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動物愛護(誤)団体の要望を拒否した三重県は正しい(亀山市みどり町野良猫問題)





 三重県亀山市みどり町では、昨年自治会が野良猫を捕獲して保健所に届けることを決定しました。その決定に対して動物愛護(誤)団体が県に・みどり町に地域猫を採用することと、・保健所が野良猫の受理をしないこと、・市に捕獲器貸出を止めさせることを要望しました。それを受け入れなかった県の決定は正当です。


亀山の野良猫問題:県にNPOが共生要望 /三重 毎日新聞 2012年05月25日

亀山市みどり町に多くの野良猫がすみ着いている問題で、「グリーンNet」が24日、猫との共生を目指す要望書を県に提出した。
みどり町連合自治会が昨年10月、猫を捕獲して保健所に収容する決定をしたことが広まり、全国の動物愛護団体などが同市や保健所などに抗議をする騒ぎになった。
要望書は、県が捕獲された猫の引き取りを続けていると指摘。
(1)「地域猫」や、野良猫を不妊去勢手術後に地域に戻す手法で猫との共生を目指す。
(2)保健所は、捕獲によって持ち込まれた猫の引き取りをやめる。
(3)保健所に持ち込むことなどを目的にした場合は、捕獲器などの貸し出しをやめさせることを求めた。
県担当者は「引き取りを求められた時は、飼い猫でないことなどを確認した上で対応している」とし、地域猫についても「住民に賛否があり、行政としては積極的介入は困難」と述べた。



 最近の記事で、地域猫と自治会による野良猫捕獲保健所届出、それに関連する動物愛護管理法35条2項、に関するコメントを多数いただきました。それらのまとめという意味で今回の記事を書きます。

(1)について。

 結論から言えば、野良猫問題は地域の問題です。野良猫問題への対処方法は、・地域猫を採用する、・野良猫を捕獲して保健所に届ける、など複数の手段があります。どのような手段を選択するかは、その手段が合法的である限り地域住民がどのような手段を選択しようが自由です。その地域の特性や住民の動物愛護に対する考え方に基づき、住民の総意に基づき決めれば良いことで、地域住民以外が干渉すべきではありません。それは地域住民地域自治に対する権利侵害です。

 地域住民の総意が「野良猫の鳴き声や糞尿被害で生活や事業が脅かされようが、子供が感染症のリスクや劇症猫アレルギーで命の危険にさらされようが、そらに活動のための手間やコストがかかっても。地域猫で野良猫とその害が減らなくてもいい。でも導入に賛成」なのであれば、当事者以外は何も口出しできません(ただしその地域猫地域から猫が他地域に絶対出ないという保証があれば。A町で地域猫を導入し、その被害がB町に及べばB町はA町に被害の防止を申し入れる権利があります)。「地域猫は効果が限定的もしくは逆効果。そんなことは止めろ」と当該地域以外の者が言う権利はありません。
 私はしばしば横浜市磯子区の地域猫では効果が無かったことを実例として記事で挙げますが、私は磯子区の地域猫活動グループや横浜市や磯子区などに直接申し入れを行なったりしたことは一度もありません。

 しかし私が地域猫の効果が限定的、むしろ逆効果になる等の情報を発信するのは自由です。また磯子区等の地域猫の批判をするのも自由です。日本では言論表現の自由が保証されているからです。
 地域猫に関しては、推進派があまりにも」偏向して「国が推奨している」とか、効果を過大に評価しています。しかしそれらは大嘘です。客観的事実や問題点を伝えることにより、地域猫に対する評価の中立性が確保できると私は考えているからです。地域猫への評価の中立性が保たれなければ、私は、これから野良猫問題に対処しようとする地域をミスリードしてしまう危険性を危惧しているからです。


(2)について。

 野良猫問題の対処方法としては地域猫以外には、引用した毎日新聞の記事にあるように、自治会が野良猫を捕獲して保健所に届ける方法もあります。地域猫を選ぶか捕獲保健所に届けるかは、当該地域住民が決めるべき事柄です。その決定に対して当事者以外が干渉するのは越権行為です。
 野良猫=所有者不明猫、を自治会が捕獲して保健所に届け保健所が引き取るのは、動物愛護法35条2項などにより合法的な行為です。「捕獲した野良猫を保健所に届けたり、それらの猫を受理するのは動物愛護管理法違反」との愛誤の主張は大嘘です。

・動物愛護管理法35条1項「都道府県等は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない」。
・2項「前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する」。



(3)について。

 自治体が捕獲器を野良猫捕獲用に貸し出すことを禁じる法律はありません。多くの自治体では野良猫以外にもアライグマなどの捕獲用に一般市民に捕獲器を貸し出しています。
 明らかに法令で禁じられている行為でもない限り、自治体の行為に対してやめさせる権限は誰にもありません。地方自治の権利は保証されているからです。


 実際問題として、地域住民の反対を押し切って地域猫を導入しても成功しません。地域猫は、多かれ少なかれ猫被害を長期間受忍しなければなりません。また餌代不妊去勢費用の負担、糞尿の始末等手間もコストもかかり地域住民に負担をかけます。地域猫は、厳格なルールに基づいた、参加者の足並みが揃った活動が必須です。
 外部の人間が地域猫活動をしても限界があり、結局タダの迷惑餌やりに成り下がるのは明らかです。そうなれば、個人的に野良猫を捕獲して保健所に届ける人も当然出てきますし、虐待事件も起きるかもしれません。それが例えばみどり町で地域猫を採用せよと圧力をかけている動物愛護(誤)団体の本意なのでしょうか。


