、飼い猫の不妊去勢、飼い主明示義務化と給餌を禁止して自然減を待つ」と組み合わせることにより効果はある程度期待できるでしょうが、地域猫を推進している人たちは地域猫以外での餌やりを強硬に反対しています。


 さて、宝塚市が平成24年度から制度化した地域猫ですが。宝塚市は制度化するに際して、平成23年7月に、自治会長に対し半ば強制的に地域猫に関する研修会の参加をさせました。宝塚市では、かねてより一部の地域で野良猫に餌をやるマナーの悪い人が絶えず、野良猫被害が大問題になっており、自治会連合会でも市に対しての野良猫対策の要望が出されていたからです。
 その研修会では、野良猫対策は地域猫が唯一至上であると著しく偏向した内容です。

宝塚市「地域猫推進研修会資料」 作成協力 NPOねこだすけ

 具体例をあげましょう。
 まず「猫については法的整備がないため、飼い主のいない猫に関して行政で捕獲するなど直接手出しができない」とあります。この記述は誤りです。野良猫は野良犬のように、行政に対して捕獲を義務付ける法令はありませんが、行政が捕獲することを禁じる法令もありません。
 現に、野良猫を行政が直接捕獲駆除する旨を定めた要綱要領を持つ自治体は、先に述べたようにいくつもあります。また、行政が野良猫を捕獲駆除するための条例案が議会提出されたこともあります。

「猫捕獲条例」が抗議で廃案になる!~京都府・大江町~

 また本研修会資料では、宝塚市は「飼い猫の明示、室内飼い不妊去勢手術実施等の適正飼育の推奨と子猫等の引取りではなく、市の施策として地域猫が望ましい」としています。

 私が先に申し上げましたとおり、地域の問題は地域住民の自由意思により決定すべき事項です。行政が特定の価値観に偏向して地域住民を誘導もしくは去勢することは不当です。「野良猫問題の解決方法は、地域猫が唯一至上である」との価値観との研修会に、行政が自治会の役員を半ば強制的に招集するのは不当です。
 法律の範囲内で、地域住民がどのような野良猫対策を講じようが自由です。行政は特定の価値観に偏ることなく、法を執行すれば良いだけです。

 例えば、自治会が野良猫捕獲保護を行い、それを保健所に届けるというのであれば、動物愛護管理法35条2項に基づき、淡々と引き取れば良いのです。自治会が(罰則を貸すことはできなくても)、迷惑な野良猫への餌やり禁止を決議することや、自治会が餌やりの中止を求めるのは自由です。市が「地域猫を進めるために餌やり禁止はダメ」という研修を行うのは不当です。


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続・宝塚市もバカ愛誤市の仲間入り ( ̄д ̄) エー





 兵庫県宝塚市では、平成24年度から地域猫を制度化しました。しかし本市では地域猫制度を制度化する以前から、野良猫餌やりにより著しい被害が生じている地域がいくつかあります。宝塚市は地域猫制度の導入により、猫被害を軽減させることはほぼ不可能と思われます。なぜならば本市の地域猫制度には致命的な欠陥があるからです。


 読者様のHN宝塚太郎様からコメントとメールにより、宝塚市の野良猫餌やり被害の情報を頂きました。本市では平成24年度から地域猫を制度化し、所有者のいない猫の不妊去勢手術費の助成を始めました。この件については、私も記事で取り上げています。宝塚市もバカ愛誤市の仲間入り ( ̄д ̄) エー
 宝塚市では、地域猫を制度化する以前から、一部の地域では野良猫えさやりにより酷い被害が生じています。以下は宝塚太郎様のコメントです。
 宝塚市阪急仁川駅は宝塚市と西宮市の市境で、山手は関西圏では屈指の高級住宅地の一つです。このようなモラルの低い住民が存在することは残念です。

阪急仁川駅

仁川周辺

仁川駅周辺の迷惑餌やりの様子 宝塚太郎様から頂いた画像です。yahoo boxからご覧いただけます。


宝塚の仁川団地に居住していたものです。
UR敷地内や弁天池での猫の餌付けで大変困っておりました。自治会、UR管理会社、宝塚市に苦情を言ってきました。
今までの状況
・無責任きわまりない大量の撒き餌による繁殖
・多いときは50匹くらいいました。
・夜中に誰が撒いたのかわからない。
・餌付けを正当化する看板をベタベタ貼り付ける。
・弁天池には猫の小屋まで設置していた。
 宝塚市公園緑地課により撤去される。
・大量の置き餌によるカラスの増加
・ゴミの荒し
・糞尿による悪臭
・糞の放置
・発情時期の猫の声
と書き出したら切りがありません。
警察官も出動して大騒ぎになった事もありました。
愛護活動家と称する方の言い分は、命ある者天寿を全うさせるために、地域猫活動をしているそうです。
市が地域猫を打開策に打ち出しましたが、険しく長い道のりでしょう。
地域猫活動も地域の人の賛成多数であれば、その取り組みをするのも必要でしょう。

しかし、必要なプロセスを踏まずに自分勝手に物事を進める偽の愛護活動家がトラブルメーカーとなっているのが実情です。



 近年は、地域猫を新たに導入する自治体が増えています。そのきっかけは「野良猫による被害が酷い」という市民の苦情です。そのための解決策としての地域猫なのですが。
 しかし野良猫の被害が酷い理由は、以前から無許可餌やりをする人が存在するからです。地域猫推進派は「野良猫がいるから、その猫の天寿を全うさせたいから餌を与えるのだ」と主張しますが逆です。「餌やりをするから野良猫が増え、周囲から集まってくる」のです。給餌を行う地域猫が猫被害の解決策になるとはおかしな話です。地域猫は基本的には餌やりだからです。

 宝塚市は地域猫を制度化する前に、地域猫を制度化している東京都新宿区の担当職員を呼び、平成23年7月に研修会を開催しました。主に野良猫被害に悩んでいる、市内の自治会長が参加させられました。その際に配布された資料があります。その資料には、著しく地域猫に誘導し、かつ餌やり至上主義偏向と思われる記述があります。

「飼い主のいない猫を減らす取り組み(地域猫活動)について研修会次第」NPO 猫だすけ作成協力


6、地域猫対策を進める上で、なぜ餌やり禁止はだめなのか?

