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東西冷戦の犠牲になった猫~猫の生体を用いた諜報兵器の開発に失敗したアメリカCIA



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Acoustic Kitty
It was the 1960s, the midst of the Cold War, and espionage was the stage for many of the machinations between the U.S. and Soviet superpowers.
Given the political climate, you might be tempted to forgive the CIA for blowing five years and more than $20 million attempting to train a cat.
The addition of surgically implanted listening equipment, a battery and a tail-based antenna.
Following further surgical attempts to bug the cat and curb its hunger, it darted under a taxicab during a field test and died(lol!).
The American public didn't learn about Acoustic Kitty until the related documents were declassified in 2001.


 アメリカCIAは、1960年代に猫の生体を利用した諜報兵器の開発を計画しました。猫の体に、アンテナや録音機器を埋め込み、主にソビエト連邦要人の会話を録音するのが目的の兵器です。この諜報兵器の開発プロジェクトには、当時の予算で2,000万ドルもの巨費を費やしました。しかしそれは結局は使い物にならず、大失敗に終わりました。


 アメリカCIAが開発を計画していた、Acoustic Kitty「アコースティック・キティ=音響機器猫」と名付けられた、盗聴のための諜報兵器について、ウィキペディアの記述から引用します。Acoustic Kitty


Acoustic Kitty was a CIA project launched by the Directorate of Science & Technology, which in the 1960s intended to use cats to spy on the Kremlin and Soviet embassies. In an hour-long procedure a veterinary surgeon implanted a microphone in the cat's ear canal, a small radio transmitter at the base of its skull and a thin wire into its fur.In an hour-long procedure a veterinary surgeon implanted a microphone in the cat's ear canal, a small radio transmitter at the base of its skull and a thin wire into its fur.
This would allow the cat to innocuously record and transmit sound from its surroundings.
Victor Marchetti, a former CIA officer, said Project Acoustic Kitty cost about $20 million.
The first Acoustic Kitty mission was to eavesdrop on two men in a park outside the Soviet compound on Wisconsin Avenue in Washington, D.C. The cat was released nearby, but was hit and killed by a taxi almost immediately.
Subsequent tests also failed.
Shortly thereafter the project was considered a failure and declared to be a total loss.

アコースティック・キティとは、1960年代に、猫の生体を用いることで、クレムリン(ソビエト連邦の政治の中枢)とソ連大使館を(盗聴により)スパイすることを目的とした、科学技術局長が立ち上げたCIAのプロジェクトでした。
その手順は、獣医師がまず猫の外耳道内にマイクを移植し、さらに猫の頭蓋骨底部にちいさな無線送信機を移植して、毛に覆われた皮膚内に、細いワイヤを埋め込んで接続します。
そうすることによって、猫が相手に気づかれることなく録音し、猫の周辺の音声を送信することを可能にします。
元CIA職員のビクター・マルケッティは、アコースティック・キティのプロジェクトに費やした予算は2,000万ドルであると述べました。
最初のアコースティック・キティの使命は、ワシントンD.C.のウィスコンシン・アベニューで、ソ連の二人の男性の会話を公園の外で盗聴することでした。
しかしリリースされた直後に、その猫はタクシーに轢かれて死にました(大爆笑!)。
その後もテストも失敗しました。
その後まもなくプロジェクトは失敗とみなされ、予算は全て無駄になったことが宣言されました。



(画像)

 アコースティック・キティの設計。

アコースティックキティ


(動画)

 2009年11月7日公開。Acoustic Kitty - CIA Audio Listening Device Installed In Cat, Ends Poorly.「アコースティック・キティーアメリカCIAの、オーディオ・リスニング・デバイスを猫に埋め込んだものは、惨めな失敗に終わりました」。

Oh wow.
This is HORRIBLE that they did this to this poor cat, but I must shamefully admit that I laughed at the ending.