・神戸市会下山公園内の看板。

 この公園では無認可地域猫活動が行われていて、地域住民との軋轢が生じています。掲示板2ちゃんねる「生き物苦手板スレッド」でも「地域猫活動が盛ん。所詮エサやり愛誤の口実。ドンドン狩って下さい」と書き込みされています。同公園では、猫へのえさやりを禁じていますが、無認可地域猫グループは、猫への餌やり禁止を記載した部分をしばしば塗りつぶしたりガムテームを貼ります。それを剥がす公園管理者とのいたちごっこ。

会下山公園看板


・同公園内での清掃ボランティアが集めた放置された猫餌の空き缶と猫ハウス用の古傘。

PAP_0172.jpg


・神戸新聞のサイト。野良猫ボランティア以前に、法令や社会のルールを守ることです。また地域住民の同意を得ていない無認可地域猫は、活動家の自己満足に過ぎません。それは地域住民との軋轢を生じます。それが猫にとって良いことなのですか。

ゴルフクラブで猫を狙うおじいさん 神戸新聞 コミミ

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日本は動物愛護後進国なのかー1





 愛誤の「動物愛護先進国の欧米に比べて日本は後進国。なぜならば犬猫の殺処分を安易に行うから」という主張は大嘘です。「日本は~、欧米は~」という単純な二分割は思考の退化と幼児化です。


 元大蔵省財務官の榊原英資氏が著作の中で鋭い指摘をしています。その要旨をご紹介します。


『幼児化する日本社会――拝金主義と反知性主義』 榊原英資・著/東洋経済新報社 日経ビジネスオンラインより

ものごとは相対的で、さまざま解釈があるものだが、最近は、短絡的に白黒を付けて、黒を徹底的に痛め付ける風潮になっている。
単純な二分割法は社会を退行させる。
日本社会に起きている思考の退化と、人間の幼児化をいましめる警世の書。



 榊原英資氏は元大蔵官僚でありながら、かなり柔軟な思考の持ち主で異色の存在です。私は氏が著作で述べられていることに全く同意します。
 私は動物愛誤問題を私的なブログながら論じ、動物愛誤家の主張に接して感じます。多くの愛誤が主張している事柄に「日本は欧米の動物愛護先進国に比べて後進国である」があります。しかし「欧米」と括ってしまうのは随分乱暴です。ヨーロッパはEU加盟国だけでも27カ国ありますし、EU非加盟の永世中立国のスイスやバチカン、モナコ、鎖国状態のアルバニア、さらには旧コメコンや旧CIS構成国まで全て含めれば大変な数になり、それぞれ歴史文化や政治体制が異なります。
 米国も州の数が50あり、それぞれが州法を持ち、動物愛護政策でも洲により異なります。

 それはさておき、愛誤が主張する「欧米は動物愛護先進国で日本は後進国」の根拠は次のとおりでしょう。
1、欧米は犬猫の殺処分を行わない、もしくは極めて限定的。
2、公的ノーキルシェルターで終生飼育をする。
3、国民に「犬猫の命は大切で殺してはならない」という意識が根付いている。

 だから、「たやすく犬猫の殺処分を行い、公的シェルターで犬猫の終生飼育を行わない、犬猫の命を軽んじる国民性の日本は欧米と異なり動物愛護後進国」と言うのです。
 しかしそれは大嘘です。ヨーロッパの中には、飼育動物の殺処分に否定的な国が一部あるのも事実です。しかしそのよう国でも殺処分数がゼロということではありません。それぞれについて根拠を挙げて説明していきます。


1、「欧米は犬猫の殺処分を行わない、もしくは極めて限定的」について。

 私はこのブログサイトで、直近の統計で、ベルギーが人口比で日本よりはるかに猫の殺処分数が多いことを具体的数値を挙げて記事にしています。またベルギーは、近年まで祭りで高い塔から猫を投げ落とす(占いか魔除けの意味があるのでしょう)風習がありました。現在はぬいぐるみで代用しています。
 次に米国、日本、イギリスの犬猫殺処分数統計を挙げます。


米国、イギリス、日本の殺処分数推移

アメリカの犬猫安楽死数の推移
 1998年  1700万~2000万
 2000年   700万~1000万
 2003年   400万~ 500万


 この数値は、あくまでも公的な施設に引き取られ殺処分された犬猫の数です。アメリカではかなり安楽死数は減ったとはいえ、2007年8月12日の「USA Today」の記事では、600~700万の犬猫がシェルターに収容され、約半数が安楽死処分されたとあります。