(1)猫は縄張りを大切にするので、餌やりを禁止しても縄張りを移動することが少ない。
(2)餌やり禁止を掲げることで、猫に詳しい人の協力が得られなくなる。
(3)餌やり禁止看板等の設置は、餌やりの人をルール違反として決め付け無用のトラブルを誘発する。
①(餌やりしないと)猫がゴミ箱を荒らすことになる。
④手術するためには、猫の出没場所が分からないと保護しにくい、TNRがしにくくなる(だから餌やりが必要)。
⑤猫の頭数変化を調べ効果測定のためにも餌やりは必要。
⑥餌やり禁止は、その場所に出没する猫の状況を把握することを困難にする。
⑦餌やり禁止は、ルールをめぐる対立を煽ることになる。



 私はかねてより地域猫を成功させるためには、地域猫制度と並行して、無許可の餌やり禁止規定を定めなければならないと主張してきました。上記の矛盾点については、次回以降論じます。
 それにしても無許可餌やりを禁止しなければ、一体何が改善するというのですかね。むしろ近くで地域猫活動をしていれば「餌やりは良いこと」と勘違いする人が増え、ますます餌やりに対する抑制が効かなくなります。宝塚市は、市内を猫牧場にしたいのでしょう。宝塚太郎様からは、認可地域猫の具体的な複数の地域情報を頂きました。今後、地域猫の取り組みがどのような結果をもたらすのか、観察を続けたいと思います。

ドイツでの野良猫殺傷駆除について~補足





 私はドイツでは、野良猫が年間40万匹が狩猟駆除されている事実を、ドイツ国内ののマスメディアの記事を根拠としてご紹介しました。その事実を曲解したがる方もいらっしゃるようです。改めてドイツでの野良猫狩猟駆除について述べたいと思います。

 私は 日本は動物愛護後進国なのかー5 ドイツ編 において、ドイツでは年間40万匹の野良猫と6万匹の野良犬が狩猟駆除されていることをご紹介しました。その記事について、以下のコメントを頂きました。


(読者様のコメント)
TNRで使われるような捕獲器が主流になっているかと思われます。
そうなると、捕獲した後でシェルターへ預けるなり、遠方へ解き放たれる可能性もあるでしょう。
46万匹の犬猫がすべて殺されたと結論付けるのは危険かもしれません。

(私の回答)
リンクしたGELIEBTE KATZE Gerichtsurteile zum Thema Jagd und Katze の記事の趣旨は、猫愛好家側からの記事で「飼い猫が狩猟により殺傷される」事を問題視しているのです。
またJagdは狩猟、Huntingであって、TNRで行われる保護とは全く異なる概念です。
ドイツでもTNR活動は行われていて、この場合の猫捕獲はschutz(保護)と表現され、はっきりと区別されています。



 「ドイツは動物愛護先進国で、犬猫をけして殺すことはしない」というプロパガンダを堅持したいという方がいらっしゃるのかもしれません。だから事実をかなり歪曲して理解されるのでしょう。
 ドイツの、野良猫野良犬駆除に関する記事は多数あります。今回は、若年者の銃の所持と狩猟を行うことの賛否についての記事をご紹介します。引用したのはRTL Regionalというドイツのニュースサイトです。  肯定する側は「野生動物保護の観点から、猫などの悪性外来種を狩猟駆除することにつながり良いことである」と意見を述べています。



RTL Regional(2012年)

Der Jagdschutz umfasst nach § 23 Bundesjagdgesetz auch den Schutz des Wildes vor wildernden Hunden und Katzen.
In diesem Rahmen werden von Jägern jedes Jahr zahlreiche Haustiere (wildernde Hunde und Katzen) erschossen, was von verschiedenen Seiten kritisiert wird.
Verschiedene Organisationen schätzen die Zahl getöteter Hunde auf bis zu 40.000 und jene getöteter Katzen auf bis zu 400.000 im Jahr,die Tötung von Hunden und Katzen diene dem Bestandserhalt der Wildtiere,die einen signifikanten Einfluss von Hunden und Katzen auf Wildtier- oder Singvogelpopulationen belegen.
Bestandsaufnahme und Bewertung von Neozoen in Deutschland“ der Universität Rostock kamen 2002 im Auftrag des Umweltbundesamtes zu dem Schluss,wichtigsten schadenverursachenden Neozoen in Deutschland .
Übertragen auf die rund 2 Millionen streunenden Katzen in Deutschland bedeutet das:
während der Brut-und Aufzuchtzeit fallen herrenlosen Katzen rund 1,1 Millionen Hasen und Kaninchen sowie 6 Millionen Vogel zum Opfer.
Einzelne Katzen können bis zu 1.000 wildlebende Tiere pro Jahr erbeuten.
Kleinere Säugetiere machen etwa 70 Prozent aus, 20 Prozent der Beute sind Vogel.

