続・アニマルリテラシーの重要性 クマ愛誤の大嘘に騙されるな
前回の記事、アニマルリテラシーの重要性 クマ愛誤の大嘘に騙されるな の続きです。
先の記事でリンクした問題ブログの管理人愛誤が、ヒグマの射殺駆除に反対する根拠は以下のとおりです。
1、麻酔銃を用いて捕獲すればよい。
2、米国などは、希少生物であるヒグマ類を捕獲し、自然界に放獣するのが一般的である。
3、日本でも麻酔銃を用いて捕獲して、自然界に放獣すべきだ。
以上は欺瞞です。その理由を挙げます。まず1、の「麻酔銃を用いて捕獲すればよい」という主張についてです。
ヒグマは大変獰猛で、意図的に人をも捕食対象として襲うこともしばしばあります。本土のツキノワグマと異なり肉食比重が高く、大型の牛馬等の家畜を襲い、さらには敏捷な野生のエゾシカを捕食します。ツキノワグマによる人身事故もないことはありませんが、それはツキノワグマがパニックに陥って反撃したなど偶発的な事故がほとんどです。ヒグマが意図的に人を捕食対象として襲うのとは異なります。またヒグマは、体の大きさもツキノワグマとは比較にならないほど大きく危険です。
攻撃、運動能力が優れており、時速50キロで走ることができます。
そのようなツキノワグマを麻酔銃で生きたまま捕獲することは大変危険です。なぜならば、麻酔銃は有効射程距離が問題にならないぐらい短く、麻酔が効くまでのタイムラグもあります。銃の有効射程距離とは、命中率が50パーセント見込める距離です。
麻酔銃の有効射程距離はわずか最大15メートル程度です。大型獣の射殺に用いられる一般的なライフル銃は、有効射程距離が200メートル以上あります。さらに高性能なライフル銃であればそれ以上の有効射程距離があります。
なお、警察官が短銃で射殺すればよい、との意見もありますがこれも誤りです。短銃の最大有効射程距離はわずか50メートルです。実際に用いられるのは、射程距離7メートルから20メートルです。射程距離が短く、その上銃身が短ければ命中精度が落ちるのです。そのため警察官の危険防止から、警察官が短銃を用いての猛獣駆除は行いません。
ヒグマは時速50キロ以上で走ることができますから、麻酔銃の最大有効射程距離15メートルでは、麻酔が効くまでまず反撃されます。ライフル銃で100メートルくらい離れたところから狙撃し、ヒグマの急所を撃抜いてもヒグマの反撃に遭い、死亡したハンターもいるのです(ヒグマはハンターを襲った後に死にました)。
そのような理由から麻酔銃による野生動物の捕獲は、安全な設備のある車内か、箱わなにかかったものに対して用いられます。また捕獲網など他の装備も必要であり、麻酔が効かなかった場合の実弾射撃のバックアップも必要です。麻酔銃単体で危険な猛獣に用いられることはまずありません。
また麻酔銃は規制医薬品を使用するため、獣医師の資格がなければ使用できません。さらには麻酔銃は銃刀法で規制対象の銃であるため、銃免許が必要です。日本では、銃免許の取得が極めて厳しい国です。
獣医師の免許を持ち、かつ銃免許を持っている人材はきわめてまれです。そのようなまれな人材を、緊急に配備するのは不可能です。
2、について。
米国では、グリズリーなどのヒグマ類は絶滅危惧種に指定されており、日本がヒグマを狩猟対象としているのと事情が異なります。また日本では米国と異なり、市街地では住宅や商業施設の集積度が高いです。
そのような米国であっても、住宅地に出没する個体や、人身事故を起こした個体は射殺駆除が一般的に行われます。麻酔銃による捕獲と放獣はよほど自然公園内などでの例外です。
国際絶滅危惧種であるホッキョクグマに対してでさえ、アラスカやノルウェーなどの炭鉱労働者などは、護身のためにライフル銃を所持しています。
3、「日本でも捕獲して自然界に放獣すべきだ」について。
ヒグマは単独行動をし、広い縄張りを持ちます。市街地に現れるヒグマはクマ同士の縄張り争いに負けて、人里に下りてこざるを得なかったのだと推測されます。そのようなクマを捕獲して自然界に放獣したとしても、そこは他のクマの縄張りである可能性が高く、再び人里に下りてくる危険性が高いです。
一旦人に捕獲されたと言うことは、人なれしているということです。人なれしたクマは人を恐れず、さらに危険で厄介です。
以上のように、ヒグマの生態や被害の実情、さらには北海道の住民感情を理解していない、うわべだけ動物愛護を騙るクマ愛「誤」の主張は欺瞞で机上の空論です。さらに彼らは、ボランティアでクマ駆除に参加した猟友会の方々に対しても根拠のない誹謗中傷を行っています。彼らクマ愛「誤」の行為は、身勝手な自己中自己満足のためだけです。関係者への嫌がらせ的抗議やそれをネットで煽ることは謹んでいただきたいと思います。
次回は猟友会への誤解について書きます。無知な愛誤が事実無根な憶測だけで猟友会を非難しています。無責任で人の名誉を毀損する行為はやめていただきたいと思います。
麻酔銃
銃の射程距離
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