 2007年の日本、アメリカ、イギリスの一万人当たりの殺処分数を以下に示します(これは公的施設内での殺処分数です)。

人口1万人/犬猫の殺処分数
日本     36匹
イギリス    4匹
アメリカ  111匹

 日本は、さらに平成22年度には殺処分数が減り、犬猫合計で約21万匹です。この数値で1万人当たり殺処分数を求めると17匹になります。日本はアメリカに比べれば、犬猫の殺処分の絶対数も人口比でも、比べものにならないくらい少ないのです。
 しかし「イギリスに比べればはるかに多いではないか。イギリスに比べれば日本は殺処分が多い。だから動物愛護後進国だ」と反論される方もいるかもしれません。しかしイギリスでは飼育しているペットは、公的施設による殺処分ではなく、獣医による安楽死が一般的なのです。ご紹介した数値はあくまでも公的施設での数値(ほとんどが所有者不明犬猫と思われる)です。ですから統計に現れない飼い犬猫の殺処分数を含めれば、実際にイギリスで殺処分される犬猫の総数はかなりの数です。
 以下にイギリスでは飼い犬猫は、獣医による安楽死が一般的に行われている資料を紹介します。

イギリスの動物福祉

 またイギリスの獣医師は、犬猫の安楽死に対しては積極的です。その証左である環境省の資料を挙げておきます。

イギリスと日本の獣医師の、ペットの安楽死に対する意識調査(はい、と答えた割合) 環境省

動物の安楽死を肯定しますか  イギリス86%  日本52%
助かる見込みがほとんどない重症の動物が苦しんでいる場合、飼主の承諾なしでも安楽死させますか  イギリス88% 日本3%
飼主が望めば助かる見込みがあっても重症の動物を安楽死させますか  イギリス91% 日本40%等

 「日本は動物愛護先進国の欧米に比べて後進国。なぜならば犬猫をたやすく殺処分する」という二分割法で分かったようになり、思考停止に陥るのは恐ろしいことです。そして幼児化した愛誤が誤った正義感で愛誤テロを行なっているのです。過激な動物愛誤活動は、日本社会の退行の象徴と私は感じます。

 次回は「欧米動物愛護先進国は犬猫を公的なノーキルシェルターで終生飼育をする。それをしない日本は動物愛護後進国」という愛誤の主張の誤りについて述べます。Wikipedia英語版によれば、No-Kill Shelterは安楽死施設です。終生飼育するための施設ではありません。

Wikipedia No-Kill Shelter


・画像は、神戸市動物管理センター内にある動物慰霊碑

動物慰霊碑

NHK大河ドラマ「平清盛」で盛り上がらない神戸(涙

 拝啓 NHK様。大河ドラマ「平清盛」では時代考証を厳密に行なったと聞いております。でも猫に関する描写は史実に反していますよ。


NHK大河ドラマ「平清盛」 yahooニュース

NHK大河ドラマ「平清盛」の初回視聴率は17.3%で、初回視聴率としては歴代ワースト3位だった。
兵庫県の井戸敏三知事は同10日の定例会見で、初回視聴率が過去3番目に低かったことを受け「画面が汚い。あんな鮮やかさのない画面では、日曜日の憩いの時間にチャンネルを回す気になれないだろう」と苦言を呈した。



 現在放送中のNHK大河ドラマ「平清盛」の視聴率が相変わらず低迷しています。NHK大河ドラマゆかりの地での観光振興を期待する自治体首長にとっては、NHK大河ドラマの視聴率低迷に苦言を呈したいのは理解できます。
 HNKは「時代考証を厳密に行なったため」と反論しています。平安時代末期では、常に衣装や髪型をを綺麗に整えられたのは、ごく限られた皇族や貴族でも公卿などの最上流階級です。下級貴族や武士、ましてやその使用人や庶民は、現代の感覚でいればホームレスという感じだったでしょう。また当時の照明では、昼間でも室内は相当暗かったはず。
 むしろ今までのTV時代劇のような、やたらと庶民までが衣装が綺麗で整いすぎて色彩が鮮やかすぎ、髪も一糸乱れずと言う方が不自然に感じます。私は「平清盛」の演出は自然で好感が持てます。

平清盛 確かに汚い

 「平清盛」と同じく、日曜日に放送される「イ・サン」(朝鮮王朝の名君、第22代正祖王の生涯を描いたドラマ)の演出とは対照的です。このドラマは、韓国では視聴率40%を超えました。
 私は、思わず「登場人物の衣装の色彩が鮮やかすぎ」「当時の庶民がこれほど服装や髪型を整えてはいなかっただろう」とか「当時の照明では、室内ではこれほど明るくはなかっただろう」と思わず突っ込みたくなりますが。

 井戸知事の他にも「平清盛」を右傾化?した方がブログなどで批判しています。いわく「皇族間の愛憎を醜く表現している。NHKは反日反皇室だ」(ヤレヤレ)。
 鳥羽天皇の子、崇徳天皇が、鳥羽天皇の后と鳥羽天皇の祖父白河法王が密通してできた不義の子ということを指しているのでしょうか。しかしそれは史実です。鳥羽天皇が崇徳天皇を「叔父子」と呼び、忌み嫌っていたとの記録もあります。