狩猟は、連邦狩猟法23条では(野生動物の)保護も目的の一つとされています。
野生化した犬や猫から、野生生物の保護につながるからです。
このフレームワークの中でハンターは、毎年多くのペット(野生化した犬や猫)を射殺し、多くの関係者によって批判されています。
4万頭の犬が殺され、猫は年間で40万頭殺されていると推測されています。
犬や猫の殺害は、在来の野生動物の保護に役立ちます。
野生動物や小鳥の群れでは、犬や猫による深刻で重大な影響が顕在化しています。
連邦環境庁に代わり行ったロストック大学のドイツの侵略的外来種の評価と目録作成は、2002年に終了しました。
結論は(猫は)ドイツで最も有害な外来種ということです。
ドイツには野生化した200万頭の野良猫(ノネコ)が存在します。
これは約110万頭のホームレス猫(市街地の猫)の、子育て期間の仔猫やウサギ6万頭が野良猫(ノネコ)の餌食になることを意味します。
いくつかの猫は、年間1,000個体もの野生動物を捕獲することができます。
小型哺乳類が約70%を占めて、獲物の20%は鳥です。



 こちらの記事では、wikipediaを引用しています。その中ではっきりと猫40万頭をTötung=killing、致死、殺す、と述べられています。
 ドイツ連邦狩猟法Bundesjagdgesetzでは、狩猟区域内で民家から300m以上離れていれば、犬猫は所有者なしとして狩猟が許可されています。その目的は、あくまでも外来種である野良犬猫から、在来生物を保護することが目的です。犬猫を保護する目的ではありません。後日、ドイツ狩猟連邦法の原文をご紹介します。

 ドイツでは、野生動物の生息域に生存する犬猫は、在来生物の保護のために徹底的に駆除すべきという方針です。そのために狩猟区域内の猫と市街地の猫を明確に区分しています。狩猟区域内の猫はstreunenden Katzen とし(stray cats、日本でいう「ノネコ」に近いでしょうか。しかし200万匹も生息しています)、市街地に生息するものはherrenlosen Katzen(homeless cats、ホームレス猫。こちらは110万頭が生息していると推測されています)です。それにしても、ドイツでは飼育管理されていない猫(=イエネコ。在来種の山猫類を除く)が310万頭もいます。大変な数です。
 ドイツでは狩猟区域内の猫は、苛烈に駆除活動が行われています。日本では、小笠原や沖縄、北海道の希少生物生息地のノネコであっても、強硬に駆除に反対する勢力があります。その点がドイツと日本の動物愛護に関する考え方の違いでしょう。ドイツでは、野生動物の保護も動物愛護の範疇であるという考え方なのかもしれません。


(おわび)

 ドイツ語文献を引用する際に、文字化けしてドイツ語のスペルが正しく表記されていない過去記事があるかもしれません。今日気がつきました。折々訂正していきます。不明な点があれば、リンクしている原文をお読みください。申し訳ありませんでした。

続・ペット業者が、売れ残り犬猫を大量に実験動物に払い下げているというのは悪意のある欺瞞





 「ペットショップ 売れ残り犬猫 実験動物」で検索してみました。「ペットショップは売れ残りの犬猫を大量に実験動物として横流ししている」と主張しているサイトで客観的な資料を上げているところは皆無でした。全てが根拠薄弱な書き手の推測や伝聞(~と聞いた)としています。

 私が検索してトップにヒットしたサイトを例示します。


ペットショップの売れ残りは 動物実験でも使われています~yahoo!知恵袋

ペットショップの売れ残りは 動物実験でも使われています。
九州大学は たくさんの犬が いたので 九大の人に尋ねたところ はっきり ペットショップの売れ残りの犬で 動物実験するために 犬を おいてるとのことです。
この話は 私の近所の人が はっきりと 聞いたこと。



 私が指摘したとおり、伝聞を根拠としています。何ら信頼出来る資料は明示していません。この質問についての回答をいくつか挙げておきましょう。


信憑性のない噂話を根拠にした、感傷的な自己主張でしかないですね。

あなたの主張の根本が「近所の人に聞いた」って(笑)
なんの根拠も無い「うわさ」を基にしてますよね…
九州大学に直接聞いたわけでもなく (九州大学の人…が真実を語っているのか、そもそも真実を
知っているのかどうやって確かめました?)
根も葉もない噂話を真に受けて、「見てきたような嘘」をさも真実であるかのように言い触らすあなたの態度…


 
 質問者は質問サイトで自己主張を行い賛同を求めるという規約違反をしています。さらにその根拠を客観性のない伝聞に求めるという二重の誤りを犯しています。「ペットショップの売れ残りを実験動物にしている」と主張するならば、公的な統計数値などの根拠を挙げるべきでしょう。
 ところで掲示板では、民間動物実験施設に勤める獣医師が動物実験に回答したスレッドがあります。一部を紹介しておきましょう。


動物実験施設で働いてるけど質問ある?

実験動物繁殖専門業者があります
ここらで人間の家などより非常にクリーンな飼育室で繁殖させて
施設や大学へ供給してます
由来不明の動物を使うことはありません
そういうので得たデータを国に出しても却下されます



 その他に、「ペットショップで売れ残ったもハムスターなどのげっ歯類は、全て実験動物として引き取られる」という記述がネット上で見られましたが、全くの誤りです。げっ歯類に関しては、100%実験動物専業サプライヤーが供給しています。
 実験動物として用いられるラット、マウス等のげっ歯類は、厳しい衛生条件で飼育されており、病原菌寄生虫などの感染が皆無であるSPFやクリーンがほとんどです。実験動物に用いられるげっ歯類の単価は、10万円以上という高価です。遺伝子操作を施したものなどは、最低でも十数万円以上します。ペットショップで売られている単価が千数百円のものは実験動物では使い物にはなりません。
 またペットとして好まれるげっ歯類はハムスターですが、ハムスターは実験では今ではほとんど用いられません。縄張り意識がラットやマウスより強いために、実験動物としての飼育が難しいからです。

 私は前回の記事で「ペットショップの売れ残りが大量に実験動物として横流しされている」という主張が誤りであることを、以下に信頼できる客観的資料を根拠としてあげました。
・環境省調査資料では、ペット業界での売れ残り犬猫の実験動物転用はゼロである(平成22年)。
・犬猫に関しては、実験動物販売総数と、実験動物専業生産者による生産数と輸入総数の合計がほぼ一致する(平成22年)。
・動物実験実施機関は動物実験に対する規定があり、ペットショップ等からの調達はほぼ不可能。