うわぁ。
アメリカCIAが、哀れな猫にこのようなことをしたことは恐ろしいですが、私は恥ずかしながら、最後に笑ってしまったことを認めなければなりません。





 日本のことわざには、「忙しくて猫の手を借りたいほど」と言うものがあります。つまり「猫(の手)は役には立たない」という喩えです。英語で言えば、Busy enough, to want to borrow the hand of cat.となるでしょうか(笑い)。「猫(の手)はどうせ役には立たない」ということを認識している日本人は、このような失敗を幸いしなかったようです。なお、「アメリカ連邦政府が行った無駄な研究ワースト5」に、このアコースティック・キティが選ばれています。Top 5 Crazy Government Experiments。その他には、「UFO研究」「超能力研究」「宇宙空間で人間は生殖が可能か」「囚人を用いた人体実験」があります。
 でももしかしたら、ソビエト連邦の要人に、野良猫の餌やりマニアがいれば、この諜報兵器は活躍していたかもしれません。東西冷戦の狭間で、猫もいい迷惑を被ったということでしょう。

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続・犬の特攻~戦争の愚かさと狂気



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anti-tank-dog
Anti-tank dogs were dogs taught to carry explosives to tanks, armored vehicles and other military targets.
They were used in 1941–1942 against German tanks in World War II.
Their deployment revealed some serious problems.
In the field, the dogs refused to dive under moving tanks.
Some persistent dogs ran near the tanks, waiting for them to stop but were shot in the process.
They would run back to the trenches and often detonated the charge upon jumping in, killing Soviet soldiers.
"Such a stupid biological weapons, the Japanese army in the end of World War II was planning the deployment" There is a theory that.
But the Description is incorrect.


 前回記事、犬の特攻~戦争の愚かさと狂気の続きです。前回記事では、第二次世界大戦中の1941~1942年の期間において、旧ソ連軍が、ナチス・ドイツ軍の戦車部隊攻撃のために犬の特攻を行っていたことを書きました。犬に爆弾を背負わせて、ナチス・ドイツ軍戦車の車体の下に犬が潜り込めば、爆弾が起爆するという方法です。しかし犬が自軍に逃げ帰り、自軍で自爆するなど、ソ連軍の思惑通りにはいかず、わずか2年でソ連軍の犬の特攻は廃止されました。日本においても、「犬の特攻が計画された」との説がありますが、それは誤りと思われます。


 ・関連記事

犬の特攻~戦争の愚かさと狂気


 日本軍がソ連軍と同様の、「犬の特攻部隊」の編成を計画していたとの説は、八王子郷土資料館に収蔵されている資料に基づきます。その資料は、1944年(終戦の前年)の年末に、一般市民に対して、「犬の供出」を求める文書です。当時日本は、(人による)特攻攻撃が状態化し、一般国民においても「本土決戦はやむなし」という認識にありました。
 その問題の資料の画像が次のものです。地域社会に回覧されたものと思われますが、このような文面があります。「私たちは勝つために、犬の特別攻撃隊を作って、敵に体当たりさせて立派な忠犬にしてやりませう」と、飼い犬の献納を呼びかけています。


(画像)

 八王子郷土資料館収蔵。

犬 特攻


 上記の資料に関しては、スレッドもたっています。「犬の献納運動」って正気かよ。「勝つために犬の特別攻撃隊を作って敵に体当たりさせて立派な忠犬にしてやりましょう」だと?頭がイカれてる。 pic.twitter.com/4NaIkpTCtH。また郷土史家のブログで、「犬の特攻隊編成が計画されていた」とあり、ソ連軍の犬の特攻装備の画像などを補足資料として掲載したものもあります。
 しかし結論から言えば、日本が犬の特攻隊編成を計画していたことは否定されます。理由は、八王子郷土資料館が収蔵している当資料は、日本陸海軍の軍犬購買ではないからです。献納先は、八王子市役所だからです。

 第二次世界大戦時の、民間からの犬の戦時供出は、①「民間人飼育の軍用候補犬の出征」と、②「ペットの毛皮(などの)用途の供出」に分けられます。


①「在郷軍用犬(民間飼育の軍用候補犬)の出征」

社団法人帝国軍用犬協会の仲介による、民間飼育者から日本陸海軍への軍犬売却契約。
当時軍用犬は全て、同社団法人が仲介して民間から軍に売却されました。
またそれらの犬は、軍用犬に適するとされる、ジャーマンシェパード、ドーベルマン、エアデールテリアの3種に限られます。
参考資料 軍犬

②「ペットの毛皮供出」

当時の商工省の皮革統制に倣い、地方公共団体が行った飼犬の皮革などの用途での供出を国民に求めた事業。
毛皮用の犬などは、当初は野犬を捕獲していました。
野犬の捕獲などには、警察が地方公共団体に協力していました。
参考資料 「戦時下における畜犬の献納・供出」 を教材化する - 奈良教育大学