 しかし私はNHKの「平清盛では、時代考証を忠実におこなった」という反論に対して申し上げたいことがあります。
 例えば、皇族貴族の女性の衣装の色彩です。当時は最上流階級の女性の衣装は、季節等により色合わせなどで厳密な決まりごとがありました。しかし「平清盛」では、かなり自由に女性の衣装の色彩を用いています。
 それとどうしても気になるのが、猫に関する描写です。作中では、猫が放し飼いされ野良猫が度々登場します。例えば西行(佐藤義清)は野良猫を拾って邸に持ち帰り、放し飼いします。
 平安末期は、猫は大変珍しい貴重なペットであり、最上流階級しか飼育できませんでした。そして逃げ出したり盗まれたりしないように係留飼育することがが当たり前でした。ですから作中で放し飼い猫や野良猫がいることはあり得ません。源氏物語や枕草子では、しばしば最上流階級が猫を係留飼育している様子が描写されています。

 猫の放し飼いが全国的に行われるようになったのは、はるかに時代が下って江戸時代五代将軍綱吉の頃です。生類憐みの令(1687~1700年)で猫の係留が禁止され、それ以降、猫は爆発的に増えました。それ以前にも慶長7年(1602年)にも猫の放し飼い令が出されましたが、京の都に限ってのことです。
 私は「平清盛」での、猫の描写には大変気になります。「時代考証を忠実に行なった」のであれば、猫の飼育に関しても、史実に即して頂きたかったです。猫の放し飼いに関して愛誤が「日本では長い歴史において、猫は放し飼いが当たり前だった。だから歴史的文化的背景を考えれば、猫の室内飼いは誤った飼い方。だから法令条例で義務付けるべきではない」と主張しています。愛誤に誤った歴史認識を助長させるからです。

『歴史としての猫』 柏書房


・阪急電車車体に貼られた「平清盛」のポスター。

清盛2


・神戸市内の商店街などいたるところに「平清盛」の看板が掲げられている。

清盛1

保健所が収容した犬猫の譲渡を廃止したのは愛誤が原因





 収容した犬猫、特に猫の譲渡を廃止する保健所が増えています。その一因は、迷惑を顧みない無責任な動物愛誤活動にあります。動物愛誤団体は保健所を非難するより、自らを省みることが先でしょう。 


 私が子供だった頃は、犬や猫をペットとして保健所から譲渡を受けることが多かったです。かつては日本がそれほど豊かではなく、血統書付きの犬をペットショップで買うことが一般的では無かったのでしょう。しかし近年では、犬猫を譲渡しない保健所が増えています。特に猫に関しては顕著です。神戸市動物管理センターでは、民間ボランティアと連携して収容した犬の一般譲渡に力を入れていますが、猫の譲渡は行なっていません。
 また鳥取県のように、間接譲渡(愛護団体等が、一般飼い主に再譲渡すること)を廃止した自治体もあります。以下は、大阪府東大阪市保健所に対する愛誤の非難ブログです。東大阪市保健所では、収容した仔犬以外の犬、猫の全ての譲渡を行なっていません。東大阪市では「野良猫の殺処分を行なった、餌やり禁止看板を掲示した」という理由で保健所職員個人が動物愛誤団体から告発され続けた事件があり、動物愛誤活動が過激に行われている地域です。


このままでは、明日、この子は殺処分されます!飼い主さん!!!!

東大阪市動物指導センターは、成犬譲渡・猫(子猫・成猫)の譲渡を一切していません。(3ヶ月くらいが、仔犬限界だそうです・・)
例外も無く、すべての子が、殺処分になります。
仔犬だけは、譲渡対象ですが、ここ数年、仔犬は入ってきてないので、実質譲渡0の状態です。


 
 私は、なぜ保健所が近年収容した犬猫の譲渡に制限を設けるようになったのか、特に猫に関してその傾向が顕著なのか推測しました。
 保健所の、収容犬猫の一般譲渡を廃止する、制限することが広まってきたのは、動物愛護(誤)団体の活動がさかんになってからです。動物愛護(誤)団体が、大量に保健所から収容された犬猫を引き出し、それで怪しげな「保護犬猫譲渡ビジネス」を行いました。不妊去勢費用の負担で譲渡先とトラブルになったり、しつけが全く出来ていなかったり犬猫や重篤な感染症に罹患した犬猫をその事実を伝えずに譲渡したり、また無理やり犬猫を押し付けるなどのトラブルが発生しました。
 特に猫に関しては「売れ残り」の処分に困り、しばしば公園等に遺棄しました。「勝手地域猫」と称し、地域に被害を及ぼし軋轢も生じました。

 以下に、鳥取県での例を挙げておきます。鳥取県では、保健所の犬猫の間接譲渡を平成15年に廃止しました。しかしそれ以降にも「保健所から収容された猫を引き出し、一般に譲渡する」という名目で募金を募る詐欺事件が発生しました。
 鳥取県では、かつて動物愛誤団体が収容犬猫を引き出し、一般に譲渡していましたが、売れ残った猫を公園等あちこちに遺棄して問題になっていました。


鳥取共生動物市民連絡協議会


保健所収容動物救済を騙る「猫ちゃんを救う会(鳥取県)」

猫ちゃんを救う会 2007/05/16

私達は保健所で殺処分されてしまう運命にあった猫ちゃん達を救い出して保護しています。
そうした不幸な猫ちゃん達を1匹でも多く救いたいという趣旨のもとで「猫ちゃんを救う会」を設立致しました。
避妊・去勢手術をしてから里子に出しております。
避妊・去勢、予防注射などの費用は、保護センターから引き取った段階で立替えの形で支払っています。
避妊・去勢、予防注射などの費用を募金という形で募集しています。