 それでも「統計なんて信用できない。もちろん環境省が発表したものでもだ。意図的にペット業者の売れ残りを動物実験に転用していることを隠すためのものだからだ」「売れ残りペットを売りさばく闇ルートがあり、表面化していないだけ」「研究機関は安い実験動物が欲しいのだ。そのためにペット業者と裏でつながっており、動物愛護に心ある人を欺くために意図的に捏造したデータを公表している。=動物実験施設、ペット業者性悪説」を繰り広げ、私の記事に十数回コメントされる方もいます。
 さらには私のことを「無知、感情的」と人格攻撃に終始し「私は動物愛護に実際に携わっているから真実を知っているのだ。ペット業者が売れ残りペットを実験動物に横流ししているのは、数え切れないほどの事実がある」と主張されます。ぜひその事実とやらを挙げていただきたいですね。

 精神医学では、集団が特定の妄想障害を持つことを「感応性妄想障害」と言います。一部の方の「ペット業界では大量に売れ残りペットを動物実験に売りさばいている」という主張は、何ら根拠がありません。しかし確信となっているようです。根拠が薄弱であるにもかかわらず、その確信が異常に堅固であることを精神医学では妄想と定義します。
 これほど多くの「ペット業界が売れ残りペットを大量に実験動物として売りさばいている」が誤りであるとの客観的資料が公表されているに、誤った自説に固執する方は、一度精神科に診てもらったほうが良いかもしれません。

ペット業者が、売れ残り犬猫を大量に実験動物に払い下げているというのは悪意のある欺瞞





 「ペット業界は、大量に売れ残った犬猫の多くを動物実験業者に払い下げている」というのは都市伝説です。なぜ誤った情報が、一部の人たちに盲信され真実として流布されているのか不思議です。恣意的なペット業界と動物実験の悪意のある情報操作の意図は何でしょうか。


 私は「ペット業者が減れば殺処分は減るのか」「続・ペット業者が減れば殺処分は減るのか」「続々・ペット業者が減れば殺処分は減るのか」で、一部に流布されている「ペット業者が売れ残った犬猫を大量に実験動物として払い下げている」という情報が誤りであることを述べました。ソースとして環境省の資料も引用しました。
 「動物愛護管理基本指針の点検(第4回)について 平成22年~23年 環境省調べ」では、ペット業界が売れ残り犬猫を実験動物として転売した数はゼロです。その資料をご紹介したところ、大変な攻撃を受けました。以下に例示します。

ペット業者が減れば殺処分数は減るのか


ネットで雑に数字を拾ってきて、それを根拠に論を組み立てる。
社会的に意味のある論とはならないでしょう。
『全く統計調査もなく「ペット業界は大量の売れ残りが生じ、動物実験に横流ししている」という情報が真実なのでしょうか。』
は真実ですよ。数えきれない事実に基づいて出てきたことです。



 しかし上記の方は、多くのコメントをされましたが何一つ私に対する反論の根拠示してはいません。さらには私に対して「無知、感情的」と言う人格攻撃に終始しています。
 今回は、私は「ペット業界は大量の売れ残りが生じ、動物実験に横流ししている」と言う情報が誤りであることを別の統計から検証したいと思います。

「実験動物の年間(平成22年度)総販売数調査」 社団法人 日本実験動物協会

 以上の統計では、平成22年度には犬のコンベンショナルが8,326頭販売されています。猫はコンベンショナル183頭、クリーン359頭、SPF129頭それぞれ販売されています。
 ・なお実験動物における分類でのコンベンショナルは、通常飼育のことです。しかし一般にペットとして販売されるものより、はるかに飼育環境の衛生条件が厳しいです。
 ・SPFとは、specific pathogen‐free animalの略で特定の病原体、とくに指定された微生物・寄生虫をもたず、特定環境下で維持生産される動物群のことです。
 ・クリーンとは多くはSPF動物を親として生産され、清浄状態で飼育されたものです。
 ですから実験動物として販売されるものでSPF及びクリーンは、ペット業界生産個体は含まれません。

 猫に関しては、SPF、クリーン以外では年間わずか183頭です。仮にそれらが全てペット業界の売れ残りであったとしてもわずかです。
 
 犬はコンベンショナルのみ8,326頭が販売されています。実験動物として用いられる犬種はほとんどがビーグルです。ビーグルが実験動物として用いられる理由は・個々の遺伝的差異が小さい、・小型で飼育スペースをとりにくい、・多産である等です。また遺伝的に系統管理されています。
 実験動物ビーグル犬の日本での生産は数社に限られ、北山ラベス株式会社(オリエンタル酵母株式会社の子会社である。TOYOビーグルと言うブランド名がある)、日本農産工業株式会社の二社がほとんどのシェアを占めます。そのうち北山ラベス株式会社は、山口県の専用飼育施設で年間2,400頭を生産しています。

イヌ(北山ラベス株式会社:KBL)TOYOビーグル

 また実験用ビーグルは海外からも輸入されています。輸入業者は(株)日本医科学動物資材研究所等です。実験用犬の生体輸入は、2010年統計ではビーグル犬2,371頭、その他犬種707頭、合計3,078頭です。
 ちなみに実験用猫の輸入数は313頭です。

2010年(2010年1月~2010年12月)の1年間に、日本が輸入した実験用の犬猫の数

 平成22年(販売数統計は年度、輸入統計は暦年になりますが)で生産された実験用犬の、国内生産の北山ラベス株式会社の2,400頭と輸入3,078頭の合計は5,478頭です。実験用犬の生産販売数を発表していない日本農産工業株式会社の頭数が仮に、北山ラベス株式会社と同程度の年間2,400だとすれば、国内での実験動物生産者による生産数と輸入数の合計は8,000頭近くになります。また実験用犬生産では、シェアの低い小規模生産者も数社あります。
 それらを合計すれば、実験動物用に国内生産された犬と実験動物として輸入された犬が、実際に国内販売された実験用犬8,326頭の殆どを占めると考えられます。またそのほとんどがビーグルです。「ペット業界が大量に売れ残りの犬猫を実験動物として払い下げている」という結論は導けません。