 八王子郷土資料館が収蔵する本件資料は、・社団法人帝国軍用犬協会の仲介ではないこと、・日本陸海軍の軍犬購買契約ではないこと、・軍用犬に適し、軍が購買する対象犬種(ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、エアデール・テリア)に限定していないこと、から、②の、「ペットの毛皮用供出」を求めたものと思われます。
 つまり本件資料の記述、「私たちは勝つために、犬の特別攻撃隊を作って、敵に体当たりさせて立派な忠犬にしてやりませう」は、犬の飼い主に対してより供出を促すための方便(嘘)であったと推測されます。特攻隊員の防寒具用の毛皮のためや、はなはだしきは食料(に、供出犬が用いられたとの資料もあります)では、飼い主にとっては、あまりにも惨めで哀れと感じられ、供出をためらったのではないでしょうか。

 ソ連軍の犬の特攻隊は愚かで狂った戦術でした。当然、犬が怯えて自軍に逃げ帰ることが予想されるからです。日本の「犬の特攻隊」が真実であれ、方便(嘘)であれ、それを口実に民間人に飼い犬を供出させようというのも、愚かで狂っています。戦争というものは、愚かで狂っていなければ遂行できないのでしょうか。
 しかし歴史上最も愚かで狂っていたのは、日本の特攻でしょう(亡くなった方のご遺族、関係者の方がこの表現に不快な思いをされたのであればお詫びします)。ソ連の対戦車犬は愚策でした。しかしソ連軍は、わずか2年でこの戦術を撤廃しています。また私の感覚としては、自国民の若者に特攻攻撃をさせるほうが、よほど愚かで狂っているとしか思えません。しかも日本は、それに歯止めをかけることができず、終戦まで拡大し続けました。しかも特攻が当初はある程度効果をあげたものの、末期にはほぼ全てが迎撃され効果はほぼゼロであったにもかかわらずです。

 NHKの番組で、日本の特攻が歯止めがかからず、拡大していった史実に関するドキュメンタリー番組があります。客観的事実を淡々とありのままに積み上げて、番組制作者の主観や感情、偏向を排した秀逸な作品です。特攻 ~なぜ拡大したのか~。2015年8月8日。
 その中では繰り返し、当時軍の最高責任者であった昭和天皇(大元帥)が、「特攻」を賛辞し、継続を指示したことが、昭和天皇ご自身の肉声などの紛れもない証拠が挙げられて報じられています。また近衛文麿氏が昭和天皇に終戦を奏上したものの、昭和天皇は戦争(特攻)継続を指示されたことも報じられています。

 歴史が科学であるためには、客観的な資料をありのままに、感情を排して積み上げることが必要です。しかし歴史の分析は、その時の政治的背景や利害関係者、研究者の思想のバイヤスが入ります。
 朝日新聞の従軍慰安婦の記事は、元の情報の多くが信ぴょう性にかける、捏造である可能性が高いことが判明しました。しかし未だに、従軍慰安婦を政治に利用する利害関係者は絶えません。また昭和天皇を必要以上に美化する傾向もあると思います。それも政治や利害、思想が関係しています。「歴史が科学であるのは難しい」。ふと終戦記念日を控えて想った私でした。


(動画)

 数少ない、ソ連軍の「対戦車犬」による、戦車爆破の成功例。

犬の特攻~戦争の愚かさと狂気



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anti-tank-dog
Anti-tank dogs were dogs taught to carry explosives to tanks, armored vehicles and other military targets.
They were used in 1941–1942 against German tanks in World War II.
Their deployment revealed some serious problems.
In the field, the dogs refused to dive under moving tanks.
Some persistent dogs ran near the tanks, waiting for them to stop but were shot in the process.
They would run back to the trenches and often detonated the charge upon jumping in, killing Soviet soldiers.
"Such a stupid biological weapons, the Japanese army in the end of World War II was planning the deployment" There is a theory that.