鳥取県には保護センターはありません。
「猫ちゃんを救う会」が開設された平成19年(2007年)5月16日当時、鳥取県では間接譲渡を廃止してから4年が経過しています。
鳥取県犬ねこ譲渡実施要綱は平成15年(2003年)9月に策定・通達されました。
譲渡要綱策定の原因は、鳥取市の(愛誤)グループ「DAP&CAP」の不始末でした。
収容動物の情報をネズミ講式に広げ、引取りに行って貰うやり方と、引出した動物を一旦保護した後に譲渡先を捜すやり方をとっていましたが、市民を騙す形で犬猫を押しつけたり(不適正譲渡)、餌場を設けて猫を放す(遺棄)等が続き、地域住民を憤慨させていました。
以上に見る通り、「猫ちゃんを救う会」の記述は嘘です。
保健所収容動物を引出し譲渡先を探す活動はその当時、行われていなかったのです。



 保健所収容犬猫の譲渡を廃止した、間接譲渡の廃止等の制限や、特に譲渡廃止が猫で顕著なのは動物愛護(誤)団体がその原因を作ったのだと思います。
 猫は、狂犬病予防法に基づく行政による捕獲もできません。まだ子猫のうちに飼い主や拾得者が保健所に持ち込めば、野良猫による被害発生は防げます。しかしそれを引き出して公の場に遺棄すれば野良猫被害は際限なく拡大します。

 私は楽天ブログで、横浜のホテルニューグランドや、京都の有名料亭での敷地内の野良猫捕獲と保健所届出を記事にしたことがあります。遺失物改正法では、飼い主の明示(マイクロチップや飼い主の連絡先を記載した名札を付けている等)がなければ遺失物=所有者あり、とはみなされません。不妊去勢済みで耳カットされていようが首輪をつけていようがです。つまりマイクロチップ装着や、飼い主を明記した名札をつけていなければ無主物=所有者がない野良猫です。

 ホテルや料亭が野良猫を捕獲すれば、その猫の所有権を得ることになります。所有者は、自己が所有する物に対しての処分権がありますので、保健所に届けたり安楽死処分するのは合法です(所有者不明猫=野良猫を引き取らない自治体はありますが、全ての自治体は飼い猫は有償であれば引き取ります)。
 高級ホテルや料亭では、敷地や周辺での猫の糞尿被害は経営への大打撃です。野良猫を捕獲して保健所に届けるのは経営上やむを得ず、正当な理由があります。ホテルや料亭がコストをかけて野良猫を捕獲し、さらに自治体によっては手数料を払って引き取ってもらった矢先に動物愛誤団体が引き出し、元の場所に遺棄したら意味がありません。

 動物愛誤団体は、保健所収容犬猫の譲渡を行わないことを非難するよりも、自分達の行動を省みるのが先です。また動物愛誤団体の中には、猫へのマイクロチップ装着をかたくなに反対する方がいます。マイクロチップは、動物愛誤団体の保健所から引き出した猫を再び遺棄する行為を防止するための有効なツールです。現に、マイクロチップの装着を条件に、一般に猫の譲渡を行なっている自治体もあります(川崎市など)。
 身勝手なことばかり主張する動物愛誤団体は、一般からの支持が得られるわけがありません。

神戸市 動物管理センター

 神戸市動物管理センターでは、犬の譲渡は行なっていますが猫はしていません。


(訂正)

> 「間接譲渡をいったん廃止した」のは事実です。それは当方で情報公開している通りです。その後、譲渡要綱を改訂し、現在では団体譲渡も可です。ただし、過去の不祥事を踏まえ、譲渡を希望する団体の適格要件水準を上げています。

鳥取県では、譲渡先の団体の要件を厳しくして、愛護団体への譲渡を再開したようです。

動物愛護活動の効果を上げるためには情緒より知性理性が必要





ホッキョクグマ
 動物愛護活動で必要なことは、情緒より活動家の知性理性です。しかし動物愛護を標榜している活動家方はあまりにも情緒的で、動物の擬人化と感情移入が激しすぎます。知性理性を欠いた動物愛護活動はむしろ逆効果です。だから彼らは「愛誤」と揶揄されるのです。


 先の記事でいただいたコメントと私のレスです。

ミナミイシガメ様)
札幌のヒグマ射殺の件で「このクマにも家族がいた」だの言う人たちがいますが。
クマにとっては人間側の感情移入などどうでもいいことです。
「家族がいたはず」などと言いますが独り立ちした野生のオスのクマには家族なんていないも同然です。
オスは子育てに参加しませんし。それどころか子を殺・し食べることすらあります。
母グマも面倒を見るのは子が独り立ちするまでで、それ以降は自分の縄張りを荒らす敵と見なして襲いかかります。

(私のレス)
仔は、母親だけが育てます。
子が育たない大きな原因は、オス熊が捕食することです。
猫愛誤は、猫に対する感情移入が激しすぎます。
多頭飼いの猫や給餌している猫で、「この猫はボスで父親代わり」「この猫は仲裁役」とか。
イエネコの原種リビアヤマネコは、単独行動で広い縄張りをもち、仔は母親だけで育てます。
だから社会組織としてのボスや仲裁役などはあり得ません。
本来、動物愛護に必要なのは理性と知性でしょう。