 実験動物の需要側からも考察したいと思います。現在では、大学が実験動物を実験動物サプライヤー経由ではなく、直接調達することはありえません(大阪大学、東京医科歯科大学などは大学組織内で実験動物の生産を行っていますが、これも実験動物サプライヤーとします)。
 各大学は、動物実験に関して自主規制を設けています。東京大学などは、実験動物に関するガイドラインを公表しています。独立した委員会が動物実験の計画を承認することを規定しています。使用する動物の種、数、入手先などです。生育歴不明のペットショップなどの売れ残り処分犬猫などを大学の一学部が直接入手することはありえません。なぜならば、感染症のリスクを大学に持ち込むことにつながるからです。

 最後に神戸大学の、平成22年度実験動物使用数統計を挙げておきましょう。63,726頭のげっ歯類とウサギが用いられたのに対し、犬5頭、猫0頭です。なお楠・名谷地区は医学部です。
 私は今まで「医学生理学分野では犬猫を用いるのは現在では極めてまれ。大多数がげっ歯類かウサギである」と記事で述べてきました。この統計によりお分かりいただけると思います。

神戸大学平成22年度使用実験動物統計

猫は歴史を変えたのか~トキソプラズマ感染による人格変化





 歴史上の偉人の病歴を分析し、その疾病がどのように業績に影響したかを研究する学問をpathography =パトグラフィーと言います。画家のムンクや芥川龍之介は統合失調症だったことは有名です。

 NHK大河ドラマ「平清盛」の視聴率が相変わらず低迷しています。視聴率低迷は、私は当時の平安末期の権力構造の対立軸が複雑で、映像ドラマでは視聴者には理解し難いのも一因だと思います。「平清盛」でも描かれた「保元の乱」の首謀者、藤原頼長ですが、大変な猫好きでした。
 藤原頼長は破綻しつつある、平安末期の貴族官僚政治の立て直しに奔走しました。しかし次第に手法が暴力的で異常になっていきました。政敵の屋敷を焼き討ちにしたり、暗殺私刑などの流血事件、残酷な刑罰の執行などで離反者が相次ぎました。そして頼長は保元の乱に追い込まれて行き、敗死するのです。

藤原頼長

 さて現代では、人猫共通感染症のトキソプラズマ症が統合失調症を発症させるのは定説です。米ジョンズホプキンス大学医学部など多くの研究機関が論文を発表しています。また感染者の人格変化をもたらすとされています。男性は反社会的でリスクを恐れなくなる・集中力散漫・規則破り・危険行為・独断的になるとも。
 なお、猫がトキソプラズマ感染原因となるシスト(トキソプラズマ原虫が休眠状態のもの)を便と共に排出するのは初感染から2週間くらいの短い期間です(しかし一旦排出されたトキソプラズマ原虫シストは半年位生き続けます)。最も危険なのは、感染した母猫から胎盤感染した野良の仔猫の便です。室内飼いしている猫の飼い主は感染リスクはないでしょう。

歴史秘話ヒストリア “悪の華(はな)”は平安京の夜に開く ~キケンな貴公子、藤原頼長~

トキソプラズマ症

 まさに頼長の異常行動に当てはまります。しかし頼長は、幼少の頃から青年期にかけては、大変物静かで優しく勉強熱心でした。長じてから性格が一変するのです。その原因として、頼長が溺愛していた猫により、慢性的にトキソプラズマに感染していたことが一因かもしれません。頼長は、長じてからも猫オウムなどの小動物を好んで飼育したのは史実です。
 頼長が猫を溺愛していたことは、頼長による日記「台記」に詳しいです。


所奉始之千手観音、今朝、使少僧都
レ レ 二
覺晴南京供養了、遣中川聖人實範許、令供之、祈癧瘍平癒、
一 二 一 レレ 二 一
僕少年養猫、猫有疾、即畫千手像、祈之曰、請疾速除癒、又令
レ レ 二 一 レ 三
猫満十歳、即平癒、至十歳死、裏衣入櫃葬也、爰知此菩薩靈驗新
二 一 二 一 レ レ 二 一
仍此癧瘍、殊祈‐請此佛者也

(要旨)
私は少年の頃に猫を飼っていた。
この猫が病気になった時には、千手観音描き所奉し病気の平癒を祈った。



 もし頼長の異常行動がトキソプラズマの慢性感染が原因だとしたら。もし頼長が猫を飼育せずトキソプラズマに感染しなかったならば。頼長の異常行動は起きずに、貴族官僚政治の立て直しに成功したかもしれません。
 もしそうならば、武士の台頭は遅れて平清盛、源頼朝という傑物が活躍する場がなく、日本の歴史も変わっていたかもしれませんね。


 画像は、清盛の父、平忠盛が次男との関係を頼長から告げられて困惑する様子。当時は男色は不道徳ではなく、貴族のたしなみでコミュニケーションの手段ですらありました。頼長の男色は「台記」に詳しく記されています。一説によれば頼長は「ネコ」であったそうな。
 平忠盛も、白河法王の男色の相手を勤めていたのは史実です。

頼長


 私は頼長というキャラクターは好きですね。NHK大河ドラマを応援してください。

「まっすぐな男、頼長 」。山本耕史インタビュー 

続々・ペット業者が減れば殺処分数は減るのか




 保健所での殺処分の内訳は、生後間もない拾得猫(野良猫)がほとんどです。さらに猫の殺処分は犬の約3倍です。一方犬の入手先はペット業者が大半で、猫は「野良猫を拾った、知人からもらった」などペット業者以外から入手したケースが大半です。「ペット業者が減れば殺処分数は減る」という主張は矛盾しています。