 日本の第二次世界大戦時における、特攻隊員の自爆攻撃は世界的に有名です。その「特攻攻撃」ですが、第2次世界大戦時に、犬に行わせていた国があります。それは旧ソ連です。ナチス・ドイツ軍の戦車部隊の防戦には、ある程度効果を上げたようです。日本でも本土決戦に備えて、犬特攻攻撃が計画されたとの説がありますが、実現前に終戦を迎えました。


 旧ソ連が、ナチスドイツ軍の戦車部隊の防衛にのために開発したのが、anti-tank-dog「対戦車犬」です。ウィキペディアから引用します。対戦車犬


対戦車犬とは、第二次世界大戦中に赤軍(ソ連)が開発した戦車攻撃用の動物兵器である。
英語では Anti-tank-dogs、あるいは dog mines (犬地雷)と訳されている。
対戦車犬は、背中に爆薬と起爆スイッチとなる木製レバーを背負い、木製レバーを垂直に立て戦車を目指して走る。
爆薬を背負った空腹の犬を敵戦車の前に放ち、戦車の下に潜り込んだところで起爆レバーが倒れ、敵戦車を破壊する。
犬の訓練には、「条件反射」を利用した。
戦車や装甲車輛の下に犬の餌を置き、空腹の犬が餌を目当てに戦車の下に潜り込むように教え込むというものである。
しかし、精度は高いとは言い難く、訓練を積んだ対戦車犬といえども、敵戦車が走行する際に発する激しい騒音に怯え、逃げ去ったり自陣に駆け戻り自爆するなど、扱いの難しい兵器であった。
また当初、訓練に自軍(ソ連)の戦車を用いたため、それに対する条件反射が成立してしまい、ドイツ戦車は無視して、味方戦車に向かって突っ込んでしまうという大きな失敗もあった。
訓練法が改善され、ソ連戦車は主にディーゼルエンジン、ドイツ戦車はガソリンエンジンだったため、ガソリンの臭いに対しての条件反射をすりこんだ。
しかし大多数の対戦車犬は、ドイツ軍の火炎攻撃に恐れ、戦線を離脱したり、あるいは自陣に舞い戻り自爆するなど、被害を拡大していった。
1942年に起こった戦闘では、ドイツ軍の火炎攻撃で犬達は逃げ帰って自軍部隊に甚大な被害を与え、部隊の撤退を余儀なくされた。
この一件から程無くして、対戦車犬は実戦の場から姿を消している。



(画像)

 anti-tank-dogの構造は、いたって単純です。犬が戦車の下に潜り込むと、背中の上に立った木の棒が倒れます。木の棒が倒れることにより、爆弾が起爆します。また犬の訓練においても、「条件反射」を利用した、単純なものです。パブロフを生んだ国ならではですね。高度に、人が犬に対して指揮命令を行うものではありませんでした。
 犬が怯えて自陣に舞い戻り、そこで自爆して自軍に被害を及ぼすこともしばしばありました。ましてやソ連軍が「対戦車犬」の訓練を行ったのは、自軍のディーゼルエンジンの戦車で、ガソリンエンジンのドイツ軍の戦車とは異なりました。そのために「対戦車犬」は、しばしば自軍のソ連戦車を攻撃しました。したがって、ソ連軍が「対戦車犬」を実践で配備したのは、わずか1941年から1942年にかけての、2年間にとどまりました。

anti tank dog


(動画)

 数少ない、ソ連軍の「対戦車犬」による、ドイツ軍戦車撃破の様子です。




 このような問題がある、効果があるとは言えない生物兵器、さらには自軍にとってもリスクとなる「対戦車犬」です。しかしある資料に基づき、日本でも第二次世界大戦末期の1944年頃に本土決戦のために計画されたという説があります。一般国民に対して、特攻用に、飼い犬の拠出が求められました。
 その資料と、計画の真偽について、次回記事では考察したいと思います(続く)。

「ヨーロッパでのペスト大流行は、魔女狩りで猫を大量に殺したことが原因」は大嘘





Domestic/inländisch

 しばしば野良猫の温存や猫の放し飼い(地域猫なども含めて)を正当化する理由として、「猫はネズミを捕獲するので感染症予防になる。その証拠に、ヨーロッパのペスト大流行は、魔女狩りで猫を大量に殺したことが原因だ」と主張する野良猫愛誤がいます。しかしそれは全く史実に反する大嘘です。


 「ヨーロッパでのペスト大流行は、魔女狩りで猫を大量に殺したため、ネズミが大発生したことが原因」。そのように主張し、それを理由に「野良猫放し飼い猫(地域猫なども含めて)がネズミ駆除~感染症予防になる」とし、それを正当化する愛誤が多いです。以下に例示します。


・ねこだすけHP、[Neko-Dasukeとは]