 コメントとレスにあるとおり、ヒグマは単独行動をし、広い縄張りを持ちます。オスは子育てに参加しません。それどころかヒグマのオスは、ヒグマの仔を頻繁に捕食します。以下のヒグマの生態に関する資料にもそのような記載があります。


サハリン州の森林と特別自然保護区の管理局が作成した資料の一部を抜粋

熊は共食いをする。大きな熊は小熊を捕まえて食べてしまう(これは小熊が母熊のそばにいる交尾期によく発生する)。
大きな熊が小さな熊(若い熊)を襲って食べた事例が報告されている。



 またホッキョクグマは、自然界でヒグマとしばしば自然交配するぐらい近い種ですが、ホッキョクグマのオスもホッキョクグマの仔をしばしば捕食します。

気候変動でホッキョクグマが共食い始める


 ヒグマの生態を知れば、住宅地に出没したヒグマを射・殺したことに対して「このクマにも家族がいた」(=ヒグマを射・殺した人は、そのヒグマの家族の悲しみも考えないのか)という非難はナンセンスということがお分かりでしょう。しかし私はそのことをもって「ヒグマは同種の仔を食べる残忍な動物だ」と言おうとしているのではありません。それでは動物に対しての感情移入擬人化と同じです。
 ヒグマが同種の仔をしばしば捕食するのは、食物連鎖の頂点の種であるヒグマが増えすぎるのを抑制する自然の摂理、本能に基づくと推測します。

 私は猫愛護(誤)ブログのコメントで「猫の母親は、人の母親と違って心が美しい。なぜならば人の母親は平気で子殺・しをするが、猫の母親は必死で我が子を育てる」とあり、驚愕しました。なぜならば、ネコ科の動物は、ほかの種に比べて共食いが多いからです。猫の母親は、しばしば我が仔を殺・して食べます。

我が子猫を食べる母猫がいるのでしょうか?

 虚弱で育たない仔を母親が食べるのは合理的です。母親の栄養になり、次の発情を促し妊娠を早めることができます。生物にとっての命題は種の保存、さらには自分のDNAを最大限残すことです。我が仔を殺・して食べる母親は自然の摂理に適っています。動物の本能に基づく行動を擬人化して人の価値観で判断するのは誤りです。それはただしい動物愛護にも反しますし、動物の利益にもなりません。
 イエネコの原種、リビアヤマネコは単独行動をし、仔は母親だけが育てます。ですから父親を含めた家族や社会は存在しません。ですから野良猫保護活動をしているという方のブログなどでの「シェルター内では、この子は父親代わりでボスの役割。お母さんがいないこの子のお母さん代わりはこの子で、兄弟の代わりはこの子」のような、猫を擬人化しあたかも擬似家族のような社会を形成しているような記述はナンセンスです。

 ネコ科のライオンは、ネコ科では珍しく群れを作ります。一頭のオスと複数のメスです。ボスのオスを新しいオスが追い出して群れを乗っ取ると、新しいオスは、群れの古いボスライオンの血を引く仔ライオンを全て殺・して食べてしまいます。その理由は、仔ライオンがいればメスライオンは発情しないからです。メスライオンが早く発情しなければ、新しいオスライオンは、自分の仔を残す機会が減ります。
 新しいオスライオンが、古いオスライオンの仔を全て食い殺・すのは、新しいオスライオンが自分のDNAを残す極大化行動であり合理的です。

 イエネコは、本来単独行動をし広い縄張りを持つ動物だということを申し上げました。それを野良猫の餌やりをして人為的に生息密度を高めたらどうなるのでしょうか。まず単独行動をする種は、感染症に倒する耐性は比較的低いです。野良猫が感染症で大量死するケースは頻繁にあります。
 また野良猫が高密度で生息する場合は、オス猫が仔猫を捕食する行動が増えるとの研究結果があります。生物は自分のDNAを増やすことが命題です。人工給餌で高栄養であれば、季節に関係なくメス猫は発情します。オス猫にしてみれば、自分のDNAをより多く残そうとすれば、他のオス猫の血を引く授乳期の仔猫を食い殺・して、メス猫の発情を促し交尾しようとするのは自然の摂理です。
 野良猫に人工給餌し生息密度を高めた場合、それが人のような規律を持った社会であるはずがないのです。そもそもイエネコの本能には社会行動という概念はありません。感染症や共食いなどを招く、野良猫への過剰給餌が動物愛護なのでしょうか。

 ところでこんな統計を上げるのもバカバカしいでが。2005年統計での嬰児(一切未満の子供)殺数は24件です。加害者内訳は示されていませんが、嬰児殺の加害者は約9割が実の母親だそうです。それを元に推測すれば、実の母親に殺された生後一年未満の赤ちゃんは、2005年には21人いたことになります。
 同年の出生数は106万7,000人です。つまり実の母親が我が子を殺した率は0,002%です。対して猫の子殺しは数%あるかもしれません。
 いかに「猫の母親は心が美しい。人の母親は平気で我が子を殺すが、猫の母親は必死で我が子を育てる」というコメントがバカバカしくて根拠がないかお分かりいただけると思います。このような感情ばかり先走って、知性理性に欠けた人たちが動物愛護を担っても、効果がないばかりか逆効果になるのも仕方がありません。