平成22年度公的殺処分数の内訳(速報値)

犬の殺処分数 53,317(前年度65,956) 
猫の殺処分数 158,705(前年度173,300)
合計殺処分数 212,022(前年度239,256)


 一方、このような統計もあります。「イヌは「ペットショップやブリーダーから買った」と言う回答が68%になるのに対して、ネコは14%。猫の入手先は『もらう(ひとから、保健所等から)』・「拾う」の合計は75%です」。(ヘーベルハウス「ペット研究会」平成21年調べ)。
 また複数の自治体の統計資料では、殺処分される猫のほとんどが生後間もない拾得猫(野良猫)という結果が出ています。平成12年度に、猫の殺処分数が犬を上回って以来、その差は開く一方です。犬猫の処分数の減少に向けて

 一方日本ペットフード工業会統計では、飼犬は平成13年度に初めて雑種犬を純血種犬が抜いて(56,6%)以降、年々純血種犬の割合が高まりました。平成21年の飼い犬の純血種割合は79%まで高まりました。飼い犬の純血種の比率が高まるということは、犬の入手先はペット業者が増えたと推測されます。その間一貫して犬の殺処分数は減っています。
 対して平成21年度の飼い猫の純血種割合はわずか18%です。日本の犬猫ペット事情:第16回犬猫飼育率全国調査

 以上を分析すれば「ペット業者が減れば殺処分が減る」という主張は全く当てはまらない、逆であると言えます。愛誤が主張する「ペット業者が安易な売り方をするからペットの飼育放棄をする人が増える。金儲け主義で大量生産して大量に売れ残り処分する。だから殺処分が増えるのだ。殺処分を減らすためにはペット業者の規制強化が必要、さらには全廃せよ」との主張は失当です。
 愛誤の中には「いわゆる猫ボラなどの保護団体からのみペットを入手できるようにするべきだ」という極論をお持ちの方もいます。しかしいわゆる猫ボラさんが扱っている雑種猫の殺処分数が際立って多く、その割合が年々高まっているのです。猫の入手先は、NPO保健所からが犬より割合が高いです。むしろペット業者の販売比率を高めたほうが殺処分数が減ると言えるでしょう。


 さて前回の記事では以下のようなコメントを頂きました。

現実に活動している人間とネラーの差です。
ネットで雑に数字を拾ってきて、それを根拠に論を組み立てる。
社会的に意味のある論とはならないでしょう。
『全く統計調査もなく「ペット業界は大量の売れ残りが生じ、その大半を保健所で処分したり、私的に安楽死させたり、動物実験に横流ししている」という情報が真実なのでしょうか。』
は真実ですよ。数えきれない事実に基づいて出てきたことです。



 私は保健所での殺処分数や環境省によるペット業者へのヒヤリング調査(前回の記事では私も「ペット業者のペット売れ残りや処分数はある程度は過少申告している可能性はある」とも述べています)などは今まで記事に引用してきました。また今回も多数の統計調査を引用しました。
 統計の数字が完璧に真実を表しているとは私は申しません。ただこのような統計があるということは事実です。私の記事はそれをご紹介することが趣旨でして、判断は読者様のご自由です。
 私の前回の記事にコメント下さった方は、私が「ネット上で雑な統計数値を拾い集めて出したきたところで、統計なんてあてにならない。現場を知らない人間が言うことは意味がない」と述べています。では、私が実際に知っている現場のことを書きましょう。

 私の父は、20年近く猟犬のブリーダーをしていました。元役人で民間企業経営者でしたが、仕事での挫折があり早めに一線を退いた後は猟と猟犬の改良と繁殖に明け暮れました。猟犬の競技会などにも毎年出場し、クラス別全国優勝した犬もいます。猟犬トライアル元全米チャンピオンと交配させ、毎年のように仔犬を生産して販売していました。
 父のブリーダー歴の中で、殺処分(保健所、獣医師による安楽死など全て含む)はゼロでした。また売れ残りもゼロです。これは断言します。子犬の死産や死亡はありましたが1%あるかどうか。それが私が知る限り生のペット業者の現実です。

 また動物実験についてですが、私の知人親戚には医師や製薬会社社員が多くいます。ペット業者の売れ残り犬猫を動物実験に払い下げたものをもちいることは医学生理学、新薬開発ではまずありえません。そもそも犬猫は実験動物としてはあまり用いられません。仮に犬猫を動物実験に使うとすれば、専業の実験動物サプライヤーから購入します。感染症や生活歴遺伝情報などが必要なため、ペット用に生産された犬猫は実験動物には使い物にはなりません。さらには保健所に収容されたもの、野良犬猫は100%使い物になりません。
 なお獣医学教育やペット関連商品製造業の実験でも、犬猫生体の使用は少なくなっているとは聞きました。

 今回の記事でも、保健所の殺処分数を取り上げました。「ペット業者は獣医師に安楽死を依頼するなど真実の殺処分数は統計に現れない。だから保健所の数字なんて取り上げても無駄だ」というコメントも頂きました。それは私も否定しません。しかし唯一、殺処分数の正確な数字を出してる機関は保健所だけです。ですからこの数値を参考にせざるを得ません。
 単に個人の憶測で根拠を出すこともなく「ペット業者は表に出ないだけで大量に売れ残りの犬猫を殺処分したり実験用に横流ししているのよ、けしからんムキーッ、ムキーッ」では、それこそ社会的に何の意味もない論になりませんか。