ヨーロッパでは、14世紀に魔女狩りが始まり、ねこをたくさん殺したのでペストが大流行し、約2500万人が死にました。

・NPO法人 自然と動物を考える市民会議HP、西欧の猫と動物愛護

一五〇〇年から一七〇〇年の間その嵐は吹きまくり、処刑された人は二十万人とも三百万人とも云われ判然としない。
猫たちはそれ以上処刑されたに違いない。
そのため北ヨーロッパでは猫が激減しネズミが大発生し穀物は荒らされ伝染病のペストが大流行し住民の1/3が病死したと言われている。



 しかし、「ヨーロッパでは魔女狩りにより、猫を大量に殺した。そのためにネズミが増えてペストが大流行した」は全く史実に反します。
 ヨーロッパでペストが大流行したのは14世紀であり、14世紀にはほぼ収束しました(その後の流行は散発的なものです)。対して魔女狩りが行われたのは15世紀から17世紀にかけてであり、ペストがほぼ収束してから100年も後のことです。また魔女狩りでは、ことさら猫だけを大量に殺したわけではなく、魔女の使いとされる動物は他にも多くありました。カラス、ヤギなどもそうです。
 ヨーロッパでの魔女狩りは、先に起きた感染症の大流行による社会不安と、人々の不安・不満を解消させるためのスケープゴートを求めたことが発生の原因と言われています。つまり、愛誤の主張、「魔女狩りにより猫を大量殺害したことが、ヨーロッパでのペスト大流行の原因」は、原因と結果が逆なのです。


 魔女狩りについての、ウィキペディアの記述を引用します。魔女


15世紀から17世紀にかけてのヨーロッパ諸国において、多くの人々が魔女の嫌疑をかけられ、世俗の裁判や宗教裁判によって処断された。
「魔女狩りにより猫を殺し過ぎたために天敵のいなくなった鼠の数が増え、これがペスト流行の一因となった」といわれるがこれは誤りである。



 ヨーロッパでのペスト流行についてのウィキペディアの記述も引用します。ヨーロッパでのペスト大流行は14世紀であり、魔女狩りが行われる100も前のことです。さらに、非キリスト教圏のイスラム諸国にもペストは流行しました(魔女裁判はキリスト教圏のみ行われました)。
 そのことは、「猫を大量に殺害したことによりペストが流行した」では説明がつきません。ペスト


14世紀には全ヨーロッパにまたがるペストの大流行が発生した。
14世紀末まで3回の大流行と多くの小流行を繰り返し、猛威を振るった。
ペストはヨーロッパへ上陸する前後にイスラーム世界にも広がった。



 さらには近年、ヨーロッパのペスト流行は、「実はペスト以外の感染症であった」という学術論文が相次いで発表されています。公益社団法人 日本獣医学会HPより。 霊長類フォーラム:人獣共通感染症(第159回)9/2/2004 中世の黒死病はペストではなくウイルス出血熱


英国リバプール大学動物学名誉教授のクリストファー・ダンカン(Christopher Duncan)と社会歴史学の専門家スーザン・スコット(Susan Scott)は教会の古い記録、遺言、日記などを詳細に調べて「黒死病の再来」(Return of the Black Death , Wiley, 2004)を出版しました。
彼らの結論では、黒死病はペスト菌ではなく出血熱ウイルスによる。
1656年から57年にローマとナポリでの解剖例では、腺ペストとはまったく異なっています。
著者らはこれらがエボラ出血熱、マールブルグ病などウイルス性出血熱にきわめて似ているという意見です。



 中世ヨーロッパにおけるペストとされている感染症は、実はウイルス性の出血熱であった可能性が高いのです。ウイルス性出血熱の、エボラ出血熱やマールブルグ病は比較的新しく発見された感染症であるため、かつては14世紀に大流行した感染症は既知のペストとされたのです。
 仮に14世紀に大流行した感染症がエボラ出血熱などのウイルス性出血熱であったならば、感染は、患者(人)の血液、分泌物、排泄物や、唾液などの飛沫などからです。また死亡した患者からも感染しますので、遺体処理の際に感染したこともあるでしょう。主にネズミに寄生するノミが感染源ではありません。

 もし14世紀のヨーロッパで大流行した感染症がペストではなく、ウイルス性出血熱であったのならば、「猫の減少~ネズミの増加~ネズミにつく(ペスト)菌が拡散され(ペスト)が大流行した」という因果関係はありえません。まさに「愛誤は息をするように嘘をつく」。