嬰児殺(赤ちゃん殺し)と幼児殺人被害者数統計

猟友会(,,゚Д゚) ガンバレ! クマ愛誤の戯言は華麗にスルーせよ





 ヒグマの有害駆除に反対している愛誤が、「ヒグマを駆除する必要はない。それなのに猟友会が射殺するのは金儲けが目的だからだ」と猟友会を中傷しています。しかしそれらは大嘘です。


 愛誤がヒグマ駆除を担う猟友会を「金儲けのため」と中傷する根拠は次のとおりです。それぞれが事実無根であることを説明します。

1、熊の胆嚢は漢方薬原料として高く売れる。
2、熊肉を市販する。
3、毛皮を売る。


1、熊の胆嚢について。

 熊の胆嚢は漢方薬原料として高価で取引されているのは事実です。しかし限られた時期に狩猟したものでなければ商品価値はありません。その限られた時期とは、熊の冬眠明け直前で巣穴にいるもの、冬眠が明けてまだ食物を摂っていない状態のものです。

 その理由を私なりに推測してみました。
 熊の胆嚢=熊胆の有効成分は胆汁酸です。この成分は小腸に分泌され、脂肪の消化を担います。胆汁酸は肝臓に蓄えられた脂肪から作られます。ヒトでも、脂肪肝の方は胆汁酸が過剰に胆嚢に蓄積されて胆石を作る原因になります。
 脂肪肝は過剰なカロリーの摂取のほかに、意外かと思われるかもしれませんが飢餓が原因でも起こります。肝臓の脂肪が血中に放出されるためにはある特定のタンパク質が必要です。しかし飢餓状態ですとタンパク質が不足するため、脂肪が肝臓にとどまります。そのために脂肪肝になるのです。
 熊の冬眠は4ヶ月にも及びます。冬眠明け前後は飢餓状態でしょう。そのために胆嚢に胆汁酸が大量に蓄えられ、冬眠明けの熊の胆嚢は有効成分を多く含み、価値があるのだと思います。冬眠から明けて食物を摂取した熊の胆嚢が商品価値がないのは、消化のために胆嚢から有効成分が分泌されて含有量が少なくなっているからだと思います。

 かつては公的施策として「春熊駆除」=正しい名称は「計画的駆除」と言いますが、北海道のヒグマに対して行われていました。冬眠明けの時期に巣ごもり中のヒグマを主に狩猟したのです。
 この「計画的駆除」で駆除された熊の胆嚢が漢方原料として流通したのは事実です。しかし1989以降は行われていません。
 単発的なヒグマの有害駆除では、胆嚢が商品価値を持つ時期とは限りません。また駆除数は一頭ではスケールメリットがありません。

エゾヒグマ

 また、熊の胆嚢は薬事法の規制を受けます。薬務行政から正式な認可・承認を受けていない場合、熊胆の販売・譲渡は認められていません。有害駆除されたヒグマの内蔵は研究機関に提供されます。

熊胆


2、熊肉を市販して金儲けをするという点について。

 ヒグマ肉を食肉として一般に市販しようとすれば、食品衛生法の規制を受けます。「食肉処理業」の営業許可を得ることが必要になります。また設備等の基準や病原菌検査等の複数の検査項目をクリアしなければならず、スケールメリットのない有害駆除されたヒグマの肉を市販したとしても赤字になります。
 なお、猟友会メンバーなどの関係者が自家消費するには食品衛生法の規制は受けません。私がヒグマ肉を食べたことがある人から聞いた話では、固くて臭いがきつくて美味しいものではないようです。

食品衛生法


3、ヒグマの毛皮を売って金儲けするという点について。

 熊の毛皮は、毛がごわごわして粗く、皮も硬いので敷物位にしかなりません(私が子供の頃には家にツキノワグマの毛皮がありました)。今時、熊の毛皮の敷物なんて流行りません。
 成金でも引きますね。熊の毛皮は大概廃棄されるようです。


 以上より、「ヒグマの有害駆除で猟友会が金儲けしている」との愛誤の主張は事実無根の中傷だということがお分かりいただけると思います。

 私がヒグマ駆除に反対する愛誤ブログに以上の事柄をコメントしたことがあります。「そんなに儲からないのならばハンターなんてさっさと廃業しろ」とレスが返って来て驚愕しました。今時、貧しい職業マタギなんて日本に何人いるのやら。
 猟友会に誤解があるようです。日本では近年ますます狩猟銃免許の取得が厳しくなりました。免許取得のために3千万円以上の資産を保有する証明が必要になる場合があります。
 農林畜産業者が、事業での害獣による被害防止のために免許を取得する以外では、特に都市部の猟友会メンバーは開業医や会社経営者等の富裕層がほとんどです。私の父は猟友会の支部長を務めていたことがありますのでよく知っています。

 猟友会の会員数は、最盛期の40万人から10万人に激減しています。狩猟銃免許の取得が難しくなったことが大きな原因ですが、将来的に有害駆除を担うハンターが不足することを懸念します。
 ヒグマ等の危険な猛獣の駆除は命懸けです。猟友会の方々には感謝こそすれ、事実無根の中傷を行い攻撃するのは止めていただきたいです。ヒグマ駆除に反対し、安全な場所で自分勝手な思い込みで好きなことを無責任に言いたい放題する迷惑を考えていただきたいです。


(参考リンク)

デカイヤツが残したもの

ヒグマの被害

続々 アニマルリテラシーの重要性 クマ愛誤の大嘘に騙されるな





 「ヒグマの住宅地への侵入を防止するために電気柵を設置すればよい」という、愛誤の主張は机上の空論です。

 これが問題のブログです。

何の罪も無いヒグマを射殺した北海道に抗議を!