 殺処分数現象のためには、適正飼育化こそ必要。地域猫は認可されていたとしても、一種の不適正飼育です。画像は猫小屋?と化した市営住宅エントランス。

市営住宅の猫

続・ペット業者が減れば殺処分数は減るのか





 「ペットショップを減らせば殺処分数が減る」と言う主張をされる動物愛誤活動家の方が多いです。では、犬猫の生体販売を行うペットショップが極めて少ないドイツでは、殺処分数はどうなのでしょうか。

 多くの愛誤ブログでは、ドイツでは、犬猫等のペットの生体を店頭販売することを法律で禁じていると述べています。しかしそれは誤りです。ドイツでは、犬猫等の生体販売を禁止する法律はありません。
Tierschutzgesetzgebung=動物保護法、による厳しい条件を満たし、動物取扱責任者がいれば店頭での犬猫等の生体販売は可能です。

 ドイツの多くのペットショップは、Zentralverband Zoologischer Fachbetriebe Deutschlands e.V. (ZZF)=ドイツのペット貿易産業協会中央会、とよばれる、ペットやペット関連商品を取り扱う連盟に属しています。この連盟では1991年に販売するペットの最低飼育条件などを自ら決議し発表しました。
 例えば犬の販売は自粛すること、猫に関しては、純血種の猫の販売だけに限るなどです。この自主規制により犬や猫の生体の店頭販売は激減しました。厳しい条件を満たすためにコストが高く、利益を得ることが難しくなったのも原因です。

 一方、2004年にドイツのデュイスブルク(Duisburg)に世界でも最大とギネス認定された犬猫の生体販売も行うペットショップ、Zoo Zajacができました。このショップはZZFに加入していません。スケールメリットを生かした低価格販売で急成長しています。
 諸事情からドイツ国内では、今でも犬猫等のペットの店頭生体販売を行うペット業者は少ないです。しかし最近は増えつつあります。


私たちは動物たちの幸福を追求します Wir stellen das Wohlbefinden des Tieres in den Mittelpunkt!

ドイツのペット貿易産業協会中央会HPから「ペット販売自主規制声明」

Wir stellen das Wohlbefinden des Tieres in den Mittelpunkt
「私たちは動物たちの幸福を追求します」



 ZZFの自主規制やドイツのペットショップによる犬猫等の店頭生体販売については、拙訳を付けて改めて記事にします。

 さて、日本では動物愛護(誤)活動家の中には「ペット業者が減れば殺処分される数が減る。なぜならばペット業者は大量に売れ残った犬猫を実験動物として横流しして、事実上の殺処分を行っているからだ」と主張する方が多いです。人為的に、愛護動物である犬猫等を死に至らしめる行為を広義の殺処分と定義します(私のブログに上記のコメントくださった方は、実験動物として払い下げることを殺処分としています)。
 ではペットショップによる、店頭での生体販売が極めて少ないドイツでは、殺処分数はどうなのでしょうか。

 ドイツ連邦法では、狩猟区域内で民家から300m以上離れていれば猫は野良猫とみなされ、銃で射殺したりわなで捕獲することが認められています。2012年に、ドイツ国内で6万匹の犬と40万匹の猫が射殺や罠で狩猟駆除されたと報道されています。平成18年度の日本での猫の狩猟駆除数は318匹です。犬はさらに少ないです。
 対して平成22年度の日本における犬猫の保健所による安楽死数は20万匹余りです(平成23年度では17万匹台にまで減りました)。

 ドイツでは、公的な殺処分も行なっています。法律で飼育を禁じる犬種や、咬傷事故を起こした犬、危険と判断された犬は、行政当局や警察が強制的に安楽死を行うことができます。飼い主が犬の殺処分に反対したとしても、強制執行されます。また、危険な犬が飼い主から離れて市街地を徘徊していれば、警察官はその犬を射殺する権限がありますし、犬の射殺駆除は、しばしば行われます。ある面、ドイツの犬殺処分は情け容赦なく、日本より厳しいと言えます。
 日本と異なるのは、殺処分施設がないだけです。ドイツでは、無傷で捕獲して保健所で餌と水を与えられ、一定期間飼い主を待つなどということはありません。凶暴な犬であっても、保健所職員が無傷で捕らえる、お犬様国家は日本ぐらいでしょう。その場で射殺すれば、殺処分施設は必要ありません。詳しくは、本ブログ内検索してください。

 狩猟駆除だけでも、ドイツは46万匹(+公的殺処分や私的な安楽死もあります)、日本20万匹。人口比ではドイツ1万人あたり56匹で、日本は1万人あたり16匹です。人口比でドイツは日本よりも、3倍も犬猫の殺処分数が多いのです。以上は、私の記事、日本は動物愛護後進国なのかー5 ドイツ編 で詳しく述べています。

 したがって「ペットショップを減らせば犬猫の殺処分数を減らせる」という愛護(誤)活動家の主張は誤りです。「ペットショップが大量に売れ残った犬猫等を動物実験用に払い下げている」という愛誤の主張の誤りについては、私は環境省の資料を元に、前回の記事ですでに述べました。
 動物愛護(誤)を主張する方は、単に個人的な憶測で誤ったことを、それがあたかも真実のように公に発信します。誤った情報を拡散させれば、それに基づいて関連機関に対してネットテロ、言論テロを行う輩も多数出てきます。ペットショップや動物実験を行なっている製薬会社、研究機関への窃盗や破壊行動さえ行う者まで出てきます。
 個人ブログとは言え、公に情報を発信するのであれば、信頼性の高い資料を確認する労を厭わずにして頂きたいです。無責任な誤った情報提供が、社会にどのような悪影響を及ぼすか予測もつかないのですから。


 放し飼いや、それが原因で行方不明になる猫は雑種が多いです。ペットショップで売られた品種猫はあらかじめマイクロチップを装着しているケースが多いですし、室内飼いが多いです。不妊去勢なしの放し飼いや、野良猫への餌やりこそ無駄な繁殖を招き、仔猫の殺処分数につながるのです。
 保健所での殺処分は、猫が犬の約3倍で、そのほとんどが生後間もない雑種です。ペットショップでの生体販売が殺処分の原因というのであれば、殺処分される犬猫は、ほとんどが純血種になるはずです。