NHK大河ドラマ「平清盛」で盛り上がらない神戸(涙

 拝啓 NHK様。大河ドラマ「平清盛」では時代考証を厳密に行なったと聞いております。でも猫に関する描写は史実に反していますよ。


NHK大河ドラマ「平清盛」 yahooニュース

NHK大河ドラマ「平清盛」の初回視聴率は17.3%で、初回視聴率としては歴代ワースト3位だった。
兵庫県の井戸敏三知事は同10日の定例会見で、初回視聴率が過去3番目に低かったことを受け「画面が汚い。あんな鮮やかさのない画面では、日曜日の憩いの時間にチャンネルを回す気になれないだろう」と苦言を呈した。



 現在放送中のNHK大河ドラマ「平清盛」の視聴率が相変わらず低迷しています。NHK大河ドラマゆかりの地での観光振興を期待する自治体首長にとっては、NHK大河ドラマの視聴率低迷に苦言を呈したいのは理解できます。
 HNKは「時代考証を厳密に行なったため」と反論しています。平安時代末期では、常に衣装や髪型をを綺麗に整えられたのは、ごく限られた皇族や貴族でも公卿などの最上流階級です。下級貴族や武士、ましてやその使用人や庶民は、現代の感覚でいればホームレスという感じだったでしょう。また当時の照明では、昼間でも室内は相当暗かったはず。
 むしろ今までのTV時代劇のような、やたらと庶民までが衣装が綺麗で整いすぎて色彩が鮮やかすぎ、髪も一糸乱れずと言う方が不自然に感じます。私は「平清盛」の演出は自然で好感が持てます。

平清盛 確かに汚い

 「平清盛」と同じく、日曜日に放送される「イ・サン」(朝鮮王朝の名君、第22代正祖王の生涯を描いたドラマ)の演出とは対照的です。このドラマは、韓国では視聴率40%を超えました。
 私は、思わず「登場人物の衣装の色彩が鮮やかすぎ」「当時の庶民がこれほど服装や髪型を整えてはいなかっただろう」とか「当時の照明では、室内ではこれほど明るくはなかっただろう」と思わず突っ込みたくなりますが。

 井戸知事の他にも「平清盛」を右傾化?した方がブログなどで批判しています。いわく「皇族間の愛憎を醜く表現している。NHKは反日反皇室だ」(ヤレヤレ)。
 鳥羽天皇の子、崇徳天皇が、鳥羽天皇の后と鳥羽天皇の祖父白河法王が密通してできた不義の子ということを指しているのでしょうか。しかしそれは史実です。鳥羽天皇が崇徳天皇を「叔父子」と呼び、忌み嫌っていたとの記録もあります。

 しかし私はNHKの「平清盛では、時代考証を忠実におこなった」という反論に対して申し上げたいことがあります。
 例えば、皇族貴族の女性の衣装の色彩です。当時は最上流階級の女性の衣装は、季節等により色合わせなどで厳密な決まりごとがありました。しかし「平清盛」では、かなり自由に女性の衣装の色彩を用いています。
 それとどうしても気になるのが、猫に関する描写です。作中では、猫が放し飼いされ野良猫が度々登場します。例えば西行(佐藤義清)は野良猫を拾って邸に持ち帰り、放し飼いします。
 平安末期は、猫は大変珍しい貴重なペットであり、最上流階級しか飼育できませんでした。そして逃げ出したり盗まれたりしないように係留飼育することがが当たり前でした。ですから作中で放し飼い猫や野良猫がいることはあり得ません。源氏物語や枕草子では、しばしば最上流階級が猫を係留飼育している様子が描写されています。

 猫の放し飼いが全国的に行われるようになったのは、はるかに時代が下って江戸時代五代将軍綱吉の頃です。生類憐みの令(1687~1700年)で猫の係留が禁止され、それ以降、猫は爆発的に増えました。それ以前にも慶長7年(1602年)にも猫の放し飼い令が出されましたが、京の都に限ってのことです。
 私は「平清盛」での、猫の描写には大変気になります。「時代考証を忠実に行なった」のであれば、猫の飼育に関しても、史実に即して頂きたかったです。猫の放し飼いに関して愛誤が「日本では長い歴史において、猫は放し飼いが当たり前だった。だから歴史的文化的背景を考えれば、猫の室内飼いは誤った飼い方。だから法令条例で義務付けるべきではない」と主張しています。愛誤に誤った歴史認識を助長させるからです。

『歴史としての猫』 柏書房


・阪急電車車体に貼られた「平清盛」のポスター。

清盛2


・神戸市内の商店街などいたるところに「平清盛」の看板が掲げられている。

清盛1
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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