 北海道札幌市に出没した、ヒグマの駆除に抗議を呼びかけている愛誤のブログ記事です。私は数度にわたって、この記事の欺瞞について指摘しました。今回は、本記事で主張している「電気柵を設置すればヒグマの住宅地への侵入は防げる」が大嘘だという根拠を示します。


 以下に問題の記述を引用します。

電気柵を幾組か購入し、今回のような必要箇所に必要が生じた時に、設置した方が、よほど市民と熊に寄与するはずである。
熊が何頭いたって良いではないか。
住宅地と熊の棲み分けを図れば良いのである。
熊が出てきそうな場所は既に、過去のデータから、わかるはずだし、不明な箇所は人家から100~200mの範囲の樹林地の地理的環境とそこでの熊の痕跡調査をすることで解明できる。
居住地に出て来る心配危惧があれば、あの林地の縁にそって、200m程電気柵(移動式のソーラー式があり、容易に設置できる)を臨時に張れば、まず生態的に熊は出て来ない(北海道野生動物研究所所長:門崎允昭氏の見解)。



 門崎充昭氏は、日本熊森協会の顧問をされている研究者ではありますが、学術的にはかなり偏向された方と思います。顧問先の熊森協会の活動方針のバックボーンとなっておられますが、多くの動物生態学等の研究者は熊森協会に対して批判的です。

日本熊森協会

 電気柵は、放牧場などの家畜に対しては効果があります。しかし野生動物の侵入に対しては効果は限定的です。野生動物の食害から農作物を守るために農場を完全に囲い設置しても、飛び越えたり下に穴を掘ったり、体当たりして壊したりして侵入されることがあります。イノシシ程度の大きさの野生動物でも、頻繁に電気柵を壊します。
 ヒグマは大きな個体では500キロを超える大型獣です。事実、ヒグマに電気柵を壊されたケースは多数あります。さらには電気柵に触れたヒグマが興奮して暴れた事例さえあります。人命にかかわる住宅地へのヒグマ侵入防止のためには、確実な方法が必要でしょう。ましてや電気柵にヒグマが触れて暴れたならば逆効果です。

 ヒグマは一日に50キロメートルもの距離を移動します。「熊が出てきそうな場所はわかるはずだし、人家から100~200mの範囲の熊の痕跡調査をすることで解明できる」という記述は欺瞞です。クマの一日の行動距離が50キロメートル以上であれば、「出てきそうな場所」なんて特定できません。
ましてや200メートルや100メートルの範囲でクマの出没する場所の特定が出来るわけがありません。200メートル程度電気柵を設置したところで、ヒグマ侵入防止効果は全く望めません。

ヒグマの生態と習性

 市街地すべてを閉鎖するように電気柵で囲うことはコスト的にも不可能です。道路の通行の妨げにもなりますから。なおヒグマは、発信機を付けた調査では、高速道路さえ横断しています。
 また電気柵は、植物の枝や草等が触れるとショートや漏電するために、定期的な草刈や伐採等のメンテナンスが必要です。市街地全体を囲う電気柵でそのようなことが可能でしょうか。また電気柵に人が触れる危険もありますし、漏電事故もあります。その上「電気設備に関する技術基準を定める省令」では、電気柵の設置を牧場農地に限って認めており、住宅地には法律上設置ができません。
 以上を鑑みれば、電気柵の設置によってヒグマの侵入を防止できるというのは全く机上の空論です。


 問題のブログ主はコメントでこのように述べています。
 
あなたは「万が一(人身事故)が起こってしまってからでは遅いから射殺もやむなし」というお考えのようですが、それは(クマを)殺していいという理由にはなりえないのではないでしょうか。
万が一にも何も起こらなかったとしたら、あなたはどう責任をお取りになりますか?
責任なんて取れないですよね。
一度失われた命は2度と取り戻せないわけですから・・・。
クマの命も人間の命も命の価値は皆同じです。



 私はお尋ねしたいのですが、クマを駆除しないことにより人の死亡事故が起きたならば、クマ駆除に反対した方はどう責任を取るのでしょうか。責任なんて取らない、取れない、取るつもりもないでしょう、この方を含めて。
 一度失われた命は二度と取り戻せません。クマの命より人命がはるかに大切です。

電気柵

羅臼町におけるヒグマ駆除に関する報告(電気柵の効果が無かった、電気柵に触れたヒグマが暴れたとの報告あり)
プロフィール

さんかくたまご

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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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よろしくお願いします。

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