行方不明猫

ペット業者が減れば殺処分数は減るのか





 当サイトに寄せられたコメントに「ペット業者が売れ残った生き物をどうしているか記事にして欲しい」というご要望がありました。このコメントを下さった方は、「ペット業者は、売れ残りの生き物の多くを実験動物に提供している。そしてペット業者は、実験動物として事実上の殺処分を行っているので、ペット業者が減れば殺処分される数も減る」と述べています。


繰り返します。ペットショップの販売規制は殺処分削減効果はありませんのコメントです。


それでも少なからずペット業者が減れば殺処分される数が減りますよね。
ペット業者は売れ残った生き物をどこでどうしてるか書いてほしいですね。
統計的に業者が行政へ持ち込む数は毎年殺処分される数のごくわずかです。
私が見た限り動物実験にしか行ってませんでした。
私も分からないので記事に追加してほしいです。



 ペットショップで売れ残った生き物をペットショップはどのように処分しているのか。また動物実験に関する調査を環境省が行なっています。

動物愛護管理基本指針の点検(第4回)について 平成22年~23年 環境省調べ

 まずペットショップがどのように売れ残った生き物(調査では犬猫に限ります)を処分しているのかという調査ですが、12ページの図表にまとめられています。以下が要約です。


・販売されずに売れ残った犬猫は、生産業者(ブリーダー)や動物業者(小売・卸売)に譲渡・販売される、自社生産用(ブリード用)として引き続き飼育されることなどが多い。
・ 犬猫の生体流通における死亡率は約2%(犬で約1.5%、猫で約3%)。
・自治体に引取り依頼したものは、犬0,04%、猫0,5%である。
・その他(獣医による安楽死などであろう)は犬2,7%、猫0%である。
・実験動物業者に譲渡販売された数はゼロである。



 環境署によるアンケート調査では、ペット業者は「私的に殺処分しています」とはあからさまには回答しづらいでしょう。ですから獣医師による安楽死処分などの私的殺処分の実数は、もう少し多いのではないかと私は推測します。しかし一部の愛護(誤)団体の、ペット業界で大量の殺処分が行われているとの指摘も根拠が乏しいと言えます。
 一部の動物愛護(誤)団体からの偏向を受けたマスコミが、ペット業界での犬猫死亡率や保健所への殺処分持ち込みを過大に報道していることが環境省の審議会でも取り上げられています。

中央環境審議会動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会 (第5回)議事録

 次に「ペットショップで売れ残った犬猫は実験動物として払い下げられる」という愛護(誤)団体の主張です。しかしそれは誤りです。
 先に挙げた 動物愛護管理基本指針の点検(第4回)について 平成22年~23年 環境省調べ によれば、ペットショップで売れ残った犬猫の実験動物業者に譲渡販売された数はゼロです。私は、上記コメントがあった記事で、以下のようにレスしています。


医学生理学実験や、ヒト用新薬開発では犬猫はほとんど用いられません。
げっ歯類がほとんどで、精度の高さが要求される実験では霊長類(サル=大変高価で無駄には使えない)が使われます。
比較実験が必須であることから、遺伝的に近く、生活歴が明らかな同腹の仔が用いられます。
また実験動物は、感染症を持っていないことなども必要で、ペットショップの売れ残りの犬猫をよせあつめても使いものにはなりません。
専業の実験動物サプライヤーから購入します。
犬猫の生体の最も多い実験用途は犬猫用の薬品やペットフードケミカル用品の開発や、獣医学の教育用です。



 医学生理学や新薬開発で用いられる実験動物は、感染症がないことや、生活歴が明らかなことなどが必要です。ですから一般にペットとして市販されるものより管理基準が厳しく、そのためペット用のものより大変高価です。
 犬であれば、一匹数十万円はします。ペット用動物とは異なる管理のノウハウが必要なために、実験動物は専業のサプライヤーが存在します。


 私のコメントを裏付ける統計を挙げましょう。

動物愛護管理基本指針の点検(第4回)について 平成22年~23年 環境省調べ

 14ページのグラフをご覧ください。実験動物の種別は、マウスなどのげっ歯類(ネズミ)とウサギが大半を占めます。犬、特に猫に関しては実験動物の総数に占める割合はごくわずかです。
 また動物実験を行なっている組織では、民間企業に限れば最も比率が高いのは動物生産関係会社です。動物実験反対者から攻撃対象になる製薬会社よりはるかに高いのです。

 「ペット業界は売れ残りの犬猫を大量に殺処分している。もしくは実験動物として払い下げられ事実上の殺処分を行なっている。だからそのような大量殺処分を行なっているペットショップをなくせば殺処分数は減る」というのは、動物愛護団体が自分たちの主張を通すための誤ったプロパガンダです。もしくは意図的に作られた都市伝説の類でしょうか。

 では、動物保護団体は犬猫の殺処分はしないのでしょうか。今までにいくつもの動物愛護(誤)団体、保護団体の、犬猫の私的大量殺処分事件があります。折々、動物愛護(誤)団体、保護団体による私的な保護犬猫の殺処分についても取り上げていきたいと思います。
 「ペットショップは売れ残りの犬猫を大量に殺処分している。だからペットショップをなくして動物愛護(誤)団体、保護団体の譲渡だけにすれば犬猫の殺処分は減る」というのは著しい偏向で間違いです。


 たまには管理人の趣味の画像など。趣味で栽培している果樹のりんご「陸奥」です。暖地でのりんご栽培は、色づく前に熟してしまうので、早めに収穫します。収穫時期は8月末から9月上旬です。

陸奥1

陸奥2